説明

ラジアルタービンホイール

【課題】異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体がラジアルタービンホイールを通過する際に合流しないようにして、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができるラジアルタービンホイールを提供すること。
【解決手段】半径方向外側に位置して第1の流路を形成する複数枚の第1のブレード84と、半径方向内側に位置して第2の流路を形成する複数枚の第2のブレード81と、これら第2のブレード81の根元部に配置されるハブ82と、前記根元部と反対側に位置する前記第2のブレード81の先端部に配置されて、前記第1の流路と前記第2の流路とを仕切るシュラウド83と、を同軸上に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアルタービンホイールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体を取り扱うラジアルタービンホイールとしては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0115875号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたものでは、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体がラジアルタービンホイールを通過する際に合流してしまう(互いに混じり合ってしまう)。そのため、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができないといった問題点があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体がラジアルタービンホイールを通過する際に合流しないようにして、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができるラジアルタービンホイールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係るラジアルタービンホイールは、半径方向外側に位置して第1の流路を形成する複数枚の第1のブレードと、半径方向内側に位置して第2の流路を形成する複数枚の第2のブレードと、これら第2のブレードの根元部に配置されるハブと、前記根元部と反対側に位置する前記第2のブレードの先端部に配置されて、前記第1の流路と前記第2の流路とを仕切るシュラウドと、を同軸上に備えている。
【0007】
本発明に係るラジアルタービンホイールによれば、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体が当該ラジアルタービンホイールを通過する際に合流してしまうのを防止する(回避する)ことができる。
その結果、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができる。
【0008】
本発明に係るラジアルタービンは、上記ラジアルタービンホイールを具備している。
【0009】
本発明に係るラジアルタービンによれば、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体が当該ラジアルタービンを通過する際に合流してしまうのを防止する(回避する)ことができる。
その結果、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができる。
【0010】
本発明に係るターボチャージャは、上記ラジアルタービンホイールを具備している。
【0011】
本発明に係るターボチャージャによれば、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体が当該排気タービン過給機を通過する際に合流してしまうのを防止する(回避する)ことができる。
その結果、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るラジアルタービンホイールよれば、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体がラジアルタービンホイールを通過する際に合流しないようにして、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンを具備した排熱回収発電装置が船舶の推進用主機の排熱回収として適用された一具体例を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンの縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るラジアルタービンホイールの斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンの側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンの縦断面図である。
【図6】図5のA−A矢視断面図である。
【図7】図5のB−B矢視断面図である。
【図8】図5のC−C矢視断面図である。
【図9】図5のD−D矢視断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るラジアルタービンホイールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るラジアルタービンホイールについて、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンを具備した排熱回収発電装置が船舶の推進用主機の排熱回収として適用された一具体例を示す概略図、図2は本実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンの縦断面図、図3は本実施形態に係るラジアルタービンホイールの斜視図である。
