説明

ラベル貼付装置

【課題】装置全体のスループットを低下させることがなく、かつ低コストで、物品の搬送方向と垂直な方向にラベルの貼付位置を調整することができる下貼り用のラベル貼付装置を提供する。
【解決手段】台紙Mに仮着されたラベルに印字する印字手段5と、印字されたラベルを所定の剥離位置で台紙Mから剥離する剥離手段19と、剥離されたラベルの印字面を吸着して保持するラベル保持手段21と、ラベル保持手段21がラベルを保持した状態で、該ラベルの保持位置を物品の搬送方向と垂直の方向に移動させるラベル位置調整手段50と、ラベル保持手段21に対向して設けられ、ラベル保持手段21によって押し当てられるラベルの糊面を保持し、搬送される物品の下面に合流させるようにラベルを搬送するラベル搬送手段22とを備えた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される物品の下面にラベルを貼付するラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の下面にラベルを貼付するラベル貼付装置として、例えばトレイ入り食品などの物品をストレッチフィルムなどの包材で自動包装する包装機に組み込まれたものが公知である(例えば、特許文献1)。特許文献1では、包装機によって自動包装された物品を排出プッシャによって所定位置まで押し出した後、搬送コンベアによって物品を所定位置まで搬送する際、搬送コンベアの下方に設けられたラベル貼付装置によって搬送中の物品の移動を停止させることなく、物品の下面にラベルを貼付することができる。
【0003】
特許文献1では、ラベル貼付装置がラベルを発行するタイミングを調整することによって、物品の搬送方向に対するラベルの貼付位置を調整することは可能であるが、ラベル貼付装置が搬送コンベアの所定の位置に固定されている状態で組み込まれているため、搬送方向と垂直な方向(搬送コンベアの幅方向)にラベルの貼付位置を調整することはできない。そのため、サイズの小さなトレイの場合には、トレイ下面のほぼ中央にラベルを貼付することは可能であるが、サイズの大きなトレイの場合には、トレイ下面のほぼ中央にラベルを貼付することができないようになっている。
【0004】
ところで、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売される商品の下面にラベルを貼付する場合、この下貼りラベルにバーコードなどが印刷されることもある。この場合、レジカウンタなどで下貼りラベルのバーコードをスキャンする操作が行われるが、その際、商品の下面中央にラベルが貼付されていないとバーコードの読み取りに失敗することが多くなり、店員は商品をひっくり返して下貼りラベルの貼付位置を確認したうえでスキャン操作を行う必要がある。このような事情の下、近年はスキャン操作時の確認作業を軽減するために、商品の下面のほぼ中央にラベルを貼付することが望まれている。
【0005】
ここで、搬送コンベアの幅方向にラベル貼付装置を移動させることにより、ラベルの貼付位置を調整する技術は既に提案されている(例えば特許文献2)。特許文献2の技術によれば、ラベル貼付装置の全体を搬送コンベアの幅方向に沿って移動させることができるため、トレイサイズに応じてラベル貼付装置の位置を移動させれば、大きなサイズのトレイであってもそのトレイの下面のほぼ中央にラベルを貼付することができるようになる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−308235号公報
【特許文献2】特開2005−335727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2の場合には、ラベル貼付装置の全体を搬送コンベアの幅方向に移動させるため、大規模な移動機構を設ける必要があり、コストがかかるという問題がある。また複雑な機構を備えたラベル貼付装置を移動させる際には低速で移動させる必要があり、ラベル貼付装置の移動が完了するまでに時間がかかるという問題がある。例えば、特許文献1のように包装機にラベル貼付装置が組み込まれている場合、包装機で自動包装されるトレイのサイズは一品ごとに異なる可能性があり、ラベル貼付装置は、一品ごとにサイズが異なる場合であっても瞬時にトレイサイズに応じてラベルの発行位置を調整することが求められるが、特許文献2のようにラベル貼付装置の移動に時間がかかると、ラベルを貼付するために一定の時間を要し、装置全体のスループットを低下させる要因になる。