説明

ラベル貼付システム

【課題】 物品の外周面の表示部に表示された初期情報に対応する情報を有したラベルを該当する物品に確実に貼付すると共に、円筒状の物品の高さが異なっても物品の内周面の所要位置にラベルを貼付できるようにする。
【解決手段】 外周面Waに初期情報が表示された表示部Gを有した円筒状の物品Wを搬送するコンベアCと、物品Wの内周面WbにラベルLを貼付するラベル貼付機1と、ラベルLに印字する印字手段10と、ラベルLの貼付に先立って物品Wの表示部Gから初期情報を読み取る初期情報読み取り手段20と、初期情報読み取り手段20が読み取った初期情報に基いて初期情報に対応する二次情報をラベルに印字させる印字制御手段52と、ラベル貼付に先立って物品Wの高さを計測する高さ計測手段40と、高さ計測手段40が計測した高さに対応した物品の内周面の所要位置にラベルを貼付するようにラベル貼付機1を制御するラベル貼付制御手段53とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを物品に貼付するラベル貼付システムに係り、特に、空所のある円筒状の物品の内周面にラベルを貼付するラベル貼付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のラベル貼付システムとしては、例えば、特開2004−210302号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。
これは、空所のある円筒状の物品をその端面を支承して搬送するコンベアと、コンベアによる物品の搬送過程で物品の内周面にラベルを貼付するラベル貼付機とを備えている。ラベル貼付機は、物品の内側の開口部から内部に挿入可能な貼付ヘッドと、この貼付ヘッドの先端側に設けられてラベルを吸着する吸着板とを備え、ラベルの貼付時に、貼付ヘッドを進出させて吸着板を物品の内周面に対面させ、例えば、吸着板に出没可能に設けたローラによりラベルを内周面に押圧して貼付するようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−210302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、円筒状の物品としては、例えば、図8に示すように、印刷機に装着されて印刷が行なわれるロール紙がある。このロール紙からなる物品Wにおいては、加工前の原紙を、その先端を紙管等の開口Eaを有した空所Eのある筒体Tに付してある程度の幅で裁断しながらこの筒体Tにロール形状に巻き付け、終端は、巻き付けた紙に関する情報がコード(文字、記号、バーコード、2次元コード、ICタグ)として印字されたラベルLAで止めるようにしている。このラベルLAに印字された初期情報は、例えば、紙の製造年月日や種類、巻回した紙の長さ、出荷先等の情報をコード化した初期情報であり、ラベルLAはロール紙の外周面Waに設けられた表示部Gとして構成されている。ラベルLAは、物品Wの外周面Waの所定位置に貼付され、例えば、用紙の幅方向(ロール紙の端面を接地した場合、接地面からの高さ方向)において、その外周面Waの中央に貼付される。即ち、物品Wの高さをHとするとラベルLAの中心線が(1/2)Hの位置に位置するように物品Wの外周面Waに貼付される。
【0005】
このような、ロール紙からなる物品Wにおいては、包装されて各印刷業者に納品されるが、印刷機に物品Wを装填して使用する場合、表示部GとしてのバーコードラベルLAは取り捨てられてしまうため、その後、物品Wを入れ替えた場合、物品Wの種類等の情報が判らなくなってしまう問題がある。そのため、このようなことがないように、上記従来のラベル貼付システムを用い、物品Wの内周面Wbにも、物品Wに関する初期情報と同じ内容の情報が印刷された別のラベルLを貼付することで、印刷現場で物品Wを入れ替えた場合にも、内周面Wb内に貼付されたラベルLのコードを目視またはリーダ等で読み込むことで、容易に物品Wに関する情報を知ることができ、間違って他の種類の物品Wを印刷機に装填することを回避するようにすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、上記従来のラベル貼付システムを用いてラベルを貼付しようとして、初期情報と同じ内容の情報が印刷されたラベルを準備しても、貼付すべき対応する物品Wがどれであるかの判別ができにくく、物品Wの表示部Gの表示に対応した表示のラベルLを該当する物品Wに確実に貼付することができにくいという問題があった。また、このようなロール紙からなる物品Wにおいては、用紙の種類や印刷機の大きさ等により裁断する用紙の幅のサイズ(高さ)が異なり、その種類は多く存在することから、上記従来のラベル貼付システムを用いてラベルを貼付しようとしても、各物品Wをその端面を支承してコンベアに載置すると、物品Wの高さにバラツキが生じ、そのため、物品Wの内周面Wbにおいて、所定の高さ位置にラベルを貼付することができにくいという問題もあった。このため、単に、上記従来のラベル貼付システムを用いることができない。