説明

ラベルプリンタ

【課題】剥離ユニットを単にスライドさせるだけで通常発行状態と剥離発行状態との双方向の切り替えが可能なラベルプリンタを提供する。
【解決手段】ラベルプリンタ1は、剥離ローラ10を有する剥離ユニットとを備えており、剥離ユニットは、スライド部のスライド動作をロックする剥離ユニット固定機構64,64とを備えている。各剥離ユニット固定機構64は、位置決め部67A,67Bと、スライド部と共にスライドし、位置決め部67A,67Bと係合する突起部66A,66Bと、突起部66A,66Bが位置決め部67A,67Bと係合するように突起部66A,66Bを付勢する板バネ部材65A,65Bとを備え、剥離ユニットを通常発行状態及び剥離発行状態の一方から他方へ切り替える際、スライド部を所定の力でスライドさせることにより、位置決め部67A,67Bに対する突起部66A,66Bの係合が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルプリンタに関し、特に、帯状台紙に仮着したままラベルを発行する通常発行状態と、帯状台紙から剥離してラベルを発行する剥離発行状態とを切り替えて使用することができるラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
帯状台紙に仮着されたラベルに印字を施して発行するラベルプリンタの一機能として剥離発行機能が知られている(特許文献1参照)。この機能は、帯状台紙からラベルを剥離した状態で発行するものであり、帯状台紙に仮着したままラベルを発行する通常発行状態と、帯状台紙からラベルを剥離して発行する剥離発行状態とを必要に応じて切り替えることができるようになっている。
【0003】
図13は、剥離発行機能を備えた従来のラベルプリンタ90の構成を示す模式図であって、(a)は帯状台紙に仮着したままラベルを発行する通常発行状態、(b)は移行状態、(c)は帯状台紙からラベルを剥離して発行する剥離発行状態をそれぞれ示している。
【0004】
図13(a)〜(c)に示すように、従来のラベルプリンタ90は剥離ユニット91を備えており、通常発行状態と剥離発行状態との切り替えは剥離ユニット91のスライドによって行われる。剥離ユニット91は、ガイド溝92aに沿ってスライドするスライド部92と、スライド部92に揺動自在に支持され、剥離ローラ(転向ローラともいう)93を回動自在に支持している剥離ローラ支持部94とを備えている。剥離ローラ支持部94は、剥離ローラ93をプリンタ本体側に押し付ける方向に付勢するためのトーションバネ94bを備えている。スライド部92には、プリンタ本体側のガイド溝92aに嵌装されたスライド片92b,92cと、断面が半円形状を有する位置決め片94aが設けられている。
【0005】
図13(a)には、通常発行状態におけるスライド片92b,92c及び位置決め片94aの位置が示されている。通常発行状態において剥離ユニット91はスライド範囲の上限に位置している。位置決め部材95の上面95aはスライド方向に対して傾斜面となっているが、剥離ローラ支持部94がプリンタ本体側に押し付けられる方向に付勢されているため、位置決め片94aが位置決め部材95の上面95aに当接することによって剥離ユニット91の下方向へのスライドが制限され、これにより剥離ユニット91は通常発行状態に位置決めされている。
【0006】
通常発行状態から剥離発行状態への切り替えは、剥離ユニット91の下方向(矢印A方向)へのスライドによって行われる。図13(b)に示すように、剥離ユニット91を下方向へスライドさせると、位置決め片94aが位置決め部材95の上面95aの傾斜に沿って持ち上がり、規制が解除される。また、位置決め片94aの動きに合わせて剥離ローラ支持部94も付勢力に抗して持ち上がりながら下方向にスライドする。位置決め片94aは、位置決め部材95を乗り越えた後、トーションバネ94bの付勢力によって押し下げられ、位置決め部材95の下面95bに当接する。
【0007】
図13(c)には、剥離発行状態におけるスライド片92b,92c及び位置決め片94aの位置が示されている。通常発行状態において剥離ユニット91はスライド範囲の下限に位置している。位置決め部材95の下面95bに位置決め片94aが当接することによって、剥離ユニット91の上方向へのスライドが制限され、剥離ユニット91が剥離発行状態に位置決めされている。なお、位置決め部材95の下面95bは剥離ユニット91のスライド方向に対して直交する面となっている。
【0008】
剥離発行状態において、剥離ローラ93はプリンタ本体側に押し付けられる方向に付勢されているため、剥離ローラ93はプラテンローラ96に押圧されている。また、位置決め片94aがスライド方向と直交する位置決め部材95の下面95bに当接しているため、剥離ローラ93はプラテンローラ96との接触位置で確実に位置決めされている。印字手段によって印字が施されたラベル98は、プラテンローラ96によって帯状台紙99に仮着された状態で送り出されるが、帯状台紙99は剥離板97によって鋭角に折り返される。したがって、ラベル98は帯状台紙99から剥離されて、ラベル98のみが剥離ローラ93の上側から排出され、帯状台紙99は下側から排出される。
【0009】
