説明

モデルベース診断インタフェース

【課題】モデルベース診断インタフェースのための方法および装置を提供する。
【解決手段】システム情報114と、システム102の状態を表すシステムデータ106とを有するシステム102用のモデルベース診断インタフェース112を作成するための方法が提供され、この方法は、前記システム102をモデル化して、システムモデル命名規則107を有するシステムモデル103を生成するステップと、前記システムモデル命名規則107に、前記システムデータ106をマッピング1402するステップと、前記システムモデル命名規則107にマッピングされた前記システムデータ106を前記システム情報114にバインド1502するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、遠隔計測されるシステム(telemetered system)用の診断システムに関する。本発明はより詳細には、既製市販(COTS:commercial−off−the−shelf)診断エンジンを使用する診断システムに関する。本発明はさらにより詳細には、遠隔計測されるシステムとCOTS診断エンジンとの間のモデルベース診断インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
統合乗物健全性管理システム(IVHMS:Integrated Vehicle Health Management System)は、複雑な工学システム内のそのシステム用に設計されたコンポーネントおよびサブシステムの異常に対して、準リアルタイムの修正応答を提供することを意図している。修正応答は、準リアルタイムの修正応答をサポートするために好ましくはリアルタイムに実行される、診断および予知診断に依存している。宇宙船、航空機、および船舶など、複雑な工学システムのリアルタイム自動診断が、漠然とした目標(elusive goal)となっている。
【0003】
IVHMSの1つの要素は、診断エンジンとも呼ばれる診断ロジックであることができる。様々なタイプの診断エンジンが、当技術分野で知られている。例えば、合格/不合格基準を使用する診断エンジン、状態機械診断エンジン、ニューラルネット診断エンジン、およびデータマイニング診断エンジンが、COTS製品として入手可能である。いくつかのタイプは、複数の発売元から入手可能であるが、その各々は、わずかに異なる入力データ用インタフェースを有している。様々なCOTS診断エンジンは各々、独自の入力要件を有することができる。
【0004】
診断エンジンは通常、非リアルタイムの後処理アプリケーションで使用される。診断エンジンは、その特定の診断エンジン用に特別にフォーマットされた入力を処理する。例えば、ある診断エンジンは、合格/不合格表示のみを受け入れ、別の診断エンジンは、一定の形式の状態変数を必要とし、さらに別の診断エンジンは、入力としてリレーショナルデータベースを利用することができる。COTS診断エンジンの製造業者は通常、COTS診断エンジン自体の最大性能を引き出す入力フォーマットを指定する。エンジンは、COTS診断エンジンの製造業者がよく知らない多種多様なアプリケーションでも使用できるように設計されるので、特定の1組の利用可能なデータ用にCOTS診断エンジンを調整することは、そのCOTS診断エンジンのエンドユーザに任されている。受け入れ可能な入力形式でデータを提供することの代償は、COTS診断エンジン間の切り替えに対してコスト上の障壁が築かれることであり、エンドユーザは不便でも特定の発売元に依存することになる。
【0005】
IVHMSを使用するシステムを含む実際のシステムは、様々なシステム要素状態に関するデータを提供するために遠隔計測され得る。テレメトリ(telemetry)は、個々のデータフォーマット、データソース、および類似のデータ属性に関連づけられた、しばしば簡略記号または短縮形式をとるデータ名を含むテレメトリ命名規則(telemetry nomenclature)を有する。テレメトリ命名規則は通常、COTS診断エンジンの入力要件と互換性がない。
【0006】
実際のシステムはさらに、試験点でデータを提供することができ、組み込み試験またはその他の試験時に生成された試験データを提供することができる。試験点データは、テレメトリと類似することができるが、定期的に生成されない。試験データは通常、COTS診断エンジンの入力データ要件と互換性がない試験データ命名規則(test data nomenclature)を有する。
【0007】
テレメトリ命名規則、システムモデル命名規則、試験命名規則、試験点データ命名規則、およびCOTS診断エンジン用の入力データ要件は、互いに相関性がなく、そのため、COTS診断エンジン用の入力データを獲得するのに大きな労力が必要とされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、大きな労力を必要としない方法でCOTS診断エンジンに入力を提供するように、テレメトリ命名規則、システムモデル命名規則、試験命名規則、試験点命名規則を互いに相関させることが望ましい。また、互いに相関させた命名規則データと1つまたは複数のCOTS診断エンジンの間にインタフェースを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
システムの状態を表すシステムデータと、前記システム内の関係に関するシステム情報とを有し、またモデル命名規則(model nomenclature)をもつシステムモデルを有するシステム用の診断インタフェースのための装置が提供され、診断インタフェースは、前記システムデータに応答する出力を生成する少なくとも1つの演算オブジェクトを備え、前記少なくとも1つのオブジェクトは、前記システムデータの前記システム情報へのバインディングを含み、前記システムデータは、バインドされる前に前記モデル命名規則にマッピングされる。
【0010】
