モジュール式携帯透析システム
本発明は、改良された機能性を有するモジュール式携帯透析ユニットに関する。1の実施形態では、透析システムは液体貯蔵用の貯蔵部を備えるベースに対して着脱可能に取り付けられたトップユニットを備える。本発明における携帯モジュール式透析システムは、いくつかある特徴の中で特に、改良された電動ドアロック機能、区画された漏出検出機能、液体取扱機能、機械的デザイン機能を有し、これらは改良されたモジュール性を可能にするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願へのクロスリファレンス〕本願は、2008年10月30日に出願された米国仮特許出願第61/109、834号を基礎とする優先権主張出願である。本願は、また、2009年10月7日に出願された米国特許出願第12/575、450号、2009年10月7日に出願された米国特許出願第12/575、449号、2009年1月16日に出願された米国特許出願第12/355、102号、2009年1月16日に出願された米国特許出願第12/355、128号、2009年1月12日に出願された米国特許出願第12/351、969号、2008年11月28日に出願された米国特許出願第12/324、924号、2008年9月12日に出願された米国特許出願第12/210、080号、2008年9月25日に出願された米国特許出願第12/238、055号、2008年9月25日に出願された米国特許出願第12/237、914号、2008年10月10日に出願された米国特許出願第12/249、090号、2008年10月3日に出願された米国特許出願第12/245、397号に関連する。これら全ての出願の内容は、参照することにより盛り込まれる。
【0002】
本発明は、改良された構造的及び機能的特徴を有する透析システムに関する。特に、本発明による透析システムは、改良されたモジュール性、使い安さ、及び安全性を有する携帯透析システムに関する。
【背景技術】
【0003】
腎不全患者の身体から有害な老廃物を取り除くために、血液透析が行われる。患者の血液はチューブを介して一時的に体外に取り出され、透析装置内で少なくとも1の半透膜に通される。半透膜は、例えば中空糸の集まりで構成されていて、透析液と血液との間を仕切るものである。血液中の不純物は、主に浸透圧により、膜を通過して透析液中へ移動する。浄化された血液は、その後、体内へ戻される。
【0004】
病院に設置された装置を用いた通常の透析療法は、次の2つの段階を有する。(a)透析。ここでは、有害物質やスコリア(通常は小さな分子)が血液中から半透膜を通って透析液へ移動する。(b)限外ろ過。ここでは、血液回路と透析液回路間の圧力差、より具体的には、後者の回路における減圧により、血液中の水分が所定量減少する。
【0005】
通常の装置を用いた透析治療は煩わしく、コストも高くなりやすい。加えて、患者は長時間にわたって透析センターに拘束される。携帯透析システムが開発されている。米国特許第4、083、777は、老廃不純物を血液中から透析液中へ移すために、老廃不純物を含む血液及び透析液が間接的物質移動透析関係によって通過する透析手段を備える血液透過システムを開示している。この装置は、老廃不純物を含む血液を患者から該透析手段へ送り出すための手段と、血流回路を構成して老廃不純物が取り除かれた血液を患者へ戻すための手段とを備える。該透析手段は、血液を送り出すための撓性弾性管体ポンプ駆動セクションを有する。蠕動ポンプ手段には、回転可能なポンプヘッドアセンブリが設けられている。このアセンブリは、固定軸を中心に回転可能に設けられたベース部材を有し、ここには円周方向に離間された複数のローラが装着されている。これらローラは、ベース部材の固定軸と平行なそれぞれの軸を中心に独立して回転可能にされている。
【0006】
米国特許第4、443、333号は、血液透析を行うための携帯システムが開示されている。ここでは、血液は交換ステーションを通過するが、このとき血液は半透膜の片側と接触し、透析液は当該半透膜の反対側と接触する。このシステムは、血液を複数のステーションを通過させるために血液源に接続されると共に血液を血液源へ戻すための伸縮性チューブ手段と、当該血液チューブ手段と連通する血栓検出器及び気泡検出器と、透析液を複数のステーションを通過させるために透析液源に接続される伸縮性チューブ手段と、透析液の液流、圧力、温度、及び伝導性を測定して制御するための手段と、交換ステーションを通過する際の透析液の圧力を血液の圧力よりも小さい値に維持するための手段と、少なくとも、血液を伸縮性血液手段へ送るための蠕動ポンプと透析液を伸縮性透析液チューブ手段へ送るための蠕動ポンプの2つのポンプに接続された出力軸を有する1のモータ手段と、当該モータ手段と当該蠕動ポンプと関連して透析液流を血液流の約3倍に維持する機構とを備える。各蠕動ポンプは内側アーチ面を有する。血液ポンプは、間に血液チューブ手段を捕捉するために当該内側アーチ座面と関連する少なくとも1のローラを有する。透析液ポンプは、間に透析液チューブ手段を捕捉するために該内側アーチ座面と関連する1のローラを有する。蠕動血液ポンプを作動させると、ローラによって血液チューブ手段の中で滑らかな血液の層流が発生する。蠕動透析液ポンプを作動させると、当該1のローラによって発生する真空によって透析液流が発生し、これにより伸縮性透析液チューブ手段の変形と復帰が生じる。このシステムは更に制御機構を有する。当該制御機構は、血液漏出検出器及び気泡検出器と、モータ手段と、透析の液流・圧力・温度・伝導性測定手段に対して動作可能に接続されていて、圧力、温度、又は伝導性の測定値が所定範囲から外れた場合に、血液流を維持したまま透析液ローラを選択的に停止させることにより透析液チューブ手段及び交換ステーション内での透析液の移動を停止させ、また、血液漏出検出器又は気泡検出器からの信号に基づき全てのローラを同時に停止させることにより、全システム及びポンプ動作を停止させる。
【0007】
米国特許第6、168、578号は、廃液袋を搭載したベルトを備える携帯腎臓透析システムを開示している。ベルトにはポンプも搭載されていて、当該ポンプはユーザと廃液袋の間に接続される。ポンプは、排出信号を受信すると、ユーザから廃液袋へ液体を送り出す。また、廃液袋が一杯になると検出する圧力スイッチも設けられている。制御機構は、廃液袋が一杯であると検出されていない場合に限り、排出信号をポンプへ送る役割を果たす。従来の他の携帯血液透析システムとしては、ネクステージ社製のシステムワンと呼ばれる携帯透析システムが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記携帯透析システムには欠点がある。まず、これらはモジュール性が十分でないために、システムの組立、移動、出荷、及びメンテナンスが容易でない。次に、これらシステムは、患者が確実且つ正確に使用できる程には、十分に簡易化されていない。患者が使用する際には、システムのインターフェース及び消耗部品の使用方法を誤ることもある。真に効率的な携帯透析システムとするためには、誤使用を避けるために余儀なくされた消耗品の装着やデータ入力によって、医療従事者でない個人にとっても使い易いものであるべきである。
【0009】
よって、モジュール性を最適化するように構成された構造設計を有することにより、システムの組立、移動、出荷、及びメンテナンスを容易にできる携帯透析システムが好ましい。また、患者がデータ入力や消耗部品を展開するためのシステムインターフェースが、不正確な使用を避けるために十分に制約されていると共に、誤使用を防止できるように構成されているのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるように構成されていて、前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされることを特徴とする、モジュール式透析システムに関する。
【0011】
前記第1の外ハウジングの下側は電気接続パッドを有し、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを有しても良い。前記第1の外ハウジングの下側は複数の電気ピンを有し、前記第2の外ハウジングの上側は電気接続パッドを有しても良い。前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置あわせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的に電気通信状態とされる。
【0012】
前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的にデータ通信状態とされてもよい。前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備える。前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされる。
【0013】
前記コントローラユニットの内部容積には、マニフォールドと、フックと、前記マニフォールドを取り囲むガードとが収容されてもよい。前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能とするドアは、内面を有し、前記内面は、複数のポンプシューと、ラッチと、前記ドアが閉じられた際に前記内部容積の内部へ突出する側を有するケースとを備える。前記ドアが閉められると、前記ラッチは前記フックと機械的に係合する。モジュール式透析システムは、前記フックに駆動力を供給するモータを起動するように構成されたコントローラを更に備え、当該駆動力の供給により、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉じられる。モジュール式透析システムは、第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記第1状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合可能であり、前記第2状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合不可である。
【0014】
他の実施形態においては、本発明は、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1の漏出検出器と連通する複数のチャンネルが形成された傾斜面を有し、前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるよう構成されていることを特徴とするモジュール式透析システムに関する。
【0015】
前記第1の外ハウジングの下側は、電気接続パッドを備え、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを備えてもよい。前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置合わせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされる。前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備える。前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされる。
【0016】
前記コントローラユニットの内部容積にはフックが収容されていて、前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするドアは、ラッチを有する内面を有してもよい。モジュール式透析システムは、ユーザ入力に応じて前記フックに駆動力を供給するようにモータを起動するコントローラを更に備え、駆動力を供給すると、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉まる。モジュール式透析システムは、第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記ボタンは、第1状態では前記フックに機械的に係合可能であり、第2状態では前記フックに機械的に係合不可である。
【0017】
これら及び他の実施形態については「発明を実施するための最良の形態」の欄で図面を参照して詳述する
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の透析システムの正面図。
【図2】透析システムのモジュール性を示す図。
【図3】透析システムの後方を示す図であって、ドアが開いた状態を示す図。
【図4】開放されたドア及びU型ラッチを有する透析システムの1の実施形態を示す正面図。
【図5】本発明の1の実施形態におけるトップユニットの内部構造を示す図。
【図6】本発明によるスケールベースの液体秤の部材を示す図。
【図7a】天秤を内蔵する貯蔵部の側方斜視図。
【図7b】屈曲アセンブリの側方斜視図。
【図8】本発明における グラフィカルユーザインターフェースの例を示す正面図。
【図9a】漏出チャンネル及び漏出検出器を内部に有するボトムユニットの上面を示す第1図。
【図9b】漏出チャンネル及び漏出検出器を内部に有するボトムユニットの上面を示す第2図。
【図9c】漏出チャンネル及び漏出検出器を内部に有するボトムユニットの正面図。
【図10】バーコードリーダを有する透析装置の実施例の側面図。
【図11a】ドアアセンブリの1の実施形態の概略図。
【図11b】ドア開放の1の実施形態の概略図。
【図12】モジュール式形態作業空間を有する透析システムの上部を示す図。
【図13】携帯透析システムの上ユニットに取り付けられたラッチの1の実施形態を示す側方斜視図。
【図14】マッチングラッチ機構を備える携帯透析システムのベースユニットの1の実施形態を示す第1の側方斜視図。
【図15】マッチングラッチ機構を備える携帯透析システムのベースユニットの1の実施形態を示す第2の側方斜視図。
【図16】携帯透析システムの1の実施形態における電気的通信接続を示す平面図。
【図17a】寸法の一例が付記された携帯透析システムの1の実施形態を示す平面図。
【図17b】寸法の一例が付記された携帯透析システムの1の実施形態を示す正面図。
【図18a】収容空洞及び位置合わせピンを有するベースユニットの1の実施形態を示す図。
【図18b】脚パッドを有するトップユニットの1の実施形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は種々の形態で実施可能であるが、本発明の基本的特徴の理解を容易にするため、図面に示される実施形態を参照し、具体的な用語を用いて説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではなく、種々の変形が可能であることは言うまでもない。また、当業者が通常想定するように、ここで説明する本発明の基本的特徴の更なる実施が可能である。
【0020】
「期間」及びそのバリエーションは、所定の治療の開始から終了までの時間的経過を意味する。治療は、状態が回復すれば終了し、他の理由によっても中断される。治療の期間中、複数の治療時間が規定され、この間に1又は複数の所定の刺激が被術者に対して施される。
【0021】
「時間」とは、所定の治療計画の一部として、被術者に対して1回分の刺激が施される時間を言う。
【0022】
「及び/又は」とは、列挙された要素の1又は全て、又は列挙された要素の2又は3以上の組み合わせを言う。
【0023】
「備える」及びそのバリエーションは、明細書及び請求の範囲で使用されるが、限定的な意味を有しない。
【0024】
特に言及がない限り「1の」、「当該」、「1又は複数の」、「少なくとも1の」は、相互に置き換え可能であって、「1又は複数の」の意味で使用される。
【0025】
ここで説明される方法は、個々のステップを有するが、これらステップの順序は、実現可能であれば如何なる順序であっても構わない。また、必要に応じて、2又はそれ以上のステップを同時に行っても構わない。
【0026】
