説明

ラベル貼付装置、ラベル貼付方法およびラベル貼付プログラム

【課題】2枚のラベルを互いに正確な位置関係で重ねて貼り付けることが可能なラベル貼付装置、ラベル貼付方法およびラベル貼付プログラムを提供する
【解決手段】見切りラベルL2は、商品ラベルL1のバーコードを覆うように、商品ラベルL1上に重ねて貼り付けられる。消費期限およびリサイクル情報等の表示義務がある情報は、見切りラベルL2によって隠されることなく、露出している。見切りラベルL2の貼付位置は、商品ラベルL1に対する相対座標に基づいて設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品にラベルを貼り付けるためのラベル貼付装置、ラベル貼付方法およびラベル貼付プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等における生鮮食料品売り場では、例えば夕刻になると、店頭に陳列してから一定の時間が経過した食料品について、販売促進のための値下げを行うことがある。値下げされる商品は、一般的に見切り商品と呼ばれる。通常、見切り商品には、値下げ額等が印字されたラベル(以下、見切りラベルと呼ぶ)が貼り付けられる。
【0003】
見切りラベルとして、値下げ後の価格を示すバーコードが付されたものがある(例えば特許文献1参照)。バーコードが付された見切りラベルは、陳列当初から商品に貼り付けられている元のラベルのバーコード上に貼り付けられる。すなわち、値下げ前の価格を示すバーコードの上に、値下げ後の価格を示すバーコードが重ねて貼り付けられる。この場合、レジスタにおいて、値下げ後の価格を示すバーコードが読み取られることにより、値下げ後の価格で清算が行われる。それにより、店員が誤って値下げ前の価格で商品の清算を行うことが防止される。
【特許文献1】特開平11−174958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように元のラベルのバーコード上に見切りラベルを重ねて貼り付ける場合、元のラベルのバーコードが見切りラベルによって完全に隠されていないと、レジスタにおいて見切りラベルのバーコードを正確に読み取ることができないことがある。また、見切りラベルを貼り付ける位置がずれると、元のラベルに印字されている部分のうち、見切りラベルで隠さずに表示すべき部分(例えば消費期限等)が、誤って隠されてしまうこともある。
【0005】
本発明の目的は、2枚のラベルを互いに正確な位置関係で重ねて貼り付けることが可能なラベル貼付装置、ラベル貼付方法およびラベル貼付プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)第1の発明に係るラベル貼付装置は、商品にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、第1および第2のラベルの貼付位置を設定するための設定手段と、設定手段により設定された第1のラベルの貼付位置を記憶するとともに、設定手段により設定された第2のラベルの貼付位置を第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて商品に第1のラベルを貼付した後、記憶手段に記憶された相対座標に基づいて商品に貼付された第1のラベルに重なるように第2のラベルを商品に貼付する貼付手段とを備えるものである。
【0007】
このラベル貼付装置においては、第1および第2のラベルの貼付位置が設定手段により設定される。設定された第1のラベルの貼付位置が記憶手段に記憶される。また、設定された第2のラベルの貼付位置が第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶手段に記憶される。
【0008】
記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて貼付手段により商品に第1のラベルが貼付される。次いで、記憶手段に記憶された相対座標に基づいて商品に貼付された第1のラベルに重なるように貼付手段により商品に第2のラベルが貼付される。
【0009】
この場合、第1のラベルの貼付位置に対する相対座標に基づいて第2のラベルが商品に貼付されることにより、第1のラベル上の所望の位置に第2のラベルを正確に貼付することができる。
【0010】
また、第2のラベルの貼付位置が第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶されるので、第1のラベルの貼付位置を変更しても、第1のラベルと第2のラベルとの相対的な位置関係が維持される。そのため、商品の任意の位置に第1および第2のラベルを互いに一定の位置関係で貼付することができる。
【0011】
(2)設定手段は、画面上に第1および第2のラベルの画像を表示する表示手段と、表示手段により表示された第1および第2のラベルの画像を画面上で移動させる操作手段と、表示手段の画面上に表示された第1および第2のラベルの画像の位置に基づいて商品への第1のラベルの貼付位置を算出するとともに第1のラベルの貼付位置に対する第2のラベルの相対座標を算出する算出手段とを含んでもよい。
【0012】
この場合、作業者が、表示手段の画面上に表示された第1および第2のラベルの画像を操作手段により画面上で移動させる。画面上において移動された第1のラベルの画像の位置に基づいて商品への第1のラベルの貼付位置が算出手段により算出される。また、画面上において移動された第2のラベルの画像の位置に基づいて第1のラベルの貼付位置に対する第2のラベルの相対座標が算出手段により算出される。
【0013】
このように、画面上における第1および第2のラベルの画像の位置に基づいて第1および第2のラベルの貼付位置が算出されることにより、簡単な操作で第1および第2のラベルの貼付位置の設定を行うことができる。
【0014】
(3)貼付手段は、第1のラベルを保持する第1の保持部と、第2のラベルを保持する第2の保持部と、記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて第1の保持部を商品に対して相対的に移動させることにより商品に第1のラベルを貼付した後、記憶手段に記憶された相対座標に基づいて第2の保持部を商品に対して相対的に移動させることにより商品に第2のラベルを貼付する制御手段とを含んでもよい。
