説明

ユーザ対話用装置及び方法

本発明は、第1の可視状態と第2の可視状態の間で電気的に切替可能である物質の層(5)、及び、前記第1の可視状態と第2の可視状態の間で前記物質を電気的に切り替える電気スイッチ(6a,6b)を有する光モジュール(210,310)と、物体の存在を検出する検出器(6a,11b)と、前記物体の存在の検出に応じて前記電気スイッチを制御する制御ユニット(290,390)とを含む、ユーザ対話装置(200,300)に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ対話装置、ユーザ対話装置を含むシステム、及び、ユーザ対話方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ディスプレイの一部の近傍にユーザの指又はペンの存在を検出するセンサを含むタッチスクリーンディスプレイを開示する。タッチスクリーンディスプレイは、抵抗層がコーティングされる。或いは、タッチスクリーンディスプレイは、表面波技術若しくは容量性技術に基づいて構成される。タッチスクリーンディスプレイは、図形の窓を表示してもよい。センサがディスプレイの近傍にユーザの指の存在を検出したとき、図形のメニューが一時的に表示され、内容が見られる図形の窓は、図形のメニューにより自動的にサイズが低減されるか若しくは重ね合わせられる。図形のメニューは、所定の時間後に再び隠れる。図形のメニューを再び表示させるために、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイから離れる方向に手を動かし、再びそれに近づける必要がある。
【特許文献1】WO03012618
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1から知られるセンサは、ディスプレイを制御するための中央処理ユニット(CPU)に信号を通す。センサ自体は、ユーザと通信する手段を有さない。ユーザとの通信のために、ディスプレイが必要とされる。同時に、ディスプレイとセンサの組み合わせは、複雑で高価なシステムとなる。
【0004】
ユーザ対話装置を高価なディスプレイと結合することを必要とせずに、装置とのユーザの対話を検出することができると共に、ユーザにフィードバックを提供することができるユーザ対話装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のユーザ対話装置は、第1の可視状態と第2の可視状態の間で電気的に切替可能である物質の層、及び、前記第1の可視状態と第2の可視状態の間で前記物質を電気的に切り替える電気スイッチを有する光モジュールと、
物体の存在を検出する検出器と、
前記物体の存在の検出に応じて前記電気スイッチを制御する制御ユニットとを含む。
【0006】
検出器は、一般的に物体の存在を介してユーザ入力の事象を検出するように構成される。検出器の種類に依存して、異なる種類のユーザ入力が検出される。例えば、ユーザ入力は、装置へのユーザの接触、特に、装置へのユーザの近接、ユーザにより接触される装置の特定位置へのユーザの近接、例えば所定距離の近接である。物体は、ユーザの指、ペン等であってよい。
【0007】
光モジュールは、前記物体の存在の検出に応じてユーザへの可視的なフィードバックを可能とする。本発明による光モジュールは、電場の印加時、例えば電気スイッチを介した物質へのある電圧差の印加時にその可視的状態を変化する物質の層を含む。例えば、電気スイッチは、物質への電圧差の印加に対して、物質の層の両側の2つの透明な電極(例えば、酸化インジウム錫、ITO,酸化インジウム・酸化亜鉛、IZO)を含む。かかる光モジュールは、例えば公知のLCDやCRTディスプレイよりも遥かに安価である。
【0008】
層は、例えば、PDLC(ポリマー分散液晶)、ポリマーネットワーク液晶若しくは液晶ゲルに基づく、散乱する物質であってよい。物質は、その可視状態を、透明状態から散乱状態へ、若しくはその逆に、散乱状態から透明状態へと変化してもよい。用語“散乱”は、光がランダムな方向に方向付けられることを意味する。散乱層に方向付けられた周辺光の部分は、拡散反射により部分的に反射される。周辺光は、装置が配置される部屋内の太陽光やランプであってよい。散乱層は、散乱層の背後の物体を隠すことを可能とする。“An image display apparatus”と題された本願出願人による欧州特許出願番号05109148は、光モジュールが例えばTVスクリーンであるディスプレイスクリーンを隠すために使用されることができることを開示する。散乱層及び電気スイッチに加えて、光モジュールは、また、周辺光の反射を改善するために、例えばディスプレイスクリーンと散乱層の間に、反射層を含む。本願出願人による欧州特許出願番号05109148は、本発明で使用されてもよい光モジュール(電子光学式スイッチ)を開示する。反射層は、散乱層のアドレッシングストリップの多重比(マルチプレクシングレシオ)を増加するために光モジュールに付加される。
【0009】
