説明

ユニット型色彩選別機

【課題】精米工場に複数台の色彩選別機を併設するにあたって配管等の使用材料に無駄がなく、設置が容易なユニット型色彩選別機を提供する。
【解決手段】複数の選別ユニット2を横方向に一体的に連結した選別ユニット群3と、該選別ユニット群3の上部に接続され、各選別ユニット2に被選別物となる原料を供給するための上部ユニット4と、前記選別ユニット群3の下部に接続され、各選別ユニット2により光学的に選別された選別物を集合させて適宜次工程に搬送するための下部ユニット5とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状物の色彩選別機に関するもので、詳しくは、小規模精米工場から大規模精米工場など各精米工場の仕様に合わせて容易に設置することが可能なユニット型色彩選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の色彩選別機として、特許文献1に開示されたものがある。このものは、機能が同じ4台の検査装置(ユニット)を横方向に並べて検査システムに構成し、そのうちの1台のユニットに設置した操作卓によって、全4台の運転操作を行うように構成されている(段落0036参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の色彩選別機にあっては、小規模精米工場から大規模精米工場など各精米工場に設置する場合、1台1台のユニットを設計図どおりに現場において配置するものであるから、配管等の使用材料に無駄が生じやすく、作業の煩雑さからコストが嵩むという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-097866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点にかんがみ、精米工場に複数台の色彩選別機を併設するにあたって配管等の使用材料に無駄がなく、設置が容易なユニット型色彩選別機を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、複数の選別ユニットを横方向に一体的に連結した選別ユニット群と、該選別ユニット群の上部に接続され、各選別ユニットに被選別物となる原料を供給するための上部ユニットと、前記選別ユニット群の下部に接続され、各選別ユニットにより光学的に選別された選別物を集合させて適宜次工程に搬送するための下部ユニットとを備える、という技術的手段を講じた。
【0007】
請求項2記載の発明によれば、前記上部ユニット内には、各選別ユニットに対応する複数の原料タンクと、該複数の原料タンクと前記各選別ユニットとをそれぞれ連通させる複数の原料供給装置と、被選別物となる原料を各原料タンク毎に分配搬送するための分配型横搬送装置とを設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明によれば、前記下部ユニット内には、前記選別ユニット群の各選別ユニットに対応する複数の良品排出樋と複数の不良品排出樋とが設けられ、該複数の良品排出樋は一次良品を集合させて機外に排出するようにそれぞれを良品用横搬送装置に接続する一方、前記複数の不良品排出樋は一次不良品を集合させて二次選別部に供給するようにそれぞれを不良品用横搬送装置に接続したことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明によれば、前記選別ユニット群から各選別ユニットを個別に脱着可能に形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明によれば、前記選別ユニットは、被選別物を流下させるために傾斜配置したシュートと、該シュート下端から落下する被選別物の流下軌跡の前方に配置した表側光学検出手段と、前記流下軌跡を挟んで表側光学検出手段と対向する裏側光学検出手段と、これら光学検出手段による検出結果に基づいて被選別物から異物又は不良品を除去するエジェクター手段とを備え、前記表側光学検出手段は、その下部が上方に回動可能となるよう、その上部において裏側光学検出手段とヒンジを介して連結したことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