説明

ヨーヨー

【課題】 簡素な構造で変化に富んだ動きを与えヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えるヨーヨーを提供すること。
【解決手段】内部に気体を注入し膨張させて液面Wに浮遊させる浮遊体2とその浮遊体2に取り付けられる紐体4を備える。浮遊体2はその高さが幅より大きくなるように縦長に形成される。浮遊体2の下部に錘3が固定される。浮遊体2は液面Wで起立した状態で浮遊可能であると共に起立した状態に復帰するよう揺動可能である。紐体4の一端に釣針22を引っ掛けるための掛部5を設け、揺動に掛部5が連動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨーヨーに関する。さらに詳しくは、内部に気体を注入し膨張させて液面に浮遊させる浮遊体とその浮遊体に取り付けられる紐体を備えたヨーヨーに関する。
【背景技術】
【0002】
上述の如きヨーヨーとして、例えば特許文献1,2に記載の如きものが知られている。特許文献1に記載のヨーヨーは、縦長の人形体内部に水が注入してある。そのため、液面に浮かべた状態で一度倒れると自力で起き上がることはなく、人形体の姿勢に変化が乏しく、ヨーヨー釣りの面白みに欠けていた。また、特許文献2に記載のヨーヨーも同様に、自力で姿勢を立て直すことは不可能であった。
【特許文献1】実開平5−63593号公報
【特許文献2】実開平5−18597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、簡素な構造で変化に富んだ動きを与えヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えるヨーヨーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係るヨーヨーの特徴は、内部に気体を注入し膨張させて液面に浮遊させる浮遊体とその浮遊体に取り付けられる紐体を備えた構成において、前記浮遊体はその高さが幅より大きくなるように縦長に形成され、前記浮遊体の下部に錘が固定され、前記浮遊体は前記液面で起立した状態で浮遊可能であると共に前記起立した状態に復帰するよう揺動可能であり、前記紐体の一端に釣針を引っ掛けるための掛部を設け、前記揺動に前記掛部が連動することにある。
【0005】
上記特徴によれば、浮遊体は液面上で起き上がり小坊師の如く揺動する。したがって、その揺動に連動させて紐体の掛部に変化に富んだ動きを与えることができ、ヨーヨー釣りに興趣を加えることができる。
【0006】
前記紐体は前記起立した状態で前記掛部が前記液面近傍に位置する長さに設定するとよい。掛部が液面近傍に位置するので、ヨーヨーを釣り上げる際に釣具の釣針を支持する紙縒が液面近傍の位置となる。したがって、上記揺動と相まって、遊戯者にヨーヨーを釣り上げるタイミングに迷いを生じさせ、ヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えることができる。
【0007】
また、前記浮遊体の上部に前記紐体を取り付ける突片を備えていても構わない。浮遊体は、その上部程揺動する幅が大きくなるので、上部に紐体を取り付けることで掛部により変化に富んだ動きを与えることができる。
【0008】
前記浮遊体は略水平に形成した底面を備え、前記錘は前記底面に固定するとよい。これにより、液面上での直立状態を安定させると共に揺動運動を機敏にさせることができる。また、前記錘は前記浮遊体内部に固定しても構わない。
【0009】
前記浮遊体表面には文字、記号、図柄、絵柄等の模様が描くようにするとよい。また、前記浮遊体は前記模様に応じた形に模して形成しても構わない。これにより、浮遊体の揺動運動に合わせて例えば模様となるキャラクターが動いているように見せることができ、さらに興趣が増す。
【発明の効果】
【0010】
上記本発明に係るヨーヨーの特徴によれば、簡素な構造で変化に富んだ動きを与えヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えることが可能となった。
【0011】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、図1〜3を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1,2に示すように、本発明に係るヨーヨー1は、大略、浮遊体2と錘3と紐体4とからなる。浮遊体2は前面11、後面12及び底面13となる3枚の合成樹脂製のシートを接着等で繋ぎ合わせ、内部に空気を充填する中空部14を形成してある。図2に示すように、浮遊体2の上部程揺動する幅を大きくするため、浮遊体2の高さhがその浮遊体2の幅wよりも大となるよう縦長の略円筒状に形成してある。また、紐体4の揺動幅を大きくするため、紐体4を取り付ける突片16が浮遊体2上部に設けてある。後面12には中空部14に空気を充填する注入口15が設けてあり、浮遊体2が液面Wに浮遊可能となるように中空部14に空気を充填し膨張させる。
【0013】
図2に示すように、錘3は略水平に形成された底面13の中空部14側表面に固定されている。この錘3には例えば砂鉄を袋に詰めたものが用いられる。袋詰めすることで、小粒又は粉体状の錘が他の物品との不測の衝突により形成する漏洩孔からの空気漏れを防ぐ。錘3によって、浮遊体2には起き上がり小坊師の如く液面W上で直立状態に起き上がらせる揺動が引き起こされる。例えば、図3に示す一点鎖線で示す傾斜した状態から直立した状態に復帰する。なお、錘3の重さは、中空部14の体積に応じて液面Wに浮遊可能となるように適宜設定される。
【0014】
紐体4は、例えばゴム紐よりなり、一端は浮遊体2の上部に位置する突片16の孔16aに結びつけて取り付けてある。紐体4の他方端部には、ヨーヨー釣りを行う釣具20の釣針22を引っ掛けるための掛部5が環状に形成されている。
【0015】
