説明

ラインヘッド、該ラインヘッドの制御方法および該ラインヘッドを用いた画像形成装置

【課題】スポットがぼやけるとの現象を抑制しつつ微小スポットの形成を可能として、良好な露光を実現できる技術を提供する。また、複数の発光素子の間における光量のばらつきに起因した露光不良を抑制して、良好な露光を実現できる技術の提供する。
【解決手段】発光素子グループ毎にグループ化して基板の第1面に設けられた複数の発光素子と、複数の光センサと、発光素子を発光させたときの光センサの検出値から該発光素子の光量を求める制御手段とを備え、制御手段では、発光素子に応じて光センサが選択されるとともに、選択された光センサの検出値により該発光素子の光量が求められ、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する発光素子については同じである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光素子から射出された光ビームを結像レンズにより結像するラインヘッド、該ラインヘッドの制御方法および該ラインヘッドを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなラインヘッドとして、該ラインヘッドの長手方向に並ぶ複数の発光素子と、これら複数の発光素子から射出された光ビームを像面に結像する光学系とを備えたものが知られている。例えば、特許文献1に記載のラインヘッド(同文献におけるLEDプリンタヘッド)は、長手方向に並ぶ複数のLED(Light Emitting Diode)と、これら複数のLEDに対向して配置された複数の屈折率分布型レンズ(同文献におけるロッドレンズ(三菱レイヨン株式会社の登録商標))とを備えている。かかるラインヘッドでは、1つの発光素子から射出された光ビームを複数の屈折率分布型レンズのそれぞれが、像面の同一位置に重ね合わせて結像することで、像面に1つのスポットが形成される。そして、このようにしてスポットが形成された部分が露光される。
【0003】
【特許文献1】特開平2−164561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、像面をより高精細に露光するためには、スポットのサイズを小さくすることが求められる。しかしながら、屈折率分布型レンズは、球面収差等の光学収差が比較的大きい。したがって、屈折率分布型レンズを用いたラインヘッドでは、微小スポットを得ることが困難であった。
【0005】
また、上述のラインヘッドは、発光素子からの光ビームを複数の屈折率分布型レンズにより重ね合わせて結像している。したがって、発光素子と屈折率分布型レンズとの相対位置が所望の位置関係から光軸方向にずれると、複数の屈折率分布型レンズにより重ね合わされていた像が分離してしまう場合がある。その結果、屈折率分布型レンズを用いたラインヘッドでは、スポットがぼやけて良好な露光ができない可能性があった。
【0006】
更に、上述のラインヘッドで起こりうる問題として、複数の発光素子の間における光量のばらつきがある。かかる光量ばらつきの原因としては、例えば、複数の発光素子の間における発光頻度のばらつきが挙げられる。つまり、複数の発光素子の間で発光頻度にばらつきがあると、一部の発光素子が比較的早く寿命に達して、他の発光素子に比べてその光量が低下してしまう場合がある。その結果、良好な露光が実現できない可能性があった。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、上述のスポットがぼやけるとの現象を抑制しつつ微小スポットの形成を可能として、良好な露光を実現できる技術の提供を、第1の目的とする。
【0008】
また、この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の発光素子の間における光量のばらつきに起因した露光不良を抑制して、良好な露光を実現できる技術の提供を、第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかるラインヘッドは、上記目的を達成するために、第1面と第1面に対向する第2面とを有するとともに光を透過する基板と、発光素子グループ毎にグループ化して基板の第1面に設けられた複数の発光素子と、基板の第2面側で発光素子グループに対向して該発光素子グループから射出された光ビームを像面に結像する結像レンズを、発光素子グループ毎に有するレンズアレイと、複数の光センサと、発光素子を発光させたときの光センサの検出値から該発光素子の光量を求める制御手段とを備え、制御手段では、発光素子に応じて光センサが選択されるとともに、選択された光センサの検出値により該発光素子の光量が求められ、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する発光素子については同じであることを特徴としている。
【0010】
また、この発明にかかるラインヘッドの制御方法は、ラインヘッドが有する複数の発光素子の光量を求める光量検出工程を備え、ラインヘッドは、第1面と第1面に対向する第2面とを有して第1面に複数の発光素子が発光素子グループ毎にグループ化して設けられるとともに光を透過する基板と、基板の第2面側で発光素子グループに対向して該発光素子グループから射出された光ビームを像面に結像する結像レンズを発光素子グループ毎に有するレンズアレイと、複数の光センサとを有し、光量検出工程では、発光素子に応じて光センサが選択されるとともに、選択された光センサの検出値により該発光素子の光量が求められ、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する発光素子については同じであることを特徴としている。
【0011】
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、潜像担持体と、発光素子グループ毎にグループ化して基板の第1面に設けられた複数の発光素子と、基板の第2面側で発光素子グループに対向して該発光素子グループから射出された光ビームを像面に結像する結像レンズを、発光素子グループ毎に有するレンズアレイと、複数の光センサと、発光素子を発光させたときの光センサの検出値から該発光素子の光量を求める制御手段とを備え、制御手段では、発光素子に応じて光センサが選択されるとともに、選択された光センサの検出値により該発光素子の光量が求められ、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する発光素子については同じであることを特徴としている。
【0012】
このように構成された発明(ラインヘッド、ラインヘッドの制御方法、画像形成装置)は、第1面と第1面に対向する第2面とを有するとともに光を透過する基板と、発光素子グループ毎にグループ化して基板の第1面に設けられた複数の発光素子とを備えている。したがって、発光素子グループの発光素子から射出された光ビームは、基板の第1面から第2面に向けて該基板を透過する。そして、基板の第2面側で発光素子グループに対向して該発光素子グループから射出された光ビームを結像する結像レンズが、発光素子グループ毎に設けられている。したがって、発光素子グループの発光素子から射出されて第2面を透過した光ビームは、該発光素子グループに対向するように設けられた結像レンズにより結像される。
【0013】
このように、この発明では、発光素子グループ毎に結像レンズが対向して設けられており、各発光素子グループの発光素子から射出された光ビームが該発光素子グループに対向する結像レンズにより結像されて、スポットが形成される。つまり、この発明は、1つの発光素子から射出された光ビームを1つの結像レンズで結像してスポットを形成するのであって、1つの発光素子から射出された光ビームを複数の屈折率分布型レンズにより重ね合わせてスポットを形成する従来技術とは異なる。したがって、この発明では、発光素子と結像レンズとの相対位置のずれに起因して像が分離してスポットがぼやけるという問題の発生が抑制されており、良好な露光が可能となっている。また、この発明は、光学収差の大きい屈折率分布型レンズを用いずに光ビームを結像しているため微小スポットの形成が可能であり、従来技術と比較して良好な露光を実現できる。このようにして、この発明では上記第1の目的が達成されている。
【0014】
更にこの発明は、複数の光センサと、発光素子を発光させるとともに光センサの検出値を参照して該発光素子の光量を求める制御手段とを備えている。したがって、本発明は、制御手段により発光素子の光量を求めることで、複数の発光素子の間における光量のばらつきを検出することが可能であり、良好な露光を実現するにあたって有利である。また、本発明では、発光素子に応じて光センサの選択が実行されるとともに、選択された光センサの検出値により該発光素子の光量が求められる(光量検出工程)。しかも、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する発光素子については同じである。したがって、同一の発光素子グループに属する各発光素子の光量を、安定した精度でもって求めることができる。その結果、本発明は、発光素子の光量を高精度に求めることが可能であり、良好な露光を実現するにあたって有利である。このようにして、この発明では上記第2の目的が達成されている。
【0015】
また、制御手段は、複数の発光素子を順次発光させて各発光素子の光量を求めてもよい。なんとなれば、後述するように、このように複数の発光素子を順次発光させることで各発光素子の光量を高精度に求めることができるからである。
【0016】
また、求めた発光素子の光量に基づいて発光素子の駆動を制御するように制御手段を構成してもよい。このように構成することで、複数の発光素子の間における光量のばらつきが抑制され、良好な露光が可能となる。
【0017】
また、結像レンズは、移動方向に移動する像面に向けて光ビームを結像し、基板は、移動方向に対応する方向を短軸方向と、短軸方向に直交する方向を長軸方向とするラインヘッドにあっては、次のように構成しても良い。つまり、複数の光センサは、複数の発光素子に対して短軸方向の一方側に設けられるように構成しても良い。このように発光素子に対して短軸方向の一方側に光センサを設けることで、発光素子から光センサまでの距離を比較的短くでき、光センサに到達する光量を多くすることができる。その結果、光ビーム検出の精度が向上して、良好な露光が実現可能となる。また、かかる構成は、複数の光センサを短軸方向の一方面に設けているため、光センサに繋がる配線を簡素化することが可能となっており、好適である。
