説明

モール装着装置及びモール装着方法

【課題】角部を有する板材の周縁に、手間を省いて効率よくモールを装着することができると共に、無駄となるモールを削減することが可能なモール装着装置及びモール装着方法を提供する。
【解決手段】装着装置1は、モール5を押圧点Pで板材7に押圧する押圧手段10と、モール5を送る送り手段20と、送られるモール5の先端が所定位置を通過したことを検知する先端検知手段30と、先端検知信号に基づいて、送り手段20によるモール5の送りを停止させてモール5を待機させ、押圧点Pに対して板材7を移動させる板材移動手段90により装着の始点となる角部が押圧点Pに位置させられた際に、板材移動手段90が送出する始点信号を受信して送り手段20によるモール5の送りを開始させ、モール5の先端が始点に到達する所定時間後に、押圧手段10を動作させてモール5を始点に押圧させる装着制御手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モール装着装置及びモール装着方法に関するものであり、特に、自動車のフロントガラスやリヤガラス等の板材の周縁に沿ってモールを装着するのに適した、モール装着装置及びモール装着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車のフロントガラスやリヤガラスには、その周縁に沿って樹脂製またはゴム製のモールが装着されており、このモールによってガラス板の周面が保護されると共に、車体との気密性が維持されている。また、一般に、モールは、肉厚が比較的厚い基部と、この基部の側面から突出したヒレ状のリップ部とから構成されており、基部がガラス板の裏面に接着され、リップ部がガラス板の周面から外方向に延出するように装着される。
【0003】
このようなモールをガラス板に装着する装置として、例えば、押出成形されたモールをガラス板に装着する装着ヘッドと、ガラス板を保持すると共に装着ヘッドに対してガラス板を相対的に移動させる板材移動手段とを制御し、モールをガラス板の周縁に沿って連続的に装着させる装置が提案されている(例えば、特許文献1)。一方、本出願人は、ガラス板等の板材の角部を除く周縁に接着剤を塗布してモールを接着した後、隣接した二辺に接着されたモールを角部で夫々斜めに切断し、突き合わせて貼着するモール装着方法を提案している(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開平8―90566号公報
【特許文献2】特開2005−212437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、昨今の自動車では、フロントガラスまたはリヤガラスのコーナー部分が湾曲したものよりも、角部を有するデザインのものが増加している。そのため、上記の特許文献1に例示されるモール装着装置では、湾曲したコーナー部分を経由してガラス板の周縁にモールを連続的に装着させることはできても、コーナー部分に角部を有するガラス板の場合には、モールの弾性変形だけではコーナー部の内周側及び外周側の長さの相違に対応することができず、角部を経由した連続的なモールの装着ができないという問題があった。
【0006】
また、上記の特許文献2のモール装着方法によれば、角部を有するガラス板であっても、角部の形状に合わせてモールを装着でき、仕上がりの美しいものとなる利点があるが、角部で切断されるモールが無駄になると共に、手作業による工程数が多く手間や時間を要する点で、改善の余地のあるものであった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、角部を有する板材の周縁に、手間を省いて効率よくモールを装着することができると共に、無駄となるモールを削減することが可能なモール装着装置及びモール装着方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるモール装着装置は、「角部を有する板材の周縁に沿ってモールを装着するモール装着装置であって、前記モールを押圧点で前記板材に対して押圧する押圧手段と、前記押圧点の方向に前記モールを送る送り手段と、該送り手段によって送られる前記モールの先端が所定位置を通過したことを検知し、先端検知信号を送出する先端検知手段と、該先端検知信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを停止させて、前記モールの先端を送り待機位置で待機させ、前記押圧点に対して前記板材を移動させる板材移動手段により、前記板材の前記モールが装着される装着対象辺の装着の始点となる角部が、前記押圧点に位置させられた際に、前記板材移動手段により送出される始点信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを開始させ、前記モールの先端が前記送り待機位置から前記始点に到達する所定時間後に、前記押圧手段を動作させ前記モールを前記始点に押圧させる装着制御手段とを」具備して構成されている。
【0009】
「板材」は、自動車や二輪車のウィンドシールドとして使用されるガラス板や樹脂製の板材を例示することができるが、これに限定されず、金属や木材で形成されたパネルであってもよい。また、「角部」の角度は、直角に限定されず、直角以外の所定角度であってもよく、湾曲する半径がごく小さいものも含まれる。更に、「周縁」は、板材の裏面における外周縁(裏面周縁)や板材の側面により構成される周縁を例示することができる。また、「モール」は、板材の周縁に沿って装着され、板材の保護、密閉、装飾等のために使用される長尺状の部材であり、例えば、塩化ビニルなどの合成樹脂や合成ゴムを材料とし、押出成形により成形されるものを挙げることができる。
