説明

ラベリングマシン

【課題】簡易な構造で以ってテープに張力をほとんど作用させずに高速で引出して供給すること。
【解決手段】駆動源23付きの駆動テーブル装置20と、駆動テーブル装置20及び引出ローラ装置30の間に配設された送り検出装置50と、引出ローラ装置30及び駆動テーブル装置20の回転駆動を個別に制御するコントロールユニット40とを具備すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロール体を搭載したラベリングマシンに関し、特に、ロール体からテープを無負荷に近い状態で引出して供給するロール体の供給装置を搭載したラベリングマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のラベリングマシンは、ラベル素材であるテープが巻き取られたロール体を搭載する空転テーブルと、ロール体からテープを引出す一対の引出ローラと、空転テーブルと引出ローラの間でテープの張力変化を緩和する張力調整手段とからなるラベルの供給装置を具備している。
ラベリングマシンの連続運転に対応するため、二組のテープ供給装置を装備していて、一方のテープ供給装置によるロール体の供給が終了した直後に、他方のテープ供給装置に切り替えてテープを供給することも知られている。
【0003】
特許文献1,2等に開示されているように、固定式の固定ローラと、該固定ローラに対して1m前後のスライド移動が可能な張力調整用の可動ローラとにより構成される張力調整手段は周知である。
可動ローラにはばね部材が張設してあって、可動ローラを介したばね部材のばね力で以ってテープに作用する張力を緩和する構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭56−161254号公報
【特許文献2】特開平5−32241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した従来のテープの供給装置にはつぎのような問題点がある。
(1)可動ローラのスライド距離が大きいために、張力調整手段の設置面積が大きくなってラベリングマシンが大型化する問題がある。
(2)固定ローラと可動ローラとの間に巻き掛けたテープには、ばね力に基づいた大きな張力が作用する。
そのために、引出し中にテープの伸びやスリップを生じ易い。
テープに伸びやスリップを生じると、切断位置がずれて規格外の不良ラベルが発生する。
特にテープの引出速度が高速化するほどテープに伸びやスリップを生じ易く、不良ラベルの発生率が高くなる。
(3)テープに作用する張力はテープの引出し直後が最大となる。
そのため、二系統のラベル供給装置を具備したラベリングマシンにあっては、テープの切り替えに10数秒を要し、この間は被着体の供給を一時的に中断し得るように、大量の被着体のストック分を見込んで供給ラインを長くし形成しておかなければならず、経済的損失が大きい。
(4)テープの張力はテープの引出し速度の影響も受けて、引出し速度が高速になるほど張力も大きくなる。
その一方で、テープの引張強度に限界があるから、テープの引出し速度を無制限に高めることができない。
(5)テープの張力変化を緩和する他の張力調整手段として、ロール体搭載用のテーブルの回転軸をモータ等で以って回転駆動し、ロール体の回転速度を一対の引出ローラの引出し速度に同調させる方法が試みられている。
しかしながらこの方法は、ロール体の周速度をテープの引出速度と完全に一致させることが技術的に難しく、実現が困難である。
(6)ラベルコスト削減の要請から、ラベル素材が樹脂製の場合、テープの厚さがμm単位まで極薄化しているが、テープの厚さが薄くなるほどテープの伸びやスリップを生じ易い。
従来のテープの供給装置では、極薄化したテープの伸びやスリップを防止しながら高速で引出すことができなかった。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは少なくともつぎのひとつのテープの供給技術を提供することにある。
(1)簡易な構造で以ってテープに張力をほとんど作用させずに高速で供給すること。
(2)テープの供給装置の小型コンパクト化と、ラベリングマシンの小型化が図れること。
(3)ロール体の切り替えを瞬時にかつ円滑に行えること。
