説明

モジュラ照明システムのための画像選択方法

ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を、各々が複数の画素を含む照明モジュールの画素に関連付ける方法を開示し、これらの照明モジュールは、複数の照明モジュールと、これらの照明モジュールへ制御信号を通信するようになっている制御装置とを含む照明システムに含まれるようになっている。照明モジュールの各々は、隣接する照明モジュール、及び照明モジュールの画素のいずれかに制御信号を通信することができる。ディスプレイ装置上に表示された照明モジュールに関連する画素の視覚表現によってビジュアルコンテンツの画素を選択することができ、視覚表現の個々の画素は照明モジュールの画素に対応する。視覚表現の画素の位置に対する視覚表現の画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、ビジュアルコンテンツの画素値を視覚表現のそれぞれの画素に関連付けることができる。画素値に関連する視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信することにより、ユーザは、照明モジュール上の画素の関連付けの結果を原則としてリアルタイムで見ることができる。この方法を実施するようになっているシステムをさらに開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にモジュラ照明の分野に関する。具体的には、本発明は、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素に関連付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長い間、表示を目的とした発光ダイオード(LED)が使用されてきたが、例えば部屋などの様々な場所の全般照明を可能にするほど十分に高い輝度を有するような高輝度LEDにより、LED及び照明用途市場は短期間で大きく成長した。一般に、高輝度LEDは、小型であること、有効性が比較的高いこと(及び関連温度が低いこと)、寿命が比較的長いこと、色域が広いこと、及び制御が容易であることに関連する。当然ながら、このようなLEDは、照明設計者が新たな照明用途を開発する上で重要である。フィラメント式電球又はハロゲンランプなどの従来の発光装置を交換する際にこのようなLEDを利用することもできる。一般に、このようなLEDは様々な色の光を発光することもでき、これによりこのようなLEDを含む照明器具から発光される光の色を制御することが可能になる。
【0003】
具体的には、光拡散器によって覆われた複数の赤色、緑色、及び青色LEDを含むアレイを利用することにより、色が可変であるとともに光分布が均一な比較的広範囲にわたって広がる光源を提供することができる。これにより、高輝度LEDは、例えばショーウインドウの照明又は装飾、及び展示場、劇場、又は飛行場のような公共の場などの全ての種類の用途にとって魅力的なものとなる。LEDの高速応答時間を提供する能力、及びLEDベースのRGBトリプレットの事実上全ての色を生成する能力により、LEDベースのRGBトリプレットは、動く色パターン、さらにはビデオを視覚化するための広範囲の照明用途に適したものとなる。このような直視型の照明用途は、LED密度(すなわち画素密度)及び/又はLEDの制御性に応じて、単色照明パネルから多色ビデオディスプレイにまで及ぶことができる。
【0004】
ほとんどの従来の照明器具は、寿命が終わるまで特定の場所に恒久的に装着されることを意図されているが、将来的なLED照明用途は、用途及び携帯性に関する柔軟性に重点が置かれると考えられる。モジュラ照明は、この方向における1つのステップである。モジュラ照明とは、様々なサイズ及び形状の大型照明装置を得るために組み立てることができるモジュールのことである。このようなモジュラ照明は、モジュラ照明を設置する予定の利用可能な空間にサイズ及び形状を適合させる上で柔軟性があるにもかかわらず、一般に標準的な長方形の液晶ディスプレイ(LCD)装置から逸脱したサイズ及び形状を有することができる画面上で動く光のパターン(又はビデオ)を視覚化するために使用することができる。実質的に二次元のモジュールは、タイルと呼ばれることがある。このようなモジュールは、例えば正方形、三角形、又は五角形などの様々な多角形形状を有することができる。モジュールは二次元形状に限定されず、立方体又はピラミッドなどの三次元形状を有することもできる。個々のモジュールのサイズを制限することにより、携帯性を向上させることができる。
【0005】
通常、モジュールは支持フレーム上に装着され、配線及びコネクタにより電気的に相互接続される。他の従来のシステムには、DMX512などの有線照明通信プロトコルを活用して、いくつかの外部光パターン発生器とデータ通信を確立するものもある。無線相互接続の能力を持つモジュールも知られている。一般に、モジュラ照明システムは、モジュールの少なくとも1つに接続された外部コントローラにより制御され、照明システムの少なくとも一部のための光パターン発生器として機能する。
【0006】
このようなモジュラ照明システムの応用分野として、例えばデジタル表記及び雰囲気の作成を挙げることができる。いくつかの応用分野では、多くの場合モジュラ照明システムの再構成が、しかもこのような再構成の熟練度が低い人物によって求められる可能性があると予想することができる。すなわち、日頃からこのような再構成に取り組んでいるプロの設計者、導入者、及び/又はプログラマとは対照的に、普段はこのような再構成に取り組んでいない人物である。このような応用分野では特に、照明システムを設置する場所においてモジュラ照明システム内の照明モジュールの物理的配置が設定されると、一般にエンドユーザは、現在ユーザが(消費者などの)他の人物に提示したいと思っているビジュアルコンテンツ又はメディアの表現を表示するようにモジュラ照明システムを構成したいと望む。このようなビジュアルコンテンツとして、照明パターン、静止画(又はグラフィック)、ビデオなどを挙げることができる。例えば、一般に店舗経営者は、改装が行われている間に予想される利益の減少を最低限に抑えるために、自分たちの店(ショーウインドウなど)をできるだけ速く改装して、改装のために店を閉めなければならない時間を短縮したいと望む。一般にこのようなエンドユーザは、時間及びコストの観点から、プロの設計者、導入者、及びプログラマの介入を最小限に抑えたいとも望み、特別な技術を必要とせずに十分に簡単な方法で再構成を行えるのであれば、一般にモジュラ照明システムの再構成の大部分を自分自身で行うことを好む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のモジュラ照明システムは、経験豊富なプログラマがビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素上にマッピングする上で優れた制御を可能にする専用のエディタ設計ツールにより、モジュラ照明システム上に表される所望のビジュアルコンテンツを、画素化した照明モジュール上にマッピングすることによって再構成(又は再プログラム)することができる。しかしながら、一般にこのようなツールは、エンドユーザが使用するにはあまりに難しく扱いにくい。
【0008】
