説明

ラベル発行装置およびその制御プログラム

【課題】 何れのプリンタに対してフィード処理を行うべきか意識する必要なく所望のプリンタに対してフィード処理を実行可能とする。
【解決手段】 一実施形態のラベル発行装置は本体に対し引き出し可能な左右に並べられた第1,第2プリンタユニットを備え、各ユニットの本体からの引き出しを検知し、検知された一方の識別情報を記憶手段に記憶する。さらに第1,第2プリンタユニットの識別情報が記憶されているか否かでそれぞれ表示態様が変化する第1,第2エリアを各ユニットの位置関係と同様に左右に並べて表示する表示手段を備え、各ユニットに対する搬送路へのラベルのフィードが指示されるとフィードの実行対象とするユニットを記憶手段に記憶された識別情報に基づいて決定し、当該ユニットの搬送路にラベルをフィードし所定位置にセットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプリンタユニットを備え、これらを選択的に使用してラベルに所定情報を印刷するラベル発行装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベルがそれぞれセットされた複数のプリンタユニットを備え、これらを選択的に切り替えてラベルへの情報の印刷および発行を行うラベル発行装置が知られている。(例えば、特許文献1を参照)
上記ラベル発行装置が備えるプリンタユニットにラベルを補充等したり、本体からプリンタユニットを引き出したりした後ラベルの発行処理を実行する際には、ラベルを予め設定された搬送路上の待機位置にセットする紙送り(フィード)処理が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−20829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ラベル発行装置が備えるプリンタユニットにラベルをセットした後、当該ラベルを搬送路上にフィードする際には、複数のプリンタユニットのそれぞれに割り当てられたフィードキーを操作しなければならない。そのため、オペレータは、ラベルの補充や本体からの引き出しがなされたプリンタユニットを記憶しておき、フィードキーを操作する必要があった。
【0005】
また、フィードキーがタッチパネル式のディスプレイに表示されるラベル発行装置にあっては、フィード処理の対象となるプリンタユニットを選択するために画面を切り替える操作を要する場合があり、処理が煩雑であった。
【0006】
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、オペレータがいずれのプリンタユニットに対してフィード処理を行うべきかを意識する必要がなく所望のプリンタユニットに対するフィード処理を実行可能なラベル発行装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様におけるラベル発行装置は、搬送路に沿って搬送されるラベルに所定の情報を印刷する第1及び第2プリンタユニットと、これら第1及び第2プリンタユニットを左右に並べて引き出し可能に収容する本体と、前記第1及び第2プリンタユニットの前記本体からの引き出しを検知する検知手段と、前記第1及び第2プリンタユニットのうち、前記検知手段により前記本体からの引き出しが検知された一方の識別情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に前記第1プリンタユニットの識別情報が記憶されている場合とそうでない場合とで表示態様が変化する第1エリア、及び、前記記憶手段に前記第2プリンタユニットの識別情報が記憶されている場合とそうでない場合とで表示態様が変化する第2エリアを、前記第1及び第2プリンタユニットの位置関係と同様に左右に並べて表示する表示手段と、前記第1及び第2プリンタユニットに対する前記搬送路へのラベルのフィードを指示する指示手段と、前記第1及び第2プリンタユニットのうち、前記フィードの実行対象とする一方を前記記憶手段に記憶された識別情報に基づいて決定し、前記指示手段による指示を受け付けたことに応じて当該決定した一方の前記搬送路にラベルをフィードし所定位置にセットする実行手段とを具備していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、オペレータがいずれのプリンタユニットに対してフィード処理を行うべきかを意識する必要がなく所望のプリンタユニットに対するフィード処理を実行可能なラベル発行装置およびその制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態におけるラベル発行装置の外観斜視図。