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、装置全体のスループットを低下させることがないように効率よく、かつ低コストで、物品の搬送方向と垂直な方向(搬送コンベアの幅方向)にラベルの貼付位置を調整することができる下貼り用のラベル貼付装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明が解決手段として採用したところは、搬送される物品の下面にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、台紙に仮着されたラベルに印字する印字手段と、前記印字手段によって印字されたラベルを所定の剥離位置で前記台紙から剥離する剥離手段と、前記剥離位置で剥離されたラベルの印字面を吸着して保持するラベル保持手段と、前記ラベル保持手段がラベルを保持した状態で、該ラベルの保持位置を物品の搬送方向と垂直の方向に移動させるラベル位置調整手段と、前記ラベル保持手段に対向して設けられ、前記ラベル保持手段によって押し当てられるラベルの糊面を保持し、搬送される物品の下面に合流させるようにラベルを搬送するラベル搬送手段とを備える構成とした点にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るラベル貼付装置によれば、ラベル保持手段によってラベルが保持されている状態で、ラベル位置調整手段がその保持位置を移動させるように構成されているため、ラベルを移動させるための機構は従来に比して極めて簡単であり、低コストで実現可能であると共に、位置調整が必要な場合には速やかに保持位置を移動させることができる。したがって、装置全体のスループットを低下させることがなく、しかも低コストで、ラベルの貼付位置を調整することができる下貼り用のラベル貼付装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、本実施形態では、ラベル貼付装置が包装機に組み込まれている構成を例示するが、本発明にかかるラベル貼付装置はそのような構成に限定するものではない。
【0012】
図1は、ラベル貼付装置2が組み込まれた包装機1を示す正面図である。この包装機1は本体1a正面に搬入コンベア11を備える。搬入コンベア11には計量機12が搭載され、該計量機12上に載置された物品(例えばトレイ入り食品)Xは計量されたのち本体1a内部に搬入される。
【0013】
本体1a内部には、図示しないが、周知のリフト機構、フィルム搬送・保持機構、及びフィルム折込機構等が備えられ、包装部を構成している。包装部に搬入された物品Xは、フィルム搬送・保持機構で搬送され水平に張られて保持されたフィルムに向けてリフト機構で押し上げられる。この押上げにより伸長したフィルムの左右側縁部及び後側縁部がフィルム折込機構で順に物品Xの下面に折り込まれる。然るのち、該物品Xが排出プッシャ13で後ろから押されて正面側に移動する。この移動によりフィルムの前側縁部が最後に物品Xの下面に折り込まれ、これによりフィルムで全体が自動包装された物品Xが本体1a正面側に排出される。
【0014】
前記搬入コンベア11の上方には搬送コンベア14が備えられ、排出部を構成している。包装済み物品Xは、排出プッシャ13でこの搬送コンベア14上に排出されたのち、該コンベア14によって側方(図例では右方)へ搬送される。搬送コンベア14の下流には中継コンベア15及びストックコンベア16がこの順に隣接している。包装済み物品Xは、この中継コンベア15でさらに側方へ搬送され、ストックコンベア16上に載置される。
【0015】
図2に示すように、ストックコンベア16は多数のローラやコロで載置面が形成されている。ストックコンベア16は包装機本体1aに近い基部が高く、先端部が低くなるように傾斜している。このストックコンベア16に載置された物品Xは該コンベア16の先端部に向って滑走し貯留される。ストックコンベア16はその延設長さや傾斜角等が調整自在である。
【0016】
このように、この包装機1は、包装前物品Xの搬入(矢印a)と包装済み物品Xの排出(矢印b)とが共に同じ本体1aの正面側で行われる正面排出型の包装機である。そして、1人の作業者Aがこの包装機1の正面で物品の搬入作業をする傍らで、もう1人の作業者Bがこの包装機1の側方でストックコンベア16上に貯留された物品Xの取出し作業を行なうことができる。そのときに、搬送コンベア14上に排出された物品Xは、正面の作業者Aの邪魔にならないように、矢印cで示す搬送路に沿って直ちに本体1aの側方へ移動し、中継コンベア15介してストックコンベア16に至る。
【0017】
そして、この包装機1には、前記中継コンベア15の下方に、搬送中の物品Xの下面にラベルを貼付する下貼り型のラベル貼付装置2が設けられている。搬送コンベア14上に排出された包装済み物品Xは、中継コンベア15を通過中に、このラベル貼付装置2によって下面にラベルが貼付される。このラベル貼付装置2は、中継コンベア15の直下に配置されたラベル貼付機構部3と、ラベル貼付機構部3の下部に設けられたプリンタ部4とを備えている。このラベル貼付装置2は、ラベル貼付機構部3とプリンタ部4とを互いに連動させてラベルの発行を行い、ラベル貼付機構部3を中継コンベア15と協働させることによって物品Xに対するラベルの下貼りを行なうように構成されている。
【0018】