このように、従来のラベルプリンタは、剥離ユニット91自体をスライドさせて通常発行状態と剥離発行状態との切り換えを行うため、身体に装着した状態や作業用の手袋をした状態でも、通常発行状態と剥離発行状態との切り換え操作を簡単に行うことができ、操作性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4406352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した従来のラベルプリンタ90は、位置決め部材95の上面95aがスライド方向に対して傾斜面であるため、剥離ユニット91を単にスライドさせるだけで通常発行状態から剥離発行状態へ切り替えることができ、切り替え操作は簡易である。
【0012】
しかしながら、剥離発行状態のときの位置決め片94aと係合する位置決め部材95の下面95bはスライド方向に対して直交面であるため、剥離発行状態から通常発行状態に切り替えるときには、図13(c)に示すように、トーションバネ94bによる付勢力に抗して剥離ユニット91の剥離ローラ支持部94を矢印C方向に一度持ち上げてロックを解除した後、剥離ユニット91を上方向(矢印B方向)にスライドさせなければならず、切り替えの操作性が良くないという問題がある。
【0013】
また、剥離ユニット6の発行状態の切り替えは、ロール紙収容口の開閉カバーが閉じた状態にあるか開いた状態にあるかによらず自由に切り替えることができるように構成されている。しかし、従来の剥離ユニット91は一度持ち上げてロックを解除しなければ剥離発行状態から通常発行状態に戻すことができないため、開閉カバーを開いた状態で剥離発行状態に切り替えた後、開閉カバーを閉じようとすると、剥離ユニット6が開閉カバーに干渉し、剥離ユニット6自身や開閉カバーの内側の機構が破損するおそれがある。
【0014】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、剥離ユニットを単にスライドさせるだけで通常発行状態と剥離発行状態との双方向の切り替えが可能なラベルプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明によるラベルプリンタは、印字が施されたラベルが仮着されている帯状台紙が排出される排出口が形成されたプリンタ本体に、剥離ローラを有する剥離ユニットをスライド可能に設け、前記剥離ユニットをスライドさせて前記帯状台紙に仮着したまま前記ラベルを発行する通常発行状態と、前記剥離ローラによって前記帯状台紙を転向させることで前記ラベルを前記帯状台紙から剥離して発行する剥離発行状態とを切り替えるラベルプリンタであって、前記剥離ユニットは、ガイド溝に沿ってスライドするスライド部と、前記スライド部に揺動自在に支持され、前記剥離ローラを回動自在に支持する剥離ローラ支持部と、スライド部のスライド動作をロックする少なくとも一つの剥離ユニット固定機構とを備え、前記剥離ユニット固定機構は、前記プリンタ本体側に設けられた位置決め部と、前記スライド部と共にスライドし、前記通常発行状態及び前記剥離発行状態において前記位置決め部と係合する突起部と、前記突起部が位置決め部と係合するように前記突起部を付勢する弾性部材とを備え、前記剥離ユニットを前記通常発行状態及び前記剥離発行状態の一方から他方へ切り替える際に前記スライド部を所定の力でスライドさせることにより前記位置決め部に対する前記突起部の係合が解除されることを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記位置決め部は、スライド方向と略直交する第1及び第2の規制面を有し、前記突起部は、前記通常発行状態において第1の規制面に当接する第1の傾斜面と、前記剥離発行状態において第2の規制面に当接する第2の傾斜面とを有することが好ましい。突起部の第1の傾斜面が位置決め部の第1の規制面と係合することにより、剥離ユニットを通常発行状態の位置に固定することができ、突起部の第2の傾斜面が位置決め部の第2の規制面と係合することにより、剥離ユニットを剥離発行状態の位置に固定することができる。
【0017】
本発明において、前記弾性部材は、第1の板バネ部材と、前記第1の板バネ部材と一体的に設けられた第2の板バネ部材を含み、前記位置決め部は、前記第1の板バネ部材に対応して設けられた第1の位置決め部と、前記第2の板バネ部材に対応して設けられた第2の位置決め部を含むことが好ましい。この構成によれば、剥離ユニット固定機構による剥離ユニットの固定力を容易に強化することができる。
【0018】
本発明によるラベルプリンタは、前記プリンタ本体に設けられた開閉カバーと、前記開閉カバーと共に回動する剥離ユニットロック解除部材とを備え、前記剥離ユニット固定解除部材は、前記開閉カバーを閉めたときに剥離発行状態の前記剥離ユニットの前記スライド部に当接し、前記剥離ユニットのロックを解除することが好ましい。本発明による剥離ユニットは単にスライドさせるだけでロックの解除が可能であることから、剥離ユニット接触部材によってロックを容易に解除することが可能である。したがって、開閉カバーと剥離ユニットとの干渉を解消することができ、プラテンローラ等の開閉カバーの内側に設けられた機構や剥離ユニットの破損を防止することができる。
【0019】
本発明によるラベルプリンタは、前記開閉カバーのロックを解除するオープンレバーをさらに備え、前記剥離ユニット固定機構は、第1及び第2の剥離ユニット固定機構を含み、前記オープンレバーは、前記プリンタ本体の幅方向の中央部に設けられており、前記第1及び第2の剥離ユニット固定機構は、前記オープンレバーの左右にそれぞれ設けられていることが好ましい。この構成によれば、スライド部に対して十分な固定力を付与することができると共に、スライド部の幅方向の固定力のバランスを取ることができる。
