説明

ラチスブーム

【課題】ラチスブームの重量の大幅な増大及び輸送時の幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる撓みを低減することである。
【解決手段】ラチスブームでは、右側補強ラチス部材4は、当該右側補強ラチス部材4の右側補強メインパイプ34に設けられ、ブーム本体2の右側主材10aに軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が右側補強メインパイプ34に伝達されるように右側主材10aに取り付けられる右側補強先端取付部40を含み、左側補強ラチス部材6は、当該左側補強ラチス部材6の左側補強メインパイプ54に設けられ、ブーム本体2の左側主材10bに軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が左側補強メインパイプ54に伝達されるように左側主材10bに取り付けられる左側補強先端取付部60を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンに設けられるラチスブームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クレーンに起伏自在に設けられ、ラチス構造を有するラチスブームが知られている。下記の特許文献1には、ラチスブームの一例が開示されており、このラチスブームは、その長手方向に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置に配置されたメインパイプと、隣り合うメインパイプ同士をラチス構造を構成するように繋ぐラチス材とを有しており、軽量でありながら比較的高い強度及び剛性を有している。このようなラチスブームが設けられたクレーンでは、ラチスブームの先端から吊荷を吊り下げた状態でそのブームを起伏させたり、当該ラチスブームが取り付けられた上部旋回体を旋回させたりすること等によってクレーン作業が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−255283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなラチスブームに吊荷を吊り下げてクレーン作業を行う際には、ラチスブームの先端から吊り下げられた吊荷が横風を受けた場合やクレーンの車体の左右方向において地面が傾斜しているような場合、その他、クレーンの上部旋回体の旋回の加速又は減速時には、吊荷からブームに横方向への曲げ荷重が作用する。このような曲げ荷重が掛かるとブームには横方向への撓みが生じるが、このブームの横方向への撓みについては、例えば、吊り荷重の2%に相当する荷重を水平方向で横向きに与えた場合にブームの横方向への撓み量がブームの長さの2%未満となることといった規格による制限がある。このような理由から、ブームの横方向への撓みの低減は、重要な課題である。
【0005】
クレーン作業時にブームに生じる横方向への撓みを抑制するためには、様々な方法が検討されているが、いずれも種々の問題を抱える。
【0006】
例えば、ブームの横方向への撓みを抑制するために断面の大きな部材を用いてブームの横方向の曲げ剛性を高めようとする方法では、ブームの自重が大幅に増加し、そのことに起因してクレーンの吊り能力が低下するという問題が生じる。具体的には、ブームの重心位置はクレーンの本体から遠い位置にあるため、ブームの自重が大きくなるとクレーンが転倒しやすくなる。このため、ブームの自重が大きくなる程、クレーンの転倒を安全に回避できる範囲で吊ることが可能な吊荷の最大重量が低下する。このような理由から、ブームの横方向への撓みを抑制しようとする場合でも、ブームの自重の大幅な増大は抑制すべきである。
【0007】
また、ブームの横幅を大きくすることによりクレーン作業時にブームに生じる横方向への撓みを抑制するという技術も考えられるが、ブームの輸送性を考慮すると、ブームの幅の増大は実質的には困難である。具体的には、日本国内では、ブームの幅が幅2.5m又は幅3mのトレーラに収まる範囲を超えると、その輸送時に申請書の提出が必要となったり、輸送ルートが制限されたりするため、公道を使ったクレーンの作業現場への移動が煩雑又は困難となる。従って、ブームの横方向への撓みを抑制しようとする場合でも、ブームの輸送時の幅の増大は避ける必要がある。
【0008】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ラチスブームの重量の大幅な増大及び輸送時の幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によるラチスブームは、クレーンの旋回可能な本体に起伏自在に設けられるラチスブームであって、特定方向に延び、前記クレーンの本体の旋回方向に面する第1側面とその反対側面である第2側面とを有するラチス構造を有し、基端部が前記クレーンの本体に取り付けられる一方、先端部から吊荷が吊り下げられるブーム本体と、前記ブーム本体の長手方向に沿って延びるように配置され、前記ブーム本体の前記第1側面に対して着脱可能であり、ラチス構造を有する第1補強ラチス部材と、前記ブーム本体の長手方向に沿って延びるように配置され、前記ブーム本体の前記第2側面に対して着脱可能であり、ラチス構造を有する第2補強ラチス部材とを備え、前記ブーム本体は、当該ブーム本体の長手方向に延びる部分を有し、当該ブーム本体の長手方向に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置された複数本の主材を含み、これらの主材の中に前記第1側面上に位置する第1主材と前記第2側面上に位置する第2主材とが含まれ、前記第1補強ラチス部材は、前記第1主材と同方向に延びる部分を有し、前記第1主材から外側に離間して配置される第1補強パイプと、その第1補強パイプに設けられ、前記第1主材に軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が前記第1補強パイプに伝達されるように前記第1主材に取り付けられる第1取付部とを含み、前記第2補強ラチス部材は、前記第2主材と同方向に延びる部分を有し、前記第2主材から外側に離間して配置される第2補強パイプと、その第2補強パイプに設けられ、前記第2主材に軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が前記第2補強パイプに伝達されるように前記第2主材に取り付けられる第2取付部とを含む。
【0010】
このラチスブームでは、第1補強ラチス部材及び第2補強ラチス部材により、横方向への曲げ荷重に対するラチスブームの曲げ強度及び曲げ剛性を高めてラチスブームの横方向への撓みを低減することができる。具体的には、このラチスブームでは、ブーム本体の第1主材に軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が第1主材から外側に離間して配置された第1補強パイプに伝達されるように第1補強ラチス部材がブーム本体のうちクレーン本体の旋回方向に面する第1側面に取り付けられるとともに、ブーム本体の第2主材に軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が第2主材から外側に離間して配置された第2補強パイプに伝達されるように第2補強ラチス部材がブーム本体のうち前記第1側面の反対側面である第2側面に取り付けられるため、ブーム本体に横方向の曲げ荷重が作用して、例えば第1主材に軸方向の圧縮荷重が作用した場合にはその荷重に対して第1主材に加えて第1補強ラチス部材の第1補強パイプが対抗し、第2主材に軸方向の圧縮荷重が作用した場合にはその荷重に対して第2主材に加えて第2補強ラチス部材の第2補強パイプが対抗する。その結果、横方向への曲げ荷重に対するラチスブームの曲げ強度及び曲げ剛性を高めることができ、ラチスブームの横方向への撓みを低減することができる。
【0011】
また、このラチスブームでは、第1補強ラチス部材及び第2補強ラチス部材がラチス構造を有しているため、重量の割には高い補強効果を得ることができる。すなわち、ラチスブームの重量の大幅な増大を避けつつ、ラチスブームの横方向の曲げ剛性を高めてラチスブームの横方向への撓みを抑制することができる。
【0012】
さらに、このラチスブームでは、第1補強ラチス部材及び第2補強ラチス部材がブーム本体に着脱可能であるため、ラチスブームの輸送時には、両補強ラチス部材をブーム本体から取り外して幅を小さくする一方、クレーンにラチスブームを取り付けてクレーン作業を行う時には、両補強ラチス部材をブーム本体に取り付けて横方向への曲げ剛性を高め、当該ブームの横方向への撓みを抑制することができる。すなわち、このラチスブームでは、輸送時の幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減することができる。
【0013】
従って、このラチスブームでは、重量の大幅な増大及び輸送時の幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減することができる。
【0014】
上記ラチスブームにおいて、前記第1主材は、前記第1取付部が取り付けられる第1被取付部を含み、前記第1被取付部には、当該第1被取付部を前記第1主材の延びる方向に対して交差する方向に貫通する第1被取付用貫通穴が設けられ、前記第1補強ラチス部材の前記第1取付部には、当該第1取付部を前記第1被取付用貫通穴と同方向に貫通する第1取付用貫通穴が設けられ、前記第1主材の延びる方向に対して交差する方向に延びる第1連結材が前記第1被取付用貫通穴と前記第1取付用貫通穴に挿嵌されることによって、前記第1被取付部に対して前記第1取付部が取り付けられることが好ましい。
【0015】
また、上記ラチスブームにおいて、前記第2主材は、前記第2取付部が取り付けられる第2被取付部を含み、前記第2被取付部には、当該第2被取付部を前記第1主材の延びる方向に対して交差する方向に貫通する第2被取付用貫通穴が設けられ、前記第2補強ラチス部材の前記第2取付部には、当該第2取付部を前記第2被取付用貫通穴と同方向に貫通する第2取付用貫通穴が設けられ、前記第2主材の延びる方向に対して交差する方向に延びる第2連結材が前記第2被取付用貫通穴と前記第2取付用貫通穴に挿嵌されることによって、前記第2被取付部に対して前記第2取付部が取り付けられることが好ましい。
【0016】
これらの構成では、ブーム本体の各主材の被取付部と対応する各補強ラチス部材の補強パイプに設けられた取付部とが、ブーム本体の主材の延びる方向に対して交差する方向に延びる連結材によって連結されるため、ブーム本体の主材に軸方向の荷重が作用した場合にその荷重を被取付部から連結材を介して補強ラチス部材の取付部へ効果的に伝達することができるとともに、その荷重を取付部から補強パイプへ伝達することができる。従って、この構成によれば、ブーム本体の主材に軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が補強パイプに伝達されるように各補強ラチス部材をブーム本体に取り付けるための具体的な構造を構成することができる。
【0017】
上記第1連結材が第1被取付用貫通穴と第1取付用貫通穴に挿嵌されることによって第1被取付部に対して第1取付部が取り付けられる構成において、前記第1主材は、その長手方向に並んで配置され、隣り合うもの同士が互いに接続される複数の第1単位主材を含み、前記第1被取付部は、隣り合う前記第1単位主材同士の接続部であり、当該第1単位主材同士の接続部に前記第1被取付用貫通穴が設けられており、前記第1取付部に設けられた前記第1取付用貫通穴と前記隣り合う第1単位主材同士の接続部に設けられた前記第1被取付用貫通穴とに前記第1連結材が挿嵌されることによって、前記隣り合う第1単位主材同士が接続されるとともにその第1単位主材同士の接続部に前記第1取付部が取り付けられてもよい。
【0018】