(4)ロール体の回転速度を正確に制御できること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1発明は、少なくとも一組のテープ供給装置と、ロール体からテープを引出す引出ローラ装置とを具備したラベリングマシンにおいて、搭載したロール体からテープを繰り出す駆動源付きの駆動テーブル装置と、前記駆動テーブル装置及び引出ローラ装置の間に配設された送り検出装置と、引出ローラ装置及び駆動テーブル装置の回転駆動を個別に制御するコントロールユニットとを具備し、前記送り検出装置は、テープを巻き掛ける少なくとも1つの不動ローラと、テープを巻き掛ける少なくとも1つの揺動ローラを具備するとともに、一端を揺動自在に枢支した揺動杆と、揺動ローラを不動ローラの離隔方向へ向けて付勢する付勢部材と、揺動杆の回転角を検出する回転角センサとを具備し、引出ローラ装置によるテープの供給量に対して駆動テーブル装置によるテープの繰出し量の過不足を、揺動杆を介して回転角センサで検知し、前記コントロールユニットが、揺動杆の振れ角に応じて、引出ローラ装置によるテープの供給速度と同調するように、駆動テーブル装置によるテープの繰出し速度を制御することを特徴とする。
本願の第2発明は、前記第1発明において、二組のテープ供給装置を具備することを特徴とする。
本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明において、テープを巻き掛ける不動ローラおよび揺動ローラを複数有することを特徴とする。
本願の第4発明は、前記第1発明乃至第3発明の何れかひとつにおいて、駆動テーブル装置の外方にロール体のロール径を計測するセンサをさらに具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明はつぎの何れかひとつの効果を奏する。
(1)送り検出装置とコントロールユニットとが協働して、引出ローラ装置によるテープの供給量に対して駆動テーブル装置によるテープの繰出し量の過不足に応じて引出ローラ装置によるテープの供給速度と同調するように、駆動テーブル装置によるテープの繰出し速度を制御することができる。
したがって、テープに張力をほとんど作用させずに高速で引出して供給することができる。
(2)付勢部材の付勢力が小さくてすむこと、揺動ローラの動滑車作用に伴うテープの引出し負荷(引出力)を小さくできること、および駆動テーブル装置によるテープの繰出し速度を引出ローラ装置によるテープの供給速度と等速に制御できることにより、テープに張力をほとんど作用させずに引出すことができる。
したがって、テープを高速で引出しても、テープの伸びやスリップを確実に防止することができる。
(3)送り検出装置がコンパクトであるため、テープの供給装置の小型コンパクト化が可能であるだけでな、ラベリングマシン全体の小型化も図れる。
(4)引出ローラ装置によるテープの引出し開始直後において、不動ローラおよび揺動ローラ間に巻き掛けたテープに不足を生じると、揺動杆が瞬時に揺動して、両ローラの間に巻き掛けて貯留していたテープが引き出されて不足量を補う。
したがって、二組のラベルの供給装置を搭載したラベリングマシンにあっては、ロール体の切り替えを瞬時に、かつ円滑に行うことができる。
(5)駆動テーブル装置の周囲にロール体のロール径を計測するためのセンサを配備すると、変化するロール径に応じて駆動テーブル装置の制御速度を微調整できるので、駆動テーブル装置の回転制御をより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るラベリングマシンの平面モデル図
【図2】図1におけるII−IIの断面図
【図3】送り検出装置の斜視図
【図4】テープの供給装置の作動を説明するための平面モデル図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
【0011】
<1>ラベリングマシンの概要
以下図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。
図1に本発明に係るテープの供給装置Aを搭載したラベリングマシンの平面モデル図を示し、図2にテープの供給装置Aの縦断面図を示し、図3にテープの供給装置Aの一部を省略した要部の斜視図を示す。
【0012】
図1に示したラベリングマシンは、一組、又は二組のテープ供給装置Aと、テープを引出す引出ローラ装置30とを搭載していて、テープ11にほとんど張力が作用しない状態でロール体10から繰り出して、例えばテープ11を切断する切断装置60へ連続して供給するようになっている。
【0013】
ロール体10は予め連続して多数のラベルを配列表示した帯状のテープ11が幾重にも巻き付けられている。
テープ11の裏面にはラベルの切断位置を光学的に読み取るマークが付されていて、切断装置60はその近傍に配設した光学式のセンサS1によるマークの読み取り信号に基づいて所定のラベルサイズに切断することができる。
テープ11は樹脂製フィルムシート、紙テープ等の公知の素材を含み、また剥離テープにラベルを貼り付けたタッグラベルであってもよい。テープ11のサイズや素材は使途に応じて適宜選択する。
【0014】
<2>テープの供給装置
図1乃至図3に示すように、テープの供給装置Aは、ロール体10のテープ11をほとんど張力が作用しない無負荷状態で繰り出するための装置で、搭載したロール体10からテープを繰り出す駆動テーブル装置20と、一対のローラでテープ11を引出す引出ローラ装置30と、前記駆動テーブル装置20及び引出ローラ装置30の中間に配設された送り検出装置50と、引出ローラ装置30及び駆動テーブル装置20等の回転駆動を個別に制御するコントロールユニット40とを具備する。以降に各部について詳説する。