【0020】
本発明において、前記スライド部は前記プリンタ本体の表面側に設けられており、前記位置決め部は、前記プリンタ本体の裏面側において当該プリンタ本体と一体的に形成されていることが好ましい。前記位置決め部は、前記プリンタ本体の裏面に形成された突起部であってもよく、或いは、プリンタ本体の裏面に形成された穴であってもよい。この構成によれば、位置決め部を容易に設けることができる。
【0021】
本発明において、前記位置決め部は、前記第1及び第2の規制面と直交する第3の面の一部を切り欠いて構成された凹部を有することが好ましい。この構成によれば、突起部のスライド中の摺動抵抗をできるだけ少なくすることができ、円滑なスライド動作を実現することができる。
【0022】
本発明において、前記弾性部材は、前記スライド部のスライド面と略直交する方向に前記突起部を付勢してもよく、前記スライド部のスライド面と平行な方向に前記突起部を付勢してもよい。いずれの構成であっても、剥離ローラ支持部とは別の手段によって位置決めが行われるので、ロック解除のため剥離ローラ支持部を持ち上げることなく単にスライドさせるだけで通常発行状態と剥離発行状態との双方向の切り替えが可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、剥離ユニットを単にスライドさせるだけで通常発行状態と剥離発行状態との双方向の切り替えが可能なラベルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるラベルプリンタの構成を示す略斜視図である。
【図2】前面パネル4の構成を示す略斜視図である。
【図3】剥離ユニット6の構成を示す略斜視図であり、(a)は表面側の構成、また(b)は裏面側の構成をそれぞれ示している。
【図4】剥離ユニットのスライド動作を説明するための平面図であり、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【図5】剥離ユニットの発行状態を示す略側面断面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【図6】前面パネル4の裏面側に設けられた剥離ユニット固定機構の構成を示す略斜視図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【図7】図6に示す剥離ユニット固定機構の略側面断面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【図8】剥離ユニット固定機構の動作を説明するための模式図であり、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【図9】剥離ユニット固定機構の他の実施形態を示す略断面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【図10】剥離発行状態のラベルプリンタの略側面図であって、(a)は剥離ユニットが完全に剥離発行状態の位置にある場合、(b)は剥離ユニットが移行状態の位置にある場合をそれぞれ示している。
【図11】板バネ部材の先端の突起部の構成の変形例を示す略側面図である。
【図12】第2の実施形態による剥離ユニット固定機構の構成及び動作を説明するための平面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【図13】従来のラベルプリンタの構成を示す模式図であって、(a)は通常発行状態、(b)は移行状態、(c)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるラベルプリンタの構成を示す略斜視図である。
【0027】
図1に示すように、ラベルプリンタ1は、ラベルに印字を施す印字部及び複数のラベルが間隔を置いて帯状台紙に仮着され、ロール状に巻き回されたラベル連続体が収容される収容部が内蔵されるプリンタ本体2と、プリンタ本体2の上面に設けられ、印字動作に関する各種入力を行う操作パネル3と、プリンタ本体2の前面の上部側に設けられた前面パネル4と、プリンタ本体2の前面の下部側に設けられた開閉カバー5と、上下にスライド可能な状態で前面パネル4に取り付けられた剥離ユニット6とを備えており、前面パネルと開閉カバー5との間には、印字処理されたラベル及び帯状台紙を排出するための排出口7が設けられている。また、前面パネル4の略中央部には開閉カバー5のロックを解除するオープンレバー8が設けられている。
【0028】
図2は、前面パネル4の構成を示す略斜視図である。
【0029】
図2に示すように、前面パネル4の主面には、上記剥離ユニット6をスライド可能に嵌装するための剥離ユニット取付部41が形成されている。剥離ユニット取付部41の側面には剥離ユニット6のスライドをガイドするガイド溝42が設けられている。また、前面パネル4の略中央部には、オープンレバー8が配置される開口43が設けられている。さらに、開口43の両側には長穴44,44がそれぞれ設けられている。この長穴44,44は剥離ユニット6をスライド自在に固定するために用いられるものである。なお、ガイド溝42は、図2に示す剥離ユニット取付部41の一方の側面のみならず、他方の側面にも同様に形成されている。
【0030】
