説明

ラグ切断装置

【課題】本発明は、ラグ切断時発生温度が250度以下を維持できてブロック構造物の塗装や金属組織が損傷しないようにラグを除去することができるラグ切断装置を提供する。
【解決手段】本発明は、長手方向に沿ってスライディングレールが形成され、ラグの締結孔と結合しながら前記ラグに固定されるメインフレーム、前記メインフレームのスライディングレールに移動可能に結合される移送ユニット、及び前記移送ユニットに着脱可能に結合されて前記ラグを切断するカッター組立体を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラグ切断装置に関し、より詳細には船舶建造用ブロックに設置されているラグ(Lug)をブロック構造物の塗装や金属組織が損傷しないように除去できるラグ切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、船舶建造過程は、複数の単位ブロック(block)を予め製作した後、これらをクレーンを利用して積み上げていきながら相互連結する搭載工程を介して行われる。船舶建造工法の飛躍的な発展によりブロックは益々大型化している。従って、ブロックの製造が完了すると塗装工場で予め塗装した後に搭載工程を進行することになる。
【0003】
搭載工程において、大型ブロックを持ち上げたり所望の位置に移動させるために、製造されたブロックにはクレーン(crane)のフック(hook)を連結できるように締結孔が形成されたラグ(Lug)が設置される。
【0004】
前記ラグは、ブロックの適切な位置に複数が溶接設置されるが、大型化するブロックの荷重に耐えるために重さ100kg程度にまで至る重量物が使われることもある。
【0005】
図1は、船舶のブロックに装着されるラグの一実施形態を示した斜視図であり、図2はブロックに装着されたラグを炎切断することを示した正面図である。
【0006】
図1に示したように、一般にラグ1は、垂直方向に配置されるラグ本体5にクレーンのフック(図示せず)が挿入されて係止される円形の締結孔6が形成される。前記締結孔6の周縁領域には締結孔6の強度を補強する補強プレート7がラグ本体5の両側面に設置され、ラグ本体5の両側面にはブロックとの締結力を高めるように複数のリーブ4が装着されてもよい。
【0007】
図2に示したように、ラグ本体5とリーブ4の下部が、ブロック(B)の表面に溶接されて装着されたラグ1は、搭載工程終了後にはブロック(B)から除去されなければならない。
【0008】
前記ラグ1の除去作業には、ブロック(B)に溶接されたラグ1の下端部から高さ(h1)が15〜30mmを残すように炎(F)を利用して切断する方法が利用される。
【0009】
ラグ1の多くが切断された後、ブロック(B)に残余ラグ1の下端部(5a)をグラインドで除去する仕上げ工程が行われ、切断されたラグ1は、再生作業を介して再びブロック(B)に装着して使う。
【0010】
しかし、炎(F)切断方式によるラグ除去作業は、ラグ1の切断部位には略5,000K〜20,000K程度の高熱が与えられるため、ブロック(B)の塗装部位が損傷したりブロック(B)及びラグ1の金属組織が変化する問題が生じる。
【0011】
尚、切断後にブロック(B)に残っているラグ1の下端部(5a)を人が直接グラインダーを利用して除去するため、表面が不均一に切削されて、後処理作業を要するだけでなく多くの時間がかかる問題がある。
【0012】
また、切断されたラグ1を再使用するためには、不均一に切断された切断面を切り取らなければならないため、炎(F)切断後に残っているラグ1の高さ(h2)がさらに短くなって、再生効率が低くなる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このような問題を解決するために炎切断方式ではないカッティング方式のラグ切断装置に対する研究が進められているが、重量物であるラグを切断するためには強い切削力を有する切削刃を備えなければならないため、ラグ切断装置の大きさと重量が大きくなって構造が複雑となる問題がある。
【0014】
従って、実際ラグ除去作業現場で使えるように実用化されているカッティング方式の技術はなかなか見つからず相変らず、現状は炎切断方式に依存している。
【0015】
従って、本発明は、このような問題を解決するために発明したもので、本発明の目的は、ブロック構造物の塗装や金属組織が損傷しないように切削方式を介してラグ(Lug)を除去できるラグ切断装置を提供することである。
【0016】
また、本発明の他の目的は、ラグの切断位置に安定的に設置されると共に、ラグの切断面を均一に切削できて、ラグ再生効率を上げられるラグ切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、長手方向に沿ってスライディングレールが形成され、ラグの締結孔と結合されると共に前記ラグに固定されるメインフレーム、前記メインフレームのスライディングレールに移動可能に結合される移送ユニット、及び前記移送ユニットに着脱可能に結合されて前記ラグを切断するカッター組立体を含むラグ切断装置を提供する。
