説明

ユーザ機器のサービス品質を制御するための方法および装置

本発明は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内でユーザ機器のサービス品質を制御するための方法および装置を提供する。この方法は、ユーザ機器に関する課金関連情報を入手するステップ(210)と、課金関連情報に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップ(220)とを含む。課金関連情報を導入することによって、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、目下のシステム資源と、ユーザ機器の貢献度および需要とに従ってサービス品質を制御することができ、それによって、種々のユーザ機器による需要の均衡を合理的に保ち、システムの限られた資源を有効に活用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザ機器のサービス品質の制御に関し、特に、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内でユーザ機器のサービス品質を制御するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシップ・プロジェクト、ロングターム・エボリューション(3GPP LTE)のポリシーおよび課金制御(PCC)規格によれば、図1に示すように、ポリシーおよび課金制御構造は、ポリシーおよび課金実施機能(PCEF)エンティティ、ベアラ・バインディングおよびイベント報告機能(BBERF)エンティティ、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)エンティティ、アプリケーション機能(AF)エンティティ、オンライン課金システム(OCS)、オフライン課金システム(OFCS)および加入プロファイル・レポジトリ(SPR)などを含む。
【0003】
ポリシーおよび課金制御は、ゲーティング制御とサービス品質(QoS)制御とを含む。サービス品質制御は、トラフィック・ストリームのパラメータ(例えば、伝送速度、帯域幅、平均遅延、遅延ジッタなど)の制御を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者らは、既存のポリシーおよび課金制御構造内で、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティが、ユーザ機器の課金関連情報を考慮せずにユーザ機器のサービス品質を制御していることを突き止めた。通信システムの運営事業者にとって、課金関連情報は、通信システムの運用状況を効果的に反映しうる重要なパラメータである。ユーザ機器にとって、課金関連情報は、通信システムに対するユーザ機器の貢献度と、通信品質に関するユーザ機器の必要条件とを反映しうるものである。したがって、課金関連情報に基づいて決定されたサービス品質制御ストラテジーは、種々のユーザ機器による需要の均衡を合理的に保つことができ、システムの限られた資源を有効に活用することができる。
【0005】
上記の従来技術の理解と、目下の問題点とを踏まえると、ユーザ機器の課金関連情報に基づいてユーザ機器のサービス品質を制御することが非常に重要になろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題点にさらに有効に対処するために、本発明の第1の態様の一実施形態によれば、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内で、ユーザ機器に対応するサービス品質を制御する方法において、
A. ユーザ機器に関する課金関連情報を入手するステップと、
B. 課金関連情報に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップと
を含む方法が提供される。
【0007】
課金関連情報を導入することによって、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、目下のシステム資源と、ユーザ機器の貢献度および需要とに従ってサービス品質を制御することができ、それによって、種々のユーザ機器による需要の均衡を合理的に保ち、システムの限られた資源を有効に活用することができる。
【0008】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内で、ユーザ機器に対応するサービス品質を制御するための制御装置において、
ユーザ機器に関する課金関連情報を入手するように構成された第1の入手デバイスと、
課金関連情報に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するように構成された第1の決定デバイスと
を含む制御装置が提供される。
【0009】
本発明のそれぞれの態様は、実施形態の以下の説明からさらに明らかになろう。
【0010】
本発明の上記の特徴およびその他の特徴は、非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を、図面を参照しながら検討することによってさらに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】PCCの論理構成概略図である。
