説明

ラベル発行装置

【課題】特売時における特別な作業を不要とし、顧客に対して特売価格、時間などを明確に提示可能とする。
【解決手段】CPU20は、操作者の入力に応じて、特定の商品に対して、特売時間と特価情報とを、RAM30に記憶されている特売ファイルに設定する。CPU20は、商品にラベルを発行する際、上記特売ファイルに該当商品が設定されている場合、ラベル上に特売時間と特価情報とを目視可能に並べて印字するとともに、機械読み可能なGS1バーコード形式で印字する。また、CPU20は、特売時間と特価情報とが複数設定された商品の場合には、複数の特売時間と特価情報とを、ラベル上に印字と記録を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル発行装置に係り、特に、スーパーマーケットなどの小売店のバックヤードなどにおいて使用されるラベル発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどの店舗においては、商品に対して、予めバックヤードなどにおいて各商品の価格を、目視可能に印字するとともに、機械読み取り可能なバーコードで記録したラベルを発行し、商品に貼付して陳列棚に陳列して販売している。顧客が購入したい商品をレジ等に持っていくと、レジにおいて店員がラベルをバーコード読み取り機に読み取らせることで精算するようになっている。
【0003】
ところで、商品、特に、生鮮食品には、賞味期限や、消費期限などがあり、売れ残った場合には、廃棄するなどしなければならず、無駄(売り上げ減)になる。このため、賞味期限や、消費期限内に売り切る必要がある。そこで、上述した店舗においては、賞味期限や、消費期限が迫ってきた商品を、その日のうちに売り切るために値引きして販売することがある。
【0004】
従来、このような値引きを行う場合、陳列されている商品に対して、値引き後の新たな価格を記録したラベルを再発行するラベル発行装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。店舗では、ラベル発行装置により、値引き後の新たな価格を記録したラベルを再発行し、値引きしようとする商品に既に貼られているラベルの上から再発行したラベルを貼るという作業を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−48143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、ラベルの発行自体は簡易化されるが、陳列されている商品に対して、1つずつ値引き対象商品であるかを確認しながら、ラベルを貼る作業が必要になってしまい、作業負荷が大きいという問題があった。更に、顧客に対してどの商品がどれ程の特価であるかを明確に示すことも必要であるが、上記の作業をなくしてしまうと、この点が欠けてしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、特売時におけるラベル発行と貼付作業とを不要にすることができ、さらに、顧客に対してどの商品がどれ程の特価であるかを明確に示すことができるラベル発行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために、本発明の一態様であるラベル発行装置は、生鮮食品等の商品に貼付されるラベルに商品名、価格等を印字するとともに、機械読み可能に価格を記録するラベル発行装置において、特定の商品に対して、特売時間と特価情報とを設定する設定手段と、前記設定手段により特売時間と特価情報とが設定された商品の場合には、前記ラベル上に前記特売時間と前記特価情報とを目視可能に並べて印字するとともに、機械読み可能に記録する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記設定手段により特売時間と特価情報とが複数設定された商品の場合には、前記複数の特売時間と特価情報とを、前記ラベル上に印字と記録を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記特売時間と前記特価情報とを、GS1バーコード形式で前記ラベル上に印字することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、賞味期限のある商品であると判断した商品に対して、前記ラベル上に前記特価情報の印字と記録を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、初回発行時のラベルに通常の価格に加えて、特売時間と特価情報とを目視可能に並べて印字するとともに、機械読み取り可能に記録するため、特売時にラベル発行と貼付作業とを不要にすることができ、さらに、顧客に対してどの商品がどれ程の特価であるかを明確に示すことも作業を追加することなく実現することができる。
【0013】
また、本発明によれば、さらに、特売を複数設定し、徐々に安くなることが分かる情報がラベルに表記されていることで、販売最終まで待つ顧客を減らすことができる。