また、数値範囲には、当該範囲に含まれる全ての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等が含まれる)。特に言及がない限り、明細書及び請求の範囲で使用される、構成部材の数や分子量等を表す全ての数は、全ての場合において「約」により修正されているものとして理解されるべきものである。従って、特に言及がない限り、明細書及び請求の範囲に記載の数値パラメータは近似値であって、本発明を用いて実現しようとする特徴によって異なるものである。少なくとも、各数値パラメータは報告された有効数字を踏まえ、通常の丸め手法を適用して解釈されるべきであり、請求の範囲の均等論を制限する意図で解釈されるべきでない。
【0027】
発明の広い範囲を示す数値範囲や数値パラメータは近似値であるが、具体例で示される数値は可能な限り正確なものとしている。しかしながら、全ての数値は、各テスト測定でみられる標準偏差によって必然的に生じる領域を本質的に含むものである。
【0028】
本発明は、モジュール性を有し、携帯可能であり、改良された機能性を有する透析ユニットに関する。図1及び図2において、1の実施形態では、透析システム100、200は、ベース202に着脱可能に取り付けられたトップユニット101、201を備え、該ベース202は液体を貯蔵するための貯蔵部122、222を備える。トップユニット101、201は主ユニット或いはコントローラユニットとも称され、グラフィカルユーザインターフェース114、214と、ポンプユニットと、後述の電磁ロック及び機械的バックアップ機構を有するドア110、210とを備える。トップユニット101、201の一方の側には、透析装置103を着脱可能に固定する金具105が設けられている。トップユニット101、201の他方の側には、吸着剤カートリッジ107を着脱可能に固定するための吸着剤カートリッジ固定基板104、204が設けられている。図3に示すように、金具105、血液ろ過器103、吸着剤カートリッジ固定基板104、及び吸着剤カートリッジ107は、トップユニット101に対して同じ側に設けられても良い。何れの場合であっても、吸着剤カートリッジを支持し、注入液瓶を支持し、こぼれたものを受け止め、また/或いは漏出したものを漏出検出器へ導くための棚が、トップユニットの側方に形成されるよう、ボトムユニットはトップユニットよりも十分に大きな領域を有する。
【0029】
透析装置103とドア110との間には、抗凝固剤ポンプとしての注射器ポンプ190が設けられている。トップユニット101は、ボトルホルダハウジング内にボトルを下向きに収容するためのスパイクつきのベースを有するボトルホルダ190を備えても良い。輸液線は、血液ポンプの流入口、血液ポンプの流出口、又は透析装置の流出口(血液側)に接続される。輸液線は、抗凝固剤が空になったり、詰まったことを検出できるように、気泡検出器の中を通過してもよい。
【0030】
本発明による透析システムは、従来技術よりも格段に優れた機能パラメータ及び操作パラメータを実現する。トップユニットは約20〜40ポンドの範囲であり、より具体的には30ポンドである。ボトムユニットは約15〜30ポンドの範囲であり、より具体的には22ポンドである。これは、従来のシステムより軽い。トップユニットは約1〜4立法フィートの範囲であり、より具体的には2.3立方フィートである。ボトムユニットは約1〜4立方フィートの範囲であり、より具体的には2.8立方フィートである。これは、従来のシステムと比較して容積が小さい。
【0031】
1の実施形態では、図17に示すように、ユーザインターフェースとコントローラとを有するトップユニット1701は、スケールを内蔵する貯蔵部を有するベースユニット1702と奥行きは同じであるが、長さと高さが異なる。当該実施形態では、トップユニット1701とボトムユニット1702の奥行きDは、何れも10〜30インチの範囲であり、より好ましくは約19インチである。当該実施形態では、トップユニット1701の長さLtは、6〜20インチの範囲であり、より好ましくは約14インチである。一方、ボトムユニットの長さLbは14〜40インチの範囲であり、より好ましくは27インチである。当該実施形態では、トップユニット1701の高さHtは7〜21インチの範囲であり、より好ましくは約14.5インチである。一方、ボトムユニットの高さHbは3〜11インチの範囲であり、より好ましくは7インチである。
【0032】
ベースユニット1702は更に、一対のショルダー1704によって定義されてもよい。各ショルダー1704は、中央に位置するトップユニット1701の側方からベースユニット1702の長さ方向に沿って外側に延びている。トップユニットは、ベースユニット1702の長さLbの中央に配置されるのが好ましい。従って、各ショルダー1704の長さは、4〜10インチの範囲であり、より好ましくは7インチである。ベースユニット1702の表面であって、ショルダー1704がトップユニット1701と物理的にぶつかる箇所からは、リップ1703が上方に向かって延びている。リップ1703の表面は、トップユニット1701の位置決めに使われる。リップ1703は、トップユニット1701のベースの周囲に沿って連続していて、トップユニット1701と同じ長さと奥行きを有する。また、その高さはHt2とHtとの差に等しい。1の実施形態では、リップの高さは0.1〜3.5インチの範囲であり、より好ましくは0.6インチである。システム全体の高さHt3は10〜35インチの範囲であり、より好ましくは22インチである。
【0033】
トップユニット1701及びベースユニット1702を形成する外ハウジングの構成は、4つの側面、上面、下面を有する直方体、立法体、或いは箱形とされる。1の実施形態では、トップユニット1701とベースユニット1702のそれぞれにおいて、4つの側面の内の2つの側面は、それぞれが内面と外面を備え、同じ高さと長さと奥行きを有する。また、上面及び下面は、それぞれが内面と外面を備え、同じ高さと長さと奥行きを有する。
【0034】
なお、図1、図2、図17a、及び図17bに示すシステムの構成は単なる一例であって、本発明はこれに限定されない。例えば、図3において、トップユニット301は、ベースユニット302の上であって、ベースユニット302の全長に対して中央に配置される(ベースが対称)のとは対照的に、ベースユニット302の一方の側に配置されてもよい(ベースが非対称)。トップユニット301をベースユニット302の片側に配置させると、全てのチューブ接続及び消耗品をシステムの同じ側に配置できるという利点があるが、吸着剤カートリッジ317や透析装置313が不必要に密集してしまい、装置の使い勝手が悪くなる。
【0035】
この透析システムは、従来のシステムと比較して、使用する水の量が少ない。従来のシステムでは、1回の処置あたり、約120リットル使用していた。1の実施形態におけるシステムでは、3〜8リットル、より具体的には5〜6リットル使用される。更に、このシステムは、余分な水を処理するための家庭用の排水施設、供給用接続、別個の排出口の何れも必要としない。
【0036】
加えて、本発明の実施形態では、多重パス吸着システムを採用する。当該システムは、XCORP212に開示され、また、参照することによりここに盛り込まれている。従って、このシステムは逆浸透システムによる別個の精製水供給装置は必要でないし、これに代えて通常の水道水を吸着システムで精製して使用できる。
【0037】
更に、このシステム設計は、小型且つ省エネであり(最大で300、施術中は50〜200Wのみ)、内蔵ポンプや、移動或いはプライミングのための別個の液袋が不要である。この装置は、20〜600Qb(ml/分)の範囲の血液流及び50〜500Qd(ml/分)の透析液流で作動する。容積の正確度は正確で、±30ml/時未満である。
【0038】
図2に示されるように、透析システムはモジュール性を有する。1の実施形態では、トップユニット201をボトムユニット202から物理的に分離できる。トップユニット201はシステムの主電子装置を収容していて、当該主電子装置は、自足ハウジングとして一体形成されたグラフィカルユーザインターフェースと、コントローラと、ポンプとを有する。より大きなボトムユニット202は貯蔵部222を収容する。システムの電子装置と貯蔵部とを離したことで、携帯透析システムを組立や点検、或いは持ち運びのために複数のユニットへ分解することができ、各サブユニットの取り扱いや梱包、持ち運びが容易になる。この設計では、UPSや他の宅配業者により出荷できるよう、各部品のサイズを具体的に設定している。これは、更に生産の伸びにおいても柔軟性がある。例えば、コントローラユニット或いは貯蔵部(液体体積の減少や容積測定の変更)に対して別個に改良が行われた場合、既存の顧客はこれら2つの構成部品の両方についてアップグレードする必要はなく、一方に対してのみ行えばよい。同様に、もし、2つの構成部品のうち、一方のみが故障した場合(例えば、ポンプが消耗した場合)、顧客は一方の構成部品についてのみ修理依頼したり、購入したりすればよい。
【0039】
このようなモジュール性を可能にするため、本発明の実施形態ではラッチ機構を採用する。1の構成においては、当該ラッチ機構はボトムユニット202をトップユニット201にしっかりと固定するものであって、当該ラッチ機構を操作することによりボトムユニット202をトップユニット201から取り外すことができる。ラッチを使わず、単にこれら2つのシステムを上下に積み重ねることもできるが、ラッチを用いることにより、これらが不意に外れてしまうことを防止できる。更に、ラッチで固定すれば装置を移動しやすい。このラッチ機構は、単に上部材及び下部材に設けられた雄型雌型コネクタを採用し、工具を必要としないものであるのが好ましい。また、ラッチ機構は、上部材と下部材間の位置合わせを確実に行える設計であるのがより好ましい。これにより、これらユニットの位置あわせが適切に行われると自動的に電源回路と接続して当該回路を完成させる電子装置(後述するように、トップユニットの下側及びボトムユニットの上側に露出されたもの)の使用が可能になる。これにより、単一の電力供給装置の使用及び簡素な接続/遮断が可能になる。
【0040】
図14において、ボトムユニット1402は、4つの側1405a、1405b、1405c、1405dと、ベースと、上面1406と、第1の側1405dからアクセス可能な貯蔵部1422とを有する。ボトムユニット1402の上面1406には、複数のラッチ結合構造1420が設けられている。1の実施形態では、2つのラッチ結合構造1420a、1420bが設けられていて、重量配分が均等となるように、これらはボトムユニット1402の長さ方向中央に配置されている。第1のラッチ結合構造1420aは、ボトムユニット1402の幅の1/3と等しい距離だけ側1405dから離れた位置に配置されるのが好ましい。第2のラッチ結合構造1420bは、ボトムユニット1402の幅の1/3と等しい距離だけ側1405bから離れた位置に配置されるのが好ましい。
【0041】
ラッチ機構は、図15に示されるように、例えばボルトやネジ、その他の留め具1502によってボトムユニット1505の上面に固定された金属枠1501を備える。枠1501は、ラッチ内に脱可能に柔軟に挿入される突起或いは長尺部材1503を支持する。
【0042】
ボトムユニットをトップユニットに対して着脱可能にしっかりと固定するため、トップユニットには、トップユニットのベースにしっかりと固定された補助機械的スライドラッチを備える。1の実施形態では、トップユニットのベースには第1のラッチが設けられている。この第1のラッチは、トップユニットの長さ方向中央であって、第1の側からトップユニットの幅の1/3の距離だけ離れた位置に配置されるのが好ましい。このベースには第2のラッチも設けられていて、これはトップユニットの長さ方向中央であって、第1の側に対して反対側かつ平行な第2の側からトップユニットの幅の1/3の距離だけ離れた位置に配置されるのが好ましい。
【0043】
図13に示されるように、トップユニットは、金属性平型スライドベース1315を有するラッチ1300を備える。レール1330は、トップユニットの下面と摺動自在に係合する。トップユニットの下面には、レール1330を所定位置に保持するための結合部材が設けられている。ラッチ1300は、ベースユニット1406の上面に物理的に取り付けられた結合構造の内側及び外側に向かってスライドする2つのラッチタブ1315を有する。
【0044】
トップユニットに取り付けられたラッチ1300は、ボトムユニット1406の上面のラッチ結合構造1420a、1420bと結合する。作動時において、スライドラッチ1300が第1の位置にあるとき、スライドラッチ1300はラッチ結合構造1420a、1420bと物理的に正しく結合しないため、トップユニットはベースユニットの上にぴったり収まらず、或いはベースユニットに対して位置が揃わない。トップユニットをベースユニット1406の上面に適切に搭載するためには、トップユニットの底に配置された部材支持構造内においてスライドラッチを第2の位置まで移動させる。
【0045】
第2の位置では、ラッチ1311のハンドルが突出し、これによりタブ1315をラッチ結合構造1420a、1420bから離れる方向に移動させ、トップユニットをベースユニット上に正しく配置できる。図18a、図18bにおいて、スライドラッチ1880を備えるトップユニット1801は、トップユニット1801の底に設けられた4個の小さなゴム脚、或いは足パッド1840によりボトムユニット1802に対して位置決めされる。これらのパッド1840は、ボトムユニット1802の上部の角付近に設けられた4つの空洞或いは窪み1830内にぴったりと確実にはめ込まれるように構成されている。加えて、トップユニット1801は、ベースユニット1802の上面に設けられたピン1860或いは突起により、ボトムユニット1802に対して正確に位置決めされる。これらのピン1860は、トップユニット1801の下面に設けられた空洞1890にぴったりと確実にはめ込まれるように構成されたものである。ボトムユニットは、上述したように、ラッチ結合構造1863を更に有する。
【0046】
ゴム脚1840及びピン1860を、空洞1830及び空洞1880とそれぞれ位置合わせすることにより、何度も失敗を繰り返すことなく、ラッチ結合構造1863に対してトップユニット1801のラッチ1880を容易に位置合わせして結合させることができる。一端位置あわせが行われれば、ラッチ1880をラッチ結合構造1863内へスライドさせるだけで、ラッチ1880をラッチ結合構造1863に結合でき、これにより2つのユニットを強固に固定できる。図13及び図14に戻り、結合を解除するためには、ラッチハンドル1311を引くか、或いは操作して、ベースユニットスロット1420a、1420bからタブ1315を開放する。これにより、上方のトップユニットを下方のボトムユニットから持ち上げることができる。
【0047】
更に、上述したモジュール性を実現するために、本発明の実施形態では、電気通信接続機構を採用している。これは、1の構成では、ボトムユニットとトップユニット間の電気通信及び/又はデータ通信接続を確実に確立するものであり、他の構成においては、ボトムユニットとトップユニット間の電気通信及び/又はデータ通信接続を遮断するものである。
【0048】
図16において、トップユニットとボトムユニット間の電気接続は、トップユニットがボトムユニット上に設置された時点で確立される。これらの接続は、ボトムユニット1605の上面に留め具1601を用いてしっかりと固定され、一体的に板1602として構成された非接触赤外線通信ポート1603及び押しピン電源ポート1603により確立される。なお、トップユニットの下面は、押しピンに対して整列配置された電気導体パッドを有する。また、押しピンと導体パッドは逆の配置であってもよい。つまり、押しピンをトップユニットの下面に、導体パッドをボトムユニットの上面に配置してもよい。
【0049】
1の実施形態では、トップユニットの下面に一体的に設けられた6つのバネ仕掛けのピンを導体パッドと電気的に接続することにより、高電流電力接続が確立される。3つのピンは+24ボルトDC電流用で、他の3つのピンは接地用である。1の実施形態において、ピン或いはプローブは次の特徴を有する。a)センタは最低で0.175インチ、b)15アンペアの定格電流(定常)、c)0.06インチ〜0.067インチのトラベル量で、6.2オンス〜9.0オンスの範囲のスプリング力、d)標準で10mΩ未満の抵抗、e)最大トラベル量は0.09〜0.1インチの範囲、f)ワークトラベル量は0.06インチ〜0.067インチの範囲、g)金メッキされたニッケル/シルバー製のバレル、h)ステンレス製のスプリング(オプションで金メッキされていても良い)、i)硬質ベリリウム銅製で金メッキされたプランジャー、j)オプションで、ステンレス製のバイアスボール。ピンのスプリング力は、曲げやねじれ等を吸収することにより破損を防ぐ。尚、電気ピンとは、電力を伝達可能なあらゆる突起を示すものであり、電気接触パッドとは、電気ピンを支持可能なあらゆる面を示すものである。
