説明

ライブラリ装置

【課題】正確な障害情報を確実に得る。
【解決手段】主制御部は、障害が疑われるドライブ装置3へピッカ11を移動させ、画像入力部及び画像処理部を介して、対象のドライブ装置3の状態表示画像を取得し、状態表示画像をテンプレート画像と照合して、状態表示情報を認識し、ドライブ装置3の障害の有無や障害の種類等を判定する。これによって、例えば、専用のインタフェース部経由でドライブ装置3の障害情報を取得できないような場合でも、別経路で正確な障害情報を確実に取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ライブラリ装置に係り、情報機器に実装されて記憶装置を構成し、例えば、磁気テープ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を包装したカートリッジを駆動する磁気テープ装置からなる複数のドライブ装置を有するライブラリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より記憶装置として用いられるライブラリ装置は、磁気テープ装置等の複数のドライブ装置と、磁気テープ等のデータカートリッジを格納するための複数のセルを有するカートリッジマガジンと、データカートリッジを移送するためのアクセッサ機構と、アクセッサ機構の構成各部を制御するアクセッサコントローラ(アクセッサ制御部)とを備えている。
【0003】
ここで、ドライブ装置と、アクセッサコントローラとの通信は、主に専用のインタフェース部(RS−232C回路部やRS−422回路部等)を介してシリアル通信により行われている。
アクセッサコントローラは、ドライブ装置に障害が発生した場合には、専用の上記インタフェース部を介した通信によってドライブ装置の障害情報を取得していた。
【0004】
しかしながら、上記インタフェース部を介した通信に問題がある場合には、アクセッサコントローラが、障害の発生を認識しても、障害箇所がドライブ装置側にあるのか、アクセッサコントローラ(又はアクセッサ機構)側にあるのか、特定が困難であり、ドライブ装置に問題がある場合でも、その障害状態を確認することが困難であった。
【0005】
一方、単体として用いられるドライブ装置には、通常、データカートリッジの投入口が形成された筐体の前面に、当該ドライブ装置の状態情報を示すための状態表示部が設けられ、ユーザが状態表示部の表示から状態情報を知ることができるようになっている。
ところが、ドライブ装置をライブラリ装置に組み込んで用いた場合、状態表示部の表示を、外部から目視で確認することができない。
【0006】
したがって、上記インタフェース部を介した通信に問題が発生した場合に、ドライブ装置の状態表示部を利用してドライブ装置の障害状態を知ろうとしたときには、ライブラリ装置からドライブ装置を取り出して、確認しなければならなかった。さらに、ライブラリ装置が接続されれているシステムを停止する必要があった。
【0007】
このため、データカートリッジと同一寸法のカメラ内蔵のダミーカートリッジを、アクセッサ機構によって、ライブラリ装置内部の目標位置まで移送し、この目標位置の画像情報を取得する技術が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
なお、ドライブ装置に対するデータカートリッジの嵌合(挿入)時及び排出時のドライブ装置に設けられた回転ロッドの位置判定を、ロボットとしてのハンド組立体に設けた直線走査カメラを用いて行う技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)
【特許文献1】特開平10−162461号公報
【特許文献2】特表2001−503905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、上記従来技術では、正確な障害情報を確実に得ることができないという点である。
例えば、専用のインタフェース部を介した通信に問題があるような場合に、アクセッサコントローラが、障害の発生を認識しても、障害箇所が、ドライブ装置側か、アクセッサ機構側か特定できない。
また、ドライブ装置の障害状態を知ろうとしても、上記従来技術では、障害情報を確実に得ることができなかった。
