説明

ライニング材の延命化方法

【課題】ライニング材の吹き替え時期の延長が可能で、安価で短期間での施工が可能なライニング材の延命化方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るライニング材の延命化方法は、例えば炭素鋼配管等の筒身鋼板10からなる煙突内面に施工されているセメント系のライニング材12の吹き替え時期にある表層脆弱層の劣化部13に高圧水又は高圧空気を用いて剥離して除去し、その後剥離されたライニング材12表面に予め封孔処理層15を形成して封孔処理を行なった後、エポキシ樹脂系塗料を塗布し、エポキシ樹脂系塗膜16を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙突内面に施工されているライニング材の延命化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばLNG焚きボイラー煙突内面には排ガスによる筒身鋼板の腐食防止を主目的としてセメント系ライニング材が施工されている。このライニング材は排ガス中の例えば酸性物質の腐食性物質及び水分等の浸透によって経年的に劣化して中性化し、ライニング材の防錆能力が低下するため、例えば15年〜20年程度を目安に劣化部分の吹き替え施工を行っていた(特許文献1、2参照)。
【0003】
従来のライニング材の劣化部の吹き替え施工法の一例を図10に示す。図10に示すように、従来のライニング材の劣化部の吹き替え施工法は、煙突の外側の炭素鋼配管等の筒身鋼板10の内面に施工されている例えばステンレス等からなるライニング拘束金物11が配されたセメント系のライニング材12の表層に形成される劣化ライニング層の劣化部13を除去する。このとき、劣化部13の除去は付着性確保のためライニング拘束金物11の位置まで行っていた。そして、劣化部13を除去した後、ライニング材12の上層部に新たにライニングを吹付けて、新たに吹き替えライニング層14を設け、ライニング材12の施工を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−198246号公報
【特許文献2】特開2008−32309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のライニング材12の劣化部13の吹き替え施工法は、吹き替え工事に大掛かりな設備を伴い、費用が膨大であり、しかも工期も長期間が必要である、という問題がある。
【0006】
また、ライニング材12の吹きつけを行なう作業者が減少し、工事が困難になりつつある、という問題がある。
【0007】
また、はつり作業により大量の産業廃棄物の処理が必要となるため、この産業廃棄物の処理費用が発生する、という問題がある。
【0008】
そのため、ライニング材12の吹き替え時期の延長を目的とした安価で短期間での施工が可能なライニング材の延命化技術の開発が求められている。
【0009】
本発明は、前記問題に鑑み、ライニング材の吹き替え時期の延長が可能で、安価で短期間での施工が可能なライニング材の延命化方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、煙突内面に施工されているライニング材の劣化部を剥離して除去し、その後剥離されたライニング材の表面に予め封孔処理層を形成して封孔処理を行なった後、塗料を塗布することを特徴とするライニング材の延命化方法にある。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記封孔処理層が、前記塗料を希釈した塗料を塗布して形成されてなるものであることを特徴とするライニング材の延命化方法にある。
【0012】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記塗料が、エポキシ樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料の何れか一種であることを特徴とするライニング材の延命化方法にある。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、前記塗料が、エポキシ樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料の何れか一種にフレークを含有した塗料であることを特徴とするライニング材の延命化方法にある。
【0014】
第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れか一つにおいて、前記劣化部の剥離を、高圧水又は高圧空気を用いて行うことを特徴とするライニング材の延命化方法にある。
【0015】