【0050】
非接触赤外線通信ポート1603は、トップユニットの下面に設けられた2つのLED発光部及び2つのLED受光部に対して整列配置されて接続される2つのLED発光部及び2つのLED受光部を採用する。発光ポートと受光ポート間の距離は0.3インチ未満である。ボトムユニットの上面及びトップユニットの下面のどちらにおいても、4つのLEDユニットは、制御ペア(1の発光部と1の受光部とを備える)と安全ペア(1の発光部と1の受光部とを備える)の、2組のペアに分かれている。これらのポートは、トップユニットとボトムユニットが適切に配列された際、データ通信状態とされる。1の実施形態では、LED発光部はGaA1Asダブルヘテロ構造の870nm高速赤外線発光ダイオードである。LED発光部は次の特徴を有する高速ダイオードである。a)超高放射力、b)低順電圧、c)高パルス電流稼動に適する、d)半分強度の角度(angle of half intensity)は約17度、e)ピーク波長は約870nm、f)逆電圧は約5V、g)順方向電流は約100mA、h)ピーク順方向電流は約200mA、i)順サージ電流は約0.8A、j)ワット損は約190mW、接合部温度は約100℃、l)作動温度範囲は−40〜85℃。尚、非接触赤外線通信ポートは、ボトムユニットの上面或いはトップユニットの下面に亘って、あらゆる機能的な方法で配置することができる。また、異なる周知の通信ポートや構造を採用することも可能である。
【0051】
1の実施形態では、LED受光部は高速シリコン光ダイオードであって、超高速応答時間を有し、放射有感領域が約0.25mm2、半分強度の角度が約15度である。
【0052】
LED受光部は次の特徴を有する。a)逆電圧は約60V、b)ワット損は約75mW、c)接合部温度は約100℃、d)作動温度範囲は−40〜85℃、e)順電圧は約1V、f)最低降伏電圧は60V、g)ダイオード容量は1.8pF。
【0053】
図1、図2、図3に戻ると、コントローラユニット101、201の上部には、ハンドル211、311及び作業スペースとしての使用可能棚112、212が設けられている。システムの上ポンプ部に設けられたハンドルは、システムの内枠又は内部構造に直接接続されていて、トップユニット101、201を包囲するプラスチック製の外部形成、ハウジング、或いは外板から単に突出している訳ではない。システムの内枠に直接接続されることで、ハンドルを用いてシステムを安全に移動させることができ、特に、器具が6リットルの水を収容した状態(約40ポンドの加算)で作動する際の負荷に対して確実に対処できる。
【0054】
図5において、1の実施形態では、トップユニット501は内金属ケース、枠、或いはハウジング510を備え、ここに、電子機器、コントローラ、及び他のトップユニット構成部材が収容される。内ケース510は、トップユニット501の後側へ延びる水平突アーム507を備える。略水平トップ棚505は、トップ棚構造505と一体形成された少なくとも1のハンドル520と、ベースブラケット530と、垂直アーム506とを備え、これにより1の連続した金属片或いは成型プラスチック片を構成している。ベースブラケット530はトップユニット501の前部分で内ケース510にしっかりと取り付けられていて、垂直アーム506はネジによりポイント508で突アーム507にしっかりと取り付けられている。トップユニット501の内ケース510に対して棚505及びハンドル520構造をしっかりと取り付けることにより、トップユニットの外ケースとハンドルとの接続箇所に大きな重荷負荷がかかることにより起こる潜在的な損傷或いは破損を防止できる。
【0055】
また、内枠或いは内ケース510には、図1に示すドア110の内枠を構成する金属ドア562が、蝶番565によって取り付けられている。ドア562は内枠510の一部である板561にしっかりと取り付けられている。構造563及び572は、内モータ・プーリーアセンブリを保持する構造であり、又/或いは当該アセンブリの突出部を示すものである。フレーム510の後方から延びる突起583は、パワーエントリーモジュールやUSB接続582を含む種々の電子部品の接続に用いられる。
【0056】
コントローラユニットの上部或いは棚505は平坦で、側壁を有し、補充品の収容や一時的な作業面として理想的である。図12において、1の実施形態では、システムで使用される消耗品1206は、トレイ1205上で組み立てられた状態で梱包されて出荷される。トレイ1205はコントローラユニット1201の作業スペース上に置かれる。これにより、必要な消耗品へのアクセス及び当該消耗品の管理が容易となる。これは、家庭ユーザにとって特に重要なことである。コントローラユニット1201は、液漏れに備えて防水加工されていて、漏れた液がトップコントローラユニット1201内に染み込んでこれを破損しないようにされている。
【0057】
コントローラユニット1001の他の構造的特徴を図10に示す。ユニット1001は、消耗部品のコードやタグを読み取るバーコードリーダやRFIDタグリーダ等の内蔵型露出リーダ1005を有するのが好ましい。操作に際し、ユーザは消耗部品に付された全コード或いはタグをリーダに通すのが好ましい。最初のGUI透析セットアップステップにおいて、ユーザに各消耗部品をリーダに通すように指示して、ユーザに当該作業を行うように促すことができる。
【0058】
これにより、リーダは消耗品の識別情報を取得し、当該識別情報をメモリに記憶された内部テーブルへ送り、内部テーブルの内容と識別情報とを比較し、適切な消耗部品(特に、透析液の添加物)であることを認証する(或いは認証しない)。内部テーブルの内容は消耗品の名称や量を手入力することで生成されても良いし、消耗品の名称及び量を詳述する処方箋へ遠隔アクセスすることで生成されても良い。この認証ステップには、少なくとも2つの利点がある。1つ目は、ユーザが必要とされる部品を全て所有していることを確認できることであり、2つ目は、正しい部品(偽造品や不適切な消耗品でないもの)が使用されていることを確認できることである。
【0059】
他の実施形態では、トップユニットの側方に搭載されたリーダ1005は、特殊多機能赤外線カメラであって、あるモードではバーコード読取可能であり、他のモードでは注入液容器内のレベル変化を検出可能である。このカメラは、赤外線信号を出力し、当該信号は液面で反射される。反射された信号はカメラの赤外線受信部で受信され、プロセッサで処理されて液面のメニスカスの位置が検出される。1の実施形態では、カメラは、0.02mmの解像度で液面の変化を検出してモニタする。1の実施形態では、カメラは1.3メガピクセル単一チップカメラモジュールであって、以下の特徴のうち、1又は複数の特徴を有する。a)1280H×1024V能動ピクセル、b)3.0μmサイズ、c)1/3インチ光フォーマット、d)RGBバイエル色フィルタ配列、e)統合10ビットADC、f)欠陥補正、レンズシェーディング補正、画像スケーリング、デモザイシング、鮮明化、ガンマ補正、及び色空間補正を含む、統合デジタル画像処理機能、g)自動露出制御用の内蔵カメラ制御部、自動ホワイトバランス制御、黒レベル補正、h)プログラム可能なフレーム率及び出力軽減機能、i)最大15フィート/秒SXGA順次走査、j)低出力30フィート/秒VGA順次スキャン、k)8ビットパラレルビデオインターフェース、l)2線シリアル制御インターフェース、m)オンチップPLL、n)2.4〜3.0Vのアナログ電力供給、o)単独I/O電力供給、p)パワースイッチを有する統合電力管理、q)24ピンシールドソケットオプション。1の実施形態では、カメラはSTマイクロエレクトロニクス製の1.3メガピクセルカメラ(モデル番号VL6624/VS6624)である。
【0060】
透析システムのトップユニット或いはボトムユニットは、ネットワークへ直接接続できるよう、イーサネット接続やUSBポート等の電子インターフェースを更に備えるのが好ましい。これにより、遠隔処方箋認証、コンプライアンス警戒、及び他の遠隔サービス業務を促進できる。USBポートは、血圧モニタやヘマクリット値/飽和モニタ等の付属品への直接接続を可能にする。インターフェースは電子的に孤立していて、これによりインターフェース装置の質に関係なく、患者の安全を確実にできる。
【0061】
トップユニットの前部には、システム100の簡単ユーザインターフェースを提供するグラフィカルユーザインターフェース114が設けられている。家庭においては、簡単に装置を使用できることが重要である。色及びタッチスクリーンを最大限利用するのが、有用性の観点から望ましい。タッチスクリーンは、複数のユーザ入力構造を可能にし、複数の言語に対応でき、(特に、明るさ調整及び暗視色を用いることで)夜間においても視認しやすい。GUIは更に、動作中におけるドアの自動開閉及び自動ロック機能を有する。1の実施形態では、GUIはドアを第1ラッチ位置まで開放し、次にユーザが物理的なドア開放ボタンを押すとドアが全開する。他の実施形態では、装置には、ドアを手動で開けるために、(ドア開放ボタンを2回、或いは強く押すことで)ユーザがドアを開けられるようにする手動オーバーライドが設けられている。図8において、GUI800の近傍には、電球付き可視指示を備える機械ボタン805が1つ設けられるのが好ましい。これは、起動すると、動作状態に係わらず、普通の機能(例えばシステムの停止機能)を有する中央停止ボタンを提供する。
【0062】
図1において、貯蔵システム102はドア118を有する。ドア118を引くと、貯蔵部122が引き出され、貯蔵部へのアクセスが可能となる。貯蔵部の容量はスケールシステムでモニタされる。スケールベースの液体秤600を図6に、より詳細に図7a及び図7bに示す。この秤600には貯蔵部が一体形成されていて、正確な液体消費データを提供し、正確な残量計算を可能にする。これにより、体液の不均衡に起因する低血圧症やその他の病気を防止する。スケールと貯蔵部とを一体形成してこれらを完全に囲むことにより、より丈夫なシステムを提供できる。
【0063】
図7aに、貯蔵システムの内部構造700を示す。金属内枠720は2つの側方721と、後方722と、開放された前方723と、底724とを有する。内部構造又は内枠を示すが、ここでは図1で部材102として示される外ハウジングは省略する。スケール718は貯蔵部内部構造700に一体的に形成されている。スケール718の下面715は金属面或いは受け皿を備え、これはスケール718の残りの部分と共に、4つの屈曲部705によって外貯蔵部ハウジング(図1の102)からつり下げられている。スケールの下面715の下方には、加温パッドが設けられることが好ましい。この加温パッドは、温度を上昇させてこれを熱として面715へ伝達できる四角形、長方形、円形、或いは他の形状の面を有する。フィールドを有し、当該フィールドにおける変化を利用して伝導性を測定できる伝導コイル770が底面715に一体形成されている。従って、貯蔵袋(図示せず)が下面715上に置かれると、貯蔵袋はコイル770に接触するため、加温パッドにより加熱されて、その伝導性がモニタされる。
【0064】
側方721の内面は、貯蔵袋が取り付けられるプラスチックシート等の使い捨て貯蔵袋搭載面710に対し、固定、保持、包装、或いは取り付けられるための複数のレール、長尺部材、或いは突起719を備える。具体的には、面715に搭載された貯蔵袋の排出口を、シート710に一体的に設けられた導管に取り付けられる。スケール面718の四隅には屈曲部705が搭載されていて、各屈曲部705はホールセンサと磁石とを備える。
【0065】
図7bにおいて、屈曲部705は複数の固定ポイントを有し、ここで屈曲部が外貯蔵ハウジングに固定される。屈曲部は更に、磁性体762(例えば2個の磁石)とホールセンサ764とを備える。屈曲部705のベース767はスケール718の上面715に取り付けられている。負荷がかけられたスケール718が変位すると(例えば、貯蔵袋が透析液で満たされると、袋は面715を押し下げ、スケール718を下方に変位させると)、一端がスケールに接続され他端が外ハウジングに接続された屈曲部705が動き、屈曲部の一端に搭載された磁石762が、磁性体762の磁界における変化を利用してこの動きを追跡する。ホールセンサ764は磁界強度における変化を検出する。このように検出された磁界強度の変化に基づく重量負荷の計測方法は、当業者にとって自明である。
【0066】
透析装置103や吸着剤カートリッジ107、注入液等の使い捨て部材を、アクセスしやすい形態でシステムの外部に配置することにより、サイズの異なる吸着剤カートリッジや透析装置、注入混合液の使用が可能になり、使用における柔軟性及びシステムの適用性を改善できる。図3及び図9において、使い捨て部材、特に、完全に使い捨ての血液回路及び透析液回路は、キット(透析液、マニフォールド、チューブ、貯蔵袋、アンモニアセンサ、及び他の部品を含むもの)の中に梱包され、トップユニット301の前ドア(上述)303を開け、プレッシャーやセンサ、その他の非使い捨て部品に対して正しく位置あわせが行われるよう、透析装置313及びマニフォールド304をインストールすることで、使用される。前ドア303の内面に一体形成された複数のポンプシュー305により、使い捨て部品の搭載が容易にできる。マニフォールドを挿入するだけでよく、ポンプチューブをローラとシュー305との間に通す必要がない。このような梱包及び簡単な取り扱いにより、消耗品の装着及びシステムの清掃を容易にできる。また、図11に示す液体回路は適切に構成され、使用可能な状態にされている。作動時には、トップユニット301は、貯蔵部322を備えるボトムユニット302に取り付けられる。
【0067】
消耗品を装着するために、前ドアは大きく開放される(約100度)。大きく開放することにより、マニフォールドの装着が容易にできると共に、装置面やドア内部の清掃を容易にできる。ドアを閉めて装置の可動部材を覆うことにより、安全かつ頑丈にできる。これは、家庭内使用において特に重要である。更に、前ドアにディスプレイを収容することにより、スペースを節約できると共に、消耗品が装着されてドアが閉まった状態でなければ装置を作動すべきでないという重要事項を強調できる。ドアによって、マニフォールド及びポンプセグメントに対して必要な閉塞力が加えられる。ドア面には更に、タッチスクリーン、音声アラーム、手動停止ボタンが収容されている。
【0068】
1の実施形態では、ドアは電動ステッピングモータにより完全に閉じた状態に保持される。このモータはユーザインターフェースを介して操作され、特に、ドアを完全に閉じたり開けたりできる状態でユーザがボタンを押すことにより操作される。ドア及びポンプシューによりマニフォールド構成に適切な圧力が加えられるよう、ドアを閉めると共にドア閉力を十分に生成できる電子機構を備えるのが好ましい。1の実施形態では、90〜110ポンドのドア閉力が生成される。
【0069】
1の実施形態における電動ドア閉機構1100を図11aに示す。ステッピングモータ1106は主ネジ1116に機械的に接続されていて、コントローラにより起動されると、ステッピングモータ1106が主ネジ1116を回し、これによりロッド1118からフックに駆動力が与えられる。部材1140の下方に配置されたフックは、U型ラッチ1130にラッチするようにされていて、引っ張られたり回転したりしてステッピングモータ1106の方向へ移動すると、閉方向にU型ラッチ1130を引っ張って、必要なドア閉力を与える。フックはロッド1118と物理的に係合していて、これを操作することにより、U型ラッチ1130を引っ張ってしっかりと閉じたり、U型ラッチ1130との係合を緩くできる。電動閉システムは、搭載ブラケット1105により適切な向きに維持されて搭載される。
【0070】