【0015】
この場合、記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて第1の保持部が商品に対して相対的に移動されることにより、商品に第1のラベルが貼付される。次いで、記憶手段に記憶された相対座標に基づいて第2の保持部が商品に対して相対的に移動されることにより、商品に貼付された第1のラベルに重なるように商品に第2のラベルが貼付される。
【0016】
このように、第1のラベルを保持する第1の保持部と第2のラベルを保持する第2の保持部とが別個に設けられることにより、共通の保持部により第1および第2のラベルを商品に貼付する場合に比べて、より迅速に第1および第2のラベルを商品に貼付することができる。
【0017】
(4)ラベル貼付装置は、第1のラベルを発行する第1の発行手段と、第2のラベルを発行する第2の発行手段とをさらに備え、第1の保持部は、第1の発行手段により発行された第1のラベルを保持し、第2の保持部は、第2の発行手段により発行された第2のラベルを保持してもよい。
【0018】
この場合、ラベル貼付装置が第1のラベルを発行する第1の発行手段および第2のラベルを発行する第2の発行手段を備えることにより、効率よく迅速に商品への第1および第2のラベルの貼付を行うことができる。
【0019】
また、第1のラベルを発行する第1の発行手段と第2のラベルを発行する第2の発行手段とが別個に設けられることにより、共通の発行手段により第1および第2のラベルが発行される場合と比べて、より迅速に第1および第2のラベルを発行することができる。それにより、より迅速に商品への第1および第2のラベルの貼付を行うことができる。
【0020】
(5)第2の発明に係るラベル貼付方法は、商品にラベルを貼付するためのラベル貼付方法であって、第1および第2のラベルの貼付位置を設定するステップと、設定された第1のラベルの貼付位置を記憶手段に記憶するとともに、設定された第2のラベルの貼付位置を第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶手段に記憶するステップと、記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて商品に第1のラベルを貼付した後、記憶手段に記憶された相対座標に基づいて商品に貼付された第1のラベルに重なるように第2のラベルを商品に貼付するステップとを備えるものである。
【0021】
このラベル貼付方法においては、第1のラベルの貼付位置に対する相対座標に基づいて第2のラベルが商品に貼付されることにより、第1のラベル上の所望の位置に第2のラベルを正確に貼付することができる。
【0022】
また、第2のラベルの貼付位置が第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶されるので、第1のラベルの貼付位置を変更しても、第1のラベルと第2のラベルとの相対的な位置関係が維持される。そのため、商品の任意の位置に第1および第2のラベルを互いに一定の位置関係で貼付することができる。
【0023】
(6)第3の発明に係るラベル貼付プログラムは、商品にラベルを貼付するために処理装置により実行可能なラベル貼付プログラムであって、第1および第2のラベルの貼付位置を設定する処理と、設定された第1のラベルの貼付位置を記憶手段に記憶するとともに、設定された第2のラベルの貼付位置を第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶手段に記憶する処理と、記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて商品に第1のラベルを貼付した後、記憶手段に記憶された相対座標に基づいて商品に貼付された第1のラベルに重なるように第2のラベルを商品に貼付する処理とを、処理装置に実行させるものである。
【0024】
このラベル貼付プログラムにおいては、第1のラベルの貼付位置に対する相対座標に基づいて第2のラベルが商品に貼付されることにより、第1のラベル上の所望の位置に第2のラベルを正確に貼付することができる。
【0025】
また、第2のラベルの貼付位置が第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶されるので、第1のラベルの貼付位置を変更しても、第1のラベルと第2のラベルとの相対的な位置関係が維持される。そのため、商品の任意の位置に第1および第2のラベルを互いに一定の位置関係で貼付することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、第1のラベルの貼付位置に対する相対座標に基づいて第2のラベルが商品に貼付されることにより、第1のラベル上の所望の位置に第2のラベルを正確に貼付することができる。
【0027】
また、第2のラベルの貼付位置が第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶されるので、第1のラベルの貼付位置を変更しても、第1のラベルと第2のラベルとの相対的な位置関係が維持される。そのため、商品の任意の位置に第1および第2のラベルを互いに一定の位置関係で貼付することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態に係るラベル貼付装置、ラベル貼付方法およびラベル貼付プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態では、ラベル貼付装置の例として、ラベルの貼付を行うとともに、商品の計量および包装も行う自動計量包装値付装置について説明する。
【0029】
(1)自動計量包装値付装置の構成
図1は、本実施の形態に係る自動計量包装値付装置の外観斜視図である。なお、図1において、互いに直交する方向をX方向、Y方向およびZ方向としている。また、後述の図2〜図5においても同様に、X方向、Y方向およびZ方向を定義している。以下の説明では、X方向を左右方向とし、Y方向を前後方向とし、Z方向を上下方向とする。