本発明は、上述の及びその他の検討事項に対して成されたものである。本発明の目的は、上述の欠陥及び不利点の1又はそれ以上を個々に又はまとめて緩和し、軽減し、又は解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これら懸案事項の1又はそれ以上により良く対処するために、独立クレームに定義する特徴を有する方法及び装置を提供する。さらに、本発明の有利な実施形態を従属クレームで定義する。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を、各々が複数の画素を含む照明モジュールの画素に関連付ける方法が提供される。照明モジュールは、各々が少なくとも1つの通信ユニットを含む複数の照明モジュールを含む照明システムに含まれるようになっており、個々の照明モジュールは、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するように構成することができる。照明システムは、照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置をさらに含み、照明モジュールの各々は、この照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットは、それぞれの通信ユニットに関連する照明モジュールの画素のいずれかへ制御信号を通信するように構成することができる。この方法は、照明モジュールの幾何学形状を示す制御信号を受け取るステップを含むことができる。方法は、ビジュアルコンテンツを生成し、複数の画素を含むディスプレイ装置上にこのビジュアルコンテンツを表示するステップを含む。照明モジュールに関連する画素の視覚表現を生成してディスプレイ装置上に表示することができ、この視覚表現の個々の画素は照明モジュールの画素に対応する。ディスプレイ装置上で視覚表現の位置を変えること及び視覚表現をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、視覚表現の境界内にある視覚表現の画素を選択することができる。方法は、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるステップをさらに含むことができる。画素値に関連する視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信することができる。
【0011】
例えば、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの上に、視覚表現を(少なくとも部分的に透明であることができる)レイヤとして表示することができる。例えば、ディスプレイ装置上で視覚表現の位置を変えること及び/又は視覚表現をサイズ変更すること、及びレイヤの下にあるビジュアルコンテンツの画素を選択することを容易にするために、エンドユーザに対して視覚表現の輪郭(又は境界)のみをディスプレイ装置上に表示し、輪郭内の視覚表現を少なくとも部分的に透明にすることができる。
【0012】
このような方法により、エンドユーザは、モジュラ照明システム上に表したいと望む、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素に単純かつ直感的にマッピングし又は関連付けることができるようになる。既知の解決策とは対照的に、このような方法は、プログラムの経験又は専用のエディタ設計ツールについての知識さえも必要とせず、原則として、例えばインターネットから画像又はビデオなどのビジュアルコンテンツをダウンロードすることにより、このビジュアルコンテンツを(コンピュータモニタなどの)ディスプレイ装置上に表示する方法についての知識しか必要としない。
【0013】
照明モジュール上にマッピングするビジュアルコンテンツの画素を選択し、選択した画素の画素値に対応する制御信号を照明モジュールの対応する画素へ通信するために、ディスプレイ装置上で視覚表現の位置を変えること及び視覚表現をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、ユーザのための視覚制御フィードバックループを可能にすることができる。このようなフィードバックループにより、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素に「WYSIWYG(what you see is what you get)」又はプラグアンドプレイの形で関連付けできるようになり、この結果、照明モジュールにより表示される予定のビジュアルコンテンツの(単複の)部分を選択する処理が、既知の解決策と比較して大幅に簡略化され、かつ柔軟なものとなる。
【0014】
本発明の第2の実施形態によれば、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を、各々が複数の画素を含む照明モジュールの画素に関連付ける方法が提供される。照明モジュールは、各々が少なくとも1つの通信ユニットを含む複数の照明モジュールを含む照明システムに含まれるようになっており、個々の照明モジュールは、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するように構成することができる。照明システムは、照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置をさらに含み、照明モジュールの各々は、この照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットは、それぞれの通信ユニットに関連する照明モジュールの画素のいずれかへ制御信号を通信するように構成することができる。この方法は、照明モジュールの幾何学形状を示す制御信号を制御装置から受け取るステップを含むことができる。方法は、ビジュアルコンテンツの少なくとも一部を表示するウインドウを生成し、複数の画素を含むディスプレイ装置上にこのウインドウを表示するステップを含む。照明モジュールに関連する画素の視覚表現を生成してディスプレイ装置上に表示することができ、この視覚表現の各々の画素は照明モジュールの画素に対応する。ディスプレイ装置上でウインドウの位置を変えること及びウインドウをサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、視覚表現の境界内にある視覚表現の画素を選択することができる。方法は、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるステップをさらに含むことができる。画素値に関連する視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信することができる。
【0015】
ディスプレイ装置は、Windows(登録商標) XP、Windows 98、Windows VistaなどのMicrosoft Windowsファミリの動作システムを実行するようになっているコンピュータの中央処理装置と通信可能に接続することができる。従って、ウインドウは、例えばMicrosoft Windowsメディアアプリケーションが提供するウインドウとすることができる。一般に、このようなウインドウは、例えば(マウスなどの)ポインタ制御装置を介したユーザ入力に基づいてそのサイズ及び位置を変更することができる。従って、ユーザは、動作に関して直感的な、直接的な、及び柔軟な方法でディスプレイ装置上のウインドウをドラッグ及び/又はサイズ変更することができる。
【0016】