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みて為されたもので、物品の外周面の表示部に表示された初期情報に対応する情報を有したラベルを該当する物品に確実に貼付することができるようにするとともに、円筒状の物品の高さが異なっても、物品の内周面の所要位置にラベルを貼付できるようにしたラベル貼付システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するための本発明のラベル貼付システムは、空所のある円筒状の物品であって外周面の所定位置に該物品に関する初期情報が表示された表示部を有した物品をその端面を支承して搬送するコンベアと、該コンベアによる上記物品の搬送過程で該物品の内周面にラベルを貼付するラベル貼付機と、該ラベル貼付機が貼付するラベルに印字する印字手段と、上記ラベル貼付機によるラベル貼付に先立って上記コンベアによる上記物品の所定の搬送位置において上記物品の表示部から該物品に係る初期情報を読み取る初期情報読み取り手段と、該初期情報読み取り手段が読み取った初期情報に基づいて該初期情報に対応する二次情報を上記印字手段に印字させる印字制御手段と、上記ラベル貼付機によるラベル貼付に先立って上記コンベアによる上記物品の所定の搬送位置において上記物品の高さを計測する高さ計測手段と、該高さ計測手段が計測した高さに対応した上記物品の内周面の所要位置に上記ラベル貼付機が上記ラベルを貼付するように該ラベル貼付機を制御するラベル貼付制御手段とを備えた構成としている。
【0009】
これにより、物品はその端面が支承されてコンベアにより搬送され、所定の搬送位置に至ると、初期情報読み取り手段が物品の表示部から該物品に係る初期情報を読み取る。これを受けて、印字制御手段が、印字手段により初期情報読み取り手段が読み取った初期情報に基づいて該初期情報に対応する二次情報をラベルに印字させる。また、所定の搬送位置に至ると、高さ計測手段が物品の高さを計測する。
その後、ラベル貼付制御手段が、ラベル貼付機により、物品の内周面にラベルを貼付させる。この場合、ラベル貼付機は、印字手段によって初期情報に対応する二次情報が印字されたラベルを、物品の内周面にラベルを貼付する。そのため、ラベル貼付に係る物品の初期情報に対応する二次情報が印字されたラベルが該当する物品に確実に貼付される。また、このラベル貼付においては、ラベル貼付制御手段が、ラベル貼付機により、高さ計測手段が計測した高さに対応した物品の内周面の所要位置に、ラベルを貼付させる。そのため、物品の高さにバラツキがあっても、物品の高さに応じて適正位置にラベルを貼付することができ、貼付精度が向上する。
【0010】
そして、必要に応じ、上記初期情報読み取り手段が、上記物品の表示部から初期情報を読み取る該物品の所定の搬送位置と、上記高さ計測手段が上記物品の高さを計測する該物品の所定の搬送位置とを、同じ位置にした構成としている。同じ搬送位置で、初期情報の読み取りと、高さ計測を行なうので、初期情報の読み取り動作と、高さ計測の動作とを重複させることができ、それだけ、時間が節約できるので、処理効率が向上させられる。
【0011】
また、必要に応じ、上記初期情報読み取り手段を、スタンドに支持され上記物品の表示部に表示された初期情報を移動させられて読み取るリーダと、該リーダを上記物品に対して相対的に上下移動させる上下移動機構と、上記リーダを上記物品の外周面に対峙させながら該外周面に沿って相対的に周方向移動させる周方向移動機構と、上記高さ計測手段が計測した高さに基づいて上記リーダを上記物品の表示部のある高さ位置に位置させるように上記上下移動機構を制御する移動機構制御手段とを備えて構成している。
【0012】
これにより、初期情報読み取り手段が物品の外周面の表示部に表示された初期情報を読み取るときは、先ず、移動機構制御手段が、上下移動機構により、高さ計測手段が計測した高さに基づいてリーダを物品に対して相対的に上下動させ、リーダを物品の表示部のある高さ位置に位置させる。それから、周方向移動機構がリーダを物品の外周面に対峙させながらこの外周面に沿って相対的に周方向移動させ、リーダに表示部の初期情報を読みとらせる。この場合、初期情報を表示した表示部が、例えば、物品の幅方向(物品の端面を接地した場合、接地面からの高さ方向)において、中央にある等、物品の外周面の所定位置にあるので、物品の高さにバラツキがあると、高さの異なる物品毎に表示部の高さ方向の位置が不規則になるが、移動機構制御手段が、高さ計測手段が計測した高さに基づいて、高さ方向において所定の位置関係にある表示部の位置を割り出して、リーダを上下動させ、表示部のある高さ位置に位置させることができ、それだけ、表示部の初期情報の読み取りが正確に行なわれるようになる。
【0013】
この場合、必要に応じ、上記上下移動機構を、上記リーダを上記スタンドに対して上下動可能に支持する支持部と、該リーダを上下移動させるアクチュエータとを備えて構成している。
また、必要に応じ、上記上下移動機構を、上記コンベアから分離して昇降動可能に設けられ上記物品を支承する支承台と、該支承台を昇降駆動させるアクチュエータとを備えて構成している。
【0014】
更に、必要に応じ、上記周方向移動機構を、上記コンベアから分離して回転可能に設けられ上記物品を支承する支承台と、上記物品の表示部を上記リーダに対峙させて該支承台を回転させる回転駆動部とを備えて構成している。
更にまた、必要に応じ、上記周方向移動機構を、上記スタンドに設けられ上記リーダを上記物品の外周面に対峙させながら該外周面に沿って走行可能に支持する支持部材と、該支持部材に支持したリーダを走行させる走行駆動部とを備えて構成している。
【0015】
