説明

ラベル作成用ソフト、ラベル作成システムおよびラベル作成装置

【課題】容易且つ迅速にコンピュータの管理用ラベルを作成できるラベル作成用ソフト、ラベル作成システムおよびラベル作成装置を提供する。
【解決手段】本発明のラベル作成用ソフト252は、ラベル作成装置1と接続されるコンピュータ200に、インストールされて用いられるものであって、コンピュータ200から、当該コンピュータ200に関するコンピュータ情報(ホスト名、ユーザ名、IPアドレス、ネットワークID、コンピュータのスペック、OSの種類、サポート情報など)を取得し、取得したコンピュータ情報を、ラベル作成装置1に出力する。ラベル作成装置1は、コンピュータ200から受信したコンピュータ情報を、ラベル媒体に印刷することにより、コンピュータ200の管理用ラベルを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンピュータの管理用ラベルを作成するラベル作成用ソフト、ラベル作成システムおよびラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータにテープ印刷装置(ラベル作成装置)用のドライバ(ラベル作成用ソフト)をインストールし、コンピュータ側で印刷データを生成して、テープ印刷装置に印刷を実行させる印刷システムが知られている(例えば、特許文献1)。この種の印刷システムは、テープ印刷装置単体で印刷データを作成する場合よりも、編集の自由度が高く、使い勝手が良いといった利点がある。
【特許文献1】特開2000−105679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような印刷システムを用いて、コンピュータの管理用ラベルを作成する場合がある。この場合、管理用ラベルに印刷する情報としては、コンピュータの「ホスト名」や「IPアドレス」などが考えられるが、これらの情報を調べるとなると意外に面倒である。また、そもそも調べ方が分からないというユーザも多い。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑み、容易且つ迅速にコンピュータの管理用ラベルを作成できるラベル作成用ソフト、ラベル作成システムおよびラベル作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のラベル作成用ソフトは、ラベル作成装置と接続されるコンピュータに、インストールされて用いられるラベル作成用ソフトであって、コンピュータから、当該コンピュータに関するコンピュータ情報を取得するコンピュータ情報取得手段と、取得したコンピュータ情報を、ラベル作成装置に出力するコンピュータ情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、ラベル作成用ソフトがコンピュータ情報を取得してラベル作成装置に出力するため、ユーザは、自らコンピュータ情報を調べる必要がなく、容易且つ迅速にコンピュータの管理用ラベルを作成することができる。
なお、「ラベル作成装置」とは、コンピュータから受信した情報に基づいて印刷を行うことにより、ラベルを作成する装置を指す。また、「コンピュータ情報」とは、ホスト名、ユーザ名、IPアドレス、ネットワークID(コンピュータ名、ドメイン名、ワークグループ名)、コンピュータのスペック(CPU、HDD容量、RAM容量)、OSの種類、サポート情報(修理を依頼する場合の連絡先、メーカー名)など、コンピュータに関する種々の情報を指す。
【0007】
上記に記載のラベル作成用ソフトにおいて、ラベル作成装置がコンピュータに接続されたことを検出する接続検出手段をさらに備え、コンピュータ情報取得手段は、接続検出手段の検出をトリガとして、コンピュータ情報を取得することが好ましい。
【0008】
この構成によれば、ラベル作成装置がコンピュータに接続されたことを検出してコンピュータ情報を取得するため、コンピュータ情報を取得するための特別な操作を必要としない。したがって、より容易且つ迅速にコンピュータの管理用ラベルを作成することができる。
【0009】
上記に記載のラベル作成用ソフトにおいて、ラベル作成装置から、コンピュータ情報の取得指令を受信する取得指令受信手段をさらに備え、コンピュータ情報取得手段は、コンピュータ情報の取得指令の受信をトリガとして、コンピュータ情報を取得することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、ラベル作成装置側から、コンピュータ情報の取得指令を送ることができる。また、ラベル作成用ソフトが、指令を受信できる状態であるということは、コンピュータにラベル作成装置が接続された状態であると言えるため、ラベル作成用ソフトでコンピュータ情報を取得したにも関わらず、その出力先が存在しないといった不具合がない。
