説明

ユーザの生体情報を用いてユーザ又はユーザ以外の第三者に利益を供与するシステム

【課題】ユーザ及び第三者の少なくとも一方が従来より満足することができるようなシステムを提供する。
【解決手段】ユーザの、一以上の生体項目を含んだ生体情報を蓄積し、複数の前記生体項目についての疾患レベルの各々に対応した告知先を前記ユーザから受け、前記生体項目の疾患レベルごとの告知先、告知時期、及び告知方法を登録する。そして、閲覧要求の入力を受け付けて、当該閲覧要求で示されるユーザの前記生体項目のうち、告知条件に適合した生体項目に対応する診断結果項目を、疾患レベルに対応して登録されている告知先、告知時期、及び告知方法に基づいて提供処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ又はユーザ以外の第三者に利益を供与するためのコンピュータ技術に関し、具体的には例えば、ユーザの生体情報を用いてユーザに利益を供与するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、遺伝子診断、健康診断、遺伝又は医療関連の研究などに適用することができるが、以下、遺伝子診断及び遺伝関連の研究を例にとり説明する。
【0003】
従来、ユーザから血液や髪の毛等を採取し、採取された血液や髪の毛等を用いて行う遺伝子診断が知られている。遺伝子診断は、例えば、DNAシーケンス法,PCR法,RT-PCR法,及びSSCP法などによって行われ、それにより、遺伝子診断結果のデータ(以下、診断結果データ)が得られて、ユーザの体質、現在患っている又は将来発症し得る病気、及びその治療方法等を特定することができる。なお、医療情報を収集して患者に提供するシステムにおいて、患者によって提供される情報および医学文献からの情報により構築される医療データベースに格納される医療データをマッチングしてプロフィールを自動的に生成し患者に提供する技術が、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特表2002−539561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の遺伝子診断では、例えば以下のような問題点がある。
【0005】
(1)従来は、遺伝子診断が行われた後は、一般に、ユーザの個人情報保護の観点から、取得された診断結果データは破棄されている。そのため、遺伝子診断以降は、ユーザは、ユーザの診断結果データに関連した、ユーザにとって有用な遺伝関連情報(例えば、研究の成果発見された疾患遺伝子の情報)を受け取ることができない。
【0006】
(2)ユーザが、診断結果データに含まれている全ての診断結果項目を知りたがるとは限らない。例えば、致死率が高い病気を発症する虞がある等の診断結果項目(診断結果事項)は知りたくないことがある。このため、診断結果データに含まれている診断結果項目のうち希望する診断結果項目のみを受けられることをユーザが望んでいると考えられるが、従来はそのような技術は知られていない。
【0007】
(3)遺伝子診断は、一般に、選択可能な複数の診断項目の中から特定の診断項目をユーザが選択して行う。遺伝子診断に要する費用や、遺伝子診断によって得られる結果は、選択された診断項目の種類や数によって異なるので、診断項目の選択は、ユーザの予算や、何に関心があるか等によって行うことになる。それらの観点に基づいて、複数の診断項目から所望の診断項目を選択して診断メニューを決定することはそれなりに面倒である。
【0008】
(4)遺伝子診断の結果からどれだけの情報を得ることができるかは、主に、研究者等による研究成果(例えば、新たな疾患遺伝子の発見)にかかっている。それなりの研究成果をあげるためには、通常、多くの時間や費用がかかるものである。このため、新たな疾患遺伝子の発見等が成された場合には、それを成した研究者等に対して相応の報酬が支払われて良いはずである。しかし、従来、そのような報酬が支払われる仕組みは知られていない。これ故、研究者等のインセンティブが不足してしまっている虞がある。
【0009】
以上のように例示した問題点から分かるように、従来は、ユーザにもユーザ以外の第三者にも満足されていないと考えられる点がある。以上のような問題点は、遺伝子診断以外の分野でも存在し得る。
【0010】
従って、本発明の目的は、ユーザ及び第三者の少なくとも一方が従来より満足することができるようなシステムを提供することにある。
【0011】
具体的には、例えば、ユーザが遺伝子診断の結果を受けた後であっても有用な情報を受けることができるようにすることにある。
【0012】
また、ユーザが希望する診断結果項目のみを受けることができるようにすることにある。
【0013】
また、ユーザが容易に診断メニューを決めることができるようにすることにある。
【0014】
また、研究者のインセンティブを高めることができるようにすることにある。
【0015】
また、ユーザの遺伝子診断の結果を基に第三者に有用な情報を提供することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の側面に従うシステムは、ユーザの生体情報を蓄積する蓄積手段と、新たな生体関連情報を入力する入力手段と、入力された新たな生体関連情報が、蓄積された生体情報に関連性があるか否かの判断を行う判断手段と、その判断の結果、上記入力された新たな生体関連情報が、上記蓄積された生体情報に関連性がある場合には、その新たな生体関連情報又はその新たな生体関連情報から派生する派生情報をユーザへ提供する提供手段とを備える。
【0017】
ここで言う「生体情報」とは、ユーザの体に関する情報のことであり、例えば、遺伝子診断の結果として見つかった遺伝子に関する情報(例えば、有性、劣性、一因子、多因子、その遺伝子が関与する疾患、その疾患に関する治療方法など)や、ユーザのカルテに関するデータ等である。
【0018】
また、ここで言う「生体関連情報」とは、例えば人間の生体に関する情報であり、具体例としては、人間の遺伝子に関する情報(例えば、疾患、その疾患の原因となる率など)や、遺伝子に関する研究の結果などである。
【0019】
更に、ここで言う「派生情報」とは、例えば、生体関連情報が加工された情報、生体関連情報から知ることができる情報、又は、生体関連情報に基づいて取得することができる情報等である。
【0020】
本発明の第2の側面に従うシステムは、ユーザの、一以上の生体項目(例えば、健康診断又は遺伝子診断を受けた場合にはその診断の結果項目)を含んだ生体情報を蓄積する蓄積手段と、生体情報をユーザに告知する場合の告知条件をユーザから受ける告知条件受け手段と、生体情報の中から上記告知条件に適合する生体項目のみを選択してユーザへ通知する通知手段とを備える。
【0021】
本発明の第3の側面に従うシステムは、ユーザの生体情報を蓄積する蓄積手段と、ユーザの生活習慣又は病歴に関する生活情報を入力する入力手段と、入力された生活情報と、蓄積された生体情報とに基づいて、ユーザが現在患っている若しくは将来発症し得る疾患それ自体、又は、その疾患を患い得る可能性の度合(例えば、高、中、低の三段階で表しても良いし、確率であっても良い)を推測する推測手段と、推測された疾患それ自体又は上記可能性の度合をユーザへ通知する通知手段とを備える。推測手段は、例えば、所定のタイミグで、或いは、ユーザからの要求を受けたときに上述した推測を行うことができる。
【0022】