【図2】ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内でユーザ機器に対応するサービス品質を制御する、本発明の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図3】ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図4】ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明の別の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図5】ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明のさらなる一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図6】ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明のさらに別の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図7】本発明の一実施形態による制御装置の概略図である。
【0012】
図面全体を通して、類似の参照番号は類似の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を、図面を参照しながら以下でさらに詳細に説明する。
【0014】
図2は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内でユーザ機器に対応するサービス品質を制御する、本発明の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【0015】
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内で、ユーザ機器に対応するサービス品質を制御する方法が提供される。
【0016】
図2を参照すると、この方法は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手するステップ210を含む。
【0017】
課金関連情報は、例えば、ユーザ機器の料金一括契約(tariff package)タイプ(例えば、料金一括契約A:5Gデータが月額50元の料金で使用できる)、ユーザ機器のリチャージ額(例えば、ユーザが100元を1回リチャージする)、複数の期間に対応するユーザ機器の複数の使用料(例えば、午後10時から午前6時までは1Mデータの使用に10元が課金され、その他の時間帯は1Mデータの使用に20元が課金される)、複数の地理的領域に対応するユーザ機器の複数の使用料(例えば、オフィス・ビルでは1Mデータの使用に25元が課金され、住宅地では1Mデータの使用に10元が課金される)など様々な情報を含みうる。
【0018】
ユーザ機器に関する課金関連情報は、ユーザ機器に対応するユーザの課金関連情報、すなわち、ユーザ機器で使用される加入者識別モジュール(SIM)に対応する課金関連情報である。
【0019】
この方法は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティが、課金関連情報に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップ220をさらに含む。
【0020】
ユーザ機器に対応するサービス品質とは、そのサービス品質によってユーザ機器がデータを受信し、かつ/またはデータがユーザ機器に送信されるようなサービス品質のことである。サービス品質は、例えば、伝送速度、帯域幅、平均遅延、遅延ジッタといった様々なパラメータによって特徴付けることができる。
【0021】
一実施形態では、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、サービス品質インジケーターをポリシーおよび課金実施機能エンティティに送信する。サービス品質インジケーターは、決定されたサービス品質を示す。ポリシーおよび課金実施機能エンティティは、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティによって決定されたサービス品質に従ってユーザ機器のサービス品質を制御する。
【0022】
ポリシーおよび課金ルール機能は、多数の方法でユーザ機器に関する課金関連情報を入手することができる。
【0023】
図3は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【0024】
図3を参照すると、ステップ310で、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、ユーザ課金情報要求を加入プロファイル・レポジトリに送信する。ユーザ課金情報要求は、課金関連情報を送信するように加入プロファイル・レポジトリに要求するために使用される。
【0025】
ステップ320で、加入プロファイル・レポジトリは、ユーザ課金情報要求をオンライン課金システムに転送する。
【0026】
ステップ330で、オンライン課金システムは、課金関連情報を加入プロファイル・レポジトリに送信する。
【0027】
ステップ340で、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、課金関連情報を加入プロファイル・レポジトリから受信する。
