説明

ラベル用印刷インキおよびラベル

【課題】シュリンク加工に対する追従性とタックフリー性に共に優れた印刷層を形成しうるラベル用印刷インキを提供する。
【解決手段】セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、並びに、活性エネルギー線重合性モノマーを含有する印刷インキであって、活性エネルギー線重合性モノマー中の、単官能モノマーの含有量が80重量%以上であり、印刷インキ中の、活性エネルギー線重合性モノマー100重量部に対する、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂の合計含有量が0.5〜20重量部であることを特徴とするラベル用印刷インキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルの印刷層を形成するために用いられるラベル用印刷インキに関する。より詳しくは、シュリンク加工時の追従性とタックフリー性に優れた印刷層を形成しうる、シュリンクラベル用に特に適した印刷インキに関する。さらに、該印刷インキからなる印刷層を有するラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトルなどのプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベル等のラベルを装着する場合が多く、このラベルには、例えば、装飾性、加工性(容器への追従性)、広い表示面積等のメリットから、印刷層が設けられたシュリンクラベルが広く使用されている。
【0003】
上記のプラスチックラベル等のラベルの印刷層を形成する印刷インキとしては、近年、環境負荷の低減などの観点から、紫外線(UV)などの活性エネルギー線により硬化する活性エネルギー線硬化型の印刷インキが用いられてきている。さらに、中でも、比較的低コストである点や、水分による重合阻害を受けない等の利点から、ラジカル重合により硬化して印刷層を形成する、ラジカル重合性の活性エネルギー線硬化型印刷インキが多く用いられており、特に、アクリル系樹脂を主成分とするラジカル重合性活性エネルギー線硬化型印刷インキが多く用いられている(特許文献1、2参照)。
【0004】
しかし、上記のラジカル重合性活性エネルギー線硬化型印刷インキは、十分な硬化性を得るために、モノマー成分として多官能モノマーを比較的多量に用い、硬化後は架橋度の高い硬い印刷層を形成する。このため、かかる印刷インキをシュリンクラベル(特に、高収縮性のシュリンクラベル)の印刷層を形成するために用いた場合には、シュリンク加工時に基材であるシュリンクフィルムの収縮変形に印刷層が追従できず、印刷層の白化などの追従性不良を生じる問題があった。このため、これらの印刷インキはシュリンクラベル用に用いることができず、汎用性が不十分であった。
【0005】
かかる課題に対して、印刷インキ中にウレタンアクリレートを添加して、印刷層の加工追従性向上を図ったシュリンクラベルが知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−81641号公報
【特許文献2】特開2002−371217号公報
【特許文献3】国際公開2009/011256号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のウレタンアクリレートを添加した印刷インキより形成した印刷層も、非常に高収縮性(例えば、収縮率が50%程度など)のシュリンクラベルに用いた場合には、シュリンク加工に対する追従性は十分ではなく、追従性不良の問題が生じる場合があった。一方、追従性をさらに向上させるため、モノマー成分中の単官能モノマー割合を増やすと、反応性や重合度が低下し、未反応モノマーが残りやすくなることで、印刷層にタック(表面タック)が残るという問題が生じた。従って、高収縮のシュリンク加工に対しても追従性が良好で、なおかつタックのない又は極めてタックの弱いタックフリー性の良好な印刷層を形成しうる、様々なラベルに用いることのできる汎用性の高いラベル用印刷インキは得られていないのが現状である。
【0008】
即ち、本発明の目的は、シュリンク加工に対する追従性とタックフリー性に共に優れた印刷層を形成でき、様々なラベルに用いることのできる汎用性に優れたラベル用印刷インキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、主に単官能成分からなる活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーと、特定の樹脂成分を特定割合で含有することにより、シュリンク加工に対する追従性とタックフリー性に共に優れた印刷層を形成しうる汎用性に優れた印刷インキを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、並びに、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーを含有する印刷インキであって、前記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中の、単官能モノマーの含有量が80重量%以上であり、印刷インキ中の、前記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー100重量部に対する、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂の合計含有量が0.5〜20重量部であることを特徴とするラベル用印刷インキを提供する。
【0011】
さらに、本発明は、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーがエチレン性不飽和モノマーである前記のラベル用印刷インキを提供する。
【0012】
さらに、本発明は、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーとして、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーを含み、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中の、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートの合計含有量が80重量%以上である前記のラベル用印刷インキを提供する。
【0013】
さらに、本発明は、セルロース系樹脂が、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂である前記のラベル用印刷インキを提供する。
【0014】
また、本発明は、基材の少なくとも片面側に、前記のラベル用印刷インキを活性エネルギー線照射により硬化させて形成した印刷層を有するラベルを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のラベル用印刷インキは、重合性成分として、主に単官能成分からなる活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーを用いているため、柔軟で、シュリンク加工時の基材の変形に対する追従性(シュリンク加工に対する追従性)に優れた印刷層を形成しうる。また、印刷インキ中に、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた特定の樹脂を特定の割合で含有するため、タック(表面タック)がない又はタック性(表面タック性)が極めて低い、タックフリー性に優れた印刷層を形成しうる。
上記のように、本発明のラベル用印刷インキは、シュリンク加工に対する追従性とタックフリー性に優れた印刷層を形成しうるため、シュリンクラベルを含む様々なラベルに用いることが可能で、汎用性に優れる。本発明のラベル用印刷インキは、特に、高収縮性のシュリンクラベル用印刷インキとして好適に用いることができる。
【0016】
なお、本明細書において、「タックフリー性に優れる」とは、印刷層表面のタックがない場合に加え、タックが極めて弱い場合をも含むものとする。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[印刷インキ]
本発明の印刷インキは、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、並びに、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーを、必須成分として含有する印刷インキである。なお、本明細書においては、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた樹脂(少なくとも1種の樹脂)を「特定樹脂」と称する場合がある。本発明の印刷インキ中に、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた2種以上の樹脂が含まれる場合には、それら全ての樹脂が「特定樹脂」である。
【0018】
本発明の印刷インキは、上記の特定樹脂や活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー以外にも、活性エネルギー線重合開始剤を含有することが好ましく、さらに、顔料などの色材(着色剤)や、その他の添加剤を含有してもよい。
【0019】
(活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー)