【図2】同実施形態におけるプリンタユニットの印刷機構の模式図。
【図3】同実施形態におけるラベル発行装置の制御回路を示すブロック図。
【図4】同実施形態における表示部に表示される画面の一例を示す図。
【図5】同実施形態においてCPUが実行する処理の流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、本体に2つのプリンタユニットを有するラベル発行装置1に本発明を適用した場合である。
【0011】
図1は、ラベル発行装置1の外観斜視図である。2は本体で、操作部3、表示部4、第1プリンタユニット5、第2プリンタユニット6、重量計測器7、および電源スイッチ8を備えている。操作部3は、ラベル発行装置1を操作するための各種操作キーを備えている。表示部4は、表示画面上にタッチパネルが敷設されたタッチパネル式のディスプレイであり、処理場面に応じて各種の情報を表示するとともにユーザによるタッチ操作を受け付ける。第1プリンタユニット5および第2プリンタユニット6は、内部に印刷機構を備え、印刷結果たるラベルを排出口5a,6aから排出する。また、第1プリンタユニット5および第2プリンタユニット6は、本体2にレール(不図示)を介してスライド式に収納されており、ラベル発行装置1の正面方向に引き出すことができる。重量計測器7は、上面に載置された物品の重量を計測する。電源スイッチ8は、商用交流電源からラベル発行装置1への電源供給のオン/オフを切り替えるスイッチである。
【0012】
上記第1プリンタユニット5および第2プリンタユニット6の印刷機構50について説明する。図2は、第1プリンタユニット5の印刷機構の模式図である。ラベル発行装置1にて使用される印刷媒体53は、連続紙である台紙の上に粘着層を介して等間隔に配置されたラベルを備えてなる。当該印刷媒体53は、巻き芯にロール状に巻回されて第1プリンタユニット5の後部に収納されている。
【0013】
第1プリンタユニット5は、サーマルヘッド51、該ヘッド51に対向配置された正逆回転可能なプラテンローラ52、印刷媒体53が搬送される搬送路54、印刷媒体53を搬送する搬送ローラ55、印刷が完了した印刷媒体53を切り離すカッタ56、該カッタ56に対向配置された剥離板57、印刷媒体53の台紙上のラベルの後端を検知するラベルエンドセンサ58-1、およびラベルへの印刷が完了した印刷媒体53が発行口5aから取り除かれたか否かを検知する剥離センサ59-1等を備えている。
【0014】
サーマルヘッド51は、ライン状に配設された発熱素子を備え、該発熱素子を発熱させてプラテンローラとの対向位置に搬送されたラベルへの印刷を行う。搬送ローラ55は、正逆回転可能な駆動ローラ55aと従動ローラ55bとで構成され、印刷媒体53をサーマルヘッド51とプラテンローラ52との対向位置方向およびその逆方向へ搬送する。ラベルエンドセンサ58-1は、発光器58-1aと受光器58-1bとで構成され、発光器58-1aが発した光を受光器58-1bが受光した際の透過率に基づいて印刷媒体53のラベル部分と台紙のみの部分との境界を検知する。剥離センサ59-1は、発光器59-1aと受光器59-1bとで構成され、発光器59-1aが発した光が受光器59-1bにより受光されるか否かに基づいて、印刷済みの印刷媒体53が発行口5aから取り除かれたかを検知する。
【0015】
第1プリンタユニット5にてラベルの発行を行う際には、事前に印刷媒体53を搬送路54上の印刷待機位置まで搬送するフィード処理を行うことを要する。印刷待機位置は、例えば搬送路54上のラベルエンドセンサ58-1の検知位置から搬送ローラ55で所定ステップ分印刷媒体53を搬送した位置に設定する。
【0016】
なお、第2プリンタユニット6の印刷機構は、第1プリンタユニット5と同様の構成であるので説明を省略する。
【0017】
次に、ラベル発行装置1の制御回路について説明する。図3は、ラベル発行装置1の制御回路の要部構成を示すブロック図である。当該制御回路は、制御の中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)10に対し、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、時計部13、センサコントローラ14、入力コントローラ15、表示コントローラ16、第1プリンタコントローラ17、第2プリンタコントローラ18、および重量計測器コントローラ19などを、アドレスバスやデータバスなどのバスライン20を介して接続して構成される。
【0018】