明によれば、前記表側光学検出手段及び裏側光学検出手段の各光源が配置される箇所のカバー側壁内面に、前記シュートの外端部における光量を確保するための反射板を取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の選別ユニットを横方向に一体的に連結した選別ユニット群と、該選別ユニット群の上部に接続され、各選別ユニットに被選別物となる原料を供給するための上部ユニットと、前記選別ユニット群の下部に接続され、各選別ユニットにより光学的に選別された選別物を集合させて適宜次工程に搬送するための下部ユニットとを備えたユニット型色彩選別機としてあるから、上部ユニット及び下部ユニット内に配管等が内装され、精米工場で色彩選別機を設置するにあたって、現場での配管作業が省略できて設置が容易となる。
【0013】
また、請求項2記載の発明によれば、前記上部ユニット内には、各選別ユニットに対応する複数の原料タンクと、該複数の原料タンクと前記各選別ユニットとをそれぞれ連通させる複数の原料供給装置と、被選別物となる原料を各原料タンク毎に分配搬送するための分配型横搬送装置とを設けたものであるから、これらの使用部材は、予め規定寸法を定めたものを使用するから、手配を迅速に行うことができ、また、配管等の材料の無駄をなくすことができる。
【0014】
そして、請求項3記載の発明によれば、前記下部ユニット内に、前記選別ユニット群の各選別ユニットに対応する複数の良品排出樋と複数の不良品排出樋とを設け、該複数の良品排出樋は一次良品を集合させて機外に排出するようにそれぞれを良品用横搬送装置に接続する一方、前記複数の不良品排出樋は一次不良品を集合させて二次選別部に供給するようにそれぞれを不良品用横搬送装置に接続したものであるから、各選別ユニットにより光学的に選別された一次良品は、これらを集合させて機外に排出するとともに、各選別ユニットにより光学的に選別された一次不良品は、これらを集合させて二次選別部に供給することができる。また、下部ユニットは、幅、奥行、高さ等の寸法が、精米工場の設置性に合わせて、所定値として規格化を図って設定されており、ユニット型色彩選別機の設置が容易で短時間で作業が終了する。
【0015】
さらに、請求項4記載の発明は、前記選別ユニット群から各選別ユニットを個別に脱着可能に形成してあるから、ある特定の選別ユニットが故障した場合には、代替用の選別ユニットと交換するのみで修理が完了するので、極めてメンテナンス性に優れたものとなる。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記選別ユニットが、被選別物を流下させるために傾斜配置したシュートと、該シュート下端から落下する被選別物の流下軌跡の前方に配置した表側光学検出手段と、前記流下軌跡を挟んで表側光学検出手段と対向する裏側光学検出手段と、これら光学検出手段による検出結果に基づいて被選別物から異物又は不良品を除去するエジェクター手段とを備え、前記表側光学検出手段は、その下部が上方に回動可能となるよう、その上部において裏側光学検出手段とヒンジを介して連結したものであるから、表側光学検出手段を上方に回動させることで、被選別物が流下する空間を簡単に開放することができ、内部を露出させて、シュートや光学検出部、エジェクター等に付着・堆積した粉塵等を容易に除去することができる。
【0017】
また、請求項6記載の発明は、前記表側光学検出手段及び裏側光学検出手段の各光源が配置される箇所のカバー側壁内面に、前記シュートの外端部における光量を確保するための反射板を取り付けたので、シュートの幅方向端部における光量が確保でき、選別ユニットの機体の幅を狭くして装置を小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のユニット型色彩選別機の全体正面図である。
【図2】上部ユニットの内部構造を示す概略側断面図である。
【図3】下部ユニットの内部構造を示す概略側断面図である。
【図4】本発明のユニット型色彩選別機の全体斜視図である。
【図5】本発明のユニット型色彩選別機の選別ユニットの内部構造の説明図である。