【0010】
「押圧手段」は、例えば、軸周りに回転自在な円板状や球状のローラと、これを電気やエアによって板材の方向に駆動するシリンダ等とを有する構成とすることができる。また、「押圧点」は、押圧手段がモールを板材に対して押圧する点であり、後述の板材移動手段によって板材が移動させられると共に、板材に対して相対的に移動する。
【0011】
「送り手段」は、例えば、モールを挟む対のローラと、これを駆動する電気モータにより、モールを長手方向に繰出して送る構成とすることができる。この場合、ローラは複数対設けることができ、電気モータは一定速度で回転するものであっても、瞬時停止や速度制御が可能ものであってもよい。或いは、モールを挟持して所定方向に搬送する搬送装置を備えた構成とすることもできる。
【0012】
「先端検知手段」は、透過光の遮断、或いは反射光の検出により物体の通過を検知する光電センサを例示することができる。また、「送り待機位置」は、先端検知手段がモールの先端を検知する「所定位置」より若干下流側に適宜設定することができる。
【0013】
「装着制御手段」は、中央処理装置(CPU)やROM及びRAM等の記憶装置を具備し、予め記憶させたプログラムや入力信号に基づき、送り手段、押圧手段等の各構成の制御を行うことができるものである。なお、「板材移動手段」は、板材を支持するハンド・ツールを有し、板材移動手段の制御手段の制御によりアームや関節を動作させて板材を移動させる多軸ロボットを例示することができる。また、「始点信号」は、板材の移動距離や角度を板材移動手段の制御手段が認識することにより、押圧点として設定された点に板材の角部を位置させた際に、板材移動手段の制御手段によって送出される。
【0014】
「モールの先端が送り待機位置から始点に到達する所定時間」は、送り待機位置と押圧点との距離、及び送り手段によるモールの送り速度から知ることができる。例えば、送り速度が一定である場合は、この「所定時間」も一定であるため、送り待機位置からのモール先端の送りをスタートした時点から何秒後というように、装着制御手段に予めプログラムしておくことができる。
【0015】
従って、本発明によれば、モールの先端を板材の角部に押圧することができ、角部を装着の始点とすることが可能となる。そして、その後に板材移動手段によって板材が押圧点に対して移動させられることにより、板材及びモールの少なくとも一方に接着剤が塗布され、或いは圧着可能なモールであれば、角部を始点として、板材の一辺にモールを装着することが可能となる。これにより、角部を有する板材であっても、一つの角部を始点として隣接する二辺にモールを装着すれば、その二辺により構成される角部にモールを装着することが可能となる。加えて、モールの先端を角部に装着できるため、角部でモールを切断する必要がなく、省力化を図ることができると共に、モールの無駄を削減することが可能となる。
【0016】
また、本発明のモールの装着装置は、上記の構成に加え、「前記モールを切断点で切断する切断手段を更に具備し、前記装着制御手段は、前記板材移動手段により前記板材が前記押圧点に対して移動させられ、前記押圧点が前記板材の周縁に沿って相対的に移動するのに伴い、前記装着対象辺の装着の終点となる角部と前記押圧点との距離、及び前記切断点と前記押圧点との距離が等しくなった時点で、前記切断手段を制御して前記モールを切断させる」ものとすることもできる。
【0017】
「切断手段」は、鋭利な刃部や加熱されるワイヤに例示される切断部を、電気やエア駆動のシリンダによってモールの方向に進退させ、モールを切断する構成とすることができる。また、モールの送り方向に移動しながらモールを切断する構成を採用することもでき、かかる構成として、モータの回転運動を送り螺子或いはラックとピニオン機構により変換して、切断部を直線運動させる構成を例示することができる。
【0018】
「装着の終点となる角部と押圧点との距離」は、板材のサイズ及び板材移動手段が板材を移動させた距離から知ることができる。また、「切断点」は、切断手段がモールの幅方向に駆動される経路とモールの送り経路とが交差する点であり、切断手段がモールの送り方向に移動する構成である場合は、切断手段が初期位置にあるときの上記の交差する点をいうものとする。すなわち、「切断点と押圧点との距離」は定数である。そして、切断手段がモールの送り方向に移動する場合は、例えば、「装着の終点となる角部と押圧点との距離」及び「切断点と押圧点との距離」が等しくなった時点で、切断手段の移動を開始させ、その移動速度をモールの送り速度と同期させることにより、モールを切断点で切断することができる。
【0019】
なお、切断されたモールを押圧点まで送るために、送り手段は切断点より上流側及び下流側との両側で、モールを送ることが可能な構成とする必要があり、例えば、送り手段を複数対の送りローラを備える構成とすることができる。この場合、複数対の送りローラを駆動する手段は単一であっても複数であってもよく、モールの送り速度は、切断点より上流側及び下流側とで同一であっても、異なる設定であってもよい。
【0020】