システム情報と、前記システムの状態を表すシステムデータとを有するシステム用のモデルベース診断インタフェースを作成するための方法が提供され、この方法は、前記システムをモデル化して、システムモデル命名規則を有するシステムモデルを生成するステップと、前記システムデータを前記システムモデル命名規則にマッピングするステップとを備える。
【0011】
これ以降、本発明が添付の図面と関連させて説明されるが、図面中では同じ番号は同じ要素を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、本発明、または本発明の用途および利用法を限定することは意図していない。さらに、上述の技術分野、背景技術、課題を解決するための手段、または以下の発明を実施するための最良の形態で提示された、明示または含意された理論によって拘束されることは意図していない。
【0013】
診断インタフェースは、様々な形式でシステムデータを受け取り、それらを処理して診断エンジンへの入力として許容可能な形式にする。選択された診断エンジンに応じて許容可能な形式を生成するには、拡張処理が必要とされることもある。例えば、ある特定の診断エンジンは、傾向データを必要とするかもしれない。図1に示されるように、モデルベース診断インタフェース112は、診断エンジン122を使用したシステム診断用に使用される任意のシステムデータ106のソースとともに使用され得る。システムデータ106は、テレメトリ、試験データ、試験点データ、入力、中間結果、および出力を含むが、これらに限定されない、システムからのデータである。システムデータ106は、1つまたは複数のシステム命名規則を有し、データ識別子、属性識別子、およびフォーマットを含む。診断エンジン122は、システム102に関するデータを診断結果に変換する、様々なタイプのマシン実施ロジックのいずれか1つである。診断エンジン122は通常、テレメトリ、試験データ、および試験点データ命名規則といった様々な命名規則と互換性のない、それら独自の命名規則を有する。診断インタフェース112は、システムデータ106を受け取り、そのデータを処理して診断エンジン122にとって許容可能な形式にする。
【0014】
図2は、コンポーネント関係を定義した組織を有する、関連するコンポーネントと見なすことができるシステム102を示す。各コンポーネントは、1つまたは複数の入力、1つまたは複数の出力、および入力を出力に変換するための1つまたは複数のメカニズムまたは機能を有する。システム102では、1つのコンポーネントの出力は、別のコンポーネントの入力とすることができる。コンポーネントは、様々なレベルの細目で定義され得る。例えば、姿勢制御システムは、宇宙船のコンポーネントとすることができ、リアクションホイールは、姿勢制御システムのコンポーネントとすることができ、リアクションホイール制御エレクトロニクスモジュールは、リアクションホイールのコンポーネントとすることができ、抵抗器は、制御エレクトロニクスモジュールのコンポーネントとすることができる。システム102は境界を有し、その境界を横切るものは、システムへの入力またはシステムの出力である。いくつかのシステム102はきわめて複雑であり、1次システムの問題を監視し、緩和するためだけに、他のシステムを必要とする。統合乗物健全性管理システム(IVHMS)は、1次システム102から取得したシステムデータ106を使用して、より複雑な1次システムを監視することができる。IVHMSは、診断エンジン122を使用することができ、そのため、診断インタフェース112を必要とする。
【0015】
診断インタフェース112は、モデルベース診断インタフェース112とすることができる。診断インタフェース112がモデル命名規則107を使用してシステムデータ106にアクセスできる場合、診断インタフェース112はモデルベースと呼ばれる。モデルベース診断インタフェース112を作成するため、モデル命名規則107が定義され、システムデータ106がモデル命名規則107に関連づけられる。モデル命名規則107は、システムの様相を表すトークンを含む。トークンは、モデリングソフトウェアによって操作され、アイコン、変数名、要素(またはコンポーネント)名、フォーマット、および関係識別子などを含むことができる。モデル命名規則107を作成するため、我々はシステム102から開始する。システム102は、システムデータ106に加えて、システム102のコンポーネント間の関係を記述するシステム情報114を有する。システム情報114は、例えば、ブロック図またはリレーショナルデータベースを含む様々な形式をとることができる。システム情報114は、例えば、システムコンポーネント階層、ネットワークトポロジ、またはデータとデータ属性の間の関係を含むことができる。システム情報114は、モデル開発環境を使用する操作者によって、システム102のモデル103を構築する際に、少なくとも暗黙的に使用され得る。モデル103は、シミュレートされた入力を使用して、実際のシステム102と同じまたはシミュレートされた出力を生成することができる。モデル103は、データ識別子、ならびにデータ属性名およびフォーマットを含むが、これらに限定されない、モデル命名規則107を有する。モデル命名規則107は、モデルを作成する操作者によって作成される。したがって、モデル命名規則107は、1次的には恣意的で柔軟であるが、モデル103が作成されるモデル開発環境の一定の制限によって拘束を受けることもある。モデル命名規則107は、例えば、リスト、リレーショナルデータベース、またはリレーショナルデータベース内のテーブルを含む様々な形式をとることができる。1つまたは複数のシステム命名規則とは異なり、モデル命名規則107は、操作者によって容易に変更され得る。
【0016】
