説明

ラベル貼付装置

【課題】RFIDラベルを作り上げながら被着体に貼付できるとともに、1台の装置で複数種類のラベルを各ラベルに適した方法で被着体に貼付できるようにする。
【解決手段】台紙なしラベル2とRFIDテープ3が貼り合わせローラ7により張り合わされてRFIDラベル4が形成された場合、台紙57は転向ピン18により搬送方向が転向され台紙巻取部70の軸71に巻き取られる。RFIDラベル4はプラテン11の回転により搬送されながらRFIDリードライト部17によるデータの書き込みおよびサーマルヘッド10による印刷処理がされた後、カッタユニット12によりカットされ、その切片の後端部が送りローラ13により保持され、吸着板15の空気孔から排出されるエアーによって商品に貼付される。台紙なしラベル2のみが搬送される場合、その切片が吸着板15で吸着されたまま移動して商品に押圧され貼付される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル貼付装置に関し、特に、RFIDラベルを作り上げながら貼り付けを行うことができるラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予めRFIDインレットが挿入されたRFIDラベルを利用して、RFIDインレットにデータを記録し、RFIDラベルに印字を行った後、所定の物品に貼付を行っていた。しかしながら、予めRFIDラベルを用意しておく場合、ラベルの大きさを変更したいとき、RFIDインレットを剥がして所望の大きさのラベルに貼り付けてRFIDラベルを作り直さなければならず、そのための労力と資金が必要になるという問題があった。
そこで、ラベルを物品に貼り付ける直前に、そのラベルの裏面の一部分にRFIDタグを貼り付け、RFIDラベルを作成した後、そのRFIDラベルを被着体である商品等に貼り付けることにより、ラベルの変更を容易にしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−53116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、背景技術では、ラベルのみを商品等に貼り付ける場合には専用のラベル貼付装置を用い、RFIDラベルを貼り付ける場合には専用のラベル貼付装置を用いなければならないため、ラベル貼付装置を2台設置しなければならず、設置スペースやコスト面で無駄が生じるという問題があった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、RFIDインレットのないラベルの被着体である商品等への貼付と、RFIDインレットのあるRFIDラベルの被着体への貼付とを同一の装置で切り替えて行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のラベル貼付装置は、ロール状に保持したラベルを供給するラベル供給手段と、ロール状に保持したRFIDインレットを供給するRFIDインレット供給手段と、RFIDインレットを構成する台紙を巻き取る台紙巻取手段と、ラベル供給手段によって供給されたラベルと、RFIDインレット供給手段によって供給されたRFIDインレットとを貼り合わせ、RFIDラベルを形成する貼合手段と、ラベルまたはRFIDラベルを搬送する搬送手段と、ラベルのみが搬送される場合、ラベルのみをカットし、RFIDラベルが搬送される場合、RFIDラベルをカットするカット手段と、カット手段によってラベルのみがカットされた場合、ラベルの切片を第1の方法で所定の被着体に貼り付け、カット手段によってRFIDラベルがカットされた場合、RFIDラベルの切片を第2の方法で所定の被着体に貼り付ける貼付手段とを備えることを特徴とする。
また、RFIDラベルを構成するRFIDインレットに対して所定のデータの書き込みまたは読み出しを行うRFIDリードライト手段、および、RFIDラベルの印刷面に対して所定の印刷データを印刷する印刷手段の少なくともいずれか一方をさらに備えるようにすることができる。
また、ラベルのみを被着体に貼り付ける第1の方法と、RFIDラベルを被着体に貼り付ける第2の方法とを切り替える切替手段をさらに備え、第1の方法においてラベルのみを被着体に貼り付ける場合、貼付手段は、ラベルを押圧式によって被着体に貼り付け、第2の方法においてRFIDラベルを被着体に貼り付ける場合、貼付手段は、RFIDラベルをシリンダージェット式によって被着体に貼り付けるようにすることができる。