従って、本発明によれば、装着制御手段によって更に切断手段が制御されることにより角部を始点として装着されるモールが切断点で切断され、切断点より前方のモールが板材の周縁に沿って装着されると、モールの後端が板材の角部と一致する。すなわち、角部を終点としてモールを装着することができる。これにより、装着後のモールを角部で切除する必要がなく、よりモールに無駄のないものとなる。加えて、切断点はそれより前方のモールの装着の終点となると共に、それより後方のモールの装着の始点とすることが可能となる。これにより、板材の隣接する二辺によって構成される角部を経由して、連続的にモールを装着することが可能となる。すなわち、角部を有する板材であっても、手間を削減して効率よく、連続的に、周縁に沿ってモールを装着することができる。
【0021】
また、本発明のモール装着装置は、「前記切断手段は、V字形に構成される切断部を有する」ものとすることができる。
【0022】
「V字形」の構成は、刃部またはワイヤ等の構成を二つ備え、両者の角度によってV字が形成されるものとすることができ、モールの切断角度を板材の角部の角度に合わせるために、V字の角度を調整可能な構成としてもよい。或いは、刃部の断面をV字形に形成する等、単一の部材で切断部を構成し、装着対象の板材の角部の角度に応じて、異なる角度のV字形の切断部を使い分ける構成とすることもできる。
【0023】
従って、本発明によれば、切断手段によりモールが切断される角度を、板材の角部の角度に合わせることが可能となり、隣接する二辺に装着されたモールの端部を、板材の角部でぴったりと突き合わせることが可能となる。これにより、板材の角部でモールが重畳することがなく、仕上がりのきれいなものとなる。また、角部の角度に合わせるために、モールの端部を切除して傾斜を整える必要がなく、更にモールに無駄の生じ難いものとなる。
【0024】
次に、本発明にかかるモール装着方法は、「角部を有する板材の周縁に沿ってモールを装着するモール装着方法であって、前記モール及び前記板材の周縁の少なくとも何れか一方に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、送り手段によって、押圧手段が前記モールを前記板材に対して押圧する押圧点まで前記モールを送るモール送り工程と、前記送り手段によって送られる前記モールの先端が所定位置を通過したことを検知し、先端検知信号を送出する先端検知工程と、該先端検知信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを停止させ、前記モールを先端が送り待機位置に位置する状態で待機させる送り待機工程と、板材移動手段により前記板材を移動させ、前記板材の前記モールが装着される装着対象辺の装着の始点となる角部を、前記押圧点に位置させ、始点信号を送出する始点信号送出工程と、該始点信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを再び開始する送り再開工程と、前記送り待機位置から送られる前記モールの先端が前記始点に到達する所定時間後に、前記押圧手段を動作させて前記モールを前記始点に押圧させる始点押圧工程と、前記板材移動手段により前記板材を前記押圧点に対して移動させると共に、前記押圧手段によって前記モールを前記板材に押圧し、前記板材の周縁に沿って前記モールを装着する装着工程と、前記板材の移動により前記押圧点が前記板材の周縁に沿って相対的に移動するのに伴い、前記装着対象辺の装着の終点となる角部と前記押圧点との距離、及び切断点と前記押圧点との距離が等しくなった時点で、前記モールを前記切断点で切断する切断工程とを」具備して構成されている。
【0025】
従って、本発明によれば、板材の装着対象辺の長さに合わせてモールを切断し、板材の角部から角部へとモールを装着することができる。また、一つの装着対象辺の終点を、隣接する装着対象辺の始点とすることが可能となり、角部を経由して連続的にモールを装着することができる。すなわち、角部を有する板材であっても、効率良くモールを装着することができる。加えて、モールの先端及び後端が、共に板材の角部に装着されるため、無駄となるモールを削減することができる。
【0026】
また、本発明にかかるモール装着方法は、上記構成に加え、「前記板材の少なくとも隣接する二辺に装着された前記モールの端部を、前記二辺により構成される角部で突き合わせた状態で、超音波により溶着する超音波溶着工程を」具備するものとすることができる。
【0027】
従って、本発明によれば、隣接された二辺に装着されたモールの端部を、板材の角部で突き合わされた状態で溶着することができる。これにより、モールの装着状態がより安定し、密閉目的でモールを装着する場合はより優れた気密性を発揮するものとなる。しかも、超音波溶着は、機械的な振動により生じる摩擦熱による溶着であるため、従来の加熱溶着に比べて加熱むらが少ない。また、一般的に1〜2秒という極めて短時間でモールが溶融温度に達するため、溶着工程に要する時間の短いものとなる。そして、加熱むら少なく短時間で溶着されるため、いわゆる「バリ」の少ない仕上がりのきれいな接合面を得ることができる。なお、モールの端部を突き合わせるには、板材の角部の角度に合わせてV字状にモールを切断してもよいし、モールを異なる角度で二度切断してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、角部を有する板材の周縁に、手間を省いて効率よくモールを装着することができると共に、無駄となるモールを削減することが可能なモール装着装置及びモール装着方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態であるモール装着装置及びモール装着方法について、図1乃至図6に基づき説明する。図1は本実施形態のモール装着装置の構成を示す説明図であり、図2は図1のモール装着装置の構成を平面的に示す説明図であり、図3は図1のモール装着装置の機能的構成を示すブロック図であり、図4は本実施形態のモール装着方法における切断工程を説明する説明図であり、図5は図1のモール装着装置における制御の流れを示すフローチャートであり、図6は図1のモール装着装置及び本実施形態のモール装着方法によりモールが装着された板材を模式的に示す説明図である。
