説明

モノアミン再取り込み阻害剤としての9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体

本発明は、式(I)の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体


(式中、Rは、HまたはC1〜5アルキルであり;Xは、OまたはNRであり、ここで、Rは、H、C1〜5アルキルまたはC2〜5アシルであり、Arは、C6〜10アリールまたは5員〜10員のヘテロアリール環系であり、両方共、R〜R(R〜Rは、ハロゲン、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、CN、NO、ヒドロキシ、フェニル、フェノキシおよびフェニルC1〜2アルコキシから独立に選択される。)の1つから3つにより場合によって置換されており、前記C1〜5アルキルおよびC1〜5アルコキシは、1つから3つのハロゲンにより場合によって置換されており、前記フェニル、フェノキシおよびフェニルC1〜2アルコキシは、ハロゲンおよびメチルから独立に選択される1つから3つの置換基により場合によって置換されており、または隣接位置におけるRからRの2つは一緒になって、メチレンジオキシまたはプロピレンユニットを形成し、但し、化合物エキソ−9−メチル−3−フェノキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンおよびN−(9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−1Hインダゾール−5−アミンは除外される。)またはこの医薬として許容できる塩もしくは溶媒和物に関する。また本発明は、前記9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体を含む薬剤組成物、およびこれらの治療における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、前記化合物を含む薬剤組成物およびこれの治療における使用、特に、1つまたは複数のモノアミン神経伝達物質の再取り込み阻害が治療効果に寄与する疾患または障害の治療および予防のためのこの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
モノアミン再取り込み阻害剤は、治療において、特に、持続的で衰弱していく副作用を有する日常的な、深刻で生命が脅かされる障害である抑うつ病の治療において広く使用されていることが判明している。イミプラミンおよびアミトリピチリンを含む、より古い三環系モノアミン再取り込み阻害剤は、有効な抗うつ剤であるが、これらの化合物は付加的に有害な心臓血管のおよび抗コリン作用性の副作用を有し、過剰投与で深刻な毒性をもたらし、患者の不十分な薬剤服用順守につながる。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)など、新しい薬剤は、より古い抗うつ剤を改善してはいるが、睡眠障害、胃腸症状および性的障害を含む副作用のこれらの独自のパターンを有している。またモノアミン再取り込み阻害剤は、疼痛、パニック障害および強迫性神経症障害などの他の障害の治療にも有効であることが示されている。
【0003】
現在利用できるモノアミン再取り込み阻害剤の欠点を考えて、安全で有効な新しい化合物の探索が継続している。特に、最近セロトニンの再取り込みを阻害するのに加えてノルアドレナリンおよびドーパミンの再取り込みも阻害する薬剤のグループが再び関心を寄せられている。
【0004】
WO04/113334は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害剤であることを示し、それ自体、中枢神経におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に対して応答性の疾患または障害の治療において有用である8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体を開示している。しかし、WO04/113334は、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンとは別の環系については開示していない。
【0005】
WO03/062235は、3−アリールチオ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体を含み、アセチルコリン受容体の修飾因子であることを示し、それ自体、中枢および自律神経系の機能障害の治療に有用であるチオ−架橋アリール化合物を開示している。しかし、WO03/062235は、3−アリールオキソ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体または3−アリールアミノ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体については開示していない。
【0006】
WO02/100833は、Rhoキナーゼ応答性の疾患の治療剤として有用であることを示す複素環式化合物を開示している。しかし、WO02/100833で開示された化合物が、1つまたは複数のモノアミン神経伝達物質の再取り込み阻害が治療効果に寄与する疾患または障害の治療または予防のための薬物の製造に有用であることは示唆されていない。
【0007】
エキソ−9−メチル−3−フェノキシ−9−アザビシクロ[3.2.1]ノナンの合成は、J.Chem.Soc.、Phys.Org.、1971、11、2145頁に記載されている。しかし、J.Chem.Soc.、Phys.Org.、1971、11、2145頁には、前記化合物のいかなる可能性のある医学的性質についても示唆されていない。
【発明の開示】
【0008】
本発明の第1態様は、式Iの9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体
【0009】
【化2】

[式中、
は、HまたはC1〜5アルキルであり;
Xは、OまたはNRであり、ここで、Rは、H、C1〜5アルキルまたはC2〜5アシルであり、
Arは、C6〜10アリールまたは5員〜10員のヘテロアリール環系であり、これらの両方共、R〜R(R〜Rは、ハロゲン、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、CN、NO、ヒドロキシ、フェニル、フェノキシおよびフェニルC1〜3アルコキシから独立に選択される。)の1つから3つにより場合によって置換されており、ここで、前記C1〜5アルキルおよびC1〜5アルコキシは、1つから3つのハロゲンにより場合によって置換されており、ここで、前記フェニル、フェノキシおよびフェニルC1〜3アルコキシは、ハロゲンおよびメチルから独立に選択される1つから3つの置換基により場合によって置換されており、または隣接位置におけるRからRの2つは一緒になって、メチレンジオキシまたはプロピレンユニットを形成し、但し、化合物エキソ−9−メチル−3−フェノキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンおよびN−(9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−1Hインダゾール−5−アミンは除外される。]
またはこの医薬として許容できる塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0010】
本明細書で使用する場合、C1〜5アルキルという用語は、1個〜5個の炭素原子を有する分岐のまた分岐していないアルキル基を表す。かかる基の例は、メチル、エチル、イソプロピル、第三級ブチルまたはペンチルである。
【0011】
本明細書で使用する場合、C2〜5アシルという用語は、2個〜5個の炭素原子を有するカルボン酸から誘導されたアシル基を表す。アシル基は、炭化水素を含むことができ、炭化水素は分岐でも分岐していなくても、飽和でも不飽和でもよい。かかる基の例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、アクリロイルおよびピバロイルが含まれる。また、C2〜5アシルの定義内には、マロン酸から誘導されたジカルボン酸様基から誘導された基が含まれる。
【0012】
本明細書で使用する場合、C1〜5アルコキシという用語は、1個〜5個の炭素原子を有する分岐のまた分岐していないアルコキシ基を表す。かかる基の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシおよび第三級ブチルオキシである。
【0013】
本明細書で使用する場合、C3〜6シクロアルキルという用語は、3個〜6個の炭素原子を有する分岐または分岐していない環式アルキル基を表す。かかる基の例は、シクロプロピル、シクロペンチルおよび2−メチルシクロペンチルである。
【0014】
本明細書で使用する場合、C2〜5アルケニルという用語は、2個〜5個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する分岐または分岐していないアルケニル基を表す。かかる基の例は、エテニルおよびプロペニルである。
【0015】
本明細書で使用する場合、C2〜5アルキニルという用語は、2個〜5個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する分岐または分岐していないアルキニル基を表す。かかる基の例は、エチニルおよびプロピニルである。
【0016】
本明細書で使用する場合、C6〜10アリールという用語は、6個〜10個の炭素原子を有する芳香族基を表す。かかる基の例は、フェニルおよびナフチルである。
【0017】
本明細書で使用する場合、5員〜10員のヘテロアリール環系という用語は、N、OおよびSから選択される1個〜2個のヘテロ原子を含む単環式または縮合二環式の芳香族複素環系を表す。かかる基の例には、フラニル、ピロリル、チエニル、ピリジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、ベンゾチエニル、キノリニルおよびイソキノリニルが含まれる。
【0018】
本明細書で使用する場合、ハロゲンという用語は、P、Cl、BrまたはI原子を表す。
【0019】
本明細書で使用する場合、フェニルC1〜3アルコキシという用語は、フェニル基で置換されたC1〜3アルコキシ基を表す。かかる基の例には、ベンジルオキシおよびフェネチルオキシが含まれる。
【0020】
本発明の一実施形態において、RはHである。
【0021】
さらなる実施形態において、Rはメチルである。
【0022】
別の実施形態において、XはOである。
【0023】
さらなる実施形態において、XはN−メチルである。
【0024】
別の実施形態において、Arはフェニルまたはナフチルであり、両方共、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチルおよびニトリルから独立に選択される1つまたは2つの置換基によって場合により置換されている。さらなる実施形態において、Arは、クロロ、フルオロおよびメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基によって場合により置換されていたフェニルである。
【0025】
さらなる実施形態において、Arはチエニル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニルおよびベンゾイソチアゾリルから選択されるヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環は、クロロ、フルオロおよびメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基によって場合により置換されている。別の実施形態において、Arはベンゾチエニル、ベンゾイソチアゾリルおよびピリジルから選択されるヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環は、クロロ、フルオロおよびメチルから独立に選択される1個〜2個の置換基によって場合により置換されている。
【0026】
さらなる実施形態において、Arは、1個または2個のクロロ原子によって場合により置換されたピリジルである。
【0027】
別の実施形態において、Arは、クロロ、フルオロまたはメチルによって場合により置換されたベンゾチエニルである。さらなる実施形態において、Arは、クロロ、フルオロまたはメチルによって場合により置換されたベンゾ[b]チエニルである。
【0028】
別の実施形態において、Arは、クロロ、フルオロまたはメチルによって場合により置換されたベンゾイソチアゾリルである。さらなる実施形態において、Arは、クロロ、フルオロまたはメチルによって場合により置換されたベンゾ[d]イソチアゾリルである。
【0029】
さらなる実施形態は、
exo−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(3−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[b]チオフェン−6−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(3,4−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(5,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(4,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[.3.1]ノナン;
exo−3−(2,3−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル;
exo−3−(3,5−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンおよび
exo−3−(3−プロプ−1−イニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
または医薬として許容できるこの塩または溶媒和物から選択される9−アザビシクロ[3.2.1]ノナン誘導体である。
【0030】
式Iの9−アザビシクロ[3.2.1]ノナン誘導体は、有機化学の技術分野において良く知られている方法(例えば、J.March、Advanced Organic Chemistry第4版、John Wiley and Sonsを参照されたい。)により調製される。合成シーケンス中に、関係する分子のいずれかの上の感受性のまたは反応性の基を保護することが必要および/または望ましいこともある。これは、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版、John Wiley and Sons、1991に記載されているような、従来の保護基を用いて達成される。この保護基は、都合のよいその後の段階において、当技術分野において良く知られている方法を使用して、場合によって除去される。
【0031】
XがOである式Iの化合物は、式IIの化合物のカプリングによって調製することができる。式中、Rは前記定義の意味を有し、OYはヒドロキシまたはメシレートもしくはトシレートなど、式ArOHのアルコール(ここで、Arは前記定義の意味を有する)を有するこれの活性化誘導体を表す。−OYが適切な離脱基(例えば、メシレートまたはトシレート)を表す場合、求核置換は、BEMP、炭酸カリウムなどの強有機または無機塩基の助けにより達成され得る。さらに、求核置換は、式ArOHのアルコールと、水素化物ナトリウムなどの金属水素化物との反応によって形成された、予め形成された金属塩を使用して達成され得る。−OYがヒドロキシを表す場合(すなわち、Y=H)、置換反応は、Mitsunobu反応を使用してジエチルアゾカルボキシレート(DEAD)およびトリフェニルホスフィン、1,1’−アゾジカルボニルジピペリジン(ADDP)およびトリブチルホスフィンまたは(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアゾルアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウムなどのカップリング試薬の助けを借りて達成することもできる。
【0032】
【化3】