また、台紙巻取手段にRFIDインレットから剥離された台紙が巻き取られているか否かを検出する台紙検出手段をさらに備え、台紙検出手段によって台紙が台紙巻取手段に巻き取られていないことが検出された場合、切替手段は、第1の方法に切り替え、台紙検出手段によって台紙が台紙巻取手段に巻き取られていることが検出された場合、切替手段は、第2の方法に切り替えるようにすることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のラベル貼付装置によれば、RFIDラベルを作成しながら貼付することができるので、予めRFIDラベルを用意する必要がなく、様々な大きさのラベルに対応することができる。また、ラベルのみを貼付する動作と、RFIDラベルを貼付する動作とを切り替え可能とすることができるので、RFIDインレットのないラベルの物品への貼付と、RFIDインレットのあるRFIDラベルの被着体への貼付とを同一の装置を用いて容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明のラベル貼付装置の一実施の形態の構成例を示している。同図に示すように、ラベル貼付装置100は、各部を制御する制御部20と、各種データやコマンドを入力するための操作パネル16と、図3(a)を参照して後述するように、印刷紙1の裏面に糊51が塗布されて構成されている台紙のない台紙なしラベル(ノンセパラベル)2を供給する台紙なしラベル供給部50と、図3(b)を参照して後述するように、RFIDインレット40が一定間隔で台紙57に糊54を介して貼り付けられたRFIDテープ3を供給するRFIDインレット供給部60と、所定の光を出射する図示しない発光部と、発光部からの光を受光し、受光した光の強度(単位時間当たりの受光量)に対応する電気信号を出力する受光部とからなり、台紙なしラベル2の終端を検出する、台紙なしラベル2の搬送経路付近に設けられたラベル切れ検出センサ5と、所定の光を出射する図示しない発光部と、発光部からの光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する受光部とからなり、RFIDテープ3の終端を検出する、RFIDテープ3の搬送経路付近に設けられたRFIDインレット切れ検出センサ6と、台紙なしラベル供給部50から供給される台紙なしラベル2の裏面(糊51が塗布されている面)とRFIDインレット供給部60から供給されるRFIDテープ3の表面(糊54が塗布されている面の反対側の面(保護テープ52が糊53を介してRFIDインレット40に貼り付けられている面))とが接触するように台紙なしラベル2およびRFIDテープ3をそれぞれガイドし、台紙なしラベル2の裏面にRFIDテープ3の表面を貼り合わせるように作用する2つの貼り合わせローラ7と、台紙なしラベル2の裏面にRFIDテープ3の表面が貼り合わされて形成されたRFIDラベル4の搬送経路付近のRFIDラベル4の裏面の側に設けられ、所定の光を出射する図示せぬ発光部と、発光部から出射された光のRFIDラベル4からの反射光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する図示せぬ受光部とからなり、台紙なしラベル2の印刷紙1の裏面に印刷等によって形成されたアイマーク(黒の矩形のマーク)55、または、RFIDラベル4を構成する保護テープ52の裏面に印刷等によって形成されたアイマーク56を、受光部の受光量に基づいて検出するアイマーク検出センサ8と、RFIDテープ3を構成する台紙57を剥離し、その台紙57の搬送方向を後述する台紙巻取部70の方向に転向させる転向ピン18と、その台紙57を巻き取る台紙巻取部70と、台紙巻取部70の軸71内に設けられ、台紙巻取部70に台紙57が巻き取られているか否かを検出する台紙検出センサ19と、RFIDインレット40を構成するICチップ42に対してデータの読み取りおよび書き込みを行うRFIDリードライト部17と、台紙なしラベル2の表面に形成された印刷可能な印刷面に対して所定の印刷データを印刷するサーマルヘッド10と、台紙なしラベル2とRFIDテープ3とが貼り合わせローラ7によって貼り合わされて形成されたRFIDラベル4を使用する場合にはRFIDラベル4をサーマルヘッド10に押圧しながら搬送し、RFIDテープ3が貼り合わせられていない台紙なしラベル2のみを使用する場合には台