ラベル移送貼着装置
【課題】
既存のラベルプリンターに取付け自在で、該ラベルプリンターにて印字され１枚毎に分離されたラベルを貼着位置まで移送し、被貼着物にラベルを貼付けるラベル移送貼着装置を提供する。
【解決手段】
印字され１枚毎に分離されたラベルＡを繰出すラベルプリンター１のラベル排出部３に近接して設置された圧着ローラ５と、該圧着ローラ５に一方が摺接する周面に複数の溝を刻設した一対の移送ローラ６、９と、該移送ローラ６、９の複数の溝１０に嵌入し襷がけ状に掛け渡された複数の無端のゴムベルト１１と、夫々の移送ローラ６、９を別々に駆動する駆動モータ８、１４とを備える。
既存のラベルプリンターに取付け自在で、該ラベルプリンターにて印字され１枚毎に分離されたラベルを貼着位置まで移送し、被貼着物にラベルを貼付けるラベル移送貼着装置を提供する。
【解決手段】
印字され１枚毎に分離されたラベルＡを繰出すラベルプリンター１のラベル排出部３に近接して設置された圧着ローラ５と、該圧着ローラ５に一方が摺接する周面に複数の溝を刻設した一対の移送ローラ６、９と、該移送ローラ６、９の複数の溝１０に嵌入し襷がけ状に掛け渡された複数の無端のゴムベルト１１と、夫々の移送ローラ６、９を別々に駆動する駆動モータ８、１４とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ラベルプリンターにて印字され１枚毎に分離されたラベルを貼着位置まで簡易な手段で移送し、別途移送されてくる被貼着物にラベルを貼着するラベル移送貼着装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
粘着ラベルを、被貼着物に貼り付ける直前にラベルプリンターにて所要の印字をし、１枚毎に分離した後、貼着位置まで移送し被貼着物に貼付けるラベル移送貼着装置が知られている。例えば、特開平６−２３９３２５号公報に示される装置は、剥離台紙に仮着された２枚の平行するラベルを吸着送りベルトにて吸着しながら貼付けローラ位置まで移送する技術が示される。又、本出願人が先に提案した特開２００９−６２０８７号公報にはプリンターにより印字されたラベルが１枚毎に分離され、無端の複数のゴムベルト上に載置されて貼付け位置まで水平搬送される技術が示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平６−２３９３２５号公報
【特許文献２】特開２００９−６２０８７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、ラベルを貼付ける直前に所要の印字をする簡易型のラベルプリンターにあっては、ラベルの移送貼着に大掛かりな装置は望まれず、ラベルプリンターにより分離されたラベルを簡易に移送し、貼付ける装置が必要とされる。また、既存のラベルプリンターに対して容易に組み合わせることのできるラベル移送貼着装置の需要が大きい。
【０００５】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、既存のラベルプリンターによりバーコードや日付等の情報を印字し、１枚毎に分離されたラベルを受取りながら貼着位置まで移送し、被貼着物に貼付け得る簡易型のラベル移送貼着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、請求項１記載のラベル移送貼着装置は、印字され１枚毎に分離されたラベルを繰出すラベルプリンターの下流側に近接して設置された圧着ローラと、該圧着ローラに一方が摺接する周面に複数の溝を刻設した一対の移送ローラと、該移送ローラの複数の溝に嵌入し襷がけ状に掛け渡された複数の無端のゴムベルトと、夫々の移送ローラを別々に駆動する駆動モータとを備えていることを特徴とする。
【０００７】
請求項２記載のラベル移送貼着装置は、請求項１に記載のラベル移送貼着装置であって、一対の移送ローラは、ラベルの移送方向に対して基端側の移送ローラが水平に設置され、終端側の移送ローラは９０度の角度を維持して垂直に設置していることを特徴とする。
【０００８】