そして、センサコントローラ14に引出センサ21-1,22-2、上記ラベルエンドセンサ58-1,58-2、ジャムセンサ22-1,22-2、上記剥離センサ59-1,59-2、ヘッドアップセンサ23-1,23-2等のセンサを接続し、入力コントローラ15に操作部3と表示部4のタッチパネルセンサ4aを接続し、表示コントローラ16に表示部4のディスプレイ4bを接続し、第1プリンタコントローラ17に第1プリンタユニット5を接続し、第2プリンタコントローラ18に第2プリンタユニット6を接続し、重量計測器コントローラ19に重量計測器7を接続している。
【0019】
ROM11は、ラベル発行装置1の動作プログラム等の固定的データを記憶する。RAM12は、後述の処理にて使用する記憶手段である保持領域12a等の作業用記憶エリアを形成する。時計部13は、システム時刻を計時する。入力コントローラ15は、操作部3に配設されたフィード指令手段であるフィードキー3aや置数キーが押下された際に出力する信号を検知し、押下された操作キーをCPU10に通知する。表示コントローラ16は、CPU10からの指令に応じてディスプレイ4bに各種情報を表示する。第1プリンタコントローラ17は、CPU10からの指令に応じて第1プリンタユニット5を制御し、ラベルの印刷面に所定の情報を印刷して発行する。第2プリンタコントローラ18は、CPU10からの指令に応じて第2プリンタユニット6を制御し、ラベルの印刷面に所定の情報を印刷して発行する。
【0020】
センサコントローラ14に接続された各センサは、第1プリンタユニット5あるいは第2プリンタユニット6に関する所定の事象の発生を検知し、センサコントローラ14に検知結果を出力する。センサコントローラ14は、各センサからの出力に基づいてエラー発生の有無等を判断するとともに、その結果をCPU10に通知する。
【0021】
引出センサ21-1は、第1プリンタユニット5が本体2から引き出された際に信号を出力し、引出センサ21-2は、第2プリンタユニット6が本体2から引き出された際に信号を出力する。この信号を受けたセンサコントローラ14は、第1プリンタユニット5または第2プリンタユニット6の本体2からの引き出しをCPU10に通知する。
【0022】
ラベルエンドセンサ58-1,58-2は、既述の如く、ラベルの後端を検知した際に信号を出力する。センサコントローラ14は、印刷媒体53が相当距離搬送されてもこの信号を受けない場合には、用紙切れが発生したと判断し、第1プリンタユニット5または第2プリンタユニット6の用紙切れエラーをCPU10に通知する。
【0023】
剥離センサ59-1は、既述の如く、発行口5a近傍の検知位置で印刷媒体53を検知した場合に信号を出力し、剥離センサ59-2は、発行口6a近傍の検知位置で印刷媒体53を検知した場合に信号を出力する。センサコントローラ14は、この信号を所定時間以上受けた場合、印刷媒体53の取り忘れが発生したとして、第1プリンタユニット5または第2プリンタユニット6のラベル取り忘れエラーをCPU10に通知する。
【0024】
ジャムセンサ22-1は、第1プリンタユニット5にジャムが発生した場合に信号を出力し、ジャムセンサ22-2は、第2プリンタユニット6にジャムが発生した場合に信号を出力する。この信号を受けたセンサコントローラ14は、第1プリンタユニット5または第2プリンタユニット6のジャムエラーをCPU10に通知する。
【0025】
ヘッドアップセンサ23-1は、第1プリンタユニットが備えるサーマルヘッド51がプラテンローラ52から離設した場合に信号を出力し、ヘッドアップセンサ23-2は、第2プリンタユニットが備えるサーマルヘッドがプラテンローラから離設した場合に信号を出力する。この信号を受けたセンサコントローラ14は、第1プリンタユニット5または第2プリンタユニット6のヘッドアップをCPU10に通知する。
【0026】
その他、センサコントローラ14に接続された種々のセンサの出力に基づいてエラー等の所定の事象が発生したと判断した場合には、その旨をCPU10に通知する。なお、センサコントローラ14およびセンサコントローラ14に接続される各センサは、検知手段を構成する。
【0027】
図4は、表示部4に表示される画面の一例を示す図である。当該画面60には、各種作業に必要な情報表示のほか、フィードキー3aが操作された際にフィード処理の対象となるプリンタユニットの表示欄61が設けられている。表示手段である表示欄61には、第1プリンタユニット5がフィード処理の対象となっている場合にアクティブに表示されるエリア62と、第2プリンタユニット6がフィード処理の対象になっている場合にアクティブに表示されるエリア63とが設けられている。画面60の例においては、エリア63がアクティブに表示され、エリア62がグレイ表示(図4中では斜線を付している)されている。かかる状態でフィードキー3aが操作された場合には、第2プリンタユニット6のフィード処理が行われる。