【0033】
式IIの化合物は、文献の手順または当業者に知られている文献の手順の改良によって調製することができる。例えば、9−アザビシクロ[3,3.1]ノナ−3−オンを、エタノールなどの適切な溶媒中で、水素化ホウ酸ナトリウムなどの適切な還元剤で還元することによって調製することができる。
【0034】
Arが前記定義の意味を有する式ArOHの化合物は、商用源から得、文献の手順または当業者に知られている文献の手順の改良によって調製することができる。例えば、アリール基が1つまたは複数のハロゲンで置換された式ArOHの化合物は、当技術分野において良く知られた手順を使用して、関連したメチルエーテル(すなわちArOMe)をハロゲン化し、次いで、例えばピリミジン塩酸塩で脱メチル化することで調製することができる。例えば、塩素化は、塩化チオニル、塩化オキサリルまたはN−クロロスクシンイミドなどの薬剤を使用して達成することができ、臭素化は、三臭化リンまたはカーボンテトラブロミドとトリフェニルホスフィンとの組合せを使用して達成することができる。
【0035】
式ArOHの化合物は、有機化学の技術分野において良く知られている、標準的な官能基変換、例えば対応するニトロアリール(ArNO)、アニリン(ArNH)、またはメトキシアリール(ArOMe)前駆物質からも調製することができる。例えば、式ArOH(IV)の化合物は、スキーム1に示すように、亜硝酸ナトリウムおよび濃硫酸を使用し、対応するアニリン(III)のジアゾ化を介して調製することができる。
【0036】
【化4】

【0037】
式ArOH(IV)の化合物へのさらなる経路は、スキーム2に示すような、対応するメトキシアリール誘導体(V)のピリジン塩酸塩を用いた脱メチル化を介するものある。
【0038】
【化5】

【0039】
Arがベンゾ[b]チオフェンの場合、式ArOHの化合物は、例えば、WO04/043904において開示されている手順など、文献の手順または当業者に知られている文献の手順の改良によって調製することができる。ベンゾ[b]チオフェンに対する好ましい経路は、チオフェノール誘導体(VI)を、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(VII)を用いてアルキル化し、続いて酸触媒作用によって脱保護し、その後三フッ化ホウ素エーテラートを用いて環化することによるものである(スキーム3)。メトキシチオフェン(X)の脱メチル化によって、その後のエーテル形成に必要なヒドロキシベンゾ[b]チオフェン(XI)が提供される。
【0040】
【化6】

【0041】
Arがベンゾ[d]イソチアゾールの場合、式ArOHの化合物は、例えばWO04/043904において開示されている手順を利用するなど、文献の手順または当業者に知られている文献の手順の改良によって調製することができる。3−ヒドロキシベンゾ[d]イソチアゾールに対する好ましい経路をスキーム4に示す。フルオロ安息香酸(XII)を、例えば、塩化オキサリルまたは塩化チオニルを用いて処理し、続いてアンモニアで処理することでベンズアミド(XIII)が提供される。ベンジルメルカプタンで置換し、次いで付加物(XIV)を得て、これを続いてその後環化することで、その後のエーテル形成に必要な3−ヒドロキシベンゾ[d]イソチアゾール誘導体(XV)に転換する。
【0042】
【化7】

【0043】
Arがベンゾ[b]フランの場合、式ArOHの化合物は、文献の手順または当業者に知られている文献の手順の改良によって調製することができる。例えば、SYNLEIT、1997、1163を参照されたい。ベンゾ[b]フランに対する好ましい経路は、o−トリイソプロピルシロキシアリールアルデヒド誘導体(XVI)を、トリメチシリルジアゾメタンのリチウム塩と反応させ、続いて中間体のシリルエーテル(XVII)を、テトラ−n−ブチルアンモニウムフッ化物で処理してベンゾ[b]フラン誘導体(XVIII)へと転換することによるものである。その後脱メチル化してその後のエーテル形成に必要なヒドロキシベンゾ[b]フラン(XIX)が提供される(スキーム5)。
【0044】
【化8】

【0045】
Arがピリジルの場合、式ArOHの化合物は、文献の手順または当業者に知られている文献の手順の改良によって調製することができる。例えば、ハロ置換されたピリジルは、ヒドロキシピリジル誘導体(XX)をメチル化を介し、続いてニトロピリジル誘導体(XXI)を、例えば塩化スズで還元してアニリン(XXII)を供給することで調製され得る。ジアゾ化および塩素化において、ピリジン(XXIII)が得られる。その後のメチル化によって、その後のエーテル形成に必要なヒドロキシピリジル(XXIV)が提供される(スキーム6)。
【0046】
【化9】

【0047】
Arがナフチルの場合、式ArOHの化合物は文献の手順または当業者に知られている文献の手順の改良によって調製することができる。例えば、J.Org.Chem.、1991、56(23)、6704およびJ.Org.Chem.、1995、56(23)、6704を参照されたい。例えばヒドロキシナフチルは、臭素および触媒の塩酸を用いてテトラロン誘導体(XXV)の臭素化により調製することができる。その後の臭化リチウムおよび炭酸リチウムを用いた臭化物(XXVI)の脱臭素化により、その後のエーテル形成のためのナフチル誘導体(XXVII)を得る(スキーム7)。
【0048】
【化10】

【0049】
あるいは、本発明の化合物の調製のために必要なヒドロキシナフチルは、フラン誘導体を、亜硝酸イソアミルを用いて処理することを介して得ることができ、アミノ安息香酸誘導体(XXVIII)から、置換したベンジン中間体を経由して環状付加物(XXIX)を得る。メタノール中の濃塩酸で処理することによって、その後のエーテル形成のための2−置換ナフトール誘導体(XXX)および(XXXI)の混合物が提供される(スキーム8)。
【0050】
【化11】

【0051】
XがNRの場合、式Iの9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体(XXXIV)は、式XXXIIの化合物(ここで、Rは前記定義の意味を有する)を、アニリンArNH2(ここで、Arは前記定義の意味を有する)を用いて処理し、その後中間体イミン(XXXIII)をLiAlHなどの還元剤を用いて還元することで得ることができる(スキーム9)。アニリンNHは、有機化学の分野において良く知られている標準的なアルキル化、アセチル化の方法を用いて、さらに誘導化することができる。例えば、J.March、「Advanced Organic Chemistry」第4版、John Wiley and Sonsを参照されたい。
【0052】
【化12】

【0053】
また本発明は、これの範囲内に本明細書で開示する9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体の全ての立体異性体形態を含む。特に本発明は、3置換基がそれぞれエキソおよびエンド配置にある場合に結果として生じるエキソおよびエンド立体異性体の両方を含む。式Iの化合物またはこれらの塩もしくは溶媒和物の個別の立体異性体の場合において、本発明は、他の立体異性体が実質的に含まれていない、すなわち、他の立体異性体が5%未満、好ましくは2%未満、特に1%未満である上記の立体異性体を含む。任意の割合の立体異性体の混合物も、また本発明の範囲に含まれる。
【0054】
また本発明は、これの範囲内に本発明の化合物の全ての同位体標識した形態を含む。例えば、H、H、11C、13C、14C、131I、125I、129Iおよび18Fを用いて同位体標識した化合物が含まれる。同位体標識した化合物は、診断用用具、ラジオトレーサー、またはさまざまな診断方法におけるモニタリング剤およびin vivo受容体イメージングとして使用するのに有用である。
【0055】
本発明の9−アザビシクロ[3,3.1]ノナン誘導体は、遊離塩基の形態で、反応混合物から医薬として許容できる塩として単離される。これら塩は、前記遊離塩基を塩化水素、臭化水素、沃化水素、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマール酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸およびアスコルビン酸などの有機または無機酸で処理することによっても得られる。全ての塩は、医薬として許容できてもできなくても、本発明の範囲内である。
【0056】
本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体は、水和形態を含む溶媒和および非溶媒和形態の両方で存在する。これら形態の両方とも本発明の範囲内に包含される。
【0057】
また本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体は、無定形の形態でも存在する。複数の結晶形態でも可能である。これら全ての物理的形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0058】
本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体は、とりわけ、例えばヒトのセロトニン、ノルアドレナリンおよびドーパミントランスポーターによって安定して形質移入される細胞中のセロトニン、ノルアドレナリンおよびドーパミンの1つまたは複数の再取り込みを阻害する能力がインビトロで実証されている、混合神経伝達物質再取り込み阻害剤である。この結果、本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体は、治療に有用である。従って、本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体は、1つまたは複数のモノアミン神経伝達物質の再取り込み阻害が治療効果に寄与する疾患の治療または予防のための薬物の製造に有用である。特に、本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体は、1つまたは複数のモノアミン神経伝達物質の再取り込み阻害が治療効果に寄与する、神経系(中枢および抹消神経系の両方)の疾患の治療または予防のための薬物の製造に有用である。
【0059】
さらなる態様において、本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体は、抑うつ、不安症、疼痛、パニック障害および強迫性神経症障害の治療または予防に有用である。本発明の8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体およびこの医薬として許容できる塩および溶媒和物が特に有用である治療における抑うつ状態は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、テキスト改定第4版、American Psychiatric Association、Washington D.C.(2000)、において気分エピソード、うつ病性障害、双極性障害および他の気分障害を含み気分障害として分類されるものである。
【0060】
本発明は、さらに上記の疾患または障害のいずれかを患っているかまたは患いがちなヒトを含む哺乳動物治療のための方法を含み、前記方法は本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体またはこれの医薬として許容できる塩もしくは溶媒和物の有効量の投与を含む。
【0061】
本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体またはこれの医薬として許容できる塩もしくは溶媒和物の量も、本明細書において活性成分と参照され、この量は当然個々の化合物、投与の経路、受容者の年齢および状況、ならびに処理する個々の障害または疾患により変わる治療効果を達成することが求められる。
【0062】
上記の障害のいずれかに適切な1日投与量は、受容者(例えばヒト)1体重のキログラム当たり1日当たり0.001〜50mgの範囲、好ましくは受容者の体重1キログラム当たり1日当たり0.01〜20mgの範囲である。所望する投与量は、複数回のサブ投与量として、1日を通して適当な間隔で与えることもできる。
【0063】
活性成分を単独で投与することも可能ではあるが、通常は製剤として活性成分を与える。従って、本発明はまた、Gennaro他、Remmington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Lippincott、Williams and Wilkins、2000(特にパート5:pharmaceutical manufacturingを参照されたい。)に記載されている賦形剤など、医薬として許容できる1つまたは複数の賦形剤と混合した、本発明による9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体を含む薬剤組成物を提供する。適切な賦形剤は、例えば、the Handbook of Pharmaceutical Excipients、Edition:Editors A. Wade and P.J.Weller、American Pharmaceutical Association、Washington、The Pharmaceutical Press、London、1994に記載されている。組成物には、経口、経鼻、局所(口腔内、皮下、舌下および経皮を含む)または直腸投与に適した組成物が含まれる。
【0064】
本発明による9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体および1つまたは複数の医薬として許容できる賦形剤の混合物は、錠剤などの固体投与単位に圧縮することもできるし、またはカプセルもしくは坐薬に加工することもできる。この化合物は、医薬として適切な液体を用いて、溶液、懸濁液、乳液の形態の注射調製に、または例えば、鼻腔用スプレーもしくは口内スプレーなどのスプレーとして適用することもできる。例えば錠剤などの投与単位を作成するために、充填剤、着色剤、ポリマー結合剤など、従来の添加物の使用が考えられる。一般に、いずれの医薬として許容できる添加物も使用することができる。本発明の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体は、またインプラント、パッチ、ゲルまたは任意の他の即時および/または持続放出製剤においての使用にも適している。
【0065】
薬剤組成物を調製および投与することのできる適切な充填剤には、乳糖、澱粉、セルロースおよびこれらの誘導体など、または適当な量において使用されるこれらの混合物が含まれる。
【0066】
以下の実施例は、本発明の化合物およびこれらの合成方法についてさらに説明する。
【0067】
以下のセクションにおいて、本発明の化合物に関する前駆物質と共通の中間体の合成が説明される。
【0068】
エンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
a)9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オン
【0069】
【化13】