【図6】選別ユニットの表側光学検出部を回動させた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明のユニット型色彩選別機の全体正面図であり、図2は上部ユニットの内部構造を示す概略側断面図であり、図3は下部ユニットの内部構造を示す概略側断面図であり、図4は本発明のユニット型色彩選別機の全体斜視図である。
【0020】
図1及び図4に示すように、本実施形態のユニット型色彩選別機1は、幅方向が略300mm〜500mm、高さ方向が略500mm〜700mm、奥行方向が略500mm〜800mmに形成された小型の選別ユニット2を、横方向に複数台(図1では左端から5台目までが一次選別用の選別ユニット2a、2b、2c、2d、2eに形成され、右端の1台が二次選別用の選別ユニット2fに形成される。)並設して一体的に連結した選別ユニット群3と、該選別ユニット群3の上部に接続され、各選別ユニット2に原料を供給するための上部ユニット4と、前記選別ユニット群3の下部に接続され、各選別ユニット2で選別された選別物を適宜搬送するための下部ユニット5とから主要部が構成される。また、ユニット型色彩選別機1の両側部には、原料を揚上するための原料用昇降機20と一次選別で取り出された不良品を再選別するために揚上する二次選別用昇降機21とが付設される。
【0021】
図2に示すように、前記上部ユニット4内には、前記選別ユニット群3の各選別ユニット2にそれぞれ対応する複数の原料タンク6と、該複数の原料タンク6と前記各選別ユニット2とをそれぞれ連通させる複数の原料供給装置7とが設けられる。そして、前記一次選別用の選別ユニット2a〜2eに対応する複数の原料タンク6上方には、前工程から送られてくる原料を各原料タンク6毎に分配搬送するための分配型横送搬送装置8が設けられる。
この分配型横搬送装置8は、円筒形ケーシング9と、一端側を軸受10により支持し、他端側を駆動装置11にて前記円筒形ケーシング9内を回転駆動されるスクリュー軸12と、該スクリュー軸12に軸着される螺旋状のスクリュー羽根13と、円筒ケーシング9の上流側に設けた原料の供給口14と、円筒ケーシング9の底面側に設けた複数の分配排出口15と、該複数の分配排出口15の各開口の開口面積を調節可能な複数のダンパー16とから構成される。この構成により、前工程から送られてくる原料を各原料タンク6毎に分配搬送することで、各選別ユニット2における選別を並列的に処理することができる。なお、分配型横搬送装置8は、この構成に限定されることはなく、例えば、ケーシングの両端にそれぞれ回転可能な調車を支承し、該両回転調車間に突起付のコンベアベルトを巻回させた構成の、いわゆるフローコンベアの形態であってもよい。
【0022】
前記二次選別用の選別ユニット2fに対応する原料タンク6上方には、再選別物供給口17が設けられている。この構成により一次選別用の選別ユニット2a〜2eにおいて不良品として取り出されたものが、二次選別用の選別ユニット2fにより再選別されることになる。
【0023】
そして、図3に示すように、前記下部ユニット5内には、前記選別ユニット群3の各選別ユニット2にそれぞれ対応する複数の良品排出樋18と不良品排出樋19とが設けられ、それぞれ、各良品排出樋18は良品用横搬送装置22に接続され、各不良品排出樋19は不良品用横搬送装置23に接続される。
良品用横搬送装置22は、ケーシング24と、ケーシング24に内装されたスクリューコンベア25からなる周知の搬送装置で形成され、該搬送装置22終端側には、良品を機外排出するための良品排出口26が接続される。同様に、不良品用横搬送装置23は、ケーシング27と、ケーシング27に内装されたスクリューコンベア28からなる周知の搬送装置で形成され、該搬送装置23終端側は、連通管29により二次選別用昇降機21に接続される。そして、二次選別用の選別ユニット2fからは二次不良品を排出するための二次不良品排出口30が設けられる。
【0024】
下部ユニット5の外観は図4に示すように、台座31上に設置した所定の幅W、奥行L、高さHからなる筐体に形成され、該下部ユニット5上に、選別ユニット2a、2b、2c、2d、2e、2fを整列配置した構造である。この下部ユニット5の幅W、奥行L、高さH等の寸法は、精米工場の設置性に合わせて、所定値として規格化を図って設定するのが好ましい。そして、前記各選別ユニット2…背面には、前記下部ユニットから垂直方向に延びる支持部材32が立設され、各選別ユニット2…が着脱可能に支持される。そして、支持部材32上部には、所定の幅W、奥行l、高さhからなる筐体に形成された上部ユニット4が設置される。この上部ユニット4にあっても、その幅W、奥行l、高さh等の寸法は、精米工場の設置性に合わせて、所定値として規格化を図って設定するのが好ましい。