可視的状態の1つでは、電極間の電圧差は、不必要なエネルギ消費を避けるために最小化されてもよい。好ましくは、光モジュールは、最小の電圧が印加される物質の可視的状態が、光モジュールがアクティブに使用されていないときの状況に対して望まれるように透明又は不透明に対応するように、設計される。より高い電圧差が印加されるときの物質の他の可視的な状態は、光モジュールがアクティブに使用されるとき、例えば装置とのユーザ対話が検出されたときに、トリガされる。
【0010】
本発明によれば、装置へのユーザ入力は、物体の存在を介して検出される。ユーザ対話インターフェースを生成するため、装置は、ユーザの入力に反応するように構成される。ユーザへの装置のフィードバックは、物質、例えば光学的に散乱する物質の可視的状態の変化を含む。この目的のため、装置は、物体の存在の検出に応じて電気スイッチを介して物質の可視的状態の変化をトリガする制御ユニットを含む。それ故に、検出器及び光モジュールは、如何なる付加的なディスプレイ装置を必要とせずに、アクティブ型のユーザ対話インターフェースを生成するために組み合わせられる。
【0011】
効果的には、検出器及び電気スイッチは、ユーザ入力を検出するために統合され、装置の複雑性及びコストが低減される。かかる統合は、例えば電気スイッチの電極の1つを電極へのユーザの接触をセンシングする抵抗センサとして用いることによって、達成されてもよい。電気スイッチの電極は、物質がその可視的状態を変化するレベルよりも電極の電圧差が低いときに、接触感応モードで動作し、同電圧差が同レベルよりも高いときに可視的なスイッチングモードで動作してもよい。例えば、電気スイッチは、接触感応モードで先ず動作してもよい。接触の検出時に、電気スイッチは、可視的なスイッチングモードで動作してもよい。
【0012】
本発明のシステムは、ユーザ対話装置、及び、例えばLCDやCRTディスプレイであるディスプレイ装置を含む。
【0013】
本発明のユーザ対話方法は、第1の可視状態と第2の可視状態の間で電気的に切替可能である物質の層、及び、前記第1の可視状態と第2の可視状態の間で前記物質を電気的に切り替える電気スイッチを有する光モジュールを用いるステップと、
物体の存在を検出するステップと、
前記物体の存在の検出に応じて前記電気スイッチを制御するステップとを含む。
【0014】
本方法は、本発明の装置の動作を記述する。
【0015】
本発明のこれらと他の局面は、以下で、添付の図面を参照して、例示により、更に説明及び開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
簡略化及び明瞭化のため、本発明の装置の同一若しくは対応する要素及び構成は、全図において同一の参照符号を有する。
【0017】
(接触)感応表面へのユーザの指又はペンの接触(タッチ)ないし近接を検出する方法は数多く知られている。これらの公知の方法のうち、主要なセンシング技術は、抵抗性、容量性及び表面音波である。これらの主要な技術は、センシングパネル及びコントローラを含む組立体を提供する。タッチフレームは、典型的には、ディスプレイ上に搭載される。
【0018】
図1は、抵抗技術によるタッチスクリーンパネル組立体の一例を示す。ハウジング100内の組立体は、タッチパネル110、LCDディスプレイ180及びコントローラ190を含む。
【0019】
タッチパネルは、耐磨耗性の化学抵抗フィルム1aと、第1の透明な伝導性コーティング1bと、基板2a及び第2の透明な伝導性コーティング2bを有する支持層とを含む。フィルム1aは、例えば光グレードポリマーフィルムである、透明なプラスティックフィルムのような柔軟な材料から生成されてもよい。基板2aは、例えばガラス及び/又はポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートである、透明な材料から生成されてもよい。コーティング1a,1bは、(半)透明の金属、例えばスパッタされた酸化インジウム錫(ITO)の薄い層であってよい。柔軟な層及び支持層は、例えば透明なスペーサードットないしビード3である絶縁弾性スペーサにより分離される。接着剤は、柔軟な層及び支持層の間の縁部に追加的に塗布されてもよい。これらの層は、また、ガスケットにより分離されてもよい。
【0020】
動作時、一方の縁部から他方の対向する縁部への線形の電圧降下は、コーティング1b若しくは2bの一方に印加されてもよい。他方の対向する電極は、電圧降下が印加される電極への電圧プローブとして使用される。柔軟な層が接触により押圧されるとき、コーティング1b若しくは2bは互いに接触して電気回路を形成し、接触された位置にて、電圧プローブとして機能する電極を介して電圧が検出され、コントローラ190へと処理のために伝送される。
【0021】
更に、コントローラ190は、A/D変換器と、電圧をX及びYの接触位置に変換する論理回路とを含んでよい。電圧プローブを介して測定された電圧は、接触された位置座標に比例する。接触のX及びY座標を算出するため、電圧は、コーティング1a,1bに代替的に印加されてもよい。例えば、コーティングの一方で測定された第1の電圧は、X座標に変換される。線形的な電圧降下は、次いで、Y座標を得るために、前の電圧降下方向に直角な方向で、他方のコーティングに印加される。抵抗技術は、手袋をはめた手を含む、任意のペン(スタイラス)で作動する点が長所である。