さらに、本発明の第1及び第2の態様による方法は、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素に関連付けるための代替の有利な解決策をそれぞれ提供するので、本発明の第2の態様による方法により、本発明の第1の態様による方法によって得られる利点と同一の又は類似の利点を得ることができる。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を、各々が複数の画素を含む照明モジュールの画素に関連付けるようになっているシステムが提供される。照明モジュールは、各々が少なくとも1つの通信ユニットを含む複数の照明モジュールを含む照明システムに含まれるようになっており、個々の照明モジュールは、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するように構成することができる。照明システムは、照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置をさらに含み、照明モジュールの各々は、この照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットは、それぞれの通信ユニットに関連する照明モジュールの画素のいずれかへ制御信号を通信するように構成することができる。このシステムは、複数の画素を含むディスプレイ装置と、ディスプレイ装置及び制御装置に通信可能に接続されたコントローラとを含み、このコントローラは、制御信号を生成し、ディスプレイ装置及び前記制御装置へ制御信号を通信するとともに、これらから制御信号を受け取るようになっている。コントローラは、ビジュアルコンテンツを生成してディスプレイ装置上に表示し、照明モジュールに関連する画素の視覚表現を生成してディスプレイ装置上に表示するようにさらに構成することができ、視覚表現の個々の画素は照明モジュールの画素に対応する。コントローラは、ディスプレイ装置上で視覚表現の位置を変えること及び視覚表現をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を含むユーザ入力に基づいて、視覚表現の境界内に配置されたビジュアルコンテンツの画素を選択するようにさらに構成することができる。コントローラは、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるようにさらに構成することができる。コントローラは、画素値に関連する前記視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信するようにさらに構成することができる。従って、このシステムは、本発明の第1の態様による方法を実施するように構成することができる。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を、各々が複数の画素を含む照明モジュールの画素に関連付けるようになっているシステムが提供される。照明モジュールは、各々が少なくとも1つの通信ユニットを含む複数の照明モジュールを含む照明システムに含まれるようになっており、個々の照明モジュールは、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するように構成することができる。照明システムは、照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置をさらに含み、照明モジュールの各々は、この照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットは、それぞれの通信ユニットに関連する照明モジュールの画素のいずれかへ制御信号を通信するように構成することができる。このシステムは、複数の画素を含むディスプレイ装置と、ディスプレイ装置及び制御装置に通信可能に接続されたコントローラとを含み、このコントローラは、制御信号を生成し、前記ディスプレイ装置及び前記制御装置へ制御信号を通信するとともに、これらから制御信号を受け取るようになっている。コントローラは、ビジュアルコンテンツの少なくとも一部を表示するようになっているウインドウを生成してディスプレイ装置上に表示し、照明モジュールに関連する画素の視覚表現を生成してディスプレイ装置上に表示するようにさらに構成することができ、視覚表現の個々の画素は照明モジュールの画素に対応する。コントローラは、ディスプレイ装置上でウインドウの位置を変えること及びウインドウをサイズ変更することの少なくとも一方の操作を含むユーザ入力に基づいて、視覚表現の境界内に配置されたビジュアルコンテンツの画素を選択するようにさらに構成することができる。コントローラは、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるようにさらに構成することができる。コントローラは、画素値に関連する前記視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信するようにさらに構成することができる。従って、このシステムは、本発明の第2の態様による方法を実施するように構成することができる。
【0019】
さらに、本発明の第3及び第4の態様によるシステムは、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素に関連付けるための代替の有利な解決策をそれぞれ提供するので、本発明の第4の態様によるシステムにより、本発明の第3の態様によるシステムによって得られる利点と同一の又は類似の利点を得ることができる。
【0020】
照明システム内の照明モジュール間の通信、又は制御装置と照明モジュールの間の通信は、無線又は有線方式で行うことができる。
【0021】
本発明の例示的な実施形態によれば、ビジュアルコンテンツを生成してディスプレイ装置上に表示するステップが、ビジュアルコンテンツをデータソースから取り出すステップを含むことができる。
【0022】
このようなソースは、遠隔ウェブサーバ、コンピュータに内蔵されたハードディスク、又はDVD又はCD、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリなどの別の外部デジタル記憶媒体を含むことができ、又はこれらであってもよい。これにより、ビジュアルコンテンツを生成するための容易かつ直接的な方法、及びビジュアルコンテンツを選択する上での柔軟性が得られる。
【0023】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、視覚表現が、所定の形状及び所定の最大サイズの照明システムを表すことができる。照明システムの「サイズ」とは、照明システムに含まれる照明モジュールの数、及び/又は照明システムの境界内に含まれる領域のサイズを意味することができる。
【0024】
換言すれば、視覚表現は、実際の照明システム内の照明モジュールの数よりも多くの照明モジュール(例えば、考えられる最大数の照明モジュール)を含む照明システムを表すことができる。原則として、このような場合、コントローラは、所定の形状及び所定の最大サイズの照明システムの視覚表現内の全ての照明モジュールの画素の制御信号を生成することができる。一般に、このような構成は、画素値に関連する視覚表現の画素の各々の制御信号を、最大サイズにされた照明システムの照明モジュールの全てに通信できるようにすることにより、照明モジュールが照明システムに追加され、又は照明システムから除去され、又は照明システムの動作中に交換される状況のような、照明システムのオンザフライ変更が行われる状況への適合を可能にすることができる。
【0025】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、照明システムの照明モジュールの幾何学形状の変化を示す情報を制御装置から受け取ることができる。この情報に基づいて視覚表現が再生され、その後この再生された視覚表現をディスプレイ装置上に表示することができる。従って、再生された視覚表現を、現在表示されている視覚表現と置き換えることができる。
【0026】
換言すれば、照明モジュールを、例えば照明モジュールが、照明システムの幾何学形状の変化を示す情報、例えば除去された照明モジュールを示す情報(これは、照明モジュールからコントローラに通信されたデータ内にこの特定の照明モジュールのアドレスが存在しないことによって示すことができる)を返すことができるようにするデータを制御ユニットへ通信するように構成することができる。受け取った情報に基づいて、ディスプレイ装置上に表示される視覚表現をアップデートすることができる。
【0027】