【0025】
次に、各選別ユニット2…の構造について図5及び図6を参照して説明する。
【0026】
図5は選別ユニット2の光学検出部付近の説明図であり、図6は光学検出部を上方へ回動させた状態を示す斜視図である。図4に示すように、選別ユニット2は、原料供給装置7から被選別物を流下させるシュート40と、シュート40から落下する被選別物の落下軌跡に沿った位置に設けられる表側光学検出部41及び裏側光学検出部42と、光学検出部41,42のさらに下方に設けて正常な被選別物から不良品を除去するエジェクター手段43と、エジェクター手段43の下方に設けられ、被選別物に対してエジェクター手段43の排除作用を受けずに良品を回収する良品回収部44と、被選別物に対してエジェクター手段43による排除作用を受けて不良粒を回収する不良品回収部45と、を備えている。
【0027】
そして、図6に示すように、表側光学検出部41は、カバー正面外側の下方に把手46が設けられ、その下方端部には、パッチン止用金具47が設けられるものである。なお、当該パッチン止用金具47は、図1及び図4に示すように、表側光学検出部41の下方であって、選別ユニット2本体側に取り付けられるパッチン錠本体48により係止されるものである。そして、表側光学検出部41は、左右一対のヒンジ49により本体側の裏側光学検出部42と連結されているから、図6に示すように、作業者は、表側光学検出部41の把手46を把持し、パッチン止用金具47を外して表側光学検出部41を上方へ回動させることで、光学検出部41,42の間に形成される原料が流下する空間を開放し、その内部を露出させることができる。これにより、表側光学検出部41を上方に回動させることで、被選別物が流下する空間を簡単に開放することができ、内部を露出させて、シュート40や光学検出部41,42、エジェクター手段43等に付着・堆積する粉塵等を容易に除去することができる。
さらに、表側光学検出部41と裏側光学検出部42の間には、例えば、ガススプリング50が配置され、上方へ回動させられた表側光学検出部41は、当該ガススプリング50により上記空間の開放状態を維持できるよう構成されている。表側光学検出部41が、ガススプリング50により開放位置に支持されれば、表側光学検出部が勝手に閉じることがないため、作業者による清掃作業等を安全に行うことができる。
【0028】
また、表側光学検出部41の裏側光学検出部42に対向する面の下方には、ショックアブソーバ51が設けられ、表側光学検出部42を下方へ回動させて、空間を閉鎖する際の衝撃を緩和させるよう構成されている。
【0029】
図6に示すように、表側光学検出部41における照明手段(光源)が配置される箇所と、裏側光学検出部42における光源が配置される箇所の両カバーにおける両側壁内面には、シュート40の外端部における光量を確保するために、それぞれミラー等からなる反射板52a,52bが取り付けられている。なお、反射鏡52a,52bは、シュート40外端における光量を確保できるものであればよく、ミラー以外にも鏡面仕上げされた他の部材等を用いることもできる。これにより、シュート40の幅方向端部における光量が確保でき、選別ユニット2の機体の幅を狭くして装置を小型化することが可能になる。
【0030】
以下、上記構成における作用、効果を説明する。
【0031】
まず、小規模精米工場から大規模精米工場など各精米工場において色彩選別機を設置するにあたって、予め各精米工場ごとに必要な選別ユニット2の数を決定し、色彩選別機の製造工場内において下部ユニット5、上部ユニット4及び支持部材32を製作していく。
【0032】
上部ユニット4及び下部ユニット5内に配置する搬送装置8、22、23などの使用部材は、予め規定寸法を定めたものを使用するから、手配を迅速に行うことができ、また、配管等の材料の無駄をなくすことができる。また、上部ユニット4及び下部ユニット5は、幅、奥行、高さ等の寸法が、精米工場の設置性に合わせて、所定値として規格化を図って設定されており、設置が容易で短時間で作業が終了するよう設計されている。