【0070】
グルタルアルデヒド(水中25%溶液)(910mL、2.4mol)および水中のベンジルアミン塩酸塩(344.1g、2.4mol)(1050mL)を0℃に冷却した。3−オキソペンタジオン酸(350.0g、2.4mol)を加え、続いて酢酸ナトリウム(水溶液)(797mL水中79.7g)を加え、濃厚なオレンジ色の沈殿物が形成された。反応混合物を50℃に加熱し、この温度で4時間撹拌した。次いでこれを周囲温度に冷却し、24時間静置させた。反応混合物を、5Nの塩化水素水(約150mL)を用いてpH2に酸性化し、得られた水性混合物をジエチルエーテルで洗浄した(2x500mL)。水性抽出物を4Nの水酸化ナトリウム水溶液(約650mL)用いてpH12に塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した(6x500mL)。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮して粗製生成物を赤色オイルとして得た。シリカゲル上で、ジクロロメタン:メタノール(49:1、v/v)を溶離剤として用いたクロマトグラフィーで精製して、9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オン(300.0g、1.3mol、54%)を薄いオレンジ色の固体として得た。
【0071】
b)エンド−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール
【0072】
【化14】

【0073】
水素化ホウ素ナトリウム(6.22g、0.16mol)を、メタノール(130mL)中の9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オン(25.00g、0.11mol)の溶液に少量ずつ加え(30分間)、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。反応混合物を周囲温度に温め、この温度で撹拌を12時間継続した。反応混合物をアセトン(10mL)で急冷し、真空中で揮発性物質を蒸発させた。得られた黄色固体を水(110mL)に溶解し、ジクロロメタンで抽出した(3x40mL)。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で蒸発させて粗製エンド−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール(25.25g、0.11mol、100%)を、黄色固体として得た。
【0074】
c)エンド−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール
【0075】
【化15】

【0076】
カーボン上の10%パラジウム(10%Pd/C)(5.0g)を、エタノール(500mL)中のエンド−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール(27.0g、0.12mol)溶液および5Nの塩化水素酸水(25mL)に加えた。混合物を、40℃において水素雰囲気(3バール)下、48時間撹拌した。次いで混合物をジカライトのパッドを通してろ過し、ろ液を真空中で蒸発し残った水性混合物をトルエンと共沸(2x150mL)し、粗製エンド−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オールを黄白色の固体として得、これは次の段階に直接使用された。
【0077】
d)エンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0078】
【化16】

【0079】
(ステップcからの)粗製エンド−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オールを、ジオキサンの溶液(500mL)、水(187.5mL)および4Nの水酸化ナトリウム(水溶液)(62.5mL)中に溶解し、窒素雰囲気下−15℃に冷却した。ジ−tert−ブチルジ炭酸塩(39.0g、0.18mol)を少量ずつ10分間にわたって加え、反応混合物を周囲温度に温め、4時間撹拌を継続した。この間に、白色の沈殿物が形成された。ジオキサンを減圧下蒸発した。水(400mL)を加え、生成物をジクロロメタンで抽出した(3x400mL)。有機相を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して、エンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(24.0g、0.10mol、エンド−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オールから83%)を黄白色の固体として得た。
【0080】
エキソ−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
a)エキソ−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール
【0081】
【化17】

【0082】
ナトリウム(1.6g、69.8mmol)を、1−ペンタノール(50mL)中の9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オン(1.0g、4.36mmol)溶液に少しずつ加え、還流温度で加熱した。反応混合物を136℃において2時間加熱し、続いて周囲温度に冷却して5NのHCl水溶液(50mL)を加えた。水層を分離し、有機相をさらに5NのHCl水溶液で抽出した(5x50mL)。水性抽出物をジエチルエーテルで洗浄し(3x70mL)、10NのKOH水溶液を加えて塩基性化し(pH8とする)、続いて飽和KCO水溶液を加えた。水性混合物をジエチルクロロメタンで抽出(5x40mL)し、有機相を塩水(60mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮してエキソ−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール(1.93g、96%)を、褐色オイルとして得た。
【0083】
エキソ−9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オールに関するデータ:MS(ESI)m/z:232([M+H]+)。
【0084】
b)エキソ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール
【0085】
【化18】

【0086】
エンド−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オールの調製のための手順に続いて、エキソ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール(5.0g、100%)を、黄白色のオイルとして得た。
【0087】
エキソ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オールに関するデータ:MS(ESI)m/z:142([M+H]+)。
【0088】
c)エキソ−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0089】
【化19】

【0090】
エンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製のための手順に続いて、エキソ−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(663mg、71%)を、黄白色のオイルとして得た。
【0091】
ベンゾ[d]イソチアゾール−6−オール
a)6−メトキシベンゾ[d]イソチアゾール
【0092】
【化20】

【0093】
WO04/043904において、7−メトキシベンゾ[d]イソチアゾールの合成に関して記載されている方法と類似の方法を、2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(1g、6.49mmol)、硫黄(208mg、6.49mmol)、2−メトキシエタノール(10mL)およびアンモニア水(30%、10mL)からに使用した。生成物を黄白色のオイル(650mg、61%)として収集した。
【0094】
6−メトキシベンゾ[d]イソチアゾールに関するデータ:MS(ESI)m/z:166([M+H]+)。
【0095】
b)ベンゾ[d]イソチアゾール−6−オール
【0096】
【化21】

【0097】
WO04/043904において記載されている方法と類似の方法を使用した。6−メトキシベンゾ[d]イソチアゾール(450mg、2.73mmol)およびピリジン塩酸塩(3.2g、27.27mmol)を、マイクロウェーブオーブン中で210℃において20分間加熱した。残留物を水(30mL)とEtOAc(3x20mL)の間に分割した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(1:1、v/v)を溶離剤として、クロマトグラフィーにより精製し、ベンゾ[d]イソチアゾール−6−オールを、白色固体(345mg、83%)として得た。
【0098】
ベンゾ[d]イソチアゾール−6−オールに関するデータ:MS(ESI)m/z:152([M+H]+)。
【0099】
ベンゾ[d]イソチアゾール−5−オール
a)5−ニトロベンゾ[d]イソチアゾール
【0100】
【化22】

【0101】
2−クロロ−5−ニトロベンズアルデヒド(1g、5.39mmol)を、アンモニア水(30%、3.3mL)およびDMF(3.3mL)および硫黄(181mg、5.66mmol)の混合物に加えた。懸濁液を30分間にわたって90℃で加熱し、結果として得られた暗色の溶液をこの温度で1時間保持した。混合物を周囲温度に冷却し、水で希釈して氷の上に注いだ。オレンジ色の固体をろ過し、水で洗浄し、吸引の下で乾燥して5−ニトロベンゾ[d]イソチアゾール(861mg、89%)を得た。
【0102】
b)5−アミノベンゾ[d]イソチアゾール
【0103】
【化23】

【0104】
5−ニトロベンゾ[d]イソチアゾール(305mg、1.69mmol)、5%AcOH(水溶液)(12mL)およびEtOAc(12mL)を、65℃において鉄粉末(325メッシュ、473mg)で処理し、急速に1時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、水およびEtOAcで希釈し、ジカライトを通してろ過した。有機層を分離し、水層をさらにEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して標題の化合物を黄色固体(220mg、85%)として得た。
【0105】
5−アミノベンゾ[d]イソチアゾールに関するデータ:MS(ESI)m/z:151([M+H])。
【0106】
c)ベンゾ[d]イソチアゾール−5−オール
【0107】
【化24】

【0108】
5−アミノベンゾ[d]イソチアゾール(217mg、1.45mmol)を懸濁し、濃硫酸(1.5mL)を含む水(20mL)中に溶解し、90℃において2時間加熱した。この溶液を0℃に冷却し、水(1mL)中の亜硝酸ナトリウム(105mg、1.52mmol)を5分間にわたって加え、混合物を周囲温度に温めた。ジアゾニウム塩を、水(12mL)中の濃硫酸(1mL)の溶液に90℃において20分間にわたって液滴状で加え、この温度で2時間撹拌し、その後温ろ過して不溶性固体を除去した。このろ液をジクロロメタンで抽出し(3x20mL)、合わせた有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して標題の化合物を褐色の固体(65mg、30%)として得た。
【0109】
ベンゾ[d]イソチアゾール−5−オールに関するデータ:MS(ESI)m/z:152([M+H])。
【0110】
5−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オール
a)5−クロロ−2−フルオロベンズアミド
【0111】
【化25】

【0112】
5−クロロ−フルオロ安息香酸(1g、5.73mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中に懸濁し、DMF(1滴)を加え、続いて塩化オキサリル(0.75mL、8.59mmol)を液滴状で加えた。この混合物を周囲温度で1時間撹拌し、この間にガス発生が止み、無色の液体が得られた。この酸塩化物を真空中で濃縮し、ジクロロメタン(10mL)に溶解し、アンモニア水(30%、40mL)を液滴状で加えた。この混合物をさらに30分間撹拌し、次いで、ジクロロメタンで抽出した(3x20mL)。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して白色固体(900mg、91%)を得た。
【0113】
b)2−ベンジルスルファニル−5−クロロベンズアミド
【0114】
【化26】

【0115】
ベンジルメルカプタン(0.61mL、5.20mmol)を、撹拌しているTHF(10mL)中の水素化ナトリウム(油中60%、230mg、5.75mmol)の懸濁液に、周囲温度において窒素雰囲気下で10分間にわたり液滴状で加えた。白色の懸濁液をさらに1時間撹拌し、次いで撹拌しているTHF(10mL)中の5−クロロ−2−フルオロベンズアミド(900mg、5.20mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、10分間にわたり液滴状で加えた。混合物を周囲温度で1時間、50℃において1時間、還流において3時間撹拌し、次いで水(200mL)で急冷した。生成物の混合物をEtOAcで抽出し(3x30mL)、合わせた抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカ上でEtOAc:ヘプタン(3:2、v/v)を溶離剤として用いてクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物を白色の固体(523mg、36%)として得た。
【0116】
c)5−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オール
【0117】
【化27】