【0030】
なお、本実施形態のモール装着装置1及びモール装着方法は、自動車のウィンドシールド用として、直角の四つの角部を有するガラス板である板材7の周縁に、モール5を装着する場合を例示する。また、装着されるモール5は、板材7に接着される接着面5sを有し比較的肉厚の基部5aと、基部5aとは反対側の側方に延出すると共に先端ほど肉薄に形成され、自動車の車体と接するリップ部5bと、基部5aとリップ部5bとの間に位置し、略T字形状のモール5の断面においてT字の脚の部分に相当する突出部5cとを有する、断面一定形状の塩化ビニル製の長尺部材である。
【0031】
本実施形態のモール装着装置1(以下、単に「装着装置1」と称する)は、モール5を押圧点Pで板材7に対して押圧する押圧手段10と、押圧点Pの方向にモール5を送る送り手段20と、送られるモール5の先端が先端検知位置Sを通過したことを検知する先端検知手段30と、モール5を切断点で切断する切断手段40と、送り手段20、押圧手段10、及び切断手段40を動作させ、板材7の周縁へのモール5の装着を制御する装着制御手段60とを、主に具備して構成されている。
【0032】
更に詳細に説明すると、図1及び図2に示すように、押圧手段10は、回転軸11a,11b周りに回転自在な一対の押圧ローラ12a,12b、及び回転軸11a,11bを支持するロッドを駆動するエアシリンダ16a,16bを有して構成されている。また、送り手段20は、モール5を幅方向に両側から挟み、繰り出して長手方向に送る一対の第一送りローラ21と、これを回転駆動する第一モータ26と、モール5の送り方向において第一送りローラ21より下流側に配設された一対の第二送りローラ22と、これを回転駆動する第二モータ27とを有して構成されている。また、本実施形態では、第一送りローラ21及び第二送りローラ22によってモール5が送られる送り経路に沿って、ガイドローラ81が適宜配設されている。
【0033】
先端検知手段30は、送光部31及び受光部32を有する光電センサによって構成され、先端検知位置S、すなわち、送光部31から受光部32への光路とモール5の送り経路とが交差する位置は、本実施形態では第二送りローラ22より下流側に設定されている。
【0034】
切断手段40は、モール5の送り経路の上方に位置し、下降してモール5を切断する切断部41と、これを上下方向に駆動する上下駆動シリンダ46とを備えている。ここで、切断部41は二枚の傾斜刃部42によって構成され、夫々の傾斜刃部42は、モール5の幅方向に対して相反する方向に約45度傾斜し、合わせて約90度のV字を形成している。また、本実施形態の切断手段40は、切断部41をモール5の送り方向に平行に、第一送りローラ21と第二送りローラ22との間で往復移動させる平行移動機構を具備している。この平行移動機構は、モール5の送り経路から側方に延出されて切断部41を支持する切断支持部45と螺合し、モール5の送り経路と平行に延びた送り螺子部51と、送り螺子部51を回転駆動するサーボモータ52と、平行移動する切断部41を摺動させて移動を安定させるガイドレール53と、上流側及び下流側の夫々で切断部41の平行移動可能な範囲の限界を検出するリミットスイッチ(図示しない)を有して構成されている。なお、本実施形態の切断部41は、モール5を幅方向に平行に切断する際に使用される非傾斜刃部43も具備している。
【0035】
装着制御手段60は、中央処理装置(CPU)やROM及びRAM等の記憶装置を具備し、図3に示すように、電源スイッチ69や板材7のサイズ等の設定を行う設定入力部68からの入力、先端検知手段30や後述の板材移動手段90からの信号の入力に基づき、予め設定されたプログラムに従って、押圧手段10、送り手段20、切断手段40等の各構成の動作を制御する。
【0036】
更に、本実施形態の装着装置1は、上記の構成に加え、モール5を板材7に押圧する押圧ローラ12とは反対側で板材7を押圧する板材押圧ローラ71と、これを駆動するエアシリンダ76と、第一送りローラ21より上流側に配されたテンションローラ82とを備えている。また、第二送りローラ22と押圧ローラ12との間に配設され、モール5の接着面5sを熱風で加熱するヒータ85と、リップ部5bが先端ほど屈曲した状態でモール5を切断するために、切断時にモール5を保持するリップ保持部47(図4参照)を具備している。
【0037】
なお、本実施形態のモール装着方法(以下、単に「装着方法」という)を実現するために、上記の装着装置1の他に、板材移動手段90及び超音波溶着装置(図示しない)が使用される。本実施形態で使用される板材移動手段90は、板材7を保持するハンド部91を有し、制御手段の制御に基づいてアーム部や関節部(共に図示しない)を動作させ、板材7を押圧点Pに対して移動させる多軸ロボットである。また、超音波溶着装置は、超音波発振器、電気信号を機械的振動に変換する振動子、振動を被溶着体に伝えるホーン、及び溶着時にモール5を保持する受台を有して構成されている。