【0028】
図4は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明の別の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【0029】
図4を参照すると、ステップ410で、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、ユーザ課金情報要求を加入プロファイル・レポジトリに送信する。ユーザ課金情報要求は、課金関連情報を送信するように加入プロファイル・レポジトリに要求するために使用される。
【0030】
ステップ420で、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、課金関連情報をオンライン課金システムから受信する。
【0031】
図3および図4に示す2つの実施形態では、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、先制して、課金関連情報をオンライン課金システムから入手することができる。
【0032】
図5は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明のさらなる一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【0033】
図5を参照すると、ステップ510で、オンライン課金システムは、ユーザ課金情報更新要求を加入プロファイル・レポジトリに送信する。
【0034】
ステップ520で、加入プロファイル・レポジトリは、ユーザ課金情報更新要求をポリシーおよび課金ルール機能エンティティに転送する。ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、ユーザ課金情報更新要求を受信する際に課金関連情報を受信する用意がある。
【0035】
ステップ530で、オンライン課金システムは、課金関連情報を加入プロファイル・レポジトリに送信する。
【0036】
ステップ540で、加入プロファイル・レポジトリは、課金関連情報をポリシーおよび課金ルール機能エンティティに転送する。
【0037】
任意で、図5に示す実施形態は、別法として、次に示すステップによって実施することができる。まず、オンライン課金システムは、ユーザ課金情報更新要求を加入プロファイル・レポジトリに送信するが、このユーザ課金情報更新要求は、課金関連情報を含む。次いで加入プロファイル・レポジトリは、課金関連情報を含むユーザ課金情報更新要求をポリシーおよび課金ルール機能エンティティに転送する。
【0038】
図6は、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティがユーザ機器に関する課金関連情報を入手する、本発明のさらに別の一実施形態による方法のフロー・チャートである。
【0039】
図6を参照すると、ステップ610で、オンライン課金システムは、ユーザ課金情報更新要求をポリシーおよび課金ルール機能エンティティに送信する。ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、ユーザ課金情報更新要求を受信する際に課金関連情報を受信する用意がある。
【0040】
ステップ620で、オンライン課金システムは、課金関連情報をポリシーおよび課金ルール機能エンティティに送信する。
【0041】
任意で、図6に示す実施形態は、別法として、次に示すステップによって実施することができる。オンライン課金システムは、ユーザ課金情報更新要求をポリシーおよび課金ルール機能エンティティに送信するが、このユーザ課金情報更新要求は、課金関連情報を含む。
【0042】
図5および図6に示す2つの実施形態では、オンライン課金システムは、先制して、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内の課金関連情報を更新することができ、その結果、ユーザ機器のサービス品質は、オンライン・システムでユーザ機器の課金関連情報のリアルタイムの変更にリアルタイムに応えて制御することができる。
【0043】
ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、多数の方法で課金関連情報に従ってユーザ機器に関するサービス品質を決定することができる。
【0044】
一実施形態では、課金関連情報はユーザ機器の料金一括契約を含む。
【0045】
料金一括契約は多数の方法で実施することができる。例えば、料金一括契約は月額50元の料金で10Gデータを使用可能とする。別の例では、料金一括契約は月額30元の料金で5Gデータを使用可能とする。
【0046】
まず、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、料金一括契約期間中におけるユーザ機器の使用済みデータ量を入手する。
【0047】
料金一括契約期間は、料金一括契約に対応する期間である。例えば、料金一括契約は月額50元の料金で10Gデータを使用可能とし、その場合の料金一括契約期間は一ヶ月である。別の例では、料金一括契約は月額100元の料金で25Gデータを使用可能とし、その場合の料金一括契約期間は四半期である。
【0048】