この構成では、第1連結材によって、隣り合う第1単位主材同士を接続することができるとともにその第1単位主材同士の接続部に第1補強ラチス部材の第1取付部を取り付けることができる。すなわち、この構成では、隣り合う第1単位主材同士を接続するための連結材と第1補強ラチス部材の第1取付部を第1主材に取り付けるための連結材を共用化することができ、部品点数の増大を抑制することができる。
【0019】
また、上記第2連結材が第2被取付用貫通穴と第2取付用貫通穴に挿嵌されることによって第2被取付部に対して第2取付部が取り付けられる構成において、前記第2主材は、その長手方向に並んで配置され、隣り合うもの同士が互いに接続される複数の第2単位主材を含み、前記第2被取付部は、隣り合う前記第2単位主材同士の接続部であり、当該第2単位主材同士の接続部に前記第2被取付用貫通穴が設けられており、前記第2取付部に設けられた前記第2取付用貫通穴と前記隣り合う第2単位主材同士の接続部に設けられた前記第2被取付用貫通穴とに前記第2連結材が挿嵌されることによって、前記隣り合う第2単位主材同士が接続されるとともにその第2単位主材同士の接続部に前記第2取付部が取り付けられてもよい。
【0020】
この構成では、第2連結材によって、隣り合う第2単位主材同士を接続することができるとともにその第2単位主材同士の接続部に第2補強ラチス部材の第2取付部を取り付けることができる。すなわち、この構成では、隣り合う第2単位主材同士を接続するための連結材と第2補強ラチス部材の第2取付部を第2主材に取り付けるための連結材を共用化することができ、部品点数の増大を抑制することができる。
【0021】
上記第1連結材が第1被取付用貫通穴と第1取付用貫通穴に挿嵌されることによって第1被取付部に対して第1取付部が取り付けられる構成において、前記第1主材は、前記ブーム本体の長手方向に延びる第1主パイプを含み、前記第1被取付部は、前記第1主パイプの外周面から前記ブーム本体の外側へ突出するとともにその第1主パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第1被取付板を有し、その第1被取付板に板厚方向に貫通する前記第1被取付用貫通穴が設けられ、前記第1取付部は、前記第1補強パイプの外周面に突設されるとともにその第1補強パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第1取付板を有し、その第1取付板に板厚方向に貫通する前記第1取付用貫通穴が設けられ、前記第1取付板が前記第1被取付板に重ね合わされた状態で、前記第1取付用貫通穴と前記第1被取付用貫通穴に前記第1連結材が挿嵌されて前記第1取付板と前記第1被取付板が互いに固定されてもよい。
【0022】
この構成によれば、ブーム本体の第1主材の延びる方向に対して交差する方向に延びる第1連結材が第1被取付用貫通穴と第1取付用貫通穴に挿嵌されることによって第1被取付部に対して第1取付部が取り付けられる具体的な構造を構成することができる。
【0023】
また、上記第2連結材が第2被取付用貫通穴と第2取付用貫通穴に挿嵌されることによって第2被取付部に対して第2取付部が取り付けられる構成において、前記第2主材は、前記ブーム本体の長手方向に延びる第2主パイプを含み、前記第2被取付部は、前記第2主パイプの外周面から前記ブーム本体の外側へ突出するとともにその第2主パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第2被取付板を有し、その第2被取付板に板厚方向に貫通する前記第2被取付用貫通穴が設けられ、前記第2取付部は、前記第2補強パイプの外周面に突設されるとともにその第2補強パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第2取付板を有し、その第2取付板に板厚方向に貫通する前記第2取付用貫通穴が設けられ、前記第2取付板が前記第2被取付板に重ね合わされた状態で、前記第2取付用貫通穴と前記第2被取付用貫通穴に前記第2連結材が挿嵌されて前記第2取付板と前記第2被取付板が互いに固定されてもよい。
【0024】
この構成によれば、ブーム本体の第2主材の延びる方向に対して交差する方向に延びる第2連結材が第2被取付用貫通穴と第2取付用貫通穴に挿嵌されることによって第2被取付部に対して第2取付部が取り付けられる具体的な構造を構成することができる。
【0025】
上記ラチスブームにおいて、前記第1補強ラチス部材及び前記第2補強ラチス部材は、前記ブーム本体の長手方向における一部の領域に取り付けられ、前記ブーム本体の長手方向における前記第1補強ラチス部材の基端と前記ブーム本体の基端との間の距離は、前記ブーム本体の長手方向における前記第1補強ラチス部材の先端と前記ブーム本体の先端との間の距離よりも小さく、前記ブーム本体の長手方向における前記第2補強ラチス部材の基端と前記ブーム本体の基端との間の距離は、前記ブーム本体の長手方向における前記第1補強ラチス部材の先端と前記ブーム本体の先端との間の距離よりも小さくなっていることが好ましい。
【0026】
ブームは、その長手方向の中間部から基端寄りの部分の曲げ剛性が高くなって撓みにくくなる程、ブームに撓みを生じさせる荷重が掛かったときのブーム先端部の変位量の低減効果が大きい。従って、本構成のように、両補強ラチス部材がブーム本体の長手方向における一部の領域に取り付けられていて、ブーム本体の長手方向における両補強ラチス部材の基端とブーム本体の基端との間の距離がブーム本体の長手方向における両補強ラチス部材の先端とブーム本体の先端との間の距離よりも小さくなっている場合には、両補強ラチス部材により、ラチスブームのうち比較的基端寄りの部分の曲げ剛性を重点的に高めることができ、その結果、ラチスブームの撓みによる先端部の変位を効果的に低減することができる。
【0027】
この場合において、前記ブーム本体は、当該ブーム本体の基端部に配置されるとともに前記第1主材の基端部に設けられ、前記クレーンの本体にフットピンによって取り付けられる第1フット部と、前記ブーム本体の基端部に配置されるとともに前記第2主材の基端部に設けられ、前記クレーンの本体に前記フットピンによって取り付けられる第2フット部とを含み、前記第1補強ラチス部材は、当該第1補強ラチス部材の基端部に配置されるとともに前記第1補強パイプの基端部に設けられ、前記フットピンによって前記第1フット部に取り付けられる第1基端取付部を含み、前記第1取付部は、前記第1主材のうち前記第1フット部よりも前記ブーム本体の先端側に位置する部位に取り付けられ、前記第2補強ラチス部材は、当該第2補強ラチス部材の基端部に配置されるとともに前記第2補強パイプの基端部に設けられ、前記フットピンによって前記第2フット部に取り付けられる第2基端取付部を含み、前記第2取付部は、前記第2主材のうち前記第2フット部よりも前記ブーム本体の先端側に位置する部位に取り付けられてもよい。
【0028】
この構成によれば、両補強ラチス部材によってブーム本体の長手方向の所定の位置から基端部に位置するフット部に亘る範囲を補強することができる。このため、ラチスブームの撓みによる先端部の変位を非常に有効に低減することができる。また、この構成では、両フット部をクレーンの本体に取り付けるためのフットピンを利用して各フット部に対応する補強ラチス部材の基端取付部を取り付けることができるため、部品点数の増大を抑制することができる。
【0029】
上記ラチスブームにおいて、2本の前記第1主材が前記ブーム本体の前記第1側面上において当該ブーム本体の長手方向と直交する方向に互いに離間して配設されているとともに、2本の前記第2主材が前記ブーム本体の前記第2側面上において当該ブーム本体の長手方向と直交する方向に互いに離間して配設されており、前記第1補強パイプは、2本の前記第1主材のそれぞれに沿うように配設される第1隣接補強メインパイプと、それら第1隣接補強メインパイプに対して前記第1側面と反対側に離間して配設されて前記ブーム本体の長手方向に延びる部分を有する第1離隔補強メインパイプとを含み、前記第1補強ラチス部材は、前記第1隣接補強メインパイプと前記第1離隔補強メインパイプとを繋ぐ第1補強サブパイプを含み、前記第2補強パイプは、2本の前記第2主材のそれぞれに沿うように配設される第2隣接補強メインパイプと、それら第2隣接補強メインパイプに対して前記第2側面と反対側に離間して配設されて前記ブーム本体の長手方向に延びる部分を有する第2離隔補強メインパイプとを含み、前記第2補強ラチス部材は、前記第2隣接補強メインパイプと前記第2離隔補強メインパイプとを繋ぐ第2補強サブパイプを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、ラチスブームの重量の大幅な増大及び輸送時の幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態によるラチスブームが適用されるクローラクレーンの概略的な側面図である。
【図2】ラチスブームが適用されるクローラクレーンの前部を部分的に示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるラチスブームの右側面のうち右側補強ラチス部材が設けられた範囲を部分的に示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるラチスブームのうち補強ラチス部材が設けられた範囲を後側から見た状態で部分的に示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態によるラチスブームにおいて、ブーム本体の右側フット部に対する右側補強ラチス部材の右側補強基端取付部の取り付け構造を部分的に示す斜視図である。
【図6】図5に示した右側フット部に対する右側補強基端取付部の取り付け構造の後面図である。
【図7】本発明の第1実施形態によるラチスブームにおいて、ブーム本体の単位ブーム間の連結部に対する右側補強ラチス部材の先端部の取り付け構造を部分的に示す後面図である。
【図8】図7に示した単位ブーム間の連結部に対する右側補強ラチス部材の先端部の取り付け構造を右外側から見た図である。
【図9】本発明の第1実施形態によるラチスブームの長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態によるラチスブームの右側面のうち右側補強ラチス部材が設けられた範囲を部分的に示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態によるラチスブームのうち補強ラチス部材が設けられた範囲を後側から見た状態で部分的に示す図である。
【図12】図11に示したラチスブームのうち基端側単位ブームとそれに隣接する中間単位ブームとの連結部に対する右側補強ラチス部材の中間部の取り付け構造を部分的に示す後面図である。
【図13】本発明の第3実施形態によるラチスブームのブーム本体と補強ラチス部材を分解した状態の長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態によるラチスブームの長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図15】本発明の第3実施形態によるラチスブームの補強ラチス部材の取付板とブーム本体の被取付板との連結構造を部分的に示す斜視図である。
【図16】ブームのフット部からの補強長さとブームの吊り能力との関係を調べたシミュレーションの結果を示す図である。
【図17】本発明の第1実施形態の第1変形例によるラチスブームの長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図18】本発明の第1実施形態の第2変形例による左側補強ラチス部材の長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図19】本発明の第1実施形態の第3変形例によるラチスブームの長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図20】本発明の第1実施形態の第4変形例による左側補強ラチス部材の長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図21】本発明の第1実施形態の第5変形例によるラチスブームの長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図22】本発明の第1実施形態の第6変形例によるラチスブームの長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【図23】本発明の第3実施形態の変形例によるラチスブームの長手方向に直交する断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0033】
