説明

モード/技術の制御のためのロケーション情報

【課題】マルチモード無線通信デバイスの動作モードを制御する方法を提供する。
【解決手段】マルチモード無線通信デバイスは、サービス停止状態に出合うときに、好ましいプロバイダデータベースと、関連する動作モードおよび動作技術とを決定するために、同じ場所に配置された自律的位置ロケーションレシーバによって提供されるロケーション情報を利用する。マルチモード無線通信デバイスは、サービス状態にある間に、そしてネットワーク内で獲得される間に、アクティブな好ましいプロバイダデータベースを利用することができる。マルチモード無線通信デバイスは、サービス停止状態にあるときにロケーションベースのモードおよび技術の制御を開始することができる。マルチモード無線通信デバイスは、そのロケーションを決定し、そしてそのロケーションに基づいて好ましいプロバイダデータベースを決定するためにデータベースにアクセスする。

【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
モバイル無線通信デバイスは、一般的に厳しいチャネル状態の下で動作する。モバイル無線通信デバイスは、特定の通信システム内のアクティブな通信リンクを獲得するまたは維持するデバイスの能力に影響を及ぼす深いチャネルフェード部(deep channel fades)を横切ることもある。
【0002】
モバイル無線通信デバイスをサポートする通信システムは、システムとのアクティブな通信リンクを獲得すること、または維持することからモバイル無線通信デバイスの能力にさらに影響を及ぼす限られた地理的エリア上で展開されることもある。セルラー電話通信システムなど、いくつかの通信システムは、実質的に国全体、または大陸全体の上で展開され得るが、カバレッジホール(coverage holes)が、そのシステムの中に存在する可能性がある。さらに、現在では、世界中で展開されるセルラー電話無線通信システムは存在していない。サービスプロバイダは、例えば、異なる国の中で採用される異なる通信規格、地域または国の内部でスペクトルライセンスを得ることができないこと、あるいは世界中のシステムを展開することに関連するコストに起因して、世界中のネットワークを装備すること(populating)から制限されることもある。
【0003】
モバイル無線通信デバイスは、カバレッジホールの可能性に対処するためと同様に、多数の国のサポートを提供するために、マルチモード無線通信デバイスとしてインプリメントされることができる。マルチモード無線通信デバイスは、様々な動作帯域にチューニングし、そして様々な技術をサポートするようにそれ自体を再構成する能力を有することができる。しかしながら、複数の技術をサポートする能力と、複数の技術の少なくともサブセットからの複数の動作帯域をサポートする能力とは、マルチモード無線通信デバイスについての潜在的な獲得問題(acquisition problems)を作り出す。
【0004】
モバイル無線通信デバイスは、一般的にバッテリ駆動である。バッテリ寿命と一般的に称される、特定のバッテリコンフィギュレーションによってサポートされるモバイル無線通信デバイスのサービス時間を伸ばすことは、拡張された束縛のない(untethered)通信アクセスについてのユーザの要求を満足させる際に重要である。特定の動作帯域内の特定の技術のシステム、または技術を獲得しようと探索することと、試みることとは、いくつかの地理的地域においては無駄な努力になってしまう可能性がある。サポートされた通信システムを求めてスキャンすることと、獲得することとに関連する時間は、マルチモード無線通信デバイスがその上で通信することができる通信システムを最初に獲得するときに、望ましくない遅延を生成する可能性がある。さらに、サポートされた技術および動作帯域を通して、特定の通信システムを獲得しようと探索し、そして試みるプロセスは、不必要に電力を消費し、バッテリ寿命を低減させる可能性がある。
【0005】
マルチモード無線通信デバイスは、バッテリ寿命を伸ばす競合する要求の観点から多数のサポートされる技術と動作帯域との獲得と監視することとを管理することを必要とする。
【発明の概要】
【0006】
マルチモード無線通信デバイスは、サービス停止状態に出合うときに好ましいプロバイダデータベースと、関連する動作モードおよび動作技術とを決定するために、同一場所に配置された自律的位置ロケーションレシーバによって提供されるロケーション情報を利用する。マルチモード無線通信デバイスは、サービスの間に、そしてネットワーク内で獲得される間に、アクティブな好ましいプロバイダデータベースを利用することができる。マルチモード無線通信デバイスは、サービス停止状態にあるときにロケーションベースのモードおよび技術の制御を開始することができる。マルチモード無線通信デバイスは、そのロケーションを決定し、そしてそのロケーションに基づいて好ましいプロバイダデータベースを決定するためにデータベースにアクセスする。好ましいプロバイダデータベースは、使用可能なシステムの階層的リストと、システムを獲得し、そしてシステムに登録するための関連する情報とを提供する。マルチモード無線通信デバイスは、ロケーションベースのモードおよび技術の制御を使用して探索時間と関連する消費電力とを低減させる。
【0007】
本発明の態様は、マルチモード無線通信デバイスの動作モードを制御する方法を含んでいる。本方法は、サービス停止状態を決定することと、マルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを決定することと、地理的ロケーションに部分的に基づいてマルチモード無線通信デバイスを構成することと、を含む。
【0008】
本発明の態様は、マルチモード無線通信デバイスの動作モードを制御する方法を含んでいる。本方法は、サービス停止状態を決定することと;マルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを決定することと;地理的ロケーションに関連するあらかじめ決定された地理的地域を決定することと;地理的地域に基づいてモードテーブルを識別することと、なおモードテーブルは、マルチモード無線通信デバイスによってサポートされる複数の無線通信技術のうちの少なくとも1つの技術を識別する;モードテーブルのモード入力からモード情報を決定することと;モード情報に部分的に基づいてマルチモード無線通信デバイスによってサポートされる複数の無線通信技術のうちの1つについてマルチモード無線通信デバイスを構成することと;を含む。
【0009】
本発明の態様は、マルチモード無線通信のための装置を含んでいる。本装置は、再構成可能無線トランシーバと、地理的ロケーションを決定するように構成された測位システムレシーバと、複数の地理的地域を識別する情報と複数のモードのおのおのに関連した情報とを記憶するように構成されたモードデータベースと、モードデータベースにアクセスするように、そして地理的ロケーションに基づいてサポートされるモードを決定するように、そしてサポートされるモードについて再構成可能無線トランシーバを再構成するように、構成されたモードコントローラと、を含む。
【0010】
本発明の態様は、マルチモード無線通信のための装置を含んでいる。本装置は、サービス停止状態を決定するための手段と、マルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを決定するための手段と、地理的ロケーションに部分的に基づいてマルチモード無線通信デバイスを構成するための手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御を有するマルチモード無線通信デバイスを有するシステムの一実施形態についての簡略化された機能ブロック図である。