このようにして、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素にマッピングする又は関連付ける処理中に、コントローラが、視覚表現によりディスプレイ装置上に表された照明モジュールの構成を原則としてリアルタイムで適合させることにより、ユーザが、視覚表現の境界内に配置されたビジュアルコンテンツの画素の選択範囲を、照明モジュールの追加、除去、又は置換などによる照明モジュールシステムの変更に素早く適合させることができるようになる。従って、このような構成は、照明モジュールが照明システムに追加され、又は照明システムから除去され、又は照明システムの動作中に交換される状況のような、照明システムのオンザフライ変更が行われる状況への適合を可能にすることができる。
【0028】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、視覚表現のそれぞれの画素への画素値の関連付けが、ビジュアルコンテンツの画素の画素値間を補間するステップを含むことができる。
【0029】
一般に、ビジュアルコンテンツの選択部分の画素密度は、対応する(単複の)照明モジュールの画素密度よりも高いので、一般に画素のサブサンプリングを適用して、対応する(単複の)照明モジュール内に存在する(LEDなどの)画素と同じ数だけの画素値を提供する必要がある。照明モジュールの画素密度によっては、対応するビジュアルコンテンツの画素が照明モジュールの画素の正確な空間的位置に存在せず、従ってビジュアルコンテンツの画素の画素値を利用できない場合がある。このような場合、直前で説明した実施形態による構成により、それぞれの照明モジュールの画素の近くにあるビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、エンドユーザ要件及び/又は能力要件に関して柔軟かつ適応可能な形で正しい画素値を計算できるようにすることができる。例えば、エンドユーザ要件及び/又は能力要件に応じて、それぞれの照明モジュールの画素から最も近い近隣のビジュアルコンテンツの画素までの画素、次に近い近隣のビジュアルコンテンツの画素までの画素などを使用してビジュアルコンテンツの画素の画素値を補間することができる。補間は、線形補間、三次スプライン補間などのいずれかの適当な補間方法を使用して行うことができる。
【0030】
ディスプレイ装置上でウインドウ/視覚表現のサイズ変更及び/又はウインドウ/視覚表現の位置変更を行うための基礎となるグリッドの解像度が、ビジュアルコンテンツの(画素密度などの)解像度よりも細かい(例えばグリッドポイントの密度が高い)場合にも、ビジュアルコンテンツの画素の画素値間の補間を適用することができる。
【0031】
本発明の例示的な実施形態によれば、視覚表現の一部が重なったビジュアルコンテンツの部分が少なくとも部分的にユーザに見えるように視覚表現を表示することができる。
【0032】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、視覚表現の一部が重なったウインドウの部分が少なくとも部分的にユーザに見えるようにウインドウを表示することができる。
【0033】
直前に説明した2つの実施形態による構成は、視覚表現の境界内のビジュアルコンテンツの視認性をユーザに対して高めることができるので、視覚表現の境界内に配置されたビジュアルコンテンツの画素をユーザが選択しやすくすることができる。例えば、輪郭内の(又は輪郭により境界された)領域をユーザに対して透明又は少なくとも半透明にして、視覚表現の輪郭がユーザに見えるように視覚表現表示することができ、或いは輪郭内の(又は輪郭により境界された)領域をユーザに対して透明又は少なくとも半透明にして、視覚表現の輪郭がユーザに見えるようにウインドウを表示することができる。
【0034】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、視覚表現の位置を変えること及び視覚表現をサイズ変更することの少なくとも一方の操作、及び/又はウインドウの位置を変えること及びウインドウをサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、視覚表現の境界内のビジュアルコンテンツの画素の選択を行うことができる。このウインドウは、本発明の例示的な実施形態を参照しながら上述したようなウインドウとすることができる。このようにして、マッピングにおける動作及び/又は利便性に関して柔軟性を高めることができる。
【0035】
以下、本発明のさらなる目的及び利点を例示的な実施形態によって説明する。
【0036】
本明細書に開示するあらゆる方法のステップは、明確に示さない限り、開示する正確な順序で行う必要はない。
【0037】
なお、本発明は、特許請求の範囲に示す特徴の全ての考えられる組み合わせに関する。
【0038】
以下、添付図面を参照しながら本発明の例示的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の例示的な実施形態によるシステムの概略ブロック図である。
【図2a】本発明の例示的な実施形態を示す照明システムの概略図である。
【図2b】本発明の例示的な照明モジュールを示す照明システムの概略図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明の別の例示的な実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態によるコンピュータ可読記憶媒体を示す概略図である。
【図6】本発明の例示的な実施形態による方法を示す概略フロー図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態による方法を示す概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
添付図面では、図全体を通じて同一の参照数字が同一の又は類似の要素を示す。
【0041】
以下、本発明の例示的な実施形態を示す添付図面を参照しながら本発明をより完全に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形で具体化することができ、本明細書に示す実施形態に本発明が限定されると見なすべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示を徹底的かつ完全なものにするとともに、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように一例として提供するものである。さらに、全体を通じて同様の数字は同様の又は類似の構成要素を示す。
【0042】
図1には、本発明の例示的な実施形態によるシステム1の概略ブロック図を示しており、このシステム1は、ディスプレイ装置2上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を、モジュラ照明システムなどの照明システム4に含まれる、符号3で大まかに示す照明モジュールの画素に関連付けるようになっている。照明システム4は、照明モジュール3に制御信号を通信するようになっている制御装置5をさらに備える。
【0043】
図2aには、本発明の例示的な実施形態による照明システム4の概略図を示している。照明システム4は、複数の照明モジュール3a、3b、3c、...(図2には、このうちのほんのいくつかを数字で示す)を備えることができる。照明システム4の照明モジュール3a、3b、3c、...の各々は、少なくとも1つの通信ユニット6(図2には、このうちのほんのいくつかを符号で示す)を含み、これらの少なくとも1つの通信ユニット6を介して、照明モジュールが、隣接する照明モジュール又は別の要素、特に制御装置5に制御信号を通信するように構成することができる。制御装置5は、この目的のために1又はそれ以上の通信ユニット6を含むことができる。照明システム4内の隣接する照明モジュール3a、3b、3c、...間の通信、又は照明モジュール3a、3b、3c、...と制御装置5の間の通信は、無線又は有線方式で行うことができる。