【0018】
前記メインフレームは、前記ラグが付着したブロック表面との水平を調節する水平調節部をさらに含んでもよい。
【0019】
前記水平調節部は、前記メインフレームの両端部を各々支持する一対の調節プレートと、一端が前記調節プレートに移動可能に挿入され、他端が前記ブロック表面に接触する調整スクリューを含んでもよい。
【0020】
前記メインフレームは、前記スライディングレールが形成されたベースと、前記ベースの中央下部に延長され前記ラグの締結孔に挿入されるボルトを備えるラグ締結部を含んでもよい。
【0021】
前記移送ユニットは、前記スライディングレールに沿って移動可能に装着されるスライディングプレート、前記スライディングレールの鉛直方向に移動可能に前記スライディングプレートに結合されるサドルプレート、及び前記サドルプレートに垂直な方向に移動可能に結合されるカッター着脱部を含んでもよい。
【0022】
前記移送ユニットは、前記スライディングプレートを移動させる手動ハンドル操作部と、前記サドルプレートと前記スライディングプレートとの間隔を調節する微調節スクリューをさらに含んでもよい。
【0023】
前記手動ハンドル操作部は、前記スライディングプレートに結合されるナット、前記ナットに移動可能に挿入され、前記メインフレームに設置されるスクリュー、及び前記スクリューの一端部に装着される手動ハンドルを含んでもよい。
【0024】
前記カッター着脱部は、前記サドルプレートに固定される固定ハウジング、前記固定ハウジングに移動可能に結合され、前記カッター組立体が装着されるスライドハウジング、前記固定ハウジングと前記スライドハウジングに設置されるシリンダー、及び前記スライドハウジングを前記固定ハウジングに対して移動させるように前記スライドハウジングと前記固定ハウジングに装着される移動スクリューを含んでもよい。
【0025】
前記カッター組立体は、回転しながらラグを切削する円形カッターと、前記円形カッターを回転させるモーターが装着され前記移送ユニットに着脱可能に結合されるクランピング部を含んでもよい。
【0026】
前記カッター組立体は、前記円形カッターを覆う安全カバーと、前記モーターの速度を減速させる減速機をさらに含んでもよい。
【0027】
前記クランピング部は、前記モーターと前記円形カッターをクランピングするクランプハウジング、及び前記クランプハウジングから延長され前記移送ユニットに着脱結合されるクランプベースを含んでもよい。
【0028】
一方、本発明は長手方向に沿ってスライディングレールが形成され、ブロック表面との水平を調節する水平調節部を備えラグの締結孔と結合しながら前記ラグ及びブロックに固定されるメインフレーム、前記メインフレームのスライディングレールに移動可能に結合されるスライディングプレートと、前記スライディングレールの鉛直方向に移動できるように前記スライディングプレートに結合されるサドルプレートと、前記サドルプレートに垂直な方向に移動可能に結合するカッター着脱部を備える移送ユニット、及び前記カッター着脱部に着脱可能に結合されて前記移送ユニットによって移動しながら前記ラグを切断するカッター組立体を含むラグ切断装置を提供する。
【0029】
前記カッター組立体は、回転しながらラグを切削する円形カッターと、前記円形カッターを回転させるモーターが装着され前記移送ユニットに着脱可能に結合されるクランピング部を含んでもよい。
【0030】
前記水平調節部は、前記メインフレームの両端部を各々支持する一対の調節プレートと、前記調節プレートに移動可能に挿入される調整スクリューを含んでもよい。
【0031】
前記移送ユニットは、前記スライディングプレートを移動させる手動ハンドル操作部と、前記サドルプレートと前記スライディングプレートとの間隔を調節する微調節スクリューをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明のラグ切断装置によると下記の効果がある。
第一に、本発明のラグ切断装置は、ラグ切断時の発生温度が250度以下を維持できるため、ブロック構造物の塗装や金属組織が損傷しないようにラグを除去することができる。
第二に、ラグの締結孔にラグ切断装置が固定されるため、ラグの切断位置に安定的に設置できてラグの切断面を均一に切削することができる。
第三に、X、Y、Z軸方向に移動しながら精度よくラグを切断できるため、切断されたブロックに後処理作業が簡便であるだけでなく切断されたラグの再生効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】船舶のブロックに装着されるラグの一実施形態を示した斜視図である。
【図2】ブロックに装着されたラグを炎切断することを示した正面図である。
【図3】本発明のラグ切断装置の一実施形態を示した正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の側面図である。