【0022】
コーティング1b若しくは2aは、他方のコーティングの伝導性ストリップに直角に複数の平行な伝導性ストリップを有してよい。伝導性ストリップは、例えばITO材料若しくは伝導性インクからであってよい。
【0023】
容量性センシング技術は、電気エネルギ源に接続される例えばITOである伝導性材料でコーティングされた、例えばガラスからのタッチパネルで実現されてもよい。ユーザがタッチパネルに触れるとき、ユーザの体のキャパシタンスは、キャパシタ場の特性に変化を起こすことができる。例えばタッチパネルの角に配置される、電子回路は、歪を測定する。接触のX及びY座標は、測定された歪から算出されてもよい。容量性接触技術は、ペンや手袋をはめた手ではなく生の指による接触を検出するのに良好に機能する。しかし、ペンは、例えば共振コイルを備える場合には、検出される。タッチパネルがディスプレイと共に使用される場合、キャパシタンスセンシングコーティングは、ディスプレイの可視性を改善するためにディスプレイの背後に設けられてよい。
【0024】
表面音波技術は、一方の縁部から他方の縁部までタッチパネルの表面に沿って伝播する例えば超音波である不可聴音を使用する。波は、タッチパネルの表面に沿って分散して伝播される。波は、最終的な異なる経路長に起因して、センサ側に時系列で到達する。この際、接触座標は、時間遅れに比例し、即ち、波を発射してから波をセンサ側で受けるまでの遅れに比例する。表面が接触されるとき、接触位置を通って伝播する波は、そのエネルギが部分的に減衰される。この減衰が検出され、対応する時間遅れが記録され、接触座標位置へと変換される。
【0025】
本発明によれば、物体の存在を検出する検出器が、ユーザ対話装置において用いられる。検出器は、上述のような抵抗技術、容量性技術や表面音波技術の原理に基づいてユーザ若しくはペンのような物体の接触ないし近接を検出するように構成されてもよい。
【0026】
ユーザへのフィードバックを生成するため、本発明のユーザ対話装置は、可視的な応答を提供する光ユニットと、ユーザの入力の検出に応じて可視的な応答をトリガする制御ユニットとを更に含む。
【0027】
図2は、本発明の一実施例を示す。この実施例では、装置200は、光ユニット210、制御ユニット290、及び、任意の要素としてのディスプレイ280を含む。光ユニット210は、電場を印加することによりその可視的な状態が切り替えられるのに適した例えば偏光子である物質の層5と、第1と第2の可視的状態の間で物質を電気的に切り替えるための例えば電極6a,6bである電気スイッチとを含んでよい。光ユニット210は、例えばガラスやプラスティックである例えば絶縁材料から生成される基板7を備えてもよい。
【0028】
電気的に切替可能な物質の層5の一例は、周辺光源220からの例えば日光である周辺光の少なくとも一部を、ランダムに方向付けし選択的に反射するように構成された散乱層である。異なる種類の物質が、層5を形成するために使用されてもよい。例えば、透明状態と不透明状態を有する物質が使用されてもよく、これは、隠ぺい効果の観点からディスプレイ280との組み合わせで特に有用である。物質が透明な状態を有する場合、電極6a,6bは、好ましくは、例えばITOやIZOである透明な伝導性材料から生成される。層5の物質は、例えば、ある条件及び印加された電場に依存して、拡散反射状態、鏡面反射状態、散乱状態及び透明状態の間で切替可能なコレステリック液晶に基づくことができる。また、2つの異なる不透明状態間若しくは多数のグレースケールの可視状態間で電気的に切替可能な物質を備える層5を使用することも可能である。
【0029】
層5は、また、例えば散乱層へと、周辺光を反射して戻す反射層5aを備えてもよい。反射層5aは、例えば、“An image display apparatus”と題された欧州特許出願番号05109148に詳細に開示されるような、反射性偏光子や、それぞれの偏光方向に対して異なる挙動を有する散乱偏光子である、偏光子に基づくものであってよい。反射層5aは、例えば基板7とディスプレイ280の間に、層5の外側に配置されてもよい。
【0030】
装置200は、例えば簡易な電導性素子で実現される、抵抗技術により物体の存在を検出する検出器を含む。ユーザが素子に触れるとき、制御ユニットは、例えば素子のインピーダンスの変化を記録しうる。インピーダンスの変化は、ユーザが装置と対話していることを表すことができる。電導性素子は、光モジュール210から分離して設けられてよい。しかし、電導性素子が光モジュールと組和せられるとき、より簡易でより効率的な装置の構成が達成される。例えば、電気スイッチの電極6aは、検出器として機能するように構成される。
【0031】
図2の実施例では、電極6a,6bは、制御ユニット290のアダプタ290aに結合される。アダプタ290aは、電極に必要な電圧を印加するように構成される。接触感応モードでは、電極6a,6b間の電圧差は、光モジュール210の可視的状態間で切り替えるためには不十分であってよいが、電極6aにおけるインピーダンスの変化を検出するには十分である。応答時、コントローラ290bは、アダプタをトリガして、電極6a,6b間の電圧差を変更させ、従って、層5の物質は、一の可視的状態から他の可視的状態へと切り替る。