【0018】
また、複数の結像レンズが、結像レンズを長軸方向に並べたレンズ行を構成するように設けられた構成にあっては、光センサは受光領域が第2面に対向して配置されるとともに、該受光領域の長軸方向の長さが、レンズ行において長軸方向に隣り合う2つの結像レンズ間のピッチよりも長くなるように構成しても良い。この理由について説明する。上述のラインヘッドは、各結像レンズに発光素子グループが対向して設けられている。その結果、上述のレンズ行を構成するラインヘッドにあっては、発光素子グループも長軸方向に並ぶこととなる。そして、このように長軸方向に並ぶ各発光素子グループからの光ビームが光センサの受光領域に入射する。したがって、受光領域の長軸方向の長さが、長軸方向に並ぶ2つの発光素子グループのピッチ(つまり、長軸方向に隣り合う2つの結像レンズ間のピッチ)よりも短いと、これら2つの発光素子グループの間で、受光領域までの距離にばらつきが発生する。その結果、光センサが良好に光ビームを検出できない場合があった。そこで、受光領域の長軸方向の長さが、レンズ行において長軸方向に隣り合う2つの結像レンズ間のピッチよりも長くなるように構成しても良い。なんとなれば、かかる構成は、上述のような2つの発光素子グループの間における受光領域までの距離にばらつきを抑制することが可能となり、その結果、良好な光ビーム検出が実現可能となるからである。
【0019】
また、基板の第1面と第2面とは平行であるように構成しても良い。このような構成は、発光素子からの光ビームを光センサに効率的に導くことができる。その結果、光センサに入射する光量が多くなり、光ビームの検出精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
第1実施形態
図1は本発明にかかるラインヘッドの第1実施形態を適用できる画像形成装置を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図1は、カラーモード実行時に対応する図面である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
【0021】
この実施形態にかかる画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0022】
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンダ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kは、主走査方向MDに所定長さの表面を有する円筒形の感光体ドラム21を設けている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれは、対応する色のトナー像を、感光体ドラム21の表面に形成する。感光体ドラムは、軸方向が主走査方向MDに略平行となるように配置されている。また、各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに略直交する副走査方向SDに搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図1において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
【0023】
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
【0024】
ラインヘッド29は、その長手方向が主走査方向MDに対応するとともに、その幅方向が副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21に対して配置されている。したがって、ラインヘッド29の長手方向は、主走査方向MDと略平行である。そして、ラインヘッドは、長手方向に並べて配置された複数の発光素子を備えるとともに、感光体ドラム21から離間配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に対して光を照射して(つまり、露光して)該表面に潜像を形成する。なお、この実施形態では、各色のラインヘッド29を制御するためにヘッドコントローラHCが設けられ、メインコントローラMCからのビデオデータVDと、エンジンコントローラECからの信号とに基づき各ラインヘッド29を制御している。すなわち、この実施形態では、画像形成指令に含まれる画像データがメインコントローラMCの画像処理部51に入力される。そして、該画像データに対して種々の画像処理が施されて各色のビデオデータVDが作成されるとともに、該ビデオデータVDがメイン側通信モジュール52を介してヘッドコントローラHCに与えられる。また、ヘッドコントローラHCでは、ビデオデータVDはヘッド側通信モジュール53を介してヘッド制御モジュール54に与えられる。このヘッド制御モジュール54には、上記したように潜像形成に関連するパラメータ値を示す信号と垂直同期信号VsyncがエンジンコントローラECから与えられている。そして、これらの信号およびビデオデータVDなどに基づきヘッドコントローラHCは各色のラインヘッド29に対して素子駆動を制御するための信号を作成し、各ラインヘッド29に出力する。こうすることで、各ラインヘッド29において発光素子の作動が適切に制御されて画像形成指令に対応する潜像が形成される。
【0025】
そして、この実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの感光体ドラム21、帯電部23、現像部25および感光体クリーナ27を感光体カートリッジとしてユニット化している。また、各感光体カートリッジには、該感光体カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラECと各感光体カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各感光体カートリッジに関する情報がエンジンコントローラECに伝達されるとともに、各メモリ内の情報が更新記憶される。
【0026】
現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
【0027】
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
【0028】
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
【0029】
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、図1において駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラ85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、後に詳述するように、カラーモード実行時は、図1に示すように全ての1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラ85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
【0030】
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラ85のうち、カラー1次転写ローラ85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラ85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで前記1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラ85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
【0031】
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。また、この下流ガイドローラ86は、モノクロ1次転写ローラ85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラ85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
【0032】
駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラ121のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラ82と2次転写ローラ121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
【0033】
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
【0034】
2次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラ1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
【0035】
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。したがって、次に説明するようにブレード対向ローラ83が移動する場合は、ブレード対向ローラ83と一緒にクリーナブレード711及び廃トナーボックス713も移動することとなる。
【0036】