【0030】
図1に示すように、自動計量包装値付装置100は、貼付部50a,50b、ラベル発行部60a,60b、操作部70、計量包装部80および商品押し出し部90を備える。
【0031】
貼付部50aは、駆動部1a、支持部材2aおよび吸着ヘッド3aを含む。駆動部1aは、左右方向に延びる左右移動用シャフト4a、および左右移動用シャフト4aに沿って左右方向に移動可能な左右移動ブロック5aから構成されている。吸着ヘッド3aは、支持部材2aを介して駆動部1aの左右移動ブロック5aに取り付けられている。吸着ヘッド3aは、駆動部1aにより上下方向および左右方向に駆動される。
【0032】
貼付部50bは貼付部50aと同様の構成を有し、駆動部1a、支持部材2aおよび吸着ヘッド3aに相当する駆動部1b、支持部材2bおよび吸着ヘッド3bを含む。駆動部1bは、左右移動用シャフト4aおよび左右移動ブロック5aに相当する左右移動用シャフト4bおよび左右移動ブロック5bから構成される。
【0033】
ラベル発行部60aは、左右移動用シャフト4aの一端部に前後方向において近接するように配置され、ラベル発行部60bは、左右移動用シャフト4bの一端部に左右方向において近接するように配置されている。ラベル発行部60aは発行口6aを有し、発行口6aから前後方向に沿ってラベルを発行する。ラベル発行部60bは発行口6bを有し、発行口6bから左右方向に沿ってラベルを発行する。
【0034】
本実施の形態において、ラベル発行部60aは、商品Wの基本情報(商品名、価格および消費期限等)が印字されたラベル(以下、商品ラベルと呼ぶ)を発行する。また、ラベル発行部60bは、商品Wの値下げ情報(値下げ額等)が印字されたラベル(以下、見切りラベルと呼ぶ)を発行する。商品ラベルおよび見切りラベルの詳細については後述する。
【0035】
操作部70は、タッチパネル9および入力部10を有する。タッチパネル9は、商品名、価格、単価、風袋のサイズおよび自動計量包装値付装置100の各種操作ボタンを表示する。また、入力部10はテンキー等の操作キーを有する。作業者は、タッチパネル9および入力部10を用いて商品名、価格、単価、風袋のサイズ等の入力および登録を行うとともに、自動計量包装値付装置100の各種操作を行う。
【0036】
計量包装部80は、図示しない計量器によって商品Wの計量を行うとともに、図示しない包装手段により商品Wの包装を行う。商品押し出し部90は、プッシャ(押し出し部材)7および台8を含む。プッシャ7は前後方向に移動可能に設けられており、商品押し出し部90に搬送された商品Wを台8上に押し出す。
【0037】
(2)商品の再包装
商品Wが長時間にわたって店頭に陳列されていると、商品Wの包装フィルムが撓んできたり、または商品Wの包装フィルムに傷がついたりする。この場合、商品Wの見栄えが悪くなり、客の心証が悪くなる。そのため、このような場合には商品Wを再包装することが望ましい。
【0038】
以下、商品Wの再包装時における自動計量包装値付装置100の動作について説明する。
【0039】
まず、元の包装フィルムが取り除かれた状態の商品Wが、作業者により計量包装部80に搬入される。搬入された商品Wは、計量包装部80において計量および包装される。続いて、その商品Wは、図示しない上昇機構により商品押し出し部90に搬送される。
【0040】
また、作業者により、後述の商品コードを含む商品Wに関する種々の情報が操作部70により入力される。商品Wに関する種々の情報は、例えば、再包装前の商品Wに貼り付けられていた商品ラベル、すなわち、商品Wから取り除かれた包装フィルムに貼り付けられている商品ラベル(以下、元ラベルと呼ぶ)から得られる。なお、バーコードリーダ等によって元ラベルに付されているバーコードを読み取ることにより、商品Wに関する情報の入力を行ってもよい。
【0041】
操作部70により入力された情報および計量包装部80による商品Wの計量結果に基づいて、ラベル発行部60aが商品Wに対応する商品ラベルを発行し、ラベル発行部60bが商品Wに対応する見切りラベルを発行する。
【0042】
ラベル発行部60aにより発行された商品ラベルは、貼付部50aの吸着ヘッド3aにより保持される。ラベル発行部60bにより発行された見切りラベルは、貼付部50bの吸着ヘッド3bにより保持される。
【0043】
商品押し出し部90に搬送された商品Wは、プッシャ7により押し出され、矢印P方向に移動する。このとき、貼付部50a,50bが、吸着ヘッド3a,3bにより保持している商品ラベルおよび見切りラベルを商品W上の所定の位置に貼り付ける。
【0044】
ここで、貼付部50a,50bの動作の詳細を説明する。図2は貼付部50a,50bの動作を示す模式的平面図である。図3は吸着ヘッド3aによる商品ラベルの保持動作を示す図である。図4は吸着ヘッド3aによる商品ラベルの貼付動作を示す図である。図5は吸着ヘッド3bによる見切りラベルの貼付動作を示す図である。なお、図2においては、左右移動用シャフト4a,4bの図中右側端部を一端部と呼び、図中左側端部を他端部と呼ぶ。
【0045】
まず、図2(a)に示すように、左右移動用ブロック5aが左右移動用シャフト4aの一端部の待機位置において待機し、左右移動用ブロック5bが左右移動用シャフト4bの他端部の待機位置において待機する。その状態で、ラベル発行部60aにより商品ラベルL1が発行され、ラベル発行部60bにより見切りラベルL2が発行される。この場合、商品ラベルL1は、左右移動用ブロック5aの下方位置に発行され、見切りラベルL2は、左右移動用ブロック5bの下方位置に発行される。
【0046】
次に、発行された商品ラベルL1および見切りラベルL2が吸着ヘッド3a,3bにより保持される。ここで、図3を参照して商品ラベルL1を保持する際の吸着ヘッド3aの動作を説明する。見切りラベルL2を受け取る際の吸着ヘッド3bの動作は、図3に示す吸着ヘッド3aの動作と同様である。
【0047】
図3(a)および図3(b)に示すように、駆動部1aが吸着ヘッド3aを下降させ、商品ラベルL1に近づける。その状態で、吸着ヘッド3aが商品ラベルL1を吸着する。そして、図3(c)に示すように、駆動部1aが吸着ヘッド3aを上昇させることにより、ラベル発行部60aの発行口6aからラベルL1を引き離す。これにより、商品ラベルL1が吸着ヘッド3aにより保持される。