紙なしラベル2をサーマルヘッド10に押圧しながら搬送するプラテン11と、RFIDラベル4または台紙なしラベル2を所定のタイミングで切断するカッタユニット12と、切断されたRFIDラベル4または台紙なしラベル2を排出する送りローラ13と、RFIDラベル4が排出された場合には、そのRFIDラベル4にエアーを吹き付けて被着体である所定の商品等に押し付けて貼付し、台紙なしラベル2のみが排出された場合には、台紙なしラベル2を吸着して保持し、その台紙なしラベル2を保持したまま所定の商品等に接近する方向に移動して、所定の商品等に台紙なしラベル2を押し付けて貼り付ける吸着板15と、吸着板15の駆動を制御するラベル貼付部14等から構成されている。即ち、吸着板15には、エアーを吸入したり、排出したりする図示しない空気孔が設けられており、ラベル貼付部14の制御により、その空気孔からエアーを吸入して台紙なしラベル2を吸着して保持し、吸着板15を商品等に押圧してエアーの吸入を停止させ、台紙なしラベル2を商品等に貼付したり、吸着板15の空気孔からエアーを排出させてRFIDラベル4を風圧によって商品等に吹き付けて貼付したりすることができるようになっている。
【0008】
後述するように、被着体である商品等の種類や用途に応じて、台紙なしラベル2のみが搬送される場合と、台紙なしラベル2とRFIDテープ3とを貼り合わせたRFIDラベル4が搬送される場合とがあり、台紙なしラベル2のみが搬送される場合には、アイマーク検出センサ8は、台紙なしラベル2の印刷紙1の裏面に形成されたアイマーク55を検出し、RFIDラベル4が搬送される場合には、保護テープ52の裏面に印刷等により形成されたアイマーク56を検出するようになっている。保護テープ52は、例えば白色とされる。
【0009】
図2は、図1の実施の形態の電気的な構成例を示すブロック図である。同図に示すように、ラベル貼付装置100は、制御部20と、制御部20の制御により動作する上述した各部より構成されている。制御部20は、プリンタ制御プログラム、各種固定データ、制御テーブルデータ、IO(Input/Output)定数、モータ制御プログラム、通信制御プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)23と、ROM23に記憶されている各種制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(Central Processing Unit)21と、CPU21が動作する上で必要となるフラグデータを記憶するフラグエリア、CPU21が動作する上で必要となるデータを記憶するワークエリア、および印刷データが展開される印刷展開エリア等を有し、これらの各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)22と、プラテン11を回転させることにより、台紙なしラベル2またはRFIDラベル4を搬送方向に搬送駆動するステッピングモータ等からなる搬送部25と、搬送部25を制御する搬送制御部24と、CPU21の制御下、RAM22の印刷展開エリアに展開された印刷すべき文字、図形、およびバーコードなどの印刷データに対応する制御信号を生成し、生成した制御信号をサーマルヘッド10に供給して印刷動作を行わせるサーマルヘッド制御部26と、CPU21の制御下、アイマーク検出センサ8を構成する図示しない発光部を制御し、光を出射させるとともに、アイマーク検出センサ8を構成する図示しない受光部から出力される電気信号を受け取り、ディジタルのデータに変換して印刷基点検出データとしてCPU21に供給するアイマーク検出部27と、CPU21の制御下、ラベル切れ検出センサ5を構成する図示しない発光部を制御し、光を出射させるとともに、ラベル切れ検出センサ5を構成する図示しない受光部から出力される電気信号を受け取り、ディジタルのデータに変換してラベル切れ検出データとしてCPU21に供給するラベル切れ検出部28と、CPU21の制御下、RFIDインレット切れ検出センサ6を構成する図示しない発光部を制御し、光を出射させるとともに、RFIDインレット切れ検出センサ6を構成する図示しない受光部から出力される電気信号を受け取り、ディジタルのデータに変換してRFIDインレット切れ検出データとしてCPU21に供給するRFIDインレット切れ検出部29と、各種データやコマンドを入力するための操作パネル16と、操作パネル16を制御し、操作パネル16から入力されたデータやコマンドをCPU21に供給する操作パネル制御部30と、ホストコンピュータ200等の外部機器との間のオンライン通信を制御するオンライン通信制御部31と、RFIDインレット40を構成するIC(Integrated