【図2】図2は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御を有する無線デバイスの一実施形態についての簡略化された機能ブロック図である。
【図3】図3は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御についてのデータの一実施形態についての簡略化された機能ブロック図である。
【図4】図4は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御の方法の一実施形態についての簡略化されたフローチャートである。
【詳細な説明】
【0012】
本開示の実施形態の特徴、目的、および利点は、図面と併せて解釈されるときに、下記で説明される詳細な説明からさらに明らかになり、これらの図面の中で、同様な要素は、同様な参照番号を有する。
【0013】
上記で説明されるように、マルチモード無線通信デバイスは、単一チップ上で複数の技術、例えば、CDMA、HDR、GSM(登録商標)、UMTS、およびWLANをサポートするように構成されることができる。これらの複数の技術についてのシステム選択は、獲得の速度とバッテリ寿命との間の良いバランスを達成するように試みるべきである。一例においては、オペレータは、北アメリカにおいては、CDMAとHDRとをサポートする可能性があり、そしてヨーロッパにおいては、GSM(登録商標)とUMTSとの上でローミングの契約を有する可能性がある。北アメリカにいる間には、マルチモード無線通信デバイスは、CDMAモードまたはHDRモードのうちの一方を獲得し、そして動作することが好ましいはずであり、そしてこれらの技術についてスキャンするように構成されているべきである。ユーザがヨーロッパへと旅する場合、同じマルチモード無線通信デバイスは、GSM(登録商標)モードおよびUMTSモードを獲得し、それらのモードで動作することが好ましく、そしてこれらの技術をスキャンするように構成されているべきである。サービス停止の間にすべてのサポートされる技術をスキャンすることは、再獲得性能とバッテリ寿命との両方の観点から非効率的である。スキャンすることは、フォアグラウンドで、またはバックグラウンドで起こり得るので、スキャンすることのために利用される処理時間と消費電力とは、ユーザには明らかでない可能性がある。上記の例においては、北アメリカにいる間にGSM(登録商標)およびUMTSについてのスキャンすることは、電力がかかるだけでなく、時間がUMTSおよびGSM(登録商標)についてスキャンすることに費やされるので、CDMAまたはHDRのサービスを獲得することを遅延させもする。
【0014】
ここにおいて説明される方法および装置は、サービス停止の状態またはステートにある間に、サービスを求めてスキャンすべきモードおよび技術を選択するために、位置ロケーションシステムから得られるロケーション情報を使用することを可能にする。スキャンすることは、フォアグラウンドにおいて、またはバックグラウンドオペレーションとして起こることができる。例えば、スキャンすることは、最初の獲得中にフォアグラウンドで起こる可能性があるが、隣接の、または候補の探索中などに、他の例ではバックグラウンドオペレーションとして実行されることができる。
【0015】
方法および装置は、マルチモードデバイスとの関連でここにおいて説明されるが、そのような方法および装置は、単一モードデバイスの性能を最適化するために使用されることができ、ここで、動作周波数(operating frequency)や動作帯域(operating band)など、信号モードに関連する動作パラメータ(operational parameters)は、地理的ロケーションに部分的に基づいて効率的に決定されることができる。
【0016】
マルチモード無線通信デバイスは、位置ロケーション機能を含むことができる。例えば、セルラー電話などの無線通信デバイスが、スタンドアロンのGPS機能を含むことが一般的である。マルチモード無線通信デバイスは、マルチモード無線通信デバイスが、現在の地理的ロケーションを得ることを可能にするために、例えば、GPS位置(GPS fixes)を使用することができる。マルチモード無線通信デバイスは、そのロケーションに存在する可能性が高い地理的ロケーションをサポートされた技術に関連づけるデータベースを用いて構成されることができる。
【0017】
電源投入時に、またはサービスを失うとすぐに、マルチモード無線通信デバイスは、その現在の地理的ロケーションを決定するためにローカルな位置ロケーション技術を使用することができる。マルチモード無線通信デバイスは、データベースにアクセスし、そしてその地理的ロケーションにおけるサービスをスキャンする技術のリストと、関連したコンフィギュレーション情報とを選択し、あるいはそれ以外の方法で決定することができる。決定された地理的ロケーションに動的にカスタマイズされた使用可能な技術を探索することにより、マルチモード無線通信デバイスは、地理的ロケーションにおいて使用可能である可能性が低い技術をスキャンするために必要とされる時間とリソースとをなくすることにより、バッテリパワーを節約し、そして応答時間を減少させる。マルチモード無線通信デバイスは、使用不可能な技術を再構成し、そしてスキャンする時間を浪費しないので、サービスの再獲得は、改善される。
【0018】
図1は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御を有するマルチモード無線通信デバイス150を有するシステム100の一実施形態の簡略化された機能ブロック図である。図1のシステム100は、GPS衛星測位に基づいた北アメリカにおけるサービスプロバイダを決定することとの関連で示され、そして説明されるが、その装置および方法は、特定の任意の地理的地域だけに限定されることもなく、またその位置ロケーション技法は、GPSだけに、あるいは衛星ベースの測位だけにさえも限定されることもない。
【0019】
マルチモード無線通信デバイス150は、地理的地域に位置づけられる。マルチモード無線通信デバイス150が、例えば、航空機による旅行の結果として、そのロケーションに最近になって到着している場合、デバイス150は、関連するネットワーク上で無線通信を確立するために、特定のサポートされるサービスプロバイダから最初に信号を獲得する必要がある可能性がある。最初の電源投入のすぐ後に、無線通信デバイス150は、サービス停止の状態またはステートにあると考えられうる。
【0020】
マルチモード無線通信デバイス150は、複数の動作帯域上で複数の技術を用いて動作する複数のサービスプロバイダをサポートする能力を有する。例えば、第1の無線ネットワークは、米国など第1の地理的地域をサポートすることができる。第1の無線ネットワークは、サポートされた地理的地域全体を通して配置された基地局120−1ないし120−nの第1の組を有することができる。
【0021】
第2の無線ネットワークは、第1の地理的地域とオーバーラップし、あるいは第1の地理的地域を含まない可能性がある第2の地理的地域をサポートすることができる。第2の無線ネットワークは、第2の地理的地域を通して位置づけられる基地局130−1ないし130−kの第2の組を有することができる。同様に、第3の無線ネットワークは、第2の無線ネットワークによってサポートされる同じ一般的地域内であるように図1に示される第3の地理的地域をサポートすることができる。第3の無線ネットワークは、第3の地理的地域を通して位置づけられる基地局134の第3の組を有することができる。同様に、第4の無線ネットワークは、第4の地理的地域をサポートすることができ、そして第4の地理的地域を通して位置づけられる基地局140の第4の組を有することができる。