本発明の第4の側面に従うシステムは、ユーザの生体情報を用いてユーザ又は第三者に利益を供与することができるシステムであって、ユーザの、一以上の生体項目を含んだ生体情報を蓄積する蓄積手段と、複数の前記生体項目についての疾患レベルの各々に対応した告知先を前記ユーザから受け、前記生体項目の疾患レベルごとの告知先、告知時期、及び告知方法を告知情報記憶手段へ登録する告知情報設定手段と、閲覧要求の入力を受け付けて、当該閲覧要求で示されるユーザの前記生体項目のうち、告知条件に適合した生体項目に対応する診断結果項目を、疾患レベルに対応して前記告知情報記憶手段に登録されている告知先、告知時期、及び告知方法に基づいて提供処理を行う告知内容提供手段と、を備える。
【0023】
本発明の第5の側面に従うシステムは、選択可能な複数の診断項目を記憶する記憶手段と、ユーザの関心分野を入力する入力手段と、入力された関心分野に基づいて、選択可能な複数の診断項目の中から一以上の診断項目を選択し、選択された一以上の診断項目を用いて、ユーザへ推奨する診断メニュー(例えば、遺伝子診断又は健康診断の診断メニュー)を作成する作成手段と、作成された診断メニューをユーザへ提供する提供手段とを備える。ここで、「関心分野」とは、関心ある事項や事実など何でも採用し得る。具体的には、例えば、関心分野とは、疾病の種類、疾病の重篤度、遺伝子診断で使ってもよい予算、治療法の有無、体質などの一以上の関心分野項目を含んだものである。
【0024】
このシステムの好適な実施形態では、新たな生体関連情報を入力する入力手段と、入力された新たな生体関連情報に基づいて、上記選択可能な複数の診断項目を更新する更新手段とが更に備えられる。更に、好適な実施形態では、新たな生体関連情報に基づいて更新された後の診断項目が選択されたときは、その新たな遺伝関連情報の提供元に所定の料金を支払うための支払処理を実行する支払手段が更に備えられる。なお、診断項目は、1種類の遺伝関連情報によって追加される場合もあれば、2種類以上の遺伝関連情報によって追加される場合もある。2種類以上の遺伝関連情報によって1つの診断項目が追加され且つそれが利用された場合には、それら2種類以上の遺伝関連情報の各々の提供元に所定の料金が支払われて良い。
【0025】
本発明の第6の側面に従うシステムは、懸賞がかけられた生体関連情報の告示を行う告示手段と、新たな生体関連情報を入力する入力手段と、入力された新たな生体関連情報が上記懸賞がかけられた生体関連情報(この生体関連情報には、この生体関連情報に貢献する情報を含んでも良い)であれば、入力された新たな生体関連情報の提供元に懸賞を付与するための処理を行う付与手段とを備える。
【0026】
本発明の第7の側面に従うシステムは、ユーザの、一以上の生体項目を含んだ生体情報を蓄積する蓄積手段と、生体情報をユーザ以外の第三者へ開示する場合の開示条件をユーザから受ける開示条件受け手段と、生体情報の中から上記開示条件に適合する生態項目のみを選択して上記第三者へ開示する開示手段とを備える。開示条件には、一例として、開示が許可される或いは許可されない開示先の条件(例えば、医者なら開示を許可、保険営業員なら開示を許可せず等)、又は、生体項目の条件(例えば、疾患遺伝子なら開示を許可、その他の診断結果項目は開示を許可せず等)などが含まれる。また、開示条件には、ユーザの又はユーザの血縁にある特定の人間の許諾を得れば開示しても良いという条件もある。
【0027】
上述した各システムを構成する各手段はコンピュータにより実施することができるが、そのためのコンピュータプログラムは、ディスク型ストレージ、半導体メモリ及び通信ネットワークなどの各種媒体を通じてコンピュータにインストール又はロードすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、研究等の目的を研究者に与えると共に、その目的が達成されたときには、その目的を達成した研究者に懸賞金が支払われるので、研究者のインセンティブを高めることができる。なお、懸賞金は、この別の実施形態のように各ユーザが自由に投じた金額を含んだ金額とすることもできるし、予め設定された金額とすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの全体を示すブロック図である。
【0030】
インターネット等の通信ネットワーク2上に、各ユーザの遺伝子診断結果データ等を格納するための遺伝子診断データベースシステム(以下、「データベース」を「DB」と表記する)3と、遺伝子診断DBシステム(以下、単に「DBシステム」と言う)3内のデータを用いて後述する種々の処理を実行する遺伝子診断支援サーバシステム(以下、診断支援サーバ)1が設置されている。また、通信ネットワーク2には、ユーザシステム7と、診断会社システム9と、病院システム11と、研究機関システム13と、企業システム17とが接続されている。
【0031】
ユーザシステム7は、ユーザが使用するコンピュータシステムであって、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、又はPDA等である。ユーザシステム7は、通信ネットワーク2を介して診断支援サーバ1と通信することができ、その際、ユーザの要求に応じて、適宜に、診断支援サーバ1に対して、告知条件や、開示条件等を入力したりすることができる(診断支援サーバ1は、入力された種々のデータを、DBシステム3内に格納する(どのように格納するかは後に詳述する))。なお、ここで、「告知条件」とは、後述する診断結果データの告知を受ける場合の条件(例えば、告知を受けたい場合の診断結果項目と、告知を受けたくない場合の診断結果項目)である(詳細は後述する)。また、「開示条件」とは、後述する診断結果データをユーザ以外の第三者に開示する場合の条件(例えば、開示しても良い場合の診断結果項目や開示先等と、開示したくない場合の診断結果項目や開示先等)である(詳細は後述する)。
【0032】
遺伝子診断会社システム9は、例えば、遺伝子診断を行う会社(以下、遺伝子診断会社)に設置されているコンピュータシステム(典型例としては、パーソナルコンピュータ)である。遺伝子診断会社システム(以下、診断会社システム)9は、通信ネットワーク2を介して診断支援サーバ1と通信することができ、その際、遺伝子診断会社内の特定の人間の要求に応じて、診断結果データを診断支援サーバ1に入力することができる。なお、ここで、「診断結果データ」とは、一以上の診断結果項目(例えば、発見された遺伝子の種類、その遺伝子から特定できる疾患情報など)から成る遺伝子診断結果を表したデータである。
【0033】
病院システム11は、例えば、病院、診療所、又は医療機関(以下、総称して「病院」と言う)に設置されているコンピュータシステム(典型例としてはパーソナルコンピュータ)である。病院システム11は、通信ネットワーク2を介して診断支援サーバ1と通信することができ、その際、病院内の特定の人間の要求に応じて、カルテのデータを診断支援サーバ1に入力することができる。
【0034】
研究機関システム13は、研究機関に設置されているコンピュータシステム(典型例としてはパーソナルコンピュータ)である。研究機関システム13は、通信ネットワーク2を介して診断支援サーバ1と通信することができ、その際、研究機関内の特定の人間の要求に応じて、遺伝関連情報を診断支援サーバ1に入力することができる。なお、ここで、「遺伝関連情報」とは、例えば、遺伝子に関する研究の成果を表したデータであって、具体例としては、研究の末に解明された治療方法や、発見された新規の遺伝子の情報を含んだデータのことである。
【0035】
企業システム17は、例えば、製薬会社等の企業に設置されているコンピュータシステム(典型例としてはパーソナルコンピュータ)である。企業システム17は、通信ネットワーク2を介して診断支援サーバ1と通信することができ、その際、企業内の特定の人間の要求に応じて、自社の研究成果などに関する遺伝関連情報を診断支援サーバ1に入力したり、DBシステム3に格納されている、ユーザの開示条件に適合する診断結果項目を診断支援サーバ1から受けて表示したりすることができる。