【0038】
次に、本実施形態の装着装置1の動作及び装着方法について説明する。まず、装着装置1に導入される前のモール5の接着面5sに、接着剤を塗布する(接着剤塗布工程)。本実施形態では、塗布後に固化し加熱によって溶融するホットメルト接着剤を使用している。この接着剤塗布工程は、例えば、連続的に押出成形されるモール5が冷却固化され、その後に装着装置1まで導かれる過程において設けることができる。
【0039】
装着装置1まで導かれたモール5は、第一モータ26及び第二モータ27に夫々駆動される第一送りローラ21及び第二送りローラ22によって下流側に送られる(モール送り工程)。この際、ガイドローラ81によってモール5の送りが案内される。その後、送られるモール5の先端が先端検知位置Sを通過すると、送光部31から受光部32への光路をモール5が遮り、受光部32の受光量が変化することにより、先端検知手段30から先端検知信号が送出される(先端検知工程)。この信号に基づいた装着制御手段60の制御により、第一モータ26及び第二モータ27による第一送りローラ21及び第二送りローラ22の回転駆動が停止され、モール5の先端が送り待機位置にある状態で、モール5の送りは待機状態となる(送り待機工程)。このとき、押出成形機からモール5が供給される等、送りの停止中にもモール5が連続的に供給される場合であっても、テンションローラ82によってモール5に張力が付与され、弛むことなく送り経路に導入される。
【0040】
一方、板材移動手段90は、板材7をハンド部91で保持して所定場所から搬送し、モール5を装着する始点となる角部を押圧点Pに位置させ、始点信号を送出する(始点信号送出工程)。この始点信号に基づき、装着制御手段60は第一モータ26及び第二モータ27を制御して再び回転を開始させ、第一送りローラ21及び第二送りローラ22によるモール5の送りを開始する(送り再開工程)。これにより、角部が位置させられている押圧点Pに向かって、モール5が送られて行く。このとき、モール5はヒータ85の下方を通過し、接着剤塗布工程において予め塗布され固化していた接着剤が、ヒータ85の熱風により溶融した状態となる。なお、モール5が押圧点Pに到達するまでの間は、板材移動手段90は板材7の角部(始点)を押圧点Pに位置させたまま、停止している。
【0041】
そして、モール5の先端が押圧点Pに到達するタイミングに合わせて、エアシリンダ16が作動させられ、押圧ローラ12を板材側に前進させる。このタイミングについては、送り待機位置と押圧点Pとの距離及びモール5の送り速度から、モール5の先端が送り待機位置を出発してから押圧点Pに到達するまでの時間T1を算出し、予め装着制御手段60に入力しておくことができる。なお、本実施形態の時間T1は1.3秒に設定されている。これにより、モール5の先端が、装着の始点となる板材7の角部に、押圧ローラ12によって押圧される(始点押圧工程)。この際、板材押圧ローラ71が押圧ローラ12とは反対側で板材7を押圧することにより、押圧点Pのモール5は、押圧ローラ12と板材押圧ローラ71とによって挟み込まれる状態で板材7に押圧される。なお、板材押圧ローラ71はエアシリンダ76により板材7方向に駆動させてもよいし、板材移動手段90が板材7を押圧点Pに位置させれば板材7の表面に板材押圧ローラ71が当接するように、押圧点Pまたは板材押圧ローラ71の位置を設定することとしてもよい。
【0042】
上記のように装着の始点が定まると、これに引き続いて、板材移動手段90が板材7の移動を開始する。この制御は、例えば、始点信号を送出してから時間T1後に移動を開始するよう、板材移動手段90側の制御手段に予めプログラムすることにより、或いは装着制御手段60からの指令により移動を開始する設定とすることにより、行うことができる。そして、板材移動手段90によって、板材7が押圧点Pに対して移動させられると、これに伴い回転軸11周りに回転する押圧ローラ12によって、モール5は板材7の周縁に沿って押圧され、溶融状態の接着剤を介して板材7の周縁に装着されて行く(装着工程)。このとき、一対の押圧ローラ12はモール5の突出部5cを挟むように位置し、内側の押圧ローラ12aはモール5の基部5aを板材7に押圧し、外側の押圧ローラ12bはリップ部5bの裏面を板材7に押圧する。ここで、押圧ローラ12a,12bは別個の軸11a,11b周りに回転し、別個のエアシリンダ16a,16bによって駆動されるため、夫々が押圧する部分でモール5の形状や厚みが異なっていても、夫々円滑に回転する。
【0043】
なお、切断部41はこの間、送り方向に沿って平行移動可能な範囲において最も上流側である初期位置に位置している。ここで、「切断点と押圧点Pとの距離」は、押圧点Pから切断部41の初期位置までの距離(L1)である。また、「装着の終点となる角部と押圧点Pとの距離」は、板材7の装着対象辺の長さ(L2)と板材移動手段90が板材7を始点から移動させた距離(L3)との差(L2−L3)である。そして、距離(L1)及び(L2)は定数であるため、板材移動手段90による距離(L3)の検出により、(L1=L2−L3)となる時点が判断され、切断位置信号が送出される。この信号に基づき、装着制御手段60によってサーボモータ52が制御される。すなわち、サーボモータ52による送り螺子部51の回転駆動により、送り螺子部51と螺合した切断支持部45に支持される切断部41は、モール5の送り速度と同一の速度で、モール5の送り方向に移動を開始する。そして、この平行移動の途中で、上下駆動シリンダ46の駆動により傾斜刃部42が下降し、モール5がV字状に切断される(切断工程)。これにより、始点から切断点までのモール5の長さは、板材7の接着対象辺の長さ(L2)に相当する長さとなる。