第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れか一つにおいて、前記塗布膜厚が、100μm以上500μm以下であることを特徴とするライニング材の延命化方法にある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、煙突内面に施工されているライニング材の劣化部を剥離して除去し、剥離されたライニング材表面に予め封孔処理層を形成して封孔処理を行なった後、塗料を塗布している。塗料を塗布する前にライニング材の表面の空隙に封孔処理を施すことで、前記ライニング材の表面は平滑となるため、前記ライニング材の表面を確実に前記塗料で被覆することができる。このため、排ガス中の腐食性物質の浸透にともなう劣化を防止・遅延することができるので、ライニング材の補修期間を延長し、ライニング材の延命化を可能とすることができる。これにより、排ガス中の腐食性物質(酸性成分)や水分の浸透によって経年的に生じる煙突ライニング材の延命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法の工程を示す概念図である。
【図2】図2は、試料の所定深さとその深さにおける炭酸化率を測定した実施結果を示す図である。
【図3】図3は、試料の所定深さとその深さにおける炭酸化率を測定した実施結果を示す図である。
【図4】図4は、塗料を塗布した試験片の付着力の測定方法を示す図である。
【図5】図5は、試験片に塗布した塗料の付着力を測定した試験結果を示す図である。
【図6】図6は、ガス透過量の測定に用いたガス透過試験装置を示す図である。
【図7】図7は、塗料を塗布した試験片の所定回数後で炭酸ガス透過量を測定した試験結果を示す図である。
【図8】図8は、エピコンT−500を420g/m2塗布した試験片の値を1.0とした時の炭酸ガス透過量の試験結果を示す図である。
【図9】図9は、煙突に塗布した塗料の塗布位置を示す図である。
【図10】図10は、従来のライニング材の劣化部の吹き替え施工法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この(以下、実施形態という)及び実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0019】
[実施形態]
本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法の工程を示す概念図である。また、本実施形態では、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法を用いてライニング材の表面をエポキシ樹脂系塗料の皮膜で被覆する工程を示す。図1に示すように、本実施形態に係るライニング材の延命化方法は、例えば炭素鋼配管等の筒身鋼板10からなる煙突内面に施工されているセメント系のライニング材12の吹き替え時期にある表層脆弱層の劣化部13に高圧水を用いて剥離して除去し、その後剥離されたライニング材12表面に予め封孔処理層15を形成して封孔処理を行なった後、エポキシ樹脂系塗料を塗布し、エポキシ樹脂系塗膜16を形成するものである。
【0020】
ライニング材12の表面には複数の孔が形成されているが、ライニング材12の劣化部13を剥離した後、エポキシ樹脂系塗料を塗布する前に、予めライニング材12の表面に封孔処理層15を形成する。これにより、ライニング材12の表面の空隙に封孔処理層15は充填され、ライニング材12の表面の空隙に封孔処理を施すことができる。ライニング材12の表面の空隙を封孔処理しておくことで、ライニング材12の表面は平滑となるため、ライニング材12の表面を確実にエポキシ樹脂系塗料16で被覆することができる。よって、ライニング材12がその表面に複数の孔が形成されているセメント系ライニング材の場合でも、排ガス中の酸性成分である腐食性物質や水分がライニング材12の内部に浸透するのを防止又は遅延することができるため、経年的に生じるライニング材12の劣化を防止又は遅延することができる。この結果、ライニング材12の補修期間を延長し、ライニング材12の延命化を図ることができる。
【0021】
封孔処理層15は、ライニング材12の表面に塗布されるエポキシ樹脂系塗料を希釈した希釈エポキシ樹脂系塗料を塗布して形成されてなるものであるのが好ましい。希釈エポキシ樹脂系塗料はエポキシ樹脂系塗料を希釈したものであるため、流動性がある。このため、希釈エポキシ樹脂系塗料はライニング材12の表面の空隙に容易に浸入することができるので、封孔処理層15はライニング材12の表面の空隙の封孔処理をより確実に施すことができる。よって、ライニング材12の表面に予め希釈エポキシ樹脂系塗料を塗布して封孔処理層15を形成し、ライニング材12の表面の空隙を封孔処理した後、エポキシ樹脂系塗料を塗布することで更に確実にライニング材12の表面をエポキシ樹脂系塗料16で被覆することができる。この結果、排ガス中の酸性成分である腐食性物質や水分の浸透を防止し、経年的に生じるライニング材12の劣化を防止又は遅延することができる。
【0022】
また、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法では、高圧水を用いてライニング材12の表面の劣化部13を剥離しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、高圧空気を用いてライニング材12の表面の劣化部13を剥離してもよい。高圧空気は高圧水よりもライニング材12の表面の劣化部13に水を噴射する場合に比べ噴射する空気量は調整し易い。このため、劣化部13の劣化の程度に応じて任意に噴射する空気量や空気圧を調整して高圧空気を噴射することができる。また、水を噴射した場合は水を噴射した後、ライニング材12の表面が乾燥するのを待つ必要があるが、空気を噴射した場合、劣化部13を剥離した後、直ぐ封孔処理層15を形成することができる。