【0036】
DBシステム3は、図2に示す複数のDBから構成されている。
【0037】
すなわち、DBシステム3には、カルテデータ等が格納されるカルテDB3Bと、後述する開示条件、告知条件、及びユーザに承認された診断メニュー等が格納される開示・告知情報DB3Cと、ユーザ登録を済ませていない仮ユーザの開示条件及び告知条件等が格納される仮登録DB3Dとが含まれている。また、DBシステム3には、後述する疾患データが格納される疾患情報DB3Eと、後述する治療・検査法データが格納される治療・検査法DB3Fと、後述する権利データが格納される権利DB3Gと、診断結果データ等が格納される診断DB3Hとも含まれている。さらに、DBシステム3には、後述する課金データが格納される課金DB3Iと、各ユーザの支払履歴が登録される支払履歴DB3Kと、各ユーザの預託金が登録される預託金DB3Lとも含まれている。これらのDB3B〜3Lに格納されるデータの詳細は、以下の本実施形態における流れの説明で明らかになる。
【0038】
以下、図3以降を参照して、本実施形態のおおまかな流れを説明する。その際、適宜に、診断支援サーバ1、ユーザシステム7、診断会社システム9、病院システム11、及び、研究機関システム13などの機能或いは動作等についても説明する。
【0039】
図3は、本実施形態のおおまかな流れを示す(なお、以下の説明では、「ステップ」を「S」と略記する)。
【0040】
この図に示すように、本実施形態では、おおまかに言えば、(1)ユーザが初めて遺伝子診断を受ける「初診(S1)」と、(2)設定済みの告知条件或いは開示条件などの変更等を行う「更新(S2)」と、(3)遺伝子診断の結果を閲覧する「結果閲覧(S3)」と、(4)診断結果データを研究や医療等に利用する「診断結果利用(S4)」と、(5)研究の成果を登録する「研究結果登録(S5)」との5つのことが行われる。
【0041】
初診(S1)では、まず、遺伝子診断の希望者が、遺伝子診断会社に対して所定の誓約を行いユーザ登録して本実施形態で言う「ユーザ」となり(S11)、その後、診断メニューが決定されて、検診及び検体採取が行われる(S12)。その後は、ユーザの希望に応じて、適時に、決定された診断メニューの内容に基づいて、DNAシーケンス法などの所定の方法によって遺伝子診断が行われ(S13)、決定された診断メニューや、遺伝子診断の結果等がDBシステム3に格納される。
【0042】
更新(S2)では、まず、告知条件や開示条件の変更、或いは、診断メニューの追加(初診で遺伝子診断が行われていなければ診断メニューの変更も可能)等の条件・メニュー更新が行われる(S21)。その後は、ユーザの希望に応じて、適時に、更新された診断メニューの内容に基づいて、遺伝子診断が行われ(S22)、更新された診断メニューや、遺伝子診断の結果等がDBシステム3に格納される(S23)。なお、S22で行われる遺伝子診断は、例えば、診断メニューの更新によって追加された診断項目についてのみである。
【0043】
結果閲覧(S3)では、まず、診断結果データ等の閲覧要求が出され、その閲覧要求元の正当性の認証が行われる(S31)。その認証により正当であると判断された場合には、閲覧要求元に要求されているデータのうち、設定されている開示条件に適合するデータのみが検出され(S32)、検出されたデータのみが開示要求元のコンピュータシステムに送信される(S33)。
【0044】
診断結果利用(S4)では、上述した結果閲覧(S3)と同様のことが行われる。すなわち、まず、診断結果データ等の閲覧要求が出され、その閲覧要求元(例えば研究者や医師など)の正当性の認証が行われる(S41)。その認証により正当であると判断された場合には、閲覧要求元が要求するデータのうち、設定されている開示条件に適合するデータのみが検出され(S42)、検出されたデータが、閲覧要求元が使用しているコンピュータシステムに送信される(S43)。
【0045】
研究結果登録(S5)では、遺伝関連情報(例えば、研究論文データ、新たに発見された疾患遺伝子のデータなど)や、遺伝関連情報をユーザ等に対して利用可能にする場合の利用可能条件を表したデータが研究機関システム13からDBシステム3に格納される。
【0046】
以上が、本実施形態のおおまかな流れである。以下、上述した5つのステップの各々における流れを詳細に説明する。
【0047】
まず、初診(S1)について説明する。
【0048】
初診(S1)における第1のステップ「ユーザ登録(S11)」では、例えば、図4及び図5に示す流れのうちのいずれかが行われる。
【0049】
図4は、ユーザ登録(S11)での流れの第1の例を示す。
【0050】
この実施形態では、遺伝子診断のための検体採取等は検査所20にて行われ、検体採取等を行ってもらうためには、遺伝子診断の受診許可証が必要である。受診許可証は、検査所20から独立した所定の発行所10にて発行される(なお、この実施形態では、説明の便宜上、発行所10も検査所20も遺伝子診断会社内にあるものとするが、必ずしも同社内にある必要はない)。
【0051】
遺伝子診断の受診希望者は、本人であることを証明する本人確認書や、所定の誓約事項を承認した旨を示す誓約書などの必要書類を持って、発行所10内の所定の受付に行く。受付では、必要書類が全て揃っているかや各必要書類は正確か等の所定の要件がチェックされる(S112A)。チェックの結果、所定の要件が満たされていれば、ユーザ登録が行われて(S113A)、受診希望者は、本実施形態の「ユーザ」(すなわち、実際に遺伝子診断を受けて、後に告知条件等を設定することができる者)になることができる。
【0052】
なお、このユーザ登録において入力された情報(例えば、ユーザの名前、住所、及び後述の受診許可証が発行された日時等の情報、以下、「ユーザ情報」と言う)は、DBシステム3とは別の独立したデータベース(図示せず)に格納される。格納されたユーザ情報は、DBシステム3に格納されている情報(例えば、そのユーザの遺伝子診断結果データ)からは特定することができないようになっている。具体的に言うと、本実施形態では、DBシステム3内には、ユーザ情報に含まれているデータは一切格納されないようになっている。これにより、遺伝子診断結果データ等のDBシステム3内の情報からは、ユーザ情報を一切特定することができないので、ユーザの秘匿性を保つことができる(この観点から言えば、ユーザ情報は必ずしも登録されなくても良い)。
【0053】
さて、ユーザ登録が終わると、発行所10にて、ユーザの手の甲に特殊スタンプが押される(S114A)。ここで言う「特殊スタンプ」は、例えば、所定波長の光(例えば紫外線)に反応する塗料(例えばインク)を用いたスタンプであり、正規にユーザ登録して検体採取等の権利を持ったユーザであることを示すものである。すなわち、ここで言う特殊スタンプは、受診許可証に相当する。
【0054】
特殊スタンプが手の甲に押されたユーザは、検査所20に移動する(S115A)。
【0055】
検査所20では、まず、ユーザの手の甲に押された特殊スタンプの確認が行われる(S116A)。その確認において、特殊スタンプの正当性が認められたら、検体採取等が開始される(S117A)。
【0056】
この実施形態では、ユーザが発行所10から検査所20へ移動する間、他者がユーザになりすまして検査所20に入り他者がユーザとして遺伝子診断を受けてしまう可能性がある。しかし、以上のような流れによれば、ユーザが発行所10から検査所20へ移動する間に、受診許可証(特殊スタンプ)はユーザから分離不可能な状態になっているので、発行所10から検査所20へ移動する間における他者によるなりすましを防止することができる。