また、必要に応じ、上記高さ計測手段を、上記スタンドに設けられ上記コンベアによる物品の所定の搬送位置において該物品の端面に対峙する超音波センサで構成している。確実に高さ測定をすることができる。
【0016】
そしてまた、必要に応じ、上記ラベル貼付機を、上記印字手段で印字されたラベルを吸着する吸着位置及び上記物品の空所の開口上方から該空所内に降下して進出し該物品の内周面にラベルを対峙させる進出位置に移動させられるとともに該進出位置において該ラベルを上記物品の内周面に貼付する吸着ヘッドと、該吸着ヘッドを移動させる吸着ヘッド移動機構とを有した構成としている。
【0017】
この場合、必要に応じ、上記物品の空所の開口の上方であって該開口と所定の位置関係にあり上記吸着ヘッドを降下させる水平方向の降下位置を決める降下位置決定手段を備え、上記ラベル貼付制御手段は、上記降下位置決定手段が決定した降下位置に上記吸着ヘッドを移動させてから降下させるように上記吸着ヘッド移動機構を制御する機能を備えた構成としている。
これにより、物品がコンベアで搬送される際、物品のラベル貼付機に対する水平方向位置が左右にずれても、降下位置決定手段が、物品の空所の開口と所定の位置関係にある水平方向の降下位置を決定し、ラベル貼付制御手段は、吸着ヘッド移動機構により、この降下位置に吸着ヘッドを移動させてから降下させるので、空所内では吸着ヘッドと内周面との間隔が一定のものになり、そのため、内周面へのラベルの貼付が確実に行なわれる。
【0018】
そして、必要に応じ、上記吸着ヘッドが上記物品の上端面に対峙して水平方向へ移動する際に上記物品の空所の開口の有無を検知する開口検知センサを上記吸着ヘッドに設け、上記降下位置決定手段を、上記吸着ヘッドを上記物品の上端面に対峙させて水平方向へ移動させるように吸着ヘッド移動機構を制御する吸着ヘッド移動制御手段と、上記の水平方向の移動により該開口検知センサによる上記開口の有無の検知に基づいて該開口の位置を算出する開口位置算出手段と、該開口位置算出手段が算出した開口の位置から上記降下位置を算出する降下位置算出手段とを備えて構成している。
【発明の効果】
【0019】
本発明のラベル貼付システムによれば、初期情報読み取り手段が物品の表示部から該物品に係る初期情報を読み取り、これを受けて、印字制御手段が、印字手段により初期情報読み取り手段が読み取った初期情報に基づいて該初期情報に対応する二次情報をラベルに印字させ、その後、ラベル貼付制御手段が、ラベル貼付機により、物品の内周面にラベルを貼付させるので、初期情報に対応する二次情報が印字されたラベルを該当する物品に確実に貼付することができる。また、このラベル貼付においては、ラベル貼付制御手段が、ラベル貼付機により、高さ計測手段が計測した高さに対応した物品の内周面の所要位置に、ラベルを貼付させるので、物品の高さにバラツキがあっても、物品の高さに応じて適正位置にラベルを貼付することができ、それだけ、貼付精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムについて詳細に説明する。
図1乃至図6に示すように、本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムは、開口Eaを有した空所Eのある円筒状のロール紙からなる物品Wの内周面WbにラベルLを貼付するものである。ロール紙からなる物品Wは、図8に示すように、印刷機に装着されて印刷が行なわれるもので、加工前の原紙を、その先端を紙管等Eの空所Eのある筒体Tに付してある程度の幅で裁断しながらこの筒体Tにロール形状に巻き付け、終端は、巻き付けた紙に関する情報がコード(文字、記号、バーコード、2次元コード、ICタグ)として印字されたラベルLAで止められる。このラベルLAに印字された初期情報は、例えば、紙の製造年月日や種類、巻回した紙の長さ、出荷先等の情報をコード化した初期情報であり、ラベルLAはロール紙の外周面に設けられた表示部Gをとして構成されている。ラベルLAは、物品Wの外周面Waの所定位置に貼付され、例えば、用紙の幅方向(ロール紙の端面を接地した場合、接地面からの高さ方向)において、その中央に貼付される。即ち、物品Wの高さをHとするとラベルLAの中心線が(1/2)Hの位置に位置するように物品Wの外周面Waに貼付される。
このようなロール紙からなる物品Wにおいては、用紙の種類や印刷機の大きさ等により裁断する用紙の幅のサイズ(高さ)が異なり、その種類は多く存在するようになる。
また、ロール紙からなる物品Wにおいては、包装されて各印刷業者に納品されるが、印刷機に物品Wを装填して使用する場合、ラベルLAからなる表示部Gは取り捨てられる。
【0021】
本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムは、図1に示すように、上記の物品Wをその端面を支承して搬送するコンベアCを備えている。コンベアCは、ベルトコンベアを、単数若しくは複数備えた、コンベアユニットCUを、連設して、物品Wを順次搬送するものである。
【0022】
本システムにおいては、コンベアCによる物品Wの搬送過程であって、特定のコンベアユニットCU(B)のある箇所には、物品Wの内周面WbにラベルLを貼付するラベル貼付機1と、このラベル貼付機1が貼付するラベルLに印字する印字手段10とが備えられている。