【0044】
なお、送り方向に垂直な断面が図4(a)のような形状をしている本実施形態のモール5は、切断部41によって切断される際、図4(b)に示すように、リップ保持部47によってリップ部5bの先端側が上方に持ち上げられた状態に保持される。また、モール5を切断した後の切断部41は、下流側のリミットスイッチによって移動限界まで移動したことが検知されると、サーボモータ52の逆回転によって上流側に移動させられ、上流側のリミットスイッチにより移動限界が検知される位置、すなわち初期位置に復帰する。
【0045】
上記の切断工程で切断されたモール5の、切断点よりも前方(下流側)の部分は、第二送りローラ22によって下流側に送られ、ヒータ85の下方を通過した後、押圧ローラ12によって板材7の周縁に押圧されて装着される(装着工程)。そして、板材移動手段90によって、装着対象辺の長さ(L2)だけ板材7が移動させられると、モール5の後端すなわち装着の終点は、板材7の角部に位置する。すなわち、装着対象辺の始点としての角部から終点としての角部まで、モール5が装着されたこととなる。これに伴い、板材移動手段90の制御手段から終点信号が送出され、この信号に基づいてエアシリンダ16が作動させられ、モール5を板材7に押圧していた押圧ローラ12が後退させられる。
【0046】
切断点よりも後方(上流側)のモール5は、送り手段20により送られた後、先端検知手段30の検知に基づいて、上記と同様に、送り待機位置で停止させられる。一方、板材移動手段90は、角部を中心に板材7を90度回転させ、既にモール5を装着した装着対象辺の終点を、隣接する装着対象辺の始点とする。
【0047】
次の装着対象辺について始点が定まると、板材移動手段90から始点信号が送出され、この信号に基づき、送り待機位置で待機していたモール5の送りが再開される。そして、モール5の先端が押圧点Pに達した時点で、押圧ローラ12が板材7方向に前進させられ、上記と同様の動作によりモール5の装着が開始される。この際、一対の押圧ローラ12a,12bはエアシリンダ16a,16bによって夫々別個に駆動可能であるため、角部の内側を押圧する押圧ローラ12aが、既に装着されたモール5の突出部5cと干渉する場合は、外側の押圧ローラ12bより若干遅れて板材7側に前進させるよう制御し、干渉を回避することができる。その後、終点までモール5が装着されると、角部を構成する隣接した二辺について、角部を経由して連続的にモール5が装着されたこととなる。
【0048】
板材7の隣接した二辺に装着されたモール5の端部は、角部で超音波溶着装置によって溶着される。この際、モール5の端部は、夫々相反する方向に約45度傾斜した傾斜刃部42によって切断されているため、角部でぴったりと突き合わせることができる。そして、両端部を突き合わせると共に、板材7が装着された側を下方に向けた状態で、板材7から外方に延出しているリップ部5bを受台に載置し、突き合せ部分にホーンを押し当てて超音波を発生させると、極めて短時間で突合せ部分でモール5が溶融し、接合される(超音波溶着工程)。この接合にあたり、上記のように、モール5はリップ部5bの先端側がリップ保持部47によって持ち上げられた状態で切断されているため、モール5の端部の形状はリップ部5bの先端側で若干湾曲している。従って、このような形状の端部を突き合せて溶着することにより、板材7の角部に装着されたモール5のリップ部5bは、先端ほど板材7側に屈曲した形状で接合される。
【0049】
上記のような一連の工程により、板材7の裏面の周縁に沿って装着されたモール5は、板材7の角部でぴったりと突き合わされた状態で接合され、図6に示すような、モール5の装着された板材7が完成する。なお、モール5が装着された板材7を、図6(a)ではモール5側から平面的に表し、図6(b)ではその反対側の板材側から平面的に表し、図6(c)は図6(b)におけるA−A拡大断面図を模式的に表している。
【0050】
次に、本実施形態の装着装置1の装着制御手段60による処理の流れの一例を、図5に基づいて説明する。まず、電源スイッチ69のON操作により装着装置1が稼動を開始すると、送り手段20のモータ26,27の回転を開始させる(ステップS0)。これにより、外部から導入されたモール5が押圧点Pの方向に送られて行く。この段階で、フラッグF及びGに初期値として0を付与する(ステップS1)。その後、先端検知手段30によってモール5の先端が検知されるまではモール5の送りが継続され(ステップS2においてNO)、先端検知手段30によってモール5の先端が検知されると(ステップS2においてYES)、モータ26,27の回転を停止し(ステップS3)、モール5は先端が送り待機位置にある状態で停止する。そして、板材移動手段90から送出される始点信号を受信するまでは、この待機状態を継続させる(ステップS4においてNO)。
【0051】
板材移動手段90によって板材7の角部が押圧点Pに位置させられて始点信号が送出され、これを受信すると(ステップS4においてYES)、再びモータ26,27の回転を開始させ、モール5の送りを再開する(ステップS5)。そして、モール5の先端が押圧点Pに到達する所要時間T1の経過後に(ステップS6においてYES)、一対の押圧ローラ12を駆動するエアシリンダ16を動作させる(ステップS7)。これにより、押圧ローラ12が前進し、モール5の先端が装着の始点となる角部に押圧される。その後は、板材移動手段90による板材7の移動に伴い、板材7の周縁に沿ってモール5が装着されて行く。