【0118】
2−ベンジルスルファニル−5−クロロベンズアミド(523mg、1.89mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、塩化スルフリル(0.183mL、329mmol)を液滴状で加えた。結果として生じた白色の懸濁液を、さらに1時間撹拌し、ヘプタン(15mL)で希釈し、ろ過し、ヘプタンで洗浄し、吸引の下で乾燥して標題の化合物を白色の固体(413mg、>100%)として得た。
【0119】
5−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オールに関するデータ:MS(ESI)m/z:186.1([M+H])。
【0120】
7−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−4−オール
a)7−フルオロ−4−メトキシベンゾ[d]イソチアゾール
【0121】
【化28】

【0122】
WO04/043904において7−メトキシベンゾ[d]イソチアゾールの合成のために記載されているのと類似の方法が、(WO04/043904において記載されているように調製された)2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2.0g、11.62mmol)、硫黄(372mg、11.62mmol)、2−メトキシエタノール(10mL)およびアンモニア水(30%、10mL)からに使用された。生成物を、黄白色のオイル(2.0g、94%)として単離した。
【0123】
b)7−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−4−オール
【0124】
【化29】

【0125】
WO04/043904においてベンゾ[d]チアゾール−7−オールの合成のために記載されているのと類似の方法が、7−フルオロ−4−メトキシベンゾ[d]イソチアゾール(500mg、27.32mmol)およびピリジン塩酸塩(2.5g、21.74mmol)からに使用され、標題の化合物を灰色の固体(420mg、65%)として得た。
【0126】
7−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−4−オールに関するデータ:MS(ES1)m/z:170([M+H])。
【0127】
6−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オール
a)4−クロロ−2−フルオロベンズアミド
【0128】
【化30】

【0129】
5−クロロ−2−フルオロベンズアミドの調製(上記17ページを参照されたい)と類似の方法を、4−クロロ−2−フルオロ安息香酸(500mg、5.73mmol)を使用して行った。標題の化合物を、オフホワイトの固体(465mg、94%)として単離した。
【0130】
4−クロロ−2−フルオロベンズアミドに関するデータ:MS(ESI)m/z:174([M+H])。
【0131】
b)2−ベンジルスルファニル−4−クロロベンズアミド
【0132】
【化31】

【0133】
2−ベンジルスルファニル−5−クロロベンズアミドの調製(上記17ページを参照されたい)と類似の方法を、4−クロロ−2−フルオロベンズアミド(400mg、2.31mmol)を使用して行った。標題の化合物を、白色の固体(376mg、59%)として分離した。
【0134】
2−ベンジルスルファニル−4−クロロベンズアミドに関するデータ:MS(ESI)m/z:278([M+H])。
【0135】
c)6−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オール
【0136】
【化32】

【0137】
5−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オールの調製(上記の17および18ページを参照されたい)と類似の方法を、2−ベンジルスルファニル−4−クロロベンズアミド(350mg、1.26mmol)を使用して行った。標題の化合物を白色の固体(150mg、64%)として単離した。
【0138】
6−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オールに関するデータ:MS(ESI)m/z:186/188([M+H])。
【0139】
ベンゾ[b]チオフェン−6−オール
a)1−(2,2−ジエトキシエチルスルファニル)−3−メトキシベンゼン
【0140】
【化33】

【0141】
3−メトキシチオフェン(10.00g、71.33mmol)、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(11.47mL、76.24mmol)、炭酸カリウム(10.35g、74.89mmol)およびアセトン(100mL)を、窒素下、周囲温度において3時間撹拌した。白い懸濁液をろ過し、アセトンで洗浄し(2x25mL)、合わせたろ液と洗液を真空中で濃縮して乾燥した。残留物を酢酸エチル(50mL)中に溶解し、0.5NNaOH(水溶液)(2x15mL)、水(15mL)および塩水(15mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して次いでさらに高真空の下、130℃で乾燥して、標題の化合物(18.74g、定量)を得た。
【0142】
b)(3−メトキシフェニルスルファニル)アセトアルデヒド
【0143】
【化34】

【0144】
1−(2,2−ジエトキシエチルスルファニル)−3−メトキシベンゼン(18g、70.21mmol)、氷酢酸(26mL)および水(18mL)を、窒素下還流温度で45分間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水(180mL)で希釈しtert−ブチルメチルエーテルで抽出した(3x40mL)。合わせた抽出物を5℃未満に冷却し、5%の炭酸ナトリウム水溶液、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して標題の化合物(11.8g、92%)を得た。
【0145】
c)6−メトキシベンゾ[b]チオフェン
【0146】
【化35】

【0147】
無水ジクロロメタン(407mL)に溶解した三フッ化ホウ素エーテラート(8.15mL)を、窒素下、0℃において急速に撹拌し、無水ジクロロメタン(29mL)中の(3−メトキシフェニルスルファニル)アセトアルデヒド(11.5g、63.10mmol)の溶液を、25分間にわたって液滴状で加えた。得られた緑色溶液を2分間撹拌し、次いで炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(150mL)を、温度を8℃未満に維持するような速度で加えた。反応混合物を5分間撹拌し、次いで、層を分離し有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(100mL)および水(100mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮した。生成物を蒸留により精製し、標題の化合物を無色のオイル(6.29g、61%、16ミリバールにおける沸点83〜88℃)として得た。
【0148】
d)ベンゾ[b]チオフェン−6−オール
【0149】
【化36】

【0150】
6−メトキシベンゾ[b]チオフェン(6.15g、37.45mmol)およびピリジン塩酸塩(18.5g)を一緒に210℃において1時間加熱した。混合物を100℃に冷却し、水(125mL)で希釈してジクロロメタンで抽出した(3x70mL)。合わせた抽出物を水(125mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で蒸発させて標題の化合物(5.54g、98%)を得た。
【0151】
4−クロロベンゾ[b]チオフェン−7−オール
【0152】
【化37】

【0153】
4−ブロモ−7−メトキシベンゾ[b]チオフェン(J.Chem.Soc.(Perkin TransI)、1983、2973〜2977ページに記載されているように調製したもの)(1.2g、4.96mmol)およびピリジン塩酸塩(1.95g、16.87mmol)を、マイクロウェーブ処理によって、210℃において15分間加熱した。混合物をHCl(水溶液)(20mL)とEtOAc(20mL)の間に分割した。水相をさらなるEtOAcで洗浄し(3x20mL)、有機相を乾燥し(NaSO)、真空中で濃縮した。生成物を、シリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(1:10〜1:5、v/v)を溶離剤としてクロマトグラフィーで精製して標題の化合物を赤色オイル(372mg、41%)として得た。
【0154】
4−クロロベンゾ[b]チオフェン−7−オールに関するデータ:MS(ESI)m/z:185/187([M+H])。
【0155】
3,5−ジブロモフェノール
【0156】
【化38】

【0157】
ペンタブロモフェノール(1.0g、2.05mmol)とAlCl(4.1g、30.75mmol)をトルエン(20mL)中で混合し、窒素雰囲気下還流温度で一夜加熱した。反応混合物を冷却し、注意深く氷に加え、ろ過し、ろ液をEtOAcで抽出した(3x50mL)。有機物を乾燥し(NaSO)、真空中で濃縮した。得られた残留物をシリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(1:4、v/v)を溶離剤としてクロマトグラフィーで精製して標題の化合物を白色固体(230mg、0.91mmol、45%)として得た。
【0158】
3,4−ジクロロ−2−フルオロフェノール
【0159】
【化39】

【0160】
トリフルオロ酢酸(0.5mL)を、アセトニトリル(30mL)中の3−クロロ−2−フルオロフェノール(750mg、5.12mmol)およびN−クロロスクシンイミド(684mg、5.12mmol)の溶液に加え、反応混合物を24時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、シリカゲル上で、ヘプタン:EtOAc(9:1、v/v)を溶離剤としてクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物を黄白色の固体(440mg、48%)として得た。
【0161】
2,3−ジクロロ−4−フルオロフェノール
【0162】
【化40】

【0163】
3−クロロ−4−フルオロフェノール(500mg、3.4mmol)を、アセトニトリル(25mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(500mL)を加え、続いてN−クロロスクシンイミド(456mg、3.4mmol)を加えた。反応を周囲温度で3日間撹拌し、次いで揮発性物質を真空中で除去した。粗製生成物を、シリカゲル上でEtOAc:イソヘキサン(1:19、v/v)を溶離剤として用いてクロマトグラフィーで精製し、3,6−ジクロロ−4−フルオロフェノール(261mg、1.4mol、42%)および2,3−ジクロロ−4−フルオロフェノール(153mg、0.8mmol、25%)を得た。
【0164】
3−クロロ−2−メチルフェノール
【0165】
【化41】

【0166】
水(97mL)中の濃硫酸(7.3mL)溶液を、3−クロロ−2−メチルアニリン(0.84mL、7.06mmol)に加え、混合物を溶液となるまで90℃において加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、水(5mL)中の亜硝酸ナトリウム(510mg、12.75mmol)の溶液を液滴状で加えた。反応混合物を2時間にわたって周囲温度まで温めた。過剰の亜硝酸ナトリウムを、尿素を加えることによって破壊した。得られた混合物を、水(55mL)中の濃硫酸(5.0mL)の溶液に加え、90℃に加熱し、この温度でさらに1時間撹拌した。得られた生成物の混合物を、ジカライトを通してろ過し、ジクロロメタンで抽出した(2x200mL)。有機相を、NaHCO(水溶液)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で蒸発させて所望の生成物(830mg、83%)をオフホワイトの固体として得た。
【0167】
以下を同様に調製した。
3−フルオロ−2−メチルフェノール
3−メチル−5−トリフルオロメチルフェノール
3−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノール
4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノール
2−メチル−トリフルオロメチルフェノール
3−ブロモ−4−メチルフェノール
【0168】
3,4−ジクロロ−2−ヒドロキシピリジン
a)4−クロロ−2−メトキシ−3−ニトロピリジン
【0169】
【化42】

【0170】
沃化メチル(2.06mL、32.99mmol)を、トルエン(100mL)中の4−クロロ−2−ヒドロキシ−3−ニトロピリジン(Bioorg.Med.Chem.Lett、2003、13、125に記載されているように調製したもの)(2.87g、16.49mmol)および炭酸銀(4.55.g、16.49mmol)の懸濁液に加え、混合物を85℃において3.5時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、ジカライトを通してろ過し、トルエンで洗浄した。合わせたろ液と洗液を真空中で濃縮し、粗製生成物をシリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(1:9、v/v)を溶離剤として用いて、クロマトグラフィーで精製した。純粋な生成物を白色固体(1.99g、64%)として収集した。
【0171】
4−クロロ−2−ヒドロキシ−3−ニトロピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:189/191([M+H])。
【0172】
b)3−アミノ−4−クロロ−2−メトキシピリジン
【0173】
【化43】

