モバイル機器用光学指紋入力装置
【課題】 本発明は、厚さを薄くし、かつ、汗(水)または油のノイズを除去し、指紋映像の歪みを防止することができるので、モバイル機器に容易に適用できるモバイル機器用指紋入力装置を提供するためのものである。
【解決手段】 本発明は、モバイル機器用光学指紋入力装置に関するものであって、指紋入力装置は板状からなる指紋接触部材、歪みを補正する歪み補正部材、前記指紋接触部材で傾斜面とは異なる両側面に各々配列された光源または液晶表示素子内のバックライト光源、前記歪み補正部材の傾斜面側に設けられているフォーカシング手段及びイメージセンサーから構成される。即ち、各々設定された傾斜角を有する指紋接触部材と歪み補正部材をおいて汗(水)または油を区分することはもちろん、薄い指紋接触媒質を使用した場合の短所であった台形歪みを補正し、シリンドリカルレンズと球面レンズから構成されたレンズ系を形成して、イメージの横/縦比が調整できるようにしたものである。
【解決手段】 本発明は、モバイル機器用光学指紋入力装置に関するものであって、指紋入力装置は板状からなる指紋接触部材、歪みを補正する歪み補正部材、前記指紋接触部材で傾斜面とは異なる両側面に各々配列された光源または液晶表示素子内のバックライト光源、前記歪み補正部材の傾斜面側に設けられているフォーカシング手段及びイメージセンサーから構成される。即ち、各々設定された傾斜角を有する指紋接触部材と歪み補正部材をおいて汗(水)または油を区分することはもちろん、薄い指紋接触媒質を使用した場合の短所であった台形歪みを補正し、シリンドリカルレンズと球面レンズから構成されたレンズ系を形成して、イメージの横/縦比が調整できるようにしたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話のようなモバイル機器に適用可能な光学指紋入力装置に関し、より詳しくは、薄くて、イメージに歪みがなくて、かつ、解像度の高い指紋情報が取得できるようになされた光学指紋入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人間の生体情報のうち、指紋情報を獲得する方法には、指の指紋部位を紙に刷った後、スキャナーやカメラのような画像入力装置を利用する間接的な方法及び光学的な方法、そして電気場の原理を利用するような非光学的な方法がある。
【0003】
この中で、最も効率的で、かつ、普遍化した方法が光学的な方法であって、光学的に指紋を入力する装置は、図1に示すように、指の指紋部位に光を照らす光源1、この光源1から発生した光を拡散させる拡散板2、プリズム3、プリズムの指紋採取面3−aに形成される指紋を結像するレンズ4及びレンズ4に結像された指紋映像を電気的な信号に変換するイメージセンサー(Image Sensor)5から構成される。
【0004】
このような光学指紋入力装置は、プリズム3の指紋接触面3−aに指の指紋部位を接触させれば、光源1の光が指紋の溝と隆線で反射及び吸収され、このうち、反射された光がプリズム3に入射されてレンズ4に結像され、レンズ4に結像された光がイメージセンサー5に入射されることによって、指紋の映像を入力するようになされている。
【0005】
ところが、前記した従来の光学指紋入力装置は、プリズムの厚さによって機構の小型化に制限を受けることになるところ、他の機器と一体で構成することが困難である。
【0006】
ここに、プリズムを薄板状に作る場合、その厚さが薄いほど傾斜面の角度が大きくなりながら、これと比例して指紋映像の台形歪みが激しくなるので、特に携帯電話のように軽薄短小化を重要視するモバイル機器に適用できない問題点があった。また、携帯電話に適用の際、通話による手または顔の油が指紋接触部材に付くことになるが、この場合、油情報と指紋情報が区分できなくて、指紋認証が困難になる問題点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような従来技術の問題点を解消するために案出したものであって、厚さを薄くし、かつ、汗(水)または油のノイズを除去し、指紋映像の歪みを防止することができるので、モバイル機器に容易に適用できるモバイル機器用指紋入力装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係るモバイル機器用指紋入力装置は、光が透過できる材質であって、板状からなり、上側に指紋映像を入射受けるための入射面と、この入射面と接する一側に傾斜面が形成されている指紋入力部材と、光が透過できる材質であって、箱形態からなり、前記指紋入力部材の傾斜面に対向する入射面と、この入射面の反対側に前記指紋入力部材の傾斜面に対して逆方向に傾斜した傾斜面が形成されている歪み補正部材と、前記歪み補正部材の傾斜面から透過して出る指紋映像を結像する結像部と、前記結像部を通じて結像された指紋映像を入力受けて入力映像に相応する信号を発生するイメージセンサーと、を含んでなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記結像部が映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大するシリンドリカルレンズ及び、映像を結像する球面レンズを含んでなることを他の特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記指紋入力部材がモバイル機器の液晶表示素子の上部に配置することによって、モバイル機器の表示装置と一体化すると共に、光源として前記液晶表示素子用バックライトモジュールを共用で使用するように構成したことを更に他の特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記結像部から透過して出る指紋映像を遮断すると共に、モバイル機器の他側から入射される他の映像が前記イメージセンサーに入力されるようにする反射部材と、利用者の選択によって、前記反射部材を前記結像部と前記イメージセンサーとの間の光経路を遮断する地点と前記光経路を遮断しない地点との間で移動させる移動手段を更に含むことによって、1つのイメージセンサーを指紋入力とモバイル機器のカメラ用に共用化して使用できるように構成したことを更に他の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前述したように、本発明は、各々設定された傾斜角を有する指紋接触部材と歪み補正部材を置いて、光学指紋入力装置が薄くなることによって発生する台形歪みを補正し、シリンドリカルレンズと球面レンズとから構成されたレンズ系を形成してイメージの横/縦比率を調整したものである。また、指紋接触部材の設定角度を通じて、携帯電話に適用の際、指紋接触面に付くことになる汗(水)または油によるノイズが除去された指紋イメージのみを得るようにした。