【0057】
図5は、ユーザ登録(S11)での流れの第2の例を示す。
【0058】
ユーザは、本人であることを証明する本人確認書や、所定の誓約事項を承認した旨を示す誓約書などの必要書類を持って、発行所10内の所定の受付に行く。受付では、必要書類が全て揃っているか等の要件がチェックされ、チェックの結果、全ての要件が満たされていれば、例えばデジタルカメラでユーザの顔が写真撮影されて、顔画像データが取得される(S112B)。
【0059】
受付の後、図4で説明したユーザ登録(S113A)と略同内容のユーザ登録が行われる(S113B)。また、受付の後、診断会社システム9を用いて、ユーザの顔画像データからハッシュ値(以下、「顔画像ハッシュ」と言う)が得られる(S114B)。
【0060】
これらの処理の後、受診許可証40が発行される(S115B)。受診許可証40は、例えば、ICカードや磁気カード等であり、受診許可証の発行所を認証するための発行所認証データや、発行日時を表す発行日時データや、受診許可証の有効期限を表す有効期限データや、顔画像ハッシュ等の所定のデータを記憶している。
【0061】
ユーザは、受診許可証40が発行されたら、それを持って検査所20に移動する(S116B)。
【0062】
検査所20では、まず、ユーザが持参した受診許可証40の真偽の確認が行われる(S116A)。真偽の確認は、例えば以下のように行われる。すなわち、まず、再びユーザの顔が写真撮影されて顔画像データが得られ、診断会社システム9が、その顔画像データから顔画像ハッシュを得る。また、診断会社システム9は、ユーザが持参した受診許可証40が記憶している顔画像ハッシュを読み込む。そして、診断会社システム9は、新たに得られた顔画像ハッシュと、受診許可証40から読み込んだ顔画像ハッシュとを比較照合し、それらが一致していれば受診許可証40は真正、それらが不一致であれば受診許可証40は偽物とする。
【0063】
受診許可証40が真性であると判断されたら、検体採取等が開始される(S118B)。
【0064】
この実施形態では、前述したように、ユーザが発行所10から検査所20へ移動する間、他者がユーザになりすまして検査所20に入り他者がユーザとして遺伝子診断を受けてしまう可能性がある。しかし、以上のような流れによれば、受診許可証40の発行の際と、実際に検体採取等を行う直前との両方のときに、顔の写真撮影が行われで顔画像データが作成されて、双方の顔画像データの顔画像ハッシュが得られ、実際に検体採取等を受けるときには、受診許可証40の発行の際の顔画像ハッシュと、検体採取等の直前時の顔画像ハッシュとが比較照合され、それらが一致した時にのみ、検体採取等が開始される。これにより、発行所10から検査所20へ移動する間にユーザのなりすましを防止することができる。
【0065】
次に、図6を参照して、初診(図3のS1)における第2のステップ「検診、検体採取(図3のS12)」について説明する。
【0066】
検診、検体採取(S12)では、まず、予め用意されている選択可能な複数の診断項目の中からどの診断項目を選択して遺伝子診断を受けるかの診断メニューの作成が行われる(S120)。作成された診断メニューは、ユーザに案内され、ユーザの同意が得られれば、診断メニューの決定となる。また、適時に、ユーザに固有のID(以下、ユーザID)が発行される。そのユーザIDは、上述したユーザ情報には含まれてない新規の情報であり(すなわち、そのユーザIDからはユーザ情報を特定することができないようになっており)、所定の者(例えばユーザ本人)にのみ通知される。
【0067】
その後、問診、検診、及び所定の検体(例えば血液)の採取などが行われる(S121)。採取された検体は、ユーザIDが書かれたラベルと共に、所定の貯蔵庫にて保管される(S122)。保管された検体は、適時に(例えば、後述の告知条件等の登録が行われた後の適当な時に)、決定された診断メニューに基づいた遺伝子診断に使用される。
【0068】
最後に、問診や検診等の結果に基づいてカルテデータが作成されてユーザIDと共にDBシステム3内のカルテDB3Bに格納され、且つ、診断会社システム9から、告知条件や開示条件がDBシステム3内の開示・告知情報DB3Cに登録される(S14)。
【0069】
以下、診断メニューの作成(S120)と、告知条件等の登録(S14)について詳細に説明する。
【0070】
図7は、診断メニューの作成(S120)における詳細な流れを示す。
【0071】
この流れでは、開示・告知情報DB3C、疾患情報DB3E、治療・検査法DB3F、権利DB3G、及び課金DB3Iが使用される。また、開示・告知情報DB3Cの代わりに、仮登録DB3Dが使用される場合もある。
【0072】
開示・告知情報DB3Cには、ユーザIDと共に、ユーザの関心分野が登録される。ここで、「関心分野」とは、例えば、疾病の種類、疾病の重篤度、遺伝子診断で使ってもよい予算、治療法の有無、体質などの一以上の関心分野項目を含んだものである。
【0073】
疾患情報DB3Eには、各疾患の疾患データと、遺伝子診断の選択可能な複数の診断項目とが格納されている。疾患データには、例えば、疾患ID、疾患名、疾患に関与する遺伝子に関する疾患遺伝子情報、疾患に関する詳細情報(例えば、その遺伝子が当該疾患の原因となる確率、どのような病歴或いは生活習慣でいるとどのような確率で発症するなど)、及び疾患重大度(致死率高く治療法なし、致死率高いが治療法有り、精神病など、具体的には、後述する疾患レベル)などのサブデータが含まれている。
【0074】
治療・検査法DB3Fには、各疾患に対応した治療・検査法データが格納されている。治療・検査法データには、例えば、当該疾患の治療方法或いは検査方法、その治療方法或いは検査方法を行うことが可能な病院に関する情報、その治療方法或いは検査方法に健康保険を適用することができるか否かの情報、及び、その治療方法或いは検査方法にかかる費用などのサブデータが含まれている。
【0075】
権利DB3Gには、権利データが格納されている。権利データには、例えば、各診断項目について、権利の有無や、権利があれば当該診断項目の利用料などが含まれている。
【0076】
課金DB3Iには、課金データが格納されている。課金データには、例えば、各診断項目の診断料金や、病院或いは研究機関等の第三者が診断結果を閲覧するための閲覧料とが含まれている(なお、「閲覧料」は、固定であっても良いし、閲覧する情報量に応じて変動するものであっても良いし、診断結果が閲覧されたときにはその診断結果を持つユーザに支払われても良い)。
【0077】
仮登録DB3Dには、仮登録データが格納される。仮登録データは、後述のようにして発行された仮登録ID別にあり、仮ユーザ(ユーザ登録していないユーザであって、診断メニューの案内を希望するユーザ)の関心分野を含んだデータである。
【0078】
これらのDBが適宜に使用されることにより、診断メニューが作成される。
【0079】
すなわち、まず、ユーザは、診断会社システム9を用いて、診断支援サーバ1に、自分のユーザIDと関心分野とを入力する(S211)。一方、仮ユーザであれば、関心分野のみを入力する(S212)。
【0080】
診断支援サーバ1は、ユーザからの入力であれば、入力されたユーザIDと関心分野とを対応付けて開示・告知情報DB3Cに格納する。一方、仮ユーザからの入力であれば、診断支援サーバ1は、仮発行IDを発行し、発行した仮発行IDと、入力された関心分野とを対応付けて仮登録DB3Dに格納する。
【0081】