【0023】
希釈エポキシ樹脂系塗料をライニング材12の表面に塗布する方法は、特に限定されるものではないが、例えばミストコート法により希釈エポキシ樹脂系塗料をライニング材12の表面に噴射する方法などがある。
【0024】
また、前記希釈したエポキシ樹脂系塗料は、エポキシ樹脂系塗膜16用のエポキシ樹脂系塗料を希釈してものを用いているが、エポキシ樹脂系塗料の希釈量は、希釈エポキシ樹脂系塗料がライニング材12の表面の空隙の封孔処理を確実に施すことができる程度に流動性を有するという観点から、エポキシ樹脂を約50%程度に希釈するのが好ましい。
【0025】
また、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法では、ライニング材12の表面のエポキシ樹脂系塗膜16の膜厚を100μm以上800μm以下としている。これは、100μm以下では、エポキシ樹脂系塗膜16の膜厚が薄いと凹凸の被覆が困難となるからである。また、800μm以上では、エポキシ樹脂系塗料を塗布する施工費がかかるためである。また、エポキシ樹脂系塗膜16の膜厚は100μm以上500μm以下であるのがより好ましい。500μm以下とすることで、エポキシ樹脂系塗料を塗布する施工費を節約できるからである。
【0026】
また、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法では、ライニング材12の除去が、ライニング材12の表層の劣化部13のみである。図10に示すような従来のライニング材の劣化部の吹き替え施工法では、ライニング材12の劣化部13とライニング拘束金物11部分のライニング材12とを除去している。これに対し、本実施形態に係るライニング材の延命化方法では、ライニング材12の除去がライニング材12の表層の劣化部13のみであるため、ライニング材12の劣化部13を除去することで発生する産業廃棄物の廃棄量を削減することができる。
【0027】
また、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法では、施工設備は通常の塗装機を使用することができるため、ライニング材12の劣化部13の吹き替え施工に比べ、費用を低減し、工事期間を短縮することができる。
【0028】
また、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法では、ライニング材12の表面のエポキシ樹脂系塗膜16の膜厚を厚くすることにより、ライニング材12の寿命を延ばすことができる。よって、ライニング材12の表面に塗布するエポキシ樹脂系塗膜16の膜厚は、ライニング材12の延ばしたい寿命期間に応じて厚くすればよい。
【0029】
また、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法では、塗料として、エポキシ樹脂系塗料を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、又はエポキシ樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料の何れかにフレークを含有した塗料等を用いるようにしてもよい。また、例えばポリプロピレンライニング、ゴムライニング、高級ステンレス鋼、マレイン酸変成ポリプロピレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンラバー及び酸化防止剤よりなるライニング材などがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
前記フレークは、耐食性を付与するために添加されるものである。前記フレークとして例えばステンレスフレークを樹脂系塗料中に含有すると、前記ステンレスフレークが塗膜中に積層される。そして、いわゆるラビリンス効果により樹脂系塗料中の気密性を保持することで外部から気体や液体の腐食性物質の塗膜内部への浸透を防止すると共にステンレス鋼の持つ耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐熱性等の機能との相乗効果により、耐熱性、耐酸性、耐食性等の優れた塗膜を形成することができる。
【0031】
本発明で用いられる前記フレークとしては、一般的には、ステンレスフレーク、亜鉛フレーク等の金属フレークが好ましく、ガラスフレーク、雲母フレーク等を用いることができる。
【0032】
なお、フレーク状ステンレス粉末の大きさは、フレークの平均粒径として約20〜100μm、厚さは0.1〜1μm程度が好ましい。その配合比はシリコーン変性エポキシ樹脂100重量部に対し、5〜200重量部、好ましくは5〜150重量部の範囲内であるのが好ましい。これは、配合比が5重量部以下であると適正な耐酸性が得られ難いからである。また、配合比が200重量部を超えると流動性が低下し、適正な施工を行うことができず、塗膜物性が低下する傾向にあるからである。
【0033】