図3に示すように、液面Wでの浮遊体2の起立状態において、紐体4はその掛部5が液面W近傍に位置する長さLに設定してある。掛部5を液面W近傍に位置する長さLに設定することで、ヨーヨーを釣り上げる際に釣具20の釣針22を支持する紙縒21が液面W近傍の位置となる。したがって、上記揺動と相まって、遊戯者にヨーヨーを釣り上げるタイミングに迷いを生じさせ、ヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えることができる。他方、紐体4を浮遊体2より短い長さLaに設定した場合、掛部5は液面Wより上方に位置するため、紙縒21が濡れることはなく簡単に釣り上げることができ、面白みに欠ける。また、紐体4を浮遊体2の高さより長い長さLbに設定した場合、掛部5は液面W下に沈み、釣り上げる際に紙縒21が濡れることが多く、釣り上げることが困難となり、この場合でも面白みに欠けることとなる。
【0016】
また、紐体4は縦長の浮遊体2上部の突片16に取り付けてあるので、浮遊体2上部のより大きな揺動に連動して紐体4も大きく動くこととなる。したがって、紐体4の掛部5はその揺動に連動して液面W近傍でより大きく変化に富んだ動きをし、ヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えることができる。
【0017】
最後に、本発明のさらに別の実施形態の可能性を列挙する。なお、上記実施形態と同様の部材には同一の符号を付してある。
上記実施形態において、浮遊体の表面に文字、記号、図柄、絵柄等の模様を描いても構わない。例えば、図4(a)に示すように、ヨーヨー40の前面41表面に模様として例えば人型のキャラクター47を印刷してもよい。また、このキャラクター47の形状に沿うように、前面41に凸部41aを設けても構わない。浮遊体2を模様に模して形成することで、浮遊体2の揺動運動によりキャラクターが動いているかのように見せることができ、ヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えるができる。
【0018】
また、図4(b)に示すように、ヨーヨー50をペットボトルの形状に模して形成することも可能である。このヨーヨー50の前面51には、飲料57a、ラベル57b及びキャップ57cのペットボトルの絵柄57が印刷されている。また、ヨーヨー50の上部にはキャップ57cの形状を模した凸部51aが設けられている。なお、模様等は図4に例示の模様に限られるものではなく、着色等を施してもよい。また、半透明、透明のシートにより浮遊体を構成しても構わない。
【0019】
上記実施形態において、錘3に砂鉄を用いた。この場合、ヨーヨーを浮かべる水槽の底面に磁石を取り付けて、その磁力でヨーヨーを底面から移動させるようにしても構わない。遊戯者から磁石の位置が分からず、浮遊体に予測できない動きを与えることができ、ヨーヨー釣りにさらなる興趣を加えるができる。また、磁石を用いて水槽の底面側からヨーヨーを誘導する新たな遊戯も行うことができる。例えば、流れるヨーヨーを磁力により引き止めて流れの外部へ誘導する新たな遊戯を構成することも可能である。
【0020】
また、錘3は浮遊体2の底面13の中空部14側表面に固定したが、中空部14側に限らず底面13の外表面に取り付けても構わない。さらに、浮遊体2の内部には錘3に加えて例えば鈴を入れ、浮遊体2の揺動運動に連動して音を出すようにしても構わない。
【0021】
上記実施形態はシートを3面貼り合わせて略円筒状に形成したが、3面以上の多面体であっても良く、2面より例えば楕円状に形成しても構わない。浮遊体2の形状は、液面Wで起立状態で浮遊可能な形状であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、特にヨーヨー釣りに適したヨーヨーとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るヨーヨーの斜視図である。
【図2】ヨーヨーの縦断面図である。
【図3】ヨーヨーの水面上での揺動を説明する図である。
【図4】本発明に係るヨーヨーの他の実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0024】
1:ヨーヨー、2:浮遊体、3:錘、4:紐体、5:掛部、11:前面(シート)、12:後面(シート)、13:底面(シート)、14:中空部、15:注入口、16:突片、16a:孔、20:釣具、21:釣糸(紙縒)、22:釣針、40:ヨーヨー、41:前面(シート)、41a:凸部、43:底面(シート)、46:突片、46a:孔、47:キャラクター(模様)、50:ヨーヨー、51:前面(シート)、51a:凸部、53:底面(シート)、56:突片、56a:孔、57:ペットボトル(模様)、57a:飲料(模様)、57b:ラベル(模様)、57c:キャップ(模様)、h:高さ、w:幅、L,La,Lb:紐体長さ、W:液面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に気体を注入し膨張させて液面に浮遊させる浮遊体とその浮遊体に取り付けられる紐体を備えたヨーヨーであって、
前記浮遊体はその高さが幅より大きくなるように縦長に形成され、前記浮遊体の下部に錘が固定され、前記浮遊体は前記液面で起立した状態で浮遊可能であると共に前記起立した状態に復帰するよう揺動可能であり、前記紐体の一端に釣針を引っ掛けるための掛部を設け、前記揺動に前記掛部が連動するヨーヨー。
【請求項2】
前記紐体は前記起立した状態で前記掛部が前記液面近傍に位置する長さに設定してある請求項1記載のヨーヨー。
【請求項3】
前記浮遊体の上部に前記紐体を取り付ける突片を備える請求項1又は2記載のヨーヨー。
【請求項4】
前記浮遊体は略水平に形成した底面を備え、前記錘は前記底面に固定してある請求項1〜3のいずれかに記載のヨーヨー。
【請求項5】
前記錘は前記浮遊体内部に固定してある請求項1〜4のいずれかに記載のヨーヨー。
【請求項6】
前記浮遊体表面には文字、記号、図柄、絵柄等の模様が描かれてある請求項1〜5のいずれかに記載のヨーヨー。
【請求項7】
前記浮遊体は前記模様に応じた形に模して形成してある請求項6に記載のヨーヨー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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