【0028】
フィード処理の対象となるプリンタユニットは、RAM12に形成された保持領域12aにセットされた各プリンタユニットを識別する識別情報に基づいて決定される。本実施形態では、保持領域12aに“0”がセットされている場合には、第1プリンタユニット5がフィード処理の対象であるとする。一方、“1”がセットされている場合には、第2プリンタユニット6がフィード処理の対象であるとする。なお、保持領域12aにセットされる値は、画面60のタッチ操作や、操作部3の操作、あるいはエラー発生時等に実行される後述の処理により変更可能である。
【0029】
次に、ラベル発行装置1の動作について説明する。
CPU10は、ラベルの発行処理等の周知な処理に加え、センサコントローラ14からエラーの通知を受けたときには図5のフローチャートに示した処理を実行する。この処理は、ROM11に記憶された動作プログラムに基づいて実行される。
【0030】
先ず、CPU10は、センサコントローラ14からの出力に基づいて第1プリンタユニット5あるいは第2プリンタユニット6のどちらかに関するエラー等が発生したかを判定する(ST1)。
【0031】
第1プリンタユニット5に関するエラー等であると判定した場合には(ST1のYes)、RAM12に形成した保持領域12aに“0”をセットする(ST2)。一方、第1プリンタユニット6に関するエラー等でないと判定した場合、換言すれば第2プリンタユニット6に関するエラー等であると判定した場合には(ST1のNo)、保持領域12aに“1”をセットする(ST3)。
【0032】
保持領域12aに“0”または“1”をセットした後、CPU10は、操作部3またはタッチパネルセンサ4aが操作されたか否かを判断する(ST4)。この処理は、操作部3またはタッチパネルセンサ4aが操作されるまで継続される(ST4のNo)。操作部3またはタッチパネルセンサ4aが操作されたと判断したときには(ST4のYes)、操作されたキーがフィードキー3aであるか否かを判断する(ST5)。このとき操作されたキーがフィードキー3aでないと判断したときには(ST5のNo)、当該操作されたキーに応じた処理を実行する(ST6)。
【0033】
一方、操作されたキーがフィードキー3aであると判断したときには(ST5のYes)、保持領域12aに“1”がセットされているか否かを判断する(ST7)。保持領域12aに“0”がセットされている場合には(ST7のYes)、第1プリンタコントローラ17にフィード処理を指令する(ST8)。この指令を受けた第1プリンタコントローラ17は、第1プリンタユニット5の搬送ローラ55を駆動して印刷媒体53を搬送路54に沿って搬送し、次回の印刷対象であるラベルの先端が搬送路54上に設定された印刷待機位置に位置決めされるようにセットする。
【0034】
一方、保持領域12aに“0”がセットされていない場合、換言すれば“1”がセットされている場合には(ST7のNo)、第2プリンタコントローラ18にフィード処理を指令する(ST9)。この指令を受けた第2プリンタコントローラ18は、第2プリンタユニット6の搬送ローラを駆動して印刷媒体53を搬送路に沿って搬送し、次回の印刷対象であるラベルの先端が搬送路上に設定された印刷待機位置に位置決めされるようにセットする。
【0035】
かくして第1プリンタユニット5あるいは第2プリンタユニット6のフィード処理が実行された後、CPU10は、図5のフローチャートに示した処理を終了する。なお、上記ST8およびST9の処理は、フィード実行手段を構成する。
【0036】
以上説明したように、ラベル発行装置1は、エラーやプリンタユニットの本体2からの引き出し等の所定の事象の発生を検知した場合、当該事象が発生したプリンタユニットの識別情報を保持領域12aに記憶する。そして、フィード処理が指示された際には、保持領域12aを参照して自動的に第1プリンタユニット5または第2プリンタユニット6のいずれを処理対象とすべきかを特定してフィード処理を行う。このように構成したことで、オペレータは、操作部3等を操作してフィード処理の対象とすべきプリンタユニットを指定する必要がなく、操作が非常に簡便になる。
【0037】