図3は、本発明にかかるラインヘッドの概略を示す斜視図である。また、図4は、図3に示したラインヘッドの幅方向断面図である。上述の通り、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応するとともに、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、ラインヘッド29は感光体ドラム21に対して配置されている。なお、長手方向LGDと幅方向LTDは、互いに略直交する。本実施形態におけるラインヘッド29は、ケース291を備えるとともに、かかるケース291の長手方向LGDの両端には、位置決めピン2911とねじ挿入孔2912が設けられている。そして、かかる位置決めピン2911を、感光体ドラム21を覆うとともに感光体ドラム21に対して位置決めされた感光体カバー(図示省略)に穿設された位置決め孔(図示省略)に嵌め込むことで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決めされる。そして更に、ねじ挿入孔2912を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決め固定される。
【0037】
ケース291は、感光体ドラム21の表面に対向する位置にレンズアレイ299を保持するとともに、その内部に、該レンズアレイ299に近い順番で、遮光部材297及びヘッド基板293を備えている。ヘッド基板293は、光ビームを透過可能な材料(例えばガラス)により形成されている。また、ヘッド基板293の裏面(ヘッド基板293が有する2つの面のうちレンズアレイ299と逆側の面)には、複数の発光素子グループ295が設けられている。即ち、複数の発光素子グループ295は、ヘッド基板293の裏面に、長手方向LGD及び幅方向LTDに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。ここで、複数の発光素子グループ295の各々は、複数の発光素子を2次元的に配列して構成されるが、これについては後に説明する。また、本実施形態は、発光素子としてボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子を用いる。つまり、本実施形態では、ヘッド基板293の裏面に有機EL素子が発光素子として配置されている。これにより、全ての発光素子2951は、同一平面(ヘッド基板293の裏面)の上に配置される。そして、同ヘッド基板293に形成された駆動回路によって各発光素子が駆動されると、該発光素子から感光体ドラム21の方向に光ビームが射出される。この光ビームは、ヘッド基板293の裏面から表面に透過して、遮光部材297へ向う。
【0038】
遮光部材297には、複数の発光素子グループ295に対して一対一で複数の導光孔2971が穿設されている。また、かかる導光孔2971は、ヘッド基板293の法線と平行な線を中心軸として遮光部材297を貫通する略円柱状の孔として穿設されている。したがって、発光素子グループ295から射出された光ビームのうち、該発光素子グループ295に対応する導光孔2971以外に向う光ビームは、遮光部材297により遮光される。こうして、1つの発光素子グループ295から出た光は全て同一の導光孔2971を介してレンズアレイ299へ向うとともに、異なる発光素子グループ295から出た光ビーム同士の干渉が遮光部材297により防止される。そして、遮光部材297に穿設された導光孔2971を通過した光ビームは、レンズアレイ299により、感光体ドラム21の表面にスポットとして結像されることとなる。
【0039】
図4に示すように、固定器具2914によって、裏蓋2913がヘッド基板293を介してケース291に押圧されている。つまり、固定器具2914は、裏蓋2913をケース291側に押圧する弾性力を有するとともに、かかる弾性力により裏蓋を押圧することで、ケース291の内部を光密に(つまり、ケース291内部から光が漏れないように、及び、ケース291の外部から光が侵入しないように)密閉している。なお、固定器具2914は、ケース291の長手方向に複数箇所設けられている。また、発光素子グループ295は、封止部材294により覆われている。
【0040】
図5は、レンズアレイの概略を示す斜視図である。また、図6は、レンズアレイの長手方向LGDの断面図である。レンズアレイ299は、レンズ基板2991有する。そして、該レンズ基板2991の裏面2991BにレンズLSの第1面LSFfが形成されるとともに、レンズ基板2991の表面2991AにレンズLSの第2面LSFsが形成される。そして、互いに対向するレンズの第1面LSFfと第2面LSFsと、これら2面に挟まれるレンズ基板2991とで、1つのレンズLSとして機能する。なお、レンズLSの第1面LSFfおよび第2面LSFsは、例えば樹脂により形成することができる。
【0041】
そして、レンズアレイ299は、複数のレンズLSをそれぞれの光軸OAが互いに略平行となるように配置している。また、レンズアレイ299は、レンズLSの光軸OAがヘッド基板293の裏面(発光素子2951が配置されている面)に略直交するように配置されている。このとき、これら複数のレンズLSは、複数の発光素子グループ295に一対一で配置されている。つまり、複数のレンズLSは、発光素子グループ295の配置に対応して、長手方向LGD及び幅方向LTDに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。より具体的に述べると、長手方向LGDに複数のレンズLSを並べてなるレンズ行LSRを、幅方向LTDに複数行並べている。なお、本実施形態では、3行のレンズ行LSR1、LSR2、LSR3が幅方向LTDに並べられている。また、3行のレンズ行LSR1〜LSR3は、長手方向互いに所定のレンズピッチPlsだけずれて配置されている。
【0042】
図7はラインヘッドにおける発光素子グループの配置を示す図である。図8は、各発光素子グループにおける発光素子の配置を示す図である。本実施形態では、各発光素子グループ295において、長手方向LGDに8個の発光素子2951が所定の素子ピッチPelで並べられている。また、本実施形態の各発光素子グループ295は、長手方向LGDに4個の発光素子2951を所定間隔(素子ピッチPelの2倍の間隔)で並べてなる発光素子行2951Rを、幅方向LTDに素子行ピッチPelrだけ間隔を空けて2行配置している。この結果、各発光素子グループ295において、8個の発光素子2951が千鳥状に配置されることとなる。そして、複数の発光素子グループ295は次のように配置されている。
【0043】
つまり、発光素子グループ295を長手方向LGDに所定個数並べて構成される発光素子グループ行295Rが、幅方向LTDに3行並ぶように、複数の発光素子グループ295は配置されている。また、全ての発光素子グループ295は、互いに異なる長手方向位置に配置されている。更に、長手方向位置が隣り合う発光素子グループ(例えば、発光素子グループ295_C1と発光素子グループ295_B1)の幅方向位置が互いに異なるように、複数の発光素子グループ295は配置されている。なお、本明細書において、発光素子2951の幾何重心を発光素子2951の位置とするとともに、同一の発光素子グループ295に属する全ての発光素子位置の幾何重心を発光素子グループ295の位置とする。また、長手方向位置及び幅方向位置とはそれぞれ注目する位置の長手方向成分及び幅方向成分を意味する。
【0044】
上記した発光素子グループ295の配置に対応して、遮光部材297に導光孔2971が穿設されるとともに、レンズLSが配置される。つまり、本実施形態においては、発光素子グループ295の重心位置と、導光孔2971の中心軸と、レンズLSの光軸OAとは、略一致するように構成されている。そして、発光素子グループ295の発光素子2951から射出された光ビームは、対応する導光孔2971を介してレンズアレイ299に入射するとともに、該レンズアレイ299により感光体ドラム21の表面にスポットとして結像される。
【0045】
図9は、ヘッド基板の裏面に配置された発光素子等の部材を示す図である。なお、同図は、ヘッド基板293の表面からヘッド基板293の裏面に配置された部材を見た場合に相当する。上述の通り、ヘッド基板293の裏面には発光素子2951が設けられている。更に、本実施形態では、ヘッド基板293の裏面に、発光素子2951を駆動する駆動回路D295と、発光素子2951と駆動回路D295とを接続する配線WLとを配置している。同図が示すように、全ての駆動回路D295は、素子形成領域FAに対して幅方向LTDの一方側(より具体的には、素子形成領域FAに対して幅方向LTDの上流側)に配置されている。ここで、素子形成領域FAは、ヘッド基板293の理面のうち発光素子2951が形成された領域である。そして、各発光素子グループから該発光素子グループが対応する駆動回路D295に向けて配線WLが引き出されている。つまり、配線WLの一方端が発光素子2951に接続されるとともに、配線WLの他方端が駆動回路D295に接続されている。したがって、駆動回路D295から出力された駆動信号は、配線WLを介して発光素子2951に入力される。そして、発光素子2951は、入力された駆動信号に応じて光ビームを発光する。なお、駆動回路D295としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)を用いることができる。
【0046】
図10、図11は、本明細書で用いる用語の説明図である。ここで、これらの図を用いて本明細書において用いる用語について整理する。本明細書では、上述の通り、感光体ドラム21の表面(像面IP)の搬送方向を副走査方向SDと定義し、該副走査方向SDに略直交する方向を主走査方向MDと定義している。また、ラインヘッド29は、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応し、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21の表面(像面IP)に対して配置されている。
【0047】
レンズアレイ299が有する複数のレンズLSに一対一の対応関係でヘッド基板293に配置された、複数(図10、12においては8個)の発光素子2951の集合を、発光素子グループ295と定義する。つまり、ヘッド基板293において、複数の発光素子2951からなる発光素子グループ295は、複数のレンズLSのそれぞれに対して配置されている。また、発光素子グループ295からの光ビームを該発光素子グループ295に対応するレンズLSにより像面IPに向けて結像することで、像面IPに形成される複数のスポットSPの集合を、スポットグループSGと定義する。つまり、複数の発光素子グループ295に一対一で対応して、複数のスポットグループSGを形成することができる。また、各スポットグループSGにおいて、主走査方向MDおよび副走査方向SDに最上流のスポットを、特に第1のスポットと定義する。そして、第1のスポットに対応する発光素子2951を、特に第1の発光素子と定義する。