使用済みデータ量とは、料金一括契約期間中にユーザ機器によって使用されたデータ量である。例えば、ユーザ機器が一ヶ月より短い期間に6Gのデータを使用すると、使用済みデータ量は6Gである。別の例では、ユーザ機器が四半期より短い期間に10Gのデータを使用すると、使用済みデータ量は10Gである。
【0049】
次いで、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、使用済みデータ量を、料金一括契約に対応する所定のデータ量と比較する。
【0050】
所定の量とは、料金一括契約で指定された料金に対応する使用可能なデータ量である。例えば、料金一括契約は月額50元の料金で10Gデータを使用可能とし、その場合の所定のデータ量は10Gである。別の例では、料金一括契約は月額100元の料金で25Gデータを使用可能とし、その場合の所定のデータ量は25Gである。
【0051】
最後に、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、比較結果に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定する。
【0052】
例えば、使用済みデータ量が所定のデータ量を下回る場合、ユーザ機器には第1の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク10Mbps、アップリンク5Mbps)、使用済みデータ量が所定のデータ量を上回る場合、ユーザ機器には、第1の所定のデータ伝送速度を下回る第2の所定のデータ伝送速度が提供される(例えば、ダウンリンク5Mbps、アップリンク2Mbps)。
【0053】
ユーザ機器の使用済みデータ量が所定のデータ量を超える場合、所定のデータ量を超えるデータ量を既に使用したことを、ユーザ機器のサービス品質を低下させることによってユーザに警告することができ(例えば、ユーザ機器のデータ伝送速度を低下させるか、またはユーザ機器のデータ伝送遅延を増加させるなど)、それによって、ユーザ自身の予算を超えてユーザが出費することを回避し、また、あるユーザが使用済みデータ量の支払い高を超えているために故意に請求の支払期限が過ぎた状況となることを回避し、それによってネットワークの正常な運営を保証することができる。
【0054】
別の一実施形態では、課金関連情報はユーザ機器のリチャージ額を含む。
【0055】
ユーザ機器のリチャージ額は、例えば、リチャージ額、課金ポイント数などといった多数の方法で実施することができる。
【0056】
まず、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、リチャージ額を少なくとも1つの所定のリチャージ額と比較する。
【0057】
次いで、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、比較結果に従ってユーザ機器のサービス品質を決定する。
【0058】
例えば、少なくとも1つの所定のリチャージ額は、50元、100元、および150元である。ユーザ機器のリチャージ額が50元を下回る場合、ユーザ機器には第3の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク5Mbps、アップリンク2Mbps)、ユーザ機器のリチャージ額が50元と100元の間である場合、ユーザ機器には、第3の所定のデータ伝送速度を上回る第4の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク10Mbps、アップリンク5Mbps)、ユーザ機器のリチャージ額が100元と150元の間である場合、ユーザ機器には、第4の所定のデータ伝送速度を上回る第5の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク15Mbps、アップリンク5Mbps)、ユーザ機器のリチャージ額が150元を上回る場合、ユーザ機器には、第5の所定のデータ伝送速度を上回る第6の所定のデータ伝送速度が提供される(例えば、ダウンリンク20Mbps、アップリンク10Mbps)。
【0059】
リチャージ額がより大きなユーザ機器にはより高いサービス品質(例えば、より高いデータ伝送速度、より短いデータ伝送遅延など)を提供するということによって、ユーザ機器はビットあたりの料金が低くなり、その結果、ユーザ機器は特定の値引きの優遇を受け、また、ネットワーク運営事業者は、より頻繁にネットワークにアクセスして通信するようにユーザに奨励することができ、それによって事業収益を増やすことができる。
【0060】
さらなる一実施形態では、課金関連情報は、複数の期間に対応するユーザ機器の複数の使用料を含む。
【0061】
複数の期間に対応する複数の使用料は、種々の期間におけるユーザ機器の通信料金(値段)である。例えば、ユーザ機器には、午前10時から午後3時までは1Mデータの使用ごとに15元が課金され、午後10時から午前7時までは1Mデータの使用ごとに5元が課金され、他の時間帯には1Mデータの使用ごとに10元が課金される。
【0062】
まず、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、ユーザ機器に対応する第1のタイム・バリューを入手する。
【0063】
ユーザ機器に対応する第1のタイム・バリューは、ユーザ機器が配置されたタイム・ゾーンにおける時刻である。例えば、ユーザ機器が配置されたタイム・ゾーンの時刻が午前11時であれば、第1のタイム・バリューは午前11時である。別の例では、ユーザ機器が配置されたタイム・ゾーンの時刻が午後6時であれば、第1のタイム・バリューは午後6時である。