【0052】
そして、板材移動手段90により送出される切断位置信号を受信すると(ステップS8においてYES)、サーボモータ52を回転させ、モール5の送りと同期させて切断部41を送り方向へ平行移動させる(ステップS9)。更に、上下駆動シリンダ46を動作させて切断部41を駆動し、下動及び上動させてモール5を切断する(ステップS10)。
【0053】
板材移動手段90が装着の終点となる角部が押圧点Pに達するまで板材7を移動させて送出する終点信号を受信すると(ステップS11においてYES)、エアシリンダ16を動作させて押圧ローラ12を押圧点Pから後退させる(ステップS12)。一方、切断手段40は、下流側のリミットスイッチにより下流側への移動の限界が検知された時点で(ステップS15においてYES)、サーボモータ52を逆回転させて上流側に移動させ(ステップS17)、上流側のリミットスイッチにより移動限界が検知され初期位置まで復帰した時点で(ステップS19においてYES)、サーボモータ52を停止させる(ステップS21)。
【0054】
ここで、終点信号の受信と、下流側のリミットスイッチ及び上流側のリミットスイッチの検知の時点とは、板材7のサイズ、板材7の移動速度、及び切断部41の移動速度の設定の関係により先後するため、本実施形態では、押圧ローラ12を後退させた時点(ステップS12)、及びサーボモータを逆回転させた時点(ステップS17)で、夫々F=1、及びG=1を付与し(ステップS13,S18)、その取得の有無によって、先に受信した信号に基づき処理を行うこととしている(ステップS11〜ステップS22)。
【0055】
その後、停止命令の有無が確認され、停止命令がなければ(ステップS23においてNO)、ステップS1に戻り、上記の処理の流れにより、切断点より後方(上流側)のモール5を隣接する装着対象辺に装着する動作の制御が行われる。一方、停止命令があったときは(ステップS23においてYES)、送り手段20のモータ26,27を停止し(ステップS24)、処理を終了する。
【0056】
上記のように、本実施形態の装着装置1及び装着方法によれば、角部を有する板材7であっても、始点としての角部から終点としての角部まで、モール5を板材7の周縁に沿って装着することができる。そして、一つの装着対象辺の終点を、隣接する装着対象辺の始点とすることにより、角部を経由して連続的にモール5を装着することができる。
【0057】
また、モール5の先端が始点に押圧されて装着が開始され、終点となる角部までの距離に合わせてモール5が自動的に切断されるため、モール5を角部で切除する必要がなく、省力化して効率よくモール5を板材7に装着できる。これと共に、無駄となるモール5を削減することができる。しかも、板材7の角部の角度に合わせたV字状にモール5が切断されるため、切断点をそれより下流側のモール5の装着の終点とすると共に、それより上流側のモール5の装着の始点とした際、角部でモール5の端部をぴったりと突き合わせることができる。これにより、更にモール5の無駄を削減できると共に、板材7の角部でモール5が重畳せず、仕上がりのきれいなものとなる。
【0058】
更に、角部で突き合せたモール5の端部を超音波溶着することにより、極めて短時間で溶着することができ、いわゆる「バリ」の少ない、更に仕上がりのきれいな接合面を得ることができる。これにより、板材7に装着したモール5の外観が良いものとなると共に、ウィンドシールドとして高い気密性を発揮可能なものとなる。
【0059】
また、リップ保持部47によりリップ部5cを持ち上げた状態でモール5を切断することにより、板材7の角部に装着されて接合されたモール5は、リップ部5bが先端ほど板材7側に屈曲する。その結果、モール5を装着した板材7(ガラス板)を自動車の車体に取付けた際に、車体枠と干渉する度合いが減少し、反力によるモール5の浮き上がりが防止される。これにより、より気密性が高く、より外観の良いものとなる。また、車体枠からはみ出したリップ部が、自動車の走行に伴う風によってリードのように振動し、異音を発することを防止することができる。
【0060】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態では、角部が直角である板材7にモール5を装着する場合を例示したが、これに限定されず、直角以外の角度を有する板材、例えば平面形状が略台形の板材へのモールの装着についても、本発明を適用することが可能である。この際、切断部の二枚の傾斜刃部の角度を調整することにより、モールの切断角度を板材の角部の角度に合わせることもできる。
【0062】
また、本実施形態では、ウィンドシールドとしてガラス板にモール5を装着する場合を例示したが、これに限定されず、例えば、角部を有するパネルの周縁に、装飾のためにモールを装着する場合にも、本発明を適用することができる。
【0063】
また、本実施形態では、モール5の切断位置の決定に当たり、板材移動手段90が板材7を移動させた距離を変数とした場合を例示したが、これに限定されず、例えば、送り再開後に送り待機位置から送られたモールの長さを、送り経路に設けられたエンコーダ等によって検出することにより、装着装置の側のみで切断位置を決定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態であるモール装着装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1のモール装着装置の構成を平面的に示す説明図である。