Circuit)チップ42との間でアンテナ41を介してデータの書き込みおよび読み出しを行うRFIDリードライト部17と、RFIDリードライト部17を制御し、RFIDリードライト部17によって読み出されたデータをCPU21に供給するとともに、RFIDリードライト部17を介してICチップ42に対して書き込むべきデータをRFIDリードライト部17に供給するRFIDリードライト制御部32と、CPU21の制御下、台紙検出センサ19を構成する図示しない発光部を制御し、光を出射させるとともに、台紙検出センサ19を構成する図示しない受光部から出力される電気信号を受け取り、ディジタルのデータに変換して台紙検出データとしてCPU21に供給する台紙検出部33と、RFIDラベル4または台紙なしラベル2のみを切断するカッタユニット12と、カッタユニット12を制御するカッタ制御部34と、ラベル貼付部14を制御し、吸着板15の図示しない空気孔からエアーを吸入して台紙なしラベル2を吸着したまま所定の商品を押しつけて貼付するか、または、吸着板15に設けられた図示しない空気孔からRFIDラベル4にエアーを吹き付けて風圧によって所定の商品に押し付けて貼付する貼付制御部35と、CPU21と各部との間のデータやコマンドのやり取りを行うためのデータバス/コントロールバス36等から構成されている。
【0010】
図3(a)は、台紙なしラベル2の構成例を示している。同図に示すように、台紙なしラベル2は、印刷紙1の裏面に糊51が塗布された構成とされている。また、印刷紙1の裏面には、所定間隔でアイマーク55が印刷等により形成されている。
【0011】
図3(b)は、RFIDテープ3の構成例を示している。同図に示すように、RFIDテープ3は、RFIDインレット40の一方の面を台紙57上に糊54を介して所定間隔で貼り付け、他方の面に糊53を介して保護テープ52を貼り付けた構成とされている。RFIDインレット40は、ICチップ42とアンテナ41とを透明フィルム43等で覆った構成とされている。また、保護テープ52の裏面には、互いに隣接するRFIDインレット40の間のギャップの部分にそれぞれアイマーク56が形成されている。
【0012】
図3(c)は、RFIDラベル4の構成例を示している。同図に示すように、RFIDラベル4は、RFIDテープ3の保護テープ52の上に、ラベル2を糊51を介して貼り付けた構成とされている。
【0013】
次に、図4のフローチャートを参照して、本実施の形態の動作について説明する。まず、ステップS1において、制御部20を構成するCPU21により、台紙検出部33よりデータバス/コントロールバス36を介して供給される台紙検出データに基づいて、台紙巻取部70の軸71にRFIDテープ3の台紙57が巻き取られているか否かが判定される。
【0014】
その結果、台紙巻取部70の軸71にRFIDテープ3の台紙57が巻き取られていると判定された場合、ステップS2に進み、ラベル貼付方式として、RFIDラベル4にエアーを吹き付けてRFIDラベル40の裏面の糊54を商品等の表面に圧着させることにより、RFIDラベル4を被着体である商品等に貼り付けるシリンダージェット式を設定する。
【0015】
一方、台紙巻取部70の軸71にRFIDテープ3の台紙57が巻き取られていないと判定された場合、ステップS3に進み、ラベル貼付方式として、台紙なしラベル2を吸着板15が吸着し、台紙なしラベル2を吸着したままの状態で吸着板15を商品の方に移動させて台紙なしラベル2を商品等に押し付け、台紙なしラベル2の裏面の糊51を商品等の表面に圧着させることにより、台紙なしラベル2を商品等に貼付する押圧式に設定する。
【0016】
ステップS2またはステップS3の処理が終了すると、ステップS4に進み、印刷の開始が指示されたか否かが判定される。印刷の開始が指示されていないと判定された場合、ステップS4の処理が繰り返し実行される。一方、印刷の開始が指示されたと判定された場合、ステップS5に進む。
【0017】
ステップS5においては、CPU21の制御下、貼付方式としてシリンダージェット式が設定されている場合、RFIDラベル4のRFIDインレット40を構成するICチップ42に対する所定のデータの書き込みが行われる。