請求項３記載のラベル移送貼着装置は、請求項１に記載のラベル移送貼着装置であって、終端側の移送ローラの近傍でワーク搬送路に臨む貼付けロールを設置していることを特徴とする。
【０００９】
請求項４記載のラベル移送貼着装置は、請求項２に記載のラベル移送貼着装置であって、終端側の移送ローラに摺接し同期回転する従動ローラを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、プリンターを内蔵し１枚ごとのラベルに分離する剥離部を備えた既存のラベルプリンターにそのまま適用できる簡易型のラベル移送貼着装置を得ることができる。しかも、ラベルの移送は一対の移送ローラに掛け渡された無端の平行する複数本のゴムベルトによる搬送で行い、ラベルプリンターより排出されたラベルを圧着ローラにて移送ローラ上に圧着して水平上に載置し、襷がけに巻き掛けられた無端のゴムベルト上に仮着して移送されるに伴い、移送終端には無端ベルトが９０度の角度で立上がり、縦状にラベルを仮着した状態で待機し、別途搬送路を移送されてくる被貼着物に縦状そのままの位置で貼着できる。従って、葉書や封筒等の軽便な被貼着物に対して簡単に貼着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施例を示す全体の概略構成を示す説明図である。
【図２】同全体の構成の概略を示す平面図である。
【図３】同ラベル移送貼着装置の主要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。図１は、本発明の一実施形態の概略構成を示しており、１は既知のラベルプリンターを示し、ラベルＡは剥離紙上に担持されて適宜な印字工程を経て出口の鋭角なエッジを備えた剥離部２で折り返され、１枚ごとラベル排出部３より排出される。尚、ラベルプリンターは既知の構成であるためその詳細は省略する。
【００１３】
４は本発明のラベル移送貼着装置を示し、前記ラベルプリンター１とラベル移送貼着装置４は機体３０上に設置されている。ラベル移送貼着装置４では、圧着ローラ５と駆動側の移送ローラ６が前記ラベルプリンター１のラベル排出部３に近接して配置され、一方の駆動側の移送ローラ６は駆動ベルト７を介して駆動モータ８により回転し、該移送ローラ６と終端側の移送ローラ９はその周面に所定ピッチの複数の溝１０が刻設され、該複数の溝１０に複数の無端のゴムベルト１１が平行に掛け渡されている。該無端のゴムベルト１１は移送ローラ６、９に襷がけ状にクロスして掛け渡されており、上流側に位置する基端となる移送ローラ６は水平に設置され、下流側に位置する終端となる移送ローラ９は垂直に設置され、両移送ローラ６、９に掛け渡された無端のゴムベルト１１は９０度の角度で捩れて平行に張設されている。また、１２は駆動側の移送ローラ６に近接して水平設置された受けローラで、移送ローラ６と同様に周面に複数の溝１０が刻設され、該溝１０に複数の無端のゴムベルト１１が嵌入してゴムベルト１１を支持している。
【００１４】
尚、図１、図２では無端のゴムベルト１１からなるラベル推進部１３は平行する３本のＯリングから構成されているが、図３の概略斜視図に示すように平行する２本のＯリングから構成することもできる。また、無端のゴムベルト１１はＯリングに代わって細帯状のゴムベルトにて構成してもよい。
【００１５】
また、移送ローラ６、９は別々の駆動源に接続されており、基端の移送ローラ６は第１の駆動モータ８に駆動ベルト７を介して駆動され、終端の移送ローラ９は第２の駆動モータ１４により駆動ベルト１５を介して駆動される。このように、移送ローラ６、９を駆動する別個の駆動モータ８、１４を設置したことにより、無端のゴムベルト１１の弛みを防ぎ安定したベルト搬送が可能となる。
【００１６】
１６はラベルプリンター１のラベル排出部３の外部に近接して設置されたラベル検知センサーで、圧着ローラ５と駆動側の移送ローラ６により挟接されたラベルＡの存在を検知し、この検知信号にて駆動モータ８、１４を停止し、ラベルの移送を停止し待機させる。
次いで、ワーク搬送路１７に臨んで設置されたワーク検知センサー２０の検知信号を受けた貼付指令信号によりモータ８、１４を再駆動し、移送ローラ６、９を高速で駆動して掛け渡された無端のゴムベルト１１を回転駆動させる。