【0174】
塩化スズ(II)二水和物(12g、53.19mmol)を、酢酸エチル(30mL)中の4−クロロ−2−メトキシ−3−ニトロピリジン(2g、10.64mmol)の溶液に加え、得られた懸濁液を70℃において撹拌しながら2時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、pHを、飽和炭酸ナトリウム(水溶液)を加えることによってpH9〜10に調節し、酢酸エチルで抽出した(3x100mL)。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して粗製生成物を得た。シリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(1:9、v/v)を溶離剤として用いて、クロマトグラフィーで精製して生成物(1.28g、76%)を無色のオイルとして得た。
【0175】
3−アミノ−4−クロロ−2−メトキシピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:159/161([M+H])。
【0176】
c)3,4−ジクロロ−2−メトキシピリジン
【0177】
【化44】

【0178】
濃塩酸(4mL)に溶解した3−アミノ−4−クロロ−2−メトキシピリジン(200mg、1.27mmol)を、−5℃において撹拌し、この間に水(2mL)中の亜硝酸ナトリウム(437mg、6.33mmol)溶液を10分間にわたり液滴状で加えた。混合物をさらに10分間撹拌し、その後塩化銅(1.25g、12.66mmol)を5分間にわたり少量ずつ加えた。暗色の気泡を発している混合物を、−5℃において20分間撹拌し、次いで冷却槽を取り外して、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。得られた緑色の溶液を、5Nの水酸化ナトリウム(水溶液)を加えて塩基性化し、水(100mL)で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した(3x30mL)。合わせた抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して標題の化合物(218mg、97%)を得た。
【0179】
3,4−ジクロロ−2−メトキシピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:178/180([M+H])。
【0180】
d)3,4−ジクロロ−2−ヒドロキシピリジン
【0181】
【化45】

【0182】
3,4−ジクロロ−2−メトキシピリジン(192mg、1.08mmol)と25%塩酸水溶液(7mL)を、マイクロウェーブオーブン中で150℃において5分間加熱し、真空中で濃縮して乾燥し、生成物を黄白色の固体(153mg、87%)として得た。
【0183】
3,4−ジクロロ−2−ヒドロキシピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:164/166([M+H])。
【0184】
2,3−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジン
a)3−アミノ−2−クロロ−6−メトキシピリジン
【0185】
【化46】

【0186】
塩化スズ(II)二水和物(6g、26.52mmol)を、酢酸エチル(15mL)中の2−クロロ−6−メトキシ−3−ニトロピリジン(1g、5.30mmol)の溶液に加え、得られた懸濁液を、撹拌しながら70℃において1時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、pHを、飽和炭酸ナトリウム(水溶液)を加えることによってpH9〜10に調節し、酢酸エチルで抽出した(3x50mL)。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して、粗製生成物を得た。シリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(3:7、v/v)を溶離剤として用いてクロマトグラフィーにより精製し、生成物を黄白色のオイル(600mg、72%)として得た。
【0187】
3−アミノ−2−クロロ−6−メトキシピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:159([M+H])。
【0188】
b)2,3−ジクロロ−6−メトキシピリジン
【0189】
【化47】

【0190】
3−アミノ−2−クロロ−6−メトキシピリジン(500mg、3.17mmol)を、濃塩酸(10mL)中に溶解/懸濁させ、−5℃において撹拌し、この間に水(5mL)中の亜硝酸ナトリウム溶液(1.09g、15.82mmol)を10分間にわたって液滴状で加えた。混合物をさらに10分間撹拌し、その後塩化銅(3.13g、31.65mmol)を5分間にわたって少量ずつ加えた。暗色の気泡を発している混合物を、−5℃において20分間撹拌し、次いで冷却槽を取り外して、混合物を周囲温度で3時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、5Nの水酸化ナトリウム(水溶液)を加えることによってpH10〜11に塩基性化し、ジエチルエーテルで抽出した(3x50mL)。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(1:9、v/v)を溶離剤として用いてクロマトグラフィーで精製し、生成物(229mg、41%).を黄白色のオイルとして得た。
【0191】
2,3−ジクロロ−6−メトキシピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:178([M+H])。
【0192】
c)2,3−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジン
【0193】
【化48】

【0194】
2,3−ジクロロ−6−メトキシピリジン(211mg、1.19mmol)および25%塩酸(水溶液)(9mL)をマイクロウェーブオーブン中で150℃において15分間加熱し、真空中で濃縮して乾燥し、生成物を淡緑色の固体(173mg、89%)として得た。
【0195】
2,3−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:164/166([M+H])。
【0196】
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジン
【0197】
【化49】

【0198】
水(0.6mL)中に溶解した亜硝酸ナトリウム(64mg、0.93mmol)を、5%硫酸(5mL)中の2−アミノ−4,6−ジクロロピリジン(Recl Trav.Chim.Pays−Bas、1950、69、673に記載されている方法により調製したもの)(126mg、0.77mmol)の撹拌している溶液に0℃において5分間にわたり液滴状で加えた。混合物を0℃において1時間撹拌し、次いで水(20mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した(3x20mL)。合わせた抽出物を塩水(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して生成物をオレンジ色の固体(116mg、92%)として得た。
【0199】
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジンに関するデータ:MS(ESI)m/z:164/166([M+H])。
【0200】
本発明を、以下の実施例によりさらに説明する。
【実施例】
【0201】
手順I
実施例I.1:エキソ−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0202】
【化50】

【0203】
エンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(241mg、1.00mmol)、(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウム(J.Org.Chem.、1994、59、2289において記載されているように調製したもの)(616mg、1.50mmol)およびベンゾ[d]イソチアゾール−7−オール(WO04/043904において記載されているように調製したもの)(151mg、1.00mmol)を、マイクロウェーブバイアル中で無水THF(5mL)に溶解した。反応を、マイクロウェーブオーブン中で140℃において10分間加熱した。冷却時に、溶媒を減圧下で蒸発させた。生成物をシリカゲル上で、溶離剤としてジクロロメタン対ジクロロメタン:メタノール(49:1、v/v)〜ジクロロメタン:メタノール(19:1、v/v)の勾配を用いてクロマトグラフィーで精製して、粗製生成物(230mg、84%)を得た。粗製生成物を、トリフルオロ酢酸(TFA)(1mL)およびジクロロメタン(5mL)の溶液中に溶解し、周囲温度において1時間撹拌した。揮発性物質を減圧下蒸発させ、残留物をメタノール(1mL)に溶解して(希薄TFA/メタノールで処理した)SCXカートリッジを通してメタノールで洗浄し、次いで生成物をメタノール中の2Mアンモニア溶液で溶離した。生成物をさらにシリカゲル上でジクロロメタン:メタノール(49:1、v/v)〜ジクロロメタン:メタノール(19:1、v/v)を溶離剤として用いて、クロマトグラフィーで精製し、エキソ−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(90mg、53%)を得た。
【0204】
エキソ−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンに関するデータ: MS(ESI)m/z:275([M+H]
【0205】
以下を同様に調製した。
【0206】
実施例I.2:エキソ−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0207】
【化51】

【0208】
ベンゾ[d]イソチアゾール−4−オール(WO04/043904に記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)(m/z):275([M+H])。
【0209】
実施例I.3:エキソ−3(ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0210】
【化52】

【0211】
ベンゾ[d]イソチアゾール−6−オールから調製した。MS(ESI)(m/z):275([M+H])。
【0212】
実施例I.4:エキソ−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−5−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0213】
【化53】

【0214】
ベンゾ[d]イソチアゾール−5−オールから調製した。MS(ESI)(m/z):275([M+H])。
【0215】
実施例I.5:エキソ−3−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0216】
【化54】

MS(ESI)(m/z):275([M+H])。
【0217】
実施例I.6:エキソ−3−(7−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0218】
【化55】

【0219】
7−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−4−オールから調製した。MS(ESI)(m/z):293([M+H])。
【0220】
実施例I.7:エキソ−3−(4−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0221】
【化56】

【0222】
(7−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−4−オールに関して記載した方法によって調製した)4−フルオロベンゾ[d]イソチアゾール−7−オールから調製した。MS(ESI)(m/z):293([M+H])。
【0223】
実施例I.8:エキソ−3−(6−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0224】
【化57】

【0225】
6−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オールから調製した。MS(ESI)(m/z):309/311([M+H])。
【0226】
実施例I.9:エキソ−3−(5−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0227】
【化58】

【0228】
5−クロロベンゾ[d]イソチアゾール−3−オールから調製した。MS(ESI)(m/z):309/311([M+H])。
【0229】
実施例I.10:エキソ−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イルオキシ)9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0230】
【化59】

MS(ESI)(m/z):259([M+H])。
【0231】
手順II
実施例II.1:エキソ−3−(3−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0232】
【化60】

【0233】
エンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(150mg、0.62mmol)、(4,4ジメチルメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウム(J.Org.Chem.、1994、59、2289において記載されているように調製したもの)(383mg、0.93mmol)および3−クロロ−2−フルオロフェノール(137mg、0.93mmol)を、無水THF(4mL)中に溶解した。反応混合物を、周囲温度において4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をジクロロメタン(5mL)およびトリフルオロ酢酸(2mL)中に溶解した。撹拌を2時間継続した。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残留物をメタノールに溶解し、SCXカートリッジ(希薄TFAメタノールで処理したもの)に通し、メタノールで洗浄し、次いで生成物をメタノール中の2Mアンモニア溶液で溶離した。生成物を、シリカゲル上でジクロロメタン:メタノール:アンモニア(水溶液)(89.9:10:0.1、v/v)を溶離剤として用いて、クロマトグラフィーでさらに精製し、エキソ−3−(3−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(45mg、27.%)を得た。
【0234】
エキソ−3−(3−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンに関するデータ:MS(ESI)m/z:270/272([M+H])。
【0235】
同様に以下を調製した。
【0236】
実施例II.2:エキソ−3−(インダン−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0237】
【化61】

MS(ESI)m/z:258([M+H])。
【0238】
実施例II.3:エキソ−3−(2,3−ジメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0239】
【化62】

MS(ESI)m/z:246([M+H])。
【0240】
実施例II.4:エキソ−3−(3−イソプロピルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0241】
【化63】

MS(ESI)m/z:260([M+H])。
【0242】
実施例II.5:エキソ−3−(4−ブロモフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0243】
【化64】

MS(ESI)m/z:297([M+H])。
【0244】
実施例II.6:エキソ−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0245】
【化65】

MS(ESI)m/z:320/322([M+H])。
【0246】
実施例II.7:エキソ−4−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)−2−クロロベンゾニトリル
【0247】
【化66】

MS(ESI)m/z:277/279([M+H])。
【0248】
実施例II.8:エキソ−5−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)−2−ブロモベンゾニトリル
【0249】
【化67】