【0048】
続いて、図2(b)に示すように、商品Wがプッシャ7(図1)により矢印P方向に押し出されて左右移動用シャフト4aの下方位置まで移動すると、左右移動用ブロック5aが、左右移動用シャフト4aに沿って商品Wの上方の位置まで移動する。
【0049】
そして、図4(a)および図4(b)に示すように、駆動部1aが吸着ヘッド3aを下降させ、商品ラベルL1を商品W上の所定の位置に貼り付ける。続いて、吸着ヘッド3aによる商品ラベルL1の保持が解除され、図4(c)に示すように、駆動部1aが吸着ヘッド3aを上昇させる。その後、左右移動用ブロック5aは、上記の待機位置に退避する。
【0050】
続いて、図2(c)に示すように、商品Wが左右移動用シャフト4bの下方位置まで移動すると、左右移動用ブロック5bが、左右移動用シャフト4bに沿って商品Wの上方の位置まで移動する。そして、図5(a)および図5(b)に示すように、駆動部1bが吸着ヘッド3bを下降させ、見切りラベルL2を商品W上に貼り付ける。この場合、見切りラベルL2は、商品ラベルL1上の所定の位置に重ねて貼り付けられる。
【0051】
続いて、吸着ヘッド3bによる見切りラベルL2の保持が解除され、図5(c)に示すように、駆動部1bが吸着ヘッド3bを上昇させる。その後、左右移動用ブロック5bは、上記の待機位置に退避する。これにより、貼付部50a,50bの動作が完了する。
【0052】
なお、ここでは、商品ラベルL1および見切りラベルL2を商品Wに貼り付ける場合を示したが、後述のように、作業者は、見切りラベルL2の貼付を行うか否かを任意に設定することができる。
【0053】
(3)商品ラベルおよび見切りラベルの詳細
図6は、商品ラベルL1および見切りラベルL2の詳細を説明するための図である。図6(a)は商品ラベルL1の詳細を示す図であり、図6(b)は見切りラベルL2の詳細を示す図である。また、図6(c)は、商品W上における商品ラベルL1および見切りラベルL2の相対的な位置関係を示す図である。
【0054】
図6(a)に示すように、商品ラベルL1には、商品名、消費期限、価格およびリサイクル情報(点線N1で囲まれる部分)等を含む商品Wの基本情報が印字されている。また、商品ラベルL1には、商品コードおよび価格等を示すバーコードE1が付されている。
【0055】
バーコードE1の下側には、商品コードおよび価格等を示す数字が印字されている。具体的には、図6(a)の例において、点線N2で囲まれる6桁の数字(030201)が商品コードであり、点線N3で囲まれる3桁の数字(200)が商品Wの価格を示す。
【0056】
図6(b)に示すように、見切りラベルL2には、値下げ額等を含む商品Wの値下げ情報が印字されている。また、見切りラベルL2には、商品コードおよび値下げ後の価格等を示すバーコードE2が付されている。
【0057】
図6(c)に示すように、商品W上において、見切りラベルL2は、商品ラベルL1のバーコードE1を覆うように、商品ラベルL1上に重ねて貼り付けられる。消費期限およびリサイクル情報等の表示義務がある情報は、見切りラベルL2によって隠されることなく、露出している。後述のように、見切りラベルL2の貼付位置は、商品ラベルL1に対する相対座標に基づいて設定される。
【0058】
(4)自動計量包装値付装置の制御系
次に、自動計量包装値付装置100の制御系について説明する。図7は、自動計量包装値付装置100の内部構成を示すブロック図である。図7に示すように、自動計量包装値付装置100は、CPU(中央演算処理装置)101、ROM(リードオンリメモリ)102、RAM(ランダムアクセスメモリ)103および外部記憶装置104を備える。
【0059】
CPU101は、貼付部50a,50b、ラベル発行部60a,60b、操作部70、計量包装部80および商品押し出し部90を制御する。CPU101は、後述の再包装処理を実行することにより、図1〜図5に示した自動計量包装値付装置100の動作を実現させる。
【0060】
ROM102には、システムプログラムが記憶される。RAM103は、CPU101が種々の処理を実行するための作業領域として機能する。外部記憶装置104はハードディスク装置等からなり、再包装処理プログラム104aおよび商品マスタテーブル104aを記憶する。再包装処理プログラム104aは、CPU101が再包装処理を実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0061】
商品マスタテーブル104bは、商品に関する情報の集合である商品マスタを格納する。図8は、商品マスタテーブル104bの一例を示す図である。図8に示すように、商品マスタテーブル104bには、商品コード、商品名、単価および値下げ額等を含む商品マスタが商品毎に格納されている。
【0062】
(5)CPUによる再包装処理
以下、CPU101による再包装処理について説明する。図9〜図11は、CPU101による再包装処理のフローチャートである。
【0063】
図9に示すように、まず、CPU101は、作業者により商品コードが入力されたか否かを判定する(ステップS1)。上記のように、商品コードの入力は、例えば再包装前の商品Wに貼り付けられていた商品ラベル(元ラベル)を用いて行われる。
【0064】
商品コードが入力されていない場合、CPU101は、ステップS1の処理を繰り返す。商品コードが入力された場合、CPU101は、タッチパネル9上に商品確認画面を起動する(ステップS2)。
【0065】
図12は、商品確認画面の一例を示す図である。図12に示すように、商品確認画面D1には、図8の商品マスタテーブル104bに基づいて、入力された商品コードに対応する商品名および単価等が表示される。また、商品確認画面D1には、再包装処理指示キーB1およびキャンセルキーB2が表示される。
【0066】
作業者は、商品確認画面D1において、まず商品Wの確認を行う。商品確認画面D1に表示された商品名および単価等が実際に包装する商品Wの商品名および単価等と一致していれば、作業者は再包装指示キーB1を押下する。商品確認画面D1に表示された商品名および単価等が実際に包装する商品Wの商品名および単価等と異なる場合、作業者はキャンセルキーB2を押下する。