【0011】
本発明のラベル作成システムは、上記に記載のラベル作成用ソフトがインストールされたコンピュータと、コンピュータから受信したコンピュータ情報をラベル媒体上に印刷する印刷手段を備えたラベル作成装置と、から成ることを特徴とする。
【0012】
本発明のラベル作成装置は、上記に記載のラベル作成システムに適用されることを特徴とする。
【0013】
これらの構成によれば、容易且つ迅速にコンピュータの管理用ラベルを作成できるラベル作成システム、またはこれに適用されるラベル作成装置を提供することができる。
【0014】
上記に記載のラベル作成システムにおいて、ラベル作成装置は、コンピュータ情報を印刷するための複数種類のフォーマットを記憶するフォーマット記憶手段と、複数種類のフォーマットの中から1のフォーマットを選択するためのフォーマット選択手段と、をさらに備え、印刷手段は、選択された1のフォーマットにしたがって、コンピュータ情報を印刷することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ユーザは、ラベル作成装置側の操作によって、複数種類のフォーマットのうち、所望のフォーマットで印刷されたラベルを得ることができる。また、フォーマットにしたがってコンピュータ情報を印刷するため、見栄えの良いラベルを簡単に作成することができる。
【0016】
上記に記載のラベル作成システムにおいて、ラベル作成装置は、コンピュータから受信したコンピュータ情報を保存するコンピュータ情報保存手段をさらに備え、印刷手段は、コンピュータ情報保存手段からコンピュータ情報を読み出して印刷することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、ラベル作成装置がコンピュータと接続されていない状態でも、当該コンピュータの管理用ラベルを作成することができる。
【0018】
上記に記載のラベル作成システムにおいて、コンピュータ情報は、複数の情報要素から成り、ラベル作成装置は、コンピュータ情報保存手段に保存されたコンピュータ情報の複数の情報要素のうち、印刷対象となる情報要素を選択するための情報要素選択手段をさらに備え、印刷手段は、情報要素選択手段により選択された情報要素を印刷することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、ユーザは、ラベル作成装置側の操作によって、コンピュータ情報を構成する複数の情報要素のうち、ラベルに印刷する所望の情報要素を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るラベル作成システムSYのシステム構成図である。ラベル作成システムSYは、コンピュータ200と、当該コンピュータ200の管理用ラベルLa(図4(b)参照)を作成するラベル作成装置1と、から成り、コンピュータ200とラベル作成装置1とは、ケーブル500等を介して接続されている。
【0021】
コンピュータ200は、表示部230(ディスプレイ)や入力部240(キーボードおよびマウス)を有する、一般的なパーソナルコンピュータである。一方、ラベル作成装置1は、コンピュータ200から取得した印刷データ、若しくはラベル作成装置1内で生成した印刷データに基づいて、印刷を行うことにより、各種ラベルLを作成できるようになっている。
【0022】
ここで、まずラベル作成装置1の装置構成について説明する。図1では、ラベル作成装置1の開閉蓋21を開いた状態を示している。ラベル作成装置1は、装置ケース2により外郭が形成され、装置ケース2の前部上面には各種入力キーを備えたキーボード3が配置されると共に、後部上面には、その左部に開閉蓋21が取り付けられ、その右部には表示画面41が配設されている。開閉蓋21の内側にはテープカートリッジCを装着するためのカートリッジ装着部6が窪入形成されており、テープカートリッジCは、開閉蓋21を開放した状態でカートリッジ装着部6に着脱可能に装着される。また、開閉蓋21にはこれを閉じた状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓21aが形成されている。