【0013】
ここで、薄い厚さの光学指紋入力装置の短所を解決して指紋認証に必要な情報の損失を最小化し、使用するイメージセンサーの領域を設計によって設定できるので、高解像度指紋情報取得が可能である。
【0014】
また、薄い厚さの光学指紋入力装置の具現が可能であることによって、携帯電話のようなモバイル機器に適用が可能であり、指紋情報を利用することにより、既存のパスワードによる保安機能に代えることができるので、保安性が高まるという長所がある。
【0015】
また、本発明の他の実施形態によれば、単一のイメージセンサーを利用して指紋入力と携帯電話カメラを共に使用することができるので、携帯電話端末機の体積を減らし、構成を単純化させることができる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図2は、本発明の好ましい実施形態に係るモバイル機器用光学指紋入力装置の概略図であって、同図面を参照すれば分かるように、本発明に係るモバイル機器用光学指紋入力装置は、前記指紋入力部材10、光源20、歪み補正部材30、第1及び第2反射部材40、41、結像部50及びイメージセンサー60を含んで構成される。
【0018】
前記指紋入力部材10は、光が透過できる材質(例えば、ガラスまたはプラスチック等)を板状で薄く加工し、指(F)の指紋映像を上側の入射面11とこの入射面11に接する一側に第1設定角度(α)で傾斜した傾斜面12が形成されている。
【0019】
ここで、指紋入力部材10の傾斜面12側の角度(α)は、傾斜面から透過して出る指紋映像が汗(水)または油などのノイズが区分された指紋イメージのみ出るように設定される。
【0020】
前記光源20は、指紋入力部材10の入射面11に向けて光を均等に発散するものであって、モバイル機器で液晶表示素子用として使われるバックライトモジュールを使用することができる。
【0021】
即ち、モバイル機器の液晶表示素子の上部に配置することによって、モバイル機器の表示装置と一体化すると共に、光源として前記液晶表示素子用バックライトモジュールを共用に使用することができる。
【0022】
他の例として、図3の(a)及び(b)に示すように、バックライトモジュールとは別に指紋入力部材10の両側面に複数個の点光源21a〜21dを配置して使用することができる。
【0023】
前記歪み補正部材30は、光が透過できる材質(例えば、ガラス、プラスチック等)であって、箱形態からなり、指紋入力部材10の傾斜面12に対向する入射面31とこの入射面31の反対側に第2設定角度(β)で傾斜した傾斜面32が形成されている。
【0024】
ここで、歪み補正部材30の傾斜面32側の傾斜方向は、指紋入力部材10の傾斜面12の傾斜方向に対して逆方向に形成することによって、指紋入力部材10の傾斜面12から透過して出る指紋映像の台形歪みを補正するようになされている。
【0025】
前記第1及び第2反射部材41、42は、歪み補正部材30の傾斜面32から透過して出る指紋映像、即ち、光の進行方向を転換する。
【0026】
前記結像部50は、映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大するシリンドリカルレンズ(Cylinderical Lens)51と映像を結像する球面レンズ52をモジュール化したものである。
【0027】
参考に、前記シリンドリカルレンズ51は、円筒形のレンズを縦軸方向に切断した形態を有するレンズであって、その配列方向によって映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大する特徴を有する。
【0028】
本発明では、歪み補正部材30を透過して出た指紋映像の横方向を縮小したり、縦方向を拡大するようにシリンドリカルレンズ51が配列される。
【0029】
即ち、指の指紋は横方向に長くて、縦方向は相対的に狭い形態を有するが、このように、横/縦比が異なる指紋映像がそのままイメージセンサー60に入力される場合、イメージセンサー60の撮像面には上下方向に指紋映像が入力されない空白が生じることになる。
【0030】
前記イメージセンサー60の撮像面発生する空白は利用されない空間になるが、多くのイメージセンサー60は半導体素子からなっており、このような半導体素子は単位面積当たり製造費用が非常に高い特徴があるので、利用されない撮像面は大きい浪費の要素となる。
【0031】
他の一方、横/縦比が異なる指紋映像がそのままイメージセンサー60に入力される場合、指紋情報領域を受け入れるイメージセンサーのピクセル数が少なくなるので、指紋情報の分解能が低下する。
【0032】
ここに、本発明では、シリンドリカルレンズ51を利用して指紋映像を横方向に縮小したり、縦方向に拡張させて、イメージセンサー60の撮像面に一杯になるように映像が入力されるようにした。
【0033】
前記イメージセンサー60は、前記結像部50を通じて結像された指紋映像を入力受けて、入力映像に相応する信号を発生して出力する。例えば、前記イメージセンサー60としては、相補性金属酸化膜(Complementary Metal-Oxide-Semicon- doctor;“CMOS”)方式の撮像素子であったり、固体撮像素子(Charge Coupled Device;“CCD”)等が利用できるが、この中で、相補性金属酸化膜方式の撮像素子を利用することが好ましい。
【0034】
以下、前記した本発明の装置において、指紋入力部材10により汗(水)または油が区分される作用原理について説明する。
【0035】
光が入射される媒質の屈折率が透過する媒質の屈折率より大きい場合、図4において、光経路1に沿って屈折して進む。しかしながら、入射各(θi)が任意の角以後は媒質の外に屈折して透過する光がなくなる。この現状を内部全反射されたとし、この時の角度を臨界角とし、境界面をなす両媒質の屈折率により決まる。