【００１７】
１９は前記移送ローラ９に摺接して回転する従動ローラで、終端側の移送ローラ９とギア駆動により回転し、移送ローラ９との間に挟持されたラベルＡを貼付け方向に向けて送り出す。
【００１８】
ラベルＡは該終端側の移送ローラ９と従動ローラ１９の同期回転によりゴムベルト１１面から剥がれて貼付け方向に向かって放出され、ワーク搬送路１７により移送される葉書や封筒等の被貼着物Ｗに仮着させて貼付けロール１８により押圧して貼着される。
【００１９】
尚、図示の例では、ワーク搬送路１７は、移送ローラ６、９の移送方向に対し６０度の角度で終端側の移送ローラ９に近接して設置されており、被貼着物Ｗの搬送速度とラベルＡを搬送する移送ローラ９によるゴムベルト１１の移送速度を同速度となるように設定されている。
【００２０】
また、一対の移送ローラ６、９は基端側となる移送ローラ６を水平に設置し、終端側となる移送ローラ９を０から９０度の角度の範囲で傾斜して設置してもよい。貼着される被貼着物の外形形状によりラベルの貼付けに適した任意の角度に設定することができる。被貼着物は前記した葉書や封筒に限定されることはなく、適宜選択できることは言うまでもない。
【００２１】
次に本発明のラベル貼着装置の作用を説明する。
ラベルプリンター１自体は既知の一般的な構成であって作動の詳細は省略するが、ラベルに対してバーコードや日付等の所要の印字が行なわれ、次いでラベル排出部３に臨む剥離部２にて鋭角な剥離エッジにて剥離紙が折り返され、ラベルは１枚毎に排出される。
【００２２】
ラベル排出部３より１枚毎のラベルとして排出されたラベルＡは、該ラベル排出部３に臨む一対の圧着ローラ５と駆動側の移送ローラ６間にて圧着され、一対の移送ローラ６、９に掛け渡された複数の無端のゴムベルト１１上に圧接して移転したとき、ラベル検知センサー１６がラベルの存在を検知し、この検知信号にて駆動モータ８、１４の駆動を停止しラベルの移送は一旦停止され待機状態となる。次いで、ワーク搬送路に臨むワーク検知センサー２０が被貼着物Ｗの存在を検知すると、貼付指令信号によりモータ８、１４が再駆動し、移送ローラ６、９が高速で駆動されてラベルＡは終端側に位置する移送ローラ９位置までゴムベルト１１上に仮着されて移送される。
【００２３】
尚、移送ローラ６、９の回転速度はラベル受取り時とラベル移送時とで異なるように設定されている。即ち、ラベルプリンター１のラベル排出部３からラベルＡが移送ローラ６に移転するときの速度はラベルプリンター１の送り速度と同期させ、ラベルＡを受け取った後ワークセンサー２０の信号を受け、貼付指令信号を受けて再駆動されるモータ８、１４による移送ローラ６、９の移送速度は、ワーク搬送路１７の搬送速度と同期するよう設定されている。ワーク搬送路１７の搬送速度は前記ラベルプリンター１のラベル送り速度よりも、少なくとも２倍以上に高速となるように設定される。
【００２４】
尚、基端側の移送ローラ６は並設された受けローラ１２と共に水平に設置され、ラベル排出部３の剥離部２から繰出されるラベルＡを水平に張設された複数のゴムベルト１１上に受け取り移送されるが、終端側の移送ローラ９は前記移送ローラ６に対し、９０度の角度を維持して垂直に設置されているために移送ローラ６、９間に掛け渡された複数のゴムベルト１１は襷がけ状にクロスして張設され、該ゴムベルト１１上に載置されたラベルＡは下面の粘着剤によりゴムベルト面に仮着した状態で移送される。
【００２５】
ラベルＡが終端側の移送ローラ９の位置まで達すると、ラベルＡは該移送ローラ９に摺接する従動ローラ１９との圧接した回転でゴムベルト１１面より分離され、貼付け位置に繰出される。
【００２６】
貼付け位置に繰出されたラベルＡはワーク搬送路１７により搬送される葉書や封筒等の被貼着物Ｗ面に移転され、貼付ロール１８により圧着されてラベルＡは貼着される。この実施例では、ワーク搬送路１７は移送ローラ６、９の移送方向に対し６０度の角度で終端側の移送ローラ９に近接して設けられている。
【００２７】