図3は、剥離ユニット6の構成を示す略斜視図であり、(a)は表面側の構成、また(b)は裏面側の構成をそれぞれ示している。
【0031】
図3(a)及び(b)に示すように、剥離ユニット6は、前面パネル4側に設けられたガイド溝42(図2参照)に沿ってスライドするスライド部61と、スライド部61に揺動自在に支持され、剥離ローラ10を回動自在に支持する剥離ローラ支持部62とを備えており、スライド部61と剥離ローラ支持部62との間はラベル排出口63となっている。
【0032】
スライド部61の略中央部には、オープンレバー8(図1参照)が貫通する開口611が形成されており、スライド部61の側面には、前面パネル4のガイド溝42に嵌装されるスライド片612〜615が設けられている。詳細には、スライド部61の左側の側面には2つのスライド片612,613が設けられており、右側の側面にはスライド片614,615が設けられている。さらに、スライド部61の裏面には2つのボス616,616が設けられている。詳細は後述するが、ボス616,616は前面パネル4に設けられた長穴44,44(図2参照)にそれぞれ嵌合され、長穴44,44の両端とボス616,616との干渉によって剥離ユニット6のスライド範囲が制限される。また、各ボス61の先端には、剥離ユニット6をそのスライド範囲の両端で固定するための剥離ユニット固定機構が取り付けられる。
【0033】
剥離ローラ支持部62は、剥離ローラ10の回転軸方向と直交する方向に延出された一対のアーム部621を備えており、一対のアーム部621の基端部はスライド部61の側面に対してそれぞれ揺動自在に軸支され、剥離ローラ10はトーションバネ11によってプリンタ本体2側に押し付けられる方向に付勢されている。
【0034】
図4は、剥離ユニット6のスライド動作を説明するための平面図であり、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。また、図5は、剥離ユニット6の発行状態を示す略側面断面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【0035】
図4(a)及び図5(a)に示すように、通常発行状態の剥離ユニット6は、スライド範囲の上限に位置し、そのスライド動作は後述する剥離ユニット固定機構によってロックされている。通常発行状態では、剥離ユニット6が排出口7の上方に位置し、印字手段であるサーマルヘッド14によって印字が施されたラベル12は、帯状台紙13に仮着された状態で排出口7から排出される。開閉カバー5側にはプラテンローラ15及び剥離板16が設けられており、帯状台紙13はプラテンローラ15によって搬送されて排出口7より排出される。
【0036】
図4(b)及び図5(b)に示すように、剥離発行状態の剥離ユニット6は、スライド範囲の下限に位置し、そのスライド動作は剥離ユニット固定機構によってロックされている。剥離発行状態では、排出口7と剥離ユニット6のラベル排出口63とが対向すると共に、排出口7よりも下方において剥離ローラ10がプラテンローラ15と当接した状態となる。印字手段であるサーマルヘッド14によって印字が施されたラベル12は、帯状台紙13に仮着された状態で排出口7から排出されるが、帯状台紙13は剥離板16によって鋭角に折り返される。したがって、ラベル12は剥離板16によって帯状台紙13から剥離されて、ラベル12のみがラベル排出口63から排出されると共に、ラベル12が剥離された帯状台紙13は、剥離板16で折り返されて剥離ローラ10の下側から排出される。
【0037】
次に、剥離ユニット6のスライド動作をロックする剥離ユニット固定機構について説明する。
【0038】
図6は、前面パネル4の裏面側に設けられた剥離ユニット固定機構の構成を示す略斜視図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。また、図7は、図6に示す剥離ユニット固定機構の略側面断面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。さらに、図8は、剥離ユニット固定機構の詳細な構成及び動作を説明するための平面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【0039】
図6に示すように、前面パネル4の裏面には、剥離ユニット6のスライド部61をスライドの上限位置又は下限位置にて固定する2つの剥離ユニット固定機構64,64が設けられている。一方の剥離ユニット固定機構64は、オープンレバー8が貫通する開口611の左側に設けられており、他方の剥離ユニット固定機構64は、開口611の右側に設けられている。このように、1つではなく2つの剥離ユニット固定機構64を設けることにより、スライド部61に対して十分な固定力を付与することができると共に、前面パネル4の開口611を避けた位置に剥離ユニット固定機構64を配置することができ、スライド部61の幅方向の固定力のバランスを取ることができる。
【0040】
図6〜図8に示すように、各剥離ユニット固定機構64は、第1及び第2の板バネ部材65A,65Bと、第1及び第2の板バネ部材65A,65Bの先端部にそれぞれ設けられた第1及び第2の突起部66A,66Bと、第1及び第2の板バネ部材65A,65Bに対応して設けられた第1及び第2の位置決め部67A,67Bと、第1及び第2の板バネ部材65A,65Bを固定するネジ68と、板バネ部材65A,65Bのスライドをガイドするガイド部材69A,69Bとを備えている。