【0048】
なお、図10、11は、発光素子グループ295とレンズLSとスポットグループSGとの対応関係が理解しやすいように、像面が静止した状態でスポットSPを形成した場合を表した。したがって、スポットグループSGにおけるスポットSPの形成位置は、発光素子グループ295における発光素子2951の配置位置に略相似する。しかしながら、後述するように、実際のスポット形成動作は、像面IP(感光体ドラム21の表面)を副走査方向SDに搬送しつつ実行する。その結果、ヘッド基板293が有する複数の発光素子2951により形成されるスポットSPは、主走査方向MDに略平行な直線上に形成される。
【0049】
また、図11の「像面上」の欄に示すように、スポットグループ行SGR、スポットグループ列SGCを定義する。つまり、主走査方向MDに並ぶ複数のスポットグループSGをスポットグループ行SGRと定義する。そして、複数行のスポットグループ行SGRは、所定のスポットグループ行ピッチPsgrで副走査方向SDに並んで配置される。また、副走査方向SDにスポットグループ行ピッチPsgrで且つ主走査方向MDにスポットグループピッチPsgで並ぶ複数(同図においては3個)のスポットグループSGをスポットグループ列SGCと定義する。なお、スポットグループ行ピッチPsgrは、同ピッチで並ぶ2つのスポットグループ行SGRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットグループピッチPsgは、同ピッチで並ぶ2つのスポットグループSGそれぞれの幾何重心の、主走査方向MDにおける距離である。
【0050】
同図の「レンズアレイ」の欄に示すように、レンズ行LSR、レンズ列LSCを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズLSをレンズ行LSRと定義する。そして、複数行のレンズ行LSRは、所定のレンズ行ピッチPlsrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDにレンズ行ピッチPlsrで且つ長手方向LGDにレンズピッチPlsで並ぶ複数(同図においては3個)のレンズLSをレンズ列LSCと定義する。なお、レンズ行ピッチPlsrは、同ピッチで並ぶ2つのレンズ行LSRそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、レンズピッチPlsは、同ピッチで並ぶ2つのレンズLSそれぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
【0051】
同図の「ヘッド基板」の欄に示すように、発光素子グループ行295R、発光素子グループ列295Cを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子グループ295を発光素子グループ行295Rと定義する。そして、複数行の発光素子グループ行295Rは、所定の発光素子グループ行ピッチPegrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子グループ行ピッチPegrで且つ長手方向LGDに発光素子グループピッチPegで並ぶ複数(同図においては3個)の発光素子グループ295を発光素子グループ列295Cと定義する。なお、発光素子グループ行ピッチPegrは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子グループ行295Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子グループピッチPegは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子グループ295それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
【0052】
同図の「発光素子グループ」の欄に示すように、発光素子行2951R、発光素子列2951Cを定義する。つまり、各発光素子グループ295において、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子2951を発光素子行2951Rと定義する。そして、複数行の発光素子行2951Rは、所定の発光素子行ピッチPelrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子行ピッチPelrで且つ長手方向LGDに発光素子ピッチPelで並ぶ複数(同図においては2個)の発光素子2951を発光素子列2951Cと定義する。なお、発光素子行ピッチPelrは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子行2951Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子ピッチPelは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子2951それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
【0053】
同図の「スポットグループ」の欄に示すように、スポット行SPR、スポット列SPCを定義する。つまり、各スポットグループSGにおいて、長手方向LGDに並ぶ複数のスポットSPをスポット行SPRと定義する。そして、複数行のスポット行SPRは、所定のスポット行ピッチPsprで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDにスポットピッチPsprで且つ長手方向LGDにスポットピッチPspで並ぶ複数(同図においては2個)のスポットをスポット列SPCと定義する。なお、スポット行ピッチPsprは、同ピッチで並ぶ2つのスポット行SPRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットピッチPspは、同ピッチで並ぶ2つのスポットSPそれぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
【0054】
図12は、上述のラインヘッドによるスポット形成動作を示す図である。以下に、図2、図7、図12を用いて本実施形態におけるラインヘッドによるスポット形成動作を説明する。また、発明の理解を容易にするため、ここでは主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する場合について説明する。本実施形態では、感光体ドラム21(潜像担持体)の表面を副走査方向SDに搬送しながら、ヘッド制御モジュール54により複数の発光素子を所定のタイミングで発光させることで、主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
【0055】
つまり、本実施形態のラインヘッドでは、幅方向位置LTD1〜LTD6の各位置に対応して、幅方向LTDに6個の発光素子行2951Rが並べて配置されている(図7)。そこで、本実施形態では、同一の幅方向位置にある発光素子行2951Rは、略同一のタイミングで発光させるとともに、異なる副幅方向位置にある発光素子行2951Rは、互いに異なるタイミングで発光させる。より具体的には、幅方向位置LTD1〜LTD6の順番で、発光素子行2951Rを発光させる。そして、感光体ドラム21の表面を幅方向LTDに対応する副走査方向SDに搬送しながら、上述の順番で発光素子行2951Rを発光させることで、該表面の主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
【0056】
かかる動作を、図7、12を用いて説明する。まず最初に、副走査方向SDに対応する幅方向LTDに最上流の発光素子グループ295_C1,295_C2,295_C3…に属する幅方向位置LTD1の発光素子行2951Rの発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するレンズLSにより、反転されて感光体表面に結像される。つまり、図12の「1回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。なお、同図において、白抜きの丸印は、未だ形成されておらず今後形成される予定のスポットを表す。また、同図において、符号295_C1,295_B1,295_A1,295_C2でラベルされたスポットは、それぞれに付された符号に対応する発光素子グループ295により形成されるスポットであることを示す。
【0057】
次に、同発光素子グループ295_C1,295_C2,295_C3…に属する幅方向位置LTD2の発光素子行2951Rの発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するレンズLSにより、反転されて感光体表面に結像される。つまり、図12の「2回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。ここで、感光体ドラム21の表面の搬送方向が副走査方向SDであるのに対して、副走査方向SDに対応する幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rから順番に(つまり、幅方向位置LTD1,LTD2の順番に)発光させたのは、レンズLSが反転特性を有することに対応するためである。
【0058】
次に、幅方向上流側から2番目の発光素子グループ295_B1,295_B2,295_B3…に属する幅方向位置LTD3の発光素子行2951Rの発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するレンズLSにより、反転されて感光体表面に結像される。つまり、図12の「3回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