【0023】
キーボード3には、文字キー群3a、および各種動作モード等を指定するための機能キー群3bが配列されている。文字キー群3aは、JIS配列に基づいたフルキー構成であり、操作するキー数の増加を抑えるためのシフトキーを備えるなど、一般のワードプロセッサ等と同様である。また、機能キー群3bには、[印刷]キー、カーソルキー、[選択]キー、[コンピュータ情報読み出し]キーおよび[フォーマット選択]キー等が含まれる。
【0024】
[印刷]キーは、印刷実行を指示するためのキーである。カーソルキーは、上下左右キー([↑],[↓],[←],[→])から成り、カーソル移動やスクロール操作を行うためのキーである。[選択]キーは、選択候補(選択肢)の選択および確定操作を行うためのキーである。
【0025】
また、[コンピュータ情報読み出し]キーは、コンピュータ200の管理用ラベルLaに印刷するためのコンピュータ情報を、ラベル作成装置1内の所定の記憶領域(コンピュータ情報記憶領域121,図3参照)から読み出すためのキーである。ここで、「コンピュータ情報」とは、コンピュータ200の「ホスト名」、「ユーザ名」、「IPアドレス」、「ネットワークID(コンピュータ名、ドメイン名、ワークグループ名)」、「スペック(CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard disk drive)容量、RAM(Random Access Memory)容量)」、「OS(Operating System)種類」、「サポート情報(修理を依頼する場合の連絡先、メーカー名)」など、コンピュータ200に関する種々の情報を指すものである。なお、「コンピュータ情報」に含まれるこれらの情報を、以下、「情報要素」と称する。
【0026】
また、[フォーマット選択]キーは、コンピュータ情報を、ラベル作成用のテープ状媒体T(以下、「印刷テープT」と称する、請求項における「ラベル媒体」に相当)に印刷する際に用いるフォーマット300(図4(a)参照)を選択するためのキーである。ユーザは、当該[フォーマット選択]キーを押下することにより、複数種類のフォーマット選択肢の中から所望のフォーマット300を選択できるようになっている。
【0027】
表示画面41は、液晶ディスプレイであり、ユーザがキーボード3を用いて入力した入力情報、当該入力情報の編集結果、並びに当該編集結果に基づいて生成された印刷データ等を確認したりする際に用いられる。
【0028】
装置ケース2の左側部には、カートリッジ装着部6と外部とを連通するテープ排出口22が形成され、このテープ排出口22には、送り出した印刷テープTを切断するためのテープカッタ23が臨んでいる。そして、テープ排出口22から印刷済みの印刷テープTが所定長さだけ送り出され、送りを一旦停止させた状態で、この印刷済みの印刷テープTをテープカッタ23により切断して、短冊状のラベルL(図4(b)参照)を作成する。なお、切断処理については、オートカットとマニュアルカットとを切り替え可能であり、定長印刷などの場合にはオートで、任意長印刷などの場合にはカットキーをユーザが操作することによりマニュアルで、カッタモータ25(図3参照)を駆動する。
【0029】
一方、カートリッジ装着部6には、ヘッドカバー61a内にサーマルタイプの印刷ヘッド7が内蔵されたヘッドユニット61と、印刷ヘッド7に対峙するプラテン駆動軸62と、後述のインクリボンRを巻き取る巻き取り駆動軸63と、後述のテープリール17の位置決め突起64とを備えている。また、カートリッジ装着部6の下側には、プラテン駆動軸62および巻き取り駆動軸63を回転させるテープ送りモータ26(図3参照)が内蔵されている。
【0030】
テープカートリッジCは、カートリッジケース51内部の上部中央部に、一定の幅(4mm〜48mm程度)の印刷テープTを巻回したテープリール17と、右下部にインクリボンRを巻回したリボンリール19とを収容して構成されており、印刷テープTとインクリボンRは同じ幅で構成されている。また、テープリール17の左下部には前記ヘッドユニット61を覆うヘッドカバー61aが差し込まれるための貫通孔55が形成されている。さらに、貫通孔55に差し込まれたヘッドユニット61は、印刷テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応して、前記プラテン駆動軸62に嵌合されて回転駆動するプラテンローラ53が配置されている。一方、前記リボンリール19に近接してリボン巻き取りリール54が配置され、リボンリール19から繰り出されたインクリボンRは、ヘッドカバー61aを周回するように配置され、リボン巻き取りリール54に巻き取られるようになっている。