【0032】
コントローラ290bは、ここで説明するような装置の動作を可能とし本発明を実現するように適切に構成されるデータ処理ユニットとして実現されてもよい。アダプタ290aは、層5に必要とされる電圧を供給する電気回路及び電気エネルギ供給手段を含んでよい。
【0033】
電気スイッチの電極6bは、例えば、本願出願人の欧州特許出願番号05109148に開示されるように、対応する電極のパッシブマトリックス型のアドレス指定により、可視的状態間で層5のそれぞれの部位を切り替える1つ以上のパターンの駆動電極を含んでよい。パターンは、マルチ機能ディスプレイを生成するために別々の電極層に配置されてもよい。
【0034】
好ましくは、反射層5aは、電導性材料を含んでよい。反射層は、容量性センシング技術により物体の近接を検出するように構成されてもよい。
【0035】
図3は、主に物体の存在の検出用の手段に関して図2に示される装置200と異なる装置300を示す。装置300は、追加的に、フィルム11a及び伝導性コーティング11bを有する柔軟な層を含む。フィルム1aは、例えば光グレードポリマーフィルムである、柔軟で、任意的には透明な材料から生成されてもよい。伝導性コーティングは、透明であってもよく、例えばスパッタされたITO材料から生成されてもよい。柔軟な層及び電極6aは、例えば透明なスペーサードット若しくはビードである、絶縁弾性スペーサ12により分離される。
【0036】
尚、図3の各要素の構成は、図示されたものと異なってもよい。例えば、フィルム11aは、硬い基板であることができる一方、電極6a,6b及び物質の層5は柔軟である。層5内の所定位置に物質を維持するために、その他の支持層(図示せず)が、電極6aと層5の間に設けられてよい一方、物質は電気的に切替可能なままである。
【0037】
接触感応モードでは、制御ユニット390のアダプタ390aは、コーティング11bに電圧を供給するように構成される。ユーザが指やペンで柔軟な層に触れるとき、コーティング11bは電極6aと接触し、電気回路が生成される。電気的な接触は、アダプタをトリガして、制御ユニット390のコントローラ390bに信号を通信させる。制御ユニットは、一の可視的状態から他の可視的状態へと物質の層5を切り替えるために電極6a,6bに電圧を印加するようにアダプタを制御するように構成されてもよい。コーティング11b及電極6aに印加される電圧レベルは、個別の実現に依存して、選択される。
【0038】
検出器は、例えばコーティング11b及び/又は電極6aの抵抗を測定することによって、接触の位置を検出するように構成されてもよい。例えば、コントローラ390bは、例えばX座標である1つの座標を算出するためのプローブとして電極6aを用いて、コーティング11bの縁部の一方と接触のポイントの間のインピーダンスを先ず測定するように構成されてもよい。次いで、インピーダンスは、電極6bをプローブとして用いて、電極6aの、他の座標が算出されたときに選択された側に直角な側と、接触のポイントとの間で再度測定される。例えば、電極6aの全抵抗Rが、0<A<1の下、(A*R+(1−A)*R)であり、パラメータAが接触位置に依存する場合、接触位置は測定値を用いて算出することが可能である。
【0039】
応用型の実施例では、コントローラ390bは、算出された位置に応答する光ディスプレイとして電極のパターンを駆動するようにアダプタ390aを制御するように構成される。例えば、装置300が体積制御ストリップの形態であり、ユーザがストリップに中間に触れるとき、ストリップの半分は、体積が対応して設定されることをユーザが知るように示される。
【0040】
ディスプレイ280は任意である。装置300は、ディスプレイスクリーンでない任意の表面に搭載されてもよい。例えば、装置300は、ガラス若しくはプラスティックが基板7として機能してもよい窓内に埋設されてもよい。かかる窓は、運転者が制御のために前の窓に触れることができる車両や、重厚な別のディスプレイが必要とされないATMのような公共の端末等において効果的であるだろう。
【0041】
層5の物質は、その可視的状態の1つが周辺色に適合し若しくは依存するように選択されてもよい。例えば、物質は、装置が灰色のハウジングを有するTVディスプレイ280上に重ね合わせられるとき、透明状態と灰色の間で切り替ってよい。TVが電源オフにされるとき、装置は灰色を有し、ユーザがTVを見ているとき、層5は透明である。
【0042】
本発明の一実施例では、装置は、物体の圧力を測定するように構成される。例えば、装置200の電極6a上の指若しくはペンの圧力が測定される。圧力を測定するよう構成された検出器は、米国特許5,510,813号から知られるような態様で実現されてもよい。接触の圧力を測定する知られた方法では、装置の支持手段は、印加された接触圧に応じて伝導性パネル間の狭まりを起こすように構成される。パネル間の狭くなった距離は、電気的な容量の変化を生む。圧力は、測定されたキャパシタンスから算出される。
【0043】