【0059】
次に、同発光素子グループ295_B1,295_B2,295_B3…に属する幅方向位置LTD4の発光素子行2951Rの発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するレンズLSにより、反転されて感光体表面に結像される。つまり、図12の「4回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
【0060】
次に、幅方向最下流の発光素子グループ295_A1,295_A2,295_A3…に属する幅方向位置LTD5の発光素子行2951Rの発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するレンズLSにより、反転されて感光体表面に結像される。つまり、図12の「5回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
【0061】
そして最後に、同発光素子グループ295_A1,295_A2,295_A3…に属する幅方向位置LTD6の発光素子行2951Rの発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するレンズLSにより、反転されて感光体表面に結像される。つまり、図12の「6回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。このように、1〜6回目までの発光動作を実行することで、主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
【0062】
上述の通り、上記実施形態のラインヘッド29は、発光素子グループ295毎にグループ化して複数の発光素子2951をヘッド基板293の裏面に設けている(図7、図9)。そして、発光素子2951から出た光ビームは、ヘッド基板293を透過して該ヘッド基板293の表面から射出する。そして、ヘッド基板293の表面側には、各発光素子グループに対向してレンズLSが配置されている。そして、各レンズLSは、対向する発光素子グループ295から射出された光ビームを感光体ドラム21の表面に結像する。
【0063】
このように、上記実施形態では、発光素子グループ295毎にレンズLSが対向して設けられており、各発光素子グループ295の発光素子2951から射出された光ビームが該発光素子グループ295に対向するレンズLSにより結像されて、スポットが形成される。つまり、上記実施形態は、1つの発光素子2951から射出された光ビームを1つのレンズLSで結像してスポットを形成するのであって、1つの発光素子2951から射出された光ビームを複数の屈折率分布型レンズにより重ね合わせてスポットを形成する従来技術とは異なる。したがって、上記実施形態のラインヘッド29では、発光素子2951とレンズLSとの相対位置のずれに起因して像が分離してスポットがぼやけるという問題の発生が抑制されており、良好な露光が可能となっている。また、上記実施形態のラインヘッド29は、光学収差の大きい屈折率分布型レンズを用いずに光ビームを結像しているため微小スポットの形成が可能であり、従来技術と比較して良好な露光を実現できる。
【0064】
ところで、上述のようなラインヘッド29では、複数の発光素子2951の間で光量がばらつくとの問題が発生する場合がある。かかる光量ばらつきの原因としては、例えば、複数の発光素子2951の間における発光頻度のばらつきが挙げられる。つまり、複数の発光素子2951の間で発光頻度にばらつきがあると、一部の発光素子2951が比較的早く寿命に達して、他の発光素子2951に比べてその光量が低下してしまう場合がある。特に、有機EL素子はLED素子等と比べて寿命が短いため、上記実施形態のように発光素子2951として有機ELを用いたような場合、かかる問題が顕著となる。これに対して、本実施形態のラインヘッド29は、発光素子2951から射出される光ビームの光量を検出する光センサを備える。
【0065】
図13及び図14は、第1実施形態での光センサの配置を示す図である。なお、図13は長手方向LGDからラインヘッド29を見た図であり、図14はヘッド基板293の斜視図である。図14において破線円PJは、レンズLSを光軸方向からヘッド基板表面293Aに投影したものである。図14が示すように、ヘッド基板293は、主走査方向MDに対応する長手方向LGDを長軸方向と、副走査方向SDに対応する幅方向LTDを短軸方向としている。上述の通り、ヘッド基板293の裏面293Bには、発光素子グループ295毎にグループ化された複数の発光素子2951が設けられている。更に、発光素子2951を駆動する駆動回路D295と、発光素子2951及び駆動回路D295を接続する配線WLとが、ヘッド基板293の裏面293Bに配置されている。なお、図14において、駆動回路D295及び配線WLは省略されている。
【0066】
駆動回路D295に駆動されることで、発光素子2951から光ビームが射出される。このようにして発光素子2951から射出された光ビームは、ヘッド基板293を透過して該ヘッド基板293の表面293Aから射出する。また、上記ラインヘッド29では、発光素子2951から出た光ビームが対応しないレンズLSへ入射することを防止するため、つまり、所謂クロストークの発生を防止するために、ヘッド基板293の表面側に遮光部材297が配置されている。
【0067】
このように、ヘッド基板293は表面293Aと該表面に対向する裏面293Bを有しているが、本実施形態では、ヘッド基板293が有する二つの面のうち、ヘッド基板表面に光センサSCが配置されている。特に、基板裏面293Bに配置された複数の発光素子2951および遮光部材297に対して、次のような配置関係で光センサSCは配置されている。つまり、複数の光センサSCが、遮光部材297に隣接するようにして、ヘッド基板293の表面293Aに配置されている。また、複数の光センサSCが、基板裏面293Bに形成された複数の発光素子2951に対して、幅方向LTD(即ち、ヘッド基板293の短軸方向)の片側(下流側)に配置されている。一方、図9に示したように複数の発光素子2951の幅方向LTDの上流側、即ち、素子形成領域FAの幅方向LTDの上流側には、駆動回路D295が配置されている。このように本実施形態では、複数の光センサSCの全ては、幅方向LTDにおいて複数の発光素子2951に対して駆動回路D295の反対側に設けられている。また、これら複数の光センサSC(SC1〜SC4)は、長手方向LGDに等ピッチで配置されている。
【0068】
これら複数の光センサSCの受光面SCFは、ヘッド基板表面293Aに対向するとともに、ヘッド基板表面293Aに対して、透明な光学接着剤により接着されている。したがって、ヘッド基板表面293Aから受光面SCFに向って出た光ビームは、光学接着剤を介して受光面SCFに入射できる。そして、光センサSCの受光面SCFは、長手方向LGD(つまり、ヘッド基板293の長軸方向)において、センサ長さLscを有する。そして、センサ長さLscは、各レンズ行LSRにおいて長手方向LGDに隣り合う2つのレンズLSの間のピッチLlsよりも長く設定されている。なお、本実施形態では3行のレンズ行LSRが幅方向LTDに配置されていることから、ピッチLlsは、レンズピッチPlsの3倍に相当する。このように光学接着剤により接着することでヘッド基板表面293Aと光センサSCとの界面を取り除き、ヘッド基板表面293Aと光センサSCとの間での不要な光ビームの反射が抑制される。その結果、光センサSCに入射する光量が向上する。また、図示は省略するが、各光センサSCには配線が接続されており、かかる配線を介して光センサSCの検出値がエンジンコントローラECへと出力される。
【0069】
このように、本実施形態は、ヘッド基板表面293Aの光センサSCにより、各発光素子2951から射出された光ビームを検出可能である。つまり、発光素子2951から射出された光ビームの全てがヘッド基板293の表面293Aから射出するわけでなく、該光ビームの一部は表面293Aで裏面293B側に向けて反射される。更に、かかる反射光ビームの一部は、再び裏面293Bで表面293Aに向けて反射される。このように、発光素子2951から射出された光ビームの一部は、ヘッド基板293の表面293Aと裏面293Bとの間で反射を繰り返しながら、ヘッド基板293の内部を進行して光センサSCに入射する。特に、表面293Aへの入射角が臨界角θc以上である光ビーム(図13の破線矢印)は、表面293Aで全反射される。しかも、本実施形態では、表面293Aと裏面293Bとは互いに平行に構成されている。したがって、表面293Aで全反射された光ビームは、裏面293Bにおいても全反射されながら、ヘッド基板293の内部を進行する。
【0070】
そして、本実施形態では、各発光素子2951から射出された光ビームを光センサSCにより検出して、複数の発光素子2951の間での光量のばらつきを検出するとともに、該検出結果に基づいて光量ばらつきが解消するように各発光素子2951の駆動を制御する。そこで、この駆動制御動作について以下に説明するが、駆動制御動作は、例えばラインヘッド29の組立時や出荷時等のタイミングで予め求められた補正係数に基づいて実行される。したがって、以下の説明では、まず補正係数の求め方について説明した後に、駆動制御動作について説明する。
【0071】
上述の通り、まず、例えばラインヘッド29の組立時や出荷時等のタイミングで、発光素子2951から光ビームを射出させて感光体ドラム21の表面に相当する位置に形成されるスポットの光量を、各発光素子2951について測定する。具体的には、ラインヘッド29を検査ジグに取り付ける。検査ジグには、ラインヘッド29の各発光素子2951から射出された光ビームの光量を、感光体ドラム21の表面に対応する像面位置で検出する光量検出器が配置されている。この光量検出器は、1個の検出器を移動させつつ各発光素子2951からの光ビームの光量を検出するものでも良いし、発光素子2951毎に検出器を配置したものでも良い。そして、各発光素子2951を順次発光させて、検査ジグの光量検出器で検出した値Pgnと、ラインヘッド29の光センサSCで検出した値Phn(nはn番目の発光素子を表す)とを得るとともに、各発光素子2951について補正係数Pgn/Phnを算出する。このとき、本実施形態は、ラインヘッド29の光センサSCで検出した値Phnを、次のようにして求めている。