【0064】
次いで、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、複数の期間に対応する複数の使用料のうち第1のタイム・バリューに対応する第1の使用料を決定する。
【0065】
通信速度が上記の例であるとすると、ユーザ機器の第1のタイム・バリューが午前11時の場合、第1の使用料は1Mデータの使用ごとに課金される15元であり、ユーザ機器の第1のタイム・バリューが午後6時の場合、第1の使用料は1Mデータの使用ごとに課金される10元である。
【0066】
次に、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、第1の使用料を少なくとも1つの所定の使用料と比較する。
【0067】
最後に、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、比較結果に従ってユーザ機器のサービス品質を決定する。
【0068】
例えば、少なくとも1つの所定の使用料は、1Mデータの使用ごとに課金される5元か、または、1Mデータの使用ごとに課金される10元である。第1の使用料が5元を下回る場合、ユーザ機器には第6の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク5Mbps、アップリンク2Mbps)、第1の使用料が5元と15元の間である場合、ユーザ機器には、第6の所定のデータ伝送速度を上回る第7の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク10Mbps、アップリンク5Mbps)、第1の使用料が15元を上回る場合、ユーザ機器には、第7の所定のデータ伝送速度を上回る第8の所定のデータ伝送速度が提供される(例えば、ダウンリンク15Mbps、アップリンク10Mbps)。
【0069】
さらに別の一実施形態では、課金関連情報は、複数の地理的領域に対応するユーザ機器の複数の使用料を含む。
【0070】
複数の地理的領域に対応する複数の使用料は、種々の地理的領域におけるユーザ機器の通信料金(値段)である。例えば、ユーザ機器がオフィス・ビルに配置され、1Mデータの使用ごとに15元が課金され、また、ユーザ機器が住宅地に配置され、1Mデータの使用ごとに10元が課金される。
【0071】
まず、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、ユーザ機器に対応する第1の地理的位置領域を入手する。
【0072】
ユーザ機器に対応する第1の地理的位置領域は、ユーザ機器が配置された地理的位置である(例えば、ユーザ機器が配置された位置の経度と緯度、ユーザ機器が配置された位置の町名、ユーザ機器が配置された位置の対応するコードなど)。
【0073】
次いで、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、地理的領域に対応する複数の使用料のうち第1の地理的位置に対応する第2の使用料を決定する。
【0074】
次に、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、第2の使用料を少なくとも1つの所定の使用料と比較する。
【0075】
最後に、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、比較結果に従ってユーザ機器のサービス品質を決定する。
【0076】
例えば、少なくとも1つの所定の使用料は、1Mデータの使用ごとに課金される15元か、または、1Mデータの使用ごとに課金される10元である。第2の使用料が10元を下回る場合、ユーザ機器には第6の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク5Mbps、アップリンク2Mbps)、第2の使用料が10元と20元の間である場合、ユーザ機器には、第6の所定のデータ伝送速度を上回る第7の所定のデータ伝送速度が提供され(例えば、ダウンリンク10Mbps、アップリンク5Mbps)、第2の使用料が20元を上回る場合、ユーザ機器には、第7の所定のデータ伝送速度を上回る第8の所定のデータ伝送速度が提供される(例えば、ダウンリンク15Mbps、アップリンク10Mbps)。
【0077】
使用料がより高いユーザ機器にはより高いサービス品質(例えば、より高いデータ伝送速度、より短いデータ伝送遅延など)を提供するということによって、より高い使用料でサービスにアクセスするようにユーザ機器に奨励することができ、それによって、ネットワーク運営事業者の事業収益を伸ばし、また、ユーザ機器もユーザの所望のサービス品質に応じて異なる使用料を選択することができる。
【0078】
さらなる一実施形態では、課金関連情報は支払履歴を含む。
【0079】
ユーザ機器の支払履歴は多数の方法で実施することができる。例えば、ユーザ機器には支払期限の過ぎた請求がない、ユーザ機器には支払期限の過ぎた請求が10元ある、ユーザ機器には支払期限の過ぎた請求が100元あるなどである。
【0080】