【0036】
臨界角は屈折角であるθt=90゜である時の入射各θiをいい、下記の数1式に示すようなスネルの法則(Snell's law)による公式を適用することができる。
【0037】
【数1】
【0038】
上記の数1式において、niは入射される媒質の屈折率、ntは透過される媒質の屈折率、θiは入射角、そしてθtは透過角(または、屈折角という)である。即ち、屈折率の異なる媒質内で光の進行はスネルの法則によりその最大角度が決まる。図5のように、指紋接触媒質に汗や油が付いた指を接触する際、指紋の溝(V)部分では光の反射がなくて、隆線(R)では反射されて、光経路(3)に沿って指紋情報が進行する。そして、汗(M)または油(M)で反射された光は、スネルの法則により光経路(2)に進行し、この際、光経路(2)より大きい角度には進行できない。したがって、光経路(3)に沿う指紋情報のみを受け入れるならば、汗または油による残像を除去することができる。したがって、指紋入力部材10の傾斜面12側の設定角度(α)は、前記光経路(3)に沿う指紋情報のみイメージセンサーとして入射されるように設定する。
【0039】
以下、前記した本発明の装置において、指紋入力部材10により台形で歪まれた指紋イメージが歪み補正部材30により補正される作用原理について説明する。
【0040】
図6に示すように、物体の線分(イ)’、(ロ)’が光軸に対してレンズとなす距離が異なると、レンズを通過したイメージは線分(イ)”、(ロ)”に台形歪みを形成して結像される。
【0041】
この台形歪みは物体と光軸がなす角が小さくなるほど大きくなる。即ち、指紋入力部材10の厚さが薄くなるためには、この角が小さくなるしかなくて、それだけ台形歪みが大きくなることになって、結果的に、縦長に比べて横長の長い台形イメージとなる。
【0042】
この指紋イメージは、歪み補正部材30を通過しながら台形歪みが補正されるが、これに対する原理は次の通りである。
【0043】
図7に示すように、指紋入力部材の入射面に置かれた物体の線分(イ)、(ロ)は、観察者に線分(イ)’、(ロ)’の位置にいるように見え、プリズム内に生じた物体を虚像とする。
【0044】
このような虚像が生じる位置は、図8a及び図8bに示すように、水中に物体があって、空気中に観察者があれば、その物体の位置は実際の深さより浮かんでいるように見えることになり、反対に、水中から見る空気中の物体は実際の位置より遠くあるように見えることになる。
【0045】
また、物体の位置は観察者と水面とがなす角度及び両媒質の屈折率にも影響を受ける。このような点を利用して歪み補正部材30の厚さ、角度、屈折率の設定によって、台形歪みを補正することができる。
【0046】
また、虚像の位置は次のように決まる。図9のように、媒質の境界面からsの深さにいる物体(Q)は境界面の外から見る観察者にはs’の位置にいるように見える。屈折する光の経路と光軸とがなす角度をφとし、虚像( Q ’)の光経路と光軸とがなす角度を(φ’)とすれば、この際、虚像(Q’)の位置は下記の数2式のように表す。
【0047】
【数2】
【0048】
前記数2式の(1)にスネルの法則(Snell's law)を代入すれば、次の数3式が誘導され、虚像(Q’) が媒質の境界面となす距離(s’)が出る。
【0049】
【数3】
【0050】
前記のような原理により、指紋映像の入射面、即ち、指紋入力部材10の入射面11がイメージセンサー60に対して垂直した光軸に置かれなくても歪み補正部材30による屈折率及び虚像の位置を考慮して歪み補正部材30の傾斜面32に対する傾斜角度(β)を設定することで、指紋イメージの虚像が光軸と垂直に位置することになって、台形歪みをなくすことができる。
【0051】
図10は、図2に示す光学指紋入力装置を携帯電話に適用した例を示す図である。
【0052】
前記図10において、指紋入力部材10、光源20、歪み補正部材30、第1及び第2反射部材40、41、結像部50及びイメージセンサー60を携帯電話(H)本体内に内蔵し、かつ、指紋入力部材10を携帯電話(H)の液晶表示素子の上部に配置することによって、その光源として液晶表示素子用バックライトモジュールを共用に使用することができ、液晶表示素子の保護窓を別途に設置しないで、指紋入力部材10が液晶表示素子の保護窓を兼ねるようにすることができる。
【0053】
例えば、指紋入力機能を使用しない平常時には、図11aに示すように、携帯電話(H)の液晶表示素子を通じて一般的な携帯電話の機能を表示し、指紋入力機能を使用する場合は、図11bに示すように、液晶表示素子上に指紋入力部材10の指紋を入力受けるための領域に対応する指紋入力窓(FIW)を表示して指(F)の指紋部位を触れるように案内するようにすることができる。
【0054】
ここで、指紋入力窓(FIW)は、歪み補正部材30と第1及び第2反射部材40、41の設置位置によって、指紋入力部材10の面積内で左下段、右下段、中間部位、左上段、右上段等、その位置を多様に変更して指定することができる。
【0055】
上記のように、指紋入力部材10を液晶表示素子の上部に配置して一体化すれば、外部からは指紋入力装置が内蔵されたことを知らないので、保安性を高めることができる長所がある。
【0056】
一方、図12の(a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図であり、図13の(a)及び(b)は、図12の(a)及び(b)に示す光学指紋接触装置を携帯電話に適用した状態を示す図であって、本発明の他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置は、図2に示す本発明のモバイル機器用光学指紋入力装置を応用したものであって、1つのイメージセンサー60を通じて携帯電話のカメラ機能と指紋入力装置の指紋入力機能を共用化したものである。
【0057】
即ち、結像部50とイメージセンサー60との間に、携帯電話カメラ用映像入力モジュール100と、利用者の選択によって前記映像入力モジュール100を結像部50とイメージセンサー60との間の光経路を遮断する地点と前記光経路を遮断しない地点との間で移動させる移動手段を更に含む。
【0058】