【0015】
<2.1>駆動テーブル装置
駆動テーブル装置20はロール体10を搭載するテーブル21と、該テーブル21の軸心に鉛直に位置する駆動軸22と、駆動軸22を回転駆動する駆動源23とよりなる。
駆動源23としては公知のモータが適用可能である。駆動テーブル装置20の回転制御をより正確に行うには、例えばサーボモータ、インバータ式モータ等を使用することが望ましい。
【0016】
従来のラベリングマシンはテーブルが駆動源を持たない空転式であった。
本願発明では駆動テーブル装置20が駆動源23を具備していて、駆動テーブル装置20に搭載したロール体10及び引出ローラ装置30の間に位置するテープ11(フリーテープ)に大きな張力が作用しないように、コントロールユニット40が送り検出装置50の検出情報に基づいて引出ローラ装置30の供給速度と同調するようにその回転が制御される。
換言すれば駆動テーブル装置20の駆動源23は、引出ローラ装置30の回転速度の大小に関係なく、駆動テーブル装置20に搭載したロール体10及び引出ローラ装置30の間に位置するテープ11(フリーテープ)に大きな張力が作用しないように回転が制御される。
駆動テーブル装置20の回転制御方法については後述する。
【0017】
<2.2>引出ローラ装置
引出ローラ装置30は、鉛直軸を中心に回転する一対の引出ローラ31,31と、引出ローラ31を回転駆動するモータ等の駆動源32とよりなる公知の装置で、ローラ31,31の周面間に挟持したテープ11を切断装置60へ供給する。
【0018】
<2.3>送り検出装置
送り検出装置50は、駆動テーブル装置20によるテープ11の送り量の過不足を検出するための装置で、引出ローラ装置30がテープ11を引出す際における負荷(引出力)を小さくする機能と、ロール体10の切り替えができるだけの長さのテープ11を貯留する機能を併有する。
【0019】
送り検出装置50は、鉛直軸を中心に空転する少なくとも1つの不動ローラ51と、鉛直の支軸52を中心に水平に揺動する揺動杆53と、揺動杆53に立設し、鉛直軸を中心に空転する少なくとも1つの揺動ローラ54と、揺動ローラ54を不動ローラ51の離隔方向へ向けて常時付勢するばね等の付勢部材55と、支軸52の回転角を検出する回転角センサ56とを具備する。
ロール体10から引出されたテープ11は、不動ローラ51と揺動ローラ54に交互に掛け渡された後、引出ローラ装置30へ案内されている。
【0020】
<2.3.1>ローラ
本例では間隔を隔てて二つの不動ローラ51をU字形の取付板57に立設し、間隔を隔てて二つの揺動ローラ54を揺動杆53に立設した形態を示すが、これらのローラ51,54の設置数はこれ以上であってもよく、少なくともひとつあればよい。
揺動ローラ54は、例えれば荷重軽減用の動滑車と同じ働きをするローラで、引出ローラ装置30によるテープ11の引出し負荷(引出力)を小さくしてテープ11のスリップ防止に役立つ。
本例のように揺動ローラ54をふたつ配備すれば、引出ローラ装置30におけるテープ11の引出し負荷を1/4に低減することができる。
【0021】
<2.3.2>揺動杆
揺動杆53は、揺動ローラ54の変位(接近または離隔と変位量)を支軸52の回転へ変換するための部材である。最終的に支軸52の回転を回転角センサ56へ伝えられるように構成されていればよい。
図4に示すように、送り検出装置50は揺動杆53の時計回り方向の回転を一定範囲に規制するためのストッパ58を有する。
【0022】
<2.3.3>支軸
本例では支軸52をテーブル21の下方に配設した形態について示すが、揺動杆53の枢支位置はテーブル21の外方位置であってもよい。
【0023】
<2.3.4>付勢部材
本発明は、付勢部材55の付勢力のみによって、両ローラ51,54間に掛け渡したテープ11の張力を自動調整するものではない。
付勢部材55は、揺動ローラ52を設けた揺動杆53が不動ローラ51へ向けた自由な揺動を規制するための規制部材であり、揺動杆53を不動ローラ51から離間する方向へ付勢している。
付勢部材55が揺動杆53を付勢する力は、引出ローラ装置30の引出し力を受けたテープ11が伸びたりスリップしたりしないだけの小さな力を意味する。
【0024】
本発明では、揺動ローラ52を不動ローラ51から離隔させるために必要最小の離隔力を与えるために付勢部材55を設置するものである。
付勢部材55の付勢力とは、引出ローラ装置30の引出し力を受けたテープ11が伸びたりスリップしたりしないだけの小さな力を意味する。したがって、付勢部材55の付勢力は小さいほどよい。
【0025】