【0014】
また、本発明によれば、特売時間と特価情報とのラベルへの記録を、普及、あるいは普及しつつあるGS1バーコード形式で印字することで、商品登録装置への対応を容易にできる。
【0015】
また、本発明によれば、見切り値引きを対象外商品に実施することを自動的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態におけるラベルプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態におけるラベルプリンタの制御部の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態において、RAMが記憶する商品ファイルのデータ構造を示した図である。
【図4】本実施形態において、RAMが記憶する特売ファイルのデータ構造を示した図である。
【図5】本実施形態におけるラベルプリンタによるラベルの印字例を示す図である。
【図6】バーコードデータの説明図である。
【図7】本実施形態におけるラベルプリンタが動作する手順を示したフローチャートである。
【図8】本実施形態において、RAMが記憶する見切りファイルのデータ構造を示した図である。
【図9】本実施形態におけるラベルプリンタが動作する手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
A.第1実施形態
図1は、本第1実施形態のラベルプリンタの外観構成を示す斜視図である。図示する例では、ラベルプリンタは、本体1と、はかり2と、イメージスキャナ14とを備える。本体1は、ラベルプリンタの本体である。はかり2は、商品の重量を計測する。イメージスキャナ14は、画像データを読み取る。
【0018】
本体1は、前面に、第1,第2の2つのラベル印字機構部3,4(制御手段)と、操作部5とを備える。ラベル印字機構部3,4は、ラベルの印字を行い、印字したラベルを排出する。第2の印字機構部は、本体1から取り外し可能となっている。印字機構部3,4は、ドット印字を行うサーマルヘッドと、1ドットライン分のデータを蓄積し、サーマルヘッドに供給するシフトレジスタと、ラベルを1ドットラインずつ移動させるステッピングモータとを有しており、任意の文字、数字、および画像を印字する。
【0019】
操作部5(設定手段)は、キー操作部7と、操作表示部9とを備える。キー操作部はテンキーと印字キーとを備える。テンキーは数字の入力を受け付ける。印字キーは印字指示の入力を受け付ける。操作表示部9は、液晶表示器9bの上面にタッチパネル9aが積層された形となっており、同一面でデータの表示と入力とができるようになっている。
【0020】
液晶表示器9bは、480×200ドットのドット表示により、各種データの表示を行う。タッチパネル9aは、透明のパネルであり、液晶表示器9bの上面に設けられている。タッチパネル9aは、操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。
【0021】
操作部5は、角度調整用の蛇腹6によって本体1に取り付けられており、操作者は操作部5の角度を調整することができる。
【0022】
図2は、ラベルプリンタの制御部の電気的構成を示すブロック図である。制御部100は、CPU20(Central Processing Unit、中央演算処理装置)と、ロードセル制御部21と、印字制御部22と、スキャナ制御部23と、操作制御部24と、表示制御部25と、RAM30(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)と、ROM40(Read Only Memory、リードオンリーメモリ)とを備える。CPU20は、バスを介して制御部100が備える各部と互いにデータの入出力が可能な状態で接続している。
【0023】
CPU20(制御手段)は、ROM40が記憶する制御プログラムとRAM30が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。また、CPU20は、必要な情報をRAM30に記憶させる。ロードセル制御部21は、はかり2が備えるロードセル2aの制御を行う。印字制御部22は、第1印字機構部3と、第2印字機構部4の制御を行う。スキャナ制御部23は、イメージスキャナ14の制御を行う。操作制御部24は、キー操作部7と、タッチパネル9aの制御を行う。表示制御部25は、液晶表示器9bの制御を行う。RAM30は、CPU20が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。また、RAM30は、商品ファイルと、特売ファイルとを記憶する。ROM40は制御プログラムを記憶する。
【0024】
図3は、RAM30が記憶する商品ファイルのデータ構造を示した図である。商品ファイルは、商品番号と、品名と、価格と、賞味期限(日)とのデータ項目を有する。商品番号は、商品の種類を一意に特定する番号である。品名は商品の名称である。価格は、商品1単位あたりの単価である。賞味期限(日)は、生産してから賞味できる日数である。