【0031】
テープカートリッジCがカートリッジ装着部6に装着されると、ヘッドカバー61aに貫通孔55が、位置決め突起64にテープリール17の中心孔が、巻き取り駆動軸63にリボン巻き取りリール54の中心孔がそれぞれ差し込まれ、印刷テープTおよびインクリボンRを挟み込んで印刷ヘッド7がプラテンローラ53に当接して印刷が可能になる。その後、ユーザが表示画面41の編集結果を確認しながらキーボード3により所望のテキスト(文字、数字、記号、簡易図形等のキャラクタ)や画像を入力し、印刷を指示すると、ラベル作成装置1は、テープ送りモータ26によりテープカートリッジCから印刷テープTを繰り出し、印刷ヘッド7の発熱素子を選択的に発熱させることにより印刷テープTに所望の印刷を行う。なお、情報入力および印刷指示は、コンピュータ200側でも行い得るようになっている。印刷テープTの印刷済み部分はテープ排出口22から随時外部に送り出され、印刷を完了すると、テープ送りモータ26は、余白分を含むテープ長さの位置まで印刷テープTの送りを行った後、その送りを停止する(その後、切断処理に移行する)。
【0032】
一方、印刷テープTは、裏面に粘着剤層が形成された記録テープTaと、この粘着剤層により記録テープTaに貼り付けられた剥離テープTbとから構成されている。そして、印刷テープTは、記録テープTaを外側にし、かつ剥離テープTbを内側にしてロール状に巻回されてカートリッジケース51内に収容されている。また、印刷テープTは、テープ種別(テープ幅、テープの地色、地模様、材質(質感)など)が異なる複数種のものが用意されており、各カートリッジケース51には、このうち1種類の印刷テープT(およびインクリボンR)が収容されている。また、カートリッジケース51の裏面にはテープカートリッジCの種別を特定する複数の孔(図示省略)が設けられている。また、複数の孔に対応してカートリッジ装着部6には、これらを検出するテープ識別センサ(マイクロスイッチ等)27(図3参照)が、複数設けられており、このテープ識別センサ27により複数の孔の状態を検出することで、テープ種別を判別できるようになっている。
【0033】
次に、図2および図3の制御ブロック図を参照し、コンピュータ200およびラベル作成装置1の制御構成について説明する。図2に示すように、コンピュータ200は、制御部210、通信部220、表示部230、入力部240および記憶部250を備え、これら各部はバス260によって接続されている。
【0034】
制御部210は、CPU、RAMおよびROM(Read Only Memory)等から成るものであり(いずれも、図示省略)、ラベル作成装置1全体を制御する。また、通信部220は、ラベル作成装置1と通信(情報の入出力)を行うためのものである。本実施形態では、主にコンピュータ情報の送信や、ラベル作成装置1の接続検出に用いられる。なお、通信規格としては、双方向通信が可能な種々の通信規格を適用可能であるが、コストや汎用性の観点から、本実施形態では、USB(Universal Serial Bus)規格を採用するものとする。
【0035】
記憶部250は、HDD(ハードディスク)により構成され、OS251と、ラベル作成用ソフト252と、を記憶している。OS251は、コンピュータシステム全体を管理する基本ソフトウェアである。また、ラベル作成用ソフト252は、OS251上で動作するソフトウェアであり、「ラベル編集ソフト」、「データ管理ソフト」および「ドライバ」が含まれる。ここで、「ラベル編集ソフト」とは、コンピュータ200側で情報入力、編集操作、印刷データの生成、印刷データの出力等を行うためのソフトウェアである。また、「データ管理ソフト」とは、ラベル作成装置1に保存されている編集データ(ファイル、外字データなど)を取得して、コンピュータ200内に保存したり編集したりするためのソフトウェアである。また、「ドライバ」とは、ラベル作成装置1を制御するためのデバイスドライバである。なお、コンピュータ200内部の所定領域から、コンピュータ情報を取得する処理、並びに取得したコンピュータ情報をラベル作成装置1に出力する処理は、上記の「データ管理ソフト」によって実行される。
【0036】