【0018】
即ち、CPU21は、RFIDリードライト制御部32に対して、所定のデータをRFIDインレット40を構成するICチップ42に書き込むよう指令する。この指令を受けたRFIDリードライト制御部32は、CPU21より供給されたデータをICチップ42に書き込むよう指令する制御信号をRFIDリードライト部17に供給する。RFIDリードライト部17は、RFIDリードライト制御部32より供給された制御信号に基づいてその上記データをRFIDインレット40を構成するアンテナ41を介してICチップ42に書き込む。
【0019】
一方、貼付方式として押圧式が設定されている場合には、台紙なしラベル2のみが搬送されているので、ICチップ42に対する書き込み処理は行われず、ステップS6に進む。
【0020】
ステップS6においては、CPU21の制御下、台紙なしラベル2の表面の印刷面に印刷データの印刷が行われる。
【0021】
即ち、CPU21は、RAM22の印刷展開エリアに印刷データに対応するビットマップイメージデータ等を展開する。この印刷データは、ホストコンピュータ200から予めラベル貼付装置100に送信され、オンライン通信制御部31を介してデータバス/コントロールバス36経由でCPU21に供給され、RAM22に記憶されていたものである。
【0022】
次に、CPU21は、搬送制御部24に対して、RFIDラベル4または台紙なしラベル2を搬送するよう指令する。この指令を受けた搬送制御部24は、搬送部25を構成する図示しないステッピングモータに対して所定の制御信号を供給し、回転駆動させる。このステッピングモータの回転駆動力はプラテン11に伝達され、プラテン11が回転し、プラテン11とサーマルヘッド10との間に挟持されたRFIDラベル4または台紙なしラベル2が搬送される。
【0023】
この例では、ラベル貼付方式としてシリンダージェット式が設定されている場合には、RFIDラベル4が搬送される。一方、ラベル貼付方式として押圧式が設定されている場合には、台紙なしラベル2のみが搬送される。
【0024】
次に、CPU21は、サーマルヘッド制御部26に対してRAM22の印刷展開エリアに展開された所定の印刷データ(例えば、ビットマップイメージデータ)を供給するとともに、この印刷データを印刷紙1の表面(糊51が塗布されていない面)に印刷するよう指令する。
【0025】
この指令を受けたサーマルヘッド制御部26は、CPU21より供給された印刷データに対応する制御信号をサーマルヘッド10に供給する。サーマルヘッド10は、サーマルヘッド制御部26より供給された制御信号に従って印刷処理を実行する。これにより、印刷データが印刷紙1の表面に印刷される。
【0026】
CPU21が、サーマルヘッド制御部26に対して、印刷データの印刷を指令するタイミングは、アイマーク検出部27より供給される印刷基点検出データに基づいて判断される。
【0027】
即ち、CPU21は、アイマーク検出部27より印刷基点検出データが供給されたとき、RFIDラベル4を構成する保護テープ52の裏面(アイマーク検出センサ8が配置された側に向いた面)に形成されたアイマーク、または、台紙なしラベル2を構成する印刷紙1の裏面に形成されたアイマークがアイマーク検出センサ8が設けられている位置を通過したと判断することができる。
【0028】
従って、印字基点検出データが供給されたときから現在までの間にRFIDラベル4または台紙なしラベル2が搬送された距離と、アイマーク検出センサ8からサーマルヘッド10の印字位置までの距離とに基づいて、RFIDラベル4または台紙なしラベル2とサーマルヘッド10との間の相対的な位置関係を認識するとともに、サーマルヘッド10の印刷位置と、RFIDラベル4または台紙なしラベル2の印刷紙1の表面の所定の印刷領域の先頭部分の位置とが一致するタイミングを認識することができる。
【0029】
CPU21は、サーマルヘッド10の印刷位置と、RFIDラベル4または台紙なしラベル2の印刷紙1の印刷領域の先頭部分の位置とが一致したとき、サーマルヘッド制御部26に対して印刷データの印刷を開始するよう指令する。これにより、RFIDラベル4または台紙なしラベル2の印刷紙1の表面の所定の印刷領域に印刷データを印刷することができる。
【0030】
次に、ステップS7において、CPU21の制御下、カッタユニット12により、RFIDラベル4または台紙なしラベル2が所定の位置でカットされる。