【0009】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、正確な障害情報を確実に得ることができるライブラリ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、情報機器に組み込まれ、カートリッジを駆動するカートリッジ駆動手段と、上記カートリッジを格納するカートリッジ格納庫と、少なくとも上記カートリッジ駆動手段と上記カートリッジ格納庫との間で、上記カートリッジを移送するカートリッジ移送手段とを備えてなるライブラリ装置に係り、上記カートリッジ駆動手段は、該カートリッジ駆動手段の障害情報を含む所定の状態情報を表わす状態情報表示手段を有し、当該ライブラリ装置は、上記状態情報表示手段によって表示された状態表示画像を取得するための表示画像取得手段と、該表示画像取得手段によって取得された上記状態表示画像に基づいて、上記カートリッジ駆動手段の状態を認識する状態認識手段とを備えてなることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のライブラリ装置に係り、上記状態表示画像のテンプレートが登録されているテンプレート記憶手段を備え、上記状態認識手段は、上記表示画像取得手段によって取得された上記状態表示画像を、上記テンプレートと照合して、上記カートリッジ駆動手段の状態を認識することを特徴としている。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のライブラリ装置に係り、上記表示画像取得手段は、上記状態情報表示手段によって表示された状態表示画像を撮像するための撮像手段を備えてなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のライブラリ装置に係り、上記カートリッジ移送手段は、上記カートリッジが搭載される搬送体を有し、上記撮像手段は、上記搬送体に取り付けられて、所定の上記カートリッジ駆動手段の上記状態情報表示手段の近傍へ移送されることを特徴としている。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載のライブラリ装置に係り、上記状態情報表示手段は、複数の表示灯からなることを特徴としている。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1にライブラリ装置に係り、上記カートリッジに付されたカートリッジ情報の画像を取得するためのカートリッジ情報画像取得手段と、該カートリッジ情報画像取得手段によって取得されたカートリッジ情報画像に基づいて、上記カートリッジ情報を認識するカートリッジ情報認識手段を備えてなることを特徴としている。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載のライブラリ装置に係り、上記表示画像取得手段は、上記カートリッジ情報画像取得手段を兼ねることを特徴としている。
【0017】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1に記載のライブラリ装置に係り、複数の上記カートリッジ駆動手段と、複数のセルに分割されてなる上記カートリッジ格納庫とを備えてなり、上記カートリッジ移送手段は、上記カートリッジ駆動手段間、上記セル間、及び上記カートリッジ駆動手段と上記セルとの間で、上記カートリッジを移送することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明の構成によれば、カートリッジ駆動手段に設けられた状態情報表示手段によって表示された状態表示画像を、表示画像取得手段が取得し、状態認識手段が、表示画像取得手段によって取得された状態表示画像に基づいて、カートリッジ駆動手段の状態を認識するので、正確な障害情報を確実に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
カートリッジ駆動手段に設けられた状態情報表示手段によって表示された状態表示画像を、表示画像取得手段が取得し、状態認識手段が、表示画像取得手段によって取得された状態表示画像に基づいて、カートリッジ駆動手段の状態を認識することによって、正確な障害情報を確実に得るという目的を実現した。
【実施例1】
【0020】
図1は、この発明の第1の実施例である磁気テープライブラリ装置の構成を示す斜視図、図2は、同磁気テープライブラリ装置の構成を示すブロック図、図3は、同磁気テープライブラリ装置のドライブ装置の構成を示す斜視図、図4は、同磁気テープライブラリ装置のピッカの構成を説明するための斜視図、また、図5は、同磁気テープライブラリ装置の動作を説明するための処理手順図である。
【0021】
この例の磁気テープライブラリ装置1は、例えば、情報機器に実装されて記憶装置を構成し、図1及び図2に示すように、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としての磁気テープを包装したデータカートリッジ2を駆動する磁気テープ装置からなりデータの書込み及び読出し(記録及び再生)を行う複数のドライブ装置3,3,…と、データカートリッジ2を水平状態で積み重ねるように格納するための複数のセル4,4,…を有するカートリッジマガジン5,5と、データカートリッジ2を、ドライブ装置3,3間、セル4,4間、ドライブ装置3とセル4との間で移送するためのアクセッサ機構6と、アクセッサ機構6の構成各部を制御するアクセッサコントローラ7とを備えてなり、この磁気テープライブラリ装置1には、通信路を介してホストコンピュータ8が接続されている。