【0033】
下部ユニット5、上部ユニット4及び支持部材32の製作が終了したら、設置すべき選別ユニット3の台数に従って、必要な電源配線、配管等を行っていく。
【0034】
そして、図1及び図4のようにユニット型色彩選別機1として組み上がった段階で、精米工場の現場に設置する。精米工場の現場では、施工済みの次工程の配管(図示せず)上に下部ユニット5を載せ、次いで、付帯設備となる原料用昇降機20及び二次選別用昇降機21を立設し、配管すれば設置が完了する。
【0035】
次に、本実施形態のユニット型色彩選別機1の作動について述べる。図1及び図2に示すように、原料用昇降機20から揚送された被選別物は、供給口14を介して分配型横搬送装置8に供給される。この分配型横搬送装置8では、まず、選別ユニット2aの領域のダンパー16が開放され、当該選別ユニット2aの領域の原料タンク6に一定量の被選別物が貯留されると閉鎖する制御を行う(原料タンク6内面下部に下限センサを、内面上部に上限センサをそれぞれ設置し、原料タンク6内に一定量の被選別物が貯留されるようにダンパーを開閉制御すればよい。)。以下、順次、選別ユニット2b、2c、2d、2eの領域の各原料タンク6に一定量の被選別物が貯留されるよう、分配供給するとよい。
【0036】
選別ユニット2a,2b、2c、2d、2eの領域の各原料タンク6に一定量の被選別物が貯留されると、各原料供給装置7(図2参照)を介して一定流量で各シュート40に供給されて各選別ユニット2…での選別が開始される。
【0037】
シュート40上を流下する原料は、表側光学検出部41及び裏側光学検出部42により検出され、検出の結果、良品と判定された原料(以下、「一次良品」という。)は、良品回収部44(図5参照)を介して良品排出樋18(図3参照)から良品用横搬送装置22に落下する。また、不良品と判定された原料(以下、「一次不良品」という。)は、エジェクター手段43により弾かれて、不良品回収部45(図5参照)を介して不良品排出樋19(図3参照)から不良品用横搬送装置23に落下する。
【0038】
そして、一次良品は、良品用横搬送装置22の搬送終端部の良品排出口26から機外に排出され、次工程に至る。一方、一次不良品は、不良品用横搬送装置23により横搬送され、連通管29を介して二次選別用昇降機21により揚粒された後(図3参照)、再選別物供給口17を経て二次選別用の選別ユニット2fの原料タンク6に貯留される(図2参照)。当該原料タンク6に貯留された一次不良品は、原料供給装置7を介して一定流量でシュート40に供給されて二次選別用の選別ユニット2fでの選別が開始される。
【0039】
シュート40上を流下する原料は、上記同様に検出され、検出の結果、良品と判定された原料(以下、「二次良品」という。)は、一次良品とともに良品排出口26から機外に排出され、次工程に至る。一方、不良品と判定された原料(以下、「二次不良品」という。)は、二次不良品排出口30から機外に排出されることになる。
【0040】
上記のような選別作業において、本実施形態のユニット型色彩選別機1は、仮に、選別ユニット2bが故障した場合であっても、選別ユニット2a、2c、2d、2e、2fを停止することなく、選別作業を継続することが可能である。すなわち、選別ユニット2a、2b、2c、2d、2e、2fは選別ユニット群3から個別に脱着可能に形成してあり、かつ、それぞれの選別ユニットが完全に独立した電源系統、光源、光学検出部及びエジェクター手段の構成となっている。これにより、故障した選別ユニット2bを交換するための代替用の選別ユニット2が精米工場に到着するまでは、分配型横搬送装置8の選別ユニット2bに対応するダンパー16を閉鎖しておく制御のみで、選別ユニット2a、2c、2d、2e、2fの選別作業が継続可能な構成となっている。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施形態のユニット型色彩選別機によれば、小規模精米工場から大規模精米工場など各精米工場において、予め各精米工場に必要な選別ユニットの数を決定し、色彩選別機の製造工場内において下部ユニット、上部ユニット及び支持部材を製作していくものであるから、精米工場への設置が容易であり、工数が著しく短縮することができ、小規模精米工場から大規模精米工場まで自由度の高いユニット型色彩選別機を提供できるようになった。