【0022】
マルチモード無線通信デバイス150は、他の地理的地域における追加の無線ネットワークとの通信をサポートすることができる。図1に示される無線ネットワークと、関連する地理的地域との数は、例示的なものであり、ここにおいて説明される方法および装置に対するどのような限定を表することは意図されない。
【0023】
第1、第2、第3、および第4の無線ネットワークのおのおのは、例えば、異なる技術と、異なる動作帯域とを利用することができる。サービス停止状態にあるときに、マルチモード無線通信デバイス150は、あらかじめ決定された好ましいプロバイダ階層に応じて無線ネットワークをスキャンするように、そして獲得しようと試みるように構成されていることができる。しかしながら、あらかじめ決定された好ましいプロバイダ階層は、マルチモード無線通信デバイス150に提示されることができるサービスプロバイダおよび技術タイプにおける変化を考慮に入れていない。
【0024】
マルチモード無線通信デバイス150は、好ましいプロバイダ階層にリストアップされるシステムおよびシステムプロバイダをおそらく追加することと、削除することと、順序変更することとを含めて、好ましいプロバイダ階層を動的にアップデートするためにその地理的ロケーションの知識を利用することができる。好ましいプロバイダ階層の中にリストアップされるシステムおよびシステムプロバイダをアップデートすることにより、マルチモード無線通信デバイス150は、消費電力を同時に低減させながら、高速の獲得を容易にするためにスキャンすることと、獲得の試みとを最適化することができる。
【0025】
マルチモード無線通信デバイス150は、マルチモード無線通信デバイス150が、その地理的ロケーションを自律的に決定することを可能にする位置ロケーションレシーバを含むことができる。一例においては、マルチモード無線通信デバイス150は、衛星測位システム(satellite positioning system)(SPS)レシーバを含んでおり、そして複数のナビゲーション衛星から受信される信号に基づいてその地理的ロケーションを自律的に決定することができる。
【0026】
SPSレシーバは、既存の、または将来開発される位置ロケーションシステム、例えば、NAVSTARの全地球測位システム(Global Positioning System)(GPS)、ロシアのGLONASS測位システム、来るべき欧州のガリレオ(Galileo)測位システム、中国の提案されたCOMPASSナビゲーションシステム、インド地域ナビゲーション衛星システム(Indian Regional Navigational Satellite System)(IRNSS)など、またはそれらの組合せ、を使用して測位をサポートすることができる。ここにおいて使用されるように、SPSはまた、疑似衛星システム(pseudolite systems)を含むように理解されるであろう。SPSレシーバは、1つまたは複数のSPS衛星、110−1ないし110−4からの信号を受信し、そしてマルチモード無線通信デバイス150の地理的ロケーションを決定する。
【0027】
一例として、GPSを使用した位置測定は、周回軌道衛星110−1ないし110−4からマルチモード無線通信デバイス150内のGPSレシーバへとブロードキャストされるGPS信号の伝搬遅延時間の測定に基づいている。通常、4次元(緯度、経度、高度、および時間)における正確な位置決定のためには、4つの衛星からの信号の受信が必要とされる。ひとたびレシーバが、それぞれの信号伝搬遅延を測定した後に、各衛星に対する距離は、光の速度によって各遅延を乗算することにより、計算される。次いで、ロケーションと時刻とは、測定された距離と衛星の知られているロケーションとを組み込んだ、4つの未知数を有する4つの方程式の組を解くことによって見出される。GPSシステムの正確な能力は、各衛星についてのオンボード原子時計の手段によって、そして衛星時計と軌道パラメータとを絶えず監視し、そして訂正する地上追跡局によって維持される。
【0028】
各GPS衛星、例えば、110−1は、L−帯域において、直接シーケンス符号化スペクトル拡散信号(direct-sequence-coded spread spectrum signals)を送信する。L1信号と称される、衛星、110−1ないし110−4、のおのおのによって送信される信号は、直交位相で変調される2位相偏移変調(PSK)スペクトル拡散信号から成る。それらの信号は、P−コード信号(正確(precise)についてのP)と、C/A−コード信号(粗/獲得(coarse/acquisition)についてのC/A)とを含む。P−コード信号は、暗号化され、そして一般的に、商用ユーザと私的ユーザとのために使用可能ではない。
【0029】
C/Aコードは、キャリア上で変調されるビットの反復疑似ランダムシーケンスである。これらのコードのクロックに似た性質は、時間遅延測定を行う際にGPSレシーバによって利用される。各衛星についてのコードは、固有であり、レシーバが、たとえそれらがすべて同じキャリア周波数である可能性があるとしても、どの衛星が、与えられたコードを送信したかを区別することを可能にしている。各キャリア上へと変調されるのはまた、ナビゲーション計算のために必要とされるシステムステータスについての情報と衛星軌道パラメータとを含む50ビット/秒のデータストリームである。
【0030】
ひとたびマルチモード無線通信デバイス150の中のGPSレシーバが、4つの衛星110−1ないし110−4のおのおのに対する疑似距離を決定した後に、GPSレシーバは、地理的位置と、任意のローカルタイミングの不正確さとを解決することができる。マルチモード無線通信デバイス150は、地理的なロケーションまたは地域を好ましいプロバイダ階層の1つまたは複数のリストに関係づける無線モード/技術データベースにアクセスすることができる。次いで、マルチモード無線通信デバイス150は、マルチモード無線通信デバイス150の地理的ロケーションに基づいて検索される好ましいプロバイダのリストから提供される階層に応じて無線通信システムをスキャンし、そして獲得しようと試みることができる。
【0031】
正確な位置決定値(position fix)は、複数の好ましいプロバイダ階層のうちのどれがプロバイダの最適リストであるかを明確に識別することができるが、マルチモード無線通信デバイス150は、好ましいプロバイダの最適な、または改善されたリストを決定するために、必ずしも正確にその地理的ロケーションを識別する必要があるとは限らない。その代わりに、マルチモード無線通信デバイス150は、好ましいプロバイダの望ましいリストをより速く決定するために不確実な大きな地域を有する位置決定値を受け入れることができる。
【0032】
例えば、4つの衛星110−1ないし110−4からの信号を使用することは、マルチモード無線通信デバイス150が、約数メートルの精度を有する位置決定値を決定することを可能にすることができる。しかしながら、3つの衛星110−1ないし110−3からの信号に基づいた位置決定値を決定することは、GPS時間に関してローカルなタイミングの不正確さを解決するのに十分でないこともあるが、そのような不正確さは、好ましいプロバイダリストの選択に事実上どのような影響も及ぼさない可能性がある。3つの衛星110−1ないし110−3に基づいて位置決定値を獲得し、そして決定するために必要とされる時間は、4つの衛星110−1ないし110−4を使用して位置決定値を決定する時間よりも十分短くすることができる。
【0033】