その後、診断支援サーバ1は、格納された関心分野中の様々な関心分野項目(例えば、予算、関心ある疾病の種類など)と、疾患情報DB3E、治療・検査法DB3F、権利DB3G、及び課金DB3I内のデータとに基づいて、格納された関心分野中から、遺伝子診断可能なものに関する関心分野項目(以下、診断可関心項目)と、遺伝子診断不可能なものに関する関心分野項目(以下、診断不可関心項目)とを抽出する、すなわち、格納された関心分野中の各関心分野項目を診断可関心項目と診断不可関心項目とに分ける(S213)。診断支援サーバ1は、選択可能な複数の診断項目の中から、診断可関心項目に関与する診断項目を選択して、選択された診断項目と診断可関心項目とを結びつける。そして、診断支援サーバ1は、選択された診断項目が、診断可関心項目と共に表示された診断メニューの画面を作成して、作成した診断メニューの画面を、診断会社システム9に提供し表示させる(S214、S215)。その診断メニューの画面には、一個以上の診断メニュー(例えば、致死性の遺伝子の診断メニュー、体質に関与する遺伝子の診断メニューなど)が表示され、各診断メニューには、選択された診断項目等だけでなく、当該診断メニューに要する合計金額とその内訳(例えば、各診断項目の使用料)や、診断不可関心項目や、健康保険の適用の有無や、遺伝子診断可能な病院に関する情報(例えば、病院名や、病院の地図)なども表示される。
【0082】
ユーザ(又は仮ユーザ)は、表示された診断メニュー画面を見て、診断メニュー画面に表示された内容で良ければ、その内容を承認する旨を診断支援サーバ1に通知し、違う内容にしたければ、所望の変更内容を診断支援サーバ1に通知する。診断支援サーバ1は、承認する旨が通知されたときは、承認された診断メニューの内容を開示・告知情報DB3Cに登録し、変更内容が通知されたときは、通知された変更内容に基づいて、再度診断メニュー画面を作成してユーザ(又は仮ユーザ)に提供する。
【0083】
以上が、診断メニューの作成(図6のS120)についての流れである。なお、この一連の流れによる診断メニューの決定は、必ずしも、初診(図3のS1)のときに行わなければならないわけではない。例えば、遺伝子診断の希望者は、予め、自宅のコンピュータシステムを用いてユーザ登録や診断メニューの決定を行い、その上で、初診(図3のS1)を受けるようにしても良い。
【0084】
次に、開示条件や告知条件などの登録(図6のS14)のときの流れについて説明する。
【0085】
図8は、開示条件や告知条件などを登録するときの流れを示す。
【0086】
ユーザは、診断会社システム9を用いて、診断支援サーバ1に、自分のユーザIDと、遺伝診断結果のデータ(すなわち診断結果データ)の開示条件や告知条件を入力する(S14−1)。診断支援サーバ1は、入力された開示条件及び告知条件を、入力されたユーザIDと対応付けて開示・告知情報DB3Cに格納する。
【0087】
ここで、開示条件とは、診断結果データをユーザ以外の第三者に開示する場合の条件であり、例えば、どの項目を開示しても良いか(例えば、性別と年齢だけなら開示しても良い)や、どのような診断結果項目が得られた場合にそれを開示しても良いか(例えば、致死率の高い疾患に関与する遺伝子が発見された場合にはその遺伝子を開示しても良い)や、どのような者に開示しても良いか(例えば、開示先が研究者であれば開示しても良い)などである。
【0088】
また、告知条件とは、診断結果を告知する場合の条件であり、例えば、どのような診断結果項目の場合に告知するか(例えば、致死性疾患の遺伝子が見つかった場合に告知する)や、どのような診断結果項目の場合には告知しない(例えば、治療法が確立していない疾患に関与する遺伝子が見つかった場合には告知しない)などである。具体的には、例えば、図9に示すように、複数の疾患レベル(検出された遺伝子等の診断結果項目から分かる疾患のレベル)と、告知先と、告知時期(例えば、診断結果確定後)と、開示方法(すなわち告知方法、例えば郵送)とが対応付けられたものである(この場合、疾患情報DB3Eには、各疾患に対応する疾患レベルを表すデータも登録されている)。図9に示した告知条件によれば、例えば、遺伝子診断結果中の或る診断結果項目が疾患レベル3に属するものであれば、その診断結果項目は、診断結果の確定後に電子メールで本人に告知されることになる。疾患レベルの数や、各疾患レベルの内容は、固定であっても良いし、ユーザが任意に変更することができても良い。なお、ユーザの秘匿性を保つ観点から、告知条件(及び開示条件)には、上述したユーザ情報に含まれている情報(例えばユーザの住所等)は含まないようにした方が良いだろう。
【0089】
以上が、開示条件や告知条件などの登録(図6のS14)のときの流れである。なお、この一連の流れも、必ずしも、初診(図3のS1)のときに行わなければならないわけではない。例えば、遺伝子診断の希望者は、予め、自宅のコンピュータシステムを用いてユーザ登録や診断メニューの決定を行い、その上で、初診(図3のS1)を受けるようにしても良い。
【0090】
以上が、初診(図3のS1)についての説明である。次に、更新(図3のS2)について説明する。
【0091】
更新(図3のS2)では、ユーザは、ユーザシステム7或いは診断会社システム9等の特定のコンピュータシステムを用いて、図7を参照して説明したような流れで、診断メニューを追加或いは変更等したり、図8を参照して説明したような流れで、開示条件又は告知条件を変更したりする(図3のS21)。その後は、適時に、更新された診断メニューの内容を基に、既に採取され貯蔵されている検体(新たに採取された検体でも良い)を使用した遺伝子診断が行われ(図3のS22)、追加或いは変更等された診断メニュー、開示条件、又は告知条件や、遺伝子診断の結果等がDBシステム3に格納される(図3のS23)。
【0092】
以上が、更新(図3のS2)についての説明である。次に、結果閲覧(図3のS3)について説明する。
【0093】
図10は、ユーザが結果閲覧(図3のS3)するときの詳細な流れを示す。
【0094】
まず、ユーザは、ユーザシステム7を用いて診断支援サーバ1に対し、ユーザID及びパスワードを入力して、遺伝子診断結果の閲覧を要求する(S30)。
【0095】
診断支援サーバ1は、遺伝子診断結果の閲覧要求と共にユーザIDが入力されたら、ユーザの認証を行う(S31)。具体的には例えば、診断支援サーバ1は、受信したユーザIDがDBシステム3内に登録されているか否かを確認し、登録されていれば、診断結果閲覧の要求元のユーザのログインを認めて次のS32に進み、登録されていなければ、その旨をユーザに通知する。
【0096】
ユーザのログインを認めたら、診断支援サーバ1は、診断DB3H内のユーザの診断結果データと、その診断結果データに関連する、疾患情報DB3E内のデータとを参照して、発現する可能性のある疾患に関するデータを疾患情報DB3Eから抽出する(S32)。
【0097】
また、診断支援サーバ1は、診断DB3H内のユーザの診断結果データと、カルテDB3B内のユーザのカルテデータに記録されている生活習慣又は病歴等に関する生活情報と、その生活情報に関連する、疾患情報DB3E内のデータとを参照して、発症し得る疾患を推測し、且つ、その発症確率とを算出する(S33−1)。
【0098】
更に、診断支援サーバ1は、S32で抽出された疾患(以下、抽出疾患)と、S33−1で推測された疾患(以下、推測疾患)及び算出されたその疾患の発症確率と、治療・検査法DB3F内のデータとを基に、各抽出疾患及び推測疾患について、治療法の有無や、治療に要する費用等の治療関連情報を取得する。そして、診断支援サーバ1は、各抽出疾患と、各推測疾患及びそれの発症確率と、取得された治療関連情報と、開示・告知情報DB3Cに登録されている当該ユーザの告知条件とに基づいて、告知先、告知方法、及び告知内容(例えば、告知条件に適合した診断結果項目、その診断結果項目に関する治療方法及びそれにかかる料金など)を決定する(S33−2)。