【図6】図3のラグ切断装置のA−A’線による側面分解図である。
【図7】ラグの締結孔にメインフレームのラグ締結部が固定されたことを示した図である。
【図8】移送ユニットの手動ハンドル操作部の平面構成図である。
【図9】移送ユニットの微調節スクリューに対する側面図である。
【図10】移送ユニットのカッター着脱部を示した側面構成図である。
【図11】カッター組立体の構成図である。
【図12】本発明のラグ切断装置を利用してラグを切断する順序を示した作業順序図である。
【図13】本発明のラグ切断装置の他の実施形態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、長手方向に沿ってスライディングレールが形成され、ラグの締結孔と結合しながら前記ラグに固定されるメインフレーム、前記メインフレームのスライディングレールに移動可能に結合される移送ユニット、及び前記移送ユニットに着脱可能に結合されて前記ラグを切断するカッター組立体を含むラグ切断装置を提供する。
【0035】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図を参照して詳細に説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付するに当たり、同じ構成要素について他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を付することに留意しなければならない。また、本発明を説明するに当たり、関連した公知構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にすると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0036】
図3は、本発明のラグ切断装置の一実施形態に係る正面図であり、図4は図3の平面図であり、図5は図3の側面図であり、図6は、図3のラグ切断装置のA−A’線による側面分解図であり、図7は、ラグの締結孔にメインフレームのラグ締結部が固定されるのを示した図であり、図8は、移送ユニットの手動ハンドル操作部の平面構成図であり、図9は、移送ユニットの微調節スクリューに対する側面図であり、図10は、移送ユニットのカッター着脱部に対する側面構成図であり、図11はカッター組立体の構成図である。
【0037】
本発明の一実施形態に係るラグ切断装置10は、長手方向に沿って複数のスライディングレール111、113、115が形成され、ラグ1の締結孔7と結合しながら前記ラグ1に固定されるメインフレーム100と、前記メインフレーム100のスライディングレール111、113、115に移動可能に結合される移送ユニット200と、前記移送ユニット200に着脱可能に結合されて前記ラグ1を切断するカッター組立体300を含んで構成できる。
【0038】
前記メインフレーム100は、本発明のラグ切断装置10の主要構成が装着されブロック(B)に溶接されたラグ1に着脱式に固定設置される。本実施形態において、ラグ1の締結孔7とメインフレーム100の固定方法としては、ボルト(bolt)を利用して結合することを例示したが、これに制限されず、ラグ1の締結孔7に固定できるならばリベット、磁石結合等多様な方法で変形実施可能である。
【0039】
前記メインフレーム100は、ラグ1を切断する場合、ラグ1に装着し切断作業終了後にはラグ1から分離できる。このように本発明は切削対象のラグ1に直接切削工具を装着させる技術であり、切削作業時に空間活用度と切断作業の精度を高められることを周知しなければならない。
【0040】
前記メインフレーム100は、アルミニウム材質から形成して荷重を軽くすることが好ましいが、これは作業者がメインフレーム100をラグ1に簡単に脱付着できる効果を提供する。
【0041】
前記メインフレーム100は、図3乃至図6を参照すると、より具体的には、スライディングレール111、113、115が形成されたベース110と、前記ベース110の中央下部に延長されたラグ締結部120と、ラグ1が付着したブロック(B)表面との水平を調節してメインフレーム100がラグ1とブロック(B)に安定的に固定されるようにする水平調節部130を備える。
【0042】
前記ベース110は、図5に示したように断面が四角形状を有し、ラグ1の長手方向に沿って長く配列されるバーで構成できる。前記ベース110の上部面には一つのスライディングレール111が用意され、ベース110の側面には長手方向に沿って2つのスライディングレール113、115が形成される。それのために、ベース110の側面一側は、前記2つのスライディングレール113、115が位置するように長く延長された形状を有してもよい。
【0043】