衛星信号のさらなる減少は、結果としての位置決定値における地理的不確実性をさらに増大させてしまう可能性もある。例えば、単一衛星、例えば、110−1、からの信号は、マルチモード無線通信デバイス150が存在する半球の決定を可能にすることができるだけである。けれども、北アメリカ国有ネットワークなど、ある種の状況下では、そのような情報は、好ましいプロバイダリストと、そのリストからの好ましい技術および動作モードとの識別情報を解決するのに十分であることもある。実際に、好ましいプロバイダリストについてのそのような決定は、約数メートルの精度を有する位置決定値を使用した解決法と異ならないこともある。
【0034】
マルチモード無線通信デバイス150は、スキャンすることと獲得とが試みられる好ましいプロバイダのリストを明確に決定する十分な精度で位置決定(position fix)を行うために必要とされる衛星信号の数を減少させるために増加の情報または仮定を利用することができる。例えば、マルチモード無線通信デバイス150は、増加する情報を提供することができる1つまたは複数のローカルセンサを含むことができる。一例においては、マルチモード無線通信デバイス150は、マルチモード無線通信デバイス150が、その高度を決定することを可能にするセンサを含むことができる。別の例においては、マルチモード無線通信デバイス150は、位置決定値を決定するために解かれる必要がある変数を減少させるために、海水面や平均地球半径など、あらかじめ決定された高度の仮定を使用することができる。そのようなローカルな増加のデータまたは仮定の使用は、どの好ましいプロバイダリストがデータベースから検索されるかについてのほとんど、または全く影響のない位置決定値を決定する時間を短縮することができる。
【0035】
図2は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御を有するマルチモード無線通信デバイス150の一実施形態についての簡略化された機能ブロック図である。マルチモード無線通信デバイス150は、例えば、図1のシステムのマルチモード無線通信デバイスとすることができる。一例として、マルチモード無線通信デバイス150は、セルラー電話、無線端末、無線モデムなど、またはそれらの何らかの組合せとすることができる。
【0036】
マルチモード無線通信デバイス150は、再構成可能通信トランシーバに結合された第1のアンテナ202を含むことができる。一実施形態においては、再構成可能通信トランシーバは、周波数分割二重化(Frequency Division Duplex)(FDD)オペレーション、時分割二重化(Time Division Duplex)(TDD)オペレーション、それらの何らかの組合せなど、複数の二重化オペレーションのうちの任意の1つまたは複数をサポートするように再構成されていることができる。再構成可能通信トランシーバは、再構成可能受信フロントエンド232と、再構成可能送信フロントエンド234とを含むことができる。
【0037】
受信フロントエンド232と、送信フロントエンド234とのおのおのは、1つまたは複数の再構成可能なパラメータまたはモジュールを有することができる。例えば、受信フロントエンド232と、送信フロントエンド234とのおのおのは、その周波数が動作RF帯域を決定するプログラマブル局部発振器を利用することができる。さらに、受信フロントエンド232と、送信フロントエンド234とのおのおのは、1つまたは複数のプログラマブルフィルタを有することができ、この帯域幅は、アクティブにサポートされている技術に応じて変化する。
【0038】
再構成可能通信トランシーバは、再構成可能ベースバンドプロセッサ240に結合される。再構成可能ベースバンドプロセッサ240は、複数の技術のうちの任意の1つをサポートするように再構成されていることができる。例えば、ベースバンドプロセッサ240は、例えば、CDMA技術、HDR技術、GSM(登録商標)技術、UMTS技術、WLAN技術、LTE技術、またはWiMax技術の何らかの組合せをサポートするように構成されていることができる。
【0039】
ベースバンドプロセッサ240は、例えば、ディスプレイと、入力デバイスと、出力デバイスとを含むことができるユーザインターフェース250に結合されることができる。入力デバイスは、一般的に、キーボードまたはキーパッドと、マイクロフォンと、電気入力インターフェースと、を含む。出力デバイスは、一般的に、スピーカと、電気出力インターフェースと、オーディオ出力デバイスと、ビデオデバイス、テキストディスプレイ、ランプまたは他の光出力、それらの何らかの組合せなどの光出力デバイスと、を含む。いくつかの入力デバイスは、出力デバイスとしての機能を果たすこともできる。例えば、力フィードバックジョイスティックなどの触覚フィードバックデバイスは、入力デバイスと、出力デバイスとの両方としての機能を果たすことができる。
【0040】
マルチモード無線通信デバイス150は、ユーザインターフェース250を経由してユーザ制御入力を受け入れるように構成されていることができる。一実施形態においては、ユーザは、ユーザインターフェース250を経由して、自律的なロケーションベースのモードおよび技術の選択と、好ましいプロバイダリストのロケーションベースの決定とを選択的に可能に、または不可能にすることができる。一例として、たとえそのような制御が、ある種の地理的地域において通信する能力を制限するとしても、ユーザは、サービスをスキャンすることを無効にし、そして特定のサービスプロバイダをロックすることができる。
【0041】
マルチモード無線通信デバイス150はまた、第1のアンテナ202とは異なることもあり、あるいはある場合には第1のアンテナ202と物理的に一体化されていることもある第2のアンテナ204を含んでいる。第2のアンテナ204は、SPS、地上位置ロケーションシステム、それらの何らかの組合せなどの位置ロケーションシステムからの信号を受信するように最適化されることができる。SPSは、例えば、GPS、GLONASS、ガリレオ、疑似衛星システムなど、あるいはそれらの組合せとすることができる。
【0042】
位置ロケーション信号は、第2のアンテナ204から図2の実施形態においてSPSレシーバ220として示される位置ロケーションレシーバへと結合される。SPSレシーバ220は、使用可能な位置ロケーションシステム信号の数と品質とに部分的に基づいた精度を有する位置決定値を決定するように構成されている。SPSレシーバ220は、与えられた精度の位置決定値を提供するために必要とされる衛星信号の数を減少させる増加データを提供する1つまたは複数のセンサを含むことができる。例えば、SPSレシーバ220は、マルチモード無線通信デバイス150の高度を示す出力を提供するセンサを含むことができる。他の実施形態においては、SPSレシーバ220は、特定の精度の位置決定値を決定するために必要とされる独立な位置ロケーションシステム信号の数を減少させるように動作する1つまたは複数の仮定を利用することができる。例えば、SPSレシーバ220は、あらかじめ決定された高度を仮定することができ、あるいは信号の中で時間に対するあらかじめ決定されたクロックバイアスを仮定することができる。
【0043】
SPSレシーバ220は、マルチモード無線通信デバイス150の地理的ロケーションを決定し、そして地理的ロケーションをモードコントローラ222に対して提供する。モードコントローラ222は、ロケーションベースの好ましいプロバイダのリストまたはテーブルが、サービスを獲得し、またはそうでなければスキャンする際に使用するためのメモリから検索されるべきかどうかを決定する。モードコントローラ222は、例えば、マルチモード無線通信デバイス150が、現在、電源投入直後やサービスの喪失直後などのサービス停止状態にあるかどうかを決定することができる。