ポリシーおよび課金ルール機能エンティティは、ユーザ機器の支払履歴に従ってユーザ機器のサービス品質を決定する。例えば、支払期限の過ぎた請求がないユーザ機器には、第9の所定のデータ伝送速度(例えば、ダウンリンク10Mbps、アップリンク5Mbps)が提供され、支払期限の過ぎた請求が50元を下回るユーザ機器には、第10の所定のデータ伝送速度(例えば、ダウンリンク5Mbps、アップリンク2Mbps)が提供され、支払期限の過ぎた請求が50元を上回るユーザ機器には、第11の所定のデータ伝送速度(例えば、ダウンリンク10Kbps、アップリンク10Kbps)が提供される。
【0081】
支払履歴がより良好なユーザ機器にはより高いサービス品質(例えば、より高いデータ伝送速度、より短いデータ伝送遅延など)を提供するということによって、ユーザ機器に期限通りに支払うように奨励することができ、それによって、ネットワークの一貫した運営を保証することができる。
【0082】
図7は、本発明の一実施形態による制御装置700の概略図である。
【0083】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内で、ユーザ機器に対応するサービス品質を制御するための制御装置が提供される。
【0084】
図7を参照すると、制御装置700は、第1の入手デバイス710と第1の決定デバイス720とを含む。
【0085】
第1の入手デバイス710は、ユーザ機器に関する課金関連情報を入手するように構成されている。第1の決定デバイス720は、課金関連情報に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するように構成されている。
【0086】
第1の入手デバイスは多数の方法で実施することができる。
【0087】
一実施形態では、第1の入手デバイスは、第1の送信デバイスと第1の受信デバイスとを含む。
【0088】
第1の送信デバイスは、ユーザ課金情報要求を加入プロファイル・レポジトリに送信するように構成されている。ユーザ課金情報要求は、課金関連情報を送信するように加入プロファイル・レポジトリに要求するために使用される。加入プロファイル・レポジトリは、オンライン課金システムから受信した課金関連情報を格納する。
【0089】
第1の受信デバイスは、加入プロファイル・レポジトリから課金関連情報を受信するように構成されている。
【0090】
別の一実施形態では、第1の入手デバイスは、第2の送信デバイスと第2の受信デバイスとを含む。
【0091】
第2の送信デバイスは、ユーザ課金情報要求をオンライン課金システムに送信するように構成されている。ユーザ課金情報要求は、課金関連情報を送信するようにオンライン課金システムに要求するために使用される。
【0092】
第2の受信デバイスは、オンライン課金システムから課金関連情報を受信するように構成されている。
【0093】
さらなる一実施形態では、第1の入手デバイスは、第3の受信デバイスを含む。
【0094】
第3の受信デバイスは、ユーザ課金情報更新要求を受信するように構成されており、ユーザ課金情報更新要求は、課金関連情報を受信するようにポリシーおよび課金ルール機能エンティティに要求するために使用される。第3の受信デバイスは、課金関連情報を加入プロファイル・レポジトリから受信するようにさらに構成されており、加入プロファイル・レポジトリは、オンライン課金システムから受信した課金関連情報を格納するか、または、第3の受信デバイスは、オンライン課金システムから課金関連情報を受信するようにさらに構成されている。
【0095】
第1の決定デバイスは多数の方法で実施することができる。
【0096】
一実施形態では、課金関連情報はユーザ機器の料金一括契約を含み、第1の決定デバイスは、第2の入手デバイスと第1の比較デバイスと第2の決定デバイスとを含む。
【0097】
第2の入手デバイスは、料金一括契約期間中におけるユーザ機器の使用済みデータ量を入手するように構成されている。第1の比較デバイスは、使用済みデータ量を、料金一括契約に対応する所定のデータ量と比較するように構成されている。第2の決定デバイスは、比較結果に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するように構成されている。
【0098】
別の一実施形態では、課金関連情報はユーザ機器のリチャージ額を含み、第1の決定デバイスは、第2の比較デバイスと第3の決定デバイスとを含む。
【0099】
第2の比較デバイスは、課金額を、少なくとも1つの所定の課金額と比較するように構成されている。第3の決定デバイスは、比較結果に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するように構成されている。
【0100】
さらなる一実施形態では、課金関連情報は、複数の期間に対応するユーザ機器の複数の使用料を含み、第1の決定デバイスは、第3の入手デバイスと第4の決定デバイスと第3の比較デバイスとを含む。
【0101】
第3の入手デバイスは、ユーザ機器に対応する第1のタイム・バリューを入手するように構成されている。第4の決定デバイスは、複数の期間に対応する複数の使用料のうち第1のタイム・バリューに対応する第1の使用料を決定するように構成されている。第3の比較デバイスは、第1の使用料を少なくとも1つの所定の使用料と比較するように構成されている。第4の決定デバイスは、比較結果に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するようにさらに構成されている。
【0102】