本発明の印刷インキは、上記のとおり、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーを含有する。上記の活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーは、本発明の印刷インキより形成される印刷層におけるベースポリマーを形成する原料成分である。
【0020】
本発明の印刷インキにおける活性エネルギー線ラジカル重合性(光ラジカル重合性)モノマーは、活性エネルギー線重合性(光重合性)及びラジカル重合性を有するモノマー(単量体)であり、活性エネルギー線照射によりラジカル重合してポリマー(好ましくは、アクリル系ポリマー)を形成する。上記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーは、分子中に、少なくとも1つの活性エネルギー線重合性及びラジカル重合性の官能基(活性エネルギー線ラジカル重合性官能基)を有する、単官能モノマー又は多官能モノマーである。上記活性エネルギー線ラジカル重合性官能基としては、エチレン性不飽和基(活性エネルギー線ラジカル重合性のエチレン性不飽和基)が好ましい。より具体的には、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基、メタクリロイル基)等が挙げられる。上記のとおり、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーは、活性エネルギー線ラジカル重合性のエチレン性不飽和モノマー(エチレン性不飽和基を有するモノマー)であることが好ましい。
【0021】
上記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーの中でも、単官能モノマー(単官能の活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー)は、分子中に活性エネルギー線ラジカル重合性官能基(好ましくは、活性エネルギー線ラジカル重合性のエチレン性不飽和基)を1つのみ有するモノマーである。上記単官能モノマーとしては、公知のエチレン性不飽和単官能モノマーが挙げられ、特に限定されないが、例えば、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートの他;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類などが挙げられる。
【0022】
上記の中でも、単官能モノマーとしては、安全性の観点から、OECD404による一次刺激性指数(PII)の値が2.5以下である単官能モノマーが好ましく、PII値が2.0以下の単官能モノマーがより好ましい。
【0023】
上記の単官能モノマーの中でも、アクリロイルモルホリン(PII値:0.5)、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド(PII値:0.9)、パラクミルフェノールEO変性アクリレート(PII値:1.6)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(PII値:2.3)、イソボルニルアクリレート(PII値:0.6)、フェノキシエチルアクリレート(PII値:0.5)、ノニルフェノールEO変性アクリレート(PII値:2.0)、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン(PII値:0.55)が好ましく、特に好ましくは、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートである。
【0024】
上記のノニルフェノールEO変性アクリレートは、下記の式で表される。
【0025】
【化1】

【0026】
上記式中、mは1以上の整数であり、特に限定されないが、1〜4の整数であることが好ましく、1が特に好ましい。なお、エチレンオキサイドの平均付加モル数は、特に限定されないが、約1が好ましい。
【0027】
本発明の印刷インキは、単官能モノマー(単官能成分)として、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーを含むことが好ましい。なお、上記のアクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群より選ばれたモノマーを「特定モノマー」と称する場合がある。本発明の印刷インキ中に、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群より選ばれた2以上のモノマーが含まれる場合には、それら全てのモノマーが「特定モノマー」である。
【0028】
上記特定モノマー(アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート)は、反応性が高いため、これらのモノマーを硬化(重合)させてポリマー(アクリル系ポリマー)を形成し、該ポリマーからなる印刷層を形成した際に、印刷層中に未硬化(未反応)の残存モノマーが少なくなる。また、これらの特定モノマーを硬化させて形成したポリマーのガラス転移温度(Tg)は比較的高くなる。このため、上記特定モノマーを用いると印刷層のタックを低減しやすいため好ましい。
【0029】
上記のパラクミルフェノールEO変性アクリレート(パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート)は、下記の式で表される。
【0030】
【化2】

【0031】
上記式中、nは1以上の整数であり、特に限定されないが、1または2であることが好ましく、1が特に好ましい。なお、エチレンオキサイドの平均付加モル数は、特に限定されないが、約1が好ましい。
【0032】
上記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーの中でも、多官能モノマー(多官能の活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー)は、分子中に2以上の活性エネルギー線ラジカル重合性官能基を有するモノマーである。
【0033】
上記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーは、塗工性の観点からモノマーの形態で印刷インキ中に含まれることが好ましい。ただし、印刷インキの塗工性等を低下させない範囲内で、モノマーを予め重合した、いわゆるオリゴマーの形態で印刷インキ中に含まれていてもよい。上記オリゴマーはモノマーの低重合度の重合体であり、上記重合度は、特に限定されないが、2〜20が好ましく、より好ましくは5〜15である。
【0034】
上記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーの分子量は、2000以下が好ましく、より好ましくは1000以下、さらに好ましくは500以下である。
【0035】
本発明の印刷インキの総重量(100重量%)中の、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーの含有量は、特に限定されないが、印刷インキによって形成される印刷層と基材との密着性の観点から、30〜99重量%が好ましく、より好ましくは45〜95重量%である。
【0036】
本発明の印刷インキにおいて、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(100重量%)中の、単官能モノマーの含有量は、80重量%以上(80〜100重量%)であり、好ましくは85〜100重量%である。なお、特定モノマーの含有量も上記の単官能モノマーの含有量に含まれる。単官能モノマーの含有量を80重量%以上とすることにより、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーより形成されるポリマー(印刷層のベースポリマー)が比較的柔軟となり、本発明の印刷層のシュリンク加工に対する追従性が向上する。単官能モノマーの含有量が80重量%未満の場合、即ち、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中に多官能モノマーを20重量%以上含有する場合には、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーより形成されるポリマーが硬くなり、本発明の印刷層のシュリンク加工に対する追従性が低下する。
【0037】
本発明の印刷インキにおいて、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(100重量%)中の、特定モノマーの含有量は、特に限定されないが、80重量%以上(80〜100重量%)が好ましく、より好ましくは85〜100重量%である。特定モノマーの含有量が80重量%未満では、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーの反応性が低くなり、形成される印刷層中に未硬化(未反応)のモノマーが残存しやすくなったり、硬化後のポリマーのガラス転移温度が低くなるため、印刷層の表面タックが大きくなる場合がある。なお、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中に、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群より選ばれた2以上の特定モノマーが含まれる場合には、全ての特定モノマーの含有量の合計量(合計含有量)が「特定モノマーの含有量」である。