【0015】
図1において破線で囲まれた領域が排熱回収発電装置8を示しており、この排熱回収発電装置8は、例えば、船舶の推進用主機(ディーゼルエンジン40;内燃機関)の排熱回収として適用され得るものである。
【0016】
排熱回収発電装置8は、第1サイクル9と第2サイクル10の二つの有機流体経路を有する。第1サイクル9は、第1循環ポンプ31と、第1流量調整弁(図示せず)と、第1蒸発器12と、(二段式)ラジアルタービン33と、第1凝縮器35とを備えている。第2サイクル10は、第2循環ポンプ38と、第2流量調整弁(図示せず)と、第2蒸発器22と、ラジアルタービン33と、第2凝縮器39と、を備えている。ラジアルタービン33は、減速機36を介して発電機34が接続されている。
【0017】
第1サイクル9と第2サイクル10とは、それぞれ別々の閉回路とされ、第1サイクル9内に存する有機流体は、第1循環ポンプ31によって第1サイクル9内を循環し、第2サイクル10内に存する有機流体は、第2循環ポンプ38によって第2サイクル10内を循環する。第1サイクル9の圧力および流量は、第1流量調整弁によって調整され、第2サイクル10の圧力および流量は、第2流量調整弁によって調整される。
【0018】
第1サイクル9と第2サイクル10の有機流体経路を流れる有機流体としては、イソペンタン、ブタン、プロパン等の低分子炭化水素や、冷媒として用いられるR134a、R245fa等を用いることができる。第1サイクル9内に存する有機流体は、第1循環ポンプ31、第1蒸発器12、ラジアルタービン33、第1凝縮器35を順次通過して相変化を繰り返しながら循環する。第2サイクル10内に存する有機流体は、第2循環ポンプ38、第2蒸発器22、ラジアルタービン33、第2凝縮器39を順次通過して相変化を繰り返しながら循環する。
【0019】
第1蒸発器12は、流路56を流れる熱媒水が第1空気冷却器46や排ガスエコノマイザ(排ガス熱交換器)55にて回収した熱によって、第1循環ポンプ31から送られた液相の有機流体を加熱し、有機流体を気相に変化させる。なお、第1空気冷却器46は、熱媒水と熱交換することで、ディーゼルエンジン40のターボチャージャ(過給器)42から吐出された圧縮空気を冷却する。また、排ガスエコノマイザ55は、熱媒水と熱交換することで、ディーゼルエンジン40から排出された排ガスを冷却する。
【0020】
第2蒸発器22は、第1蒸発器12と同様、流路56を流れる熱媒水が第1空気冷却器46や排ガスエコノマイザ(排ガス熱交換器)55にて回収した熱によって、第2循環ポンプ38から送られた液相の有機流体を加熱し、有機流体を気相に変化させる。
【0021】
ラジアルタービン33には、第1サイクル9の第1蒸発器12で蒸発した有機流体と、第2サイクル10の第2蒸発器22で蒸発した有機流体とが導入される。そして、ラジアルタービン33は、第1蒸発器12によって蒸発した有機流体の熱落差(エンタルピー落差)と、第2蒸発器22によって蒸発した有機流体の熱落差(エンタルピー落差)とによって回転駆動される。
【0022】
ラジアルタービン33の回転動力は発電機34に伝達され、発電機34にて電力が得られるようになっている。発電機34で得られた電力は、図示しない電力線を介して船内系統へと供給される。ラジアルタービン33を通過した有機流体は、第1凝縮器35および第2凝縮器39にて海水によって冷却されて凝縮液化する。凝縮液化した有機流体は、第1循環ポンプ31によって第1蒸発器12へと送られ、第2凝縮ポンプ38によって第2蒸発器22へと送られる。
【0023】
つぎに、排熱回収経路56について説明する。
排熱回収経路56は閉回路とされており、熱媒水を循環させるための排熱回収用ポンプ60が設けられている。この排熱回収用ポンプ60によって、熱媒水は、第1空気冷却器46、排ガスエコノマイザ55、第1蒸発器12、および第2蒸発器22と熱交換するように循環する。第1蒸発器12および第2蒸発器22にて冷却された熱媒水は、減圧弁(図示せず)を介して大気圧ドレンタンク58に回収される。排熱回収用ポンプ60から第1蒸発器12および第2蒸発器22に送られる熱媒水の流量は、排熱回収経路56に設けられた給水制御弁61で調整される。
【0024】
第1蒸発器12の熱媒水入口温度は、例えば、約196℃、熱媒水出口温度は、例えば、約70℃とされる。この第1蒸発器12にて、熱媒水によって有機流体が蒸発させられる。
【0025】
排ガスエコノマイザ55の高温側(排ガス流れ上流側)には、コンポジットボイラ54が設けられている。コンポジットボイラ54は、蒸気ドラム64と循環ポンプ65と蒸発器44と、を備えている。蒸気ドラム64内の水は蒸発器44に送られ、蒸発器44にて排ガスと熱交換して蒸発する。
【0026】
蒸発器44にて蒸発した蒸気は、蒸気ドラム64へと導かれる。この蒸気ドラム64の上方に滞留する蒸気は、補助装置へと導かれ、その後大気圧ドレンタンク58に回収される。蒸気ドラム64内の水位は、蒸気ドラムレベル制御弁62によって調整され、大気圧ドレンタンク58から蒸気ドラム64へボイラ給水ポンプ63によって水が供給される。
【0027】
つづいて、上記排熱回収発電装置8の動作について図1を用いて説明する。
ディーゼルエンジン40のターボチャージャ42によって圧縮された空気は、第1空気冷却器46と第2空気冷却器47によって冷却される。この際に第1空気冷却器46内を流れる排熱回収経路56の熱媒水が圧縮空気によって昇温させられることによって、熱媒水は圧縮空気から熱を回収する。第1空気冷却器46にて熱回収した後の熱媒水温度は、例えば、約142℃とされる。