モデル命名規則107がモデル103の作成によって設計された後、モデル103には、システムデータ106をモデル命名規則107に関連づけまたはマッピングすることが残っている。マッピング機能1402は、システムデータ106をモデル命名規則107にマッピングする。マッピング機能を使用した結果、モデル命名規則107を使用することでアクセス可能なシステムデータ106であるマッピングされたシステムデータ1404ができる。モデルベース診断インタフェース112の利点は、実際のシステム102における変更案を実施前にモデル103内で実験できること、および診断システム112、122に対する対応する変更をモデル化し、実際のシステム102に対する変更と一緒に開発できることである。したがって、診断システム112、122に対する変更が、実際のシステム102に対する変更に遅れをとることはない。モデルベース診断インタフェース112は、実行可能ステートメント内で関連するモデル命名規則107によってシステムデータ106を参照することによって、マッピングされたシステムデータ1404を使用してシステムデータ106の値にアクセスすることができる。
【0017】
上で説明されたモデルベース診断インタフェース112は、システムデータ106と診断エンジン122の間のインタフェースとしての独立機能を有する。モデルベース診断インタフェース112は、IVHMSプログラムなどの他のプログラムから利用可能であれば、より強力なツールとなる。診断インタフェース112をIVHMSプログラムから利用可能にするため、マッピングされたシステムデータ1404は、IVHMSから利用可能な実行可能ステートメント内でIVHMSプログラムに関連する追加情報にバインドされ得る。
【0018】
図3に示されたバインディング手続き1502は、マッピングされたシステムデータ1404をシステム情報114にバインドする。バインディング機能1502を使用した結果、演算オブジェクトをそれから作成できる1つまたは複数のクラスができる。結果のオブジェクトは、適切なオブジェクトがそれにバインドされたシステム情報への参照によってリンクされ、または他の方法で利用される時は常に、モデル命名規則107を介してシステムデータ106への演算アクセスを可能にするデータアクセスおよび処理機能を有する。簡単な例を挙げると、IVHMSは、ある特定のスラスタ(thruster)の健全性を監視することを試み、その結果、IVHMSは、その特定のスラスタに関するシステム情報114を含むモデルベース診断インタフェース112内のオブジェクトと動的にリンクする。リンクされた診断インタフェースオブジェクトは、ThrusterOneTempを「GET」(C++の動詞)するためにロードされるが、ThrusterOneTempは、所望のスラスタの温度に関する原データを保持するテレメトリストリーム内のある特定のデータフレームのある特定の部分に収められたシステムデータ106の一項目に対する例示的なモデル命名規則107の名称である。リンクされた診断インタフェースオブジェクトは、その後さらに、原テレメトリデータ(おそらくバイナリビットストリーム)と華氏度の間の関係などのシステム情報114を使用して、華氏度のスラスタ温度を診断エンジン122が受け入れ可能なフォーマットにフォーマットし、フォーマットされたデータを診断エンジン122に供給することができる。
【0019】
システム情報114をマッピングされたシステムデータ1404にバインドすることで、診断インタフェース112用のIVHMSコンテキストが作成される。IVHMS以外のプログラムは、コンテキストを作成するため、システム情報114以外の情報を使用することができることは理解されよう。システム情報114は、IVHMSのために使用する正しい情報であるに過ぎず、IVHMSは、システム情報114に基づいてシステムデータ106を使用することができる。マッピングされたシステムデータ1404をシステム情報114にバインドするオブジェクトは、ある特定の実施形態ではモデルベース診断インタフェース112とすることができる、動的リンクライブラリ(DLL)または類似の構成を構成することができる。
【0020】
図4は、モデルベース診断インタフェース112を開発するための例示的な装置1300を示している。この装置は、プロセッサ1302と、プロセッサ1302に結合されたメモリ1304と、プロセッサ1302に結合されたデータインタフェース1350と、プロセッサ1302に結合されたユーザインタフェース1360とを備える。結合はバス1370によって達成される。メモリは、システムモデル開発環境1320と、前記システムモデル開発環境に結合された少なくとも1つのランタイム診断エンジン122とを格納するように構成される。データインタフェース1350は、システムデータ106のソースとしてのシステム102に結合される。モデル開発環境1320は、システムのモデル103を作成するためにユーザがユーザインタフェース1360を介して入力1380を供給できるようにする。ユーザは、モデル103を作成する際にシステム情報114およびシステムデータ属性1308を利用することができる。例えば、操作者は、操作者入力のためにシステム情報114およびシステムデータ属性1308を参照することができ、またはシステムモデル103を構築するモデル開発環境1320への入力としてデータファイルからデータを使用することができる。システムモデル103は、モデル命名規則107を有する。
【0021】
システムモデル103が構築されると、次にモデル開発環境1320または別個のプログラム(図示されず)が、上でより詳細に説明されたように、システムデータ106をモデル命名規則107にマッピングする。システムデータ106は、マッピングの前にシステムデータ属性1308に関連づけられ得る。マッピングされたシステムデータは、図14に示されるように、スキーマコンパイラ1104によってコンパイルされるデータスキーマ1102を有する。スキーマコンパイラ1104は、モデル開発環境1320の一部として組み込まれ得る。一つの代替実施形態では、スキーマコンパイラは、独立のプログラムとすることができる。スキーマコンパイラ1104によるスキーマ1102のコンパイルは、メモリ1304に格納された様子が示されたモデルベース診断インタフェース112を共同して形成できるオブジェクトを作成するためのクラスを生成する。