また、画面60に示したように、第1プリンタユニット5または第2プリンタユニット6のいずれがフィード処理の対象となっているのかを表示部4に表示するので、フィード処理が実行されるプリンタユニットを目視にて適確に把握することができる。これにより、例えば第1プリンタユニット5および第2プリンタユニット6の双方に用紙切れが発生し、印刷媒体53をいずれか一方にのみ補充したときなどであっても、印刷媒体53を補充したプリンタユニットと現在のフィード処理対象であるプリンタユニットとが相違している場合には、表示部4のタッチ操作あるいは操作部3の操作により当該相違を正すことができる。
【0038】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲内にて各構成要素を適宜変形して具体化することができる。
【0039】
例えば、センサコントローラ14に接続されるセンサは、上記のものに限定されず、他のセンサやスイッチ等を接続してもよい。この場合であっても、センサコントローラ14によりセンサやスイッチからの出力に基づいてエラーを判定し、CPU10に通知するようにすることで、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0040】
また、上記実施形態では、サーマルプリンタであるプリンタユニットを備えたラベル発行装置1に本発明を適用した場合について説明したが、インクジェットプリンタや、レーザプリンタをプリンタユニットとして備えたラベル発行装置に対しても本発明を適用できることはいうまでもない。
【0041】
また、ラベル発行装置1が備えるプリンタユニットの数は2つに限定されず、より複数であってもよい。この場合であっても、エラーが発生した各プリンタユニットを判別できる識別情報を保持領域12aに記憶し、フィードキー3aが操作された際に保持領域12aに記憶された情報で特定されるプリンタユニットに対してフィード処理を行うようにすれば、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0042】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全体構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0043】
本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を、以下に付記する。
【0044】
[1]搬送路に沿って搬送されるラベルに所定の情報を印刷する複数のプリンタユニットを備え、前記複数のプリンタユニットを切り替えてラベルの発行に使用するラベル発行装置において、前記プリンタユニットに関する所定の事象の発生を検知する検知手段と、この検知手段により前記所定の事象の発生が検知された前記プリンタユニットの識別情報を記憶する記憶手段と、前記プリンタユニットに対する前記搬送路へのラベルのフィードを指示するフィード指示手段と、このフィード指示手段による指示を受けたことに応じて前記記憶手段に記憶された識別情報にて特定される前記プリンタユニットの前記搬送路にラベルをフィードし所定位置にセットするフィード実行手段と、を具備していることを特徴とするラベル発行装置。
【0045】
[2]前記検知手段は、前記プリンタユニットに関する事象として、前記プリンタユニットに関するエラーの発生を検知することを特徴とする上記[1]に記載のラベル発行装置。
【0046】
[3]前記検知手段は、前記プリンタユニットに関する事象として、前記プリンタユニットの当該ラベル発行装置の本体からの引き出しを検知することを特徴とする上記[1]に記載のラベル発行装置。
【0047】
[4]前記記憶手段に記憶された情報から特定される前記プリンタユニットを識別可能に表示する表示手段をさらに具備していることを特徴とする上記[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載のラベル発行装置。
【0048】
[5]搬送路に沿って搬送されるラベルに所定の情報を印刷する複数のプリンタユニットを備え、前記複数のプリンタユニットを切り替えてラベルの発行に使用するラベル発行装置の制御プログラムであって、前記プリンタユニットに、前記プリンタユニットに関する所定の事象の発生を検知する検知機能と、この検知機能により前記所定の事象の発生が検知された前記プリンタユニットの識別情報を記憶する記憶機能と、前記プリンタユニットに対する前記搬送路へのラベルのフィードを指示するフィード指示機能と、このフィード指示機能による指示を受けたことに応じて前記記憶機能により記憶された識別情報にて特定される前記プリンタユニットの前記搬送路にラベルをフィードし所定位置にセットするフィード実行機能と、を実現させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0049】