【0042】
また、上部ユニット及び下部ユニット内に配置する搬送装置などの使用部材は、予め規定寸法を定めたものを使用するから、手配を迅速に行うことができ、また、配管等の材料の無駄をなくすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、粒状物の色彩選別機に適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ユニット型色彩選別機
2 選別ユニット
3 選別ユニット群
4 上部ユニット
5 下部ユニット
6 原料タンク
7 原料供給装置
8 分配型横送搬送装置
9 円筒形ケーシング
10 軸受
11 駆動装置
12 スクリュー軸
13 スクリュー羽根
14 供給口
15 分配排出口
16 ダンパー
17 再選別物供給口
18 良品排出樋
19 不良品排出樋
20 原料用昇降機
21 二次選別用昇降機
22 良品用横搬送装置
23 不良品用横搬送装置
24 ケーシング
25 スクリューコンベア
26 良品排出口
27 ケーシング
28 スクリューコンベア
29 連通管
30 二次不良品排出口
31 台座
32 支持部材
40 シュート
41 表側光学検出部
42 裏側光学検出部
43 エジェクター手段
44 良品回収部
45 不良品回収部
46 把手
47 パッチン止用金具
48 パッチン錠本体
49 ヒンジ
50 ガススプリング
51 ショックアブソーバ
52 反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選別ユニットを横方向に一体的に連結した選別ユニット群と、該選別ユニット群の上部に接続され、各選別ユニットに被選別物となる原料を供給するための上部ユニットと、前記選別ユニット群の下部に接続され、各選別ユニットにより光学的に選別された選別物を集合させて適宜次工程に搬送するための下部ユニットとを備えたことを特徴とするユニット型色彩選別機。
【請求項2】
前記上部ユニット内には、各選別ユニットに対応する複数の原料タンクと、該複数の原料タンクと前記各選別ユニットとをそれぞれ連通させる複数の原料供給装置と、被選別物となる原料を各原料タンク毎に分配搬送するための分配型横搬送装置とを設けてなる請求項1記載のユニット型色彩選別機。
【請求項3】
前記下部ユニット内には、前記選別ユニット群の各選別ユニットに対応する複数の良品排出樋と複数の不良品排出樋とが設けられ、該複数の良品排出樋は一次良品を集合させて機外に排出するよう、それぞれを良品用横搬送装置に接続する一方、前記複数の不良品排出樋は一次不良品を集合させて二次選別部に供給するよう、それぞれを不良品用横搬送装置に接続してなる請求項1又は2記載のユニット型色彩選別機。
【請求項4】
前記選別ユニット群は、各選別ユニットを個別に脱着可能に形成してなる請求項1から3のいずれかに記載のユニット型色彩選別機。
【請求項5】
前記選別ユニットは、被選別物を流下させるために傾斜配置したシュートと、該シュート下端から落下する被選別物の流下軌跡の前方に配置した表側光学検出手段と、前記流下軌跡を挟んで表側光学検出手段と対向する裏側光学検出手段と、これら光学検出手段による検出結果に基づいて被選別物から異物又は不良品を除去するエジェクター手段とを備え、前記表側光学検出手段は、その下部が上方に回動可能となるよう、その上部において裏側光学検出手段とヒンジを介して連結したものである請求項1から4のいずれかに記載のユニット型色彩選別機。
【請求項6】
前記表側光学検出手段及び裏側光学検出手段には、光源が配置される箇所のカバー側壁内面に、前記シュートの外端部における光量を確保するための反射板を取り付けてなる請求項5記載のユニット型色彩選別機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−96211(P2012−96211A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248656(P2010−248656)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】