【0022】
このライブラリ装置1においては、図1に示すように、ドライブ装置3,3,…は、垂直方向に複数段重ねて配置され、各カートリッジマガジン5は、1層当り複数のセル4,4,…が垂直方向に複数層に重ねて配置されてなり、両カートリッジマガジン5,5が、ピッカ11の移動領域Rを挟んで、セル4のデータカートリッジ2の出入口が互いに対向するように配置され、ドライブ装置3,3,…は、移動領域Rの奥部に、投入口12がピッカ11の前面部に対向するように配置されている。
【0023】
各ドライブ装置3は、ホストコンピュータ8との間でデータの送受信を行う。例えば、ホストコンピュータ8からオペレータの操作によって、ドライブ装置3に装填されたデータカートリッジ2から書き込まれたデータを読み取ってホストコンピュータ8へ送信し、ホストコンピュータ8から受信した更新データを装填されたデータカートリッジ2に書き込む。
また、ドライブ装置3において、図3に示すように、データカートリッジ2の投入口12が形成された筐体13の前面に、当該ドライブ装置3の状態情報を示すための状態表示部14が設けられている。
【0024】
状態表示部14は、電源オン状態/オフ状態や、動作状態(読取り中又は書込み中/停止中)、障害状態(ドライブハードウェアエラー、媒体不具合等)、データカートリッジ充填/非充填等を、複数種のLEDや、7セグメントLED等によって表示する。例えば、7セグメントLEDでは、障害の種類に対応した数字が表示される。
また、ドライブ装置3は、上記状態情報を、インタフェース部を介して、アクセッサコントローラ7及びホストコンピュータ8へ送信する。
なお、この例では、ドライブ装置3は、ドライブ装置本体と、ドライブコントローラとを含んでいる。
【0025】
アクセッサ機構6は、図1に示すように、ドライブ装置3又は所定のセル4の配置位置に移動して、データカートリッジ2を挿入したり引き出すためのピッカ11と、ピッカ11を水平方向Xに沿って変位させるためのピッカ水平移動用モータ16と、ピッカ11を鉛直方向Yに沿って変位させるためのピッカ垂直移動用モータ17と、データカートリッジ2を格納したピッカ11を、ターンテーブル18を介して回転させるためのピッカ回転モータ19とを備えてなっている。
【0026】
ピッカ11は、図4に示すように、データカートリッジ2を把持するための一対のピッカアーム21,21と、ドライブ装置3の状態表示部14の状態表示画像や、データカートリッジ2に付されたバーコードの画像が入力され、状態情報やバーコード情報を読み取るための画像入力部23と、ピッカアーム21,21及び画像入力部23を駆動するためのステッピングモータ等からなるピッカ駆動モータ24とを有している。
【0027】
画像入力部23は、カメラレンズと、カメラレンズを介して結像した画像を光電変換して電気信号としての画像信号を出力するCMOS撮像素子等からなる撮像デバイスとを有している。
画像入力部23は、ピッカ駆動モータ24によって、データカートリッジ2の挿抜方向Aに沿って変位する。
【0028】
アクセッサコントローラ7は、図2に示すように、アクセッサコントローラ本体の構成各部を制御する主制御部25と、主制御部25が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部26と、入出力制御部27と、駆動制御部28と、画像処理部29と、液晶パネル等からなる表示部31と、操作部32とを有している。
主制御部25は、記憶部26に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部26に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し、媒体搬送制御処理や、障害関連情報取得処理等を実行する。
【0029】
主制御部25は、媒体搬送制御処理で、ホストコンピュータ8から媒体搬送コマンドを受信すると、駆動制御部28を介して、ピッカ水平移動用モータ16、ピッカ垂直移動用モータ17、ピッカ回転モータ19、及びピッカ駆動モータ24を制御して、ピッカ11を駆動し、データカートリッジ2を、ドライブ装置3,3間、セル4,4間、ドライブ装置3とセル4との間で移送させる。
【0030】
媒体搬送制御処理は、ピッカ駆動モータ24を制御して、バーコード配置位置とカメラレンズとの間の距離を調整するカメラ位置調整処理と、画像入力部23及び画像処理部29を介してバーコード画像を取得し、記憶部26の画像情報記憶領域に記憶させるバーコード画像取得処理と、データカートリッジ2の識別情報を含むバーコード情報を認識するバーコード情報認識処理とを含んでいる。