尚、本発明では移送ローラ６、９を夫々別個の駆動モータ８、１４により駆動されるようにしたが、これは出来るだけ正確にラベルを移送するためでもある。移送ローラが片方のみの駆動であると移送ローラと無端のゴムベルトの摩擦が若干違うだけでも複数本のゴムベルトのうち１本が早く回りだし、その回転の違いが移送されるラベルの位置ずれの原因となる。また、移送ローラが片方であるとゴムベルトの伸縮が起こり易く、移送ローラとの摩擦でゴムベルトの寿命を短くする等の影響を考慮したものである。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
本発明のラベル移送貼着装置は、既設されたラベルプリンターに対し任意に設置できるから、既存の工場等でのラベル貼付け工程に対し設置の自由度があり、広く活用することができる。
【符号の説明】
【００２９】
１ ラベルプリンター
３ ラベル排出部
４ ラベル移送貼着装置
５ 圧着ローラ
６ 基端側の移送ローラ
８、１４ 駆動モータ
９ 終端側の移送ローラ
１０ 溝
１１ 無端のゴムベルト
１２ 受けローラ
１３ ラベル推進部
１５ 駆動ベルト
１６ ラベル検知センサー
１７ ワーク搬送路
１８ 貼付けロール
１９ 従動ローラ
２０ ワーク検出センサー
Ａ ラベル
Ｗ 被貼着物
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ラベルプリンターにて印字され１枚毎に分離されたラベルを貼着位置まで簡易な手段で移送し、別途移送されてくる被貼着物にラベルを貼着するラベル移送貼着装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
粘着ラベルを、被貼着物に貼り付ける直前にラベルプリンターにて所要の印字をし、１枚毎に分離した後、貼着位置まで移送し被貼着物に貼付けるラベル移送貼着装置が知られている。例えば、特開平６−２３９３２５号公報に示される装置は、剥離台紙に仮着された２枚の平行するラベルを吸着送りベルトにて吸着しながら貼付けローラ位置まで移送する技術が示される。又、本出願人が先に提案した特開２００９−６２０８７号公報にはプリンターにより印字されたラベルが１枚毎に分離され、無端の複数のゴムベルト上に載置されて貼付け位置まで水平搬送される技術が示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平６−２３９３２５号公報
【特許文献２】特開２００９−６２０８７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、ラベルを貼付ける直前に所要の印字をする簡易型のラベルプリンターにあっては、ラベルの移送貼着に大掛かりな装置は望まれず、ラベルプリンターにより分離されたラベルを簡易に移送し、貼付ける装置が必要とされる。また、既存のラベルプリンターに対して容易に組み合わせることのできるラベル移送貼着装置の需要が大きい。
【０００５】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、既存のラベルプリンターによりバーコードや日付等の情報を印字し、１枚毎に分離されたラベルを受取りながら貼着位置まで移送し、被貼着物に貼付け得る簡易型のラベル移送貼着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、請求項１記載のラベル移送貼着装置は、印字され１枚毎に分離されたラベルを繰出すラベルプリンターの下流側に近接して設置された圧着ローラと、該圧着ローラに一方が摺接する周面に複数の溝を刻設した一対の移送ローラと、該移送ローラの複数の溝に嵌入し襷がけ状に掛け渡された複数の無端のゴムベルトと、夫々の移送ローラを別々に駆動する駆動モータとを備えていることを特徴とする。
【０００７】
請求項２記載のラベル移送貼着装置は、請求項１に記載のラベル移送貼着装置であって、一対の移送ローラは、ラベルの移送方向に対して基端側の移送ローラが水平に設置され、終端側の移送ローラは９０度の角度を維持して垂直に設置していることを特徴とする。
【０００８】
請求項３記載のラベル移送貼着装置は、請求項１に記載のラベル移送貼着装置であって、終端側の移送ローラの近傍でワーク搬送路に臨む貼付けロールを設置していることを特徴とする。