【0072】
本実施形態では、発光素子2951に応じて光センサSCが選択される。そして、選択された光センサSCの検出値にのみ基づいて、発光素子2951の検出値Phを求めている。具体的には、本実施形態では、発光素子2951に対して、該発光素子2951との距離が近い2つの光センサSCが選択される。例えば、発光素子2951_1に対しては、光センサSC1と光センサSC2とが選択される。そして、光センサSC1の検出値と光センサSC2の検出値との和が、発光素子2951_1の検出値Phとして求められる。このような光センサSCの選択が各発光素子2951について行なわれるが、このとき、選択される光センサSCは、同一の発光素子グループ295に属する発光素子2951ついては同じである。したがって、発光素子2951_1と発光素子2951_2は同じ発光素子グループ295に属するので、発光素子2951_2に対して選択される光センサSCは発光素子2951_1に対して選択される光センサSCと同じである。よって、発光素子2951_2に対しても、光センサSC1と光センサSC2とが選択される。そして、光センサSC1の検出値と光センサSC2の検出値との和が、発光素子2951_2の検出値Phとして求められる。
【0073】
一方、例えば、発光素子2951_3に対しては、光センサSC2と光センサSC3とが選択される。そして、光センサSC2の検出値と光センサSC3の検出値との和が、発光素子2951_3の検出値Phとして求められる。また、発光素子2951_4は発光素子2951_3と同じ発光素子グループ295に属するので、発光素子2951_4に対しては光センサSC2と光センサSC3とが選択される。そして、光センサSC2の検出値と光センサSC3の検出値との和が、発光素子2951_4の検出値Phとして求められる。
【0074】
こうして、各発光素子2951の補正係数Pgn/Phnが求められる。また、求められた補正係数Pgn/Phnは、例えば図2に示すエンジンコントローラEC(制御手段)に記憶しておく。そして、次に説明するように、補正係数Pgn/Phnに基づいて駆動制御動作が実行される。
【0075】
駆動制御動作では、まず発光素子2951の光量ばらつきを検出する。かかる光量ばらつき検出は、画像形成装置の電源投入時、画像形成動作開始前、或いは紙間等の、通常の画像形成動作が実行されていない間に行なわれる。この駆動制御動作では、各発光素子2951を順次発光させながら、光センサSCの検出値が測定される。
【0076】
また、上述の補正係数を求める場合と同様にして、駆動制御動作においても、発光素子2951に応じて光センサSCが選択される。そして、選択された光センサSCの検出値のみに基づいて発光素子2951の光量を算出する。つまり、補正係数を求める場合と同様に、発光素子2951に対して、該発光素子2951との距離が近い2つの光センサSCが選択される。具体的には、例えば、発光素子2951_1に対しては、光センサSC1と光センサSC2とが選択される。そして、光センサSC1の検出値と光センサSC2の検出値との和が、発光素子2951_1の検出値として求められる。さらに、この検出値に発光素子2951_1の補正係数Pgn/Phnを乗じることで、発光素子2951_1により感光体ドラム21の表面で形成されるスポットの光量が算出される。
【0077】
このような光センサの選択が各発光素子2951について行なわれるが、このとき、選択される光センサSCは同一の発光素子グループ295については同じである。したがって、発光素子2951_1と発光素子2951_2は同じ発光素子グループ295に属するので、発光素子2951_2に対して選択される光センサSCは発光素子2951_1に対して選択される光センサSCと同じである。よって、発光素子2951_2に対しても、光センサSC1と光センサSC2とが選択される。そして、光センサSC1の検出値と光センサSC2の検出値との和が、発光素子2951_2の検出値として求められる。さらに、この検出値に発光素子2951_1の補正係数を乗じることで、発光素子2951_2により感光体ドラム21の表面で形成されるスポットの光量が算出される。
【0078】
一方、例えば、発光素子2951_3に対しては、光センサSC2と光センサSC3とが選択される。そして、光センサSC2の検出値と光センサSC3の検出値との和が、発光素子2951_3の検出値として求められとともに、この検出値に発光素子2951_3の補正係数Pgn/Phnを乗じることで、発光素子2951_3により感光体ドラム21の表面で形成されるスポットの光量が算出される。また、発光素子2951_4は発光素子2951_3と同じ発光素子グループ295に属するので、発光素子2951_4に対しては光センサSC2と光センサSC3とが選択される。そして、光センサSC2の検出値と光センサSC3の検出値との和が、発光素子2951_4の検出値として求められるとともに、この検出値に発光素子2951_4の補正係数Pgn/Phnを乗じることで、発光素子2951_4により感光体ドラム21の表面で形成されるスポットの光量が算出される。そして、このような動作を各発光素子2951について行なって、各発光素子2951により感光体ドラム21の表面で形成されるスポットの光量が算出される(光量検出工程)。
【0079】
そして、算出された光量がばらついており、所望の光量が実現されていない場合は、所望の光量が得られるように各発光素子2951の駆動を制御する。つまり、所望の光量と算出された光量とを比較して、算出された光量が所望の光量となるように、発光素子2951に流す電流等を調整する。そして、このような調整動作を全ての発光素子2951について実行することで、複数の発光素子2951の間での光量ばらつきが抑制される。その結果、良好な露光が実現される。なお、所望の光量に関する情報や、駆動制御動作を実行させるプログラム等は、例えばエンジンコントローラEC(制御手段)に予め記憶しておいても良い。
【0080】
上述のように本実施形態のラインヘッド29は、複数の光センサSCを備えている。そして、これら複数の光センサSCの検出値から発光素子2951の光量を求めている。したがって、このようにして求められた各発光素子2951の光量を参照することで、各発光素子2951の間における光量のばらつきを検出することができ、本実施形態のラインヘッド29は良好な露光を実現するにあたって有利である。
【0081】
ところで、本実施形態では、発光素子2951に応じて光センサSCの選択が実行されるとともに、選択された光センサSCの検出値により該発光素子2951の光量が求められる。そして、本実施形態では、選択される光センサSCは同一の発光素子グループ295に属する発光素子2951については同じである。したがって、同一の発光素子グループ295に属する各発光素子2951の光量を、安定した精度でもって求めることができる。その結果、本実施形態のラインヘッド29は、発光素子2951の光量を高精度に求めることが可能であり、良好な露光を実現するにあたって有利である。
【0082】
また、本実施形態のラインヘッド29は、複数の光センサSCの間の検出精度のばらつきの影響を受けにくい構成を有している。つまり、上述の通り、選択される光センサSCは同一の発光素子グループ295に属する発光素子2951については同じである。したがって、仮に複数の光センサSCの間で検出精度がばらついても、同じ発光素子グループ295に属する発光素子2951に対する検出精度は、略等しい。よって、同一の発光素子グループ295に属する各発光素子2951については、安定した精度でもって光量を求めることができる。その結果、本実施形態のラインヘッド29は、発光素子2951の光量を高精度に求めることが可能であり、良好な露光を実現するにあたって有利である。
【0083】
ところで、同じ発光素子グループ295に属する各発光素子2951に対しては、接続される配線WLの長さ等の電気的条件が類似している。そこで、このように互いに電気的条件が類似する各発光素子2951に対しては、同様の検出条件で光量検出を行うことが好適である。これに対して本実施形態のラインヘッド29では、選択される光センサSCは同一の発光素子グループ295に属する発光素子2951については同じであるので、同様の検出条件下で同じ発光素子グループ295に属する各発光素子2951の光量検出が行なうことができる。この点においても、本実施形態のラインヘッド29は好適である。さらに、本実施形態では、同じ発光素子グループ295に属する各発光素子2951から、該発光素子2951の光量を検出する光センサSCまでの光学的な経路が、互いに略等しくなる。よって、経路差の違いに起因した検出光量のばらつきを抑えることが可能となっている。
【0084】
また、本実施形態では、複数の発光素子2951を順次発光させて各発光素子2951の光量を求めている。その結果、各発光素子2951の光量を高精度に測定することが可能になっている。つまり、例えば、2つの発光素子2951を同時に発光させたような場合、光センサSCに2つの発光素子2951それぞれからの光ビームが同時に入射してしまう場合がある。その結果、各発光素子2951の光量を独立して求めることが困難となり、光量検出を高精度に行えない可能性がある。これに対して、本実施形態のように各発光素子2951を順次発光させる構成においては、このような問題の発生が抑制されている。よって、本実施形態では、各発光素子2951の光量を高精度に測定することが可能になっている。
【0085】
さらに、本実施形態は、算出された発光素子2951の光量に基づいて発光素子の駆動を制御している。具体的には、算出された光量がばらついており、所望の光量が実現されていない場合は、所望の光量が得られるように各発光素子2951の駆動を制御する。したがって、本実施形態では、各発光素子2951の間における光量のばらつきが抑制され、良好な露光が可能となっている。
【0086】
第2実施形態