【0031】
主制御部25は、障害関連情報取得処理で、例えば、所定のドライブ装置3から入出力制御部27を介して障害情報を受け取ったり、ドライブ装置3との通信が不可となった場合に、障害が疑われるドライブ装置3へピッカ11を移動させるピッカ駆動処理と、画像入力部23及び画像処理部29を介して、対象のドライブ装置3の状態表示画像を取得し、記憶部26の画像情報記憶領域に記憶させる状態表示画像取得処理と、障害の有無や障害の種類を判定するエラー判定処理と、エラー情報を表示部31に表示させるエラー情報表示制御処理とを実行する。
【0032】
ピッカ駆動処理は、ピッカ駆動モータ24を制御して、ドライブ装置3の状態表示部14とカメラレンズとの間の距離を調整するカメラ位置調整処理を含んでいる。
主制御部25は、状態表示画像取得処理で、例えば、状態表示部14の複数種のLEDの表示画像(各LEDの点灯/滅灯、又は組合せ)や、7セグメントLEDの表示画像(障害の種類に対応した数字)等の画像を取得する。
【0033】
エラー判定処理は、状態表示画像取得処理で取得した状態表示画像を、予め記憶部26の情報記憶部に登録された状態表示画像のテンプレートと、パターンマッチングを行うことによって照合して、状態表示情報を認識する状態表示情報認識処理を含んでいる。
ここで、状態表示情報としては、例えば、7セグメントLEDの数字に対応付けられた障害の種類(ドライブハードウェアエラー、媒体不具合等)や、電源オン/オフや、動作状態(読取り中又は書込み中/停止中)、データカートリッジ充填/非充填等を含んでいる。
【0034】
記憶部26は、ROM、RAM等の半導体メモリ等からなり、主制御部25が実行する媒体搬送制御処理プログラムや障害関連情報取得処理プログラム等の各種処理プログラム等が記憶されたプログラム記憶領域と、状態表示画像等のテンプレートや設定情報等の各種情報が記憶された情報記憶領域とを有している。
【0035】
プログラム記憶領域は、媒体搬送制御処理プログラム記憶領域と、障害関連情報取得処理プログラム記憶領域とを有している。
情報記憶領域は、状態表示画像のテンプレートが記憶されたテンプレート記憶領域と、取得した画像情報(状態表示画像及びバーコード画像)が記憶される画像情報記憶領域とを有している。
【0036】
入出力制御部27は、各ドライブ装置3や外部テスタ等と通信を行うためのRS−232C回路部及びRS−422回路部と、ホストコンピュータ8と通信を行うためのSCSI制御部とを有している。
駆動制御部28は、ピッカ水平移動用モータ16、ピッカ垂直移動用モータ17、ピッカ回転モータ19、及びピッカ駆動モータ24を制御する。
画像処理部29は、画像入力部23から送られてきた画像信号をA/D変換し、デジタル化した信号にガンマ変換、色空間変換等の画像処理を施す。
【0037】
次に、図5を参照して、上記構成のライブラリ装置1の動作について説明する。
主制御部25は、例えば、所定のドライブ装置3との通信が不可となり、障害の発生を検知すると(ステップSA11(図5))、駆動制御部28を介して、ピッカ水平移動用モータ16、及びピッカ垂直移動用モータ17を制御して、ピッカ11を水平方向X及び鉛直方向Yに沿って変位させ、障害が疑われるドライブ装置3へピッカ11を移動させ、かつ、駆動制御部28を介して、ピッカ回転モータ19を制御し、ピッカ11を水平面に沿って回転させ、ドライブ装置3の状態表示部14に、画像入力部23のカメラレンズを対向し配置されるようにする(ステップSA12)。
【0038】
次に、主制御部25は、駆動制御部28を介して、ピッカ駆動モータ24を制御して、画像入力部23をデータカートリッジ2の挿抜方向Aに沿って変位させ、状態表示部14とカメラレンズとの間の距離を調整し、状態表示画像の読込可能位置に画像入力部23を変位させる(ステップSA13)。
次に、主制御部25は、画像入力部23及び画像処理部29を介して、状態表示画像を取得し、記憶部26の画像情報記憶領域に記憶させる(ステップSA14)。
【0039】
次に、主制御部25は、状態表示画像をテンプレート画像と照合して、状態表示情報を認識し、障害の有無や障害の種類を判定する(ステップSA15)。
次に、主制御部25は、ドライブ装置3の障害内容(エラー情報)を表示部31に表示させる(ステップSA16)。
【0040】
なお、主制御部25は、通常は、同時に、ドライブ装置3から、入出力制御部(例えば、RS−422回路部)27を介しても障害情報を取得するが、この経路で、ドライブ装置3の障害情報を取得できないような場合でも、ドライブ装置3の状態表示画像を取得することにより、障害解析が可能となる。