ラベル貼付機1は、ラベルLを吸着する吸着ヘッド2を備えている。吸着ヘッド2は、図1,図4及び図6に示すように、印字手段10で印字されたラベルLを吸着する吸着位置X(図6(a)、(c))、物品Wの空所Eの開口Ea上方から空所E内に降下して進出し物品Wの内周面WbにラベルLを対峙させる進出位置Y(図4、図5(d))、及び、進出位置Yにおいて前進してラベルLを物品Wの内周面Wbに押圧して貼付する貼付位置Z(図4)に、吸着ヘッド移動機構3により移動させられる。また、吸着ヘッド2は吸着ヘッド移動機構3により、上記進出位置Yに位置させられる前に、物品Wの上端面に対峙した一時停止位置Ya(図4、図6(b))に一時的に停止させられる。
【0023】
吸着ヘッド移動機構3は、図1,図4及び図6に示すように、コンベアユニットCUを跨いで設けられる門型のスタンド4と、コンベアCの搬送方向に直交する水平方向に走行可能にスタンド4に設けられる走行体5とを備えている。スタンド4の水平梁4aには、走行体5が走行可能に支持されるレール6が設けられている。走行体5は、該走行体5に搭載された駆動モータ7により水平方向に走行させられる。また、走行体5には、先端に吸着ヘッド2が支持され吸着ヘッド2を垂直方向に昇降動させる電動あるいはエア駆動型のシリンダ装置8が設けられている。そして、吸着ヘッド2は、駆動モータ7及びシリンダ装置8によって、上記の吸着位置X、進出位置Y、一時停止位置Ya、及び、貼付位置Zに移動させられる。また、後述の一時停止位置Yaにおける水平方向への移動も行なう。
【0024】
印字手段10は、ラベル供給機11に設けられている。ラベル供給機11は、例えば、ラベルLが仮着された帯状台紙(図示せず)からラベルLを剥離して送出するもので、供給リール12から搬送経路に供給された帯状台紙から剥離板(図示せず)でラベルLを剥離し、ラベルLが剥離された帯状台紙を巻取リール(図示せず)で巻き取るようにしている。印字手段10は、この帯状台紙の搬送経路の途中に設けられており、例えば、ラベルLに印字するための図示外のサーマルヘッド及びプラテンを備えている。
【0025】
また、コンベアCによる物品Wの所定の搬送位置、具体的には、上記のラベル貼付機1と印字手段10が設けられたコンベアユニットCU(B)の上流側にある別の特定のコンベアユニットCU(A)には、コンベアCによる物品Wの所定の搬送位置において、ラベル貼付機1によるラベルLの貼付に先立って物品Wの表示部Gから物品Wに係る初期情報を読み取る初期情報読み取り手段20と、物品Wの高さを計測する高さ計測手段40とが備えられている。即ち、初期情報読み取り手段20が物品Wの表示部Gから初期情報を読み取る該物品Wの所定の搬送位置と、高さ計測手段40が物品Wの高さを計測する該物品Wの所定の搬送位置とは、コンベアユニットCU(B)という同じ位置に設定されている。
【0026】
初期情報読み取り手段20は、図1乃至図3に示すように、スタンド21に支持され物品Wの表示部Gに表示された初期情報を移動させられて光学的に読み取るリーダ22と、リーダ22を物品Wに対して相対的に上下移動させる上下移動機構23と、リーダ22を物品Wの外周面に対峙させながら外周面に沿って相対的に周方向移動させる周方向移動機構30とを備えている。
上下移動機構23は、図2に示すように、リーダ22をスタンド21に対して上下動可能に支持する支持部材24と、リーダ22を支持部材24を介して上下移動させる電動あるいはエア駆動型のアクチュエータ25とを備えて構成されている。符号26は支持部材をガイドするガイドレールである。上下移動機構23は、周方向移動機構30が、物品Wを上昇位置に位置させたとき、作動させられる。
【0027】
周方向移動機構30は、図2に示すように、コンベアCから分離して昇降動可能かつ回転可能に設けられ物品Wを支承する支承台31と、支承台31を昇降駆動させるエアシリンダなどで構成されるアクチュエータ32と、支承台31の上昇位置において物品Wの表示部Gをリーダ22に対峙させて支承台31を回転させる回転駆動部33とを備えて構成されている。
詳しくは、図1及び図3に示すように、コンベアユニットCU(A)においては、搬送方向及び搬送方向に直交する方向に夫々列設された4つのベルトコンベアCaを備えており、物品Wを、搬送方向に直交する方向に並設されたベルトコンベアCaの組に跨らせて搬送するようにしている。そして、物品Wが4つのベルトコンベアCaの全てに跨って支持された中央位置において、一時的に停止される。この中央位置においては、4つのベルトコンベアCaが互いに隣接し、これら4つのベルトコンベアCaで形成される十字状の隙間が形成されており、この十字状の隙間には、十字状に形成され物品Wを支承する十字状の支承台31が、配設されている。アクチュエータ32は、支承台31の下側に配設され、回転駆動部33は、このアクチュエータ32を支持しこのアクチュエータ32を介して支承台31を回転させる電動モータで構成されている。
【0028】
高さ計測手段40は、スタンド21上部からコンベアCに伸びるアーム28の先端部に支持され、コンベアCによる物品Wの所定の搬送位置、即ち、支承台31に支承されるコンベアユニットCUの中央位置において、物品Wの端面に対峙する超音波センサで構成されている。高さ計測手段40は、周方向移動機構30が、物品Wを下降上昇させる前の下降位置にあるとき、機能させられる。
【0029】