【0067】
図9に示すように、CPU101は、キャンセルキーB2が押下されたか否かを判定する(ステップS3)。キャンセルキーB2が押下された場合、CPU101は、ステップS1の処理に戻る。キャンセルキーB2が押下されていない場合、CPU101は、再包装指示キーB1が押下されたか否かを判定する(ステップS4)。再包装指示キーB1が押下されていない場合、CPU101は、ステップS3の処理に戻る。再包装指示キーB1が押下された場合、CPU101は、タッチパネル9上に再包装確認画面を起動する(ステップS5)。
【0068】
図13は、再包装確認画面の一例を示す図である。図13に示すように、再包装確認画面D2には、加工日時の設定および変更を行うための入力領域E11ならびに見切りラベルL2の発行の有無を設定するための入力領域E12が表示される。また、再包装確認画面D2には、決定キーB3およびキャンセルキーB4が表示される。
【0069】
作業者は、再包装確認画面D2の入力領域E11において、商品Wの加工日時を設定する。商品Wの加工日時の設定は、例えば元ラベルを参照して行われる。また、作業者は、入力領域E12において、見切りラベルL2を発行するか否かを選択するとともに、商品Wの値下げ額を設定する。商品Wの値下げ額は、商品マスタテーブル104bに基づいて予め表示される。この表示された値下げ額を作業者が変更することも可能である。
【0070】
商品Wの加工日時、見切りラベルL2の発行の有無および値下げ額を設定した後、作業者は決定キーB3を押下する。また、商品Wの再包装を中止する場合には、作業者はキャンセルキーB4を押下する。
【0071】
図9に示すように、CPU101は、キャンセルキーB4が押下されたか否かを判定する(ステップS6)。キャンセルキーB4が押下された場合、CPU101は、ステップS1の処理に戻る。キャンセルキーB4が押下されていない場合、CPU101は、決定キーB3が押下されたか否かを判定する(ステップS7)。
【0072】
決定キーB3が押下されていない場合、CPU101は、ステップS6の処理に戻る。決定キーB3が押下された場合、CPU101は、見切りラベルL2の発行がありと設定されたか否かを判定する(ステップS8)。
【0073】
見切りラベルL2の発行がありと設定された場合、図10に示すように、CPU101は、タッチパネル9上に後述のラベル位置設定画面を起動する(ステップS9)。作業者は、ラベル位置設定画面において商品ラベルL1および見切りラベルL2の貼付位置を設定する。それに基づいて、CPU101が商品ラベルL1および見切りラベルL2の貼付位置を外部記憶装置104に記憶させる(ステップS10)。
【0074】
本実施の形態においては、商品ラベルL1の貼付位置が絶対座標で記憶され、見切りラベルL2の貼付位置が商品ラベルL1の貼付位置に対する相対座標で記憶される。詳細は後述する。
【0075】
続いて、CPU101は、計量包装部80を制御することにより、商品Wの計量および包装を行う(ステップS11)。次に、CPU101は、商品Wの計量結果および図8の商品マスタテーブル104bに示される商品Wの単価に基づいて商品Wの価格を算出する(ステップS12)。
【0076】
次に、CPU101は、ラベル発行部60aを制御することにより、ステップS12において算出した価格を含む商品Wの基本情報を印字した商品ラベルL1を発行する(ステップS13)。また、CPU101は、ラベル発行部60bを制御することにより、再包装確認画面D2において設定された値下げ額を含む値下げ情報を印字した見切りラベルL2を発行する(ステップS14)。
【0077】
そして、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1および見切りラベルL2の貼付位置に基づいてプッシャ7および貼付部50a,50bを制御することにより、図2〜図4に示したように、商品W上の所定位置に商品ラベルL1および見切りラベルL2を貼り付ける(ステップS15)。
【0078】
この場合、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1の貼付位置を示す絶対座標に基づいて商品押し出し部90のプッシャ7のY方向(図2における矢印P参照)における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいてプッシャ7を制御する。それにより、プッシャ7がY方向に算出された距離移動し、商品Wを押動する。
【0079】
また、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1の貼付位置を示す絶対座標に基づいて吸着ヘッド3aのX方向における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいて駆動部1aを制御する。それにより、駆動部1aが吸着ヘッド3aをX方向に算出された距離移動させるとともに吸着ヘッド3aを商品Wの表面に近づくようにZ方向に移動させる。その結果、商品Wの表面に商品ラベルL1が貼付される。
【0080】
その後、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1に対する見切りラベルL2の貼付位置を示す相対座標に基づいてプッシャ7のY方向における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいてプッシャ7を制御する。それにより、プッシャ7がY方向に算出された距離移動し、商品Wを押動する。
【0081】
また、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1に対する見切りラベルL2の貼付位置を示す相対座標に基づいて貼付部50bの吸着ヘッド3bのX方向における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいて駆動部1bを制御する。それにより、駆動部1bが吸着ヘッド3bをX方向に算出された距離移動させるとともに吸着ヘッド3bを商品Wの表面に近づくようにZ方向に移動させる。その結果、商品Wの表面の商品ラベルL1の所定位置に重なるように見切りラベルL2が貼付される。