【0038】
(特定樹脂)
本発明の印刷インキは、上記のとおり、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の特定樹脂を含有する。上記特定樹脂は比較的高いガラス転移温度(Tg)を有しているため、該特定樹脂を印刷インキ中に添加することにより、印刷インキより形成される印刷層がある程度硬くなり、印刷層のタックを低減できる。また、印刷インキ中に高分子量成分である特定樹脂が特定量含まれることにより、印刷インキ中の低分子量成分の含有量が相対的に少なくなるため、印刷インキの反応性が向上し、残存モノマーが低減する。これにより、印刷層のタックを低減できる。一方、上記特定樹脂は、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーと架橋反応しないため、印刷層のシュリンク加工に対する追従性を低下させることがない。このため、印刷層のシュリンク加工に対する追従性とタックフリー性を両立させることができる。さらに、上記特定樹脂は、印刷インキの粘度、塗布性を調整する効果も発揮する。
【0039】
なお、上記特定樹脂は、特に限定されないが、分子量が7000以上の化合物であることが好ましく、より好ましくは分子量が1万以上の化合物である。
【0040】
上記セルロース系樹脂としては、特に限定されないが、ニトロセルロース(硝化綿)や、セルロースアセテートブチレート(酢酸酪酸セルロース:CAB)、セルロースアセテート(酢酸セルロース)、セルロースアセテートプロピオネート(酢酸プロピオン酸セルロース:CAP)等のカルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂が例示される。上記カルボン酸としては、酢酸、酪酸、プロピオン酸、無水酢酸、無水酪酸などが挙げられる。上記セルロース系樹脂としては、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂が好ましく、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)が特に好ましい。
【0041】
上記セルロース系樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、1万〜15万が好ましく、より好ましくは15000〜10万である。上記数平均分子量が1万未満では印刷インキの粘度が低くなる場合や、印刷層のタック低減の効果が得られない場合がある。一方、15万を超えると印刷インキ中でのセルロース系樹脂の溶解性が悪くなる場合がある。また、印刷インキが高粘度となりすぎて塗布性が低下する場合がある。
【0042】
なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)は、例えば、JIS K 7252に準拠して、size exclusion chromatography(サイズ排除クロマトグラフィー)により決定したポリスチレンと等価の分子量である。
【0043】
上記セルロース系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、90℃以上(例えば、90〜200℃)が好ましく、より好ましくは100〜190℃である。上記Tgが90℃未満では、印刷層のタック低減の効果が得られない場合がある。
【0044】
なお、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、JIS K 7121に準拠して、セイコーインスツルメンツ(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度20℃/分の条件で行うことができる。
【0045】
上記セルロース系樹脂は、市販品を用いることも可能である。例えば、イーストマンケミカル社製「CAB−381−20、CAB−381−0.5、CAB−381−0.1、CAB−551−0.1、CAB−551−0.01、CAP−504−0.2、CAP−482−0.5など」、ベルジュラックNC社製「HIGシリーズ」、「LIGシリーズ」などが市場で入手可能である。
【0046】
上記ガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂は、公知乃至慣用の印刷インキ用のアクリル系樹脂の中から、ガラス転移温度が50℃以上であるものを選択して用いることができ、例えば、アクリル系単量体を必須の単量体成分として構成されたアクリル系ポリマーが挙げられる。上記アクリル系樹脂(アクリル系ポリマー)を構成する単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等]などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
【0047】
また、上記のほか、必要に応じて、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類やジエン類などの重合性不飽和化合物を単量体成分として用いることもできる。
【0048】
上記アクリル系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1万〜15万が好ましく、より好ましくは2万〜10万である。上記重量平均分子量が1万未満では印刷インキの粘度が低くなる場合や、印刷層のタック低減の効果が得られない場合がある。一方、15万を超えると印刷インキ中でのアクリル系樹脂の溶解性が悪くなる場合がある。また、印刷インキが高粘度となりすぎて塗布性が低下する場合がある。
【0049】
上記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上(例えば、50〜120℃)であり、好ましくは70〜115℃である。上記Tgが50℃未満では、印刷層のタック低減の効果が得られない場合がある。
【0050】
上記アクリル系樹脂は、市販品を用いることも可能である。例えば、東亞合成(株)製「ARUFONシリーズ」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールシリーズ」などが市場で入手可能である。より具体的には、東亞合成(株)製「ARUFON UH−2170(Tg:60℃)、UC−3000(Tg:65℃)、UC−3910(Tg:85℃)、UC−3920(Tg:102℃)、UG−4040(Tg:63℃)、UG−4070(Tg:58℃)」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナール BR−50(Tg:100℃)、BR−52(Tg:105℃)、BR−60(Tg:75℃)、BR−73(Tg:100℃)、BR−77(Tg:80℃)、BR−83(Tg:105℃)、BR−90(Tg:65℃)、BR−96(Tg:80℃)、BR−113(Tg:75℃)、MB−2389(Tg:90℃)、MB−7033(Tg84℃)、BR−2389(Tg:90℃)」などが挙げられる。
【0051】
上記特定樹脂は、架橋反応性ではないことが好ましく、活性エネルギー線ラジカル重合性ではないことがより好ましい。即ち、上記特定樹脂からは、本発明の印刷インキを活性エネルギー線照射により硬化(光硬化)する際に、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーと架橋反応する樹脂は除かれることが好ましい。さらには、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーと反応して印刷層を形成するベースポリマーに取り込まれる樹脂は除かれることがより好ましい。具体的には、上記特定樹脂は、分子内に、前述の活性エネルギー線ラジカル重合性官能基(特に、活性エネルギー線ラジカル重合性のエチレン性不飽和基)を1個のみ有する、又は、有しない樹脂であることが好ましい。より好ましくは、分子内に、活性エネルギー線ラジカル重合性官能基(特に、活性エネルギー線ラジカル重合性のエチレン性不飽和基)を有しない樹脂である。特定樹脂が架橋反応性の樹脂でない(さらには、活性エネルギー線ラジカル重合性の樹脂でない)ことにより、印刷インキより形成される印刷層の柔軟性が向上し、シュリンク加工に対する追従性が向上しやすいため好ましい。
【0052】
本発明の印刷インキ中の上記特定樹脂の含有量は、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー100重量部に対して、0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。特定樹脂の含有量が、0.5重量部未満では、印刷層のタックが大きくなる。また、印刷インキの粘度を調整する効果が不十分であり、印刷インキの塗布性が低下する場合がある。一方、20重量部を超えると、印刷インキが高粘度となりすぎて塗布性が低下する場合やレベリング不良が起こる場合がある。なお、本発明の印刷インキ中に、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた2以上の特定樹脂が含まれる場合には、全ての特定樹脂の含有量の合計量(合計含有量)が「特定樹脂の含有量」である。
【0053】
(活性エネルギー線重合開始剤)