(第1実施形態)
まず、図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態によるラチスブームの構成について説明する。
【0034】
この第1実施形態によるラチスブーム1は、例えば、図1に示すようなクローラクレーンに設けられる。このクレーンは、下部走行体102と、その下部走行体102上に搭載された上部旋回体104とを有している。この上部旋回体104は、本発明のクレーンの本体の概念に含まれるものである。ラチスブーム1は、上部旋回体104に起伏自在に設けられる。なお、図1は、ラチスブーム1が上部旋回体104にどのように設けられるかを概略的に示す図であって、ラチスブーム1の詳細な構造については簡略化して示しており、特に、後述する補強ラチス部材4,6については図示を省略している。ラチスブーム1は、その基端部が上部旋回体104に取り付けられていて、その基端部を支点として起伏自在となっている。ラチスブーム1の先端部からは、ロープ106を介してフック108が吊り上げられ、このフック108によって吊荷がラチスブーム1の先端部から吊り下げられるようになっている。
【0035】
ラチスブーム1は、図4に示すように、ブーム本体2と、そのブーム本体2の右側面に取り付けられる右側補強ラチス部材4と、その右側補強ラチスブーム
ブーム本体2の左側面に取り付けられる左側補強ラチス部材6(図2参照)とを備えている。なお、図2は、単にブーム本体2に対する左側補強ラチス部材6の位置関係を例示するものであり、右側補強ラチス部材4の図示は省略しているとともに、ブーム本体2と両補強ラチス部材4,6の具体的な構造及びブーム本体2に対する両補強ラチス部材4,6の具体的な取り付け構造を図示するものではない。それら具体的な構造については、図3〜図9に示されている。
【0036】
ブーム本体2は、特定方向に延びており、その基端部が上部旋回体104に取り付けられる一方、先端部から前記ロープ106を介してフック108が吊り下げられる。また、ブーム本体2は、前記特定方向(当該ブーム本体2の長手方向)と直交する向きに向かう4つの側面を有するラチス構造を有している。具体的には、ブーム本体2は、図1のように上部旋回体104に取り付けられて起立した状態で、クレーンの右方に向かう右側面と、クレーンの左方に向かう左側面と、クレーンの前方へ向かう前側面と、クレーンの後方へ向かう後側面とを有するラチス構造を有している。なお、ブーム本体2の右側面は、本発明の第1側面の概念に含まれるものであり、ブーム本体2の左側面は、本発明の第2側面の概念に含まれるものである。ブーム本体2の左右両側面は、上部旋回体104の旋回方向に面している。
【0037】
そして、ブーム本体2は、4本の主材10と、多数の副材12とを有する。
【0038】
4本の主材10は、その大部分が丸パイプからなり、その基端部と先端部を除く殆どの部分がブーム本体2の長手方向に延びている。そして、4本の主材10は、ブーム本体2の長手方向に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置されている。これら4本の主材10は、ブーム本体2の右側面上に位置する2本の右側主材10aと、ブーム本体2の左側面上に位置する2本の左側主材10bとからなる。なお、右側主材10aは、本発明の第1主材の概念に含まれるものであり、左側主材10bは、本発明の第2主材の概念に含まれるものである。2本の右側主材10aは、ブーム本体2の右側面上においてブーム本体2の長手方向と直交する前後方向に互いに離間して配設されている。また、2本の左側主材10bは、ブーム本体2の左側面上においてブーム本体2の長手方向と直交する前後方向に互いに離間して配設されている。
【0039】
なお、本明細書において、ラチスブーム1に係る「右側」及び「右方」という用語は、ラチスブーム1が図1のようにクレーンの前部に配置された状態でクレーンの右側及び右方のことを意味し、ラチスブーム1に関する「左側」及び「左方」という用語は、同状態においてクレーンの左側及び左方のことを意味する。また、ラチスブーム1に係る「前側」という用語は、ラチスブーム1が図1に示すようにクレーンの前部で起立した状態においてクレーンの前側のことを意味し、ラチスブーム1に係る「後側」という用語は、同状態においてクレーンの後側のことを意味する。
【0040】
副材12は、主材10よりも小径の丸パイプからなり、ブーム本体2の右側面上、左側面上、前側面上及び後側面上にそれぞれ複数配置されている。前記右側面上に配置された複数の副材12は、2本の右側主材10a同士をそれらの間で繋いでおり(図3参照)、前記左側面上に配置された複数の副材12は、2本の左側主材10b同士をそれらの間で繋いでいる。前記前側面上に配置された複数の副材12は、2本の右側主材10aのうち前記前側面上に位置するものと2本の左側主材10bのうち前記前側面上に位置するものとをそれらの間で繋いでいる。前記後側面上に配置された複数の副材12は、2本の右側主材10aのうち前記後側面上に位置するものと2本の左側主材10bのうち前記後側面上に位置するものとをそれらの間で繋いでいる(図4参照)。各副材12は、それらが繋ぐ主材10の延びる方向に対して交差する方向に延びており、これら副材12と主材10によってブーム本体2の各側面のラチス構造が形成されている。
【0041】
また、ブーム本体2は、当該ブーム本体2の長手方向に並んで配置され、隣り合うもの同士が互いに連結される複数の単位ブーム18と、その隣り合う単位ブーム18同士を連結する複数の連結ピン20,21とを備えている。すなわち、ブーム本体2は、その長手方向において複数の単位ブーム18に分割されており、各単位ブーム18の隣り合うもの同士が連結ピン20又は21によってそれぞれ連結されている。
【0042】
具体的には、複数の単位ブーム18には、1つの基端側単位ブーム22と、複数の中間単位ブーム24と、1つの先端側単位ブーム26(図1参照)とが含まれる。これら各単位ブーム18のうち基端側単位ブーム22は、ブーム本体2の基端部に位置し、先端側単位ブーム26は、ブーム本体2の先端部に位置し、複数の中間単位ブーム24は、基端側単位ブーム22と先端側単位ブーム26との間に位置する。
【0043】
基端側単位ブーム22は、ブーム本体2の基端部を構成する単位ブームである。この基端側単位ブーム22は、ブームフット22aと、2本の右側基端単位主材22bと、2本の左側基端単位主材22cとを有する。
【0044】
ブームフット22aは、ブーム本体2の基端の位置、すなわち基端側単位ブーム22の基端の位置に配置され、上部旋回体104に取り付けられるものである。このブームフット22aは、ブーム本体2の右側面上に位置する右側フット部22gと、ブーム本体2の左側面上に位置する左側フット部22hとを有する。この右側フット部22gは、本発明の第1フット部の概念に含まれるものであり、左側フット部22hは、本発明の第2フット部の概念に含まれるものである。
【0045】
右側フット部22gは、2本の右側基端単位主材22bの基端部、すなわち、2本の右側主材10aの基端部に設けられ、上部旋回体104に取り付けられる。左側フット部22hは、2本の左側基端単位主材22cの基端部、すなわち、2本の左側主材10bの基端部に設けられ、上部旋回体104に取り付けられる。右側フット部22g及び左側フット部22hは、それぞれ、ブーム本体2の左右側面に沿って配置された板状の部材からなる。右側フット部22gには、当該右側フット部22gを右側主材10aの延びる方向に対して交差する方向、具体的には左右方向(当該右側フット部22gの板厚方向)に貫通するフット穴22l(図6参照)が設けられている。また、左側フット部22hにも、右側フット部22gのフット穴22lと対応する位置に同様のフット穴(図示せず)が左側主材10bの延びる方向に対して交差する方向、具体的には左右方向(左側フット部22hの板厚方向)に貫通するように設けられている。この両フット部22g,22hのフット穴22lにフットピン23が挿嵌されるとともに、両フット部22g,22hの間でフットピン23が上部旋回体104の図略のブーム取付部の取付穴に挿嵌されることによって、基端側単位ブーム22が上部旋回体104に取り付けられるようになっている。そして、このフットピン23を支点としてブーム本体2(ラチスブーム1)が起伏するようになっている。
【0046】
各右側基端単位主材22bは、前記2本の右側主材10aのうち対応するものの基端部近傍の部分を構成する。この右側基端単位主材22bは、本発明の第1単位主材の概念に含まれるものである。各右側基端単位主材22bは、右側基端単位パイプ22dと、右側先端接続部22eとをそれぞれ有する。
【0047】
右側基端単位パイプ22dは、丸パイプからなり、その基端部が右側フット部22gに結合されている。2本の右側基端単位主材22bの右側基端単位パイプ22dのうち基端部から所定長さの部位は、先端側へ向かうにつれてブーム本体2の右側面において互いに徐々に離反するように斜めに延びており、その部位よりも先端側の部位は、ブーム本体2の長手方向に沿って互いに平行に延びている。
【0048】
右側先端接続部22eは、右側基端単位パイプ22dの先端部に設けられている。右側先端接続部22eは、ブーム本体2の幅方向(左右方向)において互いに離間し且つ互いに平行に配置された平板状の一対の受板部22fを有しており、各受板部22fには同じ位置にその受板部22fを厚み方向に貫通する貫通穴が設けられている。
【0049】
各左側基端単位主材22cは、前記2本の左側主材10bのうち対応するものの基端部近傍の部分を構成する。この左側基端単位主材22cは、本発明の第2単位主材の概念に含まれるものである。左側基端単位主材22cは、前記右側基端単位主材22bを左右反転させた構造を有する。具体的には、各左側基端単位主材22cは、右側基端単位パイプ22d及び右側先端接続部22eを左右反転させた構造を有する左側基端単位パイプ22i及び左側先端接続部22jを有する。左側基端単位パイプ22iは、丸パイプからなり、その基端部が左側フット部22hに結合されている。左側先端接続部22jは、右側先端接続部22eの一対の受板部22fと同様の一対の受板部22kを有する。
【0050】
また、基端側単位ブーム22の4つの側面上では、その各側面上に位置する2本の基端単位パイプ22d又は22iの間に複数の副材12がそれぞれ配設され、その各側面上に位置する2本の基端単位パイプ22d又は22iが副材12により相互に連結されている。すなわち、基端側単位ブーム22には、所定数の副材12も含まれる。
【0051】
複数の中間単位ブーム24は、基端側単位ブーム22の先端側に順番に接続される単位ブームである。各中間単位ブーム24は、2本の右側中間単位主材24aと、2本の左側中間単位主材24bとをそれぞれ有する。
【0052】
各右側中間単位主材24aは、前記2本の右側主材10aのうち対応するものの長手方向の中間領域を構成する。この右側中間単位主材24aは、本発明の第1単位主材の概念に含まれるものである。各右側中間単位主材24aは、右側中間単位パイプ24cと、右側基端接続部24dと、右側先端接続部24eとをそれぞれ有する。
【0053】
右側中間単位パイプ24cは、丸パイプからなり、ブーム本体2の長手方向に沿って直線的に延びている。また、2本の右側中間単位主材24aの右側中間単位パイプ24cは、互いに平行に延びている。
【0054】