前記映像入力モジュール100は、指紋入力部材10とは異なる方向から入力される映像(AI)の経路を転換するための反射部材110と映像を結像するためのレンズモジュール120とを一体化したものであって、平常時には、図12の(a)及び図13の(a)に示すように、結像部50とイメージセンサー60との間の光経路を遮断しない地点に位置する。
【0059】
この状態で、利用者が携帯電話用カメラを使用するために、携帯電話(H)のキーパネルなどを操作すれば、移動手段により、図12の(b)及び図13の(b)に示すように、映像入力モジュール100が結像部50とイメージセンサー60との間の光経路を遮断する地点へ移動するところ、指紋入力部材10とは異なる方向から入力される映像(AI)が映像入力モジュール100を通じてイメージセンサー60に入力される。即ち、イメージセンサー60が携帯電話カメラ用に使われるようになるのである。
【0060】
一方、図14の(a)及び(b)は、本発明の更に他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図であって、本発明の更に他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置は、前記した図12及び図13の装置と同様に、1つのイメージセンサー60を通じて携帯電話のカメラ機能と指紋入力装置の指紋入力機能を共用化したものであるが、相違点は携帯電話カメラ用の反射部材210と携帯電話カメラ用のレンズモジュール220を分離したものであって、レンズモジュール220は固定して、反射部材210を移動手段により移動するように構成したものである。
【0061】
前記において、本発明は特定の実施形態を例示して説明するが、本発明が前記実施形態に限るのではない。当業者は本発明に対する多様な変形及び修正を容易にさせることができ、このような変形または修正が本発明の特徴を利用する限り、本発明の範囲に含まれるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】従来の光学指紋入力装置に対する概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態に係るモバイル機器用光学指紋入力装置の概略図である。
【図3】図2に図示された指紋入力部材に対する光源の他の設置例を示す図である。
【図4】異種の媒質境界面で生じる光の屈折現状を説明するための図である。
【図5】汗(水)または油が区分される原理を説明するための図である。
【図6】台形歪みの形成原因を説明するための図である。
【図7】プリズム内に生じる虚像を説明するための図である。
【図8】虚像の形成原因を説明するための図である。
【図9】虚像が生じる原理を説明するための図である。
【図10】図2に示す光学指紋入力装置を携帯電話に適用した例を示す図である。
【図11】図10において、携帯電話の液晶表示装置を通じて携帯電話固有の表示機能と指紋入力機能を共に具現した状態を例示した図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図である。
【図13】図12の(a)及び(b)に示す光学指紋接触装置を携帯電話に適用した状態を示す図である。
【図14】本発明の又別の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図である。
【符号の説明】
【0063】
10 指紋入力部材
20 光源
30 歪み補正部材
40、41 反射部材
50 結像部
60 イメージセンサー
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話のようなモバイル機器に適用可能な光学指紋入力装置に関し、より詳しくは、薄くて、イメージに歪みがなくて、かつ、解像度の高い指紋情報が取得できるようになされた光学指紋入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人間の生体情報のうち、指紋情報を獲得する方法には、指の指紋部位を紙に刷った後、スキャナーやカメラのような画像入力装置を利用する間接的な方法及び光学的な方法、そして電気場の原理を利用するような非光学的な方法がある。
【0003】
この中で、最も効率的で、かつ、普遍化した方法が光学的な方法であって、光学的に指紋を入力する装置は、図1に示すように、指の指紋部位に光を照らす光源1、この光源1から発生した光を拡散させる拡散板2、プリズム3、プリズムの指紋採取面3−aに形成される指紋を結像するレンズ4及びレンズ4に結像された指紋映像を電気的な信号に変換するイメージセンサー(Image Sensor)5から構成される。
【0004】
このような光学指紋入力装置は、プリズム3の指紋接触面3−aに指の指紋部位を接触させれば、光源1の光が指紋の溝と隆線で反射及び吸収され、このうち、反射された光がプリズム3に入射されてレンズ4に結像され、レンズ4に結像された光がイメージセンサー5に入射されることによって、指紋の映像を入力するようになされている。
【0005】
ところが、前記した従来の光学指紋入力装置は、プリズムの厚さによって機構の小型化に制限を受けることになるところ、他の機器と一体で構成することが困難である。
【0006】
ここに、プリズムを薄板状に作る場合、その厚さが薄いほど傾斜面の角度が大きくなりながら、これと比例して指紋映像の台形歪みが激しくなるので、特に携帯電話のように軽薄短小化を重要視するモバイル機器に適用できない問題点があった。