操作上、ユーザがドアを十分に閉じると、ドアに設けられたU型ラッチ410は、図4に示すようにコントローラユニットの内部に設けられたフック450と係合する。そして、ユーザは、好ましくは機械的ボタン或いはグラフィカルユーザインターフェースを介して、携帯透析装置に対してドアを閉めるよう指示を出す。機械的ボタン或いはグラフィカルユーザインターフェースが押されると、コントローラに対して信号を送り、コントローラはステッピングモータ1106を起動する。ステッピングモータ1106は駆動力をフック450へ供給し、フック450は係合しているU型ラッチ1130、410を引っ張り、しっかりと閉じる。1の実施形態では、コントローラはモータにより付与されるトークを監視し、その値が所定値に達すると、ステッピングモータを停止させる。他の実施形態では、主ネジ近傍に配置されたホール装置が主ネジの伸長を検出し、ネジの移動量を判断する。ネジがドア閉力を増大させる方向に十分に移動すると、ホールセンサはコントローラに対して信号を出力してモータを停止させる。或いは、センサはネジの伸長を示す信号を常に出力し、コントローラがこれを解釈して十分な駆動力が付与されたか否かを判断し、ステッピングモータを停止すべきかどうか判断する。何れの実施形態においても、モータのトークが過大になったり、所定距離を越えたり、所定時間内にドアが完全に閉じた状態に至らない場合には、コントローラはモータを停止させて全開状態まで反転させてもよい。更に、コントローラは視覚及び/又は音声アラームを発してもよい。
【0071】
ユーザがドアを開ける場合には、機械的ボタン又はグラフィカルユーザインターフェースアイコンを起動し、コントローラに信号を送ってステッピングモータ1106を逆方向に起動させる。すると、フックとU型ラッチとの係合がゆるむ。機械的開放ボタン1107が押下されると、U型ラッチとのゆるい係合が解かれる。
【0072】
必要な閉力を付与するのに加え、この電動ドア閉機構には重要な特徴がいくつかある。まず、障害物がドアに挟まるのを防止し、大きなドア閉力の対象となるのを防止する。図4において、マニフォールドはエッジガードに包囲されている。エッジガードは、人の指や不適切に装着された消耗品等の妨害物がドアとトップユニットの底板との間に挟まった際に、ドアラッチがトップユニットに設けられたラッチ受けと係合するのを防止するものである。ドア405は金属ケース425が取り付けられた内面406を有する。1の実施形態では、ドア405の内面406の上面はケース425の外面に対して固定されている。ケース425は略長方形状であって、内部容積を形成し4方の側407とベース408とを有する空洞を規定している。空洞は透析システム400のマニフォールド構成に向かって開放していて、マニフォールド構成430とガード440を取り囲む。ガード440は、マニフォールド430の上方及び側方を包囲するプラスチック幕であるのが好ましい。ベース408の面には、ポンプシュー415と、後板に向かって突出する少なくとも1のU型ラッチが取り付けられている。フック450はガードと一体形成されていて、ガードから外方に突出している。フック450は、U型ラッチ410としっかりと係合したり、その係合が解かれたりする。ドアが正しく閉められ、ドアとガードの間に何も挟まっていない状態においては、U型ラッチには電動ドアロックフック機構が機械的に接続する。もし、妨害物が挟まると、金属ケース425はトップユニットの内部容積内へ突出できず(ガードを包囲できず)、U型ラッチはフックと係合できない。従って、妨害物がある場合には、機械的な接続や、ドアが電動により不用意に閉まるのを防止する。
【0073】
次に、機械的ボタンリリース1107は、電動ドア閉力がステッピングモータの逆回転によって解かれた場合に限り起動される。これによりドアが不用意に開いたり、ドアが急速に開くのを防止している。図11a及び図11bにおいて、ドアが閉じられロックされると、ボタン軸1107上のコロ1150が90度回転し、押ピンを電動ドアロックフックから遠ざかる方向へ移動させる。コロ1150はロッド1121により回転される。ロッド1121は位置1145でコロと接続していて、主ネジ1116と機械的に接続されている。コロ1150にはバネが装着されていて、小ピンソレノイドによりロックされる。ユーザがロック位置のボタンを押すと、ボタンは装置内へ移動するが、コロの回転により変位するため、フックとの係合は解かれない。これによりドアが開くのを防止する。停電になったり、電源が意図せず遮断された場合には、ピンソレノイドが開放し、コロが90度戻り、押ピンが適切に配列する。次にユーザがボタンを押すと、押ピンは電動ドアフックと接触し、ドアラッチを開放する。この機構により、便利で安全な機械的ドアリリースのバックアップを提供でき、機械的ドアリリースが不用意に起動されてドアが過大な力で開放される恐れがない。なお、「フック」或いは「ラッチ」は物理的或いは機械的に他の突起或いは部材に対して係合可能な如何なる突起或いは部材を含む広い意味で用いられる。また、「U型ラッチ」とあるが、これに限定されず、上述したように、あらゆるラッチ機構或いはフック機構を用いることが可能である。
【0074】
上述したように、ボトムニットにより形成されトップユニットを包囲する棚空間は、区画漏出検出を可能にするため、装置内外の複数箇所に設けられた、液体センサを備える排水路を採用する。具体的には、光学漏出センサを備える排水路を、装置の外部部材に設けることにより、システムは外部材(吸着材容器など)から漏出した液体を捕らえて光学漏出センサへ送出することができる。
【0075】
1の実施形態では、少なくとも3つの異なる光学漏出検出器がボトムユニットの外ハウジングに内側に設けられている。図9aにおいて、ボトムユニット902の上面は、若干傾斜していて、中央980は側方981、982よりも上方に位置している。1の実施形態では、面は中央領域980から側方981、982へ向かって、1〜10度、好ましくは3度の角度で下方に傾斜している。チャンネル987はボトムユニットの上面を取り囲み、外周に沿って延び、上面の中央を貫き、また/或いは上面の残りの部分を貫いて延びている。ボトムユニット902の上面が傾斜していることで、チャンネル987も中央980から側方981、982へ向かって傾斜する。他の実施形態では、上面は後方991から前面990へ向かう方向においても、やや下方に傾斜している。傾斜したチャンネル987は、液体をシステムの中央及び/或いは後方から遠ざけて、漏出検出器988が配置されている前方及び側方へ導き、チャンネル987と連通している。
【0076】
第1の光学漏出検出器988aはボトムユニット902の上面の右前角部に配置されている。第2の光学漏出検出器988bはボトムユニット902の上面の前左角部に配置されている。各漏出検出器は、井戸或いは空洞の内部に配置され、井戸の側方に配置された光学センサを備える。光学センサは、漏れ出た液体及び/或いは井戸へ導かれた液体を検出し、検出信号をトップユニットのコントローラへ送信する。検出信号は、プロセッサで処理されて、漏出が発生したか否かが判断される。検出信号はその後記憶され、必要であれば、プロセッサはGUIに警報或いは警告を表示させる。井戸或いは空洞の底面は、ユーザが水気を拭き取り易いように、丸みを帯びているのが好ましい。図9bにチャンネル987及び井戸997内に配置された漏出検出器988aを備えるボトムユニット902の上面の詳細を示す。
【0077】
図9cでは、ボトムユニット902の内側に、より具体的にはスケール904を内蔵する貯蔵部903の内側に、追加の漏出検出器が少なくとも1つ配置されている。チャンネル905は、内ハウジング或いは金属袋ホルダ等の貯蔵構造と一体とされていて、一方の側から他方の側へ、或いは中央から両側へ向かって傾斜しているのが好ましい。1の実施形態においては、傾き角度は1〜10度の範囲であって、より具体的には3度である。漏出検出器を収容する井戸910は貯蔵ハウジングへと組み込まれていて、貯蔵ハウジングの片側或いは両側でチャンネル905と連通している。使い捨て袋で漏出が起こると、液体はチャンネル905を介して金属皿或いは貯蔵ハウジングの角部に流れ込み、漏出センサ910が配置される少なくとも1の井戸へ導かれる。
【0078】
排出路には2つの機能がある。a)液体が器具内部へ入り込むのを確実に防止する機能と、b)漏出を直ちに抑え、警報或いは警告を発するセンサへ確実に送るようにする機能である。また、装置は更に、装置内部の光学センサを有する井戸に繋がる液体排出チャンネルを有するのが好ましい。従って、例えば、内貯蔵部において漏出が発生した場合には、液体は重要な部材から離れる方向に導かれ、光学センサが漏出を知らせる。センサが起動すると、これに基づきGUIがユーザに対して警報を発し、液体漏出箇所を具体的に特定することができる。漏出検出を複数の独立区域(複数の液体センサ及び複数の排出経路)に分けることで、ユーザが漏出を素早く見つけだすことができる。複数のチャンネル及びセンサを設けたので、システムは部分的且つ自動的に漏出元を特定でき、問題解決に向けたグラフィックアシスタンスをユーザに提供できる。
【0079】
本発明の好適な実施形態について説明したが、種々の変更、変形が可能であることは当業者であれば理解できることであり、本発明の範囲を越えない限度で要素を代替品と入れ替えることも可能である。また、本発明の範囲を超えない限度で、具体的な状況や材料に適用できるように、本発明の特徴を様々な方法で変形することもできる。従って、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明は請求の範囲に含まれるあらゆる実施形態を含むものである。
【技術分野】
【0001】
〔関連出願へのクロスリファレンス〕本願は、2008年10月30日に出願された米国仮特許出願第61/109、834号を基礎とする優先権主張出願である。本願は、また、2009年10月7日に出願された米国特許出願第12/575、450号、2009年10月7日に出願された米国特許出願第12/575、449号、2009年1月16日に出願された米国特許出願第12/355、102号、2009年1月16日に出願された米国特許出願第12/355、128号、2009年1月12日に出願された米国特許出願第12/351、969号、2008年11月28日に出願された米国特許出願第12/324、924号、2008年9月12日に出願された米国特許出願第12/210、080号、2008年9月25日に出願された米国特許出願第12/238、055号、2008年9月25日に出願された米国特許出願第12/237、914号、2008年10月10日に出願された米国特許出願第12/249、090号、2008年10月3日に出願された米国特許出願第12/245、397号に関連する。これら全ての出願の内容は、参照することにより盛り込まれる。
【0002】
本発明は、改良された構造的及び機能的特徴を有する透析システムに関する。特に、本発明による透析システムは、改良されたモジュール性、使い安さ、及び安全性を有する携帯透析システムに関する。
【背景技術】
【0003】
腎不全患者の身体から有害な老廃物を取り除くために、血液透析が行われる。患者の血液はチューブを介して一時的に体外に取り出され、透析装置内で少なくとも1の半透膜に通される。半透膜は、例えば中空糸の集まりで構成されていて、透析液と血液との間を仕切るものである。血液中の不純物は、主に浸透圧により、膜を通過して透析液中へ移動する。浄化された血液は、その後、体内へ戻される。
【0004】
病院に設置された装置を用いた通常の透析療法は、次の2つの段階を有する。(a)透析。ここでは、有害物質やスコリア(通常は小さな分子)が血液中から半透膜を通って透析液へ移動する。(b)限外ろ過。ここでは、血液回路と透析液回路間の圧力差、より具体的には、後者の回路における減圧により、血液中の水分が所定量減少する。
【0005】
通常の装置を用いた透析治療は煩わしく、コストも高くなりやすい。加えて、患者は長時間にわたって透析センターに拘束される。携帯透析システムが開発されている。米国特許第4、083、777は、老廃不純物を血液中から透析液中へ移すために、老廃不純物を含む血液及び透析液が間接的物質移動透析関係によって通過する透析手段を備える血液透過システムを開示している。この装置は、老廃不純物を含む血液を患者から該透析手段へ送り出すための手段と、血流回路を構成して老廃不純物が取り除かれた血液を患者へ戻すための手段とを備える。該透析手段は、血液を送り出すための撓性弾性管体ポンプ駆動セクションを有する。蠕動ポンプ手段には、回転可能なポンプヘッドアセンブリが設けられている。このアセンブリは、固定軸を中心に回転可能に設けられたベース部材を有し、ここには円周方向に離間された複数のローラが装着されている。これらローラは、ベース部材の固定軸と平行なそれぞれの軸を中心に独立して回転可能にされている。
【0006】
米国特許第4、443、333号は、血液透析を行うための携帯システムが開示されている。ここでは、血液は交換ステーションを通過するが、このとき血液は半透膜の片側と接触し、透析液は当該半透膜の反対側と接触する。このシステムは、血液を複数のステーションを通過させるために血液源に接続されると共に血液を血液源へ戻すための伸縮性チューブ手段と、当該血液チューブ手段と連通する血栓検出器及び気泡検出器と、透析液を複数のステーションを通過させるために透析液源に接続される伸縮性チューブ手段と、透析液の液流、圧力、温度、及び伝導性を測定して制御するための手段と、交換ステーションを通過する際の透析液の圧力を血液の圧力よりも小さい値に維持するための手段と、少なくとも、血液を伸縮性血液手段へ送るための蠕動ポンプと透析液を伸縮性透析液チューブ手段へ送るための蠕動ポンプの2つのポンプに接続された出力軸を有する1のモータ手段と、当該モータ手段と当該蠕動ポンプと関連して透析液流を血液流の約3倍に維持する機構とを備える。各蠕動ポンプは内側アーチ面を有する。血液ポンプは、間に血液チューブ手段を捕捉するために当該内側アーチ座面と関連する少なくとも1のローラを有する。透析液ポンプは、間に透析液チューブ手段を捕捉するために該内側アーチ座面と関連する1のローラを有する。蠕動血液ポンプを作動させると、ローラによって血液チューブ手段の中で滑らかな血液の層流が発生する。蠕動透析液ポンプを作動させると、当該1のローラによって発生する真空によって透析液流が発生し、これにより伸縮性透析液チューブ手段の変形と復帰が生じる。このシステムは更に制御機構を有する。当該制御機構は、血液漏出検出器及び気泡検出器と、モータ手段と、透析の液流・圧力・温度・伝導性測定手段に対して動作可能に接続されていて、圧力、温度、又は伝導性の測定値が所定範囲から外れた場合に、血液流を維持したまま透析液ローラを選択的に停止させることにより透析液チューブ手段及び交換ステーション内での透析液の移動を停止させ、また、血液漏出検出器又は気泡検出器からの信号に基づき全てのローラを同時に停止させることにより、全システム及びポンプ動作を停止させる。
【0007】
米国特許第6、168、578号は、廃液袋を搭載したベルトを備える携帯腎臓透析システムを開示している。ベルトにはポンプも搭載されていて、当該ポンプはユーザと廃液袋の間に接続される。ポンプは、排出信号を受信すると、ユーザから廃液袋へ液体を送り出す。また、廃液袋が一杯になると検出する圧力スイッチも設けられている。制御機構は、廃液袋が一杯であると検出されていない場合に限り、排出信号をポンプへ送る役割を果たす。従来の他の携帯血液透析システムとしては、ネクステージ社製のシステムワンと呼ばれる携帯透析システムが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記携帯透析システムには欠点がある。まず、これらはモジュール性が十分でないために、システムの組立、移動、出荷、及びメンテナンスが容易でない。次に、これらシステムは、患者が確実且つ正確に使用できる程には、十分に簡易化されていない。患者が使用する際には、システムのインターフェース及び消耗部品の使用方法を誤ることもある。真に効率的な携帯透析システムとするためには、誤使用を避けるために余儀なくされた消耗品の装着やデータ入力によって、医療従事者でない個人にとっても使い易いものであるべきである。
【0009】
よって、モジュール性を最適化するように構成された構造設計を有することにより、システムの組立、移動、出荷、及びメンテナンスを容易にできる携帯透析システムが好ましい。また、患者がデータ入力や消耗部品を展開するためのシステムインターフェースが、不正確な使用を避けるために十分に制約されていると共に、誤使用を防止できるように構成されているのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるように構成されていて、前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされることを特徴とする、モジュール式透析システムに関する。