【0250】
2−ブロモ−5−ヒドロキシベンゾニトリル(J.Org.Chem.、1997、62、4504において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:322([M+H])。
【0251】
実施例II.9:エキソ−3−(4−クロロ−3,5−ジメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0252】
【化68】

MS(ESI)m/z:280/282([M+H])。
【0253】
実施例II.10:エキソ−3−(3,4,5−トリメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0254】
【化69】

MS(ESI)m/z:260([M+H])。
【0255】
実施例II.11:エキソ−3−(3,5−ジブロモ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0256】
【化70】

MS(ESI)m/z:390([M+H])。
【0257】
実施例II.12:エキソ−3−(3−フルオロフェニル)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0258】
【化71】

MS(ESI)m/z:236([M+H])。
【0259】
実施例II.13:エキソ−3−(3−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0260】
【化72】

MS(ESI)m/z:232([M+H])。
【0261】
実施例II.14:エキソ−3−(3−プロピルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0262】
【化73】

MS(ESI)m/z:260([M+H])。
【0263】
実施例II.15:エキソ−3−(3−ブロモ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0264】
【化74】

【0265】
3−ブロモ−4−メチルフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:311([M+H])。
【0266】
実施例II.16:エキソ−3−(2−メトキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0267】
【化75】

MS(ESI)m/z:248([M+H])。
【0268】
実施例II.17:エキソ−3−(4−クロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0269】
【化76】

MS(ESI)m/z:252/254([M+H])。
【0270】
実施例II.18:エキソ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0271】
【化77】

MS(ESI)m/z:270/272([M+H])。
【0272】
実施例II.19:エキソ−3−(2,3,5−トリクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0273】
【化78】

MS(ESI)m/z:320([M+H])。
【0274】
実施例II.20:エキソ−3−(2−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0275】
【化79】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0276】
実施例II.21:エキソ−3−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0277】
【化80】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0278】
実施例II.22:エキソ−3−(3−ニトロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0279】
【化81】

MS(ESI)m/z:263([M+H])。
【0280】
実施例II.23:エキソ−3−(3,4−ジメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0281】
【化82】

MS(ESI)m/z:246([M+H])。
【0282】
実施例II.24:エキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0283】
【化83】

MS(ESI)m/z:302([M+H])。
【0284】
実施例II.25:エキソ−3−(3−トリフルオロメトキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0285】
【化84】

MS(ESI)m/z:302([M+H])。
【0286】
実施例II.26:エキソ−3−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0287】
【化85】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0288】
実施例II.27:エキソ−3−(2−クロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0289】
【化86】

MS(ESI)m/z:252/254([M+H])。
【0290】
実施例II.28:エキソ−3−(2,3−ジフルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0291】
【化87】

MS(ESI)m/z:254([M+H])。
【0292】
実施例II.29:エキソ−3−(2−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0293】
【化88】

MS(ESI)m/z:236([M+H])。
【0294】
実施例II.30:エキソ−3−(2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0295】
【化89】

MS(ESI)m/z:320/322([M+H])。
【0296】
実施例II.31:エキソ−3−(ベンゾ[1,3]ジオキシオール−5−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0297】
【化90】

MS(ESI)m/z:262([M+H])。
【0298】
実施例II.32:エキソ−3−(2,5−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0299】
【化91】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0300】
実施例II.33:エキソ−3−(ベンズ[b]チオフェン−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0301】
【化92】

【0302】
ベンズ[b]チオフェン−7−オール(J.Chem.Soc.(Perkin Trans.7)、1993、2973において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:274([M+H])。
【0303】
実施例II.34:エキソ−3−(ベンズ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0304】
【化93】

【0305】
ベンズ[b]チオフェン−5−オール(Synth. Comm.、1991、21(7)、959〜964において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:274([M+H])。
【0306】
実施例II.35:エキソ−3−(ベンズ[b]チオフェン−6−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0307】
【化94】

【0308】
ベンズ[b]チオフェン−6−オールから調製した。MS(ESI)m/z:274([M+H])。
【0309】
実施例II.36:エキソ−3−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0310】
【化95】

【0311】
ベンゾ[b]チオフェン−4−オール(J.Chem.Res.、1993、192において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:274([M+H])。
【0312】
実施例II.37:エキソ−3−(4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0313】
【化96】

【0314】
4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−7−オール(WO04/043904において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:292([M+H])。
【0315】
実施例II.38:エキソ−3−(4−クロロベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0316】
【化97】

【0317】
4−クロロベンゾ[b]チオフェン−7−オールから調製した。MS(ESI)m/z:308/310([M+H])。
【0318】
実施例II.39:エキソ−3−(4−フルオロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0319】
【化98】

【0320】
4−フルオロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−7−オール(WO04/043904において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:306([M+H])。
【0321】
実施例II.40:エキソ−(3−ブロモベンゾ[b]チオフェン−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0322】
【化99】

【0323】
3−ブロモベンゾ[b]チオフェン−4−オール(WO04/043904において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:353([M+H])。
【0324】
実施例II.41:エキソ−3−(7−フルオロベンゾ[b]チオフェン−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0325】
【化100】

【0326】
7−フルオロベンゾ[b]チオフェン−4−オール(WO04/043904において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:292([M+H])。
【0327】
実施例II.42:エキソ−3−(ベンゾ[b]フラン−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0328】
【化101】

【0329】
ベンゾ[b]フラン−7−オール(WO04/043904に記載されているのと類似の脱メチル化方法に従って調製した7−メトキシベンゾ[b]フランから調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:258([M+H])。
【0330】
実施例II.43:エキソ−3−(ベンゾ[b]フラン−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0331】
【化102】

【0332】
ベンゾ[b]フラン−4−オール(SYNLETT、1997、1163に記載されている方法に従って調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:258([M+H])。
【0333】
実施例II.44:エキソ−3−(ベンゾ[b]フラン−5−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0334】
【化103】

【0335】
ベンゾ[b]フラン−5−オール(WO04/043904に記載されているのと類似の脱メチル化方法に従って調製した5−メトキシベンゾ[b]フランから調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:258([M+H])。
【0336】
実施例II.45:エキソ−3−(ベンゾフラン−6−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0337】
【化104】

【0338】
ベンゾ[b]フラン−6−オール(SYNLETT、1997、1163に記載されている方法に従って調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:258([M+H])。
【0339】
実施例II.46:エキソ−3−(4,5−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0340】
【化105】

【0341】
4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシピリジン(Recl.Trav.Chim.Pays−Bas、1953、72、285に記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:287/289([M+H])。
【0342】
実施例II.47:エキソ−3−(3,4−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0343】
【化106】

【0344】
3,4−ジクロロ−2−ヒドロキシピリジンから調製した。MS(ESI)m/z:287([M+H])。
【0345】
実施例II.48:エキソ−3−(5,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0346】
【化107】

【0347】
2,3−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジンから調製した。MS(ESI)m/z:287([M+H])。
【0348】
実施例II.49:エキソ−3−(4,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0349】
【化108】

【0350】
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシピリジンから調製した。MS(ESI)m/z:287([M+H])。
【0351】
実施例II.50:エキソ−3−(5−ブロモピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0352】
【化109】

MS(ESI)m/z:297/299([M+H])。
【0353】
実施例II.51:エキソ−3−(6−クロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0354】
【化110】

MS(ESI)m/z:253([M+H])。
【0355】
実施例II.52:エキソ−3−(5−ブロモ−4−メチルピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0356】
【化111】

MS(ESI)m/z:313([M+H])。
【0357】
実施例II.53:エキソ−3−(4−ブロモ−5−フルオロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0358】
【化112】

MS(ESI)m/z:317([M+H])。
【0359】
実施例II.54:エキソ−3−(4−クロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0360】
【化113】

MS(ESI)m/z:253([M+H])。
【0361】
実施例II.55:エキソ−3−(6−ブロモピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0362】
【化114】

MS(ESI)m/z:297/299([M+H])。
【0363】
実施例II.56:エキソ−2−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)イソニコチノニトリル
【0364】
【化115】

MS(ESI)m/z:244([M+H])。
【0365】
実施例II.57:エキソ−3−(5−クロロピリジン−3−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0366】
【化116】

MS(ESI)m/z:253([M+H])。
【0367】
実施例II.58:エキソ−3−(6−メチルピリジン−3−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0368】
【化117】

MS(ESI)m/z:233([M+H])。
【0369】
実施例II.59:エキソ−3−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)キノリン
【0370】
【化118】

MS(ESI)m/z:269([M+H])。
【0371】
実施例II.60:エキソ−6−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)イソキノリン
【0372】
【化119】

MS(ESI)m/z:269([M+H])。
【0373】
実施例II.61:エキソ−3−(5,6−ジメトキシナフタレン−1−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0374】
【化120】

【0375】
5,6−ジメトキシナフタレン−1−オール(J.Org.Chem.、1995、60(5)、1267において記載されている方法に従って調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:328([M+H])。
【0376】
実施例II.62:エキソ−3−(5−ブロモナフタレン−1−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0377】
【化121】

【0378】
5−ブロモナフタレン−1−オール(J.Org.Chem.、1991、56(23)、6704において記載されている方法に従って調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:347([M+H])。
【0379】
実施例II.63:エキソ−3−(7−メトキシナフタレン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0380】
【化122】

MS(ESI)m/z:298([M+H])。
【0381】
実施例II.64:エキソ−3−(6−メトキシナフタレン−2−イルオキシ)−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
【0382】
【化123】

MS(ESI)m/z:298([M+H])。
【0383】
実施例II.65:エキソ−4−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)ナフタレン−2−オール
【0384】
【化124】

MS(ESI)m/z:284([M+H])。
【0385】
実施例II.66:エキソ−8−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)ナフタレン−2−オール
【0386】
【化125】

MS(ESI)m/z:284([M+H])。
【0387】
実施例II.67:エキソ−3−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)ナフタレン−1−オール
【0388】
【化126】

MS(ESI)m/z:284([M+H])。
【0389】
実施例II.68:エキソ−4−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)フェノール
【0390】
【化127】

MS(ESI)m/z:234([M+H])。
【0391】
実施例II.69:エキソ−3−(ビフェニル−3−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0392】
【化128】

MS(ESI)m/z:294([M+H])。
【0393】
手順III
実施例III.1:エンド−3−(3−ブロモ−2−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0394】
【化129】

【0395】
エキソ−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.41mmol)、(4,4−ジメチル−1,1−ジオキシド−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イル)トリフェニルホスホニウム(J.Org.Chem.、1994、59、2289において記載されているように調製したもの)(225mg、0.62mmol)および3−ブロモ−2−メチルフェノール(116mg、0.62mmol)を、ジクロロメタン(3mL)中に溶解した。反応混合物を、周囲温度において4時間撹拌し、続いてトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。撹拌を12時間継続した。揮発性物質を減圧下で蒸発させて、残留物をメタノール(1mL)中に溶解し、(希薄TFA/メタノールで処理した)SCXカートリッジに通してメタノールで洗浄し、次いで生成物をメタノール中の2Mのアンモニア溶液で溶離した。生成物を分取逆相LCMSでさらに精製して、エンド−3−(3−ブロモ−2−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩(14.4mg、8%)を得た。
【0396】
エンド−3−(3−ブロモ−2−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩に関するデータ:MS(ESI)m/z:310([M+H])。
【0397】
同様に以下を調製した。
【0398】
実施例III.2:エンド−3−(2−クロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0399】
【化130】