【0025】
図示する例では、商品番号「1001」の品名は「本マグロ刺身」であり、単価は「1300(円)」、賞味期限は「1(日)」である。また、商品番号「2002」の品名は「ポテトフライ」であり、単価は「200(円)」、賞味期限は「4(日)」である。なお、商品ファイルは、取り扱う商品の種類に応じて記憶する情報量が多くなる。また、図示せぬデータ項目を含んでいても良い。
【0026】
図4は、RAM30が記憶する特売ファイルのデータ構造を示した図である。特売ファイルは、開始日時と、終了日時と、商品番号と、特売価格と、種別とのデータ項目を有する。開始日時は、特売を開始する日時である。終了日時は、特売を終了する日時である。商品番号は、商品の種類を一意に特定する番号である。特売価格は、該当商品に対する特売価格である。種別は、特売種別を示す。
【0027】
図示する例では、商品番号「1001」の商品は、開始日時「7月15日、17:00」から終了日時「7月15日、19:00」までが特売期間であり、特売価格「1200(円)」で特売されることを示している。また、商品番号「1001」の商品は、開始日時「7月15日、19:00」から終了日時「7月15日、20:00」までが特売期間であり、特売価格「900(円)」で特売されることを示している。つまり、該商品は、2段階で特売されることになる。また、商品番号「2002」の商品は、種別「毎日」、開始日時「13:00」から終了日時「14:00」までが特売期間であり、特売価格「150(円)」で特売されることを示している。なお、終了日時が過ぎた特売データに関しては消去される。
【0028】
図5(a)、(b)は、ラベルプリンタによるラベルの印字例を示す図である。ラベルには、商品名、賞味期限、特売情報(特売時間、特価情報)、通常価格、店舗名、及びそれら情報を機械読み取り可能なバーコードなどが表記されている。図5(a)は、特売情報が目視可能に開始日時とその際の特売価格とを対にして並べて複数組印字している。また、バーコードは、GS1形式で2段で印字している。図示する例では、店舗が20:00で閉店するものとしたので、19:00からは大幅に値引きして1時間で売り切ってしまうことを予定したものである。また、17:00からは若干安くすることで、顧客に19:00まで待たなくても多少の納得感(お買い得感)を与え、店の売り上げの減少を軽減することを意図した例である。
【0029】
図5(b)は、特売の目的を売れ残りを減らすのではなく、比較的に店が空いている時間帯に来店客を増やして、夕方の混雑を緩和することを目的とした例である。毎日、このように陳列商品に表記することで、その特売時間に来店客を増やすことができる。
【0030】
図6は、バーコードデータの説明図である。図示するバーコードデータは、図5(a)に示すラベルに印字されたバーコードに対応する。該バーコードは、GS1データバー形式であり、桁位置は左から「1」としたものである。第1桁、第2桁のA1コードは、次のデータの種類を表すデータである。他のA1コードについても同様である。
【0031】
第3桁から第15桁は、GTINという商品識別データを意味し、JANコードでもあり、しかも、NONPLUであって、第11桁から第14桁は、商品ファイルに設定されている「価格(通常価格)」に相当する価格である。
【0032】
第18桁から第23桁は、特売ファイルの第1行目に設定されている特売の「開始日時」に相当する第1開始日時である。第26桁から第29桁は、特売ファイルの第1行目に設定されている「特売価格」に相当する第1特価情報である。第32桁から第37桁は、特売ファイルの第2行目に設定されている特売の「開始日時」に相当する第2開始日時である。第26桁から第29桁は、特売ファイルの第2行目に設定されている「特売価格」に相当する第2特価情報である。
【0033】
図示しないPOS端末は、このバーコードを読み取り、現在日時が特売開始日時に該当しなければ、第11桁から第14桁に示される価格で商品登録を行い、現在日時が特売開始日時に該当すれば、その中で最も近い日時に対応する特売を選択して商品登録を行う。
【0034】
次に、本第1実施形態によるラベルプリンタ1の動作について説明する。図7は、本第1実施形態によるラベルプリンタ1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0035】
(ステップS10)操作者は、キー操作部7またはタッチパネル9aから商品番号を入力する。CPU20は、操作制御部24を介して、キー操作部7またはタッチパネル9aが商品番号の入力を受け付けたか否かを判定する。
【0036】
(ステップS11)CPU20は、キー操作部7またはタッチパネル9aが商品番号の入力を受け付けたと判断すると、入力された商品番号でRAM30が記憶する商品ファイルを検索し、該当する商品データ(品名、価格、賞味期限)を読み出す。
【0037】
(ステップS12)CPU20は、入力された商品番号がRAM30が記憶する特売ファイルに設定されているか否かを判定する。そして、該当商品番号が特売ファイルに特売に設定されている場合には、ステップS13に進み、該当商品番号が特売に設定されていない場合には、ステップS15に進む。