付勢部材55としてはばね部材、公知の弾性部材、または重錘に接続したロープ材を滑車に係留して重量を利用して付勢力を付与する手段(図示せず)等の公知の手段を適用することができる。
また、その配置位置は揺動杆53に限定されるものではなく、支軸52側に設けてもよい。
【0026】
<2.3.5>回転角センサ
回転角センサ56は支軸52の回転角を検出するためのセンサである。
本例では支軸52の回転を回転角センサ56へ伝達する手段として、歯車機構を適用した形態について示すが、公知の変位伝達機構が適用可能である。
【0027】
<3>コントロールユニット
図1に示すように、コントロールユニット40は、少なくとも引出ローラ装置30の駆動源32、駆動テーブル装置20の駆動源23、回転角センサ56と電気的に接続している。
コントロールユニット40には、回転角センサ56の検知信号に基づき、引出ローラ装置30の供給速度と同調するように、駆動テーブル装置20の駆動源23の回転を制御するためのプログラムが組み込まれている。
【0028】
[作用]
つぎにテープの供給装置の作動について説明する。
【0029】
(1)テープ供給前
図1,2に示すように、テープ11の供給前においては、引出ローラ装置30及び駆動テーブル装置20の駆動源32,22は停止している。
送り検出装置50を構成する揺動杆53の揺動ローラ54は、付勢部材55の付勢力を受けて不動ローラ51から最も離れた位置に位置している。
このとき、送り検出装置50の両ローラ51,54の間に巻き掛けたテープ11(フリーテープ)には、張力がまったく作用していない。
【0030】
(2)テープの供給
コントロールユニット40による制御指令を受けて、引出ローラ装置30及び駆動テーブル装置20の駆動源32,22が同時に回転することで、駆動テーブル装置20によるロール体10からのテープ11の強制繰り出しと、引出ローラ装置30によるテープ11の引出しとが同時に進行する。
このとき、駆動テーブル装置20によるテープ11の供給速度は、引出ローラ装置30によるテープ11の引出し速度と等速に制御される。
【0031】
テープ11の引出し開始直後において、引出ローラ装置30によるテープ11の引出し量に不足を生じる。両ローラ51,54の間に巻き掛けたテープ11に不足が生じると、付勢部材55を伸張しながら揺動杆53が支軸52を中心に揺動ローラ54に接近方向(図4の反時計回り方向)へ瞬時に揺動して、両ローラ51,54の間に巻き掛けて貯留していたテープ11(フリーテープ)が引き出されて不足量を補う。
【0032】
また、このときの引出ローラ装置30によるテープ11の引出し力は、揺動ローラ54により低減される。
さらに、付勢部材55の力が小さいため、テープ11の引出し開始直後において、テープ11に大きな張力が作用することはない。
したがって、テープ11が伸び易い極薄素材であっても、テープ11(フリーテープ)の破断、伸び、及びスリップを防止しながら高速供給が可能となる。
【0033】
(3)テープの繰出し制御
ロール体10が真円体でないことや、ラベルピッチに製造公差があること等の要因により、引出ローラ装置30の引出し速度を駆動テーブル装置20の繰出し速度と同速に制御しても、駆動テーブル装置20によるテープ11の繰出し量に過不足を生じる。
【0034】
図4に基づき、テープ11の繰出し量に過不足を生じたときの、テープの繰出し制御方法について説明する。
【0035】
駆動テーブル装置20によるテープ11の繰出し量が不足すると、揺動杆53とともに揺動ローラ54が不動ローラ51の接近方向へ向けて僅かに揺動する。この揺動杆53の揺動は支軸52を通じて回転角センサ56で検出されてコントロールユニット40へ入力される。
コントロールユニット40は回転角センサ56の検出値に基づき、引出ローラ装置30の供給速度と同調するように、駆動テーブル装置20の駆動源23を増速制御する。
【0036】
逆に、駆動テーブル装置20によるテープ11の繰出し量が過剰になると、揺動杆53とともに揺動ローラ54が不動ローラ51から離間する方向へ向けて僅かに揺動する。この揺動杆53の揺動は支軸52を通じて回転角センサ56で検出されてコントロールユニット40へ入力される。
コントロールユニット40は回転角センサ56の検出値に基づき、引出ローラ装置30の供給速度と同調するように、駆動テーブル装置20の駆動源23を減速制御する。
【0037】
このように、コントロールユニット40は、揺動杆53の振れ角θに応じて、引出ローラ装置30によるテープ11の供給速度(供給量)と同調するように、駆動テーブル装置20によるテープ11の繰出し速度(繰出し量)を自動制御する。
【0038】
(4)定速運転
ラベリングマシンの定速運転時においては、引出ローラ装置30によるテープ11の供給量と、駆動テーブル装置20によるテープ11の繰出し量が同調状態で保たれるために、揺動杆53の振れ角θは一定となり均衡状態が保たれる。
揺動杆53の振れ角θはテープ11の引出し速度の大小に関係なく一定となる。