また、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法では、ライニング材12の表面にフレークを含有した塗料を塗布した場合、塗布するのに要する施工費、塗料の耐久性等考慮し、フレークを含有した塗料の膜厚は2mm以上5mm以下であるのが好ましい。
【0034】
このように、本発明の実施形態に係るライニング材の延命化方法を用いることにより、排ガス中の酸性成分の腐食性物質や水分の浸透によって経年的に生じる煙突内面に施工されているライニング材12の延命化を図ることができる。
【実施例】
【0035】
本実施形態に係るライニング材の延命化方法に用いる塗料を塗布したライニング材の炭素化率を検討した実施結果について説明する。
【0036】
本実施例では、ライニング材としてモルタル(1:4ガナイト)を用いた。尚、この1:4ガナイトとは、セメント対砂を1対4の比で混合したものである。また、塗料には、珪酸塩化合物系塗料としてセラミキュア(商品名)を用い、アクリル樹脂系塗料としてポリマーセメントであるマグネライン(商品名)を用い、エポキシ樹脂系塗料としてエピコン(商品名)を用い、シリコーン樹脂系塗料としてセラトン(商品名)を用いた。これらの塗料をモルタル(1:4ガナイト)に塗布し、2000時間暴露し、模擬的に試験を行なった。その後、2000時間暴露前のモルタル(1:4ガナイト)の試料と、塗料をモルタル(1:4ガナイト)に塗布し、2000時間暴露した後の各々の試料の表面から所定の深さにおける炭酸化率を測定した。また、測定した深さは、塗布している塗料については塗料表面からの深さである。
【0037】
そして、専用サンプリング装置(小型フライス盤)を用いて暴露後の試料の塗料表面からの所定の深さにフライスして測定した。また、本実施例において所定の深さとしては、1.0mm以下と、1.0mm以上2.0mm以下と、2.0mm以上3.0mm以下と、3.0mm以上4.0mm以下と、4.0mm以上5.0mm以下と、5.0mm以上6.0mm以下との深さの範囲で測定した。
【0038】
そして、全炭素分析装置を用いて前処理後の試料の所定深さにおける炭酸化率を分析した。
【0039】
図2は、試料の所定深さとその深さにおける炭酸化率を測定した実施結果を示す図である。図2に示すように、2000時間暴露前のモルタル(1:4ガナイト)の試料では、試料の表面からの深さが、3.0mm以下の範囲では、炭酸化率が約24%前後であった。そして、試料の表面からの深さが、3.0mm以降の範囲では、炭酸化率が0%であった。
【0040】
また、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンを塗布し、2000時間暴露した試料では、試料の表面からの深さが、1.0mm以下、1.0mm以上2.0mm以下、2.0mm以上3.0mm以下の範囲では、炭酸化率が約23%前後であった。また、試料の表面からの深さが、3.0mm以上4.0mm以下、4.0mm以上5.0mm以下の範囲では、炭酸化率が約14%前後にまで低下した。そして、試料の表面からの深さが、5.0mm以上6.0mm以下の深さの範囲では、炭酸化率が0%であった。
【0041】
一方、2000時間暴露後のモルタル(1:4ガナイト)を塗布した試料、珪酸塩化合物系塗料であるセラミキュアを塗布し、2000時間暴露した試料、シリコーン樹脂系塗料であるセラトンを塗布し、2000時間暴露した試料は、いずれも測定した各々の試料表面からの深さにおいてエポキシ樹脂系塗料であるエピコンを塗布し、2000時間暴露した試料よりもはるかに炭酸化率が大きかった。
【0042】
また、アクリル樹脂系塗料であるマグネラインを塗布し、2000時間暴露した試料では、試料の表面からの深さが、2.0mm以下の範囲では、炭酸化率が約4〜8%前後でも最も低かった。そして、試料の表面からの深さが、2.0mm以降の範囲では、炭酸化率が約20〜24%前後であった。これは、試料の表面からの深さがマグネラインを塗布している塗料表面からの深さであり、試料の表面に塗布するマグネラインの膜厚が2.0mm以上3.0mm以下である。そのため、試料の表面からの深さが、2.0mm以下の範囲では、モルタル(1:4ガナイト)の表面深さに応じた炭酸化率が測定されていないためである。よって、試料の表面からの深さが、2.0mm以降の範囲では、炭酸化率が約20%以上24%以下であることからエポキシ樹脂系塗料であるエピコンを塗布した試料よりも炭酸化率が大きいことが確認された。
【0043】
よって、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンを塗布すれば、他の塗料を塗布する場合よりも炭酸化率を最も低くすることができることが確認された。
【0044】
また、ライニング材として用いるモルタル(1:4ガナイト)を試験前に強制的に劣化させ、強制劣化させたモルタル(1:4ガナイト)に各々の塗料を塗布し暴露後に、上述と同様にして各々の塗料の炭酸化率を検討した。
【0045】