続いて、図3を参照し、ラベル作成装置1の制御構成について説明する。ラベル作成装置1は、CPU110、RAM120、ROM130、通信インターフェース140、表示画面41、キーボード3、カッタモータ25、テープカッタ23、テープ送りモータ26、印刷ヘッド7、テープ識別センサ27を備え、各構成要素は、図示の通りバス150によって接続されている。
【0037】
RAM120は、中央処理装置であるCPU110と直接接続されており、CPU110が各種制御を行う際のワークエリアとして用いられる。また、RAM120は、コンピュータ200から送信されたコンピュータ情報を1以上保存するためのコンピュータ情報記憶領域121(コンピュータ情報保存手段)を有している。
【0038】
ROM130は、CPU110が各種制御を行うための制御プログラムおよび制御データを記憶している。制御プログラムとしては、具体的に、表示画面41の表示制御を行うための表示制御プログラム、各種編集処理を行うための編集処理プログラムおよび印刷処理を行うための印刷処理プログラムを記憶している。また、制御データとしては、複数種類のフォーマット300(図4(a)参照)を記憶するフォーマットデータベース131(フォーマット記憶手段)を記憶している。フォーマット300については、後に詳述する。
【0039】
通信インターフェース140は、コンピュータ200と通信を行うためのものであり、本実施形態では、主にコンピュータ情報の受信に用いられる。また、表示画面41は、編集結果、各種選択肢、並びに印刷レイアウトを表示するための表示手段として機能する。また、キーボード3は、各種情報を入力するための情報入力手段、並びに各種選択および設定を行うための選択・設定手段として機能する。
【0040】
カッタモータ25は、テープカッタ23と接続され、切断手段として機能する。また、テープ送りモータ26および印刷ヘッド7は、印刷テープT上に印刷を行うための印刷手段として機能する。上記のとおり、印刷ヘッド7およびテープ識別センサ27は、カートリッジ装着部6に設けられ、テープ識別センサ27は、テープカートリッジCに収容された印刷テープTの種別を検出する。CPU110は、このテープ識別センサ27の検出結果に基づいて、装着されたテープカートリッジC(テープカートリッジCに収容された印刷テープTのテープ幅や材質等)が管理用ラベルLaとして適切であるか否かを判別したり、テキストとして入力可能な行数および文字数を制限したり等の制御を行う。また、CPU110は、コンピュータ200との通信制御、表示画面41の表示制御、並びに印刷動作や切断動作の駆動制御を行う。
【0041】
次に、図4を参照し、フォーマットデータベース131に記憶されるフォーマット300の一例および印刷例について説明する。図4(a)は、フォーマット300の一例を示したものである。図4(a)に示すように、各フォーマット300は、挿入するコンピュータ情報の種類(図面上、[]で示す情報要素)、各情報要素の配置、テキスト情報およびその配置、並びに装飾情報(段落、フォント、文字飾り、枠など)等を規定している。すなわち、図4(a)に示したフォーマット300は、4行印刷を行うものであり、1行目に情報要素「コンピュータ名」をゴシック体且つ太字で印刷し(310)、当該情報要素に続いてテキスト情報「のネットワーク情報」を印刷するものである。また、2〜4行目では、テキスト情報「使用者□□□:」(「□」はスペースを指す)、「IPアドレス□:」、「ドメイン名□:」に続いて、それぞれ情報要素「ユーザー名」、「IPアドレス」、「ドメイン名」をゴシック体且つ太字で各行に印刷し(320、330、340)、さらにこれらを「中央寄せ」となるように印刷するものである。
【0042】
一方、図4(b)は、図4(a)に示したフォーマット300にしたがって、4つの情報要素を印刷した場合の印刷例(管理用ラベルLaの作成例)を示したものである。なお、コンピュータ情報記憶領域121から読み出したコンピュータ情報に、挿入対象となる情報要素が含まれない場合、その情報要素の印刷対象領域は空欄となる。もっとも、印刷実行前に、コンピュータ情報をフォーマット300に挿入した状態(テキスト編集画面)や、その印刷レイアウトを確認することができるため、その時点で空欄となる情報要素の挿入エリア(図4(a)における四角枠310〜340)や、それに付随したテキスト情報を削除することが可能である。また、テキスト編集画面における編集操作により、挿入する情報要素の変更や追加、配置の変更も可能である。このように、本実施形態のラベル作成システムSYによれば、好みのフォーマットを選択してコンピュータ情報を読み出すだけで、簡単にコンピュータ200の管理用ラベルLaを作成することができる。