【0044】
次いで、モードコントローラ222は、アップデートされたロケーションベースの好ましいプロバイダリストの検索が望ましいかどうかを決定することができる。例えば、電源投入のすぐ後に、またはサービス停止状態が、あらかじめ決定された期間よりも長い間にわたってアクティブに留まっている場合に、モードコントローラ222は、アップデートされたロケーションベースの好ましいプロバイダリストの検索を開始することができる。サービス停止状態が、あらかじめ決定された期間よりも長い間にわたって存在していない場合、モードコントローラ222は、最後の知られている位置によって識別される好ましいプロバイダリストを使用し続けることができ、そして最後の知られているネットワークに基づいてモジュールを構成することができる。同様に、モードコントローラ222は、電源投入のすぐ後に、最後の知られている位置と、最後の知られているネットワークとに基づいてモジュールを最初に構成することができる。
【0045】
モードコントローラ222は、アップデートされたロケーションベースの好ましいプロバイダリストの検索が望ましいことを決定するとすぐに、モード/技術データベース(mode/technology database)224にアクセスする。モード/技術データベース224は、特定の地理的地域を好ましいプロバイダリストに関連づける。一実施形態においては、モード/技術データベース224は、複数のあらかじめ決定された好ましいプロバイダリストを含むことができ、そしてモードコントローラ222は、あらかじめ決定されたリストのうちのどれをSPSレシーバ220によって決定される地理的ロケーションに基づいて選択すべきか、を決定することができる。別の実施形態においては、モード/技術データベース224は、地理的地域を複数のサポートされたモードおよび技術のおのおのに関係づけるリレーショナルデータベース(relational database)とすることができる。モードコントローラ222は、地理的ロケーションに基づいてモードおよび技術のリストを生成することができ、そして階層に応じてリストを順序づけることにより、好ましいプロバイダリストを生成することができる。
【0046】
好ましいプロバイダリストを生成し、あるいはそうでなければ検索した後に、モードコントローラ222は、好ましいプロバイダリストによって識別されるモードおよび技術のおのおのについて再構成可能トランシーバとベースバンドプロセッサ240とを構成するように進む。マルチモード無線通信デバイス150は、サービスをスキャンし、そしてモードおよび技術のおのおのを獲得するように試みる。スキャニングプロセス(scanning process)は、ひとたびマルチモード無線通信デバイス150が、無線通信システムを獲得した後に、終了することができる。
【0047】
図3は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御のためのデータの一実施形態についての簡略化された機能ブロック図である。データは、例えば、図2のマルチモード無線通信デバイス150のモード/技術データベース内に記憶されるデータの構造を表すことができる。
【0048】
図3は、一連の単層ファイル(flat file)として構成されるようなデータを示している。しかしながら、この特定のデータ構成(data organization)は、例示的であり、そしてモード/技術データが構成されることができる方法を限定し、または制限するようには意味されない。
【0049】
データは、地理的地域をモードテーブルに関係づける地理的関連付けテーブル310を含んでいる。図3の実施形態において、地理的関連付けテーブル310は、長方形地域の対向する隅を定義するフィールドを含んでいる。地理的関連付けテーブル310はまた、モードテーブルを地理的地域に関連づける。
【0050】
図3の実施形態において、地理的関連付けテーブル310は、第1の地理的地域を定義するフィールドを含む第1の関連付けデータ312−1を含んでいる。一例として、最初の2つのフィールドは、第1の地理的地域の左上隅の緯度と経度とを定義することができるが、次の2つのフィールドは、第1の地理的地域の右下隅の緯度と経度とを定義する。第1の関連付けデータ312−1における次のフィールドは、第1の地理的地域に関連するモードテーブルを識別する。
【0051】
地理的関連付けテーブル310は、マルチモード無線デバイスと、それらの関連するシステムカバレッジエリアとによってサポートされるすべてのモードおよび技術を地理的地域に関連づけるために必要とされる任意の数の関連付けデータを含むことができる。図3の実施形態においては、地理的関連付けテーブル310は、第2の地理的地域を第2のモードテーブルに関連づける第2の関連付けデータ312−2と、第3の地理的地域を第3のモードテーブルに関連づける第3の関連付けデータ312−3と、第4の地理的地域を第4のモードテーブルに関連づける第4の関連付けデータ312−4と、第nの地理的地域を第nのモードテーブルに関連づける第nの関連付けデータ312−nと、を含む。定義された地理的地域は、一般的に関係の中のあいまい性をなくするために相互に排他的である。代わりに、地理的地域が、相互に排他的でない場合、マルチモード無線通信デバイス150は、複数の可能性のある解決法のうちのどれを選択すべきかを決定するために、リゾルバ(resolver)または解決プロセスを利用することもできる。
【0052】
地理的地域に関連するモードテーブルは、固有である必要はなく、そして型にはまらずに固有ではない。いくつかの地理的地域は、同じモードテーブルにマッピングし、あるいはそうでなければ同じモードテーブルに関連づけられることもある。図3の例においては、第4の関連付けデータ312−4の中の地理的地域は、第nの関連付けデータ312−nの地理的地域と同じモードテーブルにマッピングする。
【0053】
モードテーブル320の一例は、モードテーブル内に含まれることができるデータのタイプを示している。一般に、モードテーブル320は、地理的地域内でサポートされる技術およびモードを識別するためのデータおよび情報と、マルチモード無線通信デバイスが、その技術およびモードの中で通信することを可能にする再構成可能トランシーバとベースバンドプロセッサとを構成するために必要な情報およびデータと、を含む。
【0054】
その情報は、例えば、送信帯域および受信帯域の動作周波数(単数または複数)と、システムのタイプまたは技術と、システム内で通信を確立するために必要とされるネットワーク情報と、を含むことができる。一例として、モードテーブル320は、例えば、受信周波数に対応することができる第1の動作周波数、F1、を識別する第1のモード入力322−1を含んでいる。送信周波数は、例えば、システムタイプに基づいて受信周波数から決定されることができる。第1のモード入力322−1は、システムタイプまたは技術タイプとしてCDMAを識別する1つまたは複数のフィールドも含んでいる。第1のモード入力322−1は、CDMAシステムにおいて通信を確立するために必要とされる情報を識別する1つまたは複数のフィールドも含んでいる。そのような情報は、例えば、システム識別(SID)情報と、ネットワーク識別(NID)情報とを含むことができる。
【0055】