前記スライディングレール111、113、115は、本実施形態のようにLM(Linear Motion)ガイドの一部分を構成し、ガイドブロックと結合されるガイドレール状に用意されてもよく、溝が形成された形態で変形実施されてもよい。LMガイドは、安定的で精度よい移送を保障すると知られている。従って、LMガイドを採用する本発明のラグ切断装置は、ラグの長手方向に沿って移送しながらラグを切断する間に押される現象や振動の影響を減らすことができる。
【0044】
前記スライディングレールは、本実施形態のように複数ではなく少なくとも一つ以上で用意されるように構成してもよいことはいうまでもなく、前記スライディングレールの数と形状に応じて前述したベースの形状も変形される。
【0045】
前記ベース110の中央下部に鉛直方向に長く用意されたラグ締結部120は、ラグ1の締結孔7に前記メインフレーム100が固定されるようにラグ1と直接接触する。
【0046】
前記ラグ締結部120は、図6及び図7に示したようにラグ1の締結孔7に挿入される締結ボルト121が装着され、ラグ1の側面に接触される締結板125と、前記締結ボルト121と締結されてラグ1と締結板125の位置を固定する締結ナット123で構成されてもよい。
【0047】
前記締結ボルト121は、ラグ1の締結孔7に挿入されるように締結孔7に対応する形状を有し、締結ナット123には前記締結ボルト121に対応するねじ山が形成される。前記締結ボルト121と締結ナット123との間には、ワッシャー(図示せず)等締結板125とラグ1の締結力を強化する部材がさらに使用されてもよい。
【0048】
ここで、本実施形態におけるラグ1は、前述したように締結孔7の強度を補強する補強プレート6が備えられるため、前記締結板125はラグ1の補強プレート6と接触しながらラグ1に固定される。しかし、補強プレート6が備えられないラグ1は、締結板125とラグ本体5が直接接触する。ここで、締結板125は接触するラグ1の形状に対応するようにいずれの形に変形できる。
【0049】
このようにラグ締結部120を介してメインフレーム100は、ラグ1の締結孔7に結合してその位置が固定される。しかし、前述したメインフレーム100が長いバー状を有するため、より安定的でかつ均衡的な固定状態を考慮する必要がある。
【0050】
それのためにメインフレーム100の構成に付加される前記水平調節部130は、前記ベース110の両端部を各々支持する一対の調節プレート131と、一端が前記調節プレート131に移動可能に挿入され、他端が前記ブロック(B)表面に接触する調整スクリュー135を含んでもよい。
【0051】
前記調節プレート131は、ラグ締結部120を中心にする位置でベース110の両端部から各々下部に延長されるように用意される。前記調節プレート131には調整スクリュー135が移動可能に結合されるようにねじ山が形成される。従って、前記調整スクリュー135は、回転によって前記調節プレート131の内側及びブロック(B)の表面に対して昇下降できる。
【0052】
前記水平調節部130は、前記ラグ締結部120と共にラグ1を固定させる支持点の役割を果たし、ブロック(B)に前記メインフレーム100が安定的に支持されるようにする。
【0053】
このような水平調節部130を介して、作業者はメインフレーム100をラグ1に装着する過程において、ベース110の両側の水平高さを合わせることができる。例えば、カッター組立体300の円形カッター31の高さが、10mm以内でメインフレーム100の上面との傾きが水平となるように調整できる。
【0054】
従って、ラグ締結部120によりラグ1に装着されたメインフレーム100をより安定的に固定することができる。そして、メインフレーム100に装着されラグ1を切断するカッター組立体300は、切断面が均一になるようにラグ1を切断できるようになる。
【0055】
一方、移送ユニット200は、前述したメインフレーム100に装着されカッター組立体300が図面に示したようにX、Y、Z方向に移動しながらラグ1を切断できるようにカッター組立体300を移送させる役割を果たす。
【0056】
ここで、X軸はラグ1の長手方向、Y軸はラグ1の切断高さ、Z軸はラグ1の厚さ方向を意味する。
【0057】
前記移送ユニット200は、より詳細には、図5及び図6に示したように、前記メインフレーム100のスライディングレール111に沿って移動可能に装着されるスライディングプレート210と、前記スライディングレール111の長手方向に対して垂直方向に移動可能に前記スライディングプレート210に結合されるサドルプレート230と、前記サドルプレート230に垂直方向に移動可能に結合されるカッター着脱部250を含んで構成されてもよい。
【0058】
前記スライディングプレート210は、前記ベース110の上部面と側面に配置されているため、これに対応する形状でベース110の上部面と側面を覆うように折曲状に設けられてもよい。前記スライディングプレート210の下部面と内側面には、各スライディングレール111、113、115と結合されるガイドブロック211、213、215が装着され、前記スライディングプレート210は前記スライディングレール111、113、115に沿ってX軸方向に移動可能になる。