【0099】
その後、診断支援サーバ1は、告知内容提供処理を行う(S33−3)。具体的には、例えば、診断支援サーバ1は、決定した告知先がユーザであって、決定した告知方法がWeb上で告知というものであれば、決定した告知内容を表示した画面をユーザシステム7に提供して表示させる。また、例えば、診断支援サーバ1は、決定した告知先がユーザの主治医であって、決定した告知方法が郵送であれば、決定した告知内容を所定のプリンタから印刷し、告知内容のプリントアウトを主治医の住所に郵送するように所定の人間(例えば、診断支援サーバ1の運営会社の人間)に促す。
【0100】
告知内容提供処理の後、診断支援サーバ1は、課金額通知処理を行う(S33−4)。すなわち、診断支援サーバ1は、ユーザの診断メニューにある各診断項目を開示・告知情報DB3Cから取得する。また、診断支援サーバ1は、各診断項目に対応する診断料金を課金DB3Iから取得する。更に、診断支援サーバ1は、各診断項目に対して特定の権利が登録されているか否かを調べ、登録されていればその使用料を権利DB3Gから取得する。そして、診断支援サーバ1は、取得された診断項目、診断料金、及び使用料(この使用料は、後述する決済が行われた後に、権利DB3G内のデータに基づいて所定の研究者に支払われる)に基づいて課金の額を計算し、計算された課金額を電子メール或いはWebページ等の所定の方法でユーザに通知する(又は請求する)ための処理を行う。
【0101】
なお、課金額を通知する(又は請求する)タイミングは、告知内容提供処理(S33−3)の後に限られない。例えば、診断メニューが決定された時や、遺伝子診断の結果が確定した時など、所定のタイミングで課金額を提供するようにすることができる。
【0102】
また、課金額通知処理(S33−4)の通知方法が、例えば、電子メール或いはWebページである場合には、その電子メール或いはWebページ上に支払要求受付手段(例えば所定のURLへのショートカットコマンド)を用意し、その支払要求受付手段によりユーザから支払い要求を受けて、それに応答し、課金額を決済できるようにすることができる。決済方法としては、例えば以下の2つのうちのいずれか方法がある。
【0103】
第1の方法は、いわゆるカード決済(或いは現金決済)である。この方法では、例えば、所定のWebページに所定の情報(例えばカード番号など)が入力されて、課金額の支払が済んだ旨を示す支払データを所定のコンピュータシステム(例えば収納代行企業のコンピュータシステム)から受けたときは、診断支援サーバ1は、当該課金額が決済されたとみなし、その支払データに基づいて、支払履歴DB3K(図2参照)内の当該ユーザの支払履歴を更新する。
【0104】
第2の方法は、各ユーザが、預託金DB3L(図2参照)に予め所望の又は所定の金額(本実施形態ではこれを「預託金」と言う)をプールしておき、支払要求受付手段により課金額の支払要求を受けた場合には、診断支援サーバ1は、預託金DB3Lにプールされている対象ユーザの預託金から当該課金額を差し引くことにより、課金額を決済する方法である。なお、診断支援サーバ1は、定期的に又は所定タイミングで(例えば、診断メニューの作成の際)、対象ユーザの預託金を確認し、所定の場合に(例えば、その預託金よりも、作成された診断メニューに基づく遺伝子診断にかかる費用の方が高い場合に)、預託金の追加をユーザに促す(例えば、不足金額を追加的にプールするよう対象ユーザに促す)。それに応答して預託金が追加的にプールされた時は、預託金DB3L内の対象ユーザの預託金を更新する。
【0105】
以上が、結果閲覧(図3のS3)についての説明である。このようにして診断結果(すなわち告知内容)の提供が行われたときは、提供された診断結果の内容と提供日時等の履歴が、ユーザIDに対応付けられて課金DB3Iに登録される。
【0106】
さて、次に、診断結果利用(図3のS4)について説明する。
【0107】
図11は、診療や研究等のために各ユーザの遺伝子診断結果を利用する場合の流れを示す。
【0108】
各ユーザの遺伝子診断結果を利用しようとする者(例えば、医師、研究者など、以下、「診断結果利用元」と言う)は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステム100を用いて、診断支援サーバ1に対し、所定の情報(例えば、診断結果利用元が医師であれば、病院IDやユーザIDなど、診断結果利用元が研究者であれば、研究機関IDなど)を入力して、ユーザの遺伝子診断結果の閲覧を要求する(S300)。また、必要に応じて、診断結果利用元は、どのような情報を希望するか(換言すれば、希望情報の属性)も診断支援サーバ1に入力する。
【0109】
診断支援サーバ1は、所定の情報が入力されたら、診断結果利用元の認証を行う(S310)。具体的には例えば、図示しない所定のDBに病院ID或いは医療機関IDが登録されているか否かを確認し、登録されていれば、診断結果利用元のログインを認めて次のS320に進み、登録されていなければ、その旨を診断結果利用元に通知する。
【0110】
診断結果利用元のログインを認めたら、診断支援サーバ1は、診断DB3H内の各ユーザの診断結果データと、カルテDB3B内のユーザの各カルテデータとを抽出する(S320)。そして、診断支援サーバ1は、抽出した診断結果データ及びカルテデータの中から、開示・告知情報DB3Cに登録されているユーザの開示条件(更には、入力された上記希望情報の属性)に適合するデータ(以下、開示条件マッチデータ)のみを抽出して(S331)、その開示条件マッチデータを、診断結果利用元のコンピュータシステム100に提供し表示させる(S332、S333)。その際、診断支援サーバ1は、開示条件マッチデータに関連するデータを疾患情報DB3Eから取得し、そのデータも、診断結果利用元のコンピュータシステム100に提供し表示させる(S332、S333)。
【0111】
また、S332及びS333の後、診断支援サーバ1は、適時に、課金額通知処理を行う(S335)。この処理で行われる具体的な動作内容は、図10のS33−4と略同じである。また、通知された課金額の決済は、上述した決済方法と同じ方法を採用することができる。
【0112】
以上が、診断結果利用(S4)についての説明である。なお、この流れにおいて、上記閲覧要求をしても、診断結果利用元が、ユーザが設定した開示条件中の開示先条件(つまり、診断結果等を開示しても良い開示先)に適合していなければ、当然に、そのユーザの診断結果等は診断結果利用元には開示されない。また、診断結果利用元が開示条件マッチデータを閲覧するために料金がかかるのであれば、その料金を支払えば開示する旨を通知し、それについて診断結果利用元から承認が得られたときにのみ、開示条件マッチデータが開示される。
【0113】
さて、次に、研究結果登録(図3のS5)について説明する。
【0114】
図12は、研究結果登録(図3のS5)における詳細な流れを示す。
【0115】
研究機関は、研究機関システム13を用いて、診断支援サーバ1に対し、研究の結果に関する研究結果データを入力する(S41)。ここで入力される研究結果データには、例えば、疾患に関する情報(例えば、発見された遺伝子と、その遺伝子が関与する可能性のある疾患と、その疾患が発症する確率との関係)、治療・検査法に関する情報(例えば、新たな治療方法や検査方法に関する情報)、又は、研究結果に関する権利の情報(例えば、研究結果に対応する診断項目を利用するための料金、研究結果を閲覧するための料金、研究結果が特許になっていればその特許番号やライセンス料など)が含まれている。
【0116】