【0022】
モデル開発環境1320と1つまたは複数の診断エンジン122は、クラスまたはオブジェクトに含まれる関数を生成することによって結合され得、この関数は、バインドされたシステムデータを診断エンジン122用の入力に変換する。モデル開発環境1320が診断エンジン122の入力要件に関する情報へのアクセスを獲得できる様々な方法が存在すること、また診断エンジン122をモデル開発環境1320に結合する際には、これらの様々な方法のすべてが企図されていることは、当業者であれば理解されよう。診断エンジンにとって必要な入力に関する情報へのアクセスが獲得され、システムデータ106が分かった後、バインドされたマッピングシステムデータを診断エンジン122用の入力に変換するための関数が生成され得る。様々な従来のコンパイルおよびリンク技法を、バインドされたマッピングシステムデータとともに関数をコンパイルするために使用することができる。オブジェクトは、IVHMからアクセス可能なDLL内に集められ得る。複数の診断エンジンを利用するある特定の実施形態では、各オブジェクトは、どの診断エンジン122が選択されるかに関する情報にアクセスし、各オブジェクトは、適切な入力を選択された各診断エンジン122に供給するための機能を含むことができる。別の特定の実施形態では、図3に示されたバインディング手続き1502は、診断エンジンの選択結果にアクセスし、別個のDLLまたは同等のソフトウェアライブラリが、診断インタフェース112を構成するDLLの全体によって各診断エンジン用に生成される。
【0023】
モデルベース診断インタフェースを含む、DLLもしくはその他のライブラリ、またはプログラム構造は、記憶または伝送媒体を含む任意の信号媒体上のプログラム製品として配布され得る。配布は、IVHMの一部、または診断インタフェース112だけとすることもできる。
【0024】
システムは、物理的構造と、情報、通信、またはデータ構造とを有する。図5は、例示的なモデルベース診断インタフェース112を使用するIVHMSの情報構造100を示している。情報構造100は、それぞれシステム入力104およびシミュレートされたシステム入力105を有するシステム102、モデル103におけるシステムの表現、ならびにシステム出力106とを含む。システム入力104は、データ、力、環境的影響、コマンド、スイッチ状態の変更、またはシステム102の状態に影響を及ぼし得るその他の任意の要因とすることができる。シミュレートされたシステム入力105は、データファイル、関数、オブジェクト、またはシステム102がシステム境界で外部世界について感知するものをシミュレートするデータを含む、もしくは生成するその他のデータ構造とすることができる。システム出力106またはシステムデータ106は、少なくともテレメトリ108を含み、システム試験情報110を含むべきである。システム試験情報は、試験点情報も含むことができる。システム102の内部の関係についての情報を含むシステム情報114は、システム102に固有である。例えば、データ階層情報116、システムコンポーネント情報118、およびコンポーネント階層120などのシステム構造情報120が、システム情報に含まれ得る。システム出力106、モデル103命名規則107、およびシステム情報114は、(以下でさらに説明されるように)モデルベース診断インタフェース112を作成するために使用される。システム出力106は、モデルベース診断インタフェース112への入力である。命名規則107を有するモデル103は、以下でより詳しく見られるように、命名規則107をモデルベース診断インタフェース112に提供する。モデルベース診断インタフェース112の出力は、少なくとも1つの既製市販(COTS)ランタイム診断エンジン122への入力であり、このエンジンは、診断された状態に応答するためにシステム入力104または105を変更する障害回復手続き124によって使用される診断出力を生成する。
【0025】
図6は、モデルベース診断インタフェース112を作成するための例示的なプロセス200のフローチャートを示している。プロセス200は、ステップ202で、システムモデリング分野の当業者に知られた様々なCOTSシステムモデリング開発ツールおよび環境の1つを使用して達成される、または同様の目的に役立つ企業独自のもしくはカスタマイズされたモデリング開発ツールとすることができる、モデル開発から開始する。ステップ204は、新規コンポーネントをモデル化すべきかどうかを決定し、する必要がない場合、プロセス200は、ステップ206で終了することができる。システムモデリング開発環境でその他の活動を行うことも可能だが、それらはここでは直接関係しないことを理解されたい。例えば、システム挙動を観測するために1組の入力105を用いてシステムモデル103を実行すること、またはモデル103を編集することは、ステップ204とステップ206の間で成し遂げられ得る。
【0026】
新規コンポーネントをモデル化すべきであると、ステップ204が決定した場合、ステップ208がコンポーネントの基本モデルを提供する。コンポーネントは、モデリング開発環境で操作者によって作成されることもできるが、モデル開発環境で扱い易い形式でデータが利用可能な場合、コンピュータ生成のシステムモデルが使用されることもできる。例示的なコンポーネント502のブロック図と、システムモデリング環境内のそれと同等(「=>」で表される)の例示的なアイコン504との例示的な同等関係500が、図9に例示されている。コンポーネント502は、入力506と、1つまたは複数の変換関数(transfer function)508と、出力510とを含む。変換関数508は、入力506に応じて出力510を生成する。変換関数は、入力506を出力510に変換する、電子回路、電気機械、機械、電気、流体、もしくは類似の装置、デジタル論理、アナログ論理、またはその他の任意の装置、もしくは任意のタイプの装置の組み合わせをモデル化することができる。