図3のモードテーブル320の例はまた、HDRシステムと関連するデータとを識別する第2のモード入力322−2と、WCDMAシステムと関連するデータとを識別する第3のモード入力322−3と、GSM(登録商標)システムと関連するデータとを識別する第4のモード入力322−4と、タイプNのシステムと関連するデータとを識別する第Nのモード入力322−Nと、を含む。任意の数のモードまたは技術タイプが、識別されることができ、そして各モード入力は、固有の技術タイプを識別する必要はないが、例えば、同じ技術タイプのシステムの間の好みを識別する固有のネットワーク情報を含むことができる。モードテーブル320は、N個までの異なる入力を含んでおり、ここで各入力は、必ずしも固有の技術であるとは限らないが、固有のシステムまたは固有のアクセスパラメータを識別する。
【0056】
図4は、ロケーションベースのモードおよび技術の制御の方法400の一実施形態についての簡略化されたフローチャートである。本方法400は、例えば、図2のマルチモード無線通信デバイスによって実行されることができる。一実施形態においては、本方法400は、ストレージ媒体上で符号化される1つまたは複数のプロセッサまたはコンピュータ可読命令として実施される。マルチモード無線通信デバイスの中のプロセッサは、方法400を実行するために命令を実行することができる。
【0057】
本方法400は、ブロック410から開始され、ここで、マルチモード無線通信デバイスは、それがサービス停止のステートまたは状態にあることを決定する。マルチモード無線通信デバイスは、例えば、初期の電源投入のすぐ後に、確立された通信リンクが、アップデートされた好ましいプロバイダリストについてのユーザ要求やユーザによって開始されたアップデートされたスキャンなどのユーザ入力に基づいて、リモートコマンドなど、またはそれらの何らかの組合せに基づいて、使用できないことに起因して中断されるときに、この状態に遷移していることを決定することができる。
【0058】
マルチモード無線通信デバイスは、決定ブロック420へと進み、そして好ましいプロバイダリストのアップデートが、サービス停止状態の結果として望ましいかどうかを決定する。一実施形態においては、マルチモード無線通信デバイスは、マルチモード無線通信デバイスがサービス停止状態へと遷移した方法に基づいて好ましいプロバイダリストをアップデートすべきかどうかを決定することができる。例えば、マルチモード無線通信デバイスが、電源投入状態に基づいてサービス停止状態に遷移している場合、マルチモード無線通信デバイスは、直ちに好ましいプロバイダリストをアップデートしようと試みることができる。代わりに、マルチモード無線通信デバイスが、中断された通信リンクに起因してサービス停止状態に遷移する場合、マルチモード無線通信デバイスは、既存のプロバイダリストからシステムを獲得するように、タイマーを開始するように、そしてタイマーがあらかじめ決定されたしきい値を超過する場合に好ましいプロバイダリストのアップデートを開始するように、再試行し続けることができる。あらかじめ決定されたしきい値は、静的しきい値とすることもでき、あるいは学習され、またはそうでなければ無線通信デバイスの使用に応じて見直されることができる動的に決定されたしきい値とすることもできる。
【0059】
好ましいプロバイダリストをアップデートするための条件が満たされない場合、好ましいプロバイダリストをアップデートすべき試みは、ブロック424へと進み、そして既存の好ましいプロバイダリストを利用し続ける。マルチモード無線通信デバイスは、ブロック424からブロック440へと進む。
【0060】
決定ブロック420において、マルチモード無線通信デバイスが、好ましいプロバイダリストをアップデートするための条件が満たされることを決定する場合、マルチモード無線通信デバイスは、ブロック430へと進む。ブロック430において、マルチモード無線通信デバイスは、その地理的ロケーションを決定する。マルチモード無線通信デバイスは、例えば、位置ロケーションプロセスを開始することができ、あるいは位置ロケーションプロセスによって決定される地理的ロケーションにアクセスする独立の位置ロケーションプロセスにアクセスすることができる。一実施形態においては、位置ロケーションプロセスは、マルチモード無線通信デバイス内のSPSレシーバによって実行される。
【0061】
マルチモード無線通信デバイスは、ブロック434へと進み、そしてマルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションをデータベースの中の地理的地域にマッピングし、あるいはそうでなければ関係づけ、または関連づけ、例えば、地理的ロケーションを地理的ロケーションが境界づけられる地理的地域にマッピングする。マルチモード無線通信デバイスは、例えば、地理的地域をモードおよび技術に関係づけるモード/技術データベースにアクセスすることができる。
【0062】
マルチモード無線通信デバイスは、ブロック438へと進み、そしてマルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを含む地理的地域に関連づけられるモードテーブルまたは好ましいプロバイダリストを識別する。一実施形態においては、マルチモード無線通信デバイスは、好ましいプロバイダリストを含むあらかじめ決定された単層ファイルであるモードテーブルを決定する。別の実施形態において、マルチモード無線通信デバイスは、地理的地域または地理的ロケーションに基づいて好ましいプロバイダリストを形成するリレーショナルデータベースにアクセスする。
【0063】
マルチモード無線通信デバイスは、ブロック440へと進み、そして好ましいプロバイダリストの中の情報を使用して、特定の技術およびモードのためにマルチモード無線通信デバイス内の1つまたは複数の可変モジュールを構成する。マルチモード無線通信デバイスは、ブロック444へと進み、マルチモード無線通信デバイスが現在構成される目的のシステムを獲得しようと試みる。
【0064】
マルチモード無線通信デバイスは、獲得の試みが成功したかどうかを決定するために決定ブロック450へと進む。成功した場合、マルチモード無線通信デバイスは、ブロック470へと進み、そして方法400が、完了される。
【0065】
決定ブロック450において、マルチモード無線通信デバイスが、獲得の試みが失敗したことを決定する場合、マルチモード無線通信デバイスは、現在のコンフィギュレーションが好ましいプロバイダリストの中の最後の入力に対応するかどうかを決定するために、決定ブロック460へと進む。最後の入力に対応しない場合、マルチモード無線通信デバイスは、ブロック464へと進み、そして好ましいプロバイダリストの中の次の入力にアクセスし、そして次いでシステムを再構成し、そしてシステムのアクセスを試みるために、ブロック440へと戻る。
【0066】
決定ブロック460において、マルチモード無線通信デバイスが、失敗したスキャンの試みが好ましいプロバイダリストの中の最後の入力に基づいていたことを決定する場合、マルチモード無線通信デバイスは、サービス停止状態に留まるためにブロック410へと戻る。
【0067】
マルチモード無線通信デバイスによってサポートされる無数のプロバイダからのサービス停止状態にあるときに、スキャンすべき可能性のあるモードおよび技術を決定するための方法および装置が、ここにおいて説明される。マルチモード無線通信デバイスは、獲得の試みを実行すべき好ましいプロバイダリストと関連するモードおよび技術とを最適化するために地理的ロケーションを利用する。
【0068】
ここにおいて使用されるように、結合される、または接続されるという用語は、直接の結合または接続と同様に、間接の結合も意味するように使用される。2つ以上のブロック、モジュール、デバイス、または装置が結合される場合には、2つの結合されたブロックの間には1つまたは複数の介在するブロックが存在することもある。
【0069】