【0044】
図2aに示す例示的な実施形態によれば、照明システム4の照明モジュール3a、3b、3c、...は、正方形の照明モジュールのアレイの形で配置される。照明モジュールのこのようなアレイ配置は、一例として示すものであって本発明を限定するものとして解釈すべきではなく、むしろ図2aに例示的に示すような正方形の照明モジュールのアレイに限定されない多角形などの任意の幾何学形状を有するあらゆる数の照明モジュールを備え、これらの照明モジュールを互いに任意に配置することができる照明システムを含む実施形態を網羅する。図2aをさらに参照すると、照明モジュール3a、3b、3c、...の各々は4つの通信ユニット6を含む。しかしながら、個々の照明モジュール3a、3b、3c、...の通信ユニット6の数は任意であり、ユーザ要件及び/又は(照明システム4の解像度などの)照明要件に適合させることができる。例えば、複数の三角形の照明モジュールを含む照明システム(図示せず)では、個々の照明モジュールの通信ユニットの数を、例えば3とすることができる。
【0045】
図2bには、照明モジュール3aの例示的な概略図を示している。照明モジュール3aは、図2aを参照しながら上述したようないくつかの通信ユニット6を含む。この照明モジュールは複数の画素7をさらに含み、これらの各々は、特定の色のLED、赤色、青色、及び緑色LEDを含むLED RGBトリプレットユニットのようなLEDユニットなどの発光素子を含むことができる。図2に示す例示的な構成によれば、照明モジュール3aの画素7を、例えば4×4の画素7のアレイの形で配置することができる。照明モジュール3aの個々の通信ユニット6は、通信ユニット6が受け取った制御信号を照明モジュール3aの画素7のいずれかへ通信するように、又はこの逆を行うように構成することができる。
【0046】
照明モジュール3の個々の照明モジュールは、データハンドラ及び制御モジュール、プロセッサチップ、タイミングモジュール、電源などの様々な電子部品をさらに含むことができる。このような電子部品は重要なものではあるが、これら自体は本発明の実施にとって決定的なものではないので、このような電子部品の詳細な説明については省略する。
【0047】
ここで図1を再び参照すると、システム1は、参照符号2aによって示す複数の画素を含むコンピュータモニタなどのディスプレイ装置2を備える。ディスプレイ装置2は、例えば静止画(グラフィックなど)、ビデオなどの、ユーザなどに見えるビジュアルコンテンツを表示するように構成することができる。システム1は、ディスプレイ装置2に通信可能に接続できるコントローラ8をさらに備える。コントローラ8は、制御信号を生成し、この制御信号をディスプレイ装置2へ通信するとともにここから制御信号を受け取るように構成することができる。コントローラ8は、制御装置5から制御信号を受け取り、及び/又は制御装置5へ制御信号を通信するようにさらに構成することができる。従って、制御装置5は、制御信号を照明モジュール3からコントローラ8へ、及び/又は制御信号をコントローラ8から照明モジュール3へ中継する役割を果たすことができる。これとは別に、或いはこれに加えて、制御装置5自体を、コントローラ8からの入力などに基づいて制御信号を生成するように構成することができる。図1に概略的に示すように、コントローラ8は、このコントローラ8に電源を供給するようになっている、及び/又はコントローラ8を介して照明システム4、ディスプレイ装置2、システム1のその他の部品、及び/又はコントローラ8に接続された部品に電源を供給するようになっている電源ユニット14に接続することができる。コントローラ8は、ハードディスク、メモリユニット、フラッシュメモリなどのデータソース13を含む処理装置9にさらに接続することができ、ここからデータソース13のビジュアルコンテンツを取り出すことができる。データソース13からビジュアルコンテンツを取り出すと、これをディスプレイ装置2上に表示することができる。これとは別に、或いはこれに加えて、処理装置9を、例えばインターネットに接続して適当な公的に入手可能なビジュアルコンテンツをウェブページからダウンロードすることによりビジュアルコンテンツを生成するように構成することができる。処理装置9をコントローラ8に統合することもできる。システム1は、補間ユニット18をさらに備えることができ、これについては以下で図3及び図4を参照しながらさらに説明する。或いは、補間ユニット18をコントローラ8に組み込むこともできる。これとは別に、或いは任意に、以下でいくつかについて説明する補間ユニット18の機能をコントローラ8が実施するように構成し、これにより別個の補間ユニット18を不要にすることもできる。
【0048】
ここで図3を参照すると、ディスプレイ装置2のユーザに見える部分15の概略図を示しており、この部分15上にビジュアルコンテンツ10を表示することができる。ビジュアルコンテンツ10は、コントローラ8(図1を参照)によって生成することができる。さらに、コントローラ8を、照明システム4の照明モジュール3に関連する画素の視覚表現11を生成してディスプレイ装置2上に表示するように構成することができ、視覚表現11の個々の画素は照明モジュール3の画素に対応する。例えば、図3を参照しながら説明する実施形態によれば、コントローラ8を、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの上に、照明システム4の(小型化した)視覚表現11をレイヤとして挿入するように構成することができる。このようにして、図2bを参照すると分かるように、視覚表現11の個々の画素(図3には図示せず)を照明モジュール3の画素7に対応するように構成することができる。
【0049】
さらに図3を参照すると、ユーザは、ユーザ入力により、例えばマウスなど(図示せず)のポインタ制御装置を介して、ビジュアルコンテンツ10の上に表示された視覚表現11の位置及び/又はサイズを修正することができる。このようなユーザ入力は、例えば図3に矢印で示す、ディスプレイ装置2上で視覚表現11の位置を変えること及び視覚表現11をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を含むことができる。コントローラ8は、このようなユーザ入力に基づいて、ディスプレイ装置2上に表示された視覚表現11の境界12内に配置されたビジュアルコンテンツ10の画素を選択するように構成することができる。このようにして、視覚表現11の境界12内のビジュアルコンテンツ10の画素のみを、視覚表現11のそれぞれの画素に対応する照明モジュール3の画素に割り当てることができる。
【0050】
或いは、コントローラ8を、ビジュアルコンテンツ10の少なくとも一部を表示するように構成されたウインドウ16を生成して表示するように構成することができる。この例示的な構成を図4に概略的に示す。この例示的な事例では、ディスプレイ装置2を、Windows XP、Windows 98、Windows VistaなどのMicrosoft Windowsファミリの動作システムを実行するようになっているコンピュータの処理装置9と通信可能に接続することができる。従って、ウインドウ16は、例えばMicrosoft Windowsメディアアプリケーションが提供するウインドウとすることができる。一般に、このようなウインドウ16は、例えばマウスなどのポインタ制御装置(図示せず)を介したユーザ入力に基づいてそのサイズ及び位置を変更することができる。従って、ユーザは、ディスプレイ装置2上のウインドウ16をドラッグ(すなわち位置変更)し、及び/又はサイズ変更することができる。従って、このようなユーザ入力は、図4に矢印で示す、ディスプレイ装置上でウインドウ16の位置を変えること及びウインドウ16をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を含むことができる。従って、本発明の実施形態によれば、視覚表現11をディスプレイ装置2上に固定したままで、ウインドウ16内のビジュアルコンテンツ10をサイズ変更及び/又は位置変更することができる。コントローラ8は、ユーザ入力に基づいて、ディスプレイ装置2上に表示された視覚表現11の境界12内に配置されたウインドウ16内のビジュアルコンテンツ10の画素を選択するように構成することができる。このようにして、視覚表現11の境界12内のビジュアルコンテンツ10の画素のみを、視覚表現11のそれぞれの画素に対応する照明モジュール3の画素に割り当てることができる。