【0041】
第1及び第2の板バネ部材65A,65Bは一枚の金属板の折り曲げ加工によって形成された一体的な部材であり、両者に共通の基端部はスライド部61にネジ止め固定されている。板バネ部材65A,65Bは、その長手方向がスライド方向と平行であり、前面パネル4の主面と直交する方向ではなく、前面パネル4の主面と平行な方向に弾性力を付与している。
【0042】
前面パネル4には長穴44が設けられており、長穴44の長さによってスライド範囲が規定されている。スライド部61の裏面側に設けられたボス616(図7、図3(b)参照)は長穴44に挿入されており、前面パネル4の裏面側に設けられた第1及び第2の板バネ部材65A,65Bは、長穴44を貫通するネジ68によってボス616に螺着されている。これにより、剥離ユニット固定機構64の第1及び第2の板バネ部材65A,65Bは長穴44に沿ってスライド部61と一緒にスライドすることができる。そして、ボス616の外周面が長穴44の長手方向の端部と当接することにより、スライド部61のストロークが規制される。
【0043】
第1及び第2の突起部66A,66Bは、第1及び第2の板バネ部材65A,65Bの先端部が折り曲げられて一体的に形成された略V字状の部材である。各突起部66A,66Bは、通常発行状態において位置決め部67の上面(第1の規制面)S1に当接する第1の傾斜面T1と、剥離発行状態において位置決め部67の下面(第2の規制面)S2に当接する第2の傾斜面T2を有している。
【0044】
位置決め部は板バネ部材に合わせて2つ設けられている。すなわち、第1の板バネ部材65Aに対応する第1の位置決め部67Aと、第2の板バネ部材65Bに対応する第2の位置決め部67Bである。位置決め部67A,67Bは、前面パネル4の裏面であって、長穴44から見て板バネ部材65A,65Bの突起部66A,66Bが存在する位置に設けられている。位置決め部67A,67Bは前面パネル4の一部であり、前面パネル4と一体的に形成されている。
【0045】
図8に示すように、各位置決め部67A,67Bは、スライド方向と略直交する第1及び第2の規制面S1,S2を有している。第1の規制面S1は、通常発行状態において突起部66A,66Bと係合し、板バネ部材65A,65Bのスライドを規制する面であり、第2の規制面S2は、剥離発行状態において突起部66A,66Bと係合し、板バネ部材65A,65Bのスライドを規制する面である。一方、V字状の突起部66A,66Bは、第1及び第2の傾斜面T1,T2を有し、第1の傾斜面T1は、通常発行状態において第1の規制面S1に当接し、第2の傾斜面T2は、前記剥離発行状態において第2の規制面S2に当接する。
【0046】
本実施形態においては、位置決め部67A,67Bの側面には凹部DA,DBがそれぞれ形成されている。この凹部DA,DBは、第1及び第2の規制面S1,S2と直交する第3の面の一部を切り欠いて構成されており、突起部66A,66Bのスライド中の摺動抵抗をできるだけ少なくするために設けられている。第3の面は、突起部66A,66Bがスライド中に本来接触するはずの平面である。
【0047】
次に、剥離ユニット固定機構64の動作について説明する。
【0048】
図8(a)に示すように、通常発行状態では、スライド部61が前面パネル4に近いスライド範囲の上限位置に固定され、これに合わせて板バネ部材65A,65Bの先端部に設けられた突起部66A,66Bも上方向にスライドし、位置決め部67A,67Bの上面S1に接している。このとき、長穴44を貫通するボス616が長穴44の上端部44aに当接しているので、スライド部61がそれ以上スライドすることはできない。また、突起部66A,66Bが位置決め部67A,67Bに係合していることにより、板バネ部材65A,65B及びこれに連結されたスライド部61の位置は固定される。
【0049】
前面パネル4から離れる下方向へのスライド、つまり剥離発行状態への切り替えには、突起部66A,66Bが位置決め部67A,67Bを乗り越えることができる一定以上の力を加える必要があり、それまではその位置が維持される。スライド部61に一定以上の力を加えて前面パネル4から離れる下方向にスライドさせると、突起部66A,66Bが位置決め部67A,67Bを乗り越えて図8(b)に示す係合位置まで移動する。
【0050】
スライド部61と共に板バネ部材65A,65Bがスライドすると、位置決め部67A,67Bの第1の規制面S1側のコーナー部が突起部66A,66Bの傾斜面T1に当接し、突起部66A,66Bにはスライド方向と直交する方向の力が加わるので、これにより突起部66A,66Bは位置決め部67A,67Bを乗り越えることができる。突起部66A,66Bが位置決め部67A,67Bを乗り越えた後は、凹部DA,DBによって突起部66A,66Bの先端と位置決め部67A,67Bとの接触が回避されることから、スライド時の摺動抵抗を低減することができる。
【0051】
図8(b)に示すように、剥離発行状態では、スライド部61が前面パネル4から遠いスライド範囲の下限位置に固定され、これに合わせて板バネ部材65A,65Bの先端部に設けられた突起部66A,66Bも下方向にスライドし、位置決め部67A,67Bの下面S2に接している。このとき、長穴44を貫通するボス616が長穴44の下端部に当接しているので、スライド部61がそれ以上スライドすることはできない。また、突起部66A,66Bが位置決め部67A,67Bに係合していることにより、板バネ部材65A,65B及びこれに連結されたスライド部61のスライドはロックされる。