右側基端接続部24dは、右側中間単位パイプ24cの基端部に設けられている。基端側単位ブーム22の先端側に隣接して配置された中間単位ブーム24の各右側単位主材24aの右側基端接続部24dは、基端側単位ブーム22の2つの右側先端接続部22eの対応するものと接続されている。
【0055】
具体的には、基端側単位ブーム22の隣りに配置される中間単位ブーム24の右側基端接続部24dは、基端側単位ブーム22の右側先端接続部22eの一対の受板部22f間に挿入される平板状の挿入部24fを有している。挿入部24fには、受板部22fに設けられた貫通穴と連通するように配置される貫通穴が設けられている。そして、一対の受板部22f間に挿入部24fが挿入された状態で、両受板部22fの貫通穴及び挿入部24fの貫通穴に連結ピン20が挿嵌されることによって基端側単位ブーム22の右側先端接続部22eとその基端側単位ブーム22の隣りに位置する中間単位ブーム24の右側基端接続部24dとが連結されている。
【0056】
右側中間単位主材24aの右側先端接続部24eは、右側中間単位パイプ24cの先端部に設けられている。この右側中間単位主材24aの右側先端接続部24eは、基端側単位ブーム22の右側先端接続部22eと同様に構成されており、右側先端接続部22eの一対の受板部22fと同様の一対の受板部24hを有している。
【0057】
各左側中間単位主材24bは、前記2本の左側主材10bのうち対応するものの長手方向の中間領域を構成する。この左側中間単位主材24bは、本発明の第2単位主材の概念に含まれるものである。左側中間単位主材24bは、前記右側中間単位主材24aを左右反転させた構造を有する。具体的には、各左側中間単位主材24bは、右側中間単位パイプ24c、右側基端接続部24d及び右側先端接続部24eを左右反転させた構造を有する左側中間単位パイプ24i、左側基端接続部24j及び左側先端接続部24kをそれぞれ有する。
【0058】
中間単位ブーム24の4つの側面上では、その各側面上に位置する2本の中間単位パイプ24c又は24i間に複数の副材12がそれぞれ配設され、その各側面上に位置する2本の中間単位パイプ24c又は24iが副材12により相互に連結されている。すなわち、中間単位ブーム24には、所定数の副材12も含まれる。
【0059】
左側基端接続部24jは、右側基端接続部24dの挿入部24fと同様の挿入部24mを有しており、この挿入部24mは、基端側単位ブーム22の左側先端接続部22jの一対の受板部22k間に挿入されて連結ピン20によって受板部22kと連結されている。左側先端接続部24kは、右側先端接続部24eの一対の受板部24hと同様の一対の受板部24nを有する。
【0060】
そして、この中間単位ブーム24の先端側に順番に接続される他の中間単位ブーム24も同様の構成を有している。基端側単位ブーム22に隣り合う中間単位ブーム24のうち右側先端接続部24eの一対の受板部24h間には、その中間単位ブーム24の先端側に隣り合う別の中間単位ブーム24の右側基端接続部24dの挿入部24fが挿入されて、それら一対の受板部24hと挿入部24fとが連結ピン21によって連結されている。
【0061】
具体的には、中間単位ブーム24の右側先端接続部24eの受板部24hには、基端側単位ブーム22の右側先端接続部22eの受板部22fに設けられた貫通穴と同様の貫通穴24p(図7参照)が設けられている。また、この中間単位ブーム24の先端側に隣り合う別の中間単位ブーム24の挿入部24fには、前記一対の受板部24h間に挿入された状態でその受板部24hの貫通穴24pと連通するように配置される貫通穴24qが設けられている。これらの受板部24hに設けられた貫通穴24p及び挿入部24fに設けられた貫通穴24qは、本発明の第1被取付用貫通穴の概念に含まれる。そして、それら受板部24hの貫通穴24pと挿入部24fの貫通穴24pに連結ピン21が挿嵌されることによって受板部24hと挿入部24fが互いに連結されている。
【0062】
また、基端側単位ブーム22に隣り合う中間単位ブーム24のうち左側先端接続部24kの一対の受板部24nと、その中間単位ブーム24の先端側に隣り合う別の中間単位ブーム24の左側基端接続部24jの挿入部24mとは、前記左側先端接続部24kの一対の受板部24hと挿入部24fとの連結構造と同様の連結構造で連結ピン21により互いに連結されている。
【0063】
なお、前記基端側単位ブーム22の隣りの中間単位ブーム24の右側先端接続部24e及び左側先端接続部24kとその先端側に隣り合う中間単位ブーム24の右側基端接続部24d及び左側基端接続部24jとの連結位置は、ブーム本体2の長手方向の中間部よりも基端部寄りに位置している。
【0064】
そして、上記以外の中間単位ブーム24は、上記と同様の連結構造でブーム本体2の先端側へ順番に接続されている。
【0065】
先端側単位ブーム26は、複数の中間単位ブーム24のうち最もブーム本体2の先端側に配置されたものの先端部に接続される。この先端側単位ブーム26の先端部からロープ106を介してフック108が吊り下げられる。複数の中間単位ブーム24のうち最もブーム本体2の先端側に位置する中間単位ブーム24と先端側単位ブーム26との連結構造は、隣り合う中間単位ブーム24間の連結構造と同様である。
【0066】
右側補強ラチス部材4及び左側補強ラチス部材6は、ブーム本体2の左右に取り付けられてブーム本体2の左右方向(横方向)の曲げ強度及び曲げ剛性を向上させ、ブーム本体2の左右方向(横方向)への撓みを低減するものである。すなわち、右側補強ラチス部材4は、ブーム本体2に右方向への曲げ荷重が掛かった場合にその荷重に対して突っ張るように対抗してブーム本体2の右方向への撓みを抑制し、左側補強ラチス部材6は、ブーム本体2に左方向への曲げ荷重が掛かった場合にその荷重に対して突っ張るように対抗してブーム本体2の左方向への撓みを抑制する。右側補強ラチス部材4は、本発明の第1補強ラチス部材の概念に含まれるものであり、左側補強ラチス部材6は、本発明の第2補強ラチス部材の概念に含まれるものである。
【0067】
具体的には、右側補強ラチス部材4は、ブーム本体2の右側面に取り付けられる。この右側補強ラチス部材4は、ブーム本体2の長手方向に沿って延びるように配置され、ブーム本体2のうち基端側単位ブーム22とその先端側に隣り合う中間単位ブーム24の右側面に対して着脱可能となっている。また、右側補強ラチス部材4は、ラチス構造を有している。右側補強ラチス部材4は、3本の右側補強メインパイプ34と、複数の右側補強サブパイプ36と、1つの右側補強基端取付部38と、2つの右側補強先端取付部40とを有する。
【0068】
3本の右側補強メインパイプ34は、ブーム本体2の2本の右側主材10aの右の外側に離間して配置される。各右側補強メインパイプ34は、右側主材10aよりも小径で中空の丸パイプからなる。なお、右側補強メインパイプ34は、本発明の第1補強パイプの概念に含まれるものである。そして、3本の右側補強メインパイプ34は、本発明の第1隣接補強メインパイプの概念に含まれる2本の右側隣接補強メインパイプ34aと、本発明の第1離隔補強メインパイプの概念に含まれる1本の右側離隔補強メインパイプ34bとからなる。
【0069】
2本の右側隣接補強メインパイプ34aのうち一方は、基端側単位ブーム22の2本の右側基端単位主材22bのうちの一方とそれに繋がる中間単位ブーム24の2本の右側中間単位主材24aのうちの一方とに対してその右外側の近傍の位置に配置され、それら一方の右側基端単位主材22b及び一方の右側中間単位主材24aに沿って延びるように配置される。2本の右側隣接補強メインパイプ34aのうち他方は、基端側単位ブーム22の2本の右側基端単位主材22bのうちの他方とそれに繋がる中間単位ブーム24の2本の右側中間単位主材24aのうちの他方とに対してその右外側の近傍の位置に配置され、それら他方の右側基端単位主材22b及び他方の右側中間単位主材24aに沿って延びるように配置される。
【0070】
右側離隔補強メインパイプ34bは、ラチスブーム1を右側から見て2本の右側隣接補強メインパイプ34a間に配置されている。この右側離隔補強メインパイプ34bは、右側隣接補強メインパイプ34aに対してブーム本体2の右側面と反対側に離間して配設されてブーム本体2の長手方向に延びる部分を有している。具体的には、この右側離隔補強メインパイプ34bのうち基端部から先端側へ向かって所定長さに亘る基端側部位は、基端側から先端側へ向かうにつれてブーム本体2の右側面から外側へ徐々に遠ざかるように斜めに延びており、その基端側部位の先端からブーム本体2の先端側へ延びる中間部位は、ブーム本体2の右側面に対して略平行に延びている。この中間部位は、右側主材10aのうちブーム本体2の長手方向に直線的に延びている部分と同方向に延びている。また、この基端側部位及び中間部位は、ラチスブーム1を右側から見て2本の右側隣接補強メインパイプ34a間の中央に配置されている。また、この右側離隔補強メインパイプ34bの中間部位は、図9に示すように、ブーム本体2の右側面に対して右側隣接補強メインパイプ34aよりも右外側に大きく離間して配置される。そして、右側離隔補強メインパイプ34bのうち中間部位の先端側に繋がる先端側部位は、二又に分かれている。この二又に分かれた一方の先端側部位は、その基端から先端へ向かうにつれて2本の右側隣接補強メインパイプ34aのうちの一方に徐々に接近するように斜めに延び、その一方の右側隣接補強メインパイプ34aに対して先端部が結合されている。二又に分かれた他方の先端側部位は、その基端から先端へ向かうにつれて2本の右側隣接補強メインパイプ34aのうちの他方に徐々に接近するように斜めに延び、その他方の右側隣接補強メインパイプ34aに対して先端部が結合されている。
【0071】
複数の右側補強サブパイプ36は、本発明の第1補強サブパイプの概念に含まれるものであり、右側離隔補強メインパイプ34bと2本の右側隣接補強メインパイプ34aとをそれらの間で繋いでいる。これにより、右側離隔補強メインパイプ34bと各右側隣接補強メインパイプ34aとの間でそれぞれラチス構造が形成されている。この右側離隔補強メインパイプ34bから2本の右側隣接補強メインパイプ34aへそれぞれ繋がる右側補強サブパイプ36は、対称的に配置されている。
【0072】
右側補強基端取付部38は、右側隣接補強メインパイプ34aの基端部及び右側離隔補強メインパイプ34bの基端部に設けられており、右側補強ラチス部材4の基端部に配置されている。この右側補強基端取付部38は、本発明の第1基端取付部の概念に含まれるものである。この右側補強基端取付部38は、フットピン23によって右側フット部22gに取り付けられる。
【0073】
具体的には、右側補強基端取付部38は、図3及び図5に示すように、右外側から見て右側フット部22gと同様の外形を有する板状の部材からなる。この右側補強基端取付部38は、右側フット部22gの右側面に接触するように配置され、この状態で右側フット部22gのフット穴22lと連通するように設けられた貫通穴38a(図6参照)を有する。この貫通穴38aにフット穴22lを通って右側に突出したフットピン23の右側の端部が挿嵌される。そして、右側補強基端取付部38の右外側から抜け止め部材23aがフットピン23の右側の端部に結合されることによって、右側補強基端取付部38が、フットピン23から脱離するのが防止されるとともに右側フット部22gに固定されるようになっている。抜け止め部材23aは、右側補強基端取付部38の貫通穴38aよりも大径の頭部23bとその頭部23bから左方に延びる螺子部23cとを有している。フットピン23の右側の端部には、螺子穴23dが形成されており、その螺子穴23dに抜け止め部材23aの螺子部23cが螺合されることによってフットピン23の右側の端部に抜け止め部材23aが結合する。右側補強基端取付部38は、抜け止め部材23aの頭部23bによって押さえられて右側フット部22gに固定される。
【0074】