【0043】
次に、図5のフローチャートを参照し、コンピュータ情報の保存処理について説明する。なお、ここでは、コンピュータ200において、ラベル作成用ソフト252が起動状態であるものとして説明する。また、ラベル作成装置1は、電源ON状態であるものとする。
【0044】
コンピュータ200(ラベル作成用ソフト252)は、当該ラベル作成用ソフト252の機能によって表示部230に表示されるGUI(Graphical User Interface,図示省略)から、ユーザによる入力部240の操作により、コンピュータ情報の取得指令を受けた場合(S01:Yes)、コンピュータ情報(各情報要素)を、コンピュータ200内における所定の記憶領域から取得する(S03,コンピュータ情報取得手段)。なお、各情報要素は、必ずしも同一の記憶領域から取得する必要はなく、複数の記憶領域から取得しても良い。
【0045】
また、コンピュータ200は、コンピュータ情報の取得指令を受けない場合(S01:No)、ラベル作成装置1の接続を検出したか否かを判別し、接続を検出した場合も(S02:Yes,接続検出手段)、コンピュータ情報を取得する(S03)。なお、コンピュータ情報の取得指令を受けず、且つラベル作成装置1の接続を検出しない場合は(S02:No)、定期的にS01およびS02の判別を繰り返す。
【0046】
その後、コンピュータ200は、取得したコンピュータ情報を、ラベル作成装置1に出力する(S04,コンピュータ情報出力手段)。ラベル作成装置1は、コンピュータ200から、コンピュータ情報を受信すると(S05)、これをコンピュータ情報記憶領域121に保存する(S06)。
【0047】
次に、図6のフローチャートを参照し、ラベル作成処理について説明する。ラベル作成装置1は、機能キー群3bに含まれる[フォーマット選択]キーの操作により、フォーマットデータベース131に記憶される複数種類のフォーマット300の中から1のフォーマット300を選択する(S11,フォーマット選択手段)なお、当該フォーマット300の選択により、必然的に印刷対象となる情報要素が選択されることとなる(情報要素選択手段)。
【0048】
続いて、[コンピュータ情報読み出し]キーの操作により、コンピュータ情報記憶領域121から、管理用ラベルLaの作成対象となるコンピュータのコンピュータ情報を読み出す(S12)。ここで、選択されたフォーマット300、並びに挿入される情報要素が表示画面41に表示され、ユーザにより、必要に応じて編集操作が行われる(S13)。編集操作が終わると、[印刷]キーの操作をトリガとして、印刷データを生成し(S14)、印刷テープTに対して印刷データを印刷する(S15,印刷手段)。さらに、印刷実行後、印刷完了部分の印刷テープTを切断することで(S16)、コンピュータ200の管理用ラベルLaを作成する。
【0049】
以上、説明したとおり、本実施形態のラベル作成システムSYによれば、コンピュータ200にインストールされたラベル作成用ソフト252がコンピュータ情報を取得してラベル作成装置1に出力するため、ユーザは、コンピュータ情報を調べる必要がなく、容易且つ迅速にコンピュータ200の管理用ラベルLaを作成することができる。
【0050】
また、ラベル作成用ソフト252によるコンピュータ情報の取得は、コンピュータ200に表示されたGUI(図示省略)に対する指示だけでなく、ラベル作成装置1の接続検出によっても実行されるため、使い勝手が良い。特に後者の場合は、コンピュータ情報を取得するための特別な操作を必要としないため、より容易且つ迅速にコンピュータ200の管理用ラベルLaを作成することができる。
【0051】
また、ラベル作成装置1は、コンピュータ200から受信したコンピュータ情報を保存するためのコンピュータ情報記憶領域121を有しているため、ラベル作成装置1がコンピュータ200と接続されていない状態でも、支障なく管理用ラベルLaを作成することができる。
【0052】
なお、上記の実施形態では、コンピュータ200から受信したコンピュータ情報を、一旦コンピュータ情報記憶領域121に保存し、その後コンピュータ情報記憶領域121から読み出したコンピュータ情報に基づいて印刷を行うものとしたが、コンピュータ200から受信したコンピュータ情報に基づいて直接印刷を行うようにしても良い。
【0053】