1…ラベル発行装置、2…本体、3…操作部、3a…フィードキー、5,6…プリンタユニット、10…CPU、12a…保持領域、14…センサコントローラ、50…印刷機構、60…画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って搬送されるラベルに所定の情報を印刷する第1及び第2プリンタユニットと、
これら第1及び第2プリンタユニットを左右に並べて引き出し可能に収容する本体と、
前記第1及び第2プリンタユニットの前記本体からの引き出しを検知する検知手段と、
前記第1及び第2プリンタユニットのうち、前記検知手段により前記本体からの引き出しが検知された一方の識別情報を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に前記第1プリンタユニットの識別情報が記憶されている場合とそうでない場合とで表示態様が変化する第1エリア、及び、前記記憶手段に前記第2プリンタユニットの識別情報が記憶されている場合とそうでない場合とで表示態様が変化する第2エリアを、前記第1及び第2プリンタユニットの位置関係と同様に左右に並べて表示する表示手段と、
前記第1及び第2プリンタユニットに対する前記搬送路へのラベルのフィードを指示する指示手段と、
前記第1及び第2プリンタユニットのうち、前記フィードの実行対象とする一方を前記記憶手段に記憶された識別情報に基づいて決定し、前記指示手段による指示を受け付けたことに応じて当該決定した一方の前記搬送路にラベルをフィードし所定位置にセットする実行手段と、
を具備していることを特徴とするラベル発行装置。
【請求項2】
ユーザの操作を受け付けて前記記憶手段に記憶された識別情報を他のプリンタユニットの識別情報に変更する変更手段をさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記表示手段は、表示画面上に敷設されたタッチパネルを有し、
前記変更手段は、前記表示手段の表示画面へのタッチ操作に基づき、前記記憶手段に記憶された識別情報を他のプリンタユニットの識別情報に変更することを特徴とする請求項2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
搬送路に沿って搬送されるラベルに所定の情報を印刷する第1及び第2プリンタユニットと、これら第1及び第2プリンタユニットを左右に並べて引き出し可能に収容する本体とを備えたラベル発行装置の制御プログラムであって、
前記ラベル発行装置に、
前記第1及び第2プリンタユニットの前記本体からの引き出しを検知する検知機能と、
前記第1及び第2プリンタユニットのうち、前記検知機能により前記本体からの引き出しが検知された一方の識別情報を記憶する記憶機能と、
この記憶機能により前記第1プリンタユニットの識別情報が記憶されている場合とそうでない場合とで表示態様が変化する第1エリア、及び、前記記憶機能により前記第2プリンタユニットの識別情報が記憶されている場合とそうでない場合とで表示態様が変化する第2エリアを、前記第1及び第2プリンタユニットの位置関係と同様に左右に並べて所定の表示手段に表示させる表示機能と、
前記第1及び第2プリンタユニットに対する前記搬送路へのラベルのフィードを指示する指示機能と、
前記第1及び第2プリンタユニットのうち、前記フィードの実行対象とする一方を前記記憶機能により記憶された識別情報に基づいて決定し、前記指示機能による指示を受け付けたことに応じて当該決定した一方の前記搬送路にラベルをフィードし所定位置にセットする実行機能と、
を実現させるための制御プログラム。
【請求項5】
前記ラベル発行装置に、
所定の操作手段によりユーザの操作を受け付けて前記記憶機能により記憶された識別情報を他のプリンタユニットの識別情報に変更する変更機能、
をさらに実現させるための請求項4に記載された制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−230510(P2011−230510A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134048(P2011−134048)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【分割の表示】特願2009−28730(P2009−28730)の分割
【原出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】