例示的なアイコン504は、コンポーネント識別子「01AS」と、入力506についての情報「[R(3),V(3)]」と、変換関数についての情報「ASTRO(R,V)」と、出力510についての情報「{ORBIT(6)}」とを含む。例は単純であるが、入力506、変換関数508、および出力510は、コンピュータによって扱い易い任意の複雑さを備えることができることを理解されたい。3次元直交座標位置「R(3)」と速度「V(3)」ベクトルを古典的な軌道要素「{ORBIT(6)}」に変換するコンポーネント「01AS」の例は、限定を意図したものではない。コンポーネント502は、ステップ208でモデル化される任意の種類のシステムのコンポーネントとすることができる。例えば、通信ネットワーク、宇宙船、船舶、原子力発電所、電力網、またはその他のシステムのためのコンポーネントが、ステップ208でモデル化され得る。同様に、様々なアイコン、ならびに必要とされる入力506、変換関数508、および出力510の様々な識別方式が、本発明から逸脱することなく、使用され得る。(以下で説明される)他のアイコンとの関連、コンポーネント識別子、およびアイコン内の追加のテキスト形式データを伴ったアイコン504は、モデル命名規則によるコンポーネントの表現である。コンポーネント502のブロック図は、システム命名規則によるコンポーネントの表現である。コンポーネントからなるシステム102も同様に、システム命名規則およびモデル命名規則によって表現され得る。
【0027】
モデル化すべきシステムの新規コンポーネント502がステップ208で作成された後、新規コンポーネント502は、モデル化されたシステム内の他のコンポーネントにステップ210で関連づけられ得る。他のコンポーネント602、604、606、および608に関連づけられた新規コンポーネント502が、図10の例示的な同等関係600に示されている。例示的なコンポーネント602および604は、コンポーネント502に入力506を供給するコンポーネントとして示されている。例示的なコンポーネント606および608は、出力510の消費主体として示されている。入力供給主体602および604用のアイコン610および612、ならびに出力消費主体606および608用のアイコン614および616は、アイコン504と同様の形式を有することができる。一般に、アイコンは、システムモデル全体にわたって、規約または規準に従って描かれる。規約によれば、コンポーネントは、適切に改められた情報がそこに表示された異なるアイコンをもつことができる異なるクラスに属することができる。2つの入力供給主体602および604、ならびに2つの出力消費主体606および608だけしか図10には示されていないが、任意のタイプおよびアイコンデザインの任意の数の他のコンポーネントをステップ210で関連づけることができることを理解されたい。すべてのシステムモデリング環境がアイコンを使用するわけではないこと、システムモデルの非アイコン表現は、アイコンとは無関係なモデル命名規則を有することができることを理解されたい。
【0028】
図11の例示的な同等関係700に示されるように、ステップ212で、テレメトリ108が、コンポーネント502に関連づけられる。テレメトリ108は、コンポーネント502の状態を指示するデータを備え、1つまたは複数の入力506、結果、中間結果、または変換関数508の内部値、および出力510を含むことができる。モデル102のテレメトリ108は、実際のシステム102からの、または実際のシステムの観測された挙動からのテレメトリ108を再現すべきであり、テレメトリがこれらの観測の結果を捕捉する。一つの代替実施形態では、モデル化されたテレメトリ108は、実際のテレメトリ108のサブセットとすることができる。したがって、変換関数508は、変換関数508の中間結果として、テレメトリ108の一部を生成することができる。アイコン704は、データレート情報「@60」およびテレメトリデータフォーマット「=81」を伴ったテレメトリデータ名(例えば、「R01ASZZ01U1」、「V01ASAVNJJ」など)の追加を示している。一実施形態では、テレメトリデータ名、またはその他のシステムデータ名は、コンポーネント502内で、データの発生点についての詳細を明らかにするため、構文解析され得る。テレメトリデータ、およびテレメトリデータに関する情報は共同で、テレメトリ命名規則を定義する。テレメトリ108とコンポーネント502との関連づけは、1度に1つのコンポーネントずつ成し遂げられ得る。一つの代替実施形態では、テレメトリ108のデータをコンポーネント識別子に関係づけるデータベースを、複数のコンポーネントとそれらのテレメトリ108の情報との間の関連、またテレメトリ属性を単一ステップで作成することができるモデル開発環境への入力とすることができる。
【0029】
コンポーネント502は、図12の例示的な同等関係800にさらに示されるように、ステップ214で、それに関連づけられた試験情報110も有することができる。試験は、組み込み試験、境界走査試験、承認試験、集合体システム比較試験、または複雑機能試験(complex function test)などを含むことができる。試験は、試験出力110の形でコンポーネント502から応答を引き出す試験入力802を有することができる。試験出力110は、テレメトリデータ108とフォーマットが同様であることができ、または特定の試験用に独自に適合されたフォーマットを有することができる。試験出力データ110、ならびにそのフォーマットおよび関連情報は共同で、試験データ命名規則を定義する。
【0030】