【0059】
前記スライディングプレート210は、手動ハンドル操作部220により作業者が動かせるように構成される。
【0060】
前記手動ハンドル操作部220は、図6及び図8に示したように前記スライディングプレート210に結合される移送ナット225と、前記移送ナット225に移動可能に挿入され前記メインフレーム100に設置されるスクリュー223と、前記スクリュー223の一端部に装着される手動ハンドル221を含んでもよい。
【0061】
前記移送ナット225は、ベース110の上部に位置したスライディングプレート210の下部面に装着され、前記スクリュー223は、前記移送ナット225に挿入されるため、前記スクリュー223の回転により移送ナット225はその位置が変化しながら前記スライディングプレート210をX軸方向に移動させることができる。
【0062】
このため、作業者が手動ハンドル221を回転するとスクリュー223が回転しながら移送ナット225がスライディングプレート210を移動させ、スライディングプレート210はスライディングレール111、113、115に沿ってX軸方向に移動することができる。前記手動ハンドル221は、折りたたみ可能に構成でき、手動ハンドル221は使用時に広げられ使用後には折り畳むことができる。
【0063】
前記サドルプレート230は、スライディングプレート210に移動可能に結合されるが、楔状で相互スライディングできるように接触し、本実施形態においてはスライディングプレート210の側面外側に位置して微調節スクリュー240によってY軸方向に移動することができる。
【0064】
前記微調節スクリュー240は、前記スライディングプレート210とサドルプレートとの間隔を調節しながら前記サドルプレート230をY軸方向に移動させる。即ち、使用者が微調節スクリュー240を一方向に回転すると、サドルプレート230がスライディングプレート210の面に沿ってY軸下方に移動でき、反対方向に回転すると、Y軸上方に移動することができる。
【0065】
従って、前記微調節スクリュー240の操作でサドルプレート230はY軸に高さが微調節でき、後述するカッター着脱部250の高さが調節されるため、切断されるラグ1の高さを微調節できる。即ち、ラグ1の切削高さを5〜7mmに定めて、ラグ1の切削完了後に後処理工程をなくし、または仕上げを単純化できる。
【0066】
前記カッター着脱部250は、カッター組立体300が装着される部分であり、サドルプレート230の長手方向に対して垂直方向、即ちZ軸方向に移動可能に結合される。
【0067】
より詳細には、前記カッター着脱部250は、図5に示したように前記サドルプレート230に固定される固定ハウジング251と、前記固定ハウジング251に移動可能に結合され前記カッター組立体300が装着されるスライドハウジング255と、前記固定ハウジング251と前記スライドハウジング255に設置されるシリンダー254と、前記スライドハウジング255を前記固定ハウジング251に対して移動させるように前記スライドハウジング255と前記固定ハウジング251に装着される移動スクリュー253を含んで構成される。
【0068】
作業者が移動スクリュー253を手動で回転すると、前記移動スクリュー253は、固定ハウジング251の内部で回転移動しながらスライドハウジング255をサドルプレート230に対して接近または離隔するように移動させる。前記シリンダー254は、前記移動スクリュー253の外側に位置すると共に、前記スライドハウジング255の移動方向をガイドする。
【0069】
図6には、スライドハウジング255がZ軸の左側方向に完全に移動して前記サドルプレート230と密着した状態が示されており、図10には、前記スライドハウジング255がZ軸の右側方向に移動して前記サドルプレート230と離隔された状態が示されている。
【0070】
前記スライドハウジング255の周縁には、前記カッター組立体300のクランプベース333が締結ボルト121によって着脱結合される。前記クランプベース333は、図11に示したように、内部にスライドハウジング255が挿入できる円形の挿入孔335と、前記スライドハウジング255の周縁領域にボルト339が締結されるように複数のボルト孔334が形成される。従って、スライドハウジング225に装着されるカッター組立体300は、前記スライドハウジング255と共にZ軸方向に移動することができる。即ち、カッター組立体300がラグ1を切削する場合、ラグ1の厚さ方向に移動しながら切削が進行される。
【0071】
前記カッター組立体300は、前述した移動ユニットに着脱結合されてラグ1を切削する方式でブロック(B)から除去できることは前述した通りである。
【0072】
図5及び図6を参照してこれをより詳細に説明すると、前記カッター組立体300は、回転しながらラグ1を切削する円形カッター310と、前記円形カッター310を回転させるモーター360と、前記モーター360の速度を減速させる減速機340と、前記円形カッター310を覆う安全カバー320と、前述したカッター組立体300の構成が装着され前記移送ユニット200に着脱可能に結合されるクランピング部330を含んでなる。