さらに別の一実施形態では、課金関連情報は、複数の地理的領域に対応するユーザ機器の複数の使用料を含み、第1の決定デバイスは、第4の入手デバイスと第5の決定デバイスと第4の比較デバイスとを含む。
【0103】
第4の入手デバイスは、ユーザ機器に対応する第1の地理的位置を入手するように構成されている。第5の決定デバイスは、複数の地理的領域に対応する複数の使用料のうち第1の地理的位置に対応する第2の使用料を決定するように構成されている。第4の比較デバイスは、第2の使用料を少なくとも1つの所定の使用料と比較するように構成されている。第5の決定デバイスは、比較結果に従ってユーザ機器に対応するサービス品質を決定するようにさらに構成されている。
【0104】
当業者には、本発明が上記の例証の各実施形態の詳細には限定されないこと、また、本発明の趣旨および本質から逸脱せずに他の具体的な形態で実施されうることが明らかになろう。したがって、本明細書の各実施形態は例証的なものとみなされるべきであって、いかなる点においても限定するものとみなされるべきではなく、また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものであって、上記の説明によって規定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲のうちに含まれるいかなる変形形態およびそれらの等価物も、本発明の範囲内に包含されるものである。特許請求の範囲に示すいかなる参照番号も、当該の特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、「含む(comprising)」という用語は、明白に他の1つまたは複数の要素または他の1つまたは複数のステップを排除するものではなく、単数は複数を排除するものではない。システム請求項に記載した複数のデバイスは、別法としてソフトウェアまたはハードウェアにおける単一のデバイスによって実施することができる。「第1の(first)」、「第2の(second)」などの各用語は、名称を表すことを企図したものであって、いかなる特定の順番を表すことを企図したものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内で、ユーザ機器に対応するサービス品質を制御する方法であって、
A. 前記ユーザ機器に関する課金関連情報を入手するステップと、
B. 前記課金関連情報に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記ステップAは、
ユーザ課金情報要求を加入プロファイル・レポジトリに送信するステップであって、前記ユーザ課金情報要求は、前記課金関連情報を送信するように加入プロファイル・レポジトリに要求するために使用され、前記加入プロファイル・レポジトリは、オンライン課金システムから受信した前記課金関連情報を格納するステップと、
前記加入プロファイル・レポジトリから前記課金関連情報を受信するステップとによって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップAは、
ユーザ課金情報要求をオンライン課金システムに送信するステップであって、前記ユーザ課金情報要求は、前記課金関連情報を送信するように前記オンライン課金システムに要求するために使用されるステップと、
前記オンライン課金システムから前記課金関連情報を受信するステップとによって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップAは、
ユーザ課金情報更新要求を受信するステップであって、前記ユーザ課金情報更新要求は、前記課金関連情報を受信するように前記ポリシーおよび課金ルール機能エンティティに要求するために使用されるステップと、
前記課金関連情報を加入プロファイル・レポジトリから受信するステップであって、前記加入プロファイル・レポジトリは、オンライン課金システムから受信した前記課金関連情報を格納するか、またはオンライン課金システムから前記課金関連情報を受信するステップとによって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記課金関連情報が、前記ユーザ機器の料金一括契約タイプ、前記ユーザ機器のリチャージ額、複数の期間に対応する前記ユーザ機器の複数の使用料、および複数の地理的領域に対応する前記ユーザ機器の複数の使用料のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記課金関連情報が前記ユーザ機器の料金一括契約を含む場合、前記ステップBは、
前記料金一括契約期間中における前記ユーザ機器の使用済みデータ量を入手するステップと、
前記使用済みデータ量を、前記料金一括契約に対応する所定のデータ量と比較するステップと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップと
によって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記課金関連情報が前記ユーザ機器のリチャージ額を含む場合、前記ステップBは、
前記リチャージ額を、少なくとも1つの所定のリチャージ額と比較するステップと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップと
によって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記課金関連情報が、複数の期間に対応する前記ユーザ機器の複数の使用料を含む場合、前記ステップBは、