【0082】
一方、図9のステップS8において、見切りラベルL2の発行がなしと設定された場合、図11に示すように、CPU101は、タッチパネル9上に後述のラベル位置設定画面を起動する(ステップS16)。この場合、作業者は、ラベル位置設定画面において商品ラベルL1の貼付位置を設定する。それに基づいて、CPU101が商品ラベルL1の貼付位置を外部記憶装置104に記憶させる(ステップS17)。
【0083】
続いて、CPU101は、計量包装部80を制御することにより、商品Wの計量および包装を行う(ステップS18)。次に、CPU101は、商品Wの計量結果および商品マスタテーブル104bに示される商品Wの単価に基づいて商品Wの価格を算出する(ステップS19)。
【0084】
次に、CPU101は、ラベル発行部60aを制御することにより、ステップS19において算出した価格を含む商品Wの基本情報を印字した商品ラベルL1を発行する(ステップS20)。
【0085】
そして、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1の貼付位置に基づいてプッシャ7および貼付部50aを制御することにより、商品W上の所定位置に商品ラベルL1を貼り付ける(ステップS21)。
【0086】
(6)商品ラベルおよび見切りラベルの貼付位置の設定
次に、ラベル位置設定画面の詳細ならびに商品ラベルL1および見切りラベルL2の貼付位置の設定方法について説明する。
【0087】
図14〜図16は、ラベル位置設定画面の一例を示す図である。まず、図14(a)に示すように、ラベル位置設定画面D3には、商品トレイの画像(以下トレイ画像と呼ぶ)Tが表示される。また、ラベル位置設定画面D3には、決定キーB11が表示される。
【0088】
作業者は、実際の商品Wの幅および高さに基づいて、トレイ画像Tの幅M11および高さM12を設定する。なお、図1における左右方向の長さが幅M11に対応し、前後方向の長さが高さM12に対応する。なお、トレイ画像Tの幅M11および高さM12の複数の組み合わせを予め登録しておき、その中から作業者が選択してもよい。作業者は、トレイ画像Tの幅M11および高さM12を設定した後、決定キーB11を押下する。
【0089】
続いて、図14(b)に示すように、ラベル位置設定画面D3には、トレイ画像Tに重なるように商品ラベルL1の画像(商品ラベル画像と呼ぶ)L1aが表示される。また、ラベル位置設定画面D3には、決定キーB12および戻るキーB13が表示される。
【0090】
作業者は、入力部10を操作することにより、図15(c)に示すように、商品ラベル画像L1aをトレイ画像T上の所望の位置に移動させる。次いで、作業者が決定キーB12を押下する。それにより、ラベル位置設定画面D3における商品ラベル画像L1aの位置に対応するように、商品ラベルL1の貼付位置が算出される。
【0091】
この場合、商品ラベルL1の貼付位置は絶対座標で表される。具体的には、貼付部50a,50bには水平面上での共通の原点が予め定められている。貼付部50a,50bの原点は、例えばX方向における左端およびY方向における最も手前の位置に定められる。絶対座標は、この原点からX方向およびY方向への距離で表される。算出された商品ラベルL1の貼付位置の絶対座標は外部記憶装置104に記憶される。なお、予め商品ラベルL1の貼付位置の絶対座標を外部記憶装置104に記憶させておいてもよい。
【0092】
一方、戻るキーB13を押下することにより、図14(a)に示した画面に戻ることができる。
【0093】
続いて、図15(d)に示すように、ラベル位置設定画面D3には、トレイ画像Tおよび商品ラベル画像L1aに重なるように見切りラベルL2の画像(以下、見切りラベル画像と呼ぶ)L2aが表示される。また、ラベル位置設定画面D3には、定位置キーB14、決定キーB15および戻るキーB16が表示される。
【0094】
本実施の形態では、見切りラベルL2の貼付位置が、商品ラベルL1に対する相対座標で初期値として予め外部記憶装置104に記憶されている。具体的には、図16(e)に示すように、商品ラベルL1の基準位置P1(例えば中心位置)に対する見切りラベルL2の基準位置P2(例えば中心位置)の相対座標(X1,Y1)が記憶されている。相対座標(X1,Y1)は、商品ラベルL1の基準位置P1からX方向およびY方向への距離で表される。
【0095】
作業者が定位置キーB14を押下すると、予め記憶された初期値が維持される。商品ラベルL1に対する見切りラベルL2の貼付位置の相対座標を初期値から変更する場合には、作業者が定位置キーB14を押下せずに、図16(f)に示すように、入力部10の操作によって見切りラベル画像L2aをトレイ画像T上の所望の位置に移動させる。
【0096】
次いで、作業者が決定キーB15を押下する。それにより、ラベル位置設定画面D3における見切りラベル画像L2aの位置に対応するように、商品ラベルL1に対する見切りラベルL2の貼付位置の相対座標が算出される。算出された見切りラベルL2の貼付位置の相対座標は、外部記憶装置104に記憶される。
【0097】
なお、戻るキーB16を押下することにより、図15(c)に示した画面に戻ることができる。このように、ラベル位置設定画面上における操作により、商品ラベルL1の貼付位置の絶対座標、および商品ラベルL1に対する見切りラベルL2の貼付位置の相対座標が外部記憶装置104に記憶される。
【0098】
CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1の貼付位置を示す絶対座標および商品押し出し部90のプッシャ7の現在位置からプッシャ7のY方向(図2における矢印P参照)における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいてプッシャ7を制御する。
【0099】