2つの右側補強先端取付部40は、それぞれ、2本の右側隣接補強メインパイプ34aのうち対応するものの先端部に設けられており、右側補強ラチス部材4の先端部に配置されている。この右側補強先端取付部40は、本発明の第1取付部の概念に含まれるものである。各右側補強先端取付部40は、ブーム本体2に右側補強ラチス部材4を取り付ける際、基端側単位ブーム22に隣り合う中間単位ブーム24の右側先端接続部24eとその先端側に隣り合う別の中間単位ブーム24の右側基端接続部24dとに連結ピン21によって取り付けられる。この右側先端接続部24eとそれに連結される右側基端接続部24dは、本発明の第1被取付部の概念に含まれものである。また、連結ピン21は、本発明の第1連結材の概念に含まれるものである。右側補強先端取付部40は、ラチスブーム1に左右方向の曲げ荷重が作用して右側主材10aに軸方向の圧縮荷重又は引っ張り荷重が作用した場合に、その荷重が右側隣接補強メインパイプ34a及び右側離隔補強メインパイプ34bに伝達されるように右側主材10aに取り付けられる。
【0075】
具体的には、右側補強先端取付部40は、図7及び図8に示すように、前記右側先端接続部24eの右側の受板部24hの右外側に離間して配置されるとともにその受板部24hと略平行に配置される平板状の取付板部40aを有する。この取付板部40aには、前記受板部24hの貫通穴24pと対応する位置に右側補強取付用貫通穴40bが設けられている。この右側補強取付用貫通穴40bは、本発明の第1取付用貫通穴の概念に含まれる。右側補強取付用貫通穴40bは、取付板部40aを前記受板部24hの貫通穴24p及び前記挿入部24fの貫通穴24qと同方向(左右方向)に貫通している。取付板部40aと右側先端接続部24eの右側の受板部24hとの間には、スペーサとして機能するスリーブ42が挟み込まれる。スリーブ42には、左右方向に貫通する貫通穴42aが設けられている。右側先端接続部24eの一対の受板部24hの貫通穴24p及び挿入部24fの貫通穴24qに挿嵌された連結ピン21は、右側の受板部24hから右方に突出して延びており、この突出した部位がスリーブ42の貫通穴42a及び取付板部40aの右側補強取付用貫通穴40bに挿嵌される。連結ピン21の右側の端部には、前記フットピン23の螺子穴23dと同様の螺子穴(図示せず)が形成されている。また、連結ピン21は、その左端に受板部24hの貫通穴24pよりも大径のピン頭21aを有している。連結ピン21の右端部に設けられた螺子穴には、取付板部40aの右側から螺子付きのキャップ21cが螺合して締め込まれている。このキャップ21cの頭部は、取付板部40aの右側補強取付用貫通穴40bよりも大径となっており、このキャップ21cの頭部と連結ピン21のピン頭21aとの間で一対の受板部24h、挿入部24f、スリーブ42及び取付板部40aが挟み込まれることによってそれらが相互に固定されている。なお、連結ピン21の螺子穴に対するキャップ21cの螺子部の締結を緩めて連結ピン21からキャップ21cを取り外せば、右側補強先端取付部40を連結ピン21から取り外して右側基端接続部24d及び右側先端接続部24eから分離させることが可能となっている。
【0076】
左側補強ラチス部材6(図4参照)は、右側補強ラチス部材4が取り付けられるブーム本体2の右側面の反対側面であるブーム本体2の左側面に取り付けられる。この左側補強ラチス部材6は、ブーム本体2の長手方向に沿って延びるように配置され、ブーム本体2のうち基端側単位ブーム22とその先端側に隣接する中間単位ブーム24の左側面に対して着脱可能となっている。また、左側補強ラチス部材6は、右側補強ラチス部材4を左右反転させた構造を有している。具体的には、左側補強ラチス部材6は、右側補強ラチス部材4の3本の右側補強メインパイプ34、右側補強サブパイプ36、右側補強基端取付部38及び右側補強先端取付部40に対応する左側補強メインパイプ54、左側補強サブパイプ56、左側補強基端取付部58及び左側補強先端取付部60を有する。左側補強メインパイプ54は、本発明の第2補強パイプの概念に含まれるものである。左側補強サブパイプ56は、本発明の第2補強サブパイプの概念に含まれるものである。そして、左側補強メインパイプ54は、右側隣接補強メインパイプ34a及び右側離隔補強メインパイプ34bに対応する左側隣接補強メインパイプ54a及び左側離隔補強メインパイプ54bを含む。左側隣接補強メインパイプ54aは、本発明の第2隣接補強メインパイプの概念に含まれるものであり、左側離隔補強メインパイプ54bは、本発明の第2離隔補強メインパイプの概念に含まれるものである。また、左側補強基端取付部58及び左側補強先端取付部60は、本発明の第2取付部の概念に含まれるものである。また、左側補強基端取付部58は、本発明の第2基端取付部の概念に含まれ、左側補強先端取付部60は、本発明の第2取付部の概念に含まれる。
【0077】
そして、左側補強基端取付部58は、左側フット部22hの左側面に接触するように配置され、この状態で左側フット部22hの図略のフット穴と連通するように設けられた図略の貫通穴を有する。この左側補強基端取付部58の貫通穴と左側フット部22hの貫通穴にフットピン23が挿嵌される。フットピン23は、その左端に左側補強基端取付部58の貫通穴よりも大径のピン頭23eを有しており、このピン頭23eは左側補強基端取付部58の左側面に当接する。フットピン23の右端部の螺子穴23dに抜け止め部材23aの螺子部23cが螺合されて締め込まれることにより、左側補強基端取付部58はピン頭23eにより左側フット部22hの左側面に押し付けられて左側フット部22hに対して固定される。
【0078】
なお、フットピン23の螺子穴23dに対する抜け止め部材23aの螺子部23cの締結を緩めてフットピン23から抜け止め部材23aを取り外せば、右側フット部22g、左側フット部22h、右側補強基端取付部38及び左側補強基端取付部58の各貫通穴からフットピン23を抜き出して右側フット部22gと右側補強基端取付部38を分離させるとともに左側フット部22hと左側補強基端取付部58を分離させることが可能となっている。
【0079】
左側補強先端取付部60は、基端側単位ブーム22に隣り合う中間単位ブーム24の左側先端接続部24kとその先端側に隣り合う別の中間単位ブーム24の左側基端接続部24jとに連結ピン21によって取り付けられる。この左側先端接続部24kとそれに連結される左側基端接続部24jは、本発明の第2被取付部の概念に含まれるものである。
【0080】
左側補強先端取付部60は、右側補強先端取付部40の取付板部40aと同様の取付板部60aを有している。この取付板部60aには、本発明の第2取付用貫通穴の概念に含まれる左側補強取付用貫通穴(図示せず)が設けられている。そして、左側補強先端取付部60の取付板部60aは、左側先端接続部24kの右側の受板部24nとの間にスリーブ42を挟み、一対の受板部24n、挿入部24m、スリーブ42及び取付板部60aが連結ピン21とキャップ21cによって連結されている。この連結ピン21は、本発明の第2連結材の概念に含まれる。受板部24n及び挿入部24mには、本発明の第2被取付用貫通穴の概念に含まれる貫通穴(図示せず)がそれぞれ設けられ、これらの貫通穴と上記取付板部60aの左側補強取付用貫通穴及びスリーブ42の貫通穴に連結ピン21が挿嵌される。このような構造は、右側補強先端取付部40と受板部24h、挿入部24f及びスリーブ42との連結構造を左右反転させた構造と同様である。
【0081】
以上説明したように、この第1実施形態では、ブーム本体2の右側主材10aに軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が右側主材10aから外側に離間して配置された右側補強メインパイプ34に伝達されるように右側補強ラチス部材4がブーム本体2の右側面に取り付けられるとともに、ブーム本体2の左側主材10bに軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が左側主材10bから外側に離間して配置された左側補強メインパイプ54に伝達されるように左側補強ラチス部材6がブーム本体2の左側面に取り付けられる。このため、ブーム本体2に左右方向(横方向)の曲げ荷重が作用して、例えば右側主材10aに軸方向の圧縮荷重が作用した場合にはその荷重に対して右側主材10aに加えて右側補強メインパイプ34が対抗し、左側主材10bに軸方向の圧縮荷重が作用した場合にはその荷重に対して左側主材10bに加えて左側補強メインパイプ54が対抗する。その結果、左右方向(横方向)への曲げ荷重に対するラチスブーム1の曲げ強度及び曲げ剛性を高めることができ、ラチスブーム1の左右方向(横方向)への撓みを低減することができる。
【0082】
また、この第1実施形態では、右側補強ラチス部材4及び左側補強ラチス部材6が共にラチス構造を有しているため、重量の割には高い補強効果を得ることができる。すなわち、ラチスブーム1の重量の大幅な増大を避けつつ、ラチスブーム1の左右方向の曲げ剛性を高めてラチスブーム1の左右方向への撓みを抑制することができる。
【0083】
さらに、この第1実施形態では、右側補強ラチス部材4及び左側補強ラチス部材6がブーム本体2に着脱可能であるため、ラチスブーム1の輸送時には、両補強ラチス部材4,6をブーム本体2から取り外して幅を小さくする一方、クレーンの上部旋回体104にラチスブーム1を取り付けてクレーン作業を行う時には、両補強ラチス部材4,6をブーム本体2に取り付けて左右方向への曲げ剛性を高め、ラチスブーム1の左右方向への撓みを抑制することができる。すなわち、この第1実施形態では、ラチスブーム1の輸送時の幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブーム1に生じる左右方向への撓みを低減することができる。
【0084】
従って、この第1実施形態では、ラチスブーム1の重量の大幅な増大及び輸送時の幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブーム1に生じる左右方向への撓みを低減することができる。
【0085】
また、この第1実施形態では、右側補強ラチス部材4がブーム本体2の基端の右側フット部22gからブーム本体2の長手方向の中間部よりも基端部寄りに位置する右側先端接続部24e及び右側基端接続部24dまでの領域に取り付けられ、左側補強ラチス部材6がブーム本体2の基端の左側フット部22hからブーム本体2の長手方向の中間部よりも基端部寄りに位置する左側先端接続部24k及び左側基端接続部24jまでの領域に取り付けられる。このため、この第1実施形態では、ブーム本体2の長手方向の中間部よりも基端部寄りの位置から基端部に亘る範囲を補強してその範囲の横方向の曲げ剛性を高めることができる。このような範囲の横方向の曲げ剛性を高めることにより、例えばラチスブーム1の長手方向の中間部よりも先端側の範囲の剛性を高める場合に比べて、ラチスブーム1の横方向への撓みによるラチスブーム1の先端部の変位をより有効に低減することができる。
【0086】
また、この第1実施形態では、連結ピン21によって、ブーム本体2の右側先端接続部24eと右側基端接続部24dとを接続するとともにそれら右側先端接続部24e及び右側基端接続部24dに右側補強ラチス部材4の右側補強先端取付部40を取り付ける。また、連結ピン21によって、左側先端接続部24kと左側基端接続部24jとを接続するとともにそれら左側先端接続部24k及び左側基端接続部24jに左側補強ラチス部材6の左側補強先端取付部60を取り付ける。このため、右側先端接続部24eと右側基端接続部24dとを接続する連結ピン21と右側先端接続部24e及び右側基端接続部24dに右側補強先端取付部40を取り付けるための連結材を共用化することができ、左側先端接続部24kと左側基端接続部24jとを接続する連結ピン21と左側先端接続部24k及び左側基端接続部24jに左側補強先端取付部60を取り付けるための連結材を共用化することができる。その結果、部品点数の増大を抑制することができる。
【0087】
また、この第1実施形態では、右側フット部22g及び左側フット部22hを上部旋回体104に取り付けるためのフットピン23を利用して右側フット部22gに右側補強ラチス部材4の右側補強基端取付部38を取り付けるとともに左側フット部22hに左側補強ラチス部材6の左側補強基端取付部58を取り付けるため、部品点数の増大を抑制することができる。