【0028】
ディーゼルエンジン40から排出された排ガスは、コンポジットボイラ54の蒸発器44と排ガスエコノマイザ55によって冷却される。この際に排ガスエコノマイザ55を流れる排熱回収経路56の熱媒水が排ガスによって昇温させられることによって、熱媒水は排ガスから熱を回収する。排ガスエコノマイザ55にて熱回収した後の熱媒水温度は、例えば、約196℃とされる。
【0029】
第1空気冷却器46と排ガスエコノマイザ55で排熱を回収して高温となった熱媒水は、第1蒸発器12へ導かれ、第1サイクル9を循環する有機流体と熱交換される。一方、第1空気冷却器46で排熱を回収して高温となった熱媒水は、第2蒸発器22へ導かれ、第2サイクル10を循環する有機流体と熱交換される。第1サイクル9および第2サイクル10を循環する有機流体は、第1蒸発器12および第2蒸発器22にて熱媒水の顕熱によって加熱され蒸発気化する。
【0030】
蒸発気化して高エンタルピとなった有機流体は、ラジアルタービン33へと導かれ、その熱落差によってラジアルタービン33を回転駆動させる。ラジアルタービン33の回転出力を得て、発電機34にて発電が行われる。ラジアルタービン33にて仕事を終えた有機流体(気相)は、第1凝縮器35または第2凝縮器39へと導かれ海水等の冷却水によって冷却されることにより凝縮液化する。
【0031】
図2に示すように、ラジアルタービン33は、ケーシング2と、ケーシング2に軸支されて回転する回転軸3と、回転軸3の一端部外周に取り付けられて回転軸3とともに回転するラジアルタービンホイール4と、を備えている。
ケーシング2には、第1サイクル9に接続される(第1)有機流体入口71および(第1)有機流体出口74と、第2サイクル10に接続される(第2)有機流体入口73および(第2)有機流体出口72と、を備えている。また、ケーシング2内には、有機流体入口71から流入した有機流体を、ラジアルタービンホイール4の半径方向外側(外周側)に設けられた(第1)流路77の入口に導く(第1の)スクロール(ボリュート)78と、流路77の出口から流出した有機流体を有機流体出口74に導く出口チャンバ79と、有機流体入口73から流入した有機流体を、ラジアルタービンホイール4の半径方向内側(内周側)に設けられた(第2)流路75の入口に導く(第2の)スクロール(ボリュート)76と、を備えている。
【0032】
なお、有機流体入口71は、図2において紙面手前側に開口するように形成され、有機流体出口74は、図2において紙面奥側に開口するように形成されている。
また、有機流体入口73は、図2において上側に開口するように形成され、有機流体出口72は、図2において左側に開口するように形成されている。
【0033】
図3に示すように、ラジアルタービンホイール4は、半径方向内側に位置して流路75を形成する複数枚の(第2の)ブレード81と、これらブレード81の根元部に配置されるハブ(本体)82と、ブレード81の先端部に配置されて、流路75と流路77とを仕切る(区画する)シュラウド83と、半径方向外側に位置して流路77を形成する複数枚の(第1の)ブレード84と、を備えている。シュラウド83は、一端から他端に向かって同一の内径および外径を有する筒状部85と、筒状部85の他端に連続するようにして接続された一端から他端に向かって、内径および外径が徐々に(緩やかに)拡径する円錐部86と、を備えている。また、円錐部86の外周面には、ブレード84の根元部が接続されている(ブレード84が立設されている)。
【0034】
なお、図2中の符号87は、その内周面がシュラウド83を構成する筒状部85の一端部に位置する外周面と接して、流路75の出口から流出した有機流体が出口チャンバ79内に存する有機流体に混入したり、あるいは出口チャンバ79内の有機流体が流路75の出口から流出する有機流体に混入したりするのを防止するシール部材である。
【0035】
本実施形態に係るラジアルタービンホイール4およびラジアルタービンホイール4を備えたラジアルタービン33によれば、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体が当該ラジアルタービンホイールを通過する際に合流してしまうのを防止する(回避する)ことができる。
その結果、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができる。
【0036】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係るラジアルタービンホイールについて、図4から図10を参照しながら説明する。
図4は本実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンの側面図(図5を左側から見た図)、図5は本実施形態に係るラジアルタービンホイールを備えたラジアルタービンの縦断面図、図6は図5のA−A矢視断面図、図7は図5のB−B矢視断面図、図8は図5のC−C矢視断面図、図9は図5のD−D矢視断面図、図10は本実施形態に係るラジアルタービンホイールの斜視図である。
【0037】
図5に示すように、ラジアルタービン91は、ケーシング92と、ケーシング92に軸支されて回転する回転軸93と、回転軸93の一端部外周に取り付けられて回転軸93とともに回転するラジアルタービンホイール94と、を備えている。