この例では、主制御部25は、通常は、上記入出力制御部27を介して、画像入力部23経由で得られる情報と略同じ種類の情報を取得する。
得られる。
【0041】
このように、この例の構成によれば、主制御部25は、ピッカ駆動処理で、障害が疑われるドライブ装置3へピッカ11を移動させ、状態表示画像取得処理で、画像入力部23及び画像処理部29を介して、対象のドライブ装置3の状態表示画像を取得し、エラー判定処理で、状態表示画像をテンプレートと照合して、状態表示情報を認識し、ドライブ装置3の障害の有無や障害の種類等を判定するので、例えば、専用のインタフェース部経由でドライブ装置3の障害情報を取得できないような場合でも、別経路で正確な障害情報を確実に取得することができる。
【0042】
また、例えば、専用のインタフェース部に問題がある場合に、アクセッサコントローラ7が、障害の発生を認識しても、ドライブ装置3の状態表示画像を取得することによって、障害箇所が、ドライブ装置3側か、アクセッサコントローラ7(又はアクセッサ機構6)側かの特定を行うことができ、障害箇所や、被疑部品(FRU)の特定に寄与し、障害解析の精度を向上させることができる。
【0043】
また、磁気テープライブラリ装置1からドライブ装置3を取り出すことなく、ドライブ装置3の状態を確認することができるので、例えば、ライブラリ装置1が接続されたホストコンピュータ8まで停止する必要がなく、容易に障害情報等を取得することができる。
また、データカートリッジ2のバーコード情報を取得する機能を有するライブラリ装置を改良して用いる場合には、バーコード情報取得のためのハードウェア及びプログラムを略このまま流用することができるので、コストが嵩むことがない。
【実施例2】
【0044】
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、ドライブ装置の状態表示部が、異なる点滅パターンによって、異なる状態を表す表示灯を有すると共に、アクセッサコントローラの主制御部が、表示灯の点滅パターンに基づいて、状態情報を認識するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0045】
この例のドライブ装置の状態表示部は、複数種の表示灯(例えば、電源状態や動作状態を示すレディランプ、故障状態を示すエラーランプ等)を有し、それぞれ、異なる点滅パターンによって、異なる状態を表す。
アクセッサコントローラの主制御部は、障害関連情報取得処理のうち、エラー判定処理で、取得した状態表示画像の点滅パターンに対応した状態情報を認識し、障害の有無や障害の種類を判定する。
また、記憶部の情報記憶領域には、点滅パターン情報と、状態情報とが対応付けられて記憶されている。
【0046】
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
加えて、低コストを維持しつつ、正確な情報を取得することができる。
【0047】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、アクセッサコントローラで、ピッカ駆動処理や、状態表示画像取得処理、エラー判定処理、エラー情報表示制御処理等を、主制御部が、対応する制御プログラムを実行することによって行う場合について述べたが、ピッカ駆動処理や、状態表示画像取得処理、エラー判定処理、エラー情報送信処理等の一部又は全部を専用のハードウェアを用いて行い、一部を対応するプログラムを実行して処理するようにしても良い。
【0048】
また、ピッカ駆動処理や、状態表示画像取得処理、エラー判定処理、エラー情報送信処理等を、それぞれ別々のCPUが実行しても良いし、例えば、単一のCPUが実行しても良い。
また、状態表示部に、エラーメッセージを表示させ、エラー判定処理で、文字を認識するように構成しても良い。また、複数の表示灯の組合せによって、所定の状態表示を行うようにしても良い。また、同一種類の複数の表示灯を配置し、配置位置に、状態情報を対応付けても良い。
【0049】
また、状態表示部で、例えば、電源オン状態/オフ状態、動作状態(読取り中又は書込み中)、障害状態、データカートリッジ充填中/非充填を、白色LEDや、緑色LED、赤色LED、青色LEDからなる表示灯によって示しても良い。
【0050】
また、画像信号をA/D変換するA/D変換部や、所定の画像処理を施す画像処理部をピッカに搭載しても良い。また、エラー情報送信処理で、エラー情報をホストコンピュータへ送信するようにしても良い。
また、画像入力部を、必ずしも、ピッカと共に移動させなくても、例えば、ドライブ装置毎に配置しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