ここにおいて開示される実施形態に関連して説明される様々な例示の論理ブロック、モジュール、および回路は、ここにおいて説明される機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)(DSP)、縮小命令セットコンピュータ(Reduced Instruction Set Computer)(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array)(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートなゲートまたはトランジスタの論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント(discrete hardware components)、あるいはそれらの任意の組合せ、を用いてインプリメントされ、または実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることもできるが、代替案においては、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることもできる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは他のそのような任意のコンフィギュレーション、としてインプリメントされることもできる。
【0070】
1つまたは複数の例示の実施形態においては、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せの形でインプリメントされることができる。ソフトウェアまたはファームウェアの形でインプリメントされる場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして物理コンピュータ可読媒体上に記憶されることができる。コンピュータ可読媒体は、物理コンピュータストレージ媒体を含んでいる。ストレージ媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる使用可能な任意の物理媒体とすることができる。例として、限定するものではないが、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で望ましいプログラムコードを記憶するために使用されることができ、そしてコンピュータによってアクセスされることができる他の任意の媒体、を備えることができる。ここにおいて使用されるようなディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy(登録商標)disk)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(Blu-ray disc)を含み、ここでディスク(disks)は通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(discs)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。
【0071】
コンピュータ命令/コードは、トランスミッタからレシーバへと物理伝送媒体上で信号を経由して送信されることができる。例えば、ソフトウェアまたはファームウェアは、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア(twisted pair)、デジタル加入者回線(digital subscriber line)(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術の物理コンポーネントを使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信されることができる。上記の組合せもまた、物理伝送媒体の範囲内に含められるべきである。
【0072】
方法またはプロセスの中の様々なステップまたは動作は、示される順序で実行されることもでき、あるいは別の順序で実行されることもできる。さらに、1つまたは複数のプロセスまたは方法のステップは、省略されることもでき、あるいは1つまたは複数のプロセスまたは方法のステップは、それらの方法またはプロセスに追加されることもできる。追加のステップ、ブロック、またはアクションは、それらの方法またはプロセスの始めに、終わりに、あるいは介在する既存の要素に追加されることができる。
【0073】
開示された実施形態の上記説明は、任意の当業者が、本開示を作り、または使用することを可能にするように提供される。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者には簡単に明らかになり、そしてここにおいて定義される包括的な原理は、本開示の精神または範囲を逸脱することなく、他の実施形態にも適用されることができる。したがって、本開示は、ここにおいて示される実施形態だけに限定されるようには意図されず、ここにおいて開示される原理および新規特徴と整合した最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチモード無線通信デバイスの動作モードを制御する方法であって、
サービス停止状態を決定することと、
前記マルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを決定することと、
前記地理的ロケーションに部分的に基づいて前記マルチモード無線通信デバイスを構成することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記地理的ロケーションをあらかじめ決定された地理的地域に関連づけることと、
前記地理的地域に基づいて前記マルチモード無線通信デバイスのコンフィギュレーションを識別することと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マルチモード無線通信デバイスの前記コンフィギュレーションを識別することは、
前記地理的地域に関連するモードテーブルを識別することと、
前記モードテーブル内の情報から無線システム技術を決定することと、
を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サービス停止状態を決定することは、電源投入状態を決定すること、または中断されたサービス状態を決定することのうちの少なくとも一方を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サービス停止状態を決定することは、アップデートされたスキャンを要求するユーザ入力を受信すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サービス停止状態が、あらかじめ決定された条件を満たすことに失敗する場合、最後に知られている位置に基づいて最後に知られているネットワークのために前記マルチモード無線通信デバイスを構成すること、をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マルチモード無線通信デバイスの前記地理的ロケーションを決定することは、
衛星測位システム(SPS)から少なくとも1つの位置ロケーション信号を受信することと、
前記少なくとも1つの位置ロケーション信号に部分的に基づいて前記地理的ロケーションを決定することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの位置ロケーション信号を受信することは、3つの異なる衛星から位置ロケーション信号を受信すること、を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