ライニング材として用いたモルタル(1:4ガナイト)を試験前に340時間強制的に劣化させ、各々の塗料を340時間強制劣化したモルタル(1:4ガナイト)に塗布し、2000時間暴露後、上述と同様に模擬的に試験を行なった。その後、2000時間暴露前のモルタル(1:4ガナイト)の試料と、モルタル(1:4ガナイト)に塗料を塗布し2000時間暴露した後の各々の試料の表面から所定の深さにおける炭酸化率を測定した。また、塗料としては、アクリル樹脂系塗料としてマグネラインを用い、エポキシ樹脂系塗料としてエピコンを用い、シリコーン樹脂系塗料としてセラトンを用いた。
【0046】
図3は、試料の所定深さとその深さにおける炭酸化率を測定した実施結果を示す図である。図3に示すように、ライニング材として用いたモルタル(1:4ガナイト)を試験前に340時間強制的に劣化させた試料を用いた場合でも、図2に示すようなライニング材として劣化させていないモルタル(1:4ガナイト)に塗料を塗布した場合と同様の傾向を示す結果となったことが確認された。
【0047】
即ち、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンを塗布すれば、他の塗料を塗布する場合よりも炭酸化率を最も低くすることができることが確認された。
【0048】
また、本実施形態に係るライニング材の延命化方法に用いる塗料のライニング材への接着力を検討した実施結果について説明する。
【0049】
本実施例では、ライニング材として高強度キャスタブルを用い、塗料には、エポキシ樹脂系塗料としてエピコンT−500(商品名)と、アクリル樹脂系塗料としてマグネラインを用いた。
【0050】
高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料としてエピコンT−500を420g/m2塗布した試験片、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料としてエピコンT−500を840g/m2塗布した試験片、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料としてマグネラインを2mm塗布した試験片をそれぞれ用いた。このとき、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布した試験片の膜厚が100μmであり、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を840g/m2塗布した試験片の膜厚が200μmであり、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料としてマグネラインを塗布した試験片の膜厚が2mmであった。
【0051】
そして、室温(約25℃以上30℃以下)から約80℃の高温に1.5時間保持した後、室温(約25〜30℃)に下げる操作を1回とし、試験回数を所定回数繰り返し行なった。高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を塗布した試験片については、0回、25回、50回、75回、100回それぞれ行なったときの付着力を測定した。
【0052】
また、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片は、0回、100回行なったときの付着力を測定した。
塗料の粘着力検査方法は、アドヒージョンテスター(プルオフ法)で行なった。
【0053】
図4は、塗料を塗布した試験片の付着力の測定方法を示す図である。図4に示すように、アドヒージョンテスター(英国エルコメーター社製)20を用いて接着剤(シアノアクリレート系または無溶剤エポキシ樹脂系)で試験片を端子21に貼り付け、端子21周辺の試験片はカッター等で切断した。また、測定位置は予めサンドペーパーで軽く研磨し清浄にしておいた。そして、アドヒージョンテスター(英国エルコメーター社製)20で端子21を引き剥がし、その時の強度をインジケーター22の目盛り23から測定した。
【0054】
図5は、試験片に塗布した塗料の付着力を測定した試験結果を示す図である。図5に示すように、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片、840g/m2塗布(膜厚:200μm)した試験片、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片のいずれも、試験開始前の試験回数0回の時には、各々の試験片の付着力は10.0kgf/cm2前後であった。
【0055】
また、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片、840g/m2塗布(膜厚:200μm)した試験片は、試験回数25、50、75、100回の時の各々の試験片の付着力は12〜14kgf/cm2前後であった。また、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片についても、試験回数100回の時の付着力は12kgf/cm2前後であった。
【0056】
また、本実施形態に係るライニング材の延命化方法に用いる塗料のガス透過量を検討した実施結果について説明する。
【0057】
図6は、ガス透過量の測定に用いたガス透過試験装置を示す図である。図6に示すように塗料を塗布した試料をCO2ボンベ30から炭酸ガスを圧力調整器31により調整しながらバッファタンク32に送給後、圧力計33で圧力を確認し、試料の端を挟んだ試料容器34に炭酸ガスを送給し、透過して排出されるガス量を透過ガス捕集容器35内に設けたメスシリンダー36で測定した。