MS(ESI)m/z:252/254([M+H])。
【0400】
実施例III.3:エンド−3−(3−クロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0401】
【化131】

MS(ESI)m/z:252/254([M+H])。
【0402】
実施例III.4:エンド−3−(4−クロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0403】
【化132】

MS(ESI)m/z:252/254([M+H])。
【0404】
実施例III.5:エンド−3−(2,3−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0405】
【化133】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0406】
実施例III.6:エンド−3−(3,4−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0407】
【化134】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0408】
実施例III.7:エンド−3−(3,5−ジメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0409】
【化135】

MS(ESI)m/z:246([M+H])。
【0410】
実施例III.8:エンド−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0411】
【化136】

MS(ESI)m/z:297([M+H])。
【0412】
実施例III.9:エンド−3−(3−メトキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0413】
【化137】

MS(ESI)m/z:248([M+H])。
【0414】
実施例III.10:エンド−3−(3−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0415】
【化138】

MS(ESI)m/z:236([M+H])。
【0416】
実施例III.11:エンド−3−(4−メトキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0417】
【化139】

MS(ESI)m/z:232([M+H])。
【0418】
実施例III.12:エンド−3−(2,3−ジフルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0419】
【化140】

MS(ESI)m/z:254([M+H])。
【0420】
実施例III.13:エンド−3−(3−クロロ−4−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0421】
【化141】

MS(ESI)m/z:270([M+H])。
【0422】
実施例III.14:エンド−3−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル
【0423】
【化142】

MS(ESI)m/z:243([M+H])。
【0424】
実施例III.15:エンド−3−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0425】
【化143】

MS(ESI)m/z:266/268([M+H])。
【0426】
実施例III.16:エンド−3−(3,5−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0427】
【化144】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0428】
実施例III.17:エンド−3−(2,3,5−トリクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0429】
【化145】

MS(ESI)m/z:320([M+H])。
【0430】
実施例III.18:エンド−3−(3−フェノキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0431】
【化146】

MS(ESI)m/z:310([M+H])。
【0432】
実施例III.19:エンド−3−フェノキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0433】
【化147】

MS(ESI)m/z:218([M+H])。
【0434】
実施例III.20:エンド−3−(2,3−ジメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0435】
【化148】

MS(ESI)m/z:246([M+H])。
【0436】
手順IV
実施例IV.1:エキソ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0437】
【化149】

【0438】
ジメチルアゾジカルボキシレート(87mg、78μL、0.497mmol)を、液滴状でTHF(4mL)中のエンド−3−ヒドロキシ−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.414mmol)、トリフェニルホスフィン(130mg、0.497mmol)および3−フルオロ−4−メチルフェノール(63mg、0.497mmol)の溶液に加えた。反応混合物を、窒素雰囲気下、周囲温度において12時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去した。結果として得られたオイルを、ジクロロメタン(2mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応混合物を室温で12時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、粗製生成物をメタノール(4mL)中に溶解し、溶液をSCXカートリッジ(Phenomenex社製)に充填した。カートリッジをメタノール(20mL)で溶離してトリフェニルホスフィンオキシドを除去し、続いてメタノール中のアンモニア(2M、20mL)で溶離した。真空中で蒸発させることによって粗製生成物を得て、これを分取逆相LCMSでさらに精製して、エキソ−3−(3フルオロ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩(17mg、11%)を得た。
【0439】
エキソ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩に関するデータ:MS(ESI)m/z:260([M+H])。
【0440】
同様に以下を調製した。
【0441】
実施例IV.2:エキソ−3−(3,4−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0442】
【化150】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0443】
実施例IV.3:エキソ−3−(3−フェノキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0444】
【化151】

MS(ESI)m/z:310([M+H])。
【0445】
実施例IV.4:エキソ−3−(3−フェネチルオキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0446】
【化152】

【0447】
3−フェネチルオキシフェノール(SYNLETT、2003、7、997において記載されている方法に従って調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:338([M+H])。
【0448】
実施例IV.5:エキソ−3−(2,3−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0449】
【化153】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0450】
実施例IV.6:エキソ−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0451】
【化154】

MS(ESI)m/z:297([M+H])。
【0452】
実施例IV.7:エキソ−3−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル
【0453】
【化155】

MS(ESI)m/z:243([M+H])。
【0454】
実施例IV.8:エキソ−3−(3−メチル−5−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0455】
【化156】

【0456】
3−メチル−5−トリフルオロメチルフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:300([M+H])。
【0457】
実施例IV.9:エキソ−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0458】
【化157】

【0459】
4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:320([M+H])。
【0460】
実施例IV.10:エキソ−3−(2−メチル−3−トリフルオロメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0461】
【化158】

【0462】
2−メチル−3−トリフルオロメチルフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:300([M+H])。
【0463】
実施例IV.11:エキソ−3−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0464】
【化159】

【0465】
3−クロロ−2−メチルフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:266/268([M+H])。
【0466】
実施例IV.12:エキソ−3−(2−ブロモ−3−クロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0467】
【化160】

MS(ESI)m/z:331([M+H])。
【0468】
実施例IV.13:エキソ−3−(3−フルオロ−2−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0469】
【化161】

【0470】
3−フルオロ−2−メチルフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:250([M+H])。
【0471】
実施例IV.14:エキソ−3−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0472】
【化162】

MS(ESI)m/z:266/268([M+H])。
【0473】
実施例IV.15:エキソ−3−(4−クロロ−3−エチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0474】
【化163】

MS(ESI)m/z:280/282([M+H])。
【0475】
実施例IV.16:エキソ−3−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0476】
【化164】

MS(ESI)m/z:254([M+H])。
【0477】
実施例IV.17:エキソ−3−(3−クロロ−4−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0478】
【化165】

MS(ESI)m/z:270([M+H])。
【0479】
実施例IV.18:エキソ−3−(4−フルオロ−3−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0480】
【化166】

MS(ESI)m/z:250([M+H])。
【0481】
実施例IV.19:エキソ−3−(3−クロロ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0482】
【化167】

MS(ESI)m/z:266/268([M+H])。
【0483】
実施例IV.20:エキソ−3−(3,5−ジブロモフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0484】
【化168】

【0485】
3,5−ジブロモフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:376([M+H])。
【0486】
実施例IV.21:エキソ−3−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0487】
【化169】

MS(ESI)m/z:254([M+H])。
【0488】
実施例IV.22:エキソ−3−(3−ブロモ−2−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0489】
【化170】

【0490】
3−ブロモ−2−メチルフェノール(Synth.Comm.、1991、21、959〜964において記載されている方法に従って調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:311([M+H])。
【0491】
実施例IV.23:エキソ−3−(3,4−ジクロロ−2−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0492】
【化171】

【0493】
3,4−ジクロロ−2−フルオロフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:304([M+H])。
【0494】
実施例IV.24:エキソ−3−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0495】
【化172】

【0496】
3,4−ジクロロ−2−メチルフェノール(Tetrahedron、1998、54(12)、2953において記載されている方法に従って調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:300([M+H])。
【0497】
実施例IV.25:エキソ−3−(2,3−ジクロロ−4−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0498】
【化173】

【0499】
2,3−ジクロロ−4−フルオロフェノールから調製した。MS(ESI)m/z:304([M+H])。
【0500】
実施例IV.26:エキソ−3−フェノキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0501】
【化174】

MS(ESI)m/z:218([M+H])。
【0502】
実施例IV.27:エキソ−3−(3,5−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0503】
【化175】

MS(ESI)m/z:286([M+H])。
【0504】
実施例IV.28:エキソ−3−(3−ヨードフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0505】
【化176】

MS(ESI)m/z:344([M+H])。
【0506】
実施例IV.29:エキソ−3−(3−クロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0507】
【化177】

MS(ESI)m/z:252/254([M+H])。
【0508】
実施例IV.30:エキソ−3−(ナフタレン−1−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0509】
【化178】

MS(ESI)m/z:268([M+H])。
【0510】
実施例IV.31:エキソ−3−(ナフタレン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0511】
【化179】

MS(ESI)m/z:268([M+H])。
【0512】
実施例IV.32:エキソ−34−(7−メトキシナフタレン−1−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0513】
【化180】

【0514】
7−メトキシナフタレン−1−オール(J.Org.Chem.、1995、60(5)、1267において記載されている方法に従って調節したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:298([M+H])。
【0515】
実施例IV.33:エキソ−3−(3−メトキシナフタレン−1−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0516】
【化181】

【0517】
3−メトキシナフタレン−1−オール(Aust.J.Chem.、1993、46(5)、731において記載されているように調製したもの)から調製した。MS(ESI)m/z:298([M+H])。
【0518】
手順V
実施例V.1:エキソ−3−(3−エチル−5−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
a)エンド−3−メタンスルホニルオキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0519】
【化182】

【0520】
エンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(500mg、2.07mmol)の溶液とジクロロメタン(15mL)中のトリエチルアミン(316μL、2.3mmol)を、窒素ガス雰囲気下0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(260mg、203mmol)を液滴状で加え、反応混合物を周囲温度に温めて、12時間撹拌した。ジクロロメタンを減圧下蒸発させた。粗製生成物をヘプタンから再結晶化させて、標題の化合物(623mg、85%)を白色固体として得た。
【0521】
エンド−3−メタンスルホニルオキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステルに関するデータ:MS(ESI)m/z:220([MH−Boc])。
【0522】
b)エキソ−3−(3−エチル−5−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0523】
【化183】

【0524】
3−エチル−5−メチルフェノール(41mg、0.30mmol)を、無水DMF(1.5mL)中に溶解し、窒素ガスでパージした。水酸化ナトリウム(鉱物油15mg、0.60mmol中の60%懸濁物)を加え、結果として得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。DMF(0.5mL)中のエンド−3−メタンスルホニルオキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.30mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で12時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をジクロロメタン(3mL)中の50%トリフルオロ酢酸の溶液で処理し、1時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、粗製生成物をメタノール(4mL)中に溶解し、溶液をSCXカートリッジ(Phenomenex製)に充填した。カートリッジをメタノール(20mL)で洗浄し、続いてメタノール(2M、20mL)中のアンモニアを用いて溶離し、標題の化合物(27mg、35%)を得た。
【0525】
エキソ−3−(3−エチル−5−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンに関するデータ:MS(ESI)m/z:260([M+H])。
【0526】
同様に以下を調製した。
【0527】
実施例V.2:エキソ−3−(3−イソプロピル−5−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0528】
【化184】

MS(ESI)m/z:274([M+H])。
【0529】
実施例V.3:エキソ−3−(3,5−ジメチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0530】
【化185】