また、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1の貼付位置を示す絶対座標および貼付部50aの吸着ヘッド3aの現在位置から吸着ヘッド3aのX方向における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいて駆動部1aを制御する。それにより、絶対座標で表される商品Wの位置に商品ラベルL1が貼付される。
【0100】
同様に、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1に対する見切りラベルL2の貼付位置を示す相対座標およびプッシャ7の現在位置からプッシャ7のY方向における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいてプッシャ7を制御する。
【0101】
また、CPU101は、外部記憶装置104に記憶された商品ラベルL1に対する見切りラベルL2の貼付位置を示す相対座標および貼付部50bの吸着ヘッド3bの現在位置から吸着ヘッド3bのX方向における移動距離を算出し、算出された移動距離に基づいて駆動部1bを制御する。それにより、相対座標で表される商品Wの位置で商品ラベルL1の所定位置に重なるように見切りラベルL2が貼付される。
【0102】
なお、見切りラベルL2を発行しない場合には、ラベル位置設定画面上において、商品ラベルL1の貼付位置の設定のみを行う(図14(a)〜図15(c)参照)。
【0103】
(7)本実施の形態の効果
本実施の形態においては、作業者が商品ラベルL1および見切りラベルL2の貼付位置を予め設定することにより、商品ラベルL1のバーコードE1上に見切りラベルL2を重ねて貼り付けることができる。
【0104】
この場合、見切りラベルL2の貼付位置が商品ラベルL1に対する相対座標で記憶されることにより、商品ラベルL1上の所望の位置に見切りラベルL2を正確に貼り付けることができる。それにより、見切りラベルL2の貼付位置がずれて商品ラベルL1のバーコードE1が露出すること、または商品ラベルL1の表示すべき部分が見切りラベルL2によって隠されることが確実に防止される。
【0105】
また、商品ラベルL1の貼付位置を変更しても、商品ラベルL1と見切りラベルL2との相対的な位置関係が維持される。そのため、商品ラベルL1の貼付位置を変更する際に、見切りラベルL2の貼付位置を設定し直す必要がなくなり、作業時間を短縮することができる。
【0106】
また、本実施の形態では、タッチパネル9上に商品ラベル画像L1aおよび見切りラベル画像L2aの画像が表示され、商品ラベル画像L1aおよび見切りラベル画像L2aをトレイ画像T上の所望の位置に移動させることによって商品ラベルL1および見切りラベルL2の貼付位置の設定を行う。そのため、簡単な操作で商品ラベルL1および見切りラベルL2の貼付位置の設定を行うことができる。
【0107】
なお、本実施の形態の自動計量包装値付装置100においては、商品に2枚のラベルを前後または左右に隙間なく並べて貼り付けることもできる。そのため、例えば表示したい情報量が1枚のラベルに印字できる容量を超える場合に、その情報を2枚のラベルに分けて印字し、それらを隙間なく並べて貼り付けることにより、2枚のラベルの情報を1つのまとまった情報として表示することができる。
【0108】
(8)他の実施の形態
上記実施の形態では、商品Wの再包装時に、商品ラベルL1上に見切りラベルL2を重ねて貼り付ける場合について示したが、これに限らず、任意の2枚のラベルを互いに重なるように貼り付けてもよい。
【0109】
例えばバーゲンセール時において、値下げ前の価格を示すバーコードが付された元のラベル上に、値下げ後の価格を示すバーコードが付された値下げ用のラベルを重ねて貼り付けてもよい。この場合にも、値下げ前の価格を示すバーコードが完全に隠れるように元のラベル上に値下げ用のラベルを正確に重ねて貼り付けることができる。
【0110】
また、例えば万引きを防止するためのRFID(Radio Frequency Identification)タグラベルが商品に貼付されることがある。この場合、RFIDタグラベルの存在を視認することができる状態であると、商品の見栄えが悪くなり、客の購買意欲を損なうおそれがある。
【0111】
そこで、上記実施の形態と同様の方法で、RFIDタグラベル上にバーコード等が付された通常のラベルを重ねて貼り付けてもよい。その場合、RFIDタグラベルが完全に隠れるように通常のラベルを正確に重ねて貼り付けることができるので、客の購買意欲を損なうことなく、万引き等を防止することができる。
【0112】
また、上記実施の形態では、プッシャ7により商品WをY方向に移動させるとともに、駆動部1a,1bにより吸着ヘッド3a,3bをX方向およびZ方向に移動させることにより、商品Wに商品ラベルL1および見切りラベルL2を貼付しているが、これに限らず、商品Wを固定した状態で、吸着ヘッド3a,3bをX方向、Y方向およびZ方向に移動させて商品Wに商品ラベルL1および見切りラベルL2を貼付する構成としてもよい。または、吸着ヘッド3a,3bを固定した状態で、商品WをX方向、Y方向およびZ方向に移動させて商品Wに商品ラベルL1および見切りラベルL2を貼付する構成としてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、貼付部50aにより商品Wに商品ラベルL1を貼付し、貼付部50bにより商品Wに見切りラベルL2を貼付しているが、これに限らず、共通の貼付部により商品Wに商品ラベルL1および見切りラベルL2を貼付する構成としてもよい。
【0114】
(9)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0115】
上記実施の形態では、商品ラベルL1が第1のラベルの例であり、見切りラベルL2が第2のラベルの例であり、外部記憶装置104が記憶手段の例であり、貼付部50a,50bおよびCPU101が貼付手段の例であり、操作部70が表示手段および操作手段の例であり、CPU101が算出手段の例であり、吸着ヘッド3aが第1の保持部の例であり、吸着ヘッド3bが第2の保持部の例であり、CPU101が制御手段の例であり、ラベル発行部60aが第1の発行手段の例であり、ラベル発行部60bが第2の発行手段の例であり、再包装処理プログラム104aがラベル貼付プログラムの例である。