【0058】
本実施例では、ライニング材として高強度キャスタブルを用い、塗料には、エポキシ樹脂系塗料としてエピコンと、珪酸塩化合物系塗料としてセラミキュアと、アクリル樹脂系塗料としてマグネラインと、シリコーン樹脂系塗料としてセラトンとを用いた。また、測定時の圧力は、20kPa、39kPa、59kPaでそれぞれ上記の試料を用いて行い、10分間で透過した炭酸ガス量を測定した。
【0059】
上記試料を用いて、それぞれの圧力で測定した時の炭酸ガスの透過量を検討の実施結果を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
本実施結果より、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンでは、炭酸ガスの透過は確認されず、ガス遮断性が良かったことが確認された。
【0062】
また、珪酸塩化合物系塗料であるセラミキュアでは、炭酸ガスの圧力を上げていくに従って炭酸ガスの透過が上昇していったことが確認された。
【0063】
また、アクリル樹脂系塗料であるマグネラインでは、炭酸ガスの圧力が20kPa、39kPaの時には、炭酸ガスの透過は確認されなかったが、炭酸ガスの圧力が59kPaの時には、炭酸ガスが0.25ml/min透過されたのが確認された。
【0064】
また、シリコーン樹脂系塗料であるセラトンでは、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンを用いた場合と同様にガス遮断性が良かったことが確認された。
【0065】
よって、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンを用いた方が、珪酸塩化合物系塗料であるセラミキュア、アクリル樹脂系塗料であるマグネラインを用いた場合より、炭酸ガスは透過されず、ガス遮断性が良いことが確認された。
【0066】
また、高温と低温を繰り返し行なった後の塗料炭酸ガス透過量を検討した実施結果について説明する。
【0067】
塗料には、塗料のライニング材への接着力を検討した塗料と同様に、エポキシ樹脂系塗料としてエピコンT−500を用い、アクリル樹脂系塗料としてマグネラインを用いた。試験片としては、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片と、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を840g/m2塗布(膜厚:200μm)した試験片と、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片とをそれぞれ用いた。
【0068】
そして、高温と低温の操作方法についても、塗料のライニング材への接着力を検討した塗料と同様に、室温(25〜30℃)から約80℃の高温に1.5時間保持した後、室温(25〜30℃)に下げる操作を1回として、所定回数繰り返し行なった。
【0069】
高温と低温の繰り返し回数についても塗料のライニング材への接着力を検討した塗料と同様に、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を塗布した試験片は、0、25、50、75、100回それぞれ行なったときの炭酸ガス透過量を測定した。また、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片は、0、100回行なったときの炭酸ガス透過量を測定した。また、測定時の圧力は、0.1〜0.6kgf/cm2・G(9.8kPa〜59kPa)とし、10分間で透過した炭酸ガス量をそれぞれ上記の試料を用いて行なった。
【0070】
図7は、塗料を塗布した試験片の所定回数後で炭酸ガス透過量を測定した試験結果を示す図である。また、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片、840g/m2塗布(膜厚:200μm)した試験片、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片のいずれも、試験開始前の試験回数0回の時には、各々の試験片の炭酸ガス透過量は0.0mg・mm/mm2・mmHg・Dayであり、図7には図示されていない。
【0071】
図7に示すように、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片は、試験回数が25回の時の炭酸ガス透過量は、約8.0×10-3mg・mm/mm2・mmHg・Day前後であった。そして、試験回数が50、75回の時の強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:200μm)した試験片の炭酸ガス透過量は増加していく傾向にあり、試験回数が100回の時の炭酸ガス透過量は、約4.5×10-2mg・mm/mm2・mmHg・Day前後であった。
【0072】