【0073】
前記円形カッター310は、複数の超硬合金(hardmetal cemented carbide)チップ(tip)が約1000個溶接された円形の切削工具として提供される。即ち、超硬合金コーティング(hard facing)が行われた円形カッター310は、硬度と耐摩耗性が向上して、金属材質のラグ1を切削するのに高い性能を示して寿命が延びる効果がある。
【0074】
前記円形カッター310を回転させるモーター360としては、3,000RPMで回転するサーボモーター(servo motor)が使われ、前記減速機340は軸直角方式の減速機340が使われてもよい。
【0075】
前記軸直角減速機は、前記サーボモーターから高速の回転力を伝達されて切削に必要な速度に減速すると共にモーター360の回転方向を直角方向に出力方向を変換する。従って、円形カッター310がブロック(B)の水平方向に位置すると共に適切な切削速度で回転しながらラグ1を切断できるようにする。
【0076】
前記減速機340は、ラグ1の効率的な切断のために、例えば減速比(i)が1/12.5で200RPMと12.5Kgf.mのトルクを発生して、前記円形カッター310を回転することができる。
【0077】
前記安全カバー320は、切削中に発生する粉塵や炎等が作業者に飛散されることを防止するように、前記円形カッター310の上部を覆う形態で構成され、ラグ1と隣接した部位は露出するように構成してもよい。
【0078】
前記クランピング部330は、前述した円形カッター310、安全カバー320、減速機340、モーター360(減速機340に連結される)が装着される部分であり、前記モーター360と前記円形カッター310をクランピングするクランプハウジング331と、前記クランプハウジング331で延長され前記移送ユニット200に着脱結合されるクランプベース333を含んで構成されてもよい。
【0079】
前記クランプハウジング331の下部には安全カバー320と円形カッター310が位置し、クランプハウジング331の側面には減速機340、モーター360が位置する。尚、クランプハウジング331の上部には移送ユニット200と着脱結合できるように延長されたクランプベース333が位置する。
【0080】
前記クランプベース333は、図9に示したように内部に前記移送ユニット200のスライドハウジング255が挿入できる円形の挿入孔335と、前記スライドハウジング255の周縁領域にボルト339結合できる複数のボルト孔334が形成される。従って、カッター組立体300は、前記スライドハウジング255と共にZ軸方向に移動することができる。
【0081】
このように構成されるカッター組立体300は、前述した移動ユニット200に着脱結合されてX、Y、Z軸方向に移送しながらラグ1の長手方向、高さ方向、幅方向を移動しながら精度よく切削することができる。
【0082】
従って、本発明のラグ切断装置は、ラグ切断時の発生温度が250度以下を維持できるため、高温の炎切断方式に比べてブロック構造物の塗装や金属組織が損傷しないようにラグを除去することができる。そして、ラグの締結孔にラグ切断装置が固定されるため、ラグの切断位置に安定的に設置できるため、ラグの切断面を均一に切削することができる。
【0083】
また、X、Y、Z軸方向に移動しながら精度よくラグを切断できるため、切断されたブロックに後処理作業が簡便なだけでなく切断されたラグの再生効率を上げることができる。
【0084】
図12は、本発明のラグ切断装置を利用してラグを切断する順序を示した作業順序図である。前述した図面と図12を参照して切断方法について説明する。
【0085】
ブロック(B)に装着されたラグ1が大型化されて厚さが厚い場合には、ラグ1の左側面と右側面にラグ切断装置10のメインフレーム100を各々脱着させながら作業を行わなければならない。これは一度に円形カッター310がラグ1を切削できる厚さには限界があり、ラグ1に複数のリーブ4が付着している構造的な状況に起因する。
【0086】
まず、A位置に本発明のラグ切断装置10が装着されると、カッター組立体300を移送ユニット200に付着してY軸方向にラグ1の切削高さを微調節する。すると、円形カッター310は、(1)の位置でラグ1の付着したリーブ4の下端部分を切削し始める。この時、円形カッター310は、Z軸の左側方向に移動しながら右側下端に示されたリーブ4を切断する。
【0087】
前記リーブ4が切断された後、カッター組立体300を移送ユニット200から分離し、移送ユニット200を(2)の位置に移送する。続いて、カッター組立体300を再び移送ユニット200に付着して円形カッター310をZ軸とX軸方向に移送しながらラグ本体5の下部を切削する。
【0088】