【0116】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、スーパーマーケット等における商品へのラベルの貼付時に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本実施の形態に係る自動計量包装値付装置の外観斜視図である。
【図2】貼付部の動作を示す図である。
【図3】貼付部の動作を示す図である。
【図4】貼付部の動作を示す図である。
【図5】貼付部の動作を示す図である。
【図6】商品ラベルおよび見切りラベルの詳細を説明するための図である。
【図7】自動計量包装値付装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】商品マスタテーブルの一例を示す図である。
【図9】CPUによる再包装処理のフローチャートである。
【図10】CPUによる再包装処理のフローチャートである。
【図11】CPUによる再包装処理のフローチャートである。
【図12】商品確認画面の一例を示す図である。
【図13】再包装確認画面の一例を示す図である。
【図14】ラベル位置設定画面の一例を示す図である。
【図15】ラベル位置設定画面の一例を示す図である。
【図16】ラベル位置設定画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
1a 駆動部
2a 支持部材
3a 吸着ヘッド
7 プッシャ
9 タッチパネル
10 入力部
50a,50b 貼付部
60a,60b ラベル発行部
70 操作部
80 計量包装部
90 商品押し出し部
100 自動計量包装値付装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 外部記憶装置
L1 商品ラベル
L2 見切りラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、
第1および第2のラベルの貼付位置を設定するための設定手段と、
前記設定手段により設定された第1のラベルの貼付位置を記憶するとともに、前記設定手段により設定された第2のラベルの貼付位置を第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて商品に第1のラベルを貼付した後、前記記憶手段に記憶された相対座標に基づいて商品に貼付された第1のラベルに重なるように第2のラベルを商品に貼付する貼付手段とを備えることを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記設定手段は、
画面上に第1および第2のラベルの画像を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された第1および第2のラベルの画像を画面上で移動させる操作手段と、
前記表示手段の画面上に表示された第1および第2のラベルの画像の位置に基づいて商品への第1のラベルの貼付位置を算出するとともに第1のラベルの貼付位置に対する第2のラベルの相対座標を算出する算出手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記貼付手段は、
第1のラベルを保持する第1の保持部と、
第2のラベルを保持する第2の保持部と、
前記記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて前記第1の保持部を商品に対して相対的に移動させることにより商品に第1のラベルを貼付した後、前記記憶手段に記憶された相対座標に基づいて前記第2の保持部を商品に対して相対的に移動させることにより商品に第2のラベルを貼付する制御手段とを含むことを特徴とする請求項2記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
第1のラベルを発行する第1の発行手段と、
第2のラベルを発行する第2の発行手段とをさらに備え、
前記第1の保持部は、前記第1の発行手段により発行された第1のラベルを保持し、
前記第2の保持部は、前記第2の発行手段により発行された第2のラベルを保持することを特徴とする請求項3記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
商品にラベルを貼付するためのラベル貼付方法であって、
第1および第2のラベルの貼付位置を設定するステップと、
設定された第1のラベルの貼付位置を記憶手段に記憶するとともに、設定された第2のラベルの貼付位置を第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で前記記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて商品に第1のラベルを貼付した後、前記記憶手段に記憶された相対座標に基づいて商品に貼付された第1のラベルに重なるように第2のラベルを商品に貼付するステップとを備えることを特徴とするラベル貼付方法。
【請求項6】
商品にラベルを貼付するために処理装置により実行可能なラベル貼付プログラムであって、
第1および第2のラベルの貼付位置を設定する処理と、
設定された第1のラベルの貼付位置を記憶手段に記憶するとともに、設定された第2のラベルの貼付位置を第1のラベルの貼付位置に対する相対座標で前記記憶手段に記憶する処理と、
前記記憶手段に記憶された第1のラベルの貼付位置に基づいて商品に第1のラベルを貼付した後、前記記憶手段に記憶された相対座標に基づいて商品に貼付された第1のラベルに重なるように第2のラベルを商品に貼付する処理とを、
前記処理装置に実行させることを特徴とするラベル貼付プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−213846(P2008−213846A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49937(P2007−49937)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】