本発明の印刷インキは、活性エネルギー線重合開始剤(「光重合開始剤」と称する場合がある)を含有することが好ましい。上記光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤が好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルケタール類、アセトフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン誘導体、ベンジル、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、α−アシロキシムエステル、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、芳香族過酸化エステル類などが挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を混合して使用される。光重合開始剤(特に、光ラジカル重合開始剤)の含有量は、特に限定されないが、印刷インキの総重量(100重量%)に対して、0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜7重量%である。
【0054】
上記光重合開始剤としては、市販品を用いることも可能であり、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名「DAROCUR TPO」、「IRGACURE 184、651、2959、907、369、1700、1800、1850、819」、「DAROCUR 1173」などが挙げられる。
【0055】
(色材)
本発明の印刷インキは、印刷層の着色などの目的で、色材(着色剤)を含有してもよい。色材としては、印刷インキに用いられる公知乃至慣用の染料や顔料を用いることが可能で、特に限定されないが、顔料が好ましく用いられる。上記顔料は、用途等に応じて、印刷インキに用いられる公知乃至慣用の有機、無機の着色顔料を用いることができ、特に限定されないが、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍(青色)顔料、縮合アゾ系顔料などの赤色顔料、アゾレーキ系顔料等の黄色顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)等が用途に合わせて選択、使用できる。また、顔料として、その他にも、光沢調整などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。上記顔料は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0056】
上記顔料の含有量は、顔料の種類や目的の色の濃度等に応じて任意に設計できるが、印刷インキの総量(100重量%)に対して、1〜60重量%が好ましく、より好ましくは2〜50重量%である。印刷インキ中に2種以上の顔料が含まれる場合には、全顔料の合計含有量が上記範囲を満たすことが好ましい。
【0057】
本発明の印刷インキを白色印刷インキとして用いる場合の酸化チタンとしては、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)のいずれを用いてもよいが、例えば、テイカ(株)製、酸化チタン「JRシリーズ」等が入手可能である。また、白色印刷インキ中の酸化チタンの含有量は、隠蔽性と粗大突起形成抑制の観点から、印刷インキの総量(100重量%)に対して、30〜60重量%が好ましい。
【0058】
(その他の添加剤)
本発明の印刷インキは、必須成分である活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー及び特定樹脂、並びに、任意成分である活性エネルギー線重合開始剤及び色材(顔料等)以外にも、必要に応じて、特定樹脂以外の樹脂(「その他の樹脂」と称する場合がある)、可塑剤、滑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。
【0059】
上記のその他の樹脂としては、例えば、印刷インキのレベリング性、消泡効果や印刷層の滑り性の観点から添加される、シリコーン化合物(シリコーンオイル)が挙げられる。上記シリコーン化合物は、特に限定されないが、主鎖がシロキサン結合からなるポリシロキサンであり、メチル基、フェニル基以外の置換基を有しないストレートシリコーン化合物(ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンなど)であってもよいし、側鎖または末端にメチル基、フェニル基以外の置換基を有する変性シリコーン化合物であってもよい。上記変性シリコーン化合物における置換基としては、例えば、エポキシ基、フッ素原子、アミノ基、カルボキシル基、脂肪族ヒドロキシル基(アルコール性水酸基)、芳香族ヒドロキシル基(フェノール性水酸基)、ポリエーテル鎖を含有する置換基などが挙げられる。これらの置換基を有する変性シリコーンとしては、例えば、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ジオール変性シリコーンなどが例示される。これらの変性シリコーン化合物としては、例えば、国際公開2007/007803号パンフレットに記載の化合物などを用いることが可能である。上記のシリコーン化合物の含有量は、特に限定されないが、印刷インキの総量(100重量%)に対して、0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜3重量%である。
【0060】
上記滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン系ワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス類が例示される。上記の滑剤の含有量は、特に限定されないが、印刷インキの総量(100重量%)に対して、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量%である。
【0061】
本発明の印刷インキ中の、反応に関与せず主に分散剤として使用される溶剤の含有量は、5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下であり、さらに、溶剤を含有しないことが最も好ましい。なお、ここでいう溶剤とは、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコールなどの有機溶媒や水のことをいい、グラビア、フレキソ印刷インキ等では、塗布加工性やインキ中の各成分の相溶性や分散性を改良する目的で通常用いられているものである。なお、硬化後の印刷層に取り込まれる反応性希釈剤はこれに含まれない。本発明の印刷インキは、無溶剤でも、優れた塗布性、含有成分同士の分散性を発揮でき、無溶剤で用いることができる、又は、溶剤の量を極めて少なくできるため、溶剤(溶媒)の除去が不要となり、高速化、コストダウンがはかれるほか、環境負荷を少なくすることが可能である。
【0062】
本発明の印刷インキは、特に限定されないが、上記の活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー、特定樹脂、必要に応じて、活性エネルギー線重合開始剤、色材(顔料等)およびその他の添加剤などの各成分を配合し、混合して製造することができる。混合は、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ペイントシェイカー、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。
【0063】
本発明の印刷インキの粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、フレキソ印刷により塗工される場合には、10〜3000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜1000mPa・sである。粘度が3000mPa・sを超える場合には、フレキソ印刷性が低下し、「かすれ」などが生じて、加飾性が低下する場合がある。また、粘度が10mPa・s未満の場合には、顔料や添加剤が沈降しやすくなる等、貯蔵安定性が低下する場合がある。印刷インキの粘度は、各配合成分の配合比、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。なお、本明細書中、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
【0064】
本発明の印刷インキは、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーを含有する活性エネルギー線ラジカル硬化性(光ラジカル硬化性)の印刷インキである。活性エネルギー線硬化性であることにより、無溶剤で用いることができる、又は、溶剤の量を極めて少なくできるため、溶剤(溶媒)の除去が不要となり、環境面で有利である。さらに、本発明の印刷インキはラジカル重合により硬化して印刷層を形成しうるため、カチオン重合により硬化する印刷インキのように、水分による重合阻害(硬化阻害)を受けないという点でも有利である。このため、例えば、本発明の印刷インキは、水性インキによる印刷層上に塗布して印刷層を形成することも可能である。
【0065】