増加情報を決定すること、
をさらに備え、そして前記地理的ロケーションを決定することは、前記少なくとも1つの位置ロケーション信号と前記増加情報とに基づいて前記地理的ロケーションを決定すること、を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記増加情報を決定することは、前記マルチモード無線通信デバイス内のセンサから増加情報を決定すること、を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記増加情報を決定することは、測位仮定を決定すること、を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記マルチモード無線通信デバイスを構成することは、前記マルチモード無線通信デバイスによってサポートされるCMDA技術またはUMTS技術のうちの一方のために前記マルチモード無線通信デバイスを構成すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記マルチモード無線通信デバイスを構成することは、前記マルチモード無線通信デバイスによってサポートされるCDMA技術、HDR技術、GSM(登録商標)技術、UMTS技術、またはWLAN技術のうちの1つのために前記マルチモード無線通信デバイスを構成すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記マルチモード無線通信デバイスを構成することは、選択された技術に関連する周波数のために局部発振器を構成すること、をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
マルチモード無線通信デバイスの動作モードを制御する方法であって、
サービス停止状態を決定することと;
前記マルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを決定することと;
前記地理的ロケーションに関連するあらかじめ決定された地理的地域を決定することと;
前記地理的地域に基づいてモードテーブルを識別することと、なお前記モードテーブルは、前記マルチモード無線通信デバイスによってサポートされる複数の無線通信技術のうちの少なくとも1つの技術を識別する;
前記モードテーブルのモード入力からモード情報を決定することと;
前記モード情報に部分的に基づいて前記マルチモード無線通信デバイスによってサポートされる前記複数の無線通信技術のうちの1つのために前記マルチモード無線通信デバイスを構成することと;
を備える方法。
【請求項16】
前記地理的ロケーションを決定することは、衛星測位システムの衛星から受信される少なくとも1つの信号に基づいて位置ロケーション解決法を決定すること、を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記あらかじめ決定された地理的地域を決定することは、地理的ロケーションが境界づけられる前記あらかじめ決定された地理的地域を決定すること、を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記マルチモード無線通信デバイスを構成することは、
再構成可能無線トランシーバを構成することと、
再構成可能ベースバンドプロセッサを構成することと、
を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
マルチモード無線通信のための装置であって、
再構成可能無線トランシーバと、
地理的ロケーションを決定するように構成された測位システムレシーバと、
複数の地理的地域を識別する情報と、複数のモードのおのおのに関連した情報とを記憶するように構成されたモードデータベースと、
前記モードデータベースにアクセスするように、そして前記地理的ロケーションに基づいてサポートされるモードを決定するように、そして前記サポートされたモードのために前記再構成可能無線トランシーバを再構成するように、構成されたモードコントローラと、
を備える装置。
【請求項20】
前記再構成可能無線トランシーバに結合された再構成可能ベースバンドプロセッサ、
をさらに備え、そして前記モードコントローラは、前記サポートされたモードのために前記再構成可能ベースバンドプロセッサを再構成する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記測位システムレシーバは、衛星測位システムレシーバを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記モードデータベースは、複数の単層ファイルを備え、各単層ファイルは、モードコンフィギュレーション情報を提供するモード入力のリストを定義するモードテーブルに地理的地域を関係づける情報を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記モードデータベースは、前記地理的地域内でサポートされるモードに地理的地域を関係づけるリレーショナルデータベースを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記複数のモードは、
CDMAモードと、
HDRモードと、
GSM(登録商標)モードと、
LTEモードと、
WiMaxモードと、
UMTSモードと、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
マルチモード無線通信のための装置であって、
サービス停止状態を決定するための手段と、
前記マルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを決定するための手段と、
前記地理的ロケーションに部分的に基づいて前記マルチモード無線通信デバイスを構成するための手段と、
を備える装置。
【請求項26】
プロセッサ実行可能命令を用いて符号化されたストレージ媒体であって、
プロセッサによって実行されるときに、
マルチモード無線通信デバイスのサービス停止状態を決定することと;
前記マルチモード無線通信デバイスの地理的ロケーションを決定することと;
前記地理的ロケーションに関連するあらかじめ決定された地理的地域を決定することと;
前記地理的地域に基づいてモードテーブルを識別することと、なお前記モードテーブルは、前記マルチモード無線通信デバイスによってサポートされる複数の無線通信技術のうちの少なくとも1つの技術を識別する;
前記モードテーブルのモード入力からモード情報を決定することと;
前記モード情報に部分的に基づいて前記マルチモード無線通信デバイスによってサポートされる前記複数の無線通信技術のうちの1つのために前記マルチモード無線通信デバイスを構成することと;
を実行するストレージ媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−66201(P2013−66201A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−245302(P2012−245302)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【分割の表示】特願2011−534692(P2011−534692)の分割
【原出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU−RAY DISC
2.WCDMA
3.LTE
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】