また、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を840g/m2塗布(膜厚:200μm)した試験片は、試験回数が75回の時の炭酸ガス透過量は、約1.8×10-2mg・mm/mm2・mmHg・Day前後であり、試験回数が多くなるに伴い炭酸ガス透過量が増加していく傾向にあり、試験回数が100回の時の炭酸ガス透過量は、約3.5×10-2mg・mm/mm2・mmHg・Day前後であった。
【0073】
また、高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片は、試験回数100回の時の炭酸ガス透過量は、約9.5×10-2mg・mm/mm2・mmHg・Day前後であった。
【0074】
よって、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500、アクリル樹脂系塗料であるマグネライン共に、暴露と低温を繰りかえし行なうに伴い、炭酸ガス透過量が増加していく傾向にあることが確認された。また、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500の方が、アクリル樹脂系塗料であるマグネラインよりも透過する炭酸ガス透過量が少ないことが確認された。
【0075】
また、図8は、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片の値を1.0とした時の炭酸ガス透過量の試験結果を示す図である。図8に示すように、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片の値を1.0とした時のエピコンT−500を840g/m2塗布(膜厚:200μm)した試験片の値は、0.75程度であったことが確認された。
【0076】
また、高強度キャスタブルにエポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を420g/m2塗布(膜厚:100μm)した試験片の値を1.0とした時の高強度キャスタブルにアクリル樹脂系塗料であるマグネラインを2mm塗布した試験片の値は、1.90程度であったことが確認された。
【0077】
よって、エポキシ樹脂系塗料であるエピコンT−500を用いた方が、アクリル樹脂系塗料であるマグネラインを用いた場合より、暴露と低温を繰りかえし行なっても、ライニング材との緩みは生じないで接着力を維持できることが確認された。
【0078】
従って、エポキシ樹脂系塗料の方がアクリル樹脂系塗料よりも、暴露と低温を繰りかえし行なっても、ライニング材との緩みは生じないで接着力を維持できることが確認された。
【0079】
次に、本実施形態に係るライニング材の延命化方法を用いて塗料を煙突に塗布してライニング材の延命化の評価を検討した実施結果について説明する。
【0080】
ライニング材の表面に塗料を塗布して塗膜を形成した。塗料には、エポキシ樹脂系塗料とポリマーセメントとを用いた。煙突に塗布した塗料の塗布位置を図9に示す。図9に示すように、エポキシ樹脂系塗料とポリマーセメントとは煙突41の位置A、Bに各々塗布した。煙突の外壁のライニング材に塗布した塗料の種類と各々のライニング材への封孔処理層の有無と塗布回数と合計膜厚と塗布期間とを表2に示す。
【0081】
【表2】

【0082】
ライニング材の延命化の評価として、塗膜の外観、付着力、pH、酸浸透状態、炭酸化率、鉄筋の腐食状態を検討した。
【0083】
(外観)
塗膜の外観調査は、ライニング材の表面に塗布して形成された塗膜1、2の剥れ・浮きの有無を目視観察及び写真撮影により行った。塗膜1、2の表面にはダストが付着し、若干の変色はあったが、塗膜1、2の剥離・浮き等は認められなかった。
【0084】
(付着力)
塗膜の付着力の測定は、アドヒージョンテスタを用いて塗膜の付着力の測定を行なった。塗膜3の付着力が塗膜1、2の付着力に比べやや低かったが、塗膜1、2の剥離の形態は殆どがライニング材内部の凝集破壊であった。
【0085】
(pH)
塗膜1から3のガス側と中央部と鋼板側とより各々約5mmの試料を採取した。採取した試料を粉砕した後、試料1gを100mlの純水中で30分間撹拌し、pHメータを用いて測定した。塗膜1から3のガス側と中央部と鋼板側とのpHは施工から5年経過後もほとんど低下しなかった。また、塗膜1から3が施工さていない部分と比較しても塗膜1から3のガス側と中央部と鋼板側とのpHの値に大きな変化はなく、有機系塗装材及びポリマーセメントに優位な差は認められなかった。
【0086】
(酸浸透状態)
塗膜1から3のガス側と中央部と鋼板側とより各々約5mmの試料を採取した。採取した試料の断面にニュートラルレッドとブロモチモールブルーとの混合指示薬を散布し、その変色度合いから酸の浸透深さを測定した。この結果、酸の浸透深さは0mmから2mm程度であり、酸の浸透深さは施工時とほぼ同等であり、5年経過してもほぼ同等の値であった。
【0087】
(炭酸化率)
塗膜1から3のガス側と中央部と鋼板側とから採取した試料を粉砕した後、全カルシウム(Ca)量及び全炭素(C)量を分析し、下記式により炭酸化率を求めた。
炭酸化率(%)={(T−IC)/(T−Ca)}×100
【0088】