【0052】
剥離発行状態から通常発行状態に戻す場合には、上記と逆の動作となる。すなわち、スライド部61に一定以上の力を加えて前面パネル4に近づく上方向にスライドさせると、突起部66A,66Bが位置決め部67A,67Bを乗り越えて図8(a)に示す係合位置まで移動する。スライド部61と共に板バネ部材65A,65Bがスライドすると、位置決め部67A,67Bの第2の規制面S2側のコーナー部が突起部66A,66Bの傾斜面T2に当接し、突起部66A,66Bにはスライド方向と直交する方向の力が加わるので、これにより突起部66A,66Bは位置決め部67A,67Bを乗り越えることができる。
【0053】
このように、本実施形態においては、板バネ部材65A,65Bおよびその先端の突起部66A,66Bによってスライド動作をロックするので、スライド部61を持ち上げることなく単にスライドさせるだけでスライド位置のロックを解除することができる。また、剥離ローラ支持部62と別の手段で位置決めを行うことにより、剥離ユニット6の位置決め精度の向上とスライドの上限位置及び下限位置での剥離ユニットの保持力の向上を図ることができる。
【0054】
図9は、剥離ユニット固定機構64の第2の実施形態を示す略断面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【0055】
図9(a)及び(b)に示すように、この剥離ユニット固定機構64は、一つの板バネ部材65のみがスライド部61にネジ止め固定されており、板バネ部材65は、前面パネル4の主面と平行な方向ではなく、前面パネル4の主面と直交する方向に弾性力を付与しており、前面パネル4の主面を押圧する方向に突起部66を付勢している。
【0056】
また、位置決め部67は、前面パネル4に形成された2つの穴45a,45bによって実現されている。一方の穴45aは、スライド方向と略直交する第1の規制面S1を提供するものであり、他方の穴45bは第2の規制面S2を提供するものである。第1の規制面S1は、通常発行状態において突起部66と係合し、板バネ部材65のスライドを規制する面であり、第2の規制面S2は、剥離発行状態において突起部66と係合し、板バネ部材65のスライドを規制する面である。V字状の突起部66は、第1及び第2の傾斜面T1,T2を有し、第1の傾斜面T1は、通常発行状態において第1の規制面S1に当接し、第2の傾斜面T2は、前記剥離発行状態において第2の規制面S2に当接する。
【0057】
図9(a)に示すように、通常発行状態では、スライド部61が前面パネル4に近いスライド範囲の上限位置に固定され、これに合わせて板バネ部材65の先端部に設けられた突起部66も長穴44から離れる上方向にスライドし、穴45aに嵌合している。このとき、長穴44を貫通するネジ68が長穴44の上端部44aに当接しているので、スライド部61がそれ以上スライドすることはできない。また、突起部66が穴45aに嵌合していることにより、板バネ部材65及びこれに連結されたスライド部61のスライド動作はロックされる。
【0058】
図9(b)に示すように、剥離発行状態では、スライド部61が前面パネル4から遠いスライド範囲の下限位置に固定され、これに合わせて板バネ部材65の先端部に設けられた突起部66も長穴44に近づく下方向にスライドし、穴45bに嵌合している。このとき、長穴44を貫通するネジ68が長穴44の下端部44bに当接しているので、スライド部61がそれ以上スライドすることはできない。また、突起部66が穴45bに係合していることにより、板バネ部材65及びこれに連結されたスライド部61のスライド動作はロックされる。
【0059】
このように、本実施形態においても、板バネ部材65およびその先端の突起部66によってスライドを固定するので、スライド部61を持ち上げることなく単にスライドさせるだけでスライド位置のロックを解除することができる。また、剥離ローラ支持部62と別の手段で位置決めを行うことにより、剥離ユニット6の位置決め精度の向上とスライドの上限位置及び下限位置での剥離ユニットの保持力の向上を図ることができる。
【0060】
図10は、剥離発行状態のラベルプリンタの略側面図であって、(a)は剥離ユニットの剥離発行状態、(b)は剥離ユニットの剥離発行状態が解除された状態をそれぞれ示している。
【0061】
図10(a)及び(b)に示すように、開閉カバー5の内側には剥離ユニット接触部材51が設けられている。剥離ユニット6は開閉カバー5が開いている状態においてもスライド可能であり、開閉カバー5が開いている状態で剥離ユニット6のスライド部61をスライドさせて剥離発行状態にすると、開閉カバー5を閉じようとしたときに剥離ユニット6に干渉し、剥離ユニット6が破損するおそれがある。
【0062】
しかし、開閉カバー5の内側に剥離ユニット6の一部と接触する剥離ユニット接触部材51を設け、開閉カバー5を閉じるときに剥離ユニット接触部材51の傾斜面が剥離ユニット6の一部に当接して矢印X方向に押し込むので、剥離ユニット6の剥離発行状態を解除することができ、開閉カバー5と剥離ユニット6との干渉を解消することができる。特に、本実施形態による剥離ユニット6は、従来のラベルプリンタと異なり、単にスライドさせるだけでロックの解除が可能であることから、剥離ユニット接触部材51によってロックを容易に解除することが可能である。したがって、プラテンローラ15等の開閉カバー5の内側に設けられた機構や剥離ユニット6の破損を防止することができる。