【0011】
前記第1の外ハウジングの下側は電気接続パッドを有し、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを有しても良い。前記第1の外ハウジングの下側は複数の電気ピンを有し、前記第2の外ハウジングの上側は電気接続パッドを有しても良い。前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置あわせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的に電気通信状態とされる。
【0012】
前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的にデータ通信状態とされてもよい。前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備える。前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされる。
【0013】
前記コントローラユニットの内部容積には、マニフォールドと、フックと、前記マニフォールドを取り囲むガードとが収容されてもよい。前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能とするドアは、内面を有し、前記内面は、複数のポンプシューと、ラッチと、前記ドアが閉じられた際に前記内部容積の内部へ突出する側を有するケースとを備える。前記ドアが閉められると、前記ラッチは前記フックと機械的に係合する。モジュール式透析システムは、前記フックに駆動力を供給するモータを起動するように構成されたコントローラを更に備え、当該駆動力の供給により、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉じられる。モジュール式透析システムは、第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記第1状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合可能であり、前記第2状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合不可である。
【0014】
他の実施形態においては、本発明は、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1の漏出検出器と連通する複数のチャンネルが形成された傾斜面を有し、前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるよう構成されていることを特徴とするモジュール式透析システムに関する。
【0015】
前記第1の外ハウジングの下側は、電気接続パッドを備え、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを備えてもよい。前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置合わせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされる。前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備える。前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされる。
【0016】
前記コントローラユニットの内部容積にはフックが収容されていて、前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするドアは、ラッチを有する内面を有してもよい。モジュール式透析システムは、ユーザ入力に応じて前記フックに駆動力を供給するようにモータを起動するコントローラを更に備え、駆動力を供給すると、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉まる。モジュール式透析システムは、第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記ボタンは、第1状態では前記フックに機械的に係合可能であり、第2状態では前記フックに機械的に係合不可である。
【0017】
これら及び他の実施形態については「発明を実施するための最良の形態」の欄で図面を参照して詳述する
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の透析システムの正面図。
【図2】透析システムのモジュール性を示す図。
【図3】透析システムの後方を示す図であって、ドアが開いた状態を示す図。
【図4】開放されたドア及びU型ラッチを有する透析システムの1の実施形態を示す正面図。
【図5】本発明の1の実施形態におけるトップユニットの内部構造を示す図。
【図6】本発明によるスケールベースの液体秤の部材を示す図。
【図7a】天秤を内蔵する貯蔵部の側方斜視図。
【図7b】屈曲アセンブリの側方斜視図。
【図8】本発明における グラフィカルユーザインターフェースの例を示す正面図。
【図9a】漏出チャンネル及び漏出検出器を内部に有するボトムユニットの上面を示す第1図。
【図9b】漏出チャンネル及び漏出検出器を内部に有するボトムユニットの上面を示す第2図。
【図9c】漏出チャンネル及び漏出検出器を内部に有するボトムユニットの正面図。
【図10】バーコードリーダを有する透析装置の実施例の側面図。
【図11a】ドアアセンブリの1の実施形態の概略図。
【図11b】ドア開放の1の実施形態の概略図。
【図12】モジュール式形態作業空間を有する透析システムの上部を示す図。
【図13】携帯透析システムの上ユニットに取り付けられたラッチの1の実施形態を示す側方斜視図。
【図14】マッチングラッチ機構を備える携帯透析システムのベースユニットの1の実施形態を示す第1の側方斜視図。
【図15】マッチングラッチ機構を備える携帯透析システムのベースユニットの1の実施形態を示す第2の側方斜視図。
【図16】携帯透析システムの1の実施形態における電気的通信接続を示す平面図。
【図17a】寸法の一例が付記された携帯透析システムの1の実施形態を示す平面図。
【図17b】寸法の一例が付記された携帯透析システムの1の実施形態を示す正面図。
【図18a】収容空洞及び位置合わせピンを有するベースユニットの1の実施形態を示す図。
【図18b】脚パッドを有するトップユニットの1の実施形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は種々の形態で実施可能であるが、本発明の基本的特徴の理解を容易にするため、図面に示される実施形態を参照し、具体的な用語を用いて説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではなく、種々の変形が可能であることは言うまでもない。また、当業者が通常想定するように、ここで説明する本発明の基本的特徴の更なる実施が可能である。
【0020】
「期間」及びそのバリエーションは、所定の治療の開始から終了までの時間的経過を意味する。治療は、状態が回復すれば終了し、他の理由によっても中断される。治療の期間中、複数の治療時間が規定され、この間に1又は複数の所定の刺激が被術者に対して施される。
【0021】
「時間」とは、所定の治療計画の一部として、被術者に対して1回分の刺激が施される時間を言う。
【0022】
「及び/又は」とは、列挙された要素の1又は全て、又は列挙された要素の2又は3以上の組み合わせを言う。
【0023】
「備える」及びそのバリエーションは、明細書及び請求の範囲で使用されるが、限定的な意味を有しない。
【0024】
特に言及がない限り「1の」、「当該」、「1又は複数の」、「少なくとも1の」は、相互に置き換え可能であって、「1又は複数の」の意味で使用される。
【0025】
ここで説明される方法は、個々のステップを有するが、これらステップの順序は、実現可能であれば如何なる順序であっても構わない。また、必要に応じて、2又はそれ以上のステップを同時に行っても構わない。
【0026】
また、数値範囲には、当該範囲に含まれる全ての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等が含まれる)。特に言及がない限り、明細書及び請求の範囲で使用される、構成部材の数や分子量等を表す全ての数は、全ての場合において「約」により修正されているものとして理解されるべきものである。従って、特に言及がない限り、明細書及び請求の範囲に記載の数値パラメータは近似値であって、本発明を用いて実現しようとする特徴によって異なるものである。少なくとも、各数値パラメータは報告された有効数字を踏まえ、通常の丸め手法を適用して解釈されるべきであり、請求の範囲の均等論を制限する意図で解釈されるべきでない。
【0027】
発明の広い範囲を示す数値範囲や数値パラメータは近似値であるが、具体例で示される数値は可能な限り正確なものとしている。しかしながら、全ての数値は、各テスト測定でみられる標準偏差によって必然的に生じる領域を本質的に含むものである。
【0028】
本発明は、モジュール性を有し、携帯可能であり、改良された機能性を有する透析ユニットに関する。図1及び図2において、1の実施形態では、透析システム100、200は、ベース202に着脱可能に取り付けられたトップユニット101、201を備え、該ベース202は液体を貯蔵するための貯蔵部122、222を備える。トップユニット101、201は主ユニット或いはコントローラユニットとも称され、グラフィカルユーザインターフェース114、214と、ポンプユニットと、後述の電磁ロック及び機械的バックアップ機構を有するドア110、210とを備える。トップユニット101、201の一方の側には、透析装置103を着脱可能に固定する金具105が設けられている。トップユニット101、201の他方の側には、吸着剤カートリッジ107を着脱可能に固定するための吸着剤カートリッジ固定基板104、204が設けられている。図3に示すように、金具105、血液ろ過器103、吸着剤カートリッジ固定基板104、及び吸着剤カートリッジ107は、トップユニット101に対して同じ側に設けられても良い。何れの場合であっても、吸着剤カートリッジを支持し、注入液瓶を支持し、こぼれたものを受け止め、また/或いは漏出したものを漏出検出器へ導くための棚が、トップユニットの側方に形成されるよう、ボトムユニットはトップユニットよりも十分に大きな領域を有する。
【0029】
透析装置103とドア110との間には、抗凝固剤ポンプとしての注射器ポンプ190が設けられている。トップユニット101は、ボトルホルダハウジング内にボトルを下向きに収容するためのスパイクつきのベースを有するボトルホルダ190を備えても良い。輸液線は、血液ポンプの流入口、血液ポンプの流出口、又は透析装置の流出口(血液側)に接続される。輸液線は、抗凝固剤が空になったり、詰まったことを検出できるように、気泡検出器の中を通過してもよい。
【0030】
本発明による透析システムは、従来技術よりも格段に優れた機能パラメータ及び操作パラメータを実現する。トップユニットは約20〜40ポンドの範囲であり、より具体的には30ポンドである。ボトムユニットは約15〜30ポンドの範囲であり、より具体的には22ポンドである。これは、従来のシステムより軽い。トップユニットは約1〜4立法フィートの範囲であり、より具体的には2.3立方フィートである。ボトムユニットは約1〜4立方フィートの範囲であり、より具体的には2.8立方フィートである。これは、従来のシステムと比較して容積が小さい。
【0031】
1の実施形態では、図17に示すように、ユーザインターフェースとコントローラとを有するトップユニット1701は、スケールを内蔵する貯蔵部を有するベースユニット1702と奥行きは同じであるが、長さと高さが異なる。当該実施形態では、トップユニット1701とボトムユニット1702の奥行きDは、何れも10〜30インチの範囲であり、より好ましくは約19インチである。当該実施形態では、トップユニット1701の長さLtは、6〜20インチの範囲であり、より好ましくは約14インチである。一方、ボトムユニットの長さLbは14〜40インチの範囲であり、より好ましくは27インチである。当該実施形態では、トップユニット1701の高さHtは7〜21インチの範囲であり、より好ましくは約14.5インチである。一方、ボトムユニットの高さHbは3〜11インチの範囲であり、より好ましくは7インチである。
【0032】
ベースユニット1702は更に、一対のショルダー1704によって定義されてもよい。各ショルダー1704は、中央に位置するトップユニット1701の側方からベースユニット1702の長さ方向に沿って外側に延びている。トップユニットは、ベースユニット1702の長さLbの中央に配置されるのが好ましい。従って、各ショルダー1704の長さは、4〜10インチの範囲であり、より好ましくは7インチである。ベースユニット1702の表面であって、ショルダー1704がトップユニット1701と物理的にぶつかる箇所からは、リップ1703が上方に向かって延びている。リップ1703の表面は、トップユニット1701の位置決めに使われる。リップ1703は、トップユニット1701のベースの周囲に沿って連続していて、トップユニット1701と同じ長さと奥行きを有する。また、その高さはHt2とHtとの差に等しい。1の実施形態では、リップの高さは0.1〜3.5インチの範囲であり、より好ましくは0.6インチである。システム全体の高さHt3は10〜35インチの範囲であり、より好ましくは22インチである。
【0033】
トップユニット1701及びベースユニット1702を形成する外ハウジングの構成は、4つの側面、上面、下面を有する直方体、立法体、或いは箱形とされる。1の実施形態では、トップユニット1701とベースユニット1702のそれぞれにおいて、4つの側面の内の2つの側面は、それぞれが内面と外面を備え、同じ高さと長さと奥行きを有する。また、上面及び下面は、それぞれが内面と外面を備え、同じ高さと長さと奥行きを有する。
【0034】
なお、図1、図2、図17a、及び図17bに示すシステムの構成は単なる一例であって、本発明はこれに限定されない。例えば、図3において、トップユニット301は、ベースユニット302の上であって、ベースユニット302の全長に対して中央に配置される(ベースが対称)のとは対照的に、ベースユニット302の一方の側に配置されてもよい(ベースが非対称)。トップユニット301をベースユニット302の片側に配置させると、全てのチューブ接続及び消耗品をシステムの同じ側に配置できるという利点があるが、吸着剤カートリッジ317や透析装置313が不必要に密集してしまい、装置の使い勝手が悪くなる。
【0035】
この透析システムは、従来のシステムと比較して、使用する水の量が少ない。従来のシステムでは、1回の処置あたり、約120リットル使用していた。1の実施形態におけるシステムでは、3〜8リットル、より具体的には5〜6リットル使用される。更に、このシステムは、余分な水を処理するための家庭用の排水施設、供給用接続、別個の排出口の何れも必要としない。
【0036】
加えて、本発明の実施形態では、多重パス吸着システムを採用する。当該システムは、XCORP212に開示され、また、参照することによりここに盛り込まれている。従って、このシステムは逆浸透システムによる別個の精製水供給装置は必要でないし、これに代えて通常の水道水を吸着システムで精製して使用できる。
【0037】
更に、このシステム設計は、小型且つ省エネであり(最大で300、施術中は50〜200Wのみ)、内蔵ポンプや、移動或いはプライミングのための別個の液袋が不要である。この装置は、20〜600Qb(ml/分)の範囲の血液流及び50〜500Qd(ml/分)の透析液流で作動する。容積の正確度は正確で、±30ml/時未満である。
【0038】