【0038】
(ステップS13)CPU20は、RAM30が記憶する特売ファイルから、入力された商品番号で特定される特売データ(開始日時、終了日時、特売価格、種別)を読み出す。
【0039】
(ステップS14)CPU20は、読み出した商品データと特売データとから、図5(a)または同図(b)に示すようなラベルを印字、発行する。そして、1商品分のラベル発行を終了する。
【0040】
(ステップS15)CPU20は、商品データのみに基づいて、通常の(特売データのない)ラベルを印字、発行する。そして、1商品分のラベル発行を終了する。
【0041】
上述した第1実施形態によれば、操作者が指定した商品に特売データが登録されていれば、通常の価格情報に加えて、特売の開始、終了日時、特売価格などを目視可能に印字するとともに、機械読み取り可能なGS1バーコードを印字して発行するので、特売時におけるラベル発行と貼付作業とを不要にすることができ、さらに、顧客に対してどの商品がどれ程の特価であるかを明確に示すことも作業を追加することなく実現することができる。
【0042】
また、本第1実施形態によれば、特売を複数設定し、徐々に安くなることが分かる情報がラベルに表記されていることで、販売最終まで待つ顧客を減らすことができる。
【0043】
また、本第1実施形態によれば、特売時間と特価情報とのラベルへの記録を、普及、あるいは普及しつつあるGS1バーコード形式で印字することで、商品登録装置への対応を容易にできる。
【0044】
また、本第1実施形態によれば、見切り値引きを対象外商品に実施することを自動的に防ぐことができる。
【0045】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、ラベルプリンタ1の外観、構成は、上述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0046】
本第2実施形態では、閉店前時間に応じて商品の通常価格に対する割引率を変えることにより、見切り販売(閉店までに確実に売ってしまう販売)をより確実に実現することを特徴としている。そのため、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の特売ファイルの代わりに、閉店前時間と商品の通常価格に対する割引率とを設定した見切りファイルを用いる。該見切りファイルは、RAM30に記憶される。
【0047】
図8は、RAM30が記憶する見切りファイルのデータ構造を示した図である。見切りファイルは、閉店前時間と、割引率とを有する。閉店前時間は、店舗の閉店時刻までの残り時間(H)を示し、割引率は、その残り時間帯での通常価格に対する割引率(%)を示す。図示する例では、閉店前時間が1時間、すなわち閉店まであと1時間ある場合には割引率を40%とし、閉店前時間が2時間、すなわち閉店まであと2時間ある場合には割引率を20%とし、閉店前時間が3時間、すなわち閉店まであと2時間ある場合には割引率を10%とすることを示している。すなわち、閉店時刻に迫るほど、割引率を上げることにより、見切り販売(閉店までに確実に売ってしまう販売)をより確実に、かつ自動的に、かつ容易に実現することができる。
【0048】
次に、本第2実施形態におけるラベルプリンタ1の動作について説明する。
図9は、本第2実施形態におけるラベルプリンタ1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
(ステップS20)操作者は、キー操作部7またはタッチパネル9aから見切りデータ(閉店前時間、割引率)を見切りファイルに設定する。
【0050】
(ステップS21)操作者は、キー操作部7またはタッチパネル9aから商品番号を入力する。CPU20は、操作制御部24を介して、キー操作部7またはタッチパネル9aが商品番号の入力を受け付けたか否かを判定する。
【0051】
(ステップS22)CPU20は、キー操作部7またはタッチパネル9aが商品番号の入力を受け付けたと判断すると、入力された商品番号でRAM30が記憶する商品ファイルを検索し、該当する商品データ(品名、価格、賞味期限)を読み出す。
【0052】
(ステップS23)CPU20は、読み出した商品データに賞味期限を有する商品であることが分かる賞味期間に有効データがあるか否かを判定する。そして、賞味期間に有効データがある場合には、ステップS24に進み、賞味期間に有効データがない場合には、ステップS25に進む。
【0053】
(ステップS24)CPU20は、RAM30が記憶する見切りファイルと商品データの価格とから、閉店前時間毎の特売価格を算出するとともに、閉店前時間毎に閉店時刻から閉店前時刻を算出する。そして、第1実施形態と同様に、CPU20は、読み出した商品データ、閉店前時刻毎の特売価格とから、図5(a)または同図(b)に示すようなラベルを印字、発行する。
【0054】
(ステップS25)CPU20は、商品データのみに基づいて、通常の(特売データのない)ラベルを印字、発行する。