次に、本実施の形態に係るラベル貼付システムの、制御系について説明する。CPUなどの機能によって実現される制御部50(図示せず)は、図2に示すように、高さ計測手段40が計測した高さに基づいてリーダ22を物品Wの表示部Gのある高さ位置に位置させるように上下移動機構23を制御する移動機構制御手段51を備えている。詳しくは、図2に示すように、初期情報を表示した表示部Gは、物品Wの幅方向(物品Wの端面を接地した場合、接地面からの高さ方向)において、高さ方向の中央にあるので、移動機構制御手段51は、周方向移動機構30が、物品Wを上昇位置に位置させたとき、高さ計測手段40が計測した高さから、表示部Gのある位置を算出し、この算出した表示部Gのある位置に、上下移動機構23により、リーダ22を物品Wの表示部Gのある高さ位置に位置させる。
また、移動機構制御手段51は、図2及び図3(b)に示すように、リーダ22を物品Wの表示部Gのある高さ位置に位置させた後、周方向移動機構30を作動させて、リーダ22を物品Wの外周面に対峙させながらこの外周面に沿って相対的に周方向移動させ、リーダ22に表示部Gの初期情報を読みとらせる制御機能も備えている。
【0030】
更に、制御部50は、図2に示すように、初期情報読み取り手段20が読み取った初期情報に基づいて該初期情報に対応する二次情報を上記印字手段10に印字させる印字制御手段52を備えている。二次情報としては、初期情報と同じ、例えば、紙の製造年月日や種類、巻回した紙の長さ、出荷先等の情報をコード化した情報を含んでも良く、適宜変更可能である。
【0031】
更に、制御部50は、図4に示すように、高さ計測手段40が計測した高さに対応した上記物品Wの内周面Wbの所要位置に、ラベル貼付機1がラベルLを貼付するように、ラベル貼付機1を制御するラベル貼付制御手段53を備えている。即ち、ラベル貼付制御手段53は、吸着ヘッド移動機構3を制御して、吸着ヘッド2を、吸着位置X、進出位置Y、一時停止位置Ya、及び、貼付位置Zに移動させる。ラベル貼付制御手段53は、吸着ヘッド2を、物品Wの空所Eの開口Ea縁から所定深さ降下させて、進出位置Yに位置させるように吸着ヘッド移動機構3を制御する機能を備えている。所定深さは、例えば、ラベルLが、物品Wの上端面から一定寸法下位の位置に設定し、あるいは、空所Eの高さ方向の中央位置に設定する等、一義的に定めればよい。図4の例では、物品Wの高さをHとするとラベルLの中心線が(1/2)Hの位置に位置するように物品Wの内周面Wbに貼付する。
【0032】
更にまた、制御部50は、図4及び図5(c)に示すように、物品Wの空所Eの開口Eaの上方であって該開口Eaと所定の位置関係にあり吸着ヘッド2を降下させる水平方向の降下位置Kを決める降下位置決定手段54を備えている。ラベル貼付制御手段53は、この降下位置決定手段54が決定した降下位置Kに吸着ヘッド2を移動させてから降下させるように吸着ヘッド移動機構3を制御する機能を備えている。降下位置Kは、例えば、平面から見て、吸着ヘッド2の支持杆2aの中心軸が、開口Eaの中心(P)に位置するように定められる。
【0033】
詳しくは、図に示すように、吸着ヘッド2は吸着ヘッド移動機構3により、上記の降下の際、物品Wの上端面に対峙した一時停止位置Yaに一時的に停止させられるが、吸着ヘッド2には、この物品Wの上方における一時停止位置Yaにおいて、吸着ヘッド2の水平方向への移動により、空所Eの開口Eaの有無を検知する開口検知センサ9が設けられている。
そして、降下位置決定手段54は、物品Wの上方における一時停止位置Yaにおいて、吸着ヘッド2を上記物品Wの上端面に対峙させて水平方向へ移動させるように吸着ヘッド移動機構3を制御する吸着ヘッド移動制御手段55と、この水平方向の移動により開口検知センサ9による開口Eaの有無の検知に基づいて該開口Eaの位置を算出する開口位置算出手段56と、開口位置算出手段56が算出した開口Eaの位置から降下位置Kを算出する降下位置算出手段57とを備えて構成されている。
【0034】
具体的には、図4に示すように、例えば、吸着ヘッド2の支持杆2aの中心軸を開口Eaの中心に位置させるために、降下位置算出手段57が、開口Eaの中心(P)の位置を求める場合には、例えば、開口位置算出手段56が、スタンド21における垂直方向の基準線Jから開口Eaの一端までの距離(L1)と、開口Eaの他端までの距離(L2)とから、基準線Jから開口Eaの中心(P)までの距離(L0)を求めるなどすればよい。
【0035】
従って、本実施の形態に係るラベル貼付システムにより、物品WにラベルLを貼付するときは以下のようになる。図1に示すように、物品Wはその端面が支承されてコンベアCにより搬送され、ラベル貼付機1と印字手段10が設けられたコンベアユニットCU(B)の上流側にある特定のコンベアユニットCU(A)に至ると、図示外のセンサなどの物品Wの検知に基づいて、一時的にコンベアCが停止させられ、高さ計測手段40が物品Wの高さを計測する。
次いで、初期情報読み取り手段20が、物品Wの表示部Gから該物品Wに係る初期情報を読み取る。これを受けて、印字制御手段52が、印字手段10により初期情報読み取り手段20が読み取った初期情報に基づいて該初期情報に対応する二次情報をラベルLに印字させる。
【0036】