【0051】
図1及び図3又は図4を参照して分かるように、コントローラ8は、視覚表現11の画素の位置に対するビジュアルコンテンツ10の画素の位置、さらにはビジュアルコンテンツ10の画素の画素値に基づいて、その後ビジュアルコンテンツ10の画素値を視覚表現11のそれぞれの画素に関連付けるように構成することができる。この目的のために、ビジュアルコンテンツ10の画素の位置、視覚表現11の画素の位置、及びビジュアルコンテンツ10の画素値をディスプレイ装置2からコントローラ8へ通信して、コントローラ8内でさらに処理することができる。コントローラ8は、画素値に関連する視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現11の画素に対応する照明モジュール3の照明モジュールの画素に、画素値に対応する制御信号を通信するように構成することができる。
【0052】
視覚表現11のそれぞれの画素への画素値の関連付けは、ビジュアルコンテンツ10の画素の画素値間を補間するステップを含むことができる。システム1は、この目的に適した補間ユニット18を備えることができる。一般に、ビジュアルコンテンツ10の選択部分の画素密度は、対応する(単複の)照明モジュール3の画素密度よりも高いので、一般に画素のサブサンプリングを適用して、対応する(単複の)照明モジュール3内に存在する画素7と同じ数だけの画素値を提供する必要がある。照明モジュールの画素密度によっては、対応するビジュアルコンテンツ10の画素が照明モジュールの画素7の正確な空間的位置に存在せず、従ってビジュアルコンテンツ10の画素の画素値を利用できない場合がある。このような場合、補間ユニット18を、それぞれの照明モジュールの画素7の近くにあるビジュアルコンテンツ10の画素の画素値に基づいて正しい画素値を計算できるようにすることができる。
【0053】
既に上述したように、照明モジュールの画素の視覚表現は、照明システムが(通常は最大サイズにされた照明システムの一部とすることができる)実際の照明システム3ではなく、所定の最大数の照明モジュールを含む所定の形状及び所定の最大サイズのものであることを示すことができる。原則として、このような場合、コントローラ8は、最大サイズにされた照明システムの視覚表現内の全ての照明モジュールの画素の制御信号を生成することができる。一般に、このような構成は、画素値に関連する視覚表現の画素の各々の制御信号を、最大サイズにされた照明システムの照明モジュールの全てに通信できるようにすることにより、例えば照明モジュールが照明システムに追加され、又は照明システムから除去され、又は照明システムの動作中に交換される状況のような、照明システムのオンザフライ変更を行うことができる状況において、照明システムの変化に対する順応性を与える。
【0054】
図5には、DVD20及びフロッピー(登録商標)ディスク21などの、本発明の例示的な実施形態によるコンピュータ可読記憶媒体20、21の概略図を示しており、これらの各々に、プロセッサ装置内で実行された場合に上述したような本発明による方法又はその実施形態を実施するようになっているコンピュータコードを含むコンピュータプログラムを記憶することができる。
【0055】
上記では、図5を参照しながら2つの異なる種類のコンピュータ可読デジタル記憶媒体についてのみ説明しているが、本発明は、以下に限定されるわけではないが、ハードディスクドライブ、CD、フラッシュメモリ、磁気テープ、USBスティック、Zipドライブなどの他のあらゆる好適な種類のコンピュータ可読記憶媒体を利用する実施形態も網羅する。
【0056】
図6には、本発明の例示的な実施形態による、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素に関連付ける方法の概略フロー図を示している。照明モジュールは、例示的な実施形態を参照しながら上述したような照明システムに含まれるようになっている。方法を開始した後、ステップ601において、照明モジュールの幾何学形状を示す制御信号を受け取ることができる。ステップ602において、ビジュアルコンテンツを生成して、複数の画素を含むディスプレイ装置上に表示することができる。ステップ603において、照明モジュールに関連する画素の視覚表現を生成してディスプレイ装置上に表示することができ、視覚表現の個々の画素は照明モジュールの画素に対応する。ステップ604において、ディスプレイ装置上で視覚表現の位置を変えること及び視覚表現をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、視覚表現の境界内に配置されたビジュアルコンテンツの画素を選択することができる。ステップ605において、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けることができる。ステップ606において、画素値に関連する視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信することができる。
【0057】
図7には、本発明の例示的な実施形態による、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を照明モジュールの画素に関連付ける方法の概略フロー図を示している。照明モジュールは、例示的な実施形態を参照しながら上述したような照明システムに含まれるようになっている。方法を開始した後、ステップ701において、照明モジュールの幾何学形状を示す制御信号を受け取ることができる。ステップ702において、ビジュアルコンテンツの少なくとも一部を表示するウインドウを生成して、複数の画素を含むディスプレイ装置上に表示することができる。ステップ703において、照明モジュールに関連する画素の視覚表現を生成してディスプレイ装置上に表示することができ、視覚表現の各々の画素は照明モジュールの画素に対応する。ステップ704において、ディスプレイ装置上でウインドウの位置を変えること及びウインドウをサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、視覚表現の境界内に配置されたビジュアルコンテンツの画素を選択することができる。ステップ705において、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けることができる。ステップ706において、画素値に関連する視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信することができる。
【0058】