【0055】
(ステップS26)CPU20は、操作者が見切りモードを終了させる操作を行ったか否かを判断する。そして、見切りモードを終了させる操作を行っていない場合には、ステップS21に戻り、次の商品番号に対して上述した動作を繰り返す。一方、操作者が見切りモードを終了させる操作を行った場合には、見切りモードによるラベル発行を終了する。
【0056】
上述した第2実施形態によれば、閉店前時間に応じて商品の通常価格に対する割引率を変え、徐々に安くなることが分かる情報をラベルに表記するようにしたので、より確実に見切り販売(閉店までに確実に売ってしまう販売)することができる。
【0057】
なお、本発明の一実施形態において、商品を搬送するコンベアとラベル自動貼付装置とを備え、コンベアで搬送される商品に貼付されたラベルに印字されたバーコードを読み取り、現在時刻と算出した閉店前時刻とに基づいて、商品に対する見切りラベルの貼付作業を自動的に行うようにしてもよい。これにより、さらに作業性を向上させることができる。
【0058】
また、機械読み取り可能な記録は、GS1データバーに代えて、JANコード128や、3Dコードなどでもよい。あるいは、ラベルにRFIDを埋め込み、該RFIDに記憶させてもよい。
【0059】
また、特価情報の印字、記録は、値引き額や、割引きデータでもよい。
【0060】
また、上述した第2実施形態による見切りデータを含むラベルも、ある時間帯に特別な価格になることを印字する点で特売情報を含むと言える。また、特売情報の印字、記録は、ラベルに対して、1段、または2段に限らず、4段、あるいは5段であってもよい。また、特売時間は、日時に限らず、月日や時刻であってもよい。
【0061】
また、第2実施形態では、見切りデータ(閉店前時間と割引率)を予め設定しておき、必要時に呼び出して見切りファイルに設定するようにしもよい。
【0062】
また、第2実施形態では、見切りデータの閉店前時間に代えて、特売の開始時刻を設定するようにしてもよい。この場合は、閉店時間の変更に影響されなくてよい。
【0063】
また、本発明の一実施形態によるラベルプリンタ1の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の一実施形態によるラベルプリンタ1の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0064】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0065】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・本体、2・・・はかり、2a・・・ロードセル、3・・・第1のラベル印字機構部、4・・・第2のラベル印字機構部、5・・・操作部、6・・・蛇腹、7・・・キー操作部、9・・・操作表示部、9a・・・タッチパネル、9b・・・液晶表示器、14・・・イメージスキャナ、20・・・CPU、21・・・ロードセル制御部、22・・・印字制御部、23・・・スキャナ制御部、24・・・操作制御部、25・・・表示制御部、30・・・RAM、40・・・ROM、100・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生鮮食品等の商品に貼付されるラベルに商品名、価格等を印字するとともに、機械読み可能に価格を記録するラベル発行装置において、
特定の商品に対して、特売時間と特価情報とを設定する設定手段と、
前記設定手段により特売時間と特価情報とが設定された商品の場合には、前記ラベル上に前記特売時間と前記特価情報とを目視可能に並べて印字するとともに、機械読み可能に記録する制御手段と
を備えたことを特徴とするラベル発行装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記設定手段により特売時間と特価情報とが複数設定された商品の場合には、前記複数の特売時間と特価情報とを、前記ラベル上に印字と記録を行うことを特徴とする請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記特売時間と前記特価情報とを、GS1バーコード形式で前記ラベル上に印字することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
賞味期限のある商品であると判断した商品に対して、前記ラベル上に前記特価情報の印字と記録を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかの請求項に記載のラベル発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−42122(P2011−42122A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192386(P2009−192386)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】