塗膜1、2に比べて塗膜3での炭酸化率が施工時よりも高くなった。よって、ポリマーセメントの炭酸化抑制効果はエポキシ樹脂系塗料に比べ低いといえる。また、図9に示すように、エポキシ樹脂系塗料とポリマーセメントとの施工位置が同一ではないため直接対比はできないが、塗膜が施工されていない場所と比較するとポリマーセメントが施工された塗膜3の炭酸化率がエポキシ樹脂系塗料が施工された塗膜1、2に比べ高かった。
【0089】
(鉄筋の腐食状態)
ライニング材の内部に埋め込んだ鉄筋を試料から採取し、鉄筋の腐食状態を観察した。鉄筋としては、SUS304を用いた。ライニング材の内部に埋め込んだ鉄筋を試料から取り出して酸洗浄を行った。その後、取り出した鉄筋の外径をノギスにより測定した。施工時における鉄筋の外径は直径が3.2mmであったのに対し、酸洗後の鉄筋の外径は3.15mm以上3.18mm以下であり、鉄筋に腐食は認められなかった。
【0090】
ポリマーセメントを塗膜の材料として用いた場合、施工時のリバウンドロスが多く、混合後の可使時間が短いため施工時間(工期)が長くなる。また、コーティング材の粘度が高いためライニング表面の凹凸を完全に被覆することができない。更に、ライニング材の炭酸化率が施工当初に比べ高くなっており、炭酸化抑制効果が低いことがわかった。
これに対し、エポキシ樹脂系塗料は、混合後の可使時間が長いため施工時間(工期)がポリマーセメントに比べ短縮できる。また、コーティング材の粘度が低いためライニング表面の凹凸をほぼ完全に被覆することができ、施工前のライニング表面を平滑化することで更に被覆性が期待できる。更にライニング材の炭酸化率変化はポリマーセメントに比べ小さいことがわかった。よって、ライニング材の塗膜の材料としてエポキシ樹脂系塗料とポリマーセメントとを比較した場合、エポキシ樹脂系塗料の方がポリマーセメントよりライニング材の塗膜の材料として用いるのに適しており、ライニング材の塗膜として実機への適用性が高いことが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明に係るライニング材の延命化方法は、排ガス中の腐食性物質(酸性成分)や水分の浸透によって経年的に生じるライニング材の劣化を防止又は遅延することができるため、ライニング材の吹き替え時期の延長を目的とした安価で短期間での施工が可能なライニング材の延命化方法に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0092】
10 筒身鋼板
11 ライニング拘束金物
12 ライニング材
13 劣化部
14 吹き替えライニング層
15 封孔処理層
16 エポキシ樹脂系塗膜
20 アドヒージョンテスター
21 端子
22 インジケーター
23 目盛り
30 CO2ボンベ
31 圧力調整器
32 バッファタンク
33 圧力計
34 試料容器
35 透過ガス捕集容器
36 メスシリンダー
41 煙突

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙突内面に施工されているライニング材の劣化部を剥離して除去し、その後剥離されたライニング材の表面に予め封孔処理層を形成して封孔処理を行なった後、塗料を塗布することを特徴とするライニング材の延命化方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記封孔処理層が、前記塗料を希釈した塗料を塗布して形成されてなるものであることを特徴とするライニング材の延命化方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記塗料が、エポキシ樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料の何れか一種であることを特徴とするライニング材の延命化方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記塗料が、エポキシ樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料の何れか一種にフレークを含有した塗料であることを特徴とするライニング材の延命化方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一つにおいて、
前記劣化部の剥離を、高圧水又は高圧空気を用いて行うことを特徴とするライニング材の延命化方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一つにおいて、
前記塗布膜厚が、100μm以上500μm以下であることを特徴とするライニング材の延命化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−152685(P2012−152685A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13040(P2011−13040)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(506122246)三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社 (111)
【Fターム(参考)】