継続的にX軸方向に円形カッター310を移動しながら右側上端に位置したリーブ4を切断して、(3)の位置にまで来ると右側に位置したラグ本体5の下部及び2つのリーブ4が切断される。
【0089】
次に、ラグ切断装置10のメインフレーム100をラグ1から分離して前記ラグ切断装置10がB位置に置かれるように装着する。
【0090】
続いて、前述した(1)、(2)、(3)の順と同様に(4)、(5)、(6)の過程を行いながらラグ1はブロック(B)から完全に切断される。
【0091】
このように本発明のラグ切断装置は大型化されるラグを高温の炎切断方式を使わずに除去することができる。また、X、Y、Z軸方向に移動しながら精度よくラグを切断できるため、切断されたブロックに後処理作業が簡便なだけでなく切断されたラグの再生効率を上げることができる。
【0092】
図13は、本発明のラグ切断装置の他の実施形態に係る正面図であり、前述した実施形態と異なる部分だけについて説明する。本実施形態のラグ切断装置は、ラグ1に形成されたリーブ4の形状に対応するようにリーブ4を覆う複数のリーブ安着溝116、117が形成された補助フレーム140をさらに備えてもよい。
【0093】
前記補助フレーム140は、メインフレーム100と結合しながらラグ1の固定位置を精度をよくし、切削作業時の前記メインフレーム100が振動によって震える影響を減らす効果を提供する。
【0094】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明しただけであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変更ができる。従って、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈すべきであり、それを同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0095】
1 ラグ
4 リーブ
5 ラグ本体
6 補強プレート
7 締結孔
10 ラグ切断装置
100 メインフレーム
110 ベース
111 スライディングレール
121 締結ボルト
120 ラグ締結部
130 水平調節部
131 調節プレート
135 調整スクリュー
200 移送ユニット
210 スライディングプレート
220 手動ハンドル操作部
230 サドルプレート
240 微調節スクリュー
250 カッター着脱部
300 カッター組立体
310 円形カッター
320 安全カバー
330 クランピング部
340 減速機
360 モーター


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿ってスライディングレールが形成され、ラグの締結孔と結合しながら前記ラグに固定されるメインフレーム、
前記メインフレームのスライディングレールに移動可能に結合される移送ユニット、及び
前記移送ユニットに着脱可能に結合されて前記ラグを切断するカッター組立体を含むことを特徴とする、ラグ切断装置。
【請求項2】
前記メインフレームは、前記ラグが付着したブロック表面との水平を調節する水平調節部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のラグ切断装置。
【請求項3】
前記水平調節部は、前記メインフレームの両端部を各々支持する一対の調節プレートと、一端が前記調節プレートに移動可能に挿入され他端が前記ブロック表面に接触する調整スクリューを含むことを特徴とする、請求項2に記載のラグ切断装置。
【請求項4】
前記メインフレームは、前記ラグに形成されたリーブの形状に対応するようにリーブを覆う複数のリーブ安着溝が形成された補助フレームをさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のラグ切断装置。
【請求項5】
前記メインフレームは、前記スライディングレールが形成されたベースと、前記ベースの中央下部に延長され前記ラグの締結孔に挿入されるボルトを備えるラグ締結部を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のラグ切断装置。
【請求項6】
前記移送ユニットは、
前記スライディングレールに沿って移動可能に装着されるスライディングプレート、
前記スライディングレールの長手方向に対して垂直方向に移動可能に前記スライディングプレートに結合されるサドルプレート、及び
前記サドルプレートに垂直な方向に移動可能に結合されるカッター着脱部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラグ切断装置。
【請求項7】
前記移送ユニットは、
前記スライディングプレートを移動させる手動ハンドル操作部と、
前記サドルプレートと前記スライディングプレートとの間隔を調節する微調節スクリューをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のラグ切断装置.