コンポーネント502がモデル化され(ステップ208)、その他のコンポーネントに関連づけられ(ステップ210)、テレメトリ(ステップ212)および試験情報(ステップ214)に関連づけられた後、すべてのコンポーネントがシステムモデル103に追加されたかどうかを、ステップ216が決定する。モデル化すべきコンポーネントがまだ残っていると、ステップ216が決定した場合、次のコンポーネントのモデル化を開始するため、ステップ204、さらにステップ208へと進む。すべてのコンポーネント、または少なくともいくつかの診断機能を可能にする希望の所定数のコンポーネントがモデル化された場合、次にステップ218が、ステップ218に示されるようにテレメトリ108および試験データ110をモデル命名規則にマッピングする機能を追加する。ステップ218までのステップが、システム命名規則で記述されたシステム102を、モデル命名規則107で記述されたモデル103に変換する。
【0031】
ステップ218は、テレメトリおよび試験データをモデル命名規則107にマッピングする機能を追加する。この機能は、システム102からの各テレメトリデータ要素を、モデル103内の各同等要素にそれぞれ関連づける。テレメトリデータ108は、実際のシステム102では、フレーム同期信号から特定の時間だけずれたデータフレームの一部分の内容として識別され得る。テレメトリデータストリーム内でのテレメトリ項目の位置は、位置情報へのアクセスを提供するテレメトリ識別子に関連づけられ得る。例えば、一連のテレメトリデータフレームにおける第2のデータフレームの第3のサブフレームは、1秒ごとに実数データフォーマットで位置ベクトルの第1成分を含むことができ、それはモデル命名規則「コンポーネント01MTH(602)および06MTH(604)によって供給され、コンポーネント01NAV(614)および03NAV(616)を供給するアイコン01AS内のR01ASZZ01U1@60=81」にマッピングされ得る。モデル命名規則107は説明の目的で簡略形式で表されていること、またテレメトリデータ項目用のモデル命名規則ははるかに多くの情報を含むことができることを理解されたい。例えば、テレメトリ項目はさらに、テレメトリデータがそれを介してシステムの境界に流れるモデル化されたデータ通信階層全体、およびテレメトリデータ項目の生成を行うモデル化されたシステム階層全体にマッピングされ得る。ステップ218で追加された機能は、考察下の特定のシステムおよび最終的に希望する診断に合わせて複雑さが変化する。マッピングの結果は、定義されたデータ組織またはスキーマを有し、ライブ、シミュレート、または再生されたテレメトリストリーム内のテレメトリデータ項目を、モデル命名規則107で表現された対応するテレメトリ属性にそれぞれ関連づけるマッピングされたテレメトリデータ905として、図13の例示的な同等図900に示されている。
【0032】
ステップ220は、図13に示されるように、マッピングされたテレメトリデータ905をシステム情報904にバインドする手続きを追加する。データは作成時に演算オブジェクトに組み込まれる時にバインドされることを理解されたい。ダイナミックリンクライブラリ(DLL)または同等のソフトウェアライブラリ内の演算オブジェクトは、IVHMSまたは類似のコンピュータプログラムの実行時にリンクされ得、その時にデータをバインドすることができる。図14を参照すると、データバインティングの1つの手法が示されている。当技術分野で知られたその他のデータバインティング方法を使用することもできる。データをバインドするオブジェクトは、スキーマコンパイラ1104でデータスキーマ1102をコンパイルすることによって生成される派生クラス1106のオブジェクト1108である。データスキーマ1102は、マッピングされたテレメトリデータ907、システム情報114、および1つもしくは複数のCOTSまたは内部開発された診断エンジン122の入力要件1112に基づいて、作成され得る。例えば、IVHMソフトウェアプログラム1110は、1つまたは複数のCOTS診断エンジン122への入力907を生成するために、システム情報114にマッピングされたテレメトリストリームおよび/または試験データストリームにアクセスするためのオブジェクト1108とリンクすることができる。データスキーマ1102は、システム情報114に基づいて組織され、マッピングされたテレメトリデータ907およびその属性に基づいて定義またはフォーマットされ得る。例えば、データスキーマ1102は、各データ要素がバインドされたシステムコンポーネントによって組織され、テレメトリ識別子およびフォーマットによって定義され得る。IVHM1110とリンクされたオブジェクト1108は、モデル命名規則107を使用して実行時にテレメトリデータ1114を「GET」(C++の動詞として)し、そのデータをそれらのオブジェクト1108内の関数によって処理し、システム情報にバインドされたデータをCOTS診断エンジン122に提供する。
【0033】
モデルベース診断インタフェース112の構築はステップ222で終了する。モデルベース診断インタフェースの試験を行うのが望ましく、ステップ224で行われる。モデルベース診断インタフェースの例示的な実施形態の利点は、IVHMがオブジェクト1108とコンパイルされた後は、データソースはIVHMとは無関係になることである。データソースは、ライブテレメトリ、シミュレートされたテレメトリ、もしくは再生されたテレメトリ、または同様の多様性をもつ試験データとすることができる。したがって、IVHMは、構築され(ステップ222)、システムモデル103を使用してシミュレーションによる試験を受け(ステップ224)、その後、ステップ226でリアルタイム診断を実行するために、実際のシステム102に組み込まれ、または他の方法で結合され得る。
【0034】
図5を再び参照すると、COTS診断エンジン122の出力は、システム102内の障害回復手続き124を実行可能なコンピュータプログラムから応答を引き出すことができる。そのような手続きは、例えば、システム102またはモデル103内のクロスストラッピングスイッチ(cross−strapping switch)の状態を変更することができる。したがって、モデルベース診断インタフェース112は、システム102の物理的および論理的状態を含むことができるシステム102の状態を変更することができる。障害回復手続き124の出力も、試験および検証のために、シミュレートされたモデル入力105に入力され得る。