また、携帯電話に適用の際、通話による手または顔の油が指紋接触部材に付くことになるが、この場合、油情報と指紋情報が区分できなくて、指紋認証が困難になる問題点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような従来技術の問題点を解消するために案出したものであって、厚さを薄くし、かつ、汗(水)または油のノイズを除去し、指紋映像の歪みを防止することができるので、モバイル機器に容易に適用できるモバイル機器用指紋入力装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係るモバイル機器用指紋入力装置は、光が透過できる材質であって、板状からなり、上側に指紋映像を入射受けるための入射面と、この入射面と接する一側に傾斜面が形成されている指紋入力部材と、光が透過できる材質であって、箱形態からなり、前記指紋入力部材の傾斜面に対向する入射面と、この入射面の反対側に前記指紋入力部材の傾斜面に対して逆方向に傾斜した傾斜面が形成されている歪み補正部材と、前記歪み補正部材の傾斜面から透過して出る指紋映像を結像する結像部と、前記結像部を通じて結像された指紋映像を入力受けて入力映像に相応する信号を発生するイメージセンサーと、を含んでなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記結像部が映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大するシリンドリカルレンズ及び、映像を結像する球面レンズを含んでなることを他の特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記指紋入力部材がモバイル機器の液晶表示素子の上部に配置することによって、モバイル機器の表示装置と一体化すると共に、光源として前記液晶表示素子用バックライトモジュールを共用で使用するように構成したことを更に他の特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記結像部から透過して出る指紋映像を遮断すると共に、モバイル機器の他側から入射される他の映像が前記イメージセンサーに入力されるようにする反射部材と、利用者の選択によって、前記反射部材を前記結像部と前記イメージセンサーとの間の光経路を遮断する地点と前記光経路を遮断しない地点との間で移動させる移動手段を更に含むことによって、1つのイメージセンサーを指紋入力とモバイル機器のカメラ用に共用化して使用できるように構成したことを更に他の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前述したように、本発明は、各々設定された傾斜角を有する指紋接触部材と歪み補正部材を置いて、光学指紋入力装置が薄くなることによって発生する台形歪みを補正し、シリンドリカルレンズと球面レンズとから構成されたレンズ系を形成してイメージの横/縦比率を調整したものである。また、指紋接触部材の設定角度を通じて、携帯電話に適用の際、指紋接触面に付くことになる汗(水)または油によるノイズが除去された指紋イメージのみを得るようにした。
【0013】
ここで、薄い厚さの光学指紋入力装置の短所を解決して指紋認証に必要な情報の損失を最小化し、使用するイメージセンサーの領域を設計によって設定できるので、高解像度指紋情報取得が可能である。
【0014】
また、薄い厚さの光学指紋入力装置の具現が可能であることによって、携帯電話のようなモバイル機器に適用が可能であり、指紋情報を利用することにより、既存のパスワードによる保安機能に代えることができるので、保安性が高まるという長所がある。
【0015】
また、本発明の他の実施形態によれば、単一のイメージセンサーを利用して指紋入力と携帯電話カメラを共に使用することができるので、携帯電話端末機の体積を減らし、構成を単純化させることができる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図2は、本発明の好ましい実施形態に係るモバイル機器用光学指紋入力装置の概略図であって、同図面を参照すれば分かるように、本発明に係るモバイル機器用光学指紋入力装置は、前記指紋入力部材10、光源20、歪み補正部材30、第1及び第2反射部材40、41、結像部50及びイメージセンサー60を含んで構成される。
【0018】
前記指紋入力部材10は、光が透過できる材質(例えば、ガラスまたはプラスチック等)を板状で薄く加工し、指(F)の指紋映像を上側の入射面11とこの入射面11に接する一側に第1設定角度(α)で傾斜した傾斜面12が形成されている。
【0019】
ここで、指紋入力部材10の傾斜面12側の角度(α)は、傾斜面から透過して出る指紋映像が汗(水)または油などのノイズが区分された指紋イメージのみ出るように設定される。
【0020】
前記光源20は、指紋入力部材10の入射面11に向けて光を均等に発散するものであって、モバイル機器で液晶表示素子用として使われるバックライトモジュールを使用することができる。
【0021】
即ち、モバイル機器の液晶表示素子の上部に配置することによって、モバイル機器の表示装置と一体化すると共に、光源として前記液晶表示素子用バックライトモジュールを共用に使用することができる。
【0022】
他の例として、図3の(a)及び(b)に示すように、バックライトモジュールとは別に指紋入力部材10の両側面に複数個の点光源21a〜21dを配置して使用することができる。
【0023】
前記歪み補正部材30は、光が透過できる材質(例えば、ガラス、プラスチック等)であって、箱形態からなり、指紋入力部材10の傾斜面12に対向する入射面31とこの入射面31の反対側に第2設定角度(β)で傾斜した傾斜面32が形成されている。
【0024】
ここで、歪み補正部材30の傾斜面32側の傾斜方向は、指紋入力部材10の傾斜面12の傾斜方向に対して逆方向に形成することによって、指紋入力部材10の傾斜面12から透過して出る指紋映像の台形歪みを補正するようになされている。
【0025】
前記第1及び第2反射部材41、42は、歪み補正部材30の傾斜面32から透過して出る指紋映像、即ち、光の進行方向を転換する。
【0026】
前記結像部50は、映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大するシリンドリカルレンズ(Cylinderical Lens)51と映像を結像する球面レンズ52をモジュール化したものである。
【0027】
参考に、前記シリンドリカルレンズ51は、円筒形のレンズを縦軸方向に切断した形態を有するレンズであって、その配列方向によって映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大する特徴を有する。
【0028】
本発明では、歪み補正部材30を透過して出た指紋映像の横方向を縮小したり、縦方向を拡大するようにシリンドリカルレンズ51が配列される。
【0029】