カートリッジ(記録媒体)として、磁気テープ・カートリッジのほか、一般に、磁気ディスク・カートリッジや、コンパクトディスク・カートリッジ等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を包装したカートリッジを用いる場合に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の第1の実施例である磁気テープライブラリ装置の構成を示す斜視図である。
【図2】同磁気テープライブラリ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同磁気テープライブラリ装置のドライブ装置の構成を示す斜視図である。
【図4】同磁気テープライブラリ装置のピッカの構成を説明するための斜視図である。
【図5】同磁気テープライブラリ装置の動作を説明するための処理手順図である。
【符号の説明】
【0053】
1 磁気テープライブラリ装置(ライブラリ装置)
2 データカートリッジ(カートリッジ)
3 ドライブ装置(カートリッジ駆動手段)
4 セル
5 カートリッジマガジン(カートリッジ格納庫)
6 アクセッサ機構(カートリッジ移送手段)
7 アクセッサコントローラ
11 ピッカ(搬送体)
14 状態表示部(状態表示手段)
23 画像入力部(表示画像取得手段)
25 主制御部(表示画像取得手段、状態表示情報認識手段)
26 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報機器に組み込まれ、カートリッジを駆動するカートリッジ駆動手段と、前記カートリッジを格納するカートリッジ格納庫と、少なくとも前記カートリッジ駆動手段と前記カートリッジ格納庫との間で、前記カートリッジを移送するカートリッジ移送手段とを備えてなるライブラリ装置であって、
前記カートリッジ駆動手段は、該カートリッジ駆動手段の障害情報を含む所定の状態情報を表わす状態情報表示手段を有し、
当該ライブラリ装置は、前記状態情報表示手段によって表示された状態表示画像を取得するための表示画像取得手段と、該表示画像取得手段によって取得された前記状態表示画像に基づいて、前記カートリッジ駆動手段の状態を認識する状態認識手段とを備えてなることを特徴とするライブラリ装置。
【請求項2】
前記状態表示画像のテンプレートが登録されているテンプレート記憶手段を備え、前記状態認識手段は、前記表示画像取得手段によって取得された前記状態表示画像を、前記テンプレートと照合して、前記カートリッジ駆動手段の状態を認識することを特徴とする請求項1記載のライブラリ装置。
【請求項3】
前記表示画像取得手段は、前記状態情報表示手段によって表示された状態表示画像を撮像するための撮像手段を備えてなることを特徴とする請求項1又は2記載のライブラリ装置。
【請求項4】
前記カートリッジ移送手段は、前記カートリッジが搭載される搬送体を有し、前記撮像手段は、前記搬送体に取り付けられて、所定の前記カートリッジ駆動手段の前記状態情報表示手段の近傍へ移送されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のライブラリ装置。
【請求項5】
前記状態情報表示手段は、複数の表示灯からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のライブラリ装置。
【請求項6】
前記カートリッジに付されたカートリッジ情報の画像を取得するためのカートリッジ情報画像取得手段と、該カートリッジ情報画像取得手段によって取得されたカートリッジ情報画像に基づいて、前記カートリッジ情報を認識するカートリッジ情報認識手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1にライブラリ装置。
【請求項7】
前記表示画像取得手段は、前記カートリッジ情報画像取得手段を兼ねることを特徴とする請求項6記載のライブラリ装置。
【請求項8】
複数の前記カートリッジ駆動手段と、複数のセルに分割されてなる前記カートリッジ格納庫とを備えてなり、前記カートリッジ移送手段は、前記カートリッジ駆動手段間、前記セル間、及び前記カートリッジ駆動手段と前記セルとの間で、前記カートリッジを移送することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載のライブラリ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−217938(P2008−217938A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56466(P2007−56466)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】