本発明の印刷インキは、単官能成分を主成分とする活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーより、印刷層を構成するベースポリマー(主にアクリル系ポリマー)を形成する。このため、本発明の印刷インキより形成される印刷層は、柔軟でシュリンク加工に対する追従性に優れ、高収縮のシュリンク加工時においても印刷層の白化、クラックやシワが生じない。
【0066】
一般的に、印刷インキの活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中の単官能モノマーの割合が多くなると、硬化性、重合度が低くなり未反応モノマーが残りやすくなるため、印刷層にタック(ベタつき、粘着性)が生じ、耐摩耗性の低下やブロッキングなどの問題が生じる傾向にある。これに対して、本発明においては、印刷インキ中に、比較的ガラス転移温度(Tg)が高く、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーと架橋反応しない特定樹脂を特定量用いることにより、印刷層が適度な硬さに制御され、特定樹脂が印刷層表面の一部を形成することにより、該印刷インキより形成される印刷層のシュリンク加工に対する追従性を低下させることなく、印刷層のタックを抑制し、優れたタックフリー性を達成している。これにより、本発明の印刷インキより形成される印刷層はシュリンク加工に対する追従性とタックフリー性を両立している。また、上記特定樹脂は活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーに対して溶解性であるため、印刷インキの塗布性(塗工性)も良好となる。
【0067】
さらに、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中に、硬化性に優れ、比較的Tgの高いベースポリマーを形成できる特定モノマーを特定量用いる場合には、印刷インキより形成される印刷層中の未硬化モノマーを低減し、ベースポリマーのTgを適度に高めることができるため、印刷層のタックフリー性をより一層向上することができるため好ましい。
【0068】
本発明の印刷インキは、ラベルの印刷層を形成するために用いられる印刷インキ(ラベル用印刷インキ)である。上記ラベルは少なくとも基材と印刷層とを有し、ラベルの基材は特に限定されず、プラスチックフィルム(プラスチックシート)、合成紙などのプラスチック基材(プラスチック製基材)からなるプラスチックラベル(特に合成紙からなるものは合成紙ラベルと称する場合がある)、紙からなる紙ラベル、織布や不織布からなる布製ラベルなどが挙げられる。中でも、プラスチックラベルが好ましい。また、上記プラスチックラベルとしては、具体的には、ストレッチラベル、シュリンクラベル、ストレッチシュリンクラベル、インモールドラベル、タックラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付ラベル)、感熱接着ラベル等が挙げられる。中でも、本発明の印刷インキより形成される印刷層のシュリンク加工時の追従性の観点から、シュリンクラベルが特に好ましい。即ち、本発明の印刷インキは、プラスチックラベル用印刷インキであることが好ましく、より好ましくはシュリンクラベル用印刷インキである。
【0069】
[ラベル]
基材の少なくとも片面側に上記の本発明の印刷インキを塗布し、活性エネルギー線照射により硬化させることにより印刷層を形成し、ラベルを作製できる。なお、本発明の印刷インキを活性エネルギー線照射により硬化させて形成した印刷層を「本発明の印刷層」と称する場合がある。また、基材の少なくとも片面側に本発明の印刷層を有するラベルを「本発明のラベル」と称する場合がある。
【0070】
上記の塗布は、公知慣用の塗布方法、印刷方法を用いて行うことができる。中でも、本発明の印刷インキは、コストや生産性、印刷の装飾性などの観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷またはインクジェット印刷方式で塗布(塗工)されることが好ましい。
【0071】
上記の活性エネルギー線硬化(活性エネルギー線照射による硬化)は、特に限定されないが、紫外線硬化が好ましい。具体的には、例えば、紫外線(UV)ランプ、紫外線LEDや紫外線レーザーなどを用いて行うことができる。照射する活性エネルギー線は、印刷インキの組成によっても異なり、特に限定されないが、硬化性の観点から、波長が200〜460nmの紫外線(近紫外線)が好ましく、また、積算光量は50〜2000(mJ/cm2)が好ましい。
【0072】
上記の塗布、活性エネルギー線硬化は、基材(例えば、シュリンクフィルム)の製造工程中に行われてもよいし(インラインコート)、フィルム製膜後に行われてもよい(オフラインコート)が、生産性や加工性の観点から、オフラインコートが好ましい。
【0073】
本発明の印刷層は、前述の活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーが重合して形成されたポリマーと前述の特定樹脂を必須の成分として含有する。さらに、顔料などの色材(着色剤)や、その他の添加剤を含有してもよい。上記の活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーが重合(活性エネルギー線ラジカル重合)して形成されたポリマーは、印刷層のベースポリマーであり、特に限定されないが、アクリル系ポリマーであることが好ましい。なお、本明細書において、「アクリル系ポリマー」とは、(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸)及び/又はその誘導体を含むモノマー成分の重合体、即ち、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを含むモノマー成分の重合体を意味する。
【0074】
本発明の印刷層の厚み(単層の厚み)は、特に限定されないが、0.5〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜4μmである。印刷層の厚みが0.5μm未満では、印刷層の強度が弱くなる場合がある。一方、厚みが5μmを超えると、印刷インキの使用量が増加し、コスト面や環境面で好ましくない場合がある。さらに、均一に塗布することが困難となる場合、シュリンク加工に対する追従性が低下する場合や、印刷層がもろくなって剥離しやすくなる場合がある。また、色材(着色剤)が入っている場合は、深部まで硬化しにくくなり、剥離しやすくなる場合がある。
【0075】
(基材)
本発明のラベルにおける基材(基材層)は、印刷層の担体(支持体)となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性に主たる影響を及ぼす層である。上記基材は、プラスチックフィルムや合成紙等のプラスチック製基材、紙製基材、不織布や織布などの布製基材などが挙げられる。中でも、プラスチック製基材が好ましく、より好ましくはプラスチックフィルム、さらに好ましくはシュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)である。上記プラスチックフィルム(特に、シュリンクフィルム)は、公知のプラスチックラベル(シュリンクラベル)の基材として用いられるプラスチックフィルム(シュリンクフィルム)を用いることができる。
【0076】
上記基材の厚みは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは12〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmである。
【0077】
上記プラスチックフィルム(特に、シュリンクフィルム)を形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。即ち、上記プラスチックフィルム(特に、シュリンクフィルム)は、ポリエステル系樹脂からなるポリエステル系フィルム、ポリスチレン系樹脂からなるポリスチレン系フィルム、ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記の中でも、透明性の観点から、特にポリエステル系フィルムが好ましい。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを用いることができる。
【0078】
上記ポリエステル系フィルムに用いられるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂やポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等を用いることができ、中でも好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂である。上記PET系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステルなどのジオール変性PET;ジカルボン酸変性PET(ジカルボン酸成分において、テレフタル酸を主成分にイソフタル酸及び/又はアジピン酸で変性)などが挙げられる。
【0079】
上記ポリスチレン系フィルムに用いられるポリスチレン系樹脂としては、構成モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を1種又は2種以上含む樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、一般ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体(SBIS)、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等が好ましく例示される。