即ち、指の指紋は横方向に長くて、縦方向は相対的に狭い形態を有するが、このように、横/縦比が異なる指紋映像がそのままイメージセンサー60に入力される場合、イメージセンサー60の撮像面には上下方向に指紋映像が入力されない空白が生じることになる。
【0030】
前記イメージセンサー60の撮像面発生する空白は利用されない空間になるが、多くのイメージセンサー60は半導体素子からなっており、このような半導体素子は単位面積当たり製造費用が非常に高い特徴があるので、利用されない撮像面は大きい浪費の要素となる。
【0031】
他の一方、横/縦比が異なる指紋映像がそのままイメージセンサー60に入力される場合、指紋情報領域を受け入れるイメージセンサーのピクセル数が少なくなるので、指紋情報の分解能が低下する。
【0032】
ここに、本発明では、シリンドリカルレンズ51を利用して指紋映像を横方向に縮小したり、縦方向に拡張させて、イメージセンサー60の撮像面に一杯になるように映像が入力されるようにした。
【0033】
前記イメージセンサー60は、前記結像部50を通じて結像された指紋映像を入力受けて、入力映像に相応する信号を発生して出力する。例えば、前記イメージセンサー60としては、相補性金属酸化膜(Complementary Metal-Oxide-Semicon- doctor;“CMOS”)方式の撮像素子であったり、固体撮像素子(Charge Coupled Device;“CCD”)等が利用できるが、この中で、相補性金属酸化膜方式の撮像素子を利用することが好ましい。
【0034】
以下、前記した本発明の装置において、指紋入力部材10により汗(水)または油が区分される作用原理について説明する。
【0035】
光が入射される媒質の屈折率が透過する媒質の屈折率より大きい場合、図4において、光経路1に沿って屈折して進む。しかしながら、入射各(θi)が任意の角以後は媒質の外に屈折して透過する光がなくなる。この現状を内部全反射されたとし、この時の角度を臨界角とし、境界面をなす両媒質の屈折率により決まる。
【0036】
臨界角は屈折角であるθt=90゜である時の入射各θiをいい、下記の数1式に示すようなスネルの法則(Snell's law)による公式を適用することができる。
【0037】
【数1】
【0038】
上記の数1式において、niは入射される媒質の屈折率、ntは透過される媒質の屈折率、θiは入射角、そしてθtは透過角(または、屈折角という)である。即ち、屈折率の異なる媒質内で光の進行はスネルの法則によりその最大角度が決まる。図5のように、指紋接触媒質に汗や油が付いた指を接触する際、指紋の溝(V)部分では光の反射がなくて、隆線(R)では反射されて、光経路(3)に沿って指紋情報が進行する。そして、汗(M)または油(M)で反射された光は、スネルの法則により光経路(2)に進行し、この際、光経路(2)より大きい角度には進行できない。したがって、光経路(3)に沿う指紋情報のみを受け入れるならば、汗または油による残像を除去することができる。したがって、指紋入力部材10の傾斜面12側の設定角度(α)は、前記光経路(3)に沿う指紋情報のみイメージセンサーとして入射されるように設定する。
【0039】
以下、前記した本発明の装置において、指紋入力部材10により台形で歪まれた指紋イメージが歪み補正部材30により補正される作用原理について説明する。
【0040】
図6に示すように、物体の線分(イ)’、(ロ)’が光軸に対してレンズとなす距離が異なると、レンズを通過したイメージは線分(イ)”、(ロ)”に台形歪みを形成して結像される。
【0041】
この台形歪みは物体と光軸がなす角が小さくなるほど大きくなる。即ち、指紋入力部材10の厚さが薄くなるためには、この角が小さくなるしかなくて、それだけ台形歪みが大きくなることになって、結果的に、縦長に比べて横長の長い台形イメージとなる。
【0042】
この指紋イメージは、歪み補正部材30を通過しながら台形歪みが補正されるが、これに対する原理は次の通りである。
【0043】
図7に示すように、指紋入力部材の入射面に置かれた物体の線分(イ)、(ロ)は、観察者に線分(イ)’、(ロ)’の位置にいるように見え、プリズム内に生じた物体を虚像とする。
【0044】
このような虚像が生じる位置は、図8a及び図8bに示すように、水中に物体があって、空気中に観察者があれば、その物体の位置は実際の深さより浮かんでいるように見えることになり、反対に、水中から見る空気中の物体は実際の位置より遠くあるように見えることになる。
【0045】
また、物体の位置は観察者と水面とがなす角度及び両媒質の屈折率にも影響を受ける。このような点を利用して歪み補正部材30の厚さ、角度、屈折率の設定によって、台形歪みを補正することができる。
【0046】
また、虚像の位置は次のように決まる。図9のように、媒質の境界面からsの深さにいる物体(Q)は境界面の外から見る観察者にはs’の位置にいるように見える。屈折する光の経路と光軸とがなす角度をφとし、虚像( Q ’)の光経路と光軸とがなす角度を(φ’)とすれば、この際、虚像(Q’)の位置は下記の数2式のように表す。
【0047】
【数2】
【0048】
前記数2式の(1)にスネルの法則(Snell's law)を代入すれば、次の数3式が誘導され、虚像(Q’) が媒質の境界面となす距離(s’)が出る。
【0049】
【数3】
【0050】
前記のような原理により、指紋映像の入射面、即ち、指紋入力部材10の入射面11がイメージセンサー60に対して垂直した光軸に置かれなくても歪み補正部材30による屈折率及び虚像の位置を考慮して歪み補正部材30の傾斜面32に対する傾斜角度(β)を設定することで、指紋イメージの虚像が光軸と垂直に位置することになって、台形歪みをなくすことができる。
【0051】
図10は、図2に示す光学指紋入力装置を携帯電話に適用した例を示す図である。
【0052】
前記図10において、指紋入力部材10、光源20、歪み補正部材30、第1及び第2反射部材40、41、結像部50及びイメージセンサー60を携帯電話(H)本体内に内蔵し、かつ、指紋入力部材10を携帯電話(H)の液晶表示素子の上部に配置することによって、その光源として液晶表示素子用バックライトモジュールを共用に使用することができ、液晶表示素子の保護窓を別途に設置しないで、指紋入力部材10が液晶表示素子の保護窓を兼ねるようにすることができる。
【0053】