図2に示されるように、透析システムはモジュール性を有する。1の実施形態では、トップユニット201をボトムユニット202から物理的に分離できる。トップユニット201はシステムの主電子装置を収容していて、当該主電子装置は、自足ハウジングとして一体形成されたグラフィカルユーザインターフェースと、コントローラと、ポンプとを有する。より大きなボトムユニット202は貯蔵部222を収容する。システムの電子装置と貯蔵部とを離したことで、携帯透析システムを組立や点検、或いは持ち運びのために複数のユニットへ分解することができ、各サブユニットの取り扱いや梱包、持ち運びが容易になる。この設計では、UPSや他の宅配業者により出荷できるよう、各部品のサイズを具体的に設定している。これは、更に生産の伸びにおいても柔軟性がある。例えば、コントローラユニット或いは貯蔵部(液体体積の減少や容積測定の変更)に対して別個に改良が行われた場合、既存の顧客はこれら2つの構成部品の両方についてアップグレードする必要はなく、一方に対してのみ行えばよい。同様に、もし、2つの構成部品のうち、一方のみが故障した場合(例えば、ポンプが消耗した場合)、顧客は一方の構成部品についてのみ修理依頼したり、購入したりすればよい。
【0039】
このようなモジュール性を可能にするため、本発明の実施形態ではラッチ機構を採用する。1の構成においては、当該ラッチ機構はボトムユニット202をトップユニット201にしっかりと固定するものであって、当該ラッチ機構を操作することによりボトムユニット202をトップユニット201から取り外すことができる。ラッチを使わず、単にこれら2つのシステムを上下に積み重ねることもできるが、ラッチを用いることにより、これらが不意に外れてしまうことを防止できる。更に、ラッチで固定すれば装置を移動しやすい。このラッチ機構は、単に上部材及び下部材に設けられた雄型雌型コネクタを採用し、工具を必要としないものであるのが好ましい。また、ラッチ機構は、上部材と下部材間の位置合わせを確実に行える設計であるのがより好ましい。これにより、これらユニットの位置あわせが適切に行われると自動的に電源回路と接続して当該回路を完成させる電子装置(後述するように、トップユニットの下側及びボトムユニットの上側に露出されたもの)の使用が可能になる。これにより、単一の電力供給装置の使用及び簡素な接続/遮断が可能になる。
【0040】
図14において、ボトムユニット1402は、4つの側1405a、1405b、1405c、1405dと、ベースと、上面1406と、第1の側1405dからアクセス可能な貯蔵部1422とを有する。ボトムユニット1402の上面1406には、複数のラッチ結合構造1420が設けられている。1の実施形態では、2つのラッチ結合構造1420a、1420bが設けられていて、重量配分が均等となるように、これらはボトムユニット1402の長さ方向中央に配置されている。第1のラッチ結合構造1420aは、ボトムユニット1402の幅の1/3と等しい距離だけ側1405dから離れた位置に配置されるのが好ましい。第2のラッチ結合構造1420bは、ボトムユニット1402の幅の1/3と等しい距離だけ側1405bから離れた位置に配置されるのが好ましい。
【0041】
ラッチ機構は、図15に示されるように、例えばボルトやネジ、その他の留め具1502によってボトムユニット1505の上面に固定された金属枠1501を備える。枠1501は、ラッチ内に脱可能に柔軟に挿入される突起或いは長尺部材1503を支持する。
【0042】
ボトムユニットをトップユニットに対して着脱可能にしっかりと固定するため、トップユニットには、トップユニットのベースにしっかりと固定された補助機械的スライドラッチを備える。1の実施形態では、トップユニットのベースには第1のラッチが設けられている。この第1のラッチは、トップユニットの長さ方向中央であって、第1の側からトップユニットの幅の1/3の距離だけ離れた位置に配置されるのが好ましい。このベースには第2のラッチも設けられていて、これはトップユニットの長さ方向中央であって、第1の側に対して反対側かつ平行な第2の側からトップユニットの幅の1/3の距離だけ離れた位置に配置されるのが好ましい。
【0043】
図13に示されるように、トップユニットは、金属性平型スライドベース1315を有するラッチ1300を備える。レール1330は、トップユニットの下面と摺動自在に係合する。トップユニットの下面には、レール1330を所定位置に保持するための結合部材が設けられている。ラッチ1300は、ベースユニット1406の上面に物理的に取り付けられた結合構造の内側及び外側に向かってスライドする2つのラッチタブ1315を有する。
【0044】
トップユニットに取り付けられたラッチ1300は、ボトムユニット1406の上面のラッチ結合構造1420a、1420bと結合する。作動時において、スライドラッチ1300が第1の位置にあるとき、スライドラッチ1300はラッチ結合構造1420a、1420bと物理的に正しく結合しないため、トップユニットはベースユニットの上にぴったり収まらず、或いはベースユニットに対して位置が揃わない。トップユニットをベースユニット1406の上面に適切に搭載するためには、トップユニットの底に配置された部材支持構造内においてスライドラッチを第2の位置まで移動させる。
【0045】
第2の位置では、ラッチ1311のハンドルが突出し、これによりタブ1315をラッチ結合構造1420a、1420bから離れる方向に移動させ、トップユニットをベースユニット上に正しく配置できる。図18a、図18bにおいて、スライドラッチ1880を備えるトップユニット1801は、トップユニット1801の底に設けられた4個の小さなゴム脚、或いは足パッド1840によりボトムユニット1802に対して位置決めされる。これらのパッド1840は、ボトムユニット1802の上部の角付近に設けられた4つの空洞或いは窪み1830内にぴったりと確実にはめ込まれるように構成されている。加えて、トップユニット1801は、ベースユニット1802の上面に設けられたピン1860或いは突起により、ボトムユニット1802に対して正確に位置決めされる。これらのピン1860は、トップユニット1801の下面に設けられた空洞1890にぴったりと確実にはめ込まれるように構成されたものである。ボトムユニットは、上述したように、ラッチ結合構造1863を更に有する。
【0046】
ゴム脚1840及びピン1860を、空洞1830及び空洞1880とそれぞれ位置合わせすることにより、何度も失敗を繰り返すことなく、ラッチ結合構造1863に対してトップユニット1801のラッチ1880を容易に位置合わせして結合させることができる。一端位置あわせが行われれば、ラッチ1880をラッチ結合構造1863内へスライドさせるだけで、ラッチ1880をラッチ結合構造1863に結合でき、これにより2つのユニットを強固に固定できる。図13及び図14に戻り、結合を解除するためには、ラッチハンドル1311を引くか、或いは操作して、ベースユニットスロット1420a、1420bからタブ1315を開放する。これにより、上方のトップユニットを下方のボトムユニットから持ち上げることができる。
【0047】
更に、上述したモジュール性を実現するために、本発明の実施形態では、電気通信接続機構を採用している。これは、1の構成では、ボトムユニットとトップユニット間の電気通信及び/又はデータ通信接続を確実に確立するものであり、他の構成においては、ボトムユニットとトップユニット間の電気通信及び/又はデータ通信接続を遮断するものである。
【0048】
図16において、トップユニットとボトムユニット間の電気接続は、トップユニットがボトムユニット上に設置された時点で確立される。これらの接続は、ボトムユニット1605の上面に留め具1601を用いてしっかりと固定され、一体的に板1602として構成された非接触赤外線通信ポート1603及び押しピン電源ポート1603により確立される。なお、トップユニットの下面は、押しピンに対して整列配置された電気導体パッドを有する。また、押しピンと導体パッドは逆の配置であってもよい。つまり、押しピンをトップユニットの下面に、導体パッドをボトムユニットの上面に配置してもよい。
【0049】
1の実施形態では、トップユニットの下面に一体的に設けられた6つのバネ仕掛けのピンを導体パッドと電気的に接続することにより、高電流電力接続が確立される。3つのピンは+24ボルトDC電流用で、他の3つのピンは接地用である。1の実施形態において、ピン或いはプローブは次の特徴を有する。a)センタは最低で0.175インチ、b)15アンペアの定格電流(定常)、c)0.06インチ〜0.067インチのトラベル量で、6.2オンス〜9.0オンスの範囲のスプリング力、d)標準で10mΩ未満の抵抗、e)最大トラベル量は0.09〜0.1インチの範囲、f)ワークトラベル量は0.06インチ〜0.067インチの範囲、g)金メッキされたニッケル/シルバー製のバレル、h)ステンレス製のスプリング(オプションで金メッキされていても良い)、i)硬質ベリリウム銅製で金メッキされたプランジャー、j)オプションで、ステンレス製のバイアスボール。ピンのスプリング力は、曲げやねじれ等を吸収することにより破損を防ぐ。尚、電気ピンとは、電力を伝達可能なあらゆる突起を示すものであり、電気接触パッドとは、電気ピンを支持可能なあらゆる面を示すものである。
【0050】
非接触赤外線通信ポート1603は、トップユニットの下面に設けられた2つのLED発光部及び2つのLED受光部に対して整列配置されて接続される2つのLED発光部及び2つのLED受光部を採用する。発光ポートと受光ポート間の距離は0.3インチ未満である。ボトムユニットの上面及びトップユニットの下面のどちらにおいても、4つのLEDユニットは、制御ペア(1の発光部と1の受光部とを備える)と安全ペア(1の発光部と1の受光部とを備える)の、2組のペアに分かれている。これらのポートは、トップユニットとボトムユニットが適切に配列された際、データ通信状態とされる。1の実施形態では、LED発光部はGaA1Asダブルヘテロ構造の870nm高速赤外線発光ダイオードである。LED発光部は次の特徴を有する高速ダイオードである。a)超高放射力、b)低順電圧、c)高パルス電流稼動に適する、d)半分強度の角度(angle of half intensity)は約17度、e)ピーク波長は約870nm、f)逆電圧は約5V、g)順方向電流は約100mA、h)ピーク順方向電流は約200mA、i)順サージ電流は約0.8A、j)ワット損は約190mW、接合部温度は約100℃、l)作動温度範囲は−40〜85℃。尚、非接触赤外線通信ポートは、ボトムユニットの上面或いはトップユニットの下面に亘って、あらゆる機能的な方法で配置することができる。また、異なる周知の通信ポートや構造を採用することも可能である。
【0051】
1の実施形態では、LED受光部は高速シリコン光ダイオードであって、超高速応答時間を有し、放射有感領域が約0.25mm2、半分強度の角度が約15度である。
【0052】
LED受光部は次の特徴を有する。a)逆電圧は約60V、b)ワット損は約75mW、c)接合部温度は約100℃、d)作動温度範囲は−40〜85℃、e)順電圧は約1V、f)最低降伏電圧は60V、g)ダイオード容量は1.8pF。
【0053】
図1、図2、図3に戻ると、コントローラユニット101、201の上部には、ハンドル211、311及び作業スペースとしての使用可能棚112、212が設けられている。システムの上ポンプ部に設けられたハンドルは、システムの内枠又は内部構造に直接接続されていて、トップユニット101、201を包囲するプラスチック製の外部形成、ハウジング、或いは外板から単に突出している訳ではない。システムの内枠に直接接続されることで、ハンドルを用いてシステムを安全に移動させることができ、特に、器具が6リットルの水を収容した状態(約40ポンドの加算)で作動する際の負荷に対して確実に対処できる。
【0054】
図5において、1の実施形態では、トップユニット501は内金属ケース、枠、或いはハウジング510を備え、ここに、電子機器、コントローラ、及び他のトップユニット構成部材が収容される。内ケース510は、トップユニット501の後側へ延びる水平突アーム507を備える。略水平トップ棚505は、トップ棚構造505と一体形成された少なくとも1のハンドル520と、ベースブラケット530と、垂直アーム506とを備え、これにより1の連続した金属片或いは成型プラスチック片を構成している。ベースブラケット530はトップユニット501の前部分で内ケース510にしっかりと取り付けられていて、垂直アーム506はネジによりポイント508で突アーム507にしっかりと取り付けられている。トップユニット501の内ケース510に対して棚505及びハンドル520構造をしっかりと取り付けることにより、トップユニットの外ケースとハンドルとの接続箇所に大きな重荷負荷がかかることにより起こる潜在的な損傷或いは破損を防止できる。
【0055】
また、内枠或いは内ケース510には、図1に示すドア110の内枠を構成する金属ドア562が、蝶番565によって取り付けられている。ドア562は内枠510の一部である板561にしっかりと取り付けられている。構造563及び572は、内モータ・プーリーアセンブリを保持する構造であり、又/或いは当該アセンブリの突出部を示すものである。フレーム510の後方から延びる突起583は、パワーエントリーモジュールやUSB接続582を含む種々の電子部品の接続に用いられる。
【0056】
コントローラユニットの上部或いは棚505は平坦で、側壁を有し、補充品の収容や一時的な作業面として理想的である。図12において、1の実施形態では、システムで使用される消耗品1206は、トレイ1205上で組み立てられた状態で梱包されて出荷される。トレイ1205はコントローラユニット1201の作業スペース上に置かれる。これにより、必要な消耗品へのアクセス及び当該消耗品の管理が容易となる。これは、家庭ユーザにとって特に重要なことである。コントローラユニット1201は、液漏れに備えて防水加工されていて、漏れた液がトップコントローラユニット1201内に染み込んでこれを破損しないようにされている。
【0057】
コントローラユニット1001の他の構造的特徴を図10に示す。ユニット1001は、消耗部品のコードやタグを読み取るバーコードリーダやRFIDタグリーダ等の内蔵型露出リーダ1005を有するのが好ましい。操作に際し、ユーザは消耗部品に付された全コード或いはタグをリーダに通すのが好ましい。最初のGUI透析セットアップステップにおいて、ユーザに各消耗部品をリーダに通すように指示して、ユーザに当該作業を行うように促すことができる。
【0058】
これにより、リーダは消耗品の識別情報を取得し、当該識別情報をメモリに記憶された内部テーブルへ送り、内部テーブルの内容と識別情報とを比較し、適切な消耗部品(特に、透析液の添加物)であることを認証する(或いは認証しない)。内部テーブルの内容は消耗品の名称や量を手入力することで生成されても良いし、消耗品の名称及び量を詳述する処方箋へ遠隔アクセスすることで生成されても良い。この認証ステップには、少なくとも2つの利点がある。1つ目は、ユーザが必要とされる部品を全て所有していることを確認できることであり、2つ目は、正しい部品(偽造品や不適切な消耗品でないもの)が使用されていることを確認できることである。
【0059】
他の実施形態では、トップユニットの側方に搭載されたリーダ1005は、特殊多機能赤外線カメラであって、あるモードではバーコード読取可能であり、他のモードでは注入液容器内のレベル変化を検出可能である。このカメラは、赤外線信号を出力し、当該信号は液面で反射される。反射された信号はカメラの赤外線受信部で受信され、プロセッサで処理されて液面のメニスカスの位置が検出される。1の実施形態では、カメラは、0.02mmの解像度で液面の変化を検出してモニタする。1の実施形態では、カメラは1.3メガピクセル単一チップカメラモジュールであって、以下の特徴のうち、1又は複数の特徴を有する。a)1280H×1024V能動ピクセル、b)3.0μmサイズ、c)1/3インチ光フォーマット、d)RGBバイエル色フィルタ配列、e)統合10ビットADC、f)欠陥補正、レンズシェーディング補正、画像スケーリング、デモザイシング、鮮明化、ガンマ補正、及び色空間補正を含む、統合デジタル画像処理機能、g)自動露出制御用の内蔵カメラ制御部、自動ホワイトバランス制御、黒レベル補正、h)プログラム可能なフレーム率及び出力軽減機能、i)最大15フィート/秒SXGA順次走査、j)低出力30フィート/秒VGA順次スキャン、k)8ビットパラレルビデオインターフェース、l)2線シリアル制御インターフェース、m)オンチップPLL、n)2.4〜3.0Vのアナログ電力供給、o)単独I/O電力供給、p)パワースイッチを有する統合電力管理、q)24ピンシールドソケットオプション。1の実施形態では、カメラはSTマイクロエレクトロニクス製の1.3メガピクセルカメラ(モデル番号VL6624/VS6624)である。