【０００９】
請求項４記載のラベル移送貼着装置は、請求項２に記載のラベル移送貼着装置であって、終端側の移送ローラに摺接し同期回転する従動ローラを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、プリンターを内蔵し１枚ごとのラベルに分離する剥離部を備えた既存のラベルプリンターにそのまま適用できる簡易型のラベル移送貼着装置を得ることができる。しかも、ラベルの移送は一対の移送ローラに掛け渡された無端の平行する複数本のゴムベルトによる搬送で行い、ラベルプリンターより排出されたラベルを圧着ローラにて移送ローラ上に圧着して水平上に載置し、襷がけに巻き掛けられた無端のゴムベルト上に仮着して移送されるに伴い、移送終端には無端ベルトが９０度の角度で立上がり、縦状にラベルを仮着した状態で待機し、別途搬送路を移送されてくる被貼着物に縦状そのままの位置で貼着できる。従って、葉書や封筒等の軽便な被貼着物に対して簡単に貼着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施例を示す全体の概略構成を示す説明図である。
【図２】同全体の構成の概略を示す平面図である。
【図３】同ラベル移送貼着装置の主要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。図１は、本発明の一実施形態の概略構成を示しており、１は既知のラベルプリンターを示し、ラベルＡは剥離紙上に担持されて適宜な印字工程を経て出口の鋭角なエッジを備えた剥離部２で折り返され、１枚ごとラベル排出部３より排出される。尚、ラベルプリンターは既知の構成であるためその詳細は省略する。
【００１３】
４は本発明のラベル移送貼着装置を示し、前記ラベルプリンター１とラベル移送貼着装置４は機体３０上に設置されている。ラベル移送貼着装置４では、圧着ローラ５と駆動側の移送ローラ６が前記ラベルプリンター１のラベル排出部３に近接して配置され、一方の駆動側の移送ローラ６は駆動ベルト７を介して駆動モータ８により回転し、該移送ローラ６と終端側の移送ローラ９はその周面に所定ピッチの複数の溝１０が刻設され、該複数の溝１０に複数の無端のゴムベルト１１が平行に掛け渡されている。該無端のゴムベルト１１は移送ローラ６、９に襷がけ状にクロスして掛け渡されており、上流側に位置する基端となる移送ローラ６は水平に設置され、下流側に位置する終端となる移送ローラ９は垂直に設置され、両移送ローラ６、９に掛け渡された無端のゴムベルト１１は９０度の角度で捩れて平行に張設されている。また、１２は駆動側の移送ローラ６に近接して水平設置された受けローラで、移送ローラ６と同様に周面に複数の溝１０が刻設され、該溝１０に複数の無端のゴムベルト１１が嵌入してゴムベルト１１を支持している。
【００１４】
尚、図１、図２では無端のゴムベルト１１からなるラベル推進部１３は平行する３本のＯリングから構成されているが、図３の概略斜視図に示すように平行する２本のＯリングから構成することもできる。また、無端のゴムベルト１１はＯリングに代わって細帯状のゴムベルトにて構成してもよい。
【００１５】
また、移送ローラ６、９は別々の駆動源に接続されており、基端の移送ローラ６は第１の駆動モータ８に駆動ベルト７を介して駆動され、終端の移送ローラ９は第２の駆動モータ１４により駆動ベルト１５を介して駆動される。このように、移送ローラ６、９を駆動する別個の駆動モータ８、１４を設置したことにより、無端のゴムベルト１１の弛みを防ぎ安定したベルト搬送が可能となる。
【００１６】
１６はラベルプリンター１のラベル排出部３の外部に近接して設置されたラベル検知センサーで、圧着ローラ５と駆動側の移送ローラ６により挟接されたラベルＡの存在を検知し、この検知信号にて駆動モータ８、１４を停止し、ラベルの移送を停止し待機させる。
次いで、ワーク搬送路１７に臨んで設置されたワーク検知センサー２０の検知信号を受けた貼付指令信号によりモータ８、１４を再駆動し、移送ローラ６、９を高速で駆動して掛け渡された無端のゴムベルト１１を回転駆動させる。