診断支援サーバ1は、研究結果データが入力されたら、その研究結果データに含まれている各種情報を、DBシステム3に格納できる様式にして、所定のDB3E、3F、又は3G等に振り分けて格納する。ここで格納された情報に基づいて、例えば、選択可能な診断項目の数が自動的に増えたり、増えた診断項目についての診断料金及び使用料(ライセンス料)が設定されたりする。
【0117】
その後、診断支援サーバ1は、入力された新たな研究結果データに関連性のある診断結果データやカルテデータ等(以下、ユーザ関連データ)を探し、そのユーザ関連データを持つ各ユーザに、お知らせ情報が存在する旨を電子メール等の方法で通知する(S410)。ここで言う「お知らせ情報」とは、ユーザにとって有用となり得る情報であって、例えば、新たに登録された研究結果データと、通知対象ユーザのユーザ関連データとに基づいて作成される(すなわち、お知らせ情報は、同一の研究結果データを基に作成されたものであっても、その内容はユーザ毎に異なる)。お知らせ情報は、新たに研究結果データが登録されたときのみならず、他のタイミングで作成されユーザに通知されても良い。「他のタイミング」の例としては、例えば、診断支援サーバ1が、所定タイミングで、遺伝子に関する特許の情報が格納されているDB(図示せず)内を、各ユーザのユーザ関連データに基づいて検索し、そのユーザ関連データに関連性のある特許の情報が見つかったときがある。そのときは、その特許の情報(例えば特許公報)又はそれに派生する情報(例えば、特許公報の内容が簡略化されたもの)が、各特定のユーザ(更には、特定の研究機関)に通知される。
【0118】
以上、上述した実施形態によれば、ユーザの関心分野に基づいて、選択可能な複数の診断項目から一以上の診断項目が選択され、選択された一以上の診断項目を基に、自動的に診断メニューが作成されてユーザに案内される。これにより、ユーザは、関心分野さえ入力しておけば、遺伝子診断を受けようとする都度にわざわざ自分で診断メニューを作成する必要はないので便利である。
【0119】
また、上述した実施形態によれば、ユーザが設定した告知条件に基づいて、ユーザの遺伝子診断の結果(すなわち、遺伝子診断によって見つかった遺伝子及びその遺伝子からわかる情報)が告知される。すなわち、遺伝子診断結果中の各診断結果項目は、その内容に応じて、自動的に、ユーザ所望の告知先に所望のタイミング且つ所望の告知方法で告知される。これにより、ユーザは、知りたい診断結果項目のみについては告知を受けて、知りたくない診断結果項目については告知を受けないようにする又は所望の人間(主治医や自分の親など)に知らせるようにすることができ便利である。
【0120】
また、上述した実施形態によれば、ユーザが設定した開示条件に基づいて、ユーザの遺伝子診断結果等が開示される。すなわち、ユーザ関連データ中の各種情報は、その内容に応じて、自動的に、ユーザが許可した人間にだけ開示される。遺伝子の研究において困難な点の一つに所望の質の検体を入手することにあるが、本実施形態によれば、多数のユーザの検体についての遺伝子診断結果等を入手することができる可能性があるので、従来よりも所望の検体についての遺伝子関連情報が得やすくなる。また、その遺伝子診断結果等は開示条件に基づいて開示されるので、ユーザが秘密にしたい情報は秘密にすることができる。従って、本実施形態によれば、ユーザの匿名性が確保された状態で、ユーザの遺伝子診断結果等を開示することができ、以って、医学の発展等に寄与することができる。
【0121】
また、上述した実施形態によれば、新たな研究結果データに基づいて、選択可能な診断項目が増えて、且つ、それの使用料(ライセンス料)が設定される。新たに増えた診断項目が実際に遺伝子診断の際に使用されれば、その新たに増えた診断項目について権利を有する研究者に上記使用料が支払われる。このシステムにより、研究者のインセンティブを高めることができる。
【0122】
ところで、本発明では、例えば次のような別の実施形態もある。
【0123】
図13は、別の実施形態における流れを示す。
【0124】
この別の実施形態は、研究者に対して懸賞をかけた目的(以下、「懸賞対象」と言う)を与え、その懸賞対象(つまり目的)が達成された場合に、その懸賞対象を達成した研究者に対して所定の懸賞を与え、それにより、研究者のインセンティブをより高めるというものである。懸賞の内容は、この別の実施形態では金であるが、金に限らず物品や或るサービスを受ける権利など何でも良い。
【0125】
この別の実施形態では、預託金DB3L、懸賞DB3M、疾患情報DB3E、治療・検査法DB3F、及び権利DB3Gが使用される。
【0126】
預託金DB3Lには、各ユーザに対応した、ユーザIDと、事前預託金額と、支払懸賞金額と、支払手数料額と、利用履歴等とが格納される。「事前預託金額」とは、ユーザが現在までにプールしている金額である。「支払懸賞金額」とは、懸賞対象が達成された時にユーザが支払う金額のことであり、ユーザが懸賞をかけた懸賞対象別に設定される。「支払手数料額」とは、設定されている支払懸賞金額が支払われるときにかかる手数料の額である。「利用履歴」とは、預託金DB3Lに対する入金及び出金に関する履歴である。
【0127】
懸賞DB3Mは、この別の実施形態でDBシステム3に新たに追加されたDBである。懸賞DB3Mには、一以上の懸賞対象と、各懸賞対象に対する懸賞金額、各懸賞対象に懸賞金をかけた一以上のユーザのユーザID、及び、後述する懸賞画面を閲覧した者の閲覧者ID(例えばユーザIDや、研究者のIDなど)とが格納される。「懸賞対象」とは、前述した通り、懸賞がかけられた目的であり、例えば、或る疾患の原因となる遺伝子を発見することや、或る疾患の治療方法を確立すること等である。「懸賞金額」とは、対応する懸賞対象が達成されたときにそれを達成した人間に支払われる金額である。
【0128】
疾患情報DB3E、治療・検査法DB3F、及び権利DB3Gに格納される情報の内容は、上述した実施形態と略同様である。
【0129】
この別の実施形態では、以下のような流れで、研究者に対して所定の懸賞金が支払われる。
【0130】
すなわち、まず、診断支援サーバ1は、懸賞DB3M内のデータに基づいて、各懸賞対象と各懸賞対象の懸賞金額とを閲覧することができる懸賞画面(例えば、各懸賞対象と懸賞金額とが一覧で表示された画面)を生成し、その画面を公開する(すなわち、特定の又は不特定の人間が見ることができるような状態に置く)(S803)。
【0131】
これにより、ユーザは、ユーザシステム7を用いて懸賞画面を閲覧することができる。また、ユーザは、その懸賞画面上で、所望の懸賞対象に対して、所望の金額を懸賞金の一部又は全部として入力することができる。更に、ユーザは、その懸賞画面上で、新たな懸賞対象及びその懸賞対象に対する懸賞金を入力することができる。診断支援サーバ1は、懸賞金や新たな懸賞対象が入力等された場合には、入力された情報に基づいて、預託金DB3L内のデータや、懸賞DB3M内のデータや、懸賞画面の内容を更新する(S804)。
【0132】
また、S803により、研究者は、研究機関システム13を用いて懸賞画面を閲覧することができる(診断支援サーバ1は、所定のタイミングで、懸賞DB3M内にある懸賞対象及び懸賞金を自動的に所定の研究者へ通知しても良い)。それにより、研究者は、現在の懸賞対象を知ることができ、所望の懸賞対象について研究等をすることができる。研究者は、その研究等によって所望の懸賞対象を達成することができたら、その研究等に関する研究結果データを診断支援サーバ1へ送信する(S805)。この研究結果データには、研究等に関する結果だけでなく、どの懸賞対象に対する研究等であるかを示すターゲット懸賞対象や、懸賞対象が達成されたときに誰に(或いはどの口座に)懸賞金が支払われるべきであるかの支払先の情報も含まれている。