【0063】
図11は、板バネ部材65の先端の突起部66の構成の変形例を示す略側面図である。
【0064】
図11(a)に示す突起部66は、板バネ部材65の先端部がV字状ではなく略台形状に折り曲げ加工されたものであり、図11(b)に示す突起部66は、板バネ部材65の先端部が略半円状に加工されたものである。また、図11(c)に示す突起部66は、板バネ部材65の折り曲げ加工ではなく、板バネ部材65の先端部に取り付けられた樹脂製の略V字状の部材である。さらに、図11(d)に示す突起部66は、板バネ部材65の先端部に取り付けられた樹脂製の略半球状の部材である。図11(a)〜(d)に示したいずれの突起部66も、右半分が第1の傾斜面T1に相当し、左半分が第2の傾斜面T2に相当する(図8参照)。このように、突起部66としては種々の構成を採用することができる。
【0065】
上記実施形態においては、突起部66,66A,66Bを付勢する弾性部材として板バネ部材を挙げたが、本発明は板バネ部材に限定されるものではなく、丸線を使った線バネ、ネジリコイルバネ(トーションバネ)等、種々の弾性部材を採用することが可能である。
【0066】
図12は、本発明の他の実施形態による剥離ユニット固定機構の構成及び動作を説明するための平面図であって、(a)は通常発行状態、(b)は剥離発行状態をそれぞれ示している。
【0067】
図12(a)及び(b)に示すように、この剥離ユニット固定機構64は、スライド可能な2つのレバー71A,71Bを備えており、レバー71A,71Bの先端部には突起部72A,72Bがそれぞれ一体的に形成されている。レバー71A,71Bの基端部はスライド部61のボス616に螺着された固定部材73に軸支されており、レバー71A,71Bの先端部は支点73A,73Bを中心に揺動自在に構成されている。固定部材73は、長穴44を貫通するボス(不図示)に固定されている。2つのレバー71A,71Bの間には圧縮コイルバネ74が設けられており、2つのレバー71A,71Bの間隔を広げる方向、すなわち突起部72A,72Bを位置決め部67A,67Bに押しつける方向にそれぞれ付勢している。そのため、レバー71A,71B自身には上述の板バネ部材65A,65Bのような弾性力はないが、板バネ部材65A,65Bと同様のスライド動作を行うことができる。
【0068】
図12(a)に示すように、通常発行状態では、スライド部61が前面パネル4に近いスライド範囲の上限位置に固定され、これに合わせてレバー71A,71Bの先端部に設けられた突起部72A,72Bも上方向にスライドし、位置決め部67A,67Bの上面S1に接している。このとき、長穴44を貫通するボスが長穴44の上端部44aに当接しているので、スライド部61がそれ以上スライドすることはできない。また、突起部72A,72Bが位置決め部67A,67Bに係合していることにより、レバー71A,71B及びこれに連結されたスライド部61の位置は固定される。
【0069】
前面パネル4から離れる下方向へのスライド、つまり剥離発行状態への切り替えには、突起部72A,72Bが位置決め部67A,67Bを乗り越えることができる一定以上の力を加える必要があり、それまではその位置が維持される。スライド部61に一定以上の力を加えて前面パネル4から離れる下方向にスライドさせると、圧縮コイルバネ74の付勢力に反して、突起部72A,72Bが位置決め部67A,67Bを乗り越えて図12(b)に示す係合位置まで移動する。
【0070】
スライド部61と共にレバー71A,71Bがスライドすると、位置決め部67A,67Bの第2の規制面S2側のコーナー部が突起部72A,72Bの傾斜面T1に当接し、突起部72A,72Bにはスライド方向と直交する方向の力が加わるので、これにより突起部72A,72Bは位置決め部67A,67Bを乗り越えることができる。
【0071】
図12(b)に示すように、剥離発行状態では、スライド部61が前面パネル4から遠いスライド範囲の下限位置に固定され、これに合わせてレバー71A,71Bの先端部に設けられた突起部72A,72Bも下方向にスライドし、位置決め部67A,67Bの下面S2に接している。このとき、長穴44を貫通するボスが長穴44の下端部に当接しているので、スライド部61がそれ以上スライドすることはできない。また、突起部72A,72Bが位置決め部67A,67Bに係合していることにより、レバー71A,71B及びこれに連結されたスライド部61の位置は固定される。
【0072】
剥離発行状態から通常発行状態に戻す場合には、上記と逆の動作となる。すなわち、スライド部61に一定以上の力を加えて前面パネル4に近づく上方向にスライドさせると、突起部72A,72Bが位置決め部67A,67Bを乗り越えて図12(a)に示す係合位置まで移動する。スライド部61と共にレバー71A,71Bがスライドすると、位置決め部67A,67Bの第2の規制面S2側のコーナー部が突起部72A,72Bの傾斜面T2に当接し、突起部72A,72Bにはスライド方向と直交する方向の力が加わるので、これにより突起部72A,72Bは位置決め部67A,67Bを乗り越えることができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0074】