【図3】図1のモール装着装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態であるモール装着方法における切断工程を説明する説明図である。
【図5】図1のモール装着装置における制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1のモール装着装置及び本実施形態のモール装着方法によりモールが装着された板材を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1 装着装置(モール装着装置)
5 モール
7 板材
10 押圧手段
20 送り手段
30 先端検知手段
40 切断手段
60 装着制御手段
90 板材移動手段
P 押圧点
S 先端検知位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角部を有する板材の周縁に沿ってモールを装着するモール装着装置であって、
前記モールを押圧点で前記板材に対して押圧する押圧手段と、
前記押圧点の方向に前記モールを送る送り手段と、
該送り手段によって送られる前記モールの先端が所定位置を通過したことを検知し、先端検知信号を送出する先端検知手段と、
該先端検知信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを停止させて、前記モールの先端を送り待機位置で待機させ、
前記押圧点に対して前記板材を移動させる板材移動手段により、前記板材の前記モールが装着される装着対象辺の装着の始点となる角部が、前記押圧点に位置させられた際に、前記板材移動手段により送出される始点信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを開始させ、
前記モールの先端が前記送り待機位置から前記始点に到達する所定時間後に、前記押圧手段を動作させ前記モールを前記始点に押圧させる装着制御手段と
を具備することを特徴とするモール装着装置。
【請求項2】
前記モールを切断点で切断する切断手段を更に具備し、
前記装着制御手段は、
前記板材移動手段により前記板材が前記押圧点に対して移動させられ、前記押圧点が前記板材の周縁に沿って相対的に移動するのに伴い、前記装着対象辺の装着の終点となる角部と前記押圧点との距離、及び前記切断点と前記押圧点との距離が等しくなった時点で、前記切断手段を制御して前記モールを切断させる
ことを特徴とする請求項1に記載のモール装着装置。
【請求項3】
前記切断手段は、V字形に構成される切断部を有することを特徴とする請求項2に記載のモール装着装置。
【請求項4】
角部を有する板材の周縁に沿ってモールを装着するモール装着方法であって、
前記モール及び前記板材の周縁の少なくとも何れか一方に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
送り手段によって、押圧手段が前記モールを前記板材に対して押圧する押圧点まで前記モールを送るモール送り工程と、
前記送り手段によって送られる前記モールの先端が所定位置を通過したことを検知し、先端検知信号を送出する先端検知工程と、
該先端検知信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを停止させ、前記モールを先端が送り待機位置に位置する状態で待機させる送り待機工程と、
板材移動手段により前記板材を移動させ、前記板材の前記モールが装着される装着対象辺の装着の始点となる角部を、前記押圧点に位置させ、始点信号を送出する始点信号送出工程と、
該始点信号に基づき、前記送り手段による前記モールの送りを再び開始する送り再開工程と、
前記送り待機位置から送られる前記モールの先端が前記始点に到達する所定時間後に、前記押圧手段を動作させて前記モールを前記始点に押圧させる始点押圧工程と、
前記板材移動手段により前記板材を前記押圧点に対して移動させると共に、前記押圧手段によって前記モールを前記板材に押圧し、前記板材の周縁に沿って前記モールを装着する装着工程と、
前記板材の移動により前記押圧点が前記板材の周縁に沿って相対的に移動するのに伴い、前記装着対象辺の装着の終点となる角部と前記押圧点との距離、及び切断点と前記押圧点との距離が等しくなった時点で、前記モールを前記切断点で切断する切断工程と
を具備することを特徴とするモール装着方法。
【請求項5】
前記板材の少なくとも隣接する二辺に装着された前記モールの端部を、前記二辺により構成される角部で突き合わせた状態で、超音波により溶着する超音波溶着工程を、更に具備することを特徴とする請求項4に記載のモール装着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−168555(P2007−168555A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367477(P2005−367477)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(591008199)中部工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】