例えば、指紋入力機能を使用しない平常時には、図11aに示すように、携帯電話(H)の液晶表示素子を通じて一般的な携帯電話の機能を表示し、指紋入力機能を使用する場合は、図11bに示すように、液晶表示素子上に指紋入力部材10の指紋を入力受けるための領域に対応する指紋入力窓(FIW)を表示して指(F)の指紋部位を触れるように案内するようにすることができる。
【0054】
ここで、指紋入力窓(FIW)は、歪み補正部材30と第1及び第2反射部材40、41の設置位置によって、指紋入力部材10の面積内で左下段、右下段、中間部位、左上段、右上段等、その位置を多様に変更して指定することができる。
【0055】
上記のように、指紋入力部材10を液晶表示素子の上部に配置して一体化すれば、外部からは指紋入力装置が内蔵されたことを知らないので、保安性を高めることができる長所がある。
【0056】
一方、図12の(a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図であり、図13の(a)及び(b)は、図12の(a)及び(b)に示す光学指紋接触装置を携帯電話に適用した状態を示す図であって、本発明の他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置は、図2に示す本発明のモバイル機器用光学指紋入力装置を応用したものであって、1つのイメージセンサー60を通じて携帯電話のカメラ機能と指紋入力装置の指紋入力機能を共用化したものである。
【0057】
即ち、結像部50とイメージセンサー60との間に、携帯電話カメラ用映像入力モジュール100と、利用者の選択によって前記映像入力モジュール100を結像部50とイメージセンサー60との間の光経路を遮断する地点と前記光経路を遮断しない地点との間で移動させる移動手段を更に含む。
【0058】
前記映像入力モジュール100は、指紋入力部材10とは異なる方向から入力される映像(AI)の経路を転換するための反射部材110と映像を結像するためのレンズモジュール120とを一体化したものであって、平常時には、図12の(a)及び図13の(a)に示すように、結像部50とイメージセンサー60との間の光経路を遮断しない地点に位置する。
【0059】
この状態で、利用者が携帯電話用カメラを使用するために、携帯電話(H)のキーパネルなどを操作すれば、移動手段により、図12の(b)及び図13の(b)に示すように、映像入力モジュール100が結像部50とイメージセンサー60との間の光経路を遮断する地点へ移動するところ、指紋入力部材10とは異なる方向から入力される映像(AI)が映像入力モジュール100を通じてイメージセンサー60に入力される。即ち、イメージセンサー60が携帯電話カメラ用に使われるようになるのである。
【0060】
一方、図14の(a)及び(b)は、本発明の更に他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図であって、本発明の更に他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置は、前記した図12及び図13の装置と同様に、1つのイメージセンサー60を通じて携帯電話のカメラ機能と指紋入力装置の指紋入力機能を共用化したものであるが、相違点は携帯電話カメラ用の反射部材210と携帯電話カメラ用のレンズモジュール220を分離したものであって、レンズモジュール220は固定して、反射部材210を移動手段により移動するように構成したものである。
【0061】
前記において、本発明は特定の実施形態を例示して説明するが、本発明が前記実施形態に限るのではない。当業者は本発明に対する多様な変形及び修正を容易にさせることができ、このような変形または修正が本発明の特徴を利用する限り、本発明の範囲に含まれるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】従来の光学指紋入力装置に対する概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態に係るモバイル機器用光学指紋入力装置の概略図である。
【図3】図2に図示された指紋入力部材に対する光源の他の設置例を示す図である。
【図4】異種の媒質境界面で生じる光の屈折現状を説明するための図である。
【図5】汗(水)または油が区分される原理を説明するための図である。
【図6】台形歪みの形成原因を説明するための図である。
【図7】プリズム内に生じる虚像を説明するための図である。
【図8】虚像の形成原因を説明するための図である。
【図9】虚像が生じる原理を説明するための図である。
【図10】図2に示す光学指紋入力装置を携帯電話に適用した例を示す図である。
【図11】図10において、携帯電話の液晶表示装置を通じて携帯電話固有の表示機能と指紋入力機能を共に具現した状態を例示した図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図である。
【図13】図12の(a)及び(b)に示す光学指紋接触装置を携帯電話に適用した状態を示す図である。
【図14】本発明の又別の実施形態に係るモバイル機器用光学指紋接触装置の概略図である。
【符号の説明】
【0063】
10 指紋入力部材
20 光源
30 歪み補正部材
40、41 反射部材
50 結像部
60 イメージセンサー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル機器用光学指紋入力装置であって、
光が透過できる材質であって、板状からなり、上側に指紋映像を入射受けるための入射面と、この入射面と接する一側に傾斜面が形成されている指紋入力部材と、
光が透過できる材質であって、箱形態からなり、前記指紋入力部材の傾斜面に対向する入射面と、この入射面の反対側に前記指紋入力部材の傾斜面に対して逆方向に傾斜した傾斜面が形成されている歪み補正部材と、
前記歪み補正部材の傾斜面から透過して出る指紋映像を結像する結像部と、
前記結像部を通じて結像された指紋映像を入力受けて、入力映像に相応する信号を発生するイメージセンサーと、
を含んでなることを特徴とするモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項2】