具体的には、先ず、図3(a)に示すように、高さ計測手段40が、物品Wが周方向移動機構30により上昇させられる前の下降位置にあるとき、物品Wの高さを計測する。高さ計測手段40による高さの計測後、図2及び図3(b)に示すように、周方向移動機構30の支承台31がアクチュエータ32により上昇させられ、物品Wを上昇位置に位置決めする。この状態で、移動機構制御手段51は、高さ計測手段40が計測した高さから、表示部Gのある位置を算出し、この算出した表示部Gのある位置に、上下移動機構23により、リーダ22を物品Wの表示部Gのある高さ位置に位置させる。その後、制御部50は、周方向移動機構30の回転駆動部33を駆動して支承台31を回転させ、リーダ22を物品Wの外周面に対峙させながらこの外周面に沿って相対的に周方向移動させ、リーダ22に表示部Gの初期情報を読みとらせる。
【0037】
この場合、初期情報読み取り手段20が物品Wの表示部Gから初期情報を読み取る該物品Wの所定の搬送位置と、高さ計測手段40が物品Wの高さを計測する該物品Wの所定の搬送位置とが、同じコンベアユニットCU(A)の位置にあるので、初期情報の読み取り動作と、高さ計測の動作とを重複させることができ、それだけ、時間が節約でき、処理効率が向上させられる。
また、この場合、初期情報を表示した表示部Gが、物品Wの幅方向(物品Wの端面を接地した場合、接地面からの高さ方向)において、中央にある等、物品Wの外周面Waの所定位置にあるので、物品Wの高さにバラツキがあると、高さの異なる物品W毎に表示部Gの高さ方向の位置が不規則になるが、移動機構制御手段51が、高さ計測手段40が計測した高さに基づいて、高さ方向において所定の位置関係にある表示部Gの位置を割り出して、リーダ22を上下動させ、表示部Gのある高さ位置に位置させることができ、それだけ、表示部Gの初期情報の読み取りが正確に行なわれるようになる。
【0038】
次に、図3(c)に示すように、周方向移動機構30の支承台31がアクチュエータにより下降させられ、物品WをコンベアCに再び載置する。そして、コンベアCが作動して、物品Wを後流側へ搬送し、図1に示すように、ラベル貼付機1のある特定のコンベアユニットCU(B)において、コンベアCが停止し、物品Wを位置決めする。
【0039】
そして、ラベル貼付制御手段53が、ラベル貼付機1により、物品Wの内周面WbにラベルLを貼付させる。この際には、印字制御手段52が、印字手段10により初期情報読み取り手段20が読み取った初期情報に基づいて該初期情報に対応する二次情報をラベルLに印字させており、図1及び図6(a)に示すように、吸着ヘッド移動機構3により、まず、吸着ヘッド2は、吸着位置Xに移動させられて、印字手段10で印字されたラベルLを吸着する。
【0040】
それから、吸着ヘッド移動機構3により、吸着ヘッド2が物品Wの上方に移動させられるとともに降下させられ、図5及び図6(b)に示すように、物品Wの上端面に対峙した一時停止位置Yaに一時的に停止させられる。そして、降下位置決定手段54が機能させられる。具体的には、図5(a)(b)に示すように、吸着ヘッド移動制御手段55が、吸着ヘッド2を、一時停止位置Yaにおいて水平方向へ移動させる。この場合、吸着ヘッド2に設けた開口検知センサ9が、吸着ヘッド2の水平方向への移動により、空所Eの開口Eaの有無を検知する。次に、開口位置算出手段56がこの水平方向の移動により開口検知センサ9による開口Eaの有無の検知に基づいて該開口Eaの位置を算出するし、降下位置算出手段57が開口位置算出手段56が算出した開口Eaの位置から降下位置Kを算出する。
【0041】
この状態で、図5(c)及び図6(b)に示すように、ラベル貼付制御手段53は、吸着ヘッド移動機構3により、この降下位置決定手段54が決定した降下位置Kに吸着ヘッド2を移動させ、それから、図4及び図5(d)に示すように、進出位置Yに降下させる。この状態で、ラベル貼付制御手段53は、吸着ヘッド移動機構3により、吸着ヘッド2を貼付位置Zに前進させ、ラベルLを物品Wの内周面Wbに押圧して貼付する。ラベルLの貼付が終わったならば、図6(c)に示すように吸着ヘッド2は、上昇させられて待機する。
【0042】
この場合、物品WがコンベアCで搬送される際、物品Wのラベル貼付機1に対する水平方向位置が左右にずれても、降下位置決定手段54が、物品Wの空所Eの開口Eaと所定の位置関係にある水平方向の降下位置Kを決定し、ラベル貼付制御手段53は、吸着ヘッド移動機構3により、この降下位置Kに吸着ヘッド2を移動させてから進出位置Yに降下させるので、空所E内では吸着ヘッド2と内周面Wbとの間隔が一定のものになり、そのため、内周面WbへのラベルLの貼付が確実に行なわれる。
【0043】
また、ラベル貼付機1の吸着ヘッド2は、印字手段10によって初期情報に対応する二次情報が印字されたラベルLを、物品Wの内周面WbにラベルLを貼付する。そのため、ラベルL貼付に係る物品Wの初期情報に対応する二次情報が印字されたラベルLが該当する物品Wに確実に貼付される。また、このラベルL貼付においては、ラベル貼付制御手段53が、ラベル貼付機1により、高さ計測手段40が計測した高さに対応した物品Wの内周面Wbの所要位置に、ラベルLを貼付させる。そのため、物品Wの高さにバラツキがあっても、物品Wの高さに応じて適正位置にラベルLを貼付することができ、貼付精度が向上する。
【0044】