【0080】
上記ポリオレフィン系フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒系LLDPE(mLLDPE)などのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。特に、ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン樹脂を外層とするものが好ましい。例えば、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層(中心層)とするものが好ましい。
【0081】
上記基材は単層構成であってもよいし、積層構成であってもよい。即ち、上記プラスチックフィルム(特に、シュリンクフィルム)は、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途などに応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、同種の樹脂からなるフィルム層を積層していてもよいし、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。積層フィルムの場合、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルムや、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層とした積層フィルムが好ましい。
【0082】
上記プラスチックフィルム(特に、シュリンクフィルム)は、溶融製膜または溶液製膜などの慣用の方法によって作製することができる。また、市販のプラスチックフィルムを用いることも可能である。プラスチックフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。積層構成のプラスチックフィルムを作製する場合、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法、ドライラミネート法などを用いることが可能である。
【0083】
上記基材として用いられるプラスチックフィルムがシュリンクフィルムである場合、シュリンクフィルムは、シュリンク特性を発揮する観点から、1軸、2軸または多軸に配向したフィルムであることが好ましい。シュリンクフィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。シュリンクフィルムとしては、特に1軸または2軸配向フィルムが用いられることが多く、中でも、フィルムの1軸方向に強く配向しているフィルム(実質的に1軸延伸されたフィルム)が一般的に用いられる。特に幅方向に1軸延伸されたフィルムが好ましい。
【0084】
上記シュリンクフィルムに配向を施す方法としては、長手方向(フィルムの製造ライン方向。縦方向又はMD方向とも称する)および幅方向(長手方向と直交する方向。横方向又はTD方向とも称する)の2軸延伸、長手方向又は幅方向の1軸延伸を用いることができる。延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。例えば、幅方向に実質的に1軸延伸されたフィルムの延伸処理は、70〜100℃程度の温度で、必要に応じて長手方向に例えば1.01〜1.5倍、好ましくは1.05〜1.3倍程度に延伸した後、幅方向に例えば3〜6倍、好ましくは4〜5.5倍程度延伸することにより行うことができる。
【0085】
上記シュリンクフィルムの、主配向方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、15〜80%が好ましく、より好ましくは20〜75%、さらに好ましくは25〜70%である。主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記「主配向方向」とは主に延伸処理が施された方向(最も熱収縮率が大きい方向)であり、一般的には長手方向又は幅方向であり、例えば、幅方向に実質的に1軸延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
【0086】
上記プラスチックフィルム(特に、シュリンクフィルム)が透明フィルムの場合、プラスチックフィルムのヘイズ(ヘーズ)値(%)(JIS K 7105準拠)は、10%未満が好ましく、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満である。ヘイズ値が10%以上の場合には、プラスチックフィルムを通して印刷を見せる場合に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。
【0087】
上記シュリンクフィルムは、市販品を用いることも可能である。例えば、東洋紡績(株)製「スペースクリーン S7042」、三菱樹脂(株)製「LX−10S」、「LX−61S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「ボンセット」、グンゼ(株)製「GMLS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ(株)製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂(株)製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)等が挙げられる。
【0088】
本発明のラベルは、前述のとおり、上記基材の少なくとも片面側に、上記の本発明の印刷層を有する。本発明の印刷層は、必ずしもラベルの全面に設けられる必要はなく、基材の一部分にのみ設けることができる。具体的には、それぞれ異なる色材を含有する本発明の印刷層を基材に積層したり、基材に設けられた本発明の印刷層の上にさらに本発明の印刷層を積層したり、又は、一部分には印刷層を設けなかったりすることにより、所望の文字、デザインを形成することができる。また、本発明の印刷層は、必要に応じて、アンカーコート層を介して基材上に設けられていてもよい。
【0089】
さらに、本発明のラベルには、基材、本発明の印刷層の他にも、接着剤層、紫外線防止層、アンカーコート層、プライマーコート層、本発明の印刷層以外の印刷層(「他の印刷層」と称する場合がある)、不織布、紙等の層を必要に応じて設けてもよい。上記の他の印刷層は、例えば、溶剤系印刷インキから形成される印刷層であってもよい。
【0090】
本発明のラベルにおいて、本発明の印刷層は、ラベルの内側になるように設けられてもよいし、ラベルの外側になるように設けられてもよい。
本発明のラベル(特にプラスチックラベル)の積層構成は、特に限定されないが、例えば、表側(ラベルの表側)から、
基材/本発明の印刷層、本発明の印刷層/基材からなる2層積層構成;
本発明の印刷層/基材/本発明の印刷層、基材/本発明の印刷層/本発明の印刷層、本発明の印刷層/基材/本発明の印刷層/本発明の印刷層、基材/他の印刷層/本発明の印刷層、本発明の印刷層/基材/他の印刷層/本発明の印刷層等の多層積層構成が挙げられる。
【0091】
なお、本明細書において、ラベルの「表側」とは、ラベルのデザインを見る側(デザインが正しく見える方の面側)を意味し、ラベルの「裏側」とは、前記の「表側」の反対側を意味する。また、ラベルの「外側」とは、ラベルを容器に装着する場合に、容器とは接しない側(容器とは反対側)を意味し、ラベルの「内側」とは、容器と接する側(容器側)を意味する。
【0092】
本発明のラベルがシュリンクラベルである場合に、シュリンクラベルの、主配向方向の、90℃、10秒における熱収縮率(熱収縮率(90℃、10秒))は、特に限定されないが、15%以上(例えば、15〜80%)が好ましく、より好ましくは20〜75%、さらに好ましくは25〜70%である。熱収縮率(90℃、10秒)が15%未満では、シュリンク加工の際に、ラベルを装着する容器等の形状に対する追従性が不十分であり、美麗な仕上がりが得られない場合がある。主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記「主配向方向」とは、主に延伸処理が施された方向(最も熱収縮率が大きい方向)であり、シュリンクラベルが筒状シュリンクラベルの場合には、一般に周方向である。
【0093】
本発明のラベルとしては、特に限定されないが、例えば、ストレッチラベル、シュリンクラベル、ストレッチシュリンクラベル、インモールドラベル、タックラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付ラベル)、感熱接着ラベル等が挙げられる。中でも、本発明の印刷インキより形成される印刷層のシュリンク加工時の追従性の観点から、シュリンクラベルが特に好ましい。上記シュリンクラベルは、筒状ラベル、巻き付けラベル等、特に限定されないが、シュリンク加工に対する優れた追従性の効果を十分に発揮できる観点からは、筒状のシュリンクラベル(筒状シュリンクラベル)が好ましい。
【0094】