また、上記の実施形態では、フォーマット300を選択した後、コンピュータ情報を読み出すものとしたが、コンピュータ情報の読み出し操作を不要としても良い。この場合、コンピュータ情報記憶領域121には1のコンピュータ200のコンピュータ情報のみが記憶できる構成とし、フォーマット300の選択に伴って、自動的にコンピュータ情報が挿入されることとなる。なお、この構成を採用した場合、コンピュータ情報記憶領域121は、ラベル作成装置1がコンピュータ情報を受信するたびに書き換えられる(上書きされる)こととなる。
【0054】
また、上記の実施形態では、選択したフォーマット300にコンピュータ情報を挿入して印刷データを生成するものとしたが、通常編集状態のテキストに、テキスト情報としてコンピュータ情報を挿入するようにしても良い。図7は、この場合の画面遷移図を示したものである。なお、本例では、コンピュータ情報記憶領域121には1のコンピュータ200のコンピュータ情報のみが記憶されているものとする。
【0055】
例えば、図7の画面D01に示すように、ラベル作成装置1のテキスト入力画面において、1行目にテキスト「IPアドレス:」を入力し、さらに改行した状態で、情報要素を選択するための所定のキーを操作すると、画面D02が表示される。なお、画面D01において、符号M1は、行頭マークであり、各行の行番号が示されている。また、反転表示された行頭マークは、テキスト情報が入力済みであることを示し、通常表示された行頭マークは、テキスト情報が未入力であることを示している。また、符号Kはカーソルを指し、編集位置(入力位置)を示している。
【0056】
画面D02は、「IPアドレス」、「コンピュータ名」、「ユーザー名」など情報要素を選択するための情報要素選択画面である。ここでは、印刷対象となる1以上の情報要素を選択可能である(情報要素選択手段)。ここで、情報要素として例えば「IPアドレス」を選択すると、画面D03が表示される。画面D02は、テキスト入力画面であり、画面D02の操作によって、2行目にIPアドレス「123.45.678.9」が入力されている。このように、テキスト入力画面上に、直接コンピュータ情報を挿入することも可能である。
【0057】
なお、コンピュータ情報記憶領域121に複数のコンピュータ情報が記憶されている場合は、テキスト入力画面(D01)から、コンピュータ情報を選択するためのコンピュータ情報選択画面(図示省略)に遷移し、その後、情報要素選択画面(D02)に遷移することとなる。
【0058】
また、上記の実施形態では、コンピュータ情報の取得は、コンピュータ200に表示されたGUIに対する指示、またはラベル作成装置1の接続検出をトリガとして実行するものとしたが、ラベル作成装置1側から指示を行えるようにしても良い。この場合、例えばコンピュータ200に表示されたGUI上で、コンピュータ情報を取得するための設定が選択された場合や、ラベル作成装置1の接続検出により、コンピュータ200側(ラベル作成用ソフト252)から情報送信要求を出し、これに対してラベル作成装置1が、コンピュータ情報の取得指令をコンピュータ200に送信する。コンピュータ200は、当該取得指令の受信(取得指令受信手段)をトリガとして、コンピュータ情報を取得する。この構成によれば、USB制御の制限下においても、ラベル作成装置1側から、コンピュータ情報の取得を指令することができる。
【0059】
また、コンピュータ200に対してラベル作成装置1がUSB接続されている場合でも、コンピュータ200側からラベル作成装置1を監視するように、コンピュータ情報の取得指令を取得するためのコマンドを定期的に発行することで、ラベル作成装置1側からコンピュータ情報の取得指令を受信することが可能である。
【0060】
また、上記の実施形態では、ラベル作成装置1側で印刷データを生成するものとしたが、コンピュータ200側で印刷データを生成するようにしても良い。この場合、コンピュータ200側に、フォーマットデータベース131を搭載しておき、コンピュータ200側で、フォーマットの選択、選択したフォーマットへのコンピュータ情報の挿入、編集操作、印刷データの生成が実行できることが好ましい。
【0061】
また、上記の実施形態に示した、ラベル作成装置1の各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラム、並びに上記の実施形態に示したラベル作成用ソフト252を、各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、ラベル作成装置1の各手段として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体等も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】ラベル作成システムのシステム構成図である。