【0088】
(第2実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、本発明の第2実施形態によるラチスブームの構成について説明する。
【0089】
この第2実施形態によるラチスブームでは、補強ラチス部材4,6の基端部がブーム本体2のブームフット22aに取り付けられるとともに補強ラチス部材4,6の先端部がブーム本体2の中間単位ブーム24同士の連結部に取り付けられるのに加えて、補強ラチス部材4,6の長手方向の中間部がブーム本体2の基端側単位ブーム22とその先端側に隣り合う中間単位ブーム24との連結部に取り付けられるようになっている。
【0090】
具体的には、右側補強ラチス部材4は、図10及び図11に示すように、右基端側ラチス部61と右先端側ラチス部62とを備えている。右側補強ラチス部材4は、長手方向の中間でこの右基端側ラチス部61と右先端側ラチス部62とに分かれている。すなわち、この第2実施形態では、右側隣接補強メインパイプ34a及び右側離隔補強メインパイプ34bが長手方向の中間で分割されている。右基端側ラチス部61には、分割された右側隣接補強メインパイプ34aの基端側の部分に相当する右基端側隣接補強メインパイプ部34eと、分割された右側離隔補強メインパイプ34bの基端側の部分に相当する右基端側離隔補強メインパイプ部34fとが含まれる。また、右先端側ラチス部62には、分割された右側隣接補強メインパイプ34aの先端側の部分に相当する右先端側隣接補強メインパイプ部34gと、分割された右側離隔補強メインパイプ34bの先端側の部分に相当する右先端側離隔補強メインパイプ部34hとが含まれる。
【0091】
また、右基端側ラチス部61は、右基端側隣接補強メインパイプ部34eの先端に設けられた右側隣接補強メインパイプ接続部34iと、右基端側離隔補強メインパイプ部34fの先端に設けられた右側離隔補強メインパイプ接続部34jとを有する。この右側隣接補強メインパイプ接続部34i及び右側離隔補強メインパイプ接続部34jは、前記右側先端接続部24eと同様の構造を有している。すなわち、右側隣接補強メインパイプ接続部34iは、右側先端接続部24eの一対の受板部24hと同様の一対の受板部34k(図12参照)を有しており、右側離隔補強メインパイプ接続部34jも同様の一対の受板部を有している。
【0092】
右先端側ラチス部62は、右先端側隣接補強メインパイプ部34gの基端に設けられた右側隣接補強メインパイプ被接続部34mと、右先端側離隔補強メインパイプ部34hの基端に設けられた右側離隔補強メインパイプ被接続部34nとを有する。この右側隣接補強メインパイプ被接続部34m及び右側離隔補強メインパイプ被接続部34nは、前記右側基端接続部24dと同様の構造を有している。すなわち、右側隣接補強メインパイプ被接続部34mは、右側基端接続部24dの挿入部24fと同様の挿入部34pを有しており、右側離隔補強メインパイプ被接続部34nも同様の挿入部を有している。
【0093】
そして、右側隣接補強メインパイプ接続部34iの一対の受板部34k間に右側隣接補強メインパイプ被接続部34mの挿入部34pが挿入されるとともに、右側隣接補強メインパイプ接続部34iの左側の受板部34kと基端側単位ブーム22の右側先端接続部22eの右側の受板部22fとの間にスリーブ42が挟み込まれ、基端側単位ブーム22の一対の受板部22f及びその間に挿入される中間単位ブーム24の挿入部24fと、スリーブ42と、右基端側ラチス部61の一対の受板部34k及びその間に挿入される右先端側ラチス部62の挿入部34pのそれぞれに設けられた貫通穴に連結ピン64が挿嵌される。この連結ピン64の右端部にはキャップ64aが取り付けられている。この連結ピン64とキャップ64aに係る構造は、上記第1実施形態の連結ピン21とキャップ21cに係る構造と同様である。
【0094】
また、右側離隔補強メインパイプ接続部34jと右側離隔補強メインパイプ被接続部34nとは、上記第1実施形態における右側先端接続部22eの一対の受板部22fと右側基端接続部24dの挿入部24fが連結ピン20によって連結されているのと同様にして、互いに連結されている。
【0095】
ラチスブームの輸送時には、連結ピン64からキャップ64aを取り外して連結ピン64を前記各貫通穴から抜き出すことにより、右側隣接補強メインパイプ接続部34iと右側隣接補強メインパイプ被接続部34mとの連結を解除するとともに、ブーム本体2に対するそれら右側隣接補強メインパイプ接続部34i及び右側隣接補強メインパイプ被接続部34mの固定も解除することができ、同様に、右側離隔補強メインパイプ接続部34jと右側離隔補強メインパイプ被接続部34nとの連結も解除できる。これにより、右側補強ラチス部材4は、ラチスブーム1の輸送時に、ブーム本体2から分離させるとともに右基端側ラチス部61と右先端側ラチス部62とに分解することができるようになっている。
【0096】
また、左側補強ラチス部材6は、右側補強ラチス部材4を左右反転させた構造を有している。この左側補強ラチス部材6は、右側補強ラチス部材4の右基端側ラチス部61及び右先端側ラチス部62を左右反転させた構造を有する左基端側ラチス部66及び左先端側ラチス部67を有する。ブーム本体2に対するこれら左基端側ラチス部66及び左先端側ラチス部67の取付構造は、ブーム本体2に対する右基端側ラチス部61及び右先端側ラチス部62の取付構造を左右反転させた構造と同様である。
【0097】
この第2実施形態によるラチスブームの上記以外の構成は、上記第1実施形態によるラチスブームの構成と同様である。
【0098】
以上説明したように、この第2実施形態では、補強ラチス部材4,6が、先端部及び基端部に加えて長手方向の中間部でもブーム本体2に取り付けられるため、ブーム本体2に対する補強ラチス部材4,6の結合強度を高めることができる。
【0099】
また、この第2実施形態では、補強ラチス部材4,6が長手方向の中間部で分割可能であるため、ラチスブーム1の輸送時には、補強ラチス部材4,6をそれぞれ長手方向の中間部で分割して長さを小さくしてから輸送することができ、ラチスブーム1の輸送性をより向上することができる。
【0100】
この第2実施形態によるラチスブームの上記以外の効果は、上記第1実施形態によるラチスブームの効果と同様である。
【0101】
(第3実施形態)
次に、図13〜図15を参照して、本発明の第3実施形態によるラチスブームの構造について説明する。
【0102】
この第3実施形態によるラチスブームでは、補強ラチス部材4,6の基本的な構造及びブーム本体2に対する補強ラチス部材4,6の取付構造が上記各実施形態と異なっている。
【0103】
具体的には、この第3実施形態のラチスブームでは、ブーム本体2の右側主材10aが右側被取付板72を有しており、ブーム本体2の左側主材10bが左側被取付板74を有している。この右側被取付板72は、本発明の第1被取付板の概念に含まれるものであり、左側被取付板74は、本発明の第2被取付板の概念に含まれるものである。
【0104】
右側被取付板72は、図13に示すように、各右側主材10aのうちの例えば右側中間単位パイプ24cに設けられている。この右側中間単位パイプ24cは、本発明の第1主パイプの概念に含まれる。そして、右側被取付板72は、右側中間単位パイプ24cの長手方向に沿うように設けられた平板状の部材からなる。右側被取付板72は、右側中間単位パイプ24cの外周面のうちブーム本体2の右外側に位置する部位からブーム本体2の右側面に対して垂直に右方へ突出するように設けられている。なお、図示していないが、各右側主材10aのうちその長手方向(軸方向)に離間した2箇所に右側被取付板72がそれぞれ配設されている。各右側被取付部72には、板厚方向に貫通する右側被取付用貫通穴72a(図15参照)が設けられている。この右側被取付用貫通穴72aは、本発明の第1被取付用貫通穴の概念に含まれるものである。
【0105】
また、左側被取付板74は、各左側主材10bのうちの例えば左側中間単位パイプ24iに設けられている。この左側中間単位パイプ24iは、本発明の第2主パイプの概念に含まれる。そして、左側被取付板74は、左側中間単位パイプ24iの長手方向に沿うように設けられた平板状の部材からなる。左側被取付板74は、左側中間単位パイプ24iの外周面のうちブーム本体2の左外側に位置する部位からブーム本体2の左側面に対して垂直に左方へ突出するように設けられている。この左側被取付板74も右側被取付板72と同様に左側主材10bの長手方向に離間した2箇所にそれぞれ配設されている。左側被取付板74には、右側被取付板72の右側被取付用貫通穴72aと同様の左側被取付用貫通穴(図示せず)が設けられている。この左側被取付用貫通穴は、本発明の第2被取付用貫通穴の概念に含まれるものである。
【0106】
なお、各主材10の長手方向における被取付板72,74の設置位置は、同じ位置となっている。そして、全ての被取付板72,74の設置位置は、ブーム本体2の長手方向の中間部よりも基端側の位置となっている。
【0107】
右側補強ラチス部材4は、2本の右側補強メインパイプ34と、複数の右側補強サブパイプ36と、右側取付板76とを有する。
【0108】
2本の右側補強メインパイプ34は、ブーム本体2の2本の右側主材10aが互いに離間している方向と同じ方向において、それら2本の右側主材10a間の離間距離とほぼ同等の距離だけ互いに離間している。各右側補強メインパイプ34は、丸パイプからなり、ブーム本体2の2本の右側主材10aのうち対応するものの右外側においてその右側主材10aの長手方向に沿って延びるように配置される。
【0109】
複数の右側補強サブパイプ36は、2本の右側補強メインパイプ34間に配置され、それら2本の右側補強メインパイプ34を互いに連結しており、それによって2本の右側補強メインパイプ34間でラチス構造が形成されている。
【0110】
右側取付板76は、ブーム本体2の右側被取付板72に対して取り付けられる部分である。この右側取付板76は、本発明の第1取付板の概念に含まれるものである。右側取付板76は、2本の右側補強メインパイプ34のそれぞれに設けられている。各右側取付板76は、右側補強メインパイプ34の外周面に突設されるとともにその右側補強メインパイプ34の長手方向に沿うように設けられた平板状の部材からなる。各右側取付板76は、右側補強メインパイプ34の外周面のうちブーム本体2の右側面側に向かう部位から複数の右側補強サブパイプ36によって形成される面に対して垂直に左方へ突出している。なお、図示していないが、各右側補強メインパイプ34には、その長手方向(軸方向)に離間した2箇所に右側取付板76がそれぞれ設けられており、それら右側取付板76は右側被取付板72と対応する位置に配置されている。各右側取付板76には、板厚方向に貫通する右側取付用貫通穴76a(図15参照)が設けられている。この右側取付用貫通穴76aは、本発明の第1取付用貫通穴の概念に含まれるものである。
【0111】
そして、図14に示すように、ブーム本体2の2本の右側主材10aにそれぞれ設けられた右側被取付板72に右側補強ラチス部材4の対応する右側取付板76が重ね合わされた状態で、右側被取付用貫通穴72a(図15参照)と右側取付用貫通穴76aにボルト78が挿嵌され、そのボルト78にナット80が螺合されて締め込まれることによって、右側被取付板72と右側取付板76が互いに固定されている。なお、この右側被取付板72と右側取付板76を固定するボルト78は、本発明の第1連結材の概念に含まれるものである。
【0112】
また、左側補強ラチス部材6は、右側補強ラチス部材4を左右反転させた構造を有している。具体的には、左側補強ラチス部材6は、右側補強ラチス部材4の2本の右側補強メインパイプ34、複数の右側補強サブパイプ36及び右側取付板76を左右反転させた2本の左側補強メインパイプ54、複数の左側補強サブパイプ56及び左側取付板82を有する。左側取付板82は、ブーム本体2の左側被取付板74に対して取り付けられる部分であり、本発明の第2取付板の概念に含まれるものである。