前記ユーザ機器に対応する第1のタイム・バリューを入手するステップと、
前記複数の期間に対応する前記複数の使用料のうち前記第1のタイム・バリューに対応する第1の使用料を決定するステップと、
前記第1の使用料を、少なくとも1つの所定の使用料と比較するステップと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップと
によって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記課金関連情報が複数の地理的領域に対応する前記ユーザ機器の複数の使用料を含む場合、前記ステップBは、
前記ユーザ機器に対応する第1の地理的位置を入手するステップと、
前記複数の地理的領域に対応する前記複数の使用料のうち前記第1の地理的位置に対応する第2の使用料を決定するステップと、
前記第2の使用料を、少なくとも1つの所定の使用料と比較するステップと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するステップと
によって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ポリシーおよび課金ルール機能エンティティ内で、ユーザ機器に対応するサービス品質を制御するための制御装置であって、
前記ユーザ機器に関する課金関連情報を入手するように構成された第1の入手デバイスと、
前記課金関連情報に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するように構成された第1の決定デバイスとを含む制御装置。
【請求項11】
前記第1の入手デバイスが、
ユーザ課金情報要求を加入プロファイル・レポジトリに送信するように構成された第1の送信デバイスであって、前記ユーザ課金情報要求は、前記課金関連情報を送信するように前記加入プロファイル・レポジトリに要求するために使用され、前記加入プロファイル・レポジトリは、オンライン課金システムから受信した前記課金関連情報を格納する第1の送信デバイスと、
前記加入プロファイル・レポジトリから前記課金関連情報を受信するように構成された第1の受信デバイスと
を含む請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記課金関連情報が前記ユーザ機器の料金一括契約を含む場合、前記第1の決定デバイスは、
前記料金一括契約期間中における前記ユーザ機器の使用済みデータ量を入手するように構成された第2の入手デバイスと、
前記使用済みデータ量を、前記料金一括契約に対応する所定のデータ量と比較するように構成された第1の比較デバイスと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するように構成された第2の決定デバイスとを含む請求項10に記載の制御装置。
【請求項13】
前記課金関連情報が前記ユーザ機器のリチャージ額を含む場合、前記第1の決定デバイスは、
前記リチャージ額を、少なくとも1つの所定のリチャージ額と比較するように構成された第2の比較デバイスと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するように構成された第3の決定デバイスとを含む請求項10に記載の制御装置。
【請求項14】
前記課金関連情報が、複数の期間に対応する前記ユーザ機器の複数の使用料を含む場合、前記第1の決定デバイスは、
前記ユーザ機器に対応する第1のタイム・バリューを入手するように構成された第3の入手デバイスと、
前記複数の期間に対応する前記複数の使用料のうち前記第1のタイム・バリューに対応する第1の使用料を決定するように構成された第4の決定デバイスと、
前記第1の使用料を、少なくとも1つの所定の使用料と比較するように構成された第3の比較デバイスと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するようにさらに構成された前記第4の決定デバイスとを含む請求項10に記載の制御装置。
【請求項15】
前記課金関連情報が、複数の地理的領域に対応する前記ユーザ機器の複数の使用料を含む場合、前記第1の決定デバイスは、
前記ユーザ機器に対応する第1の地理的位置を入手するように構成された第4の入手デバイスと、
前記複数の地理的領域に対応する前記複数の使用料のうち前記第1の地理的位置に対応する第2の使用料を決定するように構成された第5の決定デバイスと、
前記第2の使用料を、少なくとも1つの所定の使用料と比較するように構成された第4の比較デバイスと、
比較結果に従って前記ユーザ機器に対応するサービス品質を決定するようにさらに構成された前記第5の決定デバイスとを含む請求項10に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−521586(P2013−521586A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556359(P2012−556359)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070930
【国際公開番号】WO2011/109934
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】