図15は、本発明にかかるラインヘッドの第2実施形態における、光センサの配置を示す図である。また、図16は、幅方向から見た場合の図15の側面図である。図16においては、ヘッド基板裏面293Bに配置された部材の記載は省略されている。なお、以下の第2実施形態の説明では、主に第1実施形態との差異点について説明する一方、共通部分については相当符号を付して説明を省略する。
【0087】
第2実施形態では、遮光部材297と各光センサSCとの配置関係が第1実施形態と異なる。つまり、第2実施形態では、遮光部材の幅方向LTDの端部にはセンサ配置空間2979が設けられている。かかる配置空間2979は、幅方向LTD、長手方向LGDおよび鉛直方向のそれぞれに所定の大きさを有した略直方体状に形成されており、幅方向LTDにおいて遮光部材297の外側に向いて開口している。そして、第2実施形態では、このように遮光部材297に対して形成されたセンサ配置空間2979に光センサSCを配置している。その結果、第1実施形態の場合と比較して、より発光素子2951の近くに光センサSCを配置することができる。その結果、光センサSCによる光ビームの検出精度が向上しており、第2実施形態のラインヘッド29は好適である。
【0088】
ところで、発光素子2951から出た光ビームは、ヘッド基板293の表面293Aと裏面293Bとの間で反射を繰り返しながら基板の内部を進行して、光センサSCに到達する。一方、上述の通り、ヘッド基板293の裏面には配線WLが配置されている。その結果、発光素子2951から光センサSCに向う光ビームの反射がヘッド基板293の裏面293Bの配線WLに乱されて、光センサSCに到達する光ビームの光量が低下する場合がある。また、上述のようなラインヘッド29では、配線WLをヘッド基板裏面293Bに配置にあたって、接着層が設けられる場合がある。この場合、接着層により配線WLをヘッド基板裏面293Bに配置することとなるが、かかる接着層も光ビームの反射を乱す一因となりうる。さらには、発光素子2951を構成する機能膜の一部が、ヘッド基板裏面293Bに当接している場合もあり、この場合、かかる機能膜も光ビームの反射を乱す一因となりうる。そこで、次の第3実施形態のようにラインヘッド29を構成しても良い。
【0089】
第3実施形態
図17は、本発明にかかるラインヘッドの第3実施形態を示す図である。なお、以下の第3実施形態の説明では、上述の実施形態との差異点について説明する一方、共通部分については相当符号を付して説明を省略する。
【0090】
第3実施形態では、配線WLの配設態様において上記実施形態と異なる。つまり、第3実施形態では、ヘッド基板裏面293Bにおいて各発光素子2951から光センサSCに向う領域に設けられた配線WL2に対して、反射膜RCが設けられている。例えば、同図において、発光素子2951Aから光センサSCに向う領域ARに配線WL2が設けられている。そして、配線WLに対しては、反射膜RCが設けられている。かかる反射膜RCは、その上面がヘッド基板裏面293Bに密着して形成されている。また、反射膜RCの下面側には、配線WL2が設けられている。したがって、ヘッド基板裏面293に基板内部から入射した光ビームは、反射膜RCにより反射される。よって、ヘッド基板裏面293Bでの反射が配線WLにより乱されること無く、光ビームは光センサSCに到達することが可能となっている。さらには、反射膜RCの下側に対して、例えば先ほどの接着層や機能膜を形成しても良い。これにより、接着層および機能膜によって光ビームの反射が乱されるとの問題が抑制できる。その結果、光ビームを光センサSCに効率的に導くことができ、光ビームの検出精度が向上する。
【0091】
ところで、かかる反射膜RCは、アルミニウム等の金属により形成することができる。ここで問題となるのは、同じく金属である配線WLと、反射膜RCとのショートである。このような問題に対処すべく、次のような絶縁膜を設けることができる。
【0092】
図18は、ヘッド基板裏面の部分拡大図である。同図が示すように、反射膜RCは、その上面がヘッド基板裏面293Bに密着して形成されている。また、反射膜RCの下面側には、配線WL2が設けられている。しかも、同図に示す構成では、反射膜RCと配線WL2との間には、絶縁膜ISOが設けられている。そして、かかる絶縁膜ISOにより、反射膜RCと配線WLとのショートが防止される。なお、絶縁膜ISOの材料としては、例えば二酸化ケイ素(SiO)等を用いることができる。
【0093】
このように、上記実施形態では、ヘッド基板293が本発明の「基板」に相当し、ヘッド基板293の裏面293Bが本発明の「第1面」に相当し、ヘッド基板293の表面293Aが本発明の「第2面」に相当している。また、上記実施形態では、レンズLSが本発明の「結像レンズ」に相当し、光センサSCの受光面SCFが本発明の「受光領域」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、副走査方向SDが本発明の「移動方向」に相当し、感光体ドラム21の表面が本発明の「像面」に相当している。
【0094】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、光センサSCは、複数の発光素子2951に対して幅方向LTDの一方側に設けられているが、例えば、光センサSCを複数の発光素子2951に対して長手方向LGDの一方側に設けても良い。但し、上記実施形態の構成は次の点で好適である。つまり、複数の発光素子2951に対して幅方向LTDの一方側に光センサSCを設けることで、発光素子2951から光センサSCまでの距離を比較的短くでき、光センサSCに到達する光量を多くすることができる。その結果、光ビーム検出の精度が向上して良好な露光が実現可能となり、上記実施形態は好適である。
【0095】
また、上記実施形態では、複数の発光素子2951に対して幅方向LTDの一方側に複数の光センサSCが設けられているが、かかる構成は本発明に必須ではない。但し、全ての光センサSCを複数の発光素子2951に対して幅方向LTDの一方側にのみ設けた場合、次の点で好適である。つまり、この場合、光センサSCへの配線を幅方向LTDの両側から行う必要が無く、光センサSCに繋がる配線を簡素化することが可能となる。したがって、上記構成は好適である。
【0096】
また、上記実施形態では、複数の光センサSCが等ピッチで設けられているが、複数の光センサSCが等ピッチで配置されることは、本発明に必須ではない。但し、かかる構成は次の点で好適である。つまり、光センサSCが偏在していると、光センサSCの配置が密である領域の発光素子2951の光量検出精度は向上するが、光センサSCの配置が疎である領域の発光素子2951の光量検出精度は低下してしまう。これに対して、複数の光センサSCを等ピッチで配置した場合は、安定した検出精度で各発光素子2951からの光ビームを検出可能であり、上記実施形態は好適である。
【0097】
また、上記実施形態では、配線WLに接続される電子部品(駆動回路D295)を、ヘッド基板293の裏面293Bのうち、複数の発光素子2951に対して光センサSCと反対側の領域に設けているが、かかる構成は本発明に必須では無く、例えば、光センサSCと電子部品(駆動回路D295)とを同じ側の領域に設けても良い。但し、駆動回路D295は、電磁輻射が大きい。したがって、駆動回路D295を光センサSCの近くに配置した場合、光センサSCが光ビームを誤検出してしまう場合がある。こような、駆動回路D295と光センサSCとの干渉を抑制するにあたっては、駆動回路D295と光センサSCとを極力離して配置することが好適である。そこで、配線WLに接続される電子部品(駆動回路D295)を光センサSCと反対側の領域に設けた上記構成は、配線WLに接続される駆動回路D295と光センサSCとの干渉を抑制することが可能であり、好適である。
【0098】
また、上記実施形態では、センサ長さLsc(本発明の、「受光領域の長軸方向の長さ」に相当)は、各レンズ行LSRにおいて長手方向LGDに隣り合う2つのレンズLSの間のピッチLlsよりも長く設定されている。しかしながら、このようにセンサ長さLscを設定することは、本発明に必須の要件ではない。但し、レンズLSを長手方向LGDに並べたレンズ行LSRを構成するように複数のレンズLSを配置した上記構成においては、このようにセンサ長さLscを設定することは、次の点で好適である。つまり、上述のラインヘッド29は、各レンズLSに発光素子グループ295が対向して設けられている。その結果、上述のレンズ行LSRを構成するラインヘッド29にあっては、発光素子グループ295も長手方向LGDに並ぶこととなる。そして、このように長手方向LGDに並ぶ各発光素子グループ295からの光ビームが光センサSCの受光面SCFに入射する。したがって、受光面SCFの長手方向LGDの長さが、長手方向LGDに並ぶ2つの発光素子グループ295のピッチ(つまり、長手方向LGDに隣り合う2つのレンズLS間のピッチ)よりも短いと、これら2つの発光素子グループ295の間で、受光面SCFまでの距離にばらつきが発生する。その結果、光センサSCが良好に光ビームを検出できない場合があった。これに対して、センサ長さLscを、各レンズ行LSRにおいて長手方向LGDに隣り合う2つのレンズLSの間のピッチLlsよりも長く設定した構成は、上述のような2つの発光素子グループの間における受光面SCFまでの距離にばらつきを抑制することが可能である。その結果、良好な光ビーム検出が実現される。
【0099】
また、上記実施形態では、ヘッド基板293の表面293Aと裏面293Bとは互いに平行に構成されているが、表面293Aと裏面293Bとを互いに平行に構成することは本発明に必須ではない。但し、上記実施形態は次の点で好適である。つまり、上記実施形態のような構成では、上述の通り、光ビームは、表面293Aと裏面293Bとの間で全反射を繰り返しながらヘッド基板293内部を進行することができる。したがって、二仮センサSCに対して発光素子2951からの光ビームを効率的に導くことができる。その結果、光センサSCに入射する光量が多くなり、光ビームの検出精度が向上する。
【0100】