例えば、上記実施形態においては、図10に示したように開閉カバー5の内側に剥離ユニット接触部材51を備えた構成を挙げたが、本発明はそのような構成に限定されるものではなく、剥離ユニット接触部材51が省略された構成であってもかまわない。
【0075】
また、図9において、図8の凹部DA,DBに相当するものは設けられていないが、規制面S1とS2との間にさらに穴を設けて、凹部DA,DBに相当するものを設けることも可能である。この凹部によって突起部66のスライド中の摺動抵抗を少なくすることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 ラベルプリンタ
2 プリンタ本体
3 操作パネル
4 前面パネル
5 開閉カバー
6 剥離ユニット
7 排出口
8 オープンレバー
10 剥離ローラ
11 トーションバネ
12 ラベル
13 帯状台紙
14 サーマルヘッド
15 プラテンローラ
16 剥離板
41 剥離ユニット取付部
42 ガイド溝
43 開口
44 長穴
44a 長穴の上端部
44b 長穴の下端部
45a,45b 穴
51 剥離ユニット接触部材
61 スライド部
62 剥離ローラ支持部
63 ラベル排出口
64 剥離ユニット固定機構
64A,64B 突起部
65,65A,65B 板バネ部材
66,66A,66B 突起部
67A,67A,67B 位置決め部
68 ネジ
69A,69B ガイド部材
71A,71B レバー
72A,72B 突起部
73 固定部材
73A,73B 支点
74 圧縮コイルバネ
90 ラベルプリンタ
91 剥離ユニット
92 スライド部
92a ガイド溝
92b,92c スライド片スライド片
92b,92c スライド片
93 剥離ローラ
94 剥離ローラ支持部
94a 位置決め片
94b トーションバネ
95 位置決め部材
95a 位置決め部材の上面
95b 位置決め部材の下面
96 プラテンローラ
97 剥離板
98 ラベル
99 帯状台紙
611 開口
612〜615 スライド片
616 ボス
621 アーム部
DA,DB 凹部
S1 位置決め部の上面(規制面)
S2 位置決め部の下面(規制面)
T1,T2 突起部の傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字が施されたラベルが仮着されている帯状台紙が排出される排出口が形成されたプリンタ本体に、剥離ローラを有する剥離ユニットをスライド可能に設け、前記剥離ユニットをスライドさせて前記帯状台紙に仮着したまま前記ラベルを発行する通常発行状態と、前記剥離ローラによって前記帯状台紙を転向させることで前記ラベルを前記帯状台紙から剥離して発行する剥離発行状態とを切り替えるラベルプリンタであって、
前記剥離ユニットは、
ガイド溝に沿ってスライドするスライド部と、
前記スライド部に揺動自在に支持され、前記剥離ローラを回動自在に支持する剥離ローラ支持部と、
スライド部のスライド動作をロックする少なくとも一つの剥離ユニット固定機構とを備え、
前記剥離ユニット固定機構は、
前記プリンタ本体側に設けられた位置決め部と、
前記スライド部と共にスライドし、前記通常発行状態及び前記剥離発行状態において前記位置決め部と係合する突起部と、
前記突起部が位置決め部と係合するように前記突起部を付勢する弾性部材とを備え、
前記剥離ユニットを前記通常発行状態及び前記剥離発行状態の一方から他方へ切り替える際に前記スライド部を所定の力でスライドさせることにより前記位置決め部に対する前記突起部の係合が解除されることを特徴とすることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記弾性部材は、第1の板バネ部材と、前記第1の板バネ部材と一体的に設けられた第2の板バネ部材を含み、
前記位置決め部は、前記第1の板バネ部材に対応して設けられた第1の位置決め部と、前記第2の板バネ部材に対応して設けられた第2の位置決め部を含むことを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記プリンタ本体に設けられた開閉カバーと、
前記開閉カバーと共に回動する剥離ユニットロック解除部材とを備え、
前記剥離ユニット固定解除部材は、前記開閉カバーを閉めたときに剥離発行状態の前記剥離ユニットの前記スライド部に当接し、前記剥離ユニットのロックを解除することを特徴とする請求項1又は2に記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
前記開閉カバーのロックを解除するオープンレバーをさらに備え、
前記剥離ユニット固定機構は、第1及び第2の剥離ユニット固定機構を含み、
前記オープンレバーは、前記プリンタ本体の幅方向の中央部に設けられており、
前記第1及び第2の剥離ユニット固定機構は、前記オープンレバーの左右にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項3に記載のラベルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−176498(P2012−176498A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39249(P2011−39249)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(505429706)三栄電機株式会社 (1)
【Fターム(参考)】