【0039】
(5)減速運転
ラベリングマシンの減速運転時では、慣性の影響で揺動杆53の振れ角θが大きくなり、送り検出装置50のローラ51,54の間に掛け渡したテープ11(フリーテープ)のプール量が増大する。
揺動杆53への付勢力は、振れ角θの大小にかかわらず一定である。
【0040】
(6)ロール体の切替
図1において、右方のロール体10の供給終了と同時に、左方のテープの供給装置Aが稼動して左方のロール体10に切り替わる。
このロール体10の切替時においても、左方のテープの供給装置Aを構成する
引出ローラ装置30によるテープ11の引出し量に不足を生じるが、既述したテープ11の引出し開始直後と同様に、揺動杆53が揺動して両ローラ51,54の間に巻き掛けて貯留していたテープ11(フリーテープ)を引き出して不足量を補う。
したがって、テープ11が伸び易い極薄素材であっても、テープ11(フリーテープ)の破断、伸び、及びスリップを防止しながら高速での切替えが可能となる。
【0041】
ラベリングマシンがラベルの供給装置A,Aの二系統を具備している場合は、従来と比べてラベル体10の切替え時間を大幅に短縮できる。
そのため、切替えを終えるまで、容器等の被着体のストック量が少なくなって、供給ラインが短くて済むため全体マシンの小型化、低コスト化を実現できる。
【0042】
[他の実施例]
図1に示すように、駆動テーブル装置20の周囲にロール体10のロール径を計測するための超音波センサ等のセンサS2を配備するとともに、センサS2によるロール径をコントロールユニット40へ入力させる場合もある。
本例にあっては、センサS2によって計測したロール体10までの距離を計測する。コントロールユニット40はその数値に基づきロール径を換算してロール体10の円周を自動的に算出して、駆動テーブル装置20の制御速度を微調整できるので、駆動テーブル装置20の回転制御をより正確に行うことができる。
【符号の説明】
【0043】
A・・・・・・ラベルの供給装置
1,S2・・・センサ
10・・・・・ロール体
11・・・・・テープ
20・・・・・駆動テーブル装置
21・・・・・テーブル
22・・・・・駆動軸
23・・・・・駆動源
30・・・・・引出ローラ装置
31,31・・引出ローラ
32・・・・・駆動源
50・・・・・送り検出装置
51・・・・・不動ローラ
52・・・・・支軸
53・・・・・揺動杆
54・・・・・揺動ローラ
55・・・・・付勢部材
56・・・・・回転角センサ
57・・・・・取付板
58・・・・・ストッパ
60・・・・・切断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一組のテープ供給装置と、ロール体からテープを引出す引出ローラ装置とを具備したラベリングマシンにおいて、
搭載したロール体からテープを繰り出す駆動源付きの駆動テーブル装置と、
前記駆動テーブル装置及び引出ローラ装置の間に配設された送り検出装置と、
引出ローラ装置及び駆動テーブル装置の回転駆動を個別に制御するコントロールユニットとを具備し、
前記送り検出装置は、テープを巻き掛ける少なくとも1つの不動ローラと、
テープを巻き掛ける少なくとも1つの揺動ローラを具備するとともに、一端を揺動自在に枢支した揺動杆と、
揺動ローラを不動ローラの離隔方向へ向けて付勢する付勢部材と、
揺動杆の回転角を検出する回転角センサとを具備し、
引出ローラ装置によるテープの供給量に対して駆動テーブル装置によるテープの繰出し量の過不足を、揺動杆を介して回転角センサで検知し、
前記コントロールユニットが、揺動杆の振れ角に応じて、引出ローラ装置によるテープの供給速度と同調するように、駆動テーブル装置によるテープの繰出し速度を制御することを特徴とする、
ラベリングマシン。
【請求項2】
請求項1において、二組のテープ供給装置を具備することを特徴とする、ラベリングマシン。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、テープを巻き掛ける不動ローラおよび揺動ローラを複数有することを特徴とする、ラベリングマシン。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項において、駆動テーブル装置の外方にロール体のロール径を計測するセンサをさらに具備することを特徴とする、ラベリングマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−121679(P2012−121679A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273723(P2010−273723)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(391005949)光洋自動機株式会社 (39)
【Fターム(参考)】