前記結像部は、映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大するシリンドリカルレンズ及び、映像を結像する球面レンズを含んでなることを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項3】
前記結像部は、光の方向を転換するための手段を更に含んでなることを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項4】
前記指紋入力部材は、モバイル機器の液晶表示素子の上部に配置することによって、モバイル機器の表示装置と一体化すると共に、光源として前記液晶表示素子用バックライトモジュールを共用で使用するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項5】
前記指紋入力部材の傾斜面角度は、汗(水)または油を区分するように設定することを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項6】
前記結像部から透過して出る指紋映像を遮断すると共に、モバイル機器の他側から入射される他の映像が前記イメージセンサーに入力されるようにする反射部材と、
利用者の選択によって、前記反射部材を前記結像部と前記イメージセンサーとの間の光経路を遮断する地点と前記光経路を遮断しない地点間で移動させる移動手段を更に含むことによって、1つのイメージセンサーを指紋入力とモバイル機器のカメラ用に共用化して使用できるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のうち、いずれか1項に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項7】
前記反射部材は、モバイル機器の他側から入力される他の映像を結像するレンズモジュールと一体で構成して、前記移動手段により前記反射部材と前記レンズモジュールが共に移動するようになったことを特徴とする請求項6に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項1】
モバイル機器用光学指紋入力装置であって、
光が透過できる材質であって、板状からなり、上側に指紋映像を入射受けるための入射面と、この入射面と接する一側に傾斜面が形成されている指紋入力部材と、
光が透過できる材質であって、箱形態からなり、前記指紋入力部材の傾斜面に対向する入射面と、この入射面の反対側に前記指紋入力部材の傾斜面に対して逆方向に傾斜した傾斜面が形成されている歪み補正部材と、
前記歪み補正部材の傾斜面から透過して出る指紋映像を結像する結像部と、
前記結像部を通じて結像された指紋映像を入力受けて、入力映像に相応する信号を発生するイメージセンサーと、
を含んでなることを特徴とするモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項2】
前記結像部は、映像のいずれか一側方向の長さを縮小/拡大するシリンドリカルレンズ及び、映像を結像する球面レンズを含んでなることを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項3】
前記結像部は、光の方向を転換するための手段を更に含んでなることを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項4】
前記指紋入力部材は、モバイル機器の液晶表示素子の上部に配置することによって、モバイル機器の表示装置と一体化すると共に、光源として前記液晶表示素子用バックライトモジュールを共用で使用するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項5】
前記指紋入力部材の傾斜面角度は、汗(水)または油を区分するように設定することを特徴とする請求項1に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項6】
前記結像部から透過して出る指紋映像を遮断すると共に、モバイル機器の他側から入射される他の映像が前記イメージセンサーに入力されるようにする反射部材と、
利用者の選択によって、前記反射部材を前記結像部と前記イメージセンサーとの間の光経路を遮断する地点と前記光経路を遮断しない地点間で移動させる移動手段を更に含むことによって、1つのイメージセンサーを指紋入力とモバイル機器のカメラ用に共用化して使用できるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のうち、いずれか1項に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【請求項7】
前記反射部材は、モバイル機器の他側から入力される他の映像を結像するレンズモジュールと一体で構成して、前記移動手段により前記反射部材と前記レンズモジュールが共に移動するようになったことを特徴とする請求項6に記載のモバイル機器用光学指紋入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−527069(P2007−527069A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501700(P2007−501700)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002327
【国際公開番号】WO2005/086077
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506300888)セキュトロニクス インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002327
【国際公開番号】WO2005/086077
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506300888)セキュトロニクス インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
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