このようにして、ラベルLが貼付されたロール紙からなる物品Wにおいては、その後、包装されて各印刷業者に納品されるが、印刷機に物品Wを装填して使用する場合、表示部GとしてバーコードラベルLAは取り捨てられてしまうが、物品Wの内周面Wbにも、物品Wに関する初期情報と同じ内容の情報が印刷されたラベルLが貼付されているので、印刷現場でロール紙を入れ替えた場合にも、内周面Wb内に貼付されたラベルLのコードを目視またはリーダ等で読み込むことで、容易に物品Wに関する情報を知ることができ、間違って他の種類の物品Wを印刷機に装填することを回避することができるようになる。
【0045】
尚、実施の形態において、リーダ22を物品Wの表示部Gの高さ方向位置に合わせる際、上下移動機構23のアクチュエータ25のみで、リーダ22を上下動させて行なうようにしているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、周方向移動機構30の支承台31を昇降駆動させるアクチュエータ32と共同して行なうようにしても良い。また、リーダ22の位置をスタンド21に対して固定し、上下移動機構23を、周方向移動機構30の支承台31を昇降駆動させるアクチュエータ32で構成してもよく、適宜変更して差支えない。
【0046】
図7には、本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムにおいて、初期情報読み取り手段20の周方向移動機構30の別の例を示している。これは、スタンド21に設けられリーダ22をコンベアCに載せた状態で物品Wの外周面Waに対峙させながら該外周面Waに沿って半円弧状のレール62を介して走行可能に支持する支持部材60と、この支持部材60に支持したリーダ22を走行させる電動モータからなる走行駆動部61とを備えて構成されている。また、初期情報読み取り手段20の上下移動機構23は、リーダ22をスタンド21に対して上下動可能に支持する上記の支持部材60と、支持部材60を上下移動させるアクチュエータ(図示せず)とを備えて構成されている。尚、支持部材60のレール62半円弧状なので、物品Wはその表示部Gを支持部材60のレール62側に向くようにコンベアCに載置される。
【0047】
従って、特定のコンベアユニットCUにおいて、初期情報読み取り手段20が物品Wの表示部Gから該物品Wに係る初期情報を読み取る際は、先ず、図7(a)に示すように、高さ計測手段40が、物品Wが周方向移動機構30により物品Wの高さを計測する。移動機構制御手段51は、高さ計測手段40が計測した高さから、表示部Gのある位置を算出し、図7(b)に示すように、この算出した表示部Gのある位置に、上下移動機構23により、支持部材60を上下動させて、リーダ22を物品Wの表示部Gのある高さ位置に位置させる。この状態で、図7(b)に示すように、制御部50は、周方向移動機構30の走行駆動部61によりリーダ22を走行させ、リーダ22を物品Wの外周面Waに対峙させながらこの外周面Waに沿って相対的に周方向移動させ、リーダ22に表示部Gの初期情報を読みとらせる。その後、図7(c)に示すように、上下移動機構23により、支持部材60を介してリーダ22を移動させて、物品Wから離間させ、コンベアCにより、物品Wを、ラベル貼付機1側に搬送する。これによっても、上記と同様の作用,効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムにおいて、初期情報読み取り手段及び高さ計測手段の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムにおいて、初期情報読み取り手段及び高さ計測手段の作用を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムにおいて、ラベル貼付制御手段及び降下位置決定手段の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムにおいて、降下位置決定手段の作用を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムにおいて、ラベル貼付制御手段の作用を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るラベル貼付システムの初期情報読み取り手段において、周方向移動機構の別の例を示す図である。
【図8】本発明に適用される物品の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
W 物品
E 空所
Ea 開口
Wa 外周面
Wb 内周面
LA ラベル
G 表示部
L ラベル
C コンベア
CU コンベアユニット
1 ラベル貼付機
2 吸着ヘッド
X 吸着位置
Y 進出位置
Ya 一時停止位置
Z 貼付位置
3 吸着ヘッド移動機構
4 スタンド
5 走行体
6 レール
7 駆動モータ
8 シリンダ装置
9 開口検知センサ
10 印字手段
12 供給リール
20 初期情報読み取り手段
21 スタンド
22 リーダ
23 上下移動機構
24 支持部材
25 アクチュエータ
26 ガイドレール
30 周方向移動機構
31 支承台
32 アクチュエータ
33 回転駆動部
40 高さ計測手段
50 制御部
51 移動機構制御手段
52 印字制御手段
53 ラベル貼付制御手段
54 降下位置決定手段
55 吸着ヘッド移動制御手段
56 開口位置算出手段
57 降下位置算出手段
K 降下位置
60 支持部材
61 走行駆動部
62 レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空所のある円筒状の物品であって外周面の所定位置に該物品に関する初期情報が表示された表示部を有した物品をその端面を支承して搬送するコンベアと、