【0031】
即ち、CPU21は、RFIDラベル4または台紙なしラベル2のカットすべき部分と、カッタユニット12のカット位置とが一致したとき、カッタユニット12に対してRFIDラベル4または台紙なしラベル2をカットするよう指令する。この指令を受けたカッタユニット12は、RFIDラベル4または台紙なしラベル2をカットする。
【0032】
カッタユニット12によってカットされたRFIDラベル4または台紙なしラベル2の切片は、送りローラ13によって搬送され、その後端部が挟持された状態で保持される。
【0033】
次に、ステップS8において、CPU21により、いま、ラベル貼付装置100のラベル貼付方式として、シリンダージェット式が設定されているか否かが判定される。その結果、ラベル貼付方式としてシリンダージェット式が設定されていると判定された場合、ステップS9に進む。一方、ラベル貼付方式としてシリンダージェット式が設定されていない(押圧式が設定されている)と判定された場合、ステップS10に進む。
【0034】
ステップS9においては、CPU21は、RFIDラベル4が送りローラ13に保持されていると判断し、そのRFIDラベル4に対してエアーを吹き付けて商品に押し付け、糊54を介して商品に貼付するよう貼付制御部35に対して指令する。
【0035】
CPU21からの指令を受けた貼付制御部35は、吸着板15に設けられた図示しない空気孔からエアーを排気させ、RFIDラベル4にエアーを吹き付けるよう指令する制御信号をラベル貼付部14に供給する。
【0036】
この制御信号の供給を受けたラベル貼付部14は、ロッドが進出して、吸着板15が商品に近づいて停止し、図示しないポンプを駆動して吸着板15の図示しない空気孔からエアーを排気させ、RFIDラベル4にエアーを吹き付ける。これにより、RFIDラベル4が風圧によって商品に圧着され、貼り付けられる。その後、ステップS11に進む。
【0037】
一方、ステップS10においては、CPU21は、台紙なしラベル2が送りローラ13に保持されていると判断し、その台紙なしラベル2を吸着板15で一旦保持し、吸着板15を商品の方に移動させ、台紙なしラベル2を商品に押し付け、糊51を介して商品に貼付するよう貼付制御部35に対して指令する。
【0038】
CPU21からの指令を受けた貼付制御部35は、吸着板15に設けられた図示しない空気孔からエアーを吸引して台紙なしラベル2を吸着板15に保持し、その状態で、ロッドの進出により商品の方へ移動して圧着し、台紙なしラベル2を貼付するよう指令する制御信号をラベル貼付部14に供給する。
【0039】
この制御信号の供給を受けたラベル貼付部14は、図示しないポンプを駆動して吸着板15の図示しない空気孔からエアーを吸引させ、台紙なしラベル2を保持させる。次に、台紙なしラベル2を保持した状態で吸着板15を商品の方に移動させる。これにより、台紙なしラベル2が商品に押し付けられ、貼り付けられる。その後、エアーの吸引を停止させ、吸着板15を元の位置に退避させる。その後、ステップS11に進む。
【0040】
ステップS11においては、印刷処理が終了したか否かが判定される。まだ印刷が終了していないと判定された場合、ステップS5に戻り、ステップS5以降の処理が繰り返し実行される。一方、印刷が終了したと判定された場合、本処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態により、異なる種類のラベルを同一の装置で扱うことができ、ラベルの種類に応じた最適な貼付方法でラベルを商品に貼付することができる。
【0042】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の活用例として、例えば、台紙なしラベル2とRFIDラベル4の切り替えを行う場合だけでなく、その他の異なる種類のラベル同士で切り替えを行う場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明を応用したラベル貼付装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】本実施の形態の電気的な構成例を示すブロック図である。
【図3】台紙なしラベルとRFIDテープとRFIDラベルの構成例を示す図である。
【図4】本実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 印刷紙
2 台紙なしラベル