【００１７】
１９は前記移送ローラ９に摺接して回転する従動ローラで、終端側の移送ローラ９とギア駆動により回転し、移送ローラ９との間に挟持されたラベルＡを貼付け方向に向けて送り出す。
【００１８】
ラベルＡは該終端側の移送ローラ９と従動ローラ１９の同期回転によりゴムベルト１１面から剥がれて貼付け方向に向かって放出され、ワーク搬送路１７により移送される葉書や封筒等の被貼着物Ｗに仮着させて貼付けロール１８により押圧して貼着される。
【００１９】
尚、図示の例では、ワーク搬送路１７は、移送ローラ６、９の移送方向に対し６０度の角度で終端側の移送ローラ９に近接して設置されており、被貼着物Ｗの搬送速度とラベルＡを搬送する移送ローラ９によるゴムベルト１１の移送速度を同速度となるように設定されている。
【００２０】
また、一対の移送ローラ６、９は基端側となる移送ローラ６を水平に設置し、終端側となる移送ローラ９を０から９０度の角度の範囲で傾斜して設置してもよい。貼着される被貼着物の外形形状によりラベルの貼付けに適した任意の角度に設定することができる。被貼着物は前記した葉書や封筒に限定されることはなく、適宜選択できることは言うまでもない。
【００２１】
次に本発明のラベル貼着装置の作用を説明する。
ラベルプリンター１自体は既知の一般的な構成であって作動の詳細は省略するが、ラベルに対してバーコードや日付等の所要の印字が行なわれ、次いでラベル排出部３に臨む剥離部２にて鋭角な剥離エッジにて剥離紙が折り返され、ラベルは１枚毎に排出される。
【００２２】
ラベル排出部３より１枚毎のラベルとして排出されたラベルＡは、該ラベル排出部３に臨む一対の圧着ローラ５と駆動側の移送ローラ６間にて圧着され、一対の移送ローラ６、９に掛け渡された複数の無端のゴムベルト１１上に圧接して移転したとき、ラベル検知センサー１６がラベルの存在を検知し、この検知信号にて駆動モータ８、１４の駆動を停止しラベルの移送は一旦停止され待機状態となる。次いで、ワーク搬送路に臨むワーク検知センサー２０が被貼着物Ｗの存在を検知すると、貼付指令信号によりモータ８、１４が再駆動し、移送ローラ６、９が高速で駆動されてラベルＡは終端側に位置する移送ローラ９位置までゴムベルト１１上に仮着されて移送される。
【００２３】
尚、移送ローラ６、９の回転速度はラベル受取り時とラベル移送時とで異なるように設定されている。即ち、ラベルプリンター１のラベル排出部３からラベルＡが移送ローラ６に移転するときの速度はラベルプリンター１の送り速度と同期させ、ラベルＡを受け取った後ワークセンサー２０の信号を受け、貼付指令信号を受けて再駆動されるモータ８、１４による移送ローラ６、９の移送速度は、ワーク搬送路１７の搬送速度と同期するよう設定されている。ワーク搬送路１７の搬送速度は前記ラベルプリンター１のラベル送り速度よりも、少なくとも２倍以上に高速となるように設定される。
【００２４】
尚、基端側の移送ローラ６は並設された受けローラ１２と共に水平に設置され、ラベル排出部３の剥離部２から繰出されるラベルＡを水平に張設された複数のゴムベルト１１上に受け取り移送されるが、終端側の移送ローラ９は前記移送ローラ６に対し、９０度の角度を維持して垂直に設置されているために移送ローラ６、９間に掛け渡された複数のゴムベルト１１は襷がけ状にクロスして張設され、該ゴムベルト１１上に載置されたラベルＡは下面の粘着剤によりゴムベルト面に仮着した状態で移送される。
【００２５】
ラベルＡが終端側の移送ローラ９の位置まで達すると、ラベルＡは該移送ローラ９に摺接する従動ローラ１９との圧接した回転でゴムベルト１１面より分離され、貼付け位置に繰出される。
【００２６】
貼付け位置に繰出されたラベルＡはワーク搬送路１７により搬送される葉書や封筒等の被貼着物Ｗ面に移転され、貼付ロール１８により圧着されてラベルＡは貼着される。この実施例では、ワーク搬送路１７は移送ローラ６、９の移送方向に対し６０度の角度で終端側の移送ローラ９に近接して設けられている。
【００２７】