図4は、本発明の方法の一実施例を示す。本方法は、ユーザフィードバック手段として、層5と電気スイッチを備える光モジュールを用いるステップ410を含む。ステップ420では、物体の存在は、図2及び3を参照して説明したような検出器により検出される。ステップ430では、電気スイッチは、検出されたユーザの対話に応答して、可視的なフィードバックがユーザに付与されるように、制御される。本方法の更なる実施例は、図2及び3に示す装置に関して説明されたように導出されてもよい。
【0044】
説明した実施例の変形及び修正は、発明的な概念の範囲内で可能である。例えば、本発明によるシステムは、ディスプレイスクリーン180若しくは280を持たない単一の装置において別々に実現されてもよい。
【0045】
装置は、テレビジョンセット(TVセット)、VCR,DVD若しくはHDDレコーダ、ホームシネマシステム、携帯型CDプレイヤ、iProntoリモートコントロールのような遠隔制御装置、携帯電話等のような、種々の家庭用電子機器に組み込まれてよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】抵抗センシング技術によるタッチスクリーンの機能ブロック図。
【図2】電気スイッチの1つの電極がユーザの接触を検出するために用いられる、本発明による装置の一実施例の機能ブロック図。
【図3】電気スイッチの1つの電極がユーザの接触の位置を検出するために用いることができる、本発明による装置の一実施例の機能ブロック図。
【図4】本発明の方法の一実施例を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ対話装置であって、
第1の可視状態と第2の可視状態の間で電気的に切替可能である物質の層、及び、前記第1の可視状態と第2の可視状態の間で前記物質を電気的に切り替える電気スイッチを有する光モジュールと、
物体の存在を検出する検出器と、
前記物体の存在の検出に応じて前記電気スイッチを制御する制御ユニットとを含む、装置。
【請求項2】
前記電気スイッチと前記検出器は、物体の存在を検出するために統合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電気スイッチは、前記物質の層の両側の2つの電極を含み、該電極の1つは、前記物体の存在を検出するために使用される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記層は、周辺光の一部を散乱させる散乱層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記散乱層は、液晶とポリマーの複合材を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記散乱層に向けて、前記散乱された周辺光の部分を反射する反射層を更に含む、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記検出器は、圧力を測定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記検出器は、接触位置を検出するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記層は、透明である前記第1の可視状態と第2の可視状態を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記層は、周辺色に対応する前記第1の可視状態と第2の可視状態を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記検出器は、透明な伝導性材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記電気スイッチは、前記第1の可視状態と第2の可視状態の間で前記物質の層の一部を選択的に切り替える複数の電極を含む、請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載のユーザ対話装置と、ディスプレイ装置とを含むシステム。
【請求項14】
前記ユーザ対話装置は、前記ユーザ対話装置を通って表示する前記ディスプレイ装置上に設けられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ユーザ対話方法であって、
第1の可視状態と第2の可視状態の間で電気的に切替可能である物質の層、及び、前記第1の可視状態と第2の可視状態の間で前記物質を電気的に切り替える電気スイッチを有する光モジュールを用いるステップと、
物体の存在を検出するステップと、
前記物体の存在の検出に応じて前記電気スイッチを制御するステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−521173(P2009−521173A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546780(P2008−546780)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054913
【国際公開番号】WO2007/072392
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】