3 RFIDテープ
4 RFIDラベル
5 ラベル切れ検出センサ
6 RFIDインレット切れ検出センサ
7 貼り合わせローラ
8 アイマーク検出センサ
10 サーマルヘッド
11 プラテン
12 カッタユニット
13 送りローラ
14 ラベル貼付部
15 吸着板
16 操作パネル
17 RFIDリードライト部
18 転向ピン
19 台紙検出センサ
20 制御部
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 搬送制御部
25 搬送部
26 サーマルヘッド制御部
27 アイマーク検出部
28 ラベル切れ検出部
29 RFIDインレット切れ検出部
30 操作パネル制御部
31 オンライン通信制御部
32 RFIDリードライト制御部
33 台紙検出部
34 カッタ制御部
35 貼付制御部
36 データバス/コントロールバス
40 RFIDインレット
41 アンテナ
42 ICチップ
43 透明フィルム
50 台紙なしラベル供給部
51,53,54 糊
52 保護テープ
55,56 アイマーク
57 台紙
60 RFIDインレット供給部
70 台紙巻取部
71 軸
100 ラベル貼付装置
200 ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に保持したラベルを供給するラベル供給手段と、
ロール状に保持したRFIDインレットを供給するRFIDインレット供給手段と、
前記RFIDインレットを構成する台紙を巻き取る台紙巻取手段と、
前記ラベル供給手段によって供給された前記ラベルと、前記RFIDインレット供給手段によって供給された前記RFIDインレットとを貼り合わせ、RFIDラベルを形成する貼合手段と、
前記ラベルまたは前記RFIDラベルを搬送する搬送手段と、
前記ラベルのみが搬送される場合、前記ラベルのみをカットし、前記RFIDラベルが搬送される場合、前記RFIDラベルをカットするカット手段と、
前記カット手段によって前記ラベルのみがカットされた場合、前記ラベルの切片を第1の方法で所定の被着体に貼り付け、
前記カット手段によって前記RFIDラベルがカットされた場合、前記RFIDラベルの切片を第2の方法で所定の被着体に貼り付ける貼付手段と
を備えることを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記RFIDラベルを構成する前記RFIDインレットに対して所定のデータの書き込みまたは読み出しを行うRFIDリードライト手段、および、前記RFIDラベルの印刷面に対して所定の印刷データを印刷する印刷手段の少なくともいずれか一方をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記ラベルのみを前記被着体に貼り付ける第1の方法と、前記RFIDラベルを前記被着体に貼り付ける第2の方法とを切り替える切替手段をさらに備え、
前記第1の方法において前記ラベルのみを前記被着体に貼り付ける場合、前記貼付手段は、前記ラベルを押圧式によって前記被着体に貼り付け、前記第2の方法において前記RFIDラベルを前記被着体に貼り付ける場合、前記貼付手段は、前記RFIDラベルをシリンダージェット式によって前記被着体に貼り付ける
ことを特徴とする請求項1または2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記台紙巻取手段に前記RFIDインレットから剥離された前記台紙が巻き取られているか否かを検出する台紙検出手段をさらに備え、
前記台紙検出手段によって前記台紙が前記台紙巻取手段に巻き取られていないことが検出された場合、前記切替手段は、前記第1の方法に切り替え、
前記台紙検出手段によって前記台紙が前記台紙巻取手段に巻き取られていることが検出された場合、前記切替手段は、前記第2の方法に切り替える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラベル貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−341883(P2006−341883A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169019(P2005−169019)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】