【図2】コンピュータの制御ブロック図である。
【図3】ラベル作成装置の制御ブロック図である。
【図4】管理用ラベルのフォーマットの一例、およびその印刷例を示す図である。
【図5】コンピュータ情報の保存処理を示すフローチャートである。
【図6】ラベル作成処理を示すフローチャートである。
【図7】テキスト情報としてコンピュータ情報を挿入する場合の手順を示す画面遷移図である。
【符号の説明】
【0063】
1…ラベル作成装置 3…キーボード 41…表示画面 110…CPU 120…RAM 121…コンピュータ情報記憶領域 130…ROM 131…フォーマットデータベース 200…コンピュータ 230…表示部 240…入力部 252…ラベル作成用ソフト SY…ラベル作成システム T…印刷テープ L…ラベル La…管理用ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル作成装置と接続されるコンピュータに、インストールされて用いられるラベル作成用ソフトであって、
前記コンピュータから、当該コンピュータに関するコンピュータ情報を取得するコンピュータ情報取得手段と、
取得した前記コンピュータ情報を、前記ラベル作成装置に出力するコンピュータ情報出力手段と、を備えたことを特徴とするラベル作成用ソフト。
【請求項2】
前記ラベル作成装置が前記コンピュータに接続されたことを検出する接続検出手段をさらに備え、
前記コンピュータ情報取得手段は、前記接続検出手段の検出をトリガとして、前記コンピュータ情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のラベル作成用ソフト。
【請求項3】
前記ラベル作成装置から、前記コンピュータ情報の取得指令を受信する取得指令受信手段をさらに備え、
前記コンピュータ情報取得手段は、前記コンピュータ情報の取得指令の受信をトリガとして、前記コンピュータ情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のラベル作成用ソフト。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラベル作成用ソフトがインストールされたコンピュータと、
前記コンピュータから受信した前記コンピュータ情報をラベル媒体上に印刷する印刷手段を備えたラベル作成装置と、から成ることを特徴とするラベル作成システム。
【請求項5】
前記ラベル作成装置は、
前記コンピュータ情報を印刷するための複数種類のフォーマットを記憶するフォーマット記憶手段と、
前記複数種類のフォーマットの中から1のフォーマットを選択するためのフォーマット選択手段と、をさらに備え、
前記印刷手段は、選択された前記1のフォーマットにしたがって、前記コンピュータ情報を印刷することを特徴とする請求項4に記載のラベル作成システム。
【請求項6】
前記ラベル作成装置は、
前記コンピュータから受信した前記コンピュータ情報を保存するコンピュータ情報保存手段をさらに備え、
前記印刷手段は、前記コンピュータ情報保存手段から前記コンピュータ情報を読み出して印刷することを特徴とする請求項4または5に記載のラベル作成システム。
【請求項7】
前記コンピュータ情報は、複数の情報要素から成り、
前記ラベル作成装置は、
前記コンピュータ情報保存手段に保存された前記コンピュータ情報の複数の情報要素のうち、印刷対象となる情報要素を選択するための情報要素選択手段をさらに備え、
前記印刷手段は、前記情報要素選択手段により選択された情報要素を印刷することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載のラベル作成システム。
【請求項8】
請求項4ないし7のいずれか1項に記載のラベル作成システムに適用されるラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−79345(P2010−79345A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243672(P2008−243672)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】