また、遮光部材297も上述の構成には限られず、例えば次のように遮光部材297を構成することもできる。図19は、遮光部材の別の構成を示す図である。図20は、図19の遮光部材297が有する遮光板を示す斜視図である。なお、図19は、長手方向LGDからラインヘッド29を見た場合に相当する。図19、図20に示すラインヘッド29と、上記実施形態のラインヘッド29との差異点は遮光部材297のみであるので、以下ではかかる差異点を主に説明し、その他の部分は相当符号を付して説明を省略する。
【0101】
図19、図20が示す実施形態では、遮光部材297は、遮光板2975と該遮光板2975を支持する板支持部材2973とを有する。遮光板2975は、その短軸が幅方向LTDに対応するとともに、その長軸が長手方向LGDに対応するように支持されている。また、遮光板2975は、レンズアレイ299とヘッド基板293との間に位置するとともに、レンズアレイ299及びヘッド基板293それぞれに対向して、支持されている。そして、遮光板2975には、各レンズLS(或いは、各発光素子グループ295)に対応する開口部2977が穿設されている。したがって、発光素子グループ295から射出された光ビームのうち、該発光素子グループ295に対応する開口部2977を通過した光ビームのみがレンズLSに入射する。このように、遮光板2975は、レンズLSに入射する光ビームの光量を調整する機能を有する。さらに次のように遮光部材297を構成することもできる。
【0102】
図21は、遮光部材の別の構成を示す図である。同図が示す遮光部材297では、遮光部材の幅方向LTDの一端部には、貫通孔2978が貫通形成されている。この貫通孔2978は、遮光部材297の外側から導光穴2971に向けて貫通形成されている。そして、かかる貫通孔2978に対して光センサSCが配置されている。しかも、このとき光センサSCは、その一部が導光孔2971に位置するように配置されている。したがって、光センサSCは、導光孔2971を通過する光ビームを直接検知することができる。その結果、光ビームの検出精度が向上し、図21の遮光部材2971を備えるラインヘッド29は好適である。
【0103】
また、上記実施形態では、ヘッド基板293の裏面293Bに駆動回路D295を設けているが、駆動回路D295の配設位置はヘッド基板293の裏面293Bに限られない。また、ヘッド基板293の裏面に駆動回路D295を配置しない場合は、例えば、フレキシブルプリント基板FPCを、ヘッド基板293の裏面に設けても良い。図22は、フレキシブルプリント基板FPCの配設態様を示す図である。つまり、同図が示すように、フレキシブルプリント基板FPCを発光素子2951に繋がる配線WLに接続するとともに、フレキシブルプリント基板FPCを介して、発光素子2951に駆動信号を与えても良い。なお、この場合、フレキシブルプリント基板FPC(電子部品)を、ヘッド基板293の裏面293Bのうち、複数の発光素子2951に対して光センサSCと反対側の領域に設けても良い。なんとなれば、このような構成は、配線WLに接続されるフレキシブルプリント基板FPCと光センサSCとの干渉を抑制することが可能であり、好適であるからである。
【0104】
また、上記実施形態では、光センサSCをヘッド基板293の表面293Aに設けているが、光センサSCの配設位置はこれに限られず、例えば、ヘッド基板293の端面293C(図14)に設けても良い。
【0105】
また、上記実施形態では、発光素子2951の光量検出を2個の光センサSCで行っているが、発光素子2951の光量検出を行う光センサSCの個数はこれに限られず、1個であっても良いし、3個以上であっても良い。
【0106】
また、上記実施形態では、各発光素子グループ295において、8個の発光素子2951が千鳥状に配置されているが、発光素子2951の個数や配置態様はこれに限られない。
【0107】
また、上記実施形態では、3行のレンズ行LSRを幅方向LTDに並べて配置しているが、レンズ行の行数は3行に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明を適用可能な画像形成装置の構成を示す図。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示す図。
【図3】第1実施形態におけるラインヘッドの概略を示す斜視図。
【図4】第1実施形態におけるラインヘッドの幅方向の断面図。
【図5】マイクロレンズアレイの概略を示す斜視図。
【図6】マイクロレンズアレイの長手方向の断面図。
【図7】ラインヘッドにおける発光素子グループの配置を示す図。
【図8】各発光素子グループにおける発光素子の配置を示す図。
【図9】ヘッド基板の裏面に配置された発光素子等の部材を示す図。
【図10】本明細書で用いる用語の説明図。
【図11】本明細書で用いる用語の説明図。
【図12】ラインヘッドによるスポット形成動作を示す図。
【図13】第1実施形態での光センサの配置を示す図。
【図14】第1実施形態での光センサの配置を示す図。
【図15】第2実施形態における光センサの配置を示す図。
【図16】幅方向から見た場合の図15の側面図。
【図17】ラインヘッドの第3実施形態を示す図。
【図18】ヘッド基板裏面の部分拡大図。
【図19】遮光部材の別の構成を示す図。
【図20】図19の遮光部材が有する遮光板を示す斜視図。
【図21】遮光部材のさらに別の構成を示す図。
【図22】フレキシブルプリント基板FPCの配設態様を示す図。
【符号の説明】
【0109】
21Y、21K…感光体ドラム(潜像担持体)、 29…ラインヘッド、 295…発光素子グループ、 2951…発光素子、 293…ヘッド基板(基板)、 293A…ヘッド基板の表面(第2面)、 293B…ヘッド基板の裏面(第1面)、 297…遮光部材、 299…レンズアレイ、 LS…レンズ(結像レンズ)、 LSR…レンズ行、 MD…主走査方向, SD…副走査方向、 LGD…長手方向(長軸方向)、 LTD…幅方向(短軸方向)、 SC,SC1,SC2,SC3,SC4…光センサ、 SCF…受光面(受光領域)、 WL…配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面に対向する第2面とを有するとともに光を透過する基板と、
発光素子グループ毎にグループ化して前記基板の第1面に設けられた複数の発光素子と、
前記基板の前記第2面側で前記発光素子グループに対向して該発光素子グループから射出された光ビームを像面に結像する結像レンズを、前記発光素子グループ毎に有するレンズアレイと、
複数の光センサと、
前記発光素子を発光させたときの前記光センサの検出値から該発光素子の光量を求める制御手段と
を備え、
前記制御手段では、前記発光素子に応じて前記光センサが選択されるとともに、選択された前記光センサの検出値により該発光素子の光量が求められ、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する前記発光素子については同じであることを特徴とするラインヘッド。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の発光素子を順次発光させて各発光素子の光量を求める請求項1記載のラインヘッド。
【請求項3】
前記制御手段は、求めた前記発光素子の光量に基づいて前記発光素子の駆動を制御する請求項2記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記結像レンズは、移動方向に移動する前記像面に向けて光ビームを結像し、
前記基板は、前記移動方向に対応する方向を短軸方向と、前記短軸方向に直交する方向を長軸方向とし、
前記複数の光センサは、前記複数の発光素子に対して前記短軸方向の一方側に設けられた請求項1ないし3のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項5】
前記複数の結像レンズは、結像レンズを前記長軸方向に並べたレンズ行を構成するように設けられており、
前記光センサは受光領域が前記第2面に対向して配置されるとともに、該受光領域の前記長軸方向の長さは、前記レンズ行において前記長軸方向に隣り合う2つの前記結像レンズ間のピッチよりも長い請求項4記載のラインヘッド。
【請求項6】
前記基板の前記第1面と前記第2面とは平行である請求項1乃至5のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項7】
ラインヘッドが有する複数の発光素子の光量を求める光量検出工程を備え、
前記ラインヘッドは、第1面と前記第1面に対向する第2面とを有して前記第1面に前記複数の発光素子が発光素子グループ毎にグループ化して設けられるとともに光を透過する基板と、前記基板の前記第2面側で前記発光素子グループに対向して該発光素子グループから射出された光ビームを像面に結像する結像レンズを前記発光素子グループ毎に有するレンズアレイと、複数の光センサとを有し
前記光量検出工程では、前記発光素子に応じて前記光センサが選択されるとともに、選択された前記光センサの検出値により該発光素子の光量が求められ、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する前記発光素子については同じであることを特徴とするラインヘッドの制御方法。
【請求項8】
潜像担持体と、
発光素子グループ毎にグループ化して前記基板の第1面に設けられた複数の発光素子と、
前記基板の前記第2面側で前記発光素子グループに対向して該発光素子グループから射出された光ビームを像面に結像する結像レンズを、前記発光素子グループ毎に有するレンズアレイと、
複数の光センサと、
前記発光素子を発光させたときの前記光センサの検出値から該発光素子の光量を求める制御手段と
を備え、
前記制御手段では、前記発光素子に応じて前記光センサが選択されるとともに、選択された前記光センサの検出値により該発光素子の光量が求められ、選択される光センサは同一の発光素子グループに属する前記発光素子については同じであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−23261(P2009−23261A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190023(P2007−190023)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】