上記シュリンクラベルは、一般的に、表側が容器と反対側にくるように配置させ熱収縮させることにより容器に装着し、ラベル付き容器として用いられる。このような容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳容器、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、カップ麺容器などが含まれる。また容器の材質としても、PETなどのプラスチック製、ガラス製、金属製などが含まれる。なお、上記シュリンクラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。
【0095】
(筒状シュリンクラベルの加工方法)
本発明のラベルの中でも、シュリンクラベルの加工方法(筒状シュリンクラベルの加工方法)の例を下記に示す。本発明のラベルは筒状シュリンクラベルに加工してもよい。例えば、シュリンクラベルの主配向方向が周方向となるように円筒状に成形する。具体的には、主配向方向に所定幅を有するシュリンクラベルを、シュリンクラベルの外面(外側)が表側となるように主配向方向の両端を重ね合わせて筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下接着剤等)を内面に塗布し、該接着剤等塗布部を、他方の側縁部の外面に接着し、筒状のシュリンクラベルを得る。なお、上記の接着剤等を塗工する部分及び接着する部分には、印刷層が設けられていないことが好ましい。
【0096】
なお、筒状シュリンクラベルにラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を周方向と直交する方向に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、筒状加工工程の前後など、適宜選択することができる。
【0097】
筒状シュリンクラベルは容器に装着してラベル付き容器とすることができる。例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって、ラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。なお、上記において、シュリンクラベルは、印刷層が内側となるように容器に装着されていることが好ましい。
【実施例】
【0098】
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、表1には、実施例、比較例で用いた印刷インキの配合組成(配合量)及び得られたシュリンクラベルの評価結果を示した。上記の印刷インキの配合組成は、重量基準の配合量(重量部)で示した。
【0099】
実施例1
(印刷インキ)
活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(単官能モノマー)として、アクリロイルモルホリン((株)興人製、商品名「ACMO」:特定モノマー)49重量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亞合成(株)製、商品名「アロニックス M−5700」:特定モノマー)39重量部を用いた。
特定樹脂として、セルロース系樹脂である酢酸プロピオン酸セルロース(イーストマンケミカル製、商品名「CAP−504−0.2」)5重量部を用いた。
活性エネルギー線重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名「DAROCUR TPO」)5重量部を用いた。
界面活性剤として、有機変性(エポキシ変性)ポリシロキサン(信越化学工業(株)製、商品名「X−40−2670」)1重量部を用いた。
滑剤として、酸化ポリエチレン系ワックス(クラリアントジャパン(株)製、商品名「Ceridust 3715」)1重量を用いた。
上記の各成分(活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー、特定樹脂、活性エネルギー線重合開始剤、界面活性剤及び滑剤)を、ホモディスパーを用いて混合して、印刷インキ(100重量部)を作製した。
【0100】
(シュリンクラベル)
上記の印刷インキを、ポリエステル(PET)系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「スペースクリーン S7042」、厚み:45μm、主配向方向(幅方向)の熱収縮率(90℃、10秒):60%)の片面に、卓上フレキソ印刷機(RK Print Coat Instruments Ltd.製、商品名「RK フレキシプルーフ100」)および80L/cmのアニロックスを用いて、工程速度50m/分で全面フレキソ印刷(印刷インキ層(塗布層)厚み:2.5μm)を施した。
続いて、上記の印刷インキを塗工したシュリンクフィルムに、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、商品名「LIGHT HAMMER−10」:H+バルブ)を用いて、ランプ出力144W/cm、工程速度50m/分の条件で1回(1パス)、紫外線照射を行い、印刷インキ層を硬化させて、シュリンクラベル(印刷層厚み:2.5μm)を得た。
【0101】
実施例2、3及び比較例3
表1に示すように、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(単官能モノマー)、特定樹脂の配合量などを変更して、実施例1と同様にして、印刷インキを作製した。また、上記印刷インキを用いて、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作製した。
【0102】
実施例4、5
表1に示すように、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(単官能モノマー)の種類や配合量などを変更して、実施例1と同様にして、印刷インキを作製した。また、上記印刷インキを用いて、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作製した。
【0103】
実施例6、比較例2
表1に示すように、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(単官能モノマー)の配合量などを変更し(比較例2では特定樹脂を用いなかった)、さらに多官能モノマー(多官能アクリレート)を添加して、実施例1と同様にして、印刷インキを作製した。また、上記印刷インキを用いて、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作製した。
【0104】
実施例7、8、11、12及び比較例5
表1に示すように、特定樹脂の種類などを変更して(比較例5では、特定樹脂のかわりに特定樹脂以外のアクリル系樹脂を用いた)、実施例1と同様にして、印刷インキを作製した。また、上記印刷インキを用いて、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作製した。
【0105】
実施例9、10、比較例4
表1に示すように、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(単官能モノマー)、特定樹脂の配合量などを変更して、実施例8と同様にして、印刷インキを作製した。また、上記印刷インキを用いて、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作製した。
【0106】
実施例13
表1に示すように、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(単官能モノマー)の配合量、滑剤の配合量などを変更し、さらに色材(顔料)として、酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−707」)を添加して、実施例1と同様にして、印刷インキを作製した。また、上記印刷インキを用いて、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作製した。
【0107】
比較例1
表1に示すように、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー(単官能モノマー)の配合量などを変更し、特定樹脂を用いずに、実施例1と同様にして、印刷インキを作製した。また、上記印刷インキを用いて、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作製した。
【0108】
なお、実施例、比較例で用いたセルロース系樹脂、アクリル系樹脂(表1に記載)の、ガラス転移温度(Tg)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は下記の通りである。
(セルロース系樹脂)
CAP−504−0.2 : Tg159℃、Mn15000
CAB−381−0.1 : Tg123℃、Mn20000
(アクリル系樹脂)
ダイヤナールBR−52 : Tg105℃、Mw85000
ダイヤナールBR−2389 : Tg 90℃、Mw30000
ダイヤナールBR−117 : Tg 35℃、Mw140000
【0109】
(評価)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの、主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)、表面タック性(タックフリー性)、耐剥離性(テープ剥離試験)、耐もみ性(もみ試験)、耐スクラッチ性(スクラッチ試験)、シュリンク加工に対する追従性(シュリンク追従性)を、以下の方法で評価した。なお、実施例および比較例において、シュリンクラベルの主配向方向は、基材であるシュリンクフィルムの主配向方向である。