【0035】
図7は、バインディング手続き308、310、312、および314の代替ソースを示す、診断インタフェース122を作成するための方法の例示的な実施形態300を示している。例示的な実施形態300の利点は、マッピングされたテレメトリがバインドされるオブジェクトを作成するために、よく知られたMathematica、C++(308)、およびMATLABなどのオブジェクトをサポートする様々なCOTSコンピュータプログラムが使用できることである。これは手続きライブラリの作成を可能にし、それによってモデルベース診断インタフェース112を作成するコストを引き下げる。生成されるオブジェクトは、マッピングされたデータ905の特定のスキーマ、システム情報114、および診断エンジン122B〜112Nの必要に適合された関数を含む。試験データ110のほか、ライブテレメトリ320、保存されたテレメトリ322、またはシミュレートされたテレメトリ(図示されず)を含む入力データ106は、ステップ902でシステム命名規則107にマッピングされる。一つの代替実施形態では、特定の診断エンジン122Aが、バインディングを必要としないこともあるが、マッピングされたテレメトリデータ905だけで動作することができる。例えば、オブジェクトベースではないレガシ診断エンジン122Aは、マッピングされたテレメトリデータ905を直接供給され得る。バインドされたデータ907を使用する診断エンジン122B〜122Nの場合、バインディング用の手続きが手続きライブラリから選択され、データがステップ904でシステム情報にバインドされる。典型的なバインディング手続きは、属性を有するマッピングされたデータをCOTS診断エンジン122B〜122Nによって受け取り可能な形式に変換するオブジェクトを作成するためのクラスを生成する。関数は、数学関数、テキスト関数、論理関数、またはそれらの複合型とすることができる。
【0036】
図8は、診断エンジン420、422、424、426の選択をより詳しく示した、モデルベース診断インタフェース112を使用して診断結果430を取得する方法の例示的な実施形態400を示している。例示的な実施形態のこの態様では、モデルベース診断インタフェース112が作成される前に、ステップ402で、1つまたは複数の診断エンジン420、422、424、426が、診断エンジン122の集まりから選択される。診断エンジンは入力要件によって変化するので、ステップ402で選択された診断エンジンに必要とされるテレメトリだけに限定されたテレメトリが、ステップ404で選択され得る。テレメトリ108は、ステップ406で、テレメトリ属性408に関連づけられ得る。例えば、各テレメトリデータ要素は、ユニット、タイプ、起源、パス、待ち時間、および類似の属性に関連づけられ得る。テレメトリ108は、次にステップ410で、上で説明されたモデル命名規則412にマッピングされる。次にマッピングされたテレメトリは、診断エンジン122の集まりからステップ402で選択された1つまたは複数の診断エンジン420、422、424、および426に入力を提供するIVHMSにリンク可能なオブジェクトにバインドされる。ステップ416は、選択された診断エンジン420、422、424、および/または426と、マッピングされたテレメトリデータを属性にバインドするオブジェクトとを含むIVHMSを実行する。選択された診断エンジン420、422、424、および/または426は、IVHMSによって様々な目的で使用され得る診断結果430を生成する。例えば、診断結果430は、障害回復手続き124への入力として、予知診断アプリケーション用に、診断用に直接、または同様の目的のために使用され得る。
【0037】
図15は、簡単な例示的なIVHMS1200と、診断インタフェース112を作成する例示的な方法を示すフローチャートとの複合ブロック図である。作成の例示的なステップは、モデル化208と、マッピング902と、バインディング904とを含む。例示的なIVHMSは、システム102と、診断インタフェース112と、COTS診断エンジン122と、障害回復手続き124とを含む。例示的なIVHMSでは、モデルベース診断インタフェース112は、システム102からシステムデータ106を受け取って、診断エンジン122に診断入力を送り、診断エンジンは、COTS診断エンジン122を使用して、障害回復手続き124への入力として診断出力を生成し、障害回復手続きは、システム102に障害回復入力を供給する。システム102は、モデル103を構築する際に利用され得、その少なくとも一部がマッピングされたシステムデータにステップ904でバインドされるシステム情報114を生成する。システム102は、モデル103を構築する際にパターンとして利用され、モデル命名規則にステップ902でマッピングされる、モデルベース診断インタフェース112への入力とすることができるデータ106も生成する。システムデータ108、110のスキーマは、マッピングされたシステムデータをシステム情報114にバインドするクラスを生成するために使用される。
【0038】
少なくとも1つの例示的な実施形態が上述の詳細な説明で提示されたが、数多くの変形が存在することを理解されたい。診断インタフェース112に関して提示されたすべては、同様に予知診断インタフェースにも適切に適用されることを理解されたい。さらに、本発明の方法および装置の利点は、固定された所定のデータ命名規則を、柔軟な中間のモデル命名規則107を介して、異なる固定された所定の診断インタフェース112のデータ命名規則に適合させることができ、それによってシステム102への変更と一緒に容易に診断も変更する柔軟性を操作者に与えることであることを理解されたい。1つまたは複数の例示的な実施形態は例であるにすぎず、本発明の範囲、適用性、または構成をいかなる方法によっても限定する意図はないことも理解されたい。むしろ、上述の詳細な説明は、1つまたは複数の例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供するであろう。添付の特許請求の範囲で説明される本発明およびそれらの法的な均等物の範囲から逸脱することなく、様々な変更が要素の機能および構成に施され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】例示的なモデルベース診断インタフェースのブロック図である。