尚、本発明では移送ローラ６、９を夫々別個の駆動モータ８、１４により駆動されるようにしたが、これは出来るだけ正確にラベルを移送するためでもある。移送ローラが片方のみの駆動であると移送ローラと無端のゴムベルトの摩擦が若干違うだけでも複数本のゴムベルトのうち１本が早く回りだし、その回転の違いが移送されるラベルの位置ずれの原因となる。また、移送ローラが片方であるとゴムベルトの伸縮が起こり易く、移送ローラとの摩擦でゴムベルトの寿命を短くする等の影響を考慮したものである。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
本発明のラベル移送貼着装置は、既設されたラベルプリンターに対し任意に設置できるから、既存の工場等でのラベル貼付け工程に対し設置の自由度があり、広く活用することができる。
【符号の説明】
【００２９】
１ ラベルプリンター
３ ラベル排出部
４ ラベル移送貼着装置
５ 圧着ローラ
６ 基端側の移送ローラ
８、１４ 駆動モータ
９ 終端側の移送ローラ
１０ 溝
１１ 無端のゴムベルト
１２ 受けローラ
１３ ラベル推進部
１５ 駆動ベルト
１６ ラベル検知センサー
１７ ワーク搬送路
１８ 貼付けロール
１９ 従動ローラ
２０ ワーク検出センサー
Ａ ラベル
Ｗ 被貼着物
【特許請求の範囲】
【請求項１】
印字され１枚毎に分離されたラベルを繰出すラベルプリンターのラベル排出部の下流側に近接して設置された圧着ローラと、該圧着ローラに一方が摺接する周面に複数の溝を刻設した一対の移送ローラと、該移送ローラの複数の溝に嵌入し襷がけ状に掛け渡された複数の無端のゴムベルトと、夫々の移送ローラを別々に駆動する駆動モータとを備えていることを特徴とするラベル移送貼着装置。
【請求項２】
一対の移送ローラは、ラベルの移送方向に対して基端側の移送ローラが水平に設置され、終端側の移送ローラは９０度の角度を維持して垂直に設置されていることを特徴とする請求項１に記載のラベル移送貼着装置。
【請求項３】
終端側の移送ローラの近傍でワーク搬送路に臨む貼付けロールを設置していることを特徴とする請求項１に記載のラベル移送貼着装置。
【請求項４】
終端側の移送ローラに摺接し同期回転する従動ローラを備えていることを特徴とする請求項２に記載のラベル移送貼着装置。
【請求項１】
印字され１枚毎に分離されたラベルを繰出すラベルプリンターのラベル排出部の下流側に近接して設置された圧着ローラと、該圧着ローラに一方が摺接する周面に複数の溝を刻設した一対の移送ローラと、該移送ローラの複数の溝に嵌入し襷がけ状に掛け渡された複数の無端のゴムベルトと、夫々の移送ローラを別々に駆動する駆動モータとを備えていることを特徴とするラベル移送貼着装置。
【請求項２】
一対の移送ローラは、ラベルの移送方向に対して基端側の移送ローラが水平に設置され、終端側の移送ローラは９０度の角度を維持して垂直に設置されていることを特徴とする請求項１に記載のラベル移送貼着装置。
【請求項３】
終端側の移送ローラの近傍でワーク搬送路に臨む貼付けロールを設置していることを特徴とする請求項１に記載のラベル移送貼着装置。
【請求項４】
終端側の移送ローラに摺接し同期回転する従動ローラを備えていることを特徴とする請求項２に記載のラベル移送貼着装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１０−２８５１８８（Ｐ２０１０−２８５１８８Ａ）
【公開日】平成２２年１２月２４日（２０１０．１２．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１４０６９３（Ｐ２００９−１４０６９３）
【出願日】平成２１年６月１２日（２００９．６．１２）
【出願人】（３９１０１１８８１）株式会社タカラ (20)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月２４日（２０１０．１２．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年６月１２日（２００９．６．１２）
【出願人】（３９１０１１８８１）株式会社タカラ (20)
【Ｆターム（参考）】
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