【0133】
診断支援サーバ1は、研究結果データを受信したら、その研究結果データに基づいて、図12を参照して説明した方法で疾患情報DB3E、治療・検査法DB3F、及び権利DB3G内のデータを更新する(S806)。また、その研究結果データは、どの懸賞対象に対するものであるかという情報と共に、DBシステム3内の図示しない特定のDBにそのまま格納される(この処理は、上記実施形態でも行われて良い)。
【0134】
その後、その研究結果データが、上記ターゲット懸賞対象を達成するものであるか否かが判断される(この判断は、人間が行うが、将来的にはコンピュータが行っても良い)。その結果は、肯定的な判断(すなわち、S805で受信された研究結果データは、上記ターゲット懸賞対象を達成するものであるという判断)がされて、その旨が診断支援サーバ1に入力されたら、診断支援サーバ1は、懸賞DB3M及び預託金DB3L内を参照して、達成された懸賞対象に対して所望の又は所定の金額(以下、掛け金)を懸けている各特定ユーザの事前預託金額から各特定ユーザの掛け金を減額する(S807)。そして、診断支援サーバ1は、各特定ユーザの事前預託金額から減額した掛け金の合計に基づいて、所定の懸賞金を、上記受信した研究結果データに含まれている支払先へ支払うための処理(例えば、所定の懸賞金を或る口座から或る口座へ振り込むことを所定の銀行システムに依頼する処理)を行う(S808)。
【0135】
この別の実施形態によれば、研究等の目的を研究者に与えると共に、その目的が達成されたときには、その目的を達成した研究者に懸賞金が支払われるので、研究者のインセンティブを高めることができる。なお、懸賞金は、この別の実施形態のように各ユーザが自由に投じた金額を含んだ金額とすることもできるし、予め設定された金額とすることもできる。
【0136】
また、この別の実施形態に係るシステム(以下、対象システム)は、遺伝子に関する研究等に限らず他の分野に適用することができる。そのことを抽象的に表現すれば、例えば、次のように表現することもできる。すなわち、上記対象システムは、懸賞がかけられた研究課題(研究や技術開発等の目的)の告示を行う告示手段と、新たな研究結果(研究や技術開発の結果)を入力する入力手段と、入力された新たな研究結果が上記研究課題に対して所定の条件を満たせば(例えばその研究課題を達成する又はその達成に貢献すれば)、所定の宛先(例えば、その新たな研究結果を出した研究者)に上記懸賞を付与するための処理を行う付与手段とを備える。
【0137】
以上、本発明の好適な幾つかの実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
【0138】
すなわち、例えば、診断結果データに対してだけでなく、カルテデータに対しても告示条件又は開示条件を設定できるようにしても良い。
【0139】
また、例えば、DBシステム3内に保存されているカルテデータ等に基づいて、ユーザに有用となり得る情報をDBシステム3内又は所定の他のデータベース内から検索し、検索された情報を、所定の宛先(例えば、告知条件に含まれている告知先、具体例は、ユーザやそのユーザの主治医の電子メールアドレス等)に自動的に提供することもできる。これにより、ユーザの秘匿性を保ちつつ、ユーザに有用となり得る情報を提供することができる。ここで、「ユーザに有用となり得る情報」とは、新たな研究結果データや、ユーザの罹患した疾病の最新治療法に関する情報などである。また、本変形例及び上記実施形態におけるカルテデータには、ユーザIDが付加されていて、患者本人の姓名、生年月日などユーザを特定できてしまう情報は含まれていない。ユーザの秘匿性を保つためである。
【0140】
また、例えば、ユーザが望めば、ユーザの個人情報(例えば、住所、氏名、病歴等)とユーザID(及びパスワード)とを対応付けてDBシステム3に登録するようにしても良い。この場合、ユーザの個人情報とユーザID(及びパスワード)は、例えば、「初診(S1)」や「更新(S2)」における所定のときに登録することができる。この変形例と、上段の変形例とを組み合わせることにより、ユーザにより有用となり得る情報を、所定の宛先に提供することが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの全体を示すブロック図。
【図2】DBシステム3内の様子を示す図。
【図3】本実施形態のおおまかな流れを示す図。
【図4】ユーザ登録(S11)での流れの第1の例を示す図。
【図5】ユーザ登録(S11)での流れの第2の例を示す図。
【図6】初診(図3のS1)における第2のステップ「検診、検体採取(図3のS12)」での流れを示す図。
【図7】診断メニューの作成(図6のS120)における詳細な流れを示す図。
【図8】開示条件や告知条件などを登録するときの流れを示す図。
【図9】告知条件の内容の一例を示す図。
【図10】ユーザが結果閲覧(図3のS3)するときの詳細な流れを示す図。
【図11】診療や研究等のために各ユーザの遺伝子診断結果を利用する場合の流れを示す図。
【図12】研究結果登録(図3のS5)における詳細な流れを示す図。
【図13】別の実施形態における流れを示す図。
【符号の説明】
【0142】
1:遺伝子診断支援サーバシステム、3:遺伝子診断データベースシステム、7:ユーザシステム、9:遺伝子診断会社システム、11:病院システム、13:研究機関システム、17:企業システム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生体情報を用いてユーザ又は第三者に利益を供与することができるシステムであって、
ユーザの、一以上の生体項目を含んだ生体情報を蓄積する蓄積手段と、
複数の前記生体項目についての疾患レベルの各々に対応した告知先を前記ユーザから受け、前記生体項目の疾患レベルごとの告知先、告知時期、及び告知方法を告知情報記憶手段へ登録する告知情報設定手段と、
閲覧要求の入力を受け付けて、当該閲覧要求で示されるユーザの前記生体項目のうち、告知条件に適合した生体項目に対応する診断結果項目を、疾患レベルに対応して前記告知情報記憶手段に登録されている告知先、告知時期、及び告知方法に基づいて提供処理を行う告知内容提供手段と、
を備えるシステム。
【請求項2】
ユーザの生体情報を用いてユーザ又は第三者に利益を供与することができるシステムのコンピュータを、
ユーザの、一以上の生体項目を含んだ生体情報を蓄積する蓄積手段、
複数の前記生体項目についての疾患レベルの各々に対応した告知先を前記ユーザから受け、前記生体項目の疾患レベルごとの告知先、告知時期、及び告知方法を告知情報記憶手段へ登録する告知情報設定手段、
閲覧要求の入力を受け付けて、当該閲覧要求で示されるユーザの前記生体項目のうち、告知条件に適合した生体項目に対応する診断結果項目を、疾患レベルに対応して前記告知情報記憶手段に登録されている告知先、告知時期、及び告知方法に基づいて提供処理を行う告知内容提供手段、
として機能させるためのプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−328807(P2007−328807A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196145(P2007−196145)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【分割の表示】特願2002−49195(P2002−49195)の分割
【原出願日】平成14年2月26日(2002.2.26)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】