結論として、ディスプレイ装置上に表示されたビジュアルコンテンツの画素を、各々が複数の画素を含む照明モジュールの画素に関連付ける方法を開示し、これらの照明モジュールは、複数の照明モジュールと、これらの照明モジュールへ制御信号を通信するようになっている制御装置とを含む照明システムに含まれるようになっている。照明モジュールの各々は、隣接する照明モジュール、及び照明モジュールの画素のいずれかに制御信号を通信することができる。ディスプレイ装置上に表示された照明モジュールに関連する画素の視覚表現によってビジュアルコンテンツの画素を選択することができ、視覚表現の個々の画素は照明モジュールの画素に対応する。視覚表現の画素の位置に対する視覚表現の画素の位置及びビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、ビジュアルコンテンツの画素値を視覚表現のそれぞれの画素に関連付けることができる。画素値に関連する視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する視覚表現の画素に対応する照明モジュールの画素へ画素値に対応する制御信号を通信することにより、ユーザは、照明モジュール上の画素の関連付けの結果を原則としてリアルタイムで見ることができる。
【0059】
本明細書では、本発明の例示的な実施形態について説明したが、当業者には、本明細書で説明した発明に多くの変更、修正、又は改変を行えることが明らかであろう。従って、上記の本発明の説明及び添付図面は本発明の非限定的な例として見なすべきであり、保護の範囲は添付の特許請求の範囲により定められる。特許請求の範囲におけるあらゆる参照符号が範囲を限定すると解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0060】
1 システム
2 ディスプレイ装置
2a 画素
3 照明モジュール
4 照明システム
5 制御装置
8 コントローラ
9 処理装置
13 データソース
14 電源ユニット
18 補間ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置(2)上に表示されたビジュアルコンテンツ(10)の画素を、各々が複数の画素(7)を含む照明モジュールの画素に関連付ける方法であって、前記照明モジュールが、複数の照明モジュール(3)を含む照明システム(4)に含まれるようになっており、前記照明モジュールの各々が少なくとも1つの通信ユニットを含み、個々の照明モジュールが、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するようになっており、前記照明システムが、前記照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置(5)をさらに備え、前記照明モジュールの各々が、前記照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットが、該通信ユニットが関連する前記照明モジュールの前記画素のいずれかへ制御信号を通信するようになっており、前記方法が、
前記照明モジュールの幾何学形状を示す制御信号を受け取るステップ(601)と、
前記ビジュアルコンテンツを生成して、複数の画素を含む前記ディスプレイ装置(2)上に表示するステップ(602)と、
前記照明モジュールに関連する画素の視覚表現(11)を生成して前記ディスプレイ装置上に表示するステップ(603)と、
を含み、前記視覚表現の個々の画素が前記照明モジュールの画素の1つの画素に対応し、
前記ディスプレイ装置上で前記視覚表現の位置を変えること及び前記視覚表現をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、前記視覚表現の境界(12)内に配置された前記ビジュアルコンテンツの画素を選択するステップ(604)と、
視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及び前記ビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、前記視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるステップ(605)と、
画素値に関連する前記視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する前記視覚表現の前記画素に対応する前記照明モジュールの前記画素へ前記画素値に対応する制御信号を通信するステップ(606)と、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ビジュアルコンテンツを生成して前記ディスプレイ装置上に表示するステップが、前記ビジュアルコンテンツをデータソース(13)から取り出すステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記視覚表現が、所定の形状及び所定の最大サイズの照明システムを表す、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記照明システムの前記照明モジュールの前記幾何学形状の変化を示す情報を前記制御装置から受け取るステップと、
前記情報に基づいて前記視覚表現を再生し、該再生された視覚表現を前記ディスプレイ装置上に表示するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ディスプレイ装置(2)上に表示されたビジュアルコンテンツ(10)の画素を、各々が複数の画素(7)を含む照明モジュールの画素に関連付ける方法であって、前記照明モジュールが、複数の照明モジュール(3)を含む照明システム(4)に含まれるようになっており、前記照明モジュールの各々が少なくとも1つの通信ユニットを含み、個々の照明モジュールが、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するようになっており、前記照明システムが、前記照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置(5)をさらに備え、前記照明モジュールの各々が、前記照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットが、該通信ユニットが関連する前記照明モジュールの前記画素のいずれかへ制御信号を通信するようになっており、前記方法が、
前記照明モジュールの幾何学形状を示す制御信号を受け取るステップ(701)と、
前記ビジュアルコンテンツの少なくとも一部を表示するウインドウ(16)を生成して、複数の画素を含む前記ディスプレイ装置上に表示するステップ(702)と、
前記照明モジュールに関連する画素の視覚表現(11)を生成して前記ディスプレイ装置上に表示するステップ(703)と、
を含み、前記視覚表現の個々の画素が前記照明モジュールの画素の1つの画素に対応し、
前記ディスプレイ装置上で前記ウインドウの位置を変えること及び前記ウインドウをサイズ変更することの少なくとも一方の操作を行うことにより、前記視覚表現の境界(12)内に配置された前記ビジュアルコンテンツの画素を選択するステップ(704)と、
視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及び前記ビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、前記視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるステップ(705)と、
画素値に関連する前記視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する前記視覚表現の前記画素に対応する前記照明モジュールの前記画素へ前記画素値に対応する制御信号を通信するステップ(706)と、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記ウインドウを生成して前記ディスプレイ装置上に表示するステップが、前記ビジュアルコンテンツをデータソース(13)から取り出すステップを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記視覚表現が、所定の形状及び所定の最大サイズの照明システムを表す、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記照明システムの前記照明モジュールの前記幾何学形状の変化を示す情報を前記制御装置から受け取るステップと、