【0113】
この第3実施形態においても、ブーム本体2に対する左側補強ラチス部材6の取り付け構造は、ブーム本体2に対する右側補強ラチス部材4の取り付け構造を左右反転させた構造となっている。具体的には、左側補強ラチス部材6の左側取付板82が左側主材10bに設けられた左側被取付板74に重ね合わされた状態で、左側被取付板74に設けられた左側被取付用貫通穴(図示せず)と左側取付板82に設けられた左側取付用貫通穴(図示せず)とにボルト78が挿嵌され、そのボルト78にナット80が螺合されて締め込まれることによって、左側被取付板74と左側取付板82が互いに固定される。なお、この左側被取付板74と左側取付板82を固定するボルト78は、本発明の第2連結材の概念に含まれるものである。
【0114】
この第3実施形態によるラチスブームの上記以外の構成は、上記第1実施形態によるラチスブーム1の構成と同様である。
【0115】
この第3実施形態では、右側補強ラチス部材4の右側取付板76に設けられた右側取付用貫通穴76aとブーム本体2の右側被取付板72に設けられた右側被取付用貫通穴72aにブーム本体2の右側主材10aの延びる方向に対して直交する方向に延びるボルト78が挿嵌されてそのボルト78とナット80により右側取付板76と右側被取付板72とが互いに固定されているとともに、左側補強ラチス部材6の左側取付板82に設けられた左側取付用貫通穴とブーム本体2の左側被取付板74に設けられた左側被取付用貫通穴にブーム本体2の左側主材10bの延びる方向に対して直交する方向に延びるボルト78が挿嵌されてそのボルト78とナット80により左側取付板82と左側被取付板74とが互いに固定されている。このため、ラチスブームに左右方向の曲げ荷重が作用してブーム本体2の右側主材10aに軸方向の荷重が作用した場合に、右側主材10aに作用した軸方向の荷重を右側被取付板72からボルト78を介して右側取付板76へ有効に伝達することができるとともに、その右側取付板76から右側補強メインパイプ34に伝達することができる。また、ラチスブームに左右方向の曲げ荷重が作用してブーム本体2の左側主材10bに軸方向の荷重が作用した場合に、左側主材10bに作用した軸方向の荷重を左側被取付板74からボルト78を介して左側取付板82へ有効に伝達することができるとともに、その左側取付板82から左側補強メインパイプ54に伝達することができる。
【0116】
この第3実施形態によるラチスブームの上記以外の効果は、上記第1実施形態によるラチスブームの効果と同様である。
【0117】
(ラチスブームの補強長さによる補強効果のシミュレーション)
次に、ラチスブームのフット部から先端側へ向かって補強を行った長さ(以下、補強長さという)とその補強効果との関係を調べたシミュレーションの結果について説明する。このシミュレーションでは、ラチスブームのフット部からの補強長さを変化させてそのブームの吊り能力がどのように向上するかを調べることによって補強効果の向上傾向を調べた。なお、このシミュレーションでは、ラチスブームの補強は、当該ブームの主材の肉厚を増加させることによって行うこととしたが、補強長さによる補強効果の向上傾向という意味では、このシミュレーションの結果が上記各実施形態のように補強ラチス部材で補強を行う場合の補強長さについても同様の傾向として現れると考えられる。
【0118】
図16では、ブームの全長に対するブームのフット部から先端側への補強長さの割合を横軸に、補強によるブームの吊り能力の向上率を縦軸にそれぞれ表している。なお、当該シミュレーションにおけるブームの吊り能力は、ブームに対する吊り荷重で表され、その吊り荷重の2%に相当する横方向への荷重をブームの先端に掛けた場合にブームの横方向への撓みがブームの全長の2%以内に収まるような吊り荷重を意味する。また、図16の縦軸の補強によるブームの吊り能力の向上率は、補強を施していない状態のブームの吊り能力を100%として、その吊り能力に対する補強後のブームの吊り能力の割合を表している。
【0119】
図16から、ブームの全長に対するブームのフット部からの補強長さの割合が50%以下の場合には、補強長さが増えるにつれてほぼ正比例でブームの吊り能力が向上するが、ブームの補強長さがブームの全長の50%を超えると、補強長さの増加の割には吊り能力があまり大きく増加しないことが分かる。すなわち、この結果から、ブームの長手方向の中間部から基端(フット部)側の領域を重点的に補強することが、ブームの横方向への撓みの抑制を効率的に行うのに有効であり、ブームの吊り能力の向上に大きく寄与することが分かった。
【0120】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0121】
例えば、図17に示す上記第1実施形態の第1変形例のように、右側補強ラチス部材4が複数の右側離隔補強メインパイプ34bを備えていてもよく、左側補強ラチス部材6が複数の左側離隔補強メインパイプ54bを備えていてもよい。具体的には、この第1変形例では、右側補強ラチス部材4において2本の右側隣接補強メインパイプ34aの右外側に離間して2本の右側離隔補強メインパイプ34bが配置されており、対応する右側隣接補強メインパイプ34aと右側離隔補強メインパイプ34bとが右側補強サブパイプ36によって連結されているとともに2本の右側離隔補強メインパイプ34bが互いに右側補強サブパイプ36によって連結されている。また、左側補強ラチス部材6は、右側補強ラチス部材4を左右反転させた構造となっている。
【0122】
また、丸パイプからなる右側隣接補強メインパイプ34a及び左側隣接補強メインパイプ54aの代わりに、丸パイプ以外の形状の部材を用いてもよい。
【0123】
例えば、図18に示す上記第1実施形態の第2変形例のように、左側補強ラチス部材6において、角パイプからなる左側隣接補強メインパイプ54aを用いてもよい。同様に、右側補強ラチス部材4において、角パイプからなる右側隣接補強メインパイプ34aを用いてもよい。
【0124】
また、図19に示す上記第1実施形態の第3変形例のように、ブーム本体2の右側主材10aのパイプの外周面に沿って湾曲するとともに右側主材10aの長手方向に延びる板材からなる右側隣接補強部材84を前記右側隣接補強メインパイプ34aの代わりに設け、ブーム本体2の左側主材10bのパイプの外周面に沿って湾曲するとともに左側主材10bの長手方向に延びる板材からなる左側隣接補強部材86を前記左側隣接補強メインパイプ34aの代わりに設けてもよい。なお、右側隣接補強部材84及び左側隣接補強部材86は、補強ラチス部材4,6の配設領域の全体に亘って主材10a,10bに沿って延びるように設けてもよいが、ブーム本体2の副材12が主材10a,10bに接合された箇所毎に短い隣接補強部材84,86を配設してそれら各箇所の位置で各隣接補強部材84,86が主材10a,10bに接触するようにすることが好ましい。そして、この場合には、各隣接補強部材84,86をそれぞれ対応する補強サブパイプ36,56で離隔補強メインパイプ34b,54bに連結するようにすればよい。
【0125】
また、隣接補強部材を左右の主材10a,10bの外周面に沿うように設ける場合には、図19の第3変形例の隣接補強部材84,86のような湾曲した板状のものに限らない。例えば、左側隣接補強部材88(図20参照)として、左側主材10bに接触すべき面が左側主材10bの外周面に沿って湾曲した曲面に形成されているとともに左側補強サブパイプ56に溶接される面が平面状に形成された中実の部材からなるものを用いてもよく、同様に、右側隣接補強部材として、右側主材10aに接触すべき面が右側主材10aの外周面に沿って湾曲した曲面に形成されているとともに右側補強サブパイプ36に溶接される面が平面状に形成された中実の部材からなるものを用いてもよい。なお、左側隣接補強部材及び右側隣接補強部材は、ここに記載した外形を有するが、中空のパイプ状に形成されたものであってもよい。
【0126】
また、補強ラチス部材4,6が上記第1変形例の補強ラチス部材4,6の特徴と上記第3変形例の補強ラチス部材4,6の特徴とを兼ね備えた構造を有していてもよい。具体的には、図21に示す上記第1実施形態の第5変形例のように、右側補強ラチス部材4が、複数の右側離隔補強メインパイプ34bを有するとともに、前記右側隣接補強メインパイプ34aの代わりに湾曲した板状の右側隣接補強部材84を有していてもよく、左側補強ラチス部材6が、複数の左側離隔補強メインパイプ54bを有するとともに、前記左側隣接補強メインパイプ54aの代わりに湾曲した板状の左側隣接補強部材86を有していてもよい。
【0127】
また、図22に示す上記第1実施形態の第6変形例のように、ブーム本体2の左側主材10bに対してそれに沿うように配置される左側隣接補強メインパイプ54aを補助的にスチールバンド等のバンド90によって結束するようにしてもよい。なお、図22では省略しているが、右側隣接補強メインパイプ34aも同様にブーム本体2の右側主材10aに対してバンドで結束するようにしてもよい。また、バンドの代わりに何らかのクランプ装置により、ブーム本体2の主材10に対してそれに沿うように配置される隣接補強メインパイプを締め付けて固定するようにしてもよい。
【0128】
また、図23に示す上記第3実施形態の変形例のように、ブーム本体2の被取付板72,74が主材10から斜め外側に突出するように設けられているとともに、補強ラチス部材4,6の取付板76,82が補強メインパイプ34,54からブーム本体2側でかつ補強ラチス部材4,6の幅方向内側へ斜めに突出するように設けられていてもよい。
【0129】
また、この変形例では、複数の板材が繋ぎ合わされた右側パイプ間連結材90によって2本の右側補強メインパイプ34が互いに連結されており、複数の板材が繋ぎ合わされた左側パイプ間連結材92によって2本の左側補強メインパイプ54が互いに連結されている。
【0130】
具体的には、右側パイプ間連結材90は、各右側補強メインパイプ34にそれぞれ溶接された板状の右側パイプ取付材90aと、それら右側パイプ取付材90a同士を繋ぐための板状の右側中間材90bと、ボルト90c及びナット90dとを有する。右側パイプ取付材90aは、2本の右側補強メインパイプ34の外周面のうち互いに対向する位置にそれぞれ溶接されている。各右側補強メインパイプ34に溶接された右側パイプ取付材90aは、互いに接近する方向へ延びている。そして、各右側パイプ取付材90aの先端同士の間に跨るように右側中間材90bが配設され、その右側中間材90bの各端部と対応する右側パイプ取付材90aの先端部とがボルト90cとナット90dでそれぞれ締結されている。
【0131】
左側パイプ間連結材92は、右側パイプ間連結材90を左右反転させた構造を有しており、右側パイプ間連結材90の2つの右側パイプ取付部90a、右側中間材90b、ボルト90c及びナット90dに対応する2つの左側パイプ取付材92a、左側中間材92b、ボルト92c及びナット92dを有する。
【0132】
この変形例のようにパイプ取付材90a,92aと中間材90b,92bがボルト90c,92cとナット90d,92dで締結される構造であれば、クレーン作業の現場等において、補強ラチス部材4,6を容易に分解、組み立てすることが可能となる。
【0133】
また、補強ラチス部材は、必ずしもブーム本体の長手方向の中間から基端側の領域にのみ取り付けられる必要はない。例えば、ブーム本体の長手方向の全体にわたって補強ラチス部材が取り付けられてもよい。ただし、補強ラチス部材は、ブーム本体の長手方向における一部の領域に取り付けられ、ブーム本体の長手方向における補強ラチス部材の基端とブーム本体の基端との間の距離は、ブーム本体の長手方向における補強ラチス部材の先端とブーム本体の先端との間の距離よりも小さくなっていることが、ラチスブームの重量増加を抑えつつ、ブームの効果的な撓みの低減を達成するという観点から好ましい。
【0134】
また、本発明のラチスブームは、クローラクレーン以外の各種クレーンに設けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0135】
1 ラチスブーム
2 ブーム本体