該コンベアによる上記物品の搬送過程で該物品の内周面にラベルを貼付するラベル貼付機と、
該ラベル貼付機が貼付するラベルに印字する印字手段と、
上記ラベル貼付機によるラベル貼付に先立って上記コンベアによる上記物品の所定の搬送位置において上記物品の表示部から該物品に係る初期情報を読み取る初期情報読み取り手段と、
該初期情報読み取り手段が読み取った初期情報に基づいて該初期情報に対応する二次情報を上記印字手段に印字させる印字制御手段と、
上記ラベル貼付機によるラベル貼付に先立って上記コンベアによる上記物品の所定の搬送位置において上記物品の高さを計測する高さ計測手段と、
該高さ計測手段が計測した高さに対応した上記物品の内周面の所要位置に上記ラベル貼付機が上記ラベルを貼付するように該ラベル貼付機を制御するラベル貼付制御手段とを備えたことを特徴とするラベル貼付システム。
【請求項2】
上記初期情報読み取り手段が、上記物品の表示部から初期情報を読み取る該物品の所定の搬送位置と、上記高さ計測手段が上記物品の高さを計測する該物品の所定の搬送位置とを、同じ位置にしたことを特徴とする請求項1記載のラベル貼付システム。
【請求項3】
上記初期情報読み取り手段を、スタンドに支持され上記物品の表示部に表示された初期情報を移動させられて読み取るリーダと、該リーダを上記物品に対して相対的に上下移動させる上下移動機構と、上記リーダを上記物品の外周面に対峙させながら該外周面に沿って相対的に周方向移動させる周方向移動機構と、上記高さ計測手段が計測した高さに基づいて上記リーダを上記物品の表示部のある高さ位置に位置させるように上記上下移動機構を制御する移動機構制御手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項1または2記載のラベル貼付システム。
【請求項4】
上記上下移動機構を、上記リーダを上記スタンドに対して上下動可能に支持する支持部材と、該支持部材を上下移動させるアクチュエータとを備えて構成したことを特徴とする請求項3記載のラベル貼付システム。
【請求項5】
上記上下移動機構を、上記コンベアから分離して昇降動可能に設けられ上記物品を支承する支承台と、該支承台を昇降駆動させるアクチュエータとを備えて構成したことを特徴とする請求項3記載のラベル貼付システム。
【請求項6】
上記周方向移動機構を、上記コンベアから分離して回転可能に設けられ上記物品を支承する支承台と、上記物品の表示部を上記リーダに対峙させて該支承台を回転させる回転駆動部とを備えて構成したことを特徴とする請求項3乃至5何れかに記載のラベル貼付システム。
【請求項7】
上記周方向移動機構を、上記スタンドに設けられ上記リーダを上記物品の外周面に対峙させながら該外周面に沿って走行可能に支持する支持部材と、該支持部材に支持したリーダを走行させる走行駆動部とを備えて構成したことを特徴とする請求項3乃至5何れかに記載のラベル貼付システム。
【請求項8】
上記高さ計測手段を、上記スタンドに設けられ上記コンベアによる物品の所定の搬送位置において該物品の端面に対峙する超音波センサで構成したことを特徴とする請求項3乃至7何れかに記載のラベル貼付システム。
【請求項9】
上記ラベル貼付機を、上記印字手段で印字されたラベルを吸着する吸着位置及び上記物品の空所の開口上方から該空所内に降下して進出し該物品の内周面にラベルを対峙させる進出位置に移動させられるとともに該進出位置において該ラベルを上記物品の内周面に貼付する吸着ヘッドと、該吸着ヘッドを移動させる吸着ヘッド移動機構とを有して構成したことを特徴とする請求項1乃至8何れかに記載のラベル貼付システム。
【請求項10】
上記物品の空所の開口の上方であって該開口と所定の位置関係にあり上記吸着ヘッドを降下させる水平方向の降下位置を決める降下位置決定手段を備え、
上記ラベル貼付制御手段は、上記降下位置決定手段が決定した降下位置に上記吸着ヘッドを移動させてから降下させるように上記吸着ヘッド移動機構を制御する機能を備えたことを特徴とする請求項9記載のラベル貼付システム。
【請求項11】
上記吸着ヘッドが上記物品の上端面に対峙して水平方向へ移動する際に上記物品の空所の開口の有無を検知する開口検知センサを上記吸着ヘッドに設け、上記降下位置決定手段を、上記吸着ヘッドを上記物品の上端面に対峙させて水平方向へ移動させるように吸着ヘッド移動機構を制御する吸着ヘッド移動制御手段と、上記の水平方向の移動により該開口検知センサによる上記開口の有無の検知に基づいて該開口の位置を算出する開口位置算出手段と、該開口位置算出手段が算出した開口の位置から上記降下位置を算出する降下位置算出手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項10記載のラベル貼付システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−83908(P2009−83908A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−256970(P2007−256970)
【出願日】平成19年9月29日(2007.9.29)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】