【図2】追加の細部が示された図1の例示的なモデルベース診断インタフェースのブロック図である。
【図3】より多くの細部が示された図1の例示的なモデルベース診断インタフェースのブロック図である。
【図4】IVHMシステムと関連する例示的なモデルベース診断インタフェースのブロック図である。
【図5】ランタイムモデルベース診断インタフェースを作成するための例示的な方法のフローチャートである。
【図6】例示的な診断インタフェースの一態様のブロック図である。
【図7】モデルベース診断インタフェースを作成するための例示的な装置のブロック図である。
【図8】ランタイムモデルベース診断インタフェースを作成するための例示的な方法の別の態様のフローチャートである。
【図9】例示的なモデルベース診断インタフェースを作成する第1のステップにおける、例示的なモデル化されたコンポーネントおよびその同等の例示的なモデル化アイコンのブロック図である。
【図10】例示的なデータ入力およびデータ出力、ならびにそれらのための同等の例示的なモデル化アイコンを有する、図9の例示的なモデル化されたコンポーネントのブロック図である。
【図11】例示的なテレメトリ出力、およびそのための同等の例示的なモデル化アイコンを有する、図10の例示的なモデル化されたコンポーネントのブロック図である。
【図12】例示的な試験入力および試験出力、ならびにそれらのための同等の例示的なモデル化アイコンを有する、図11の例示的なモデル化されたコンポーネントのブロック図である。
【図13】システム診断プロセスへの例示的な入力として提示された、図12の例示的なモデル化されたコンポーネント、およびそのための同等の例示的なモデル化アイコンのブロック図である。
【図14】マッピングされたデータをシステム情報にバインドする図13からの例示的なプロセスステップのフローチャートである。
【図15】例示的なモデルベース診断インタフェースを作成するステップと使用するステップとの間の関係をシステムからのデータと一緒に示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) プロセッサと、
(b) 前記プロセッサに結合されたメモリと、
(c) 前記メモリ内に記憶され、前記プロセッサによって実行可能なプログラムであって、システムの状態を表すシステムデータを有するシステム用診断インターフェースと、前記システム内の関係に関するシステム情報を含み、
前記システム情報のモデル命名規則表現と、モデル情報及び命名規則と、システム故障モード情報及び命名規則と、テレメトリ情報及び命名規則とを含む階層的システムモデルを有し、
前記システム情報、前記モデル情報及び命名規則、前記システム故障モード情報及び命名規則、及び前記テレメトリ情報及び命名規則を、前記モデル命名規則表現を用いて、バインド機能にマッピングし、
前記システム情報、前記モデル情報及び命名規則、前記システム故障モード情報及び命名規則、及び前記テレメトリ情報及び命名規則を、前記バインド機能を用いてバインドして、バインドされたシステムを生成し、
前記バインドされたシステムを用いて、ランタイム実行用の最適化されたモデルベース診断インターフェースを生成し、
前記バインドされたシステム及び前記最適化されたモデルベース診断インターフェースを用いて、1つ以上のシステム故障を決定し、
前記バインドされたシステム及び前記最適化されたモデルベース診断インターフェースを用いて、前記1つ以上のシステム故障の根本原因を決定する、
ように構成される前記プログラムと、
を含む装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記モデル命名規則がシステムをモデル化する環境においてシステムを記述する言語からなり、当該言語がモデリングソフトウエアによって取り扱い可能なトークンからなり、当該トークンが少なくとも1つのアイコン、変数名、要素名、コンポーネント名、フォーマット、及び関係識別子を含む事を特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記プログラムが更に、
前記バインドされたシステム及び前記モデルベース診断インターフェースを用いて、将来の結果と、当該将来の結果の影響の程度を予測するように構成されている事を特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記モデル情報が、システム要素階層情報と、システム構造階層情報と、データスキーマ情報とから成ることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記プログラムが更に、
1つ以上のあり得る故障モードの、1つ以上の初期的原因を決定し、
前記1つ以上の初期的原因を1つ以上のあり得る原因と比較し、
前記1つ以上の初期的原因と1つ以上のあり得る原因との比較に基づいて、1つ以上の根本原因を決定するように構成されている事を特徴とする装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−283004(P2009−283004A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176593(P2009−176593)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【分割の表示】特願2006−534321(P2006−534321)の分割
【原出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】