4 右側補強ラチス部材(第1補強ラチス部材)
6 左側補強ラチス部材(第2補強ラチス部材)
10 主材
10a 右側主材(第1主材)
10b 左側主材(第2主材)
21 連結ピン(第1連結材、第2連結材)
22b 右側基端単位主材22b(第1単位主材)
22c 左側基端単位主材(第2単位主材)
22g 右側フット部(第1フット部)
22h 左側フット部(第2フット部)
23 フットピン
24a 右側中間単位主材(第1単位主材)
24b 左側中間単位主材(第2単位主材)
24c 右側中間単位パイプ(第1主パイプ)
24d 右側基端接続部(第1被取付部)
24e 右側先端接続部(第1被取付部)
24i 左側中間単位パイプ(第2主パイプ)
24j 左側基端接続部(第2被取付部)
24k 左側先端接続部(第2被取付部)
24p 貫通穴(第1被取付用貫通穴)
24q 貫通穴(第1被取付用貫通穴)
34 右側補強メインパイプ(第1補強パイプ)
34a 右側隣接補強メインパイプ(第1隣接補強メインパイプ)
34b 右側離隔補強メインパイプ(第1離隔補強メインパイプ)
36 右側補強サブパイプ(第1補強サブパイプ)
38 右側補強基端取付部(第1基端取付部)
40 右側補強先端取付部(第1取付部)
40b 右側補強取付用貫通穴(第1取付用貫通穴)
54 左側補強メインパイプ(第2補強パイプ)
54a 左側隣接補強メインパイプ(第2隣接補強メインパイプ)
54b 左側離隔補強メインパイプ(第2離隔補強メインパイプ)
56 左側補強サブパイプ(第2補強サブパイプ)
58 左側補強基端取付部(第2基端取付部)
60 左側補強先端取付部(第2取付部)
72 右側被取付板(第1被取付板)
72a 右側被取付用貫通穴(第1被取付用貫通穴)
74 左側被取付板(第2被取付板)
76 右側取付板(第1取付板)
76a 貫通穴
78 ボルト(第1連結材、第2連結材)
82 左側取付板(第2取付板)
92 前側ラチス部材(第1補強ラチス部材)
94 後側ラチス部材(第2補強ラチス部材)
104 上部旋回体(クレーンの本体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンの旋回可能な本体に起伏自在に設けられるラチスブームであって、
特定方向に延び、前記クレーンの本体の旋回方向に面する第1側面とその反対側面である第2側面とを有するラチス構造を有し、基端部が前記クレーンの本体に取り付けられる一方、先端部から吊荷が吊り下げられるブーム本体と、
前記ブーム本体の長手方向に沿って延びるように配置され、前記ブーム本体の前記第1側面に対して着脱可能であり、ラチス構造を有する第1補強ラチス部材と、
前記ブーム本体の長手方向に沿って延びるように配置され、前記ブーム本体の前記第2側面に対して着脱可能であり、ラチス構造を有する第2補強ラチス部材とを備え、
前記ブーム本体は、当該ブーム本体の長手方向に延びる部分を有し、当該ブーム本体の長手方向に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置された複数本の主材を含み、これらの主材の中に前記第1側面上に位置する第1主材と前記第2側面上に位置する第2主材とが含まれ、
前記第1補強ラチス部材は、前記第1主材と同方向に延びる部分を有し、前記第1主材から外側に離間して配置される第1補強パイプと、その第1補強パイプに設けられ、前記第1主材に軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が前記第1補強パイプに伝達されるように前記第1主材に取り付けられる第1取付部とを含み、
前記第2補強ラチス部材は、前記第2主材と同方向に延びる部分を有し、前記第2主材から外側に離間して配置される第2補強パイプと、その第2補強パイプに設けられ、前記第2主材に軸方向の荷重が作用する場合にその荷重が前記第2補強パイプに伝達されるように前記第2主材に取り付けられる第2取付部とを含む、ラチスブーム。
【請求項2】
前記第1主材は、前記第1取付部が取り付けられる第1被取付部を含み、
前記第1被取付部には、当該第1被取付部を前記第1主材の延びる方向に対して交差する方向に貫通する第1被取付用貫通穴が設けられ、
前記第1補強ラチス部材の前記第1取付部には、当該第1取付部を前記第1被取付用貫通穴と同方向に貫通する第1取付用貫通穴が設けられ、
前記第1主材の延びる方向に対して交差する方向に延びる第1連結材が前記第1被取付用貫通穴と前記第1取付用貫通穴に挿嵌されることによって、前記第1被取付部に対して前記第1取付部が取り付けられる、請求項1に記載のラチスブーム。
【請求項3】
前記第2主材は、前記第2取付部が取り付けられる第2被取付部を含み、
前記第2被取付部には、当該第2被取付部を前記第1主材の延びる方向に対して交差する方向に貫通する第2被取付用貫通穴が設けられ、
前記第2補強ラチス部材の前記第2取付部には、当該第2取付部を前記第2被取付用貫通穴と同方向に貫通する第2取付用貫通穴が設けられ、
前記第2主材の延びる方向に対して交差する方向に延びる第2連結材が前記第2被取付用貫通穴と前記第2取付用貫通穴に挿嵌されることによって、前記第2被取付部に対して前記第2取付部が取り付けられる、請求項1又は2に記載のラチスブーム。
【請求項4】
前記第1主材は、その長手方向に並んで配置され、隣り合うもの同士が互いに接続される複数の第1単位主材を含み、
前記第1被取付部は、隣り合う前記第1単位主材同士の接続部であり、当該第1単位主材同士の接続部に前記第1被取付用貫通穴が設けられており、
前記第1取付部に設けられた前記第1取付用貫通穴と前記隣り合う第1単位主材同士の接続部に設けられた前記第1被取付用貫通穴とに前記第1連結材が挿嵌されることによって、前記隣り合う第1単位主材同士が接続されるとともにその第1単位主材同士の接続部に前記第1取付部が取り付けられる、請求項2に記載のラチスブーム。
【請求項5】
前記第2主材は、その長手方向に並んで配置され、隣り合うもの同士が互いに接続される複数の第2単位主材を含み、
前記第2被取付部は、隣り合う前記第2単位主材同士の接続部であり、当該第2単位主材同士の接続部に前記第2被取付用貫通穴が設けられており、
前記第2取付部に設けられた前記第2取付用貫通穴と前記隣り合う第2単位主材同士の接続部に設けられた前記第2被取付用貫通穴とに前記第2連結材が挿嵌されることによって、前記隣り合う第2単位主材同士が接続されるとともにその第2単位主材同士の接続部に前記第2取付部が取り付けられる、請求項3に記載のラチスブーム。
【請求項6】
前記第1主材は、前記ブーム本体の長手方向に延びる第1主パイプを含み、
前記第1被取付部は、前記第1主パイプの外周面から前記ブーム本体の外側へ突出するとともにその第1主パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第1被取付板を有し、その第1被取付板に板厚方向に貫通する前記第1被取付用貫通穴が設けられ、
前記第1取付部は、前記第1補強パイプの外周面に突設されるとともにその第1補強パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第1取付板を有し、その第1取付板に板厚方向に貫通する前記第1取付用貫通穴が設けられ、
前記第1取付板が前記第1被取付板に重ね合わされた状態で、前記第1取付用貫通穴と前記第1被取付用貫通穴に前記第1連結材が挿嵌されて前記第1取付板と前記第1被取付板が互いに固定される、請求項2に記載のラチスブーム。
【請求項7】
前記第2主材は、前記ブーム本体の長手方向に延びる第2主パイプを含み、
前記第2被取付部は、前記第2主パイプの外周面から前記ブーム本体の外側へ突出するとともにその第2主パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第2被取付板を有し、その第2被取付板に板厚方向に貫通する前記第2被取付用貫通穴が設けられ、
前記第2取付部は、前記第2補強パイプの外周面に突設されるとともにその第2補強パイプの長手方向に沿うように設けられた平板状の第2取付板を有し、その第2取付板に板厚方向に貫通する前記第2取付用貫通穴が設けられ、
前記第2取付板が前記第2被取付板に重ね合わされた状態で、前記第2取付用貫通穴と前記第2被取付用貫通穴に前記第2連結材が挿嵌されて前記第2取付板と前記第2被取付板が互いに固定される、請求項3に記載のラチスブーム。
【請求項8】
前記第1補強ラチス部材及び前記第2補強ラチス部材は、前記ブーム本体の長手方向における一部の領域に取り付けられ、
前記ブーム本体の長手方向における前記第1補強ラチス部材の基端と前記ブーム本体の基端との間の距離は、前記ブーム本体の長手方向における前記第1補強ラチス部材の先端と前記ブーム本体の先端との間の距離よりも小さく、
前記ブーム本体の長手方向における前記第2補強ラチス部材の基端と前記ブーム本体の基端との間の距離は、前記ブーム本体の長手方向における前記第1補強ラチス部材の先端と前記ブーム本体の先端との間の距離よりも小さくなっている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のラチスブーム。
【請求項9】
前記ブーム本体は、当該ブーム本体の基端部に配置されるとともに前記第1主材の基端部に設けられ、前記クレーンの本体にフットピンによって取り付けられる第1フット部と、前記ブーム本体の基端部に配置されるとともに前記第2主材の基端部に設けられ、前記クレーンの本体に前記フットピンによって取り付けられる第2フット部とを含み、
前記第1補強ラチス部材は、当該第1補強ラチス部材の基端部に配置されるとともに前記第1補強パイプの基端部に設けられ、前記フットピンによって前記第1フット部に取り付けられる第1基端取付部を含み、
前記第1取付部は、前記第1主材のうち前記第1フット部よりも前記ブーム本体の先端側に位置する部位に取り付けられ、
前記第2補強ラチス部材は、当該第2補強ラチス部材の基端部に配置されるとともに前記第2補強パイプの基端部に設けられ、前記フットピンによって前記第2フット部に取り付けられる第2基端取付部を含み、
前記第2取付部は、前記第2主材のうち前記第2フット部よりも前記ブーム本体の先端側に位置する部位に取り付けられる、請求項8に記載のラチスブーム。
【請求項10】
2本の前記第1主材が前記ブーム本体の前記第1側面上において当該ブーム本体の長手方向と直交する方向に互いに離間して配設されているとともに、2本の前記第2主材が前記ブーム本体の前記第2側面上において当該ブーム本体の長手方向と直交する方向に互いに離間して配設されており、
前記第1補強パイプは、2本の前記第1主材のそれぞれに沿うように配設される第1隣接補強メインパイプと、それら第1隣接補強メインパイプに対して前記第1側面と反対側に離間して配設されて前記ブーム本体の長手方向に延びる部分を有する第1離隔補強メインパイプとを含み、
前記第1補強ラチス部材は、前記第1隣接補強メインパイプと前記第1離隔補強メインパイプとを繋ぐ第1補強サブパイプを含み、
前記第2補強パイプは、2本の前記第2主材のそれぞれに沿うように配設される第2隣接補強メインパイプと、それら第2隣接補強メインパイプに対して前記第2側面と反対側に離間して配設されて前記ブーム本体の長手方向に延びる部分を有する第2離隔補強メインパイプとを含み、
前記第2補強ラチス部材は、前記第2隣接補強メインパイプと前記第2離隔補強メインパイプとを繋ぐ第2補強サブパイプを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のラチスブーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−225343(P2011−225343A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97965(P2010−97965)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(304020362)コベルコクレーン株式会社 (296)
【Fターム(参考)】