【請求項8】
前記手動ハンドル操作部は、
前記スライディングプレートに結合される移送ナット、
前記移送ナットに移動可能に挿入され前記メインフレームに設置されるスクリュー、及び前記スクリューの一端部に装着される手動ハンドルを含むことを特徴とする、請求項7に記載のラグ切断装置。
【請求項9】
前記カッター着脱部は
前記サドルプレートに固定される固定ハウジング、
前記固定ハウジングに移動可能に結合され前記カッター組立体が装着されるスライドハウジング、
前記固定ハウジングと前記スライドハウジングに設置されるシリンダー、及び
前記スライドハウジングを前記固定ハウジングに対して移動させるように前記スライドハウジングと前記固定ハウジングに装着される移動スクリューを含むことを特徴とする、請求項6乃至8のうちいずれか一つに記載のラグ切断装置。
【請求項10】
前記カッター組立体は、
回転しながらラグを切削する円形カッターと、
前記円形カッターを回転させるモーターが装着され前記移送ユニットに着脱可能に結合されるクランピング部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラグ切断装置。
【請求項11】
前記カッター組立体は
前記円形カッターを覆う安全カバーと、
前記モーターの速度を減速させる減速機をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のラグ切断装置。
【請求項12】
前記クランピング部は、
前記モーターと前記円形カッターをクランピングするクランプハウジング、及び
前記クランプハウジングで延長され前記移送ユニットに着脱結合されるクランプベースを含むことを特徴とする、請求項10または11に記載のラグ切断装置。
【請求項13】
長手方向に沿ってスライディングレールが形成され、ブロック表面との水平を調節する水平調節部を備え、ラグの締結孔と結合しながら前記ラグ及びブロックに固定されるメインフレーム、
前記メインフレームのスライディングレールに移動可能に結合されるスライディングプレートと、前記スライディングレールの長手方向に対して垂直方向に移動可能に前記スライディングプレートに結合されるサドルプレートと、前記サドルプレートに垂直方向に移動可能に結合するカッター着脱部を備える移送ユニット、及び
前記カッター着脱部に着脱可能に結合され前記移送ユニットによって移動しながら前記ラグを切断するカッター組立体を含むことを特徴とする、ラグ切断装置。
【請求項14】
前記カッター組立体は、
回転しながらラグを切削する円形カッターと、
前記円形カッターを回転させるモーターが装着され前記移送ユニットに着脱可能に結合されるクランピング部を含むことを特徴とする、請求項13に記載のラグ切断装置。
【請求項15】
前記水平調節部は、前記メインフレームの両端部を各々支持する一対の調節プレートと、前記調節プレートに移動可能に挿入される調整スクリューを含むことを特徴とする、請求項13に記載のラグ切断装置。
【請求項16】
前記移送ユニットは、
前記スライディングプレートを移動させる手動ハンドル操作部と、
前記サドルプレートと前記スライディングプレートとの間隔を調節する微調節スクリューをさらに含むことを特徴とする、請求項13乃至15のうちいずれか一つに記載のラグ切断装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−509311(P2013−509311A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537795(P2012−537795)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004300
【国際公開番号】WO2011/059158
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512116413)
【氏名又は名称原語表記】LEE,Jung Hwa
【Fターム(参考)】