【0060】
透析システムのトップユニット或いはボトムユニットは、ネットワークへ直接接続できるよう、イーサネット接続やUSBポート等の電子インターフェースを更に備えるのが好ましい。これにより、遠隔処方箋認証、コンプライアンス警戒、及び他の遠隔サービス業務を促進できる。USBポートは、血圧モニタやヘマクリット値/飽和モニタ等の付属品への直接接続を可能にする。インターフェースは電子的に孤立していて、これによりインターフェース装置の質に関係なく、患者の安全を確実にできる。
【0061】
トップユニットの前部には、システム100の簡単ユーザインターフェースを提供するグラフィカルユーザインターフェース114が設けられている。家庭においては、簡単に装置を使用できることが重要である。色及びタッチスクリーンを最大限利用するのが、有用性の観点から望ましい。タッチスクリーンは、複数のユーザ入力構造を可能にし、複数の言語に対応でき、(特に、明るさ調整及び暗視色を用いることで)夜間においても視認しやすい。GUIは更に、動作中におけるドアの自動開閉及び自動ロック機能を有する。1の実施形態では、GUIはドアを第1ラッチ位置まで開放し、次にユーザが物理的なドア開放ボタンを押すとドアが全開する。他の実施形態では、装置には、ドアを手動で開けるために、(ドア開放ボタンを2回、或いは強く押すことで)ユーザがドアを開けられるようにする手動オーバーライドが設けられている。図8において、GUI800の近傍には、電球付き可視指示を備える機械ボタン805が1つ設けられるのが好ましい。これは、起動すると、動作状態に係わらず、普通の機能(例えばシステムの停止機能)を有する中央停止ボタンを提供する。
【0062】
図1において、貯蔵システム102はドア118を有する。ドア118を引くと、貯蔵部122が引き出され、貯蔵部へのアクセスが可能となる。貯蔵部の容量はスケールシステムでモニタされる。スケールベースの液体秤600を図6に、より詳細に図7a及び図7bに示す。この秤600には貯蔵部が一体形成されていて、正確な液体消費データを提供し、正確な残量計算を可能にする。これにより、体液の不均衡に起因する低血圧症やその他の病気を防止する。スケールと貯蔵部とを一体形成してこれらを完全に囲むことにより、より丈夫なシステムを提供できる。
【0063】
図7aに、貯蔵システムの内部構造700を示す。金属内枠720は2つの側方721と、後方722と、開放された前方723と、底724とを有する。内部構造又は内枠を示すが、ここでは図1で部材102として示される外ハウジングは省略する。スケール718は貯蔵部内部構造700に一体的に形成されている。スケール718の下面715は金属面或いは受け皿を備え、これはスケール718の残りの部分と共に、4つの屈曲部705によって外貯蔵部ハウジング(図1の102)からつり下げられている。スケールの下面715の下方には、加温パッドが設けられることが好ましい。この加温パッドは、温度を上昇させてこれを熱として面715へ伝達できる四角形、長方形、円形、或いは他の形状の面を有する。フィールドを有し、当該フィールドにおける変化を利用して伝導性を測定できる伝導コイル770が底面715に一体形成されている。従って、貯蔵袋(図示せず)が下面715上に置かれると、貯蔵袋はコイル770に接触するため、加温パッドにより加熱されて、その伝導性がモニタされる。
【0064】
側方721の内面は、貯蔵袋が取り付けられるプラスチックシート等の使い捨て貯蔵袋搭載面710に対し、固定、保持、包装、或いは取り付けられるための複数のレール、長尺部材、或いは突起719を備える。具体的には、面715に搭載された貯蔵袋の排出口を、シート710に一体的に設けられた導管に取り付けられる。スケール面718の四隅には屈曲部705が搭載されていて、各屈曲部705はホールセンサと磁石とを備える。
【0065】
図7bにおいて、屈曲部705は複数の固定ポイントを有し、ここで屈曲部が外貯蔵ハウジングに固定される。屈曲部は更に、磁性体762(例えば2個の磁石)とホールセンサ764とを備える。屈曲部705のベース767はスケール718の上面715に取り付けられている。負荷がかけられたスケール718が変位すると(例えば、貯蔵袋が透析液で満たされると、袋は面715を押し下げ、スケール718を下方に変位させると)、一端がスケールに接続され他端が外ハウジングに接続された屈曲部705が動き、屈曲部の一端に搭載された磁石762が、磁性体762の磁界における変化を利用してこの動きを追跡する。ホールセンサ764は磁界強度における変化を検出する。このように検出された磁界強度の変化に基づく重量負荷の計測方法は、当業者にとって自明である。
【0066】
透析装置103や吸着剤カートリッジ107、注入液等の使い捨て部材を、アクセスしやすい形態でシステムの外部に配置することにより、サイズの異なる吸着剤カートリッジや透析装置、注入混合液の使用が可能になり、使用における柔軟性及びシステムの適用性を改善できる。図3及び図9において、使い捨て部材、特に、完全に使い捨ての血液回路及び透析液回路は、キット(透析液、マニフォールド、チューブ、貯蔵袋、アンモニアセンサ、及び他の部品を含むもの)の中に梱包され、トップユニット301の前ドア(上述)303を開け、プレッシャーやセンサ、その他の非使い捨て部品に対して正しく位置あわせが行われるよう、透析装置313及びマニフォールド304をインストールすることで、使用される。前ドア303の内面に一体形成された複数のポンプシュー305により、使い捨て部品の搭載が容易にできる。マニフォールドを挿入するだけでよく、ポンプチューブをローラとシュー305との間に通す必要がない。このような梱包及び簡単な取り扱いにより、消耗品の装着及びシステムの清掃を容易にできる。また、図11に示す液体回路は適切に構成され、使用可能な状態にされている。作動時には、トップユニット301は、貯蔵部322を備えるボトムユニット302に取り付けられる。
【0067】
消耗品を装着するために、前ドアは大きく開放される(約100度)。大きく開放することにより、マニフォールドの装着が容易にできると共に、装置面やドア内部の清掃を容易にできる。ドアを閉めて装置の可動部材を覆うことにより、安全かつ頑丈にできる。これは、家庭内使用において特に重要である。更に、前ドアにディスプレイを収容することにより、スペースを節約できると共に、消耗品が装着されてドアが閉まった状態でなければ装置を作動すべきでないという重要事項を強調できる。ドアによって、マニフォールド及びポンプセグメントに対して必要な閉塞力が加えられる。ドア面には更に、タッチスクリーン、音声アラーム、手動停止ボタンが収容されている。
【0068】
1の実施形態では、ドアは電動ステッピングモータにより完全に閉じた状態に保持される。このモータはユーザインターフェースを介して操作され、特に、ドアを完全に閉じたり開けたりできる状態でユーザがボタンを押すことにより操作される。ドア及びポンプシューによりマニフォールド構成に適切な圧力が加えられるよう、ドアを閉めると共にドア閉力を十分に生成できる電子機構を備えるのが好ましい。1の実施形態では、90〜110ポンドのドア閉力が生成される。
【0069】
1の実施形態における電動ドア閉機構1100を図11aに示す。ステッピングモータ1106は主ネジ1116に機械的に接続されていて、コントローラにより起動されると、ステッピングモータ1106が主ネジ1116を回し、これによりロッド1118からフックに駆動力が与えられる。部材1140の下方に配置されたフックは、U型ラッチ1130にラッチするようにされていて、引っ張られたり回転したりしてステッピングモータ1106の方向へ移動すると、閉方向にU型ラッチ1130を引っ張って、必要なドア閉力を与える。フックはロッド1118と物理的に係合していて、これを操作することにより、U型ラッチ1130を引っ張ってしっかりと閉じたり、U型ラッチ1130との係合を緩くできる。電動閉システムは、搭載ブラケット1105により適切な向きに維持されて搭載される。
【0070】
操作上、ユーザがドアを十分に閉じると、ドアに設けられたU型ラッチ410は、図4に示すようにコントローラユニットの内部に設けられたフック450と係合する。そして、ユーザは、好ましくは機械的ボタン或いはグラフィカルユーザインターフェースを介して、携帯透析装置に対してドアを閉めるよう指示を出す。機械的ボタン或いはグラフィカルユーザインターフェースが押されると、コントローラに対して信号を送り、コントローラはステッピングモータ1106を起動する。ステッピングモータ1106は駆動力をフック450へ供給し、フック450は係合しているU型ラッチ1130、410を引っ張り、しっかりと閉じる。1の実施形態では、コントローラはモータにより付与されるトークを監視し、その値が所定値に達すると、ステッピングモータを停止させる。他の実施形態では、主ネジ近傍に配置されたホール装置が主ネジの伸長を検出し、ネジの移動量を判断する。ネジがドア閉力を増大させる方向に十分に移動すると、ホールセンサはコントローラに対して信号を出力してモータを停止させる。或いは、センサはネジの伸長を示す信号を常に出力し、コントローラがこれを解釈して十分な駆動力が付与されたか否かを判断し、ステッピングモータを停止すべきかどうか判断する。何れの実施形態においても、モータのトークが過大になったり、所定距離を越えたり、所定時間内にドアが完全に閉じた状態に至らない場合には、コントローラはモータを停止させて全開状態まで反転させてもよい。更に、コントローラは視覚及び/又は音声アラームを発してもよい。
【0071】
ユーザがドアを開ける場合には、機械的ボタン又はグラフィカルユーザインターフェースアイコンを起動し、コントローラに信号を送ってステッピングモータ1106を逆方向に起動させる。すると、フックとU型ラッチとの係合がゆるむ。機械的開放ボタン1107が押下されると、U型ラッチとのゆるい係合が解かれる。
【0072】
必要な閉力を付与するのに加え、この電動ドア閉機構には重要な特徴がいくつかある。まず、障害物がドアに挟まるのを防止し、大きなドア閉力の対象となるのを防止する。図4において、マニフォールドはエッジガードに包囲されている。エッジガードは、人の指や不適切に装着された消耗品等の妨害物がドアとトップユニットの底板との間に挟まった際に、ドアラッチがトップユニットに設けられたラッチ受けと係合するのを防止するものである。ドア405は金属ケース425が取り付けられた内面406を有する。1の実施形態では、ドア405の内面406の上面はケース425の外面に対して固定されている。ケース425は略長方形状であって、内部容積を形成し4方の側407とベース408とを有する空洞を規定している。空洞は透析システム400のマニフォールド構成に向かって開放していて、マニフォールド構成430とガード440を取り囲む。ガード440は、マニフォールド430の上方及び側方を包囲するプラスチック幕であるのが好ましい。ベース408の面には、ポンプシュー415と、後板に向かって突出する少なくとも1のU型ラッチが取り付けられている。フック450はガードと一体形成されていて、ガードから外方に突出している。フック450は、U型ラッチ410としっかりと係合したり、その係合が解かれたりする。ドアが正しく閉められ、ドアとガードの間に何も挟まっていない状態においては、U型ラッチには電動ドアロックフック機構が機械的に接続する。もし、妨害物が挟まると、金属ケース425はトップユニットの内部容積内へ突出できず(ガードを包囲できず)、U型ラッチはフックと係合できない。従って、妨害物がある場合には、機械的な接続や、ドアが電動により不用意に閉まるのを防止する。
【0073】
次に、機械的ボタンリリース1107は、電動ドア閉力がステッピングモータの逆回転によって解かれた場合に限り起動される。これによりドアが不用意に開いたり、ドアが急速に開くのを防止している。図11a及び図11bにおいて、ドアが閉じられロックされると、ボタン軸1107上のコロ1150が90度回転し、押ピンを電動ドアロックフックから遠ざかる方向へ移動させる。コロ1150はロッド1121により回転される。ロッド1121は位置1145でコロと接続していて、主ネジ1116と機械的に接続されている。コロ1150にはバネが装着されていて、小ピンソレノイドによりロックされる。ユーザがロック位置のボタンを押すと、ボタンは装置内へ移動するが、コロの回転により変位するため、フックとの係合は解かれない。これによりドアが開くのを防止する。停電になったり、電源が意図せず遮断された場合には、ピンソレノイドが開放し、コロが90度戻り、押ピンが適切に配列する。次にユーザがボタンを押すと、押ピンは電動ドアフックと接触し、ドアラッチを開放する。この機構により、便利で安全な機械的ドアリリースのバックアップを提供でき、機械的ドアリリースが不用意に起動されてドアが過大な力で開放される恐れがない。なお、「フック」或いは「ラッチ」は物理的或いは機械的に他の突起或いは部材に対して係合可能な如何なる突起或いは部材を含む広い意味で用いられる。また、「U型ラッチ」とあるが、これに限定されず、上述したように、あらゆるラッチ機構或いはフック機構を用いることが可能である。
【0074】
上述したように、ボトムニットにより形成されトップユニットを包囲する棚空間は、区画漏出検出を可能にするため、装置内外の複数箇所に設けられた、液体センサを備える排水路を採用する。具体的には、光学漏出センサを備える排水路を、装置の外部部材に設けることにより、システムは外部材(吸着材容器など)から漏出した液体を捕らえて光学漏出センサへ送出することができる。
【0075】
1の実施形態では、少なくとも3つの異なる光学漏出検出器がボトムユニットの外ハウジングに内側に設けられている。図9aにおいて、ボトムユニット902の上面は、若干傾斜していて、中央980は側方981、982よりも上方に位置している。1の実施形態では、面は中央領域980から側方981、982へ向かって、1〜10度、好ましくは3度の角度で下方に傾斜している。チャンネル987はボトムユニットの上面を取り囲み、外周に沿って延び、上面の中央を貫き、また/或いは上面の残りの部分を貫いて延びている。ボトムユニット902の上面が傾斜していることで、チャンネル987も中央980から側方981、982へ向かって傾斜する。他の実施形態では、上面は後方991から前面990へ向かう方向においても、やや下方に傾斜している。傾斜したチャンネル987は、液体をシステムの中央及び/或いは後方から遠ざけて、漏出検出器988が配置されている前方及び側方へ導き、チャンネル987と連通している。
【0076】
第1の光学漏出検出器988aはボトムユニット902の上面の右前角部に配置されている。第2の光学漏出検出器988bはボトムユニット902の上面の前左角部に配置されている。各漏出検出器は、井戸或いは空洞の内部に配置され、井戸の側方に配置された光学センサを備える。光学センサは、漏れ出た液体及び/或いは井戸へ導かれた液体を検出し、検出信号をトップユニットのコントローラへ送信する。検出信号は、プロセッサで処理されて、漏出が発生したか否かが判断される。検出信号はその後記憶され、必要であれば、プロセッサはGUIに警報或いは警告を表示させる。井戸或いは空洞の底面は、ユーザが水気を拭き取り易いように、丸みを帯びているのが好ましい。図9bにチャンネル987及び井戸997内に配置された漏出検出器988aを備えるボトムユニット902の上面の詳細を示す。
【0077】
図9cでは、ボトムユニット902の内側に、より具体的にはスケール904を内蔵する貯蔵部903の内側に、追加の漏出検出器が少なくとも1つ配置されている。チャンネル905は、内ハウジング或いは金属袋ホルダ等の貯蔵構造と一体とされていて、一方の側から他方の側へ、或いは中央から両側へ向かって傾斜しているのが好ましい。1の実施形態においては、傾き角度は1〜10度の範囲であって、より具体的には3度である。漏出検出器を収容する井戸910は貯蔵ハウジングへと組み込まれていて、貯蔵ハウジングの片側或いは両側でチャンネル905と連通している。使い捨て袋で漏出が起こると、液体はチャンネル905を介して金属皿或いは貯蔵ハウジングの角部に流れ込み、漏出センサ910が配置される少なくとも1の井戸へ導かれる。