MS(ESI)m/z:246([M+H])。
【0531】
実施例V.4:エキソ−3−(3,5−ジメトキシフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0532】
【化186】

MS(ESI)m/z:278([M+H])。
【0533】
手順VI
実施例VI.1:エンド−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0534】
【化187】

【0535】
ジエチルアゾジカルボキシレート(0.13mL、0.82mmol)を、トリフェニルホスフィン(215mg、0.82mmol)、エンド−9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オール(J.Chem. Soc.、(Perkin Trans.1)、1997、1307において記載されている方法に従って調製したもの)(100mg、0.65mmol)およびTHF(4mL)中の3−ブロモフェノール(134mg、0.77mmol)の溶液に液滴状で加えた。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温において1時間撹拌した。揮発性物質を減圧下除去し、残留オイルをSCXで精製し、続いて分取逆相HPLCで精製してエンド−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩(8.3mg、4%)を得た。
【0536】
エンド−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩に関するデータ:MS(ESI)m/z:311([M+H])。
【0537】
同様に以下を調製した。
【0538】
実施例VI.2:エンド−3−(3,4−ジクロロフェノキシ)−9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0539】
【化188】

MS(ESI)m/z:300([M+H])。
【0540】
手順VII
実施例VII.1:エキソ−3−(3−プロプ−1−イニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
a)エキソ−3−(3−ヨードフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0541】
【化189】

【0542】
これは、エキソ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンに関して記載されている手順に従って調製し、その後Boc−保護基をトリフルオロ酢酸で除去した。
【0543】
b)エキソ−3−(3−プロプ−1−イニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0544】
【化190】

【0545】
エキソ−3−(3−ヨードフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.45mmol)、ClPd(PPh(40mg)、CuI(20mg)、ジイソプロピルアミン(1.5mL)およびDMF(0.5mL)の溶液に通して、プロピンガスを20秒間泡立てた。次いで反応混合物を、マイクロウェーブオーブン中120℃において10分間加熱した。反応混合物をろ過し、ジイソプロピルアミンを減圧下で除去した。粗製生成物を分取逆相LCMSによって精製し、エキソ−3−(3−プロプ−1−イニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。これをジクロロメタン(5mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)で12時間処理した。次いでこの生成物を分取逆相LCMSによって精製しエキソ−3−(3−プロプ−1−イニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩(34mg、20%)を得た。
【0546】
エキソ−3−(3−プロプ−1−イニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩に関するデータ:MS(ESI)m/z:256([M+H])。
【0547】
手順VIII
実施例VIII.1:エキソ−3−(3−エチニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
a)エキソ−3−(3−トリメチルシラニルエチニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0548】
【化191】

【0549】
トリメチルシリルアセチレン(0.24mL、1.72mmol)、エキソ−3−(3−ヨードフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(633mg、1.43mm1)、ClPd(PPh(90mg)、CuI(30mg)、ジイソプロピルアミン(4mL)およびDMF(1mL)を混合し、次いでマイクロウェーブオーブン中で120℃において15分間加熱した。反応混合物を蒸発させ、次いでジクロロメタン:10%クエン酸(水溶液)(10mL、1:1[v/v])の溶液中で撹拌した。次いで溶液を疎水性フリットに通し、ろ液をシリカゲル上で、EtOAc:ヘプタン(1:3、v/v)を溶離剤として用いてクロマトグラフィーにより精製した。これにより、エキソ−3−(3−トリメチルシラニルエチニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステルを、黄色のガム(480mg、81%)として得た。
【0550】
エキソ−3−(3−トリメチルシラニルエチニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステルに関するデータ:MS(ESI)m/z:414([M+H])。
【0551】
b)エキソ−3−(3−エチニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0552】
【化192】

【0553】
エキソ−3−(3−トリメチルシラニルエチニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(480mg、1.16mmol)を、メタノール(15mL)および炭酸カリウム(200mg、1.45 mmol)と周囲温度において24時間混合した。溶媒を減圧下蒸発させ、残留物をジクロロメタン(20mL)および水(10mL)と撹拌し、次いで疎水性フリットを通した。有機物をトリフルオロ酢酸(5mL)で処理し、12時間撹拌した。蒸発において、粗製生成物を分取逆相LCMSによって精製して標題の化合物のトリフルオロ酢酸塩を、白色の固体(232mg、56%0.65mmol)として得た。
【0554】
エキソ−3−(3−エチニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩に関するデータ:MS(ESI)m/z:241([M+H])。
【0555】
方法IX
実施例IX.1:エキソ−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−シクロプロピルメチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
【0556】
【化193】

【0557】
シアノホウ化水素ナトリウム(6.2mg、0.099mmol)を、撹拌しているシクロプロパンカルボキシアルデヒド(16.6μL、0.099mmol)、エキソ−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(28.5mg、0.086mmol)および無水THF(0.5mL)中の氷酢酸(15μL)の懸濁液に加え、反応混合物を周囲温度において18時間撹拌した。メタノール(0.5mL)を加え、揮発性物質を減圧下蒸発させた。粗製生成物を分取逆相HPLCによって精製して、エキソ−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−シクロプロピルメチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩(27mg、68%)を得た。
【0558】
エキソ−3−(3−ブロモフェノキシ)−9−シクロプロピルメチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナントリフルオロ酢酸塩に関するデータ:MS(ESI)m/z:351([M+H])。
【0559】
方法X
実施例X.1:エキソ−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)(3−クロロフェニル)アミン
【0560】
【化194】

【0561】
3−オキサ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.83mmol)(エンド−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オールおよびエンド−3−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製に関して記載されている方法に従って調製した、9−ベンジル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オンから調製したもの)および3−クロロアニリン(100mg、0.80mmol)を、ジクロロエタン:酢酸(2:1[v/v]、3mL)と混合し、周囲温度で24時間撹拌した。シアノホウ化水素ナトリウム(100mg、1.60mmol)を一度に加え、撹拌を1時間継続した。飽和NaHCO(水溶液)(5mL)を加え、続いてジクロロメタン(20mL)を加え、有機相を、疎水性フリットを用いて分離した。ジクロロメタン層を、トリフルオロ酢酸(2mL)を用いて12時間処理し、生成物の混合物を(希薄TFA/メタノールで処理した)SCXカートリッジに通して、メタノールで洗浄し、次いで生成物をメタノール中の2Mアンモニアの溶液を用いて溶離した。分取逆相HPLCによってさらに精製して、エキソ−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)(3−クロロフェニル)アミン(36mg、20%)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。
【0562】
エキソ−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3 −イル)(3−クロロフェニル)アミントリフルオロ酢酸塩に関するデータ:MS(ESI)m/z:251/253([M+H])。
【0563】
方法XI
モノアミン取り込みの分析
ドーパミンおよびセロトニンの取り込み阻害に関するインビトロ試験を、ヒトのドーパミン輸送体(hDAT)またはヒトのセロトニン輸送体(hSERT)を発現している、チャイニーズハムスター卵巣細胞中で行った。ノルアドレナリン取り込みの阻害に関するインビトロ試験を、ヒトのノルアドレナリン輸送体(hNET)を発現している、イヌ腎臓由来細胞(Madin Darby Canine Kidney Cells(MDCK))において行った。
【0564】
簡単言えば、適切なヒト輸送体を安定に過剰発現している細胞株を、標準的細胞培養技術により増殖させて蒔いた。蒔いた後、細胞は1日または2日付着したままにしておいた。試験および参照化合物の6点連続希釈(通常1E−5M〜1E−10M)を調製し、洗浄した細胞に加えて、ドーパミンまたはセロトニンの輸送体が過剰発現するために室温において、およびノルアドレナリンの過剰発現細胞のために37℃において5分間培養した。次に、最終濃度適切な神経伝達物質([H]−神経伝達物質と非標識の神経伝達物質との混合物)の20nMの最終濃度を加え、細胞を、ドーパミンもしくはセロトニン輸送体過剰発現細胞のために室温において3分間から5分間、またはノルアドレナリンの過剰発現細胞のために37℃において10分間培養した。分析の終了後、Microscint−20を細胞に直接加え、細胞によって取られた放射能の量をシンチレーション計数で推定した。
【0565】
モノアミン取り込みの阻害を表すEC50値は、標準的な曲線適合技法を用いて計算した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体
【化1】

[式中、
は、HまたはC1〜5アルキルであり;
Xは、OまたはNRであり、ここで、Rは、H、C1〜5アルキルまたはC2〜5アシルであり、
Arは、C6〜10アリールまたは5員から10員のヘテロアリール環系であり、これらの両方共、RからR(RからRは、ハロゲン、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、CN、NO、ヒドロキシ、フェニル、フェノキシおよびフェニルC1〜2アルコキシから独立に選択される。)の1つから3つにより場合によって置換されており、前記C1〜5アルキルおよびC1〜5アルコキシは、1つから3つのハロゲンにより場合によって置換されており、前記フェニル、フェノキシおよびフェニルC1〜2アルコキシは、ハロゲンおよびメチルから独立に選択される1つから3つの置換基により場合によって置換されており、または隣接位置におけるRからRの2つは一緒になって、メチレンジオキシまたはプロピレンユニットを形成し、但し、化合物エキソ−9−メチル−3−フェノキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンおよびN−(9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−1Hインダゾール−5−アミンは除外される。]
またはこの医薬として許容できる塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
がHまたはメチルである、請求項1に記載の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体。
【請求項3】
XがOである、請求項1または請求項2に記載の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体。
【請求項4】
Arが、クロロ、フルオロ、メチルおよびシアノから独立に選択される1つから2つの置換基により場合によって置換されたフェニルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体。
【請求項5】
Arが、ベンゾチエニル、ベンゾイソチアゾリルおよびピリジルから選択されるヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環は、クロロ、フルオロ、メチルおよびシアノから独立に選択される1つから2つの置換基により場合によって置換されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体。
【請求項6】
exo−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[d]イソチアゾール−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(3−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[b]チオフェン−7−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[b]チオフェン−6−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(ベンゾ[b]チオフェン−4−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(3,4−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(5,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(4,6−ジクロロピリジン−2−イルオキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(3−フルオロ−4−メチルフェノキシ)−9−アザビシクロ[.3.1]ノナン;
exo−3−(2,3−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン;
exo−3−(9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル;
exo−3−(3,5−ジクロロフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンおよび
exo−3−(3−プロプ−1−イニルフェノキシ)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン
から選択される、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体またはこの医薬として許容できる塩もしくは溶媒和物。
【請求項7】
治療において使用するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体。
【請求項8】
1つまたは複数の医薬として許容できる賦形剤と混合した、請求項1から6のいずれか一項に記載の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体を含む薬剤組成物。
【請求項9】
1つまたは複数のモノアミン神経伝達物質の再取り込み阻害が治療効果に寄与する疾患または障害の治療および予防のための薬物製造のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体の使用。
【請求項10】
前記薬物が、抑うつまたは疼痛の治療または予防のためのものである、請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2009−510026(P2009−510026A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532795(P2008−532795)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066896
【国際公開番号】WO2007/039563
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】