前記情報に基づいて前記視覚表現を再生し、該再生された視覚表現を前記ディスプレイ装置上に表示するステップとをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記視覚表現のそれぞれの画素への画素値の前記関連付けが、前記ビジュアルコンテンツの画素の画素値間で補間するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の方法。
【請求項10】
ディスプレイ装置(2)上に表示されたビジュアルコンテンツ(10)の画素を、各々が複数の画素(7)を含む照明モジュールの画素に関連付けるためのシステム(1)であって、前記照明モジュールが、複数の照明モジュール(3)を含む照明システム(4)に含まれるようになっており、前記照明モジュールの各々が少なくとも1つの通信ユニットを含み、個々の照明モジュールが、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するようになっており、前記照明システムが、前記照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置(5)をさらに備え、前記照明モジュールの各々が、前記照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットが、該通信ユニットが関連する前記照明モジュールの前記画素のいずれかへ制御信号を通信するようになっており、前記システムが、
複数の画素を含むディスプレイ装置(2)と、
前記ディスプレイ装置及び前記制御装置に通信可能に接続され、制御信号を生成して前記ディスプレイ装置及び前記制御装置へ制御信号を通信するとともに前記ディスプレイ装置及び前記制御装置から制御信号を受け取るようになっているコントローラ(8)と、
を備え、
前記コントローラが、ビジュアルコンテンツ(10)を生成して前記ディスプレイ装置上に表示するとともに、前記照明モジュールに関連する画素の視覚表現(11)を生成して前記ディスプレイ装置上に表示するようになっており、前記視覚表現の個々の画素が前記照明モジュールの画素に対応し、
前記コントローラがさらに、前記ディスプレイ装置上で前記視覚表現の位置を変えること及び前記視覚表現をサイズ変更することの少なくとも一方の操作を含むユーザ入力に基づいて、前記視覚表現の境界(12)内に配置された前記ビジュアルコンテンツの画素を選択するようになっており、
前記コントローラがさらに、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及び前記ビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、前記視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるとともに、画素値に関連する前記視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する前記視覚表現の前記画素に対応する前記照明モジュールの前記画素へ前記画素値に対応する制御信号を通信するようになっている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記コントローラがさらに、前記視覚表現を、該視覚表現の一部が重なった前記ビジュアルコンテンツの部分が少なくとも部分的にユーザに見えるように表示するようになっている、
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
ディスプレイ装置(2)上に表示されたビジュアルコンテンツ(10)の画素を、各々が複数の画素(7)を含む照明モジュールの画素に関連付けるためのシステム(1)であって、前記照明モジュールが、複数の照明モジュール(3)を含む照明システム(4)に含まれるようになっており、前記照明モジュールの各々が少なくとも1つの通信ユニットを含み、個々の照明モジュールが、前記少なくとも1つの通信ユニットの1つを介して少なくとも1つの隣接する照明モジュールと通信するようになっており、前記照明システムが、前記照明モジュールの少なくとも1つへ制御信号を通信するようになっている制御装置(5)をさらに備え、前記照明モジュールの各々が、前記照明モジュールへ通信された制御信号を隣接する照明モジュールへさらに通信するようになっており、個々の通信ユニットが、該通信ユニットが関連する前記照明モジュールの前記画素のいずれかへ制御信号を通信するようになっており、前記システムが、
複数の画素を含むディスプレイ装置(2)と、
前記ディスプレイ装置及び前記制御装置に通信可能に接続され、制御信号を生成して前記ディスプレイ装置及び前記制御装置へ制御信号を通信するとともに前記ディスプレイ装置及び前記制御装置から制御信号を受け取るようになっているコントローラ(8)と、
を備え、
前記コントローラが、前記ビジュアルコンテンツの少なくとも一部を表示するようにされたウインドウ(16)を生成して前記ディスプレイ装置上に表示するとともに、前記照明モジュールに関連する画素の視覚表現(11)を生成して前記ディスプレイ装置上に表示するようになっており、前記視覚表現の個々の画素が前記照明モジュールの画素に対応し、
前記コントローラがさらに、前記ディスプレイ装置上で前記ウインドウの位置を変えること及び前記ウインドウをサイズ変更することの少なくとも一方の操作を含むユーザ入力に基づいて、前記視覚表現の境界(12)内に配置された前記ビジュアルコンテンツの画素を選択するようになっており、
前記コントローラがさらに、視覚表現の画素の位置に対するビジュアルコンテンツの画素の位置及び前記ビジュアルコンテンツの画素の画素値に基づいて、前記視覚表現のそれぞれの画素に画素値を関連付けるとともに、画素値に関連する前記視覚表現の画素ごとに、画素値に関連する前記視覚表現の前記画素に対応する前記照明モジュールの前記画素へ前記画素値に対応する制御信号を通信するようになっている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記コントローラがさらに、前記ウインドウを、前記視覚表現の部分が重なった該ウインドウの一部が少なくとも部分的にユーザに見えるように表示するようになっている、
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ビジュアルコンテンツの画素値間で補間するようになっている補間ユニット(18)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項10又は請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
プロセッサ装置に請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法を実行させるようになっているコンピュータプログラム製品を記憶する、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体(20、21)。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−528350(P2012−528350A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512501(P2012−512501)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052294
【国際公開番号】WO2010/136953
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】