【0078】
排出路には2つの機能がある。a)液体が器具内部へ入り込むのを確実に防止する機能と、b)漏出を直ちに抑え、警報或いは警告を発するセンサへ確実に送るようにする機能である。また、装置は更に、装置内部の光学センサを有する井戸に繋がる液体排出チャンネルを有するのが好ましい。従って、例えば、内貯蔵部において漏出が発生した場合には、液体は重要な部材から離れる方向に導かれ、光学センサが漏出を知らせる。センサが起動すると、これに基づきGUIがユーザに対して警報を発し、液体漏出箇所を具体的に特定することができる。漏出検出を複数の独立区域(複数の液体センサ及び複数の排出経路)に分けることで、ユーザが漏出を素早く見つけだすことができる。複数のチャンネル及びセンサを設けたので、システムは部分的且つ自動的に漏出元を特定でき、問題解決に向けたグラフィックアシスタンスをユーザに提供できる。
【0079】
本発明の好適な実施形態について説明したが、種々の変更、変形が可能であることは当業者であれば理解できることであり、本発明の範囲を越えない限度で要素を代替品と入れ替えることも可能である。また、本発明の範囲を超えない限度で、具体的な状況や材料に適用できるように、本発明の特徴を様々な方法で変形することもできる。従って、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明は請求の範囲に含まれるあらゆる実施形態を含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、
前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるように構成されていて、前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされることを特徴とする、モジュール式透析システム。
【請求項2】
前記第1の外ハウジングの下側は電気接続パッドを有し、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを有することを特徴とする、請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項3】
前記第1の外ハウジングの下側は複数の電気ピンを有し、前記第2の外ハウジングの上側は電気接続パッドを有することを特徴とする請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項4】
前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置あわせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的に電気通信状態とされることを特徴とする、請求項2又は3に記載のモジュール式透析システム。
【請求項5】
前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的にデータ通信状態とされることを特徴とする、請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項6】
前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備えることを特徴とする請求項5記載のモジュール式透析システム。
【請求項7】
前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされることを特徴とする請求項6記載のモジュール式透析システム。
【請求項8】
前記コントローラユニットの内部容積には、マニフォールドと、フックと、前記マニフォールドを取り囲むガードとが収容されていることを特徴とする請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項9】
前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能とするドアは、内面を有し、前記内面は、複数のポンプシューと、ラッチと、前記ドアが閉じられた際に前記内部容積の内部へ突出する側を有するケースとを備えることを特徴とする、請求項8記載のモジュール式透析システム。
【請求項10】
前記ドアが閉められると、前記ラッチは前記フックと機械的に係合することを特徴とする請求項9記載のモジュール式透析システム。
【請求項11】
前記フックに駆動力を供給するモータを起動するように構成されたコントローラを更に備え、当該駆動力の供給により、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉じられることを特徴とする、請求項10記載のモジュール式透析システム。
【請求項12】
第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記第1状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合可能であり、前記第2状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合不可であることを特徴とする請求項11記載のモジュール式透析システム。
【請求項13】
前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、
前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1の漏出検出器と連通する複数のチャンネルが形成された傾斜面を有し、
前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるよう構成されていることを特徴とするモジュール式透析システム。
【請求項14】
前記第1の外ハウジングの下側は、電気接続パッドを備え、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを備えることを特徴とする、請求項13記載のモジュール式透析システム。
【請求項15】
前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置合わせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされることを特徴とする請求項14記載のモジュール式透析システム。
【請求項16】
前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備えることを特徴とする請求項13記載のモジュール式透析システム。
【請求項17】
前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされることを特徴とする請求項16記載のモジュール式透析システム。
【請求項18】
前記コントローラユニットの内部容積にはフックが収容されていて、前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするドアは、ラッチを有する内面を有することを特徴とする請求項13記載のモジュール式透析システム。
【請求項19】
ユーザ入力に応じて前記フックに駆動力を供給するようにモータを起動するコントローラを更に備え、駆動力を供給すると、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉まることを特徴とする、請求項18記載のモジュール式透析システム。
【請求項20】
第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記ボタンは、第1状態では前記フックに機械的に係合可能であり、第2状態では前記フックに機械的に係合不可であることを特徴とする、請求項19記載のモジュール式透析システム。
【請求項1】
前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、
前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるように構成されていて、前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされることを特徴とする、モジュール式透析システム。
【請求項2】
前記第1の外ハウジングの下側は電気接続パッドを有し、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを有することを特徴とする、請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項3】
前記第1の外ハウジングの下側は複数の電気ピンを有し、前記第2の外ハウジングの上側は電気接続パッドを有することを特徴とする請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項4】
前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置あわせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的に電気通信状態とされることを特徴とする、請求項2又は3に記載のモジュール式透析システム。
【請求項5】
前記第1の外ハウジングが前記第2の外ハウジングに対して着脱可能に固定されると、前記コントローラユニットは前記貯蔵ユニットに対して自動的にデータ通信状態とされることを特徴とする、請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項6】
前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備えることを特徴とする請求項5記載のモジュール式透析システム。
【請求項7】
前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされることを特徴とする請求項6記載のモジュール式透析システム。
【請求項8】
前記コントローラユニットの内部容積には、マニフォールドと、フックと、前記マニフォールドを取り囲むガードとが収容されていることを特徴とする請求項1記載のモジュール式透析システム。
【請求項9】
前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能とするドアは、内面を有し、前記内面は、複数のポンプシューと、ラッチと、前記ドアが閉じられた際に前記内部容積の内部へ突出する側を有するケースとを備えることを特徴とする、請求項8記載のモジュール式透析システム。
【請求項10】
前記ドアが閉められると、前記ラッチは前記フックと機械的に係合することを特徴とする請求項9記載のモジュール式透析システム。
【請求項11】
前記フックに駆動力を供給するモータを起動するように構成されたコントローラを更に備え、当該駆動力の供給により、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉じられることを特徴とする、請求項10記載のモジュール式透析システム。
【請求項12】
第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記第1状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合可能であり、前記第2状態にあるとき、前記ボタンは前記フックと機械的に係合不可であることを特徴とする請求項11記載のモジュール式透析システム。
【請求項13】
前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第1の外ハウジングを備えるコントローラユニットと、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側を有する第2の外ハウジングを備える貯蔵ユニットと、を備え、
前記第1の外ハウジングの前側は前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第2の外ハウジングの前側は前記貯蔵ユニットの内部容積へのアクセスを可能にするよう構成されたドアを有し、
前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1の漏出検出器と連通する複数のチャンネルが形成された傾斜面を有し、
前記第1の外ハウジングの下側は、前記第2の外ハウジングの上側に対して着脱可能に固定されるよう構成されていることを特徴とするモジュール式透析システム。
【請求項14】
前記第1の外ハウジングの下側は、電気接続パッドを備え、前記第2の外ハウジングの上側は複数の電気ピンを備えることを特徴とする、請求項13記載のモジュール式透析システム。
【請求項15】
前記接続パッドが前記複数の押しピンに対して位置合わせされて電気通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対して電気通信状態とされることを特徴とする請求項14記載のモジュール式透析システム。
【請求項16】
前記第1の外ハウジングの下側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第1の赤外線通信ポートを備え、前記第2の外ハウジングの上側は、少なくとも1のLED発光部と少なくとも1のLED受光部とを有する第2の赤外線通信ポートを備えることを特徴とする請求項13記載のモジュール式透析システム。
【請求項17】
前記第1の赤外線通信ポートが前記第2の赤外線通信ポートに対して位置合わせされてデータ通信状態にされると、前記コントローラユニットは自動的に前記貯蔵ユニットに対してデータ通信状態とされることを特徴とする請求項16記載のモジュール式透析システム。
【請求項18】
前記コントローラユニットの内部容積にはフックが収容されていて、前記コントローラユニットの内部容積へのアクセスを可能にするドアは、ラッチを有する内面を有することを特徴とする請求項13記載のモジュール式透析システム。
【請求項19】
ユーザ入力に応じて前記フックに駆動力を供給するようにモータを起動するコントローラを更に備え、駆動力を供給すると、前記ドアが90〜110ポンドの範囲の力で閉まることを特徴とする、請求項18記載のモジュール式透析システム。
【請求項20】
第1状態及び第2状態を有する機械的開放ボタンを更に備え、前記ボタンは、第1状態では前記フックに機械的に係合可能であり、第2状態では前記フックに機械的に係合不可であることを特徴とする、請求項19記載のモジュール式透析システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【公表番号】特表2012−510826(P2012−510826A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534821(P2011−534821)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/062840
【国際公開番号】WO2010/062698
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(505324858)フレゼニウス メディカル ケア ホールディングス インコーポレーテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Holdings,Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/062840
【国際公開番号】WO2010/062698
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(505324858)フレゼニウス メディカル ケア ホールディングス インコーポレーテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Holdings,Inc.
【Fターム(参考)】
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