ケーシング92には、第1サイクル9に接続される(第1)有機流体入口71および(第1)有機流体出口74と、第2サイクル10に接続される(第2)有機流体入口73および(第2)有機流体出口72と、を備えている。また、ケーシング92内には、有機流体入口71から流入した有機流体を、ラジアルタービンホイール94の半径方向外側(外周側)に設けられた(第1)流路77の入口に導く(第1の)スクロール(ボリュート)78と、流路77の出口から流出した有機流体を有機流体出口74に導く出口チャンバ79と、有機流体入口73から流入した有機流体を、ラジアルタービンホイール94の半径方向内側(内周側)に設けられた(第2)流路75の入口に導く(第2の)スクロール(ボリュート)76と、を備えている。
【0038】
なお、有機流体入口71は、図5において右側に開口するように形成され、有機流体出口74は、図5において左側に開口するように形成されている。
また、有機流体入口73は、図5において上側に開口するように形成され、有機流体出口72は、図5において紙面手前側に開口するように形成されている。
【0039】
図10に示すように、ラジアルタービンホイール94は、半径方向内側に位置して流路75を形成する複数枚の(第2の)ブレード101と、これらブレード101の根元部に配置されるハブ(本体)102と、ブレード101の先端部に配置されて、流路75と流路77とを仕切る(区画する)シュラウド103と、半径方向外側に位置して流路77を形成する複数枚の(第1の)ブレード104と、を備えている。シュラウド103は、一端から他端に向かって内径および外径が徐々に(緩やかに)拡径する円錐部とされ、シュラウド(円錐部)103の外周面には、ブレード104の根元部が接続されている(ブレード104が立設されている)。
【0040】
なお、図5中の符号105は、流路75と出口チャンバ79とを仕切る(区画する)仕切板である。
また、図5中の符号106は、仕切板105の端面から軸方向に沿って延び、その端面がシュラウド103の縮径側の端面103aと接して、流路75の出口から流出した有機流体が出口チャンバ79内に存する有機流体に混入したり、あるいは出口チャンバ79内の有機流体が流路75の出口から流出する有機流体に混入したりするのを防止するとシール部材である。
【0041】
本実施形態に係るラジアルタービンホイール94およびラジアルタービンホイール94を備えたラジアルタービン91によれば、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体が当該ラジアルタービンホイールを通過する際に合流してしまうのを防止する(回避する)ことができる。
その結果、異なる圧力を有する二つの流体、または同じ圧力を有する二つの流体をそれぞれ別々の閉回路内で循環させることができる。
また、ラジアルタービンホイール94の構造によれば、図3のラジアルタービンホイール4に比べて筒状部85の軸方向の長さが短くなっており、ラジアルタービンホイール94のラジアル荷重が小さくなり、回転したときのタービンホイール自体の回転振動を抑制することができる。
【0042】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜必要に応じて変形・変更して実施することもできる。
例えば、上述した実施形態では、ラジアルタービンホイールをラジアルタービンに適用したもの、すなわち、一方の有機流体を有機流体入口71から有機流体出口74に流通させ、他方の有機流体を有機流体入口73から有機流体出口72に流通させるもの、すなわち、両方の流路75,77を、有機流体を膨張させる流路(タービンの役目をする流路)として利用したものを一具体例として挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、一方の有機流体を有機流体入口71から有機流体出口74に流通させ、他方の有機流体を有機流体出口72から有機流体入口73に流通させて、あるいは一方の有機流体を有機流体出口74から有機流体入口71に流通させ、他方の有機流体を有機流体入口73から有機流体出口72に流通させて、一方の流路を、有機流体を膨張させる流路(タービンの役目をする流路)として利用し、他方の流路を、有機流体を圧縮させる流路(コンプレッサの役目をする流路)として利用するターボチャージャに適用してもよい。
【0043】
ここで、一方の有機流体の圧力と、他方の有機流体の圧力とは、異なっていてもよいし同じであってもよい。また、一方の有機流体と、他方の有機流体とは、異なる組成のものであってもよいし、同じ組成のものであってもよい。
【符号の説明】
【0044】
4 ラジアルタービンホイール
33 ラジアルタービン
75 (第2の)流路
77 (第1の)流路
81 (第2の)ブレード
82 ハブ
83 シュラウド
84 (第1の)ブレード
91 ラジアルタービン
94 ラジアルタービンホイール
101 (第2の)ブレード
102 ハブ
103 シュラウド
104 (第1の)ブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向外側に位置して第1の流路を形成する複数枚の第1のブレードと、半径方向内側に位置して第2の流路を形成する複数枚の第2のブレードと、これら第2のブレードの根元部に配置されるハブと、前記根元部と反対側に位置する前記第2のブレードの先端部に配置されて、前記第1の流路と前記第2の流路とを仕切るシュラウドと、を同軸上に備えていることを特徴とするラジアルタービンホイール。
【請求項2】
請求項1に記載のラジアルタービンホイールを具備していることを特徴とするラジアルタービン。
【請求項3】
請求項1に記載のラジアルタービンホイールを具備していることを特徴とするターボチャージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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