【0110】
(1)表面タック性(タックフリー性)
実施例及び比較例で、シュリンクラベルを作製した直後(紫外線照射による硬化処理直後)に、シュリンクラベルの印刷層表面を指で触り、タックの有無により以下の基準で判断した。
タックが全くない(タックフリー) : タックフリー性良好(○)
わずかにタックがある : 使用可能なレベル(△)
強いタックがある : タックフリー性不良(×)
【0111】
(2)耐剥離性(テープ剥離試験)
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600−5−6に準じて、試験を行った。実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの印刷層の表面に、幅18mmの粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り付け、この粘着テープを90度方向に引き剥がした。
粘着テープを貼り付けた印刷層表面のうち、5mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×5mm(幅方向;主配向方向)の領域において、印刷層の剥離面積(割合)を目視で観察し、下記の基準で判断した。
印刷層の剥離がない(印刷層の剥離面積が0%である) : 耐剥離性良好(○)
印刷層の剥離面積が0%より大きく30%未満である : 使用可能なレベル(△)
印刷層の剥離面積が30%以上である : 耐剥離性不良(×)
【0112】
(3)耐もみ性(もみ試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×100mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルの両端を両手でつかみ、10回手でもんだ。印刷層が剥離していないか(印刷層の残存面積(割合))を目視で観察し、以下の基準で評価した。
印刷層の残存面積が90%以上である : 耐もみ性良好(○)
印刷層の残存面積が90%未満である : 耐もみ性不良(×)
【0113】
(4)耐スクラッチ性(スクラッチ試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×100mm(幅方向;主配向方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを平滑なテーブルの上に置き、印刷層を設けた側の表面を、手の爪の甲の部分で、10往復(長手方向20mmの区間)こすった後に表面を観察し、下記の基準で判断した。
印刷層は全く剥離していない。 : 耐スクラッチ性良好(○)
印刷層にわずかに剥離がみられる。 : 耐スクラッチ性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
印刷層が著しく剥離している。 : 耐スクラッチ性不良(×)
【0114】
(5)シュリンク加工に対する追従性(シュリンク追従性)
(測定用サンプル)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、12cm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×12cm(幅方向;主配向方向)の大きさのラベル片を切り出した。上記ラベル片の主配向方向(幅方向)の両端[治具によりチャックされる部分(両端部でそれぞれ10mmずつ)を除き、100mm間隔]を、70mm間隔に固定できる治具に固定した(熱収縮処理前はたるんだ状態である)。上記治具に両端を固定したラベル片を、90℃の温水に20秒間浸漬して熱処理し、ラベル片を熱収縮処理前と比較して70%の長さになるように熱収縮させた(主配向方向(幅方向)に30%熱収縮させた)。このようにして、主配向方向(幅方向)に30%熱収縮させた測定用サンプルを得た。
また、治具を60mm間隔に固定できる治具に変更した以外は上記と同様にして、主配向方向(幅方向)に40%熱収縮させた測定用サンプルを得た。
さらに、治具を50mm間隔に固定できる治具に変更した以外は上記と同様にして、主配向方向(幅方向)に50%熱収縮させた測定用サンプルを得た。
(測定)
上記で作製した、30%熱収縮させた測定用サンプル、40%熱収縮させた測定用サンプル、50%熱収縮させた測定用サンプルの印刷層の白化の有無を、それぞれ目視にて観察し、以下の基準で判断した。
50%熱収縮させた測定用サンプルでも白化がない : 優れたシュリンク追従性(◎)
40%熱収縮させた測定用サンプルでは白化がないが、50%熱収縮させた測定用サンプルでは白化がある : シュリンク追従性良好(○)
30%熱収縮させた測定用サンプルでは白化がないが、40%熱収縮させた測定用サンプルでは白化がある : 使用可能なシュリンク追従性(△)
30%熱収縮させた測定用サンプルでも白化がある : シュリンク追従性不良(×)
なお、実施例13では、「白化の有無」にかえて「割れ、シワの発生の有無」を観察し、上記と同様にして判断した。実施例13のシュリンクラベルは、50%熱収縮させた測定用サンプルでも割れ、シワは発生しなかった(◎)。
【0115】
(6)主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、測定方向(主配向方向)に長さ200mm(標線間隔150mm)、幅10mmの長方形の測定用サンプルを切り出した。
上記測定用サンプルを、90℃の温水中で、10秒熱処理(無荷重下)し、熱処理前後の標線間隔の差を読み取り、以下の計算式で熱収縮率を算出する。
熱収縮率(%) = (L0−L1)/L0×100
0 : 熱処理前の標線間隔
1 : 熱処理後の標線間隔
なお、実施例及び比較例においては、主配向方向はシュリンクラベルの幅方向である。
また、主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、測定方向を主配向方向と直交する方向に変更して、上記と同様に測定することができる。
【0116】
【表1】

【0117】
評価結果からわかるとおり、本発明のラベル用印刷インキより形成された印刷層は、シュリンク加工に対する優れた追従性および表面のタックフリー性を両立しており、さらに、基材との密着性、耐剥離性、耐もみ性、耐スクラッチ性にも優れていた(実施例)。
一方、印刷インキ中に特定樹脂を含まない場合(比較例1)や特定樹脂の含有量が少なすぎる場合(比較例3、4)には、印刷層表面にタックが生じた。また、特定樹脂のかわりにTgの低いアクリル系樹脂を用いた場合(比較例5)にも、印刷層表面にタックが生じた。さらに、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中の多官能モノマーの含有量が20重量%を超える場合(比較例2)には、シュリンク加工に対する追従性が低下した。
なお、実施例および比較例で得られたシュリンクラベルの主配向方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、60%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、並びに、活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーを含有する印刷インキであって、
前記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中の、単官能モノマーの含有量が80重量%以上であり、
印刷インキ中の、前記活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー100重量部に対する、セルロース系樹脂及びガラス転移温度が50℃以上であるアクリル系樹脂の合計含有量が0.5〜20重量部であることを特徴とするラベル用印刷インキ。
【請求項2】
活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーがエチレン性不飽和モノマーである請求項1に記載のラベル用印刷インキ。
【請求項3】
活性エネルギー線ラジカル重合性モノマーとして、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーを含み、
活性エネルギー線ラジカル重合性モノマー中の、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノールEO変性アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートの合計含有量が80重量%以上である請求項1または2に記載のラベル用印刷インキ。
【請求項4】
セルロース系樹脂が、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂である請求項1〜3のいずれかの項に記載のラベル用印刷インキ。
【請求項5】
基材の少なくとも片面側に、請求項1〜4のいずれかの項に記載のラベル用印刷インキを活性エネルギー線照射により硬化させて形成した印刷層を有するラベル。

【公開番号】特開2011−153172(P2011−153172A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14108(P2010−14108)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】