図3に示すように、本実施形態において中継コンベア15は、複数(図例では6つ)のローラ15a〜15a,15bを物品Xの搬送方向に並設したローラコンベアである。ほとんどのローラ15a〜15aは物品Xの搬送面の全幅に及ぶ長さを有しているが、中程にあるローラ15bだけは短く、該ローラ15bより本体1a側の領域が空所Sとされている。つまり、この中継コンベア15の物品搬送面T(図4参照)の途中には間隙Sが形成されている。尚、全ローラ15a〜15a,15bは単一のフレーム15cに支持されてユニット化されている。
【0019】
図1に示すように、プリンタ部4は、多数のラベルが仮着された帯状の台紙MのロールRと、台紙Mに仮着されたラベルに印字するためのサーマルヘッドやプラテンローラ等で構成される印字手段5と、所定の剥離位置でラベルを台紙Mから剥離してラベルの発行を行う発行部18と、ラベルの剥離された台紙Mを巻き取る巻取ロールrとを備えている。ロールRはプリンタ部4内の所定位置にセットされており、ロールRからラベル1枚分に相当する長さの台紙Mが順次かつ間欠的に繰り出されていく。この台紙Mは、印字手段5および発行部18を順に通過して最終的に巻取りロールrに巻き取られる。
【0020】
図4に示すように、発行部18には、台紙Mを鋭角に曲げて案内し、該台紙Mから印字手段5によって印字済みのラベルLを剥離して上方に突き出させる棒状の剥離手段19が備えられている。剥離手段19によって剥離されたラベルLは、プリンタ部4からラベル貼付機構部3に渡される。このときラベルLは、印字面がラベル貼付機構部3のラベル保持機構21の方を向き、糊面がラベル搬送コンベア22の方を向くように発行される。
【0021】
ラベル貼付機構部3は、その基本的構成として、図4に示すように、ラベル保持手段21と、ラベル保持手段21に対向して設けられたラベル搬送手段22と、ラベル保持手段21の側方所定位置に設けられたラベル位置調整手段50とを有する。
【0022】
ラベル保持手段21は負圧生成チャンバ23を含む。図5はラベル保持手段21をラベル搬送手段22の側から見た正面図である。負圧生成チャンバ23には図5に示すようにファン24が内蔵され、該ファン24の駆動によりチャンバ23内に負圧が生成する。チャンバ23のラベル搬送コンベア22側の面は開放され、該開放面を覆うように保持プレート25が備えられている。保持プレート25には図5に示すように部分的にスリット26…26が設けられ、チャンバ23内の負圧が該スリット26…26に作用する。
【0023】
図4に示すように、保持プレート25はブラケット27により中継コンベア15の一のローラ15aの軸に緩挿されており、該軸回りに回転自在である。ソレノイド28のプランジャ29が進出すると、保持プレート25は、レバー30とピン31との係合を介して、実線で示すように直立し、チャンバ23に対接して開放面を覆う状態となる。このときプリンタ部4から発行されたラベルLがスリット26…26に作用する負圧によって保持プレート25に吸着保持される。
【0024】
本実施形態では、上記のようにしてラベル保持手段21がラベルLを保持した状態でラベル位置調整手段50が作用することにより、ラベルLの保持位置を中継コンベア15の搬送方向と垂直な方向(即ち、中継コンベア15の幅方向)に移動させてラベルLの位置調整を行うことができるようになっている。図5はラベル保持手段21がラベルLを保持した状態を示している。ラベル位置調整手段50は、ソレノイド51と、ソレノイド51によって進退駆動される棒状部材52とを備えており、ラベルLの位置調整が必要な場合には、棒状部材52を進出させてその先端をラベルLの側端部に係合させ、その後更に棒状部材52を押し出すことによってラベルLを保持プレート25の表面上で滑らせて移動させることができるように構成されている。この場合、ラベル保持手段21が保持するラベルLの保持位置は、図中矢印Fで示す方向に移動する。尚、この矢印Fの方向は、図2に示した矢印Fの方向と同じである。したがって、ソレノイド51の押し出し量をトレイのサイズに応じて適宜調整することにより、ラベル保持手段21によるラベルLの保持位置をトレイ下面のほぼ中央に対応する位置に移動させることができるようになる。
【0025】
またラベル位置調整手段50を図6に示すように構成してもよい。すなわち、図5の構成はラベル位置調整手段50がラベルLの側端部を直接押し出す形態となっているのに対し、図6の構成はラベル位置調整手段50の棒状部材51の先端が保持プレート25の側面に連結されており、ラベル位置調整手段50が棒状部材51を進退させることにより、ラベルLを吸着保持している保持プレート25が矢印Fの方向に沿って往復移動できる形態となっている。つまり、固定された負圧発生チャンバ23に対接しながら、保持プレート25が横方向にスライド移動することでラベルの保持位置を調整することができる。したがって、この場合にもソレノイド51の進退駆動量をトレイのサイズに応じて適宜調整することにより、ラベル保持手段21によるラベルLの保持位置をトレイ下面のほぼ中央に対応する位置に移動させることができるようになる。
【0026】
尚、図5および図6では、ラベル位置調整手段50のソレノイド51が進退駆動する棒状部材52が直接ラベルLや保持プレート25に作用する場合を例示しているが、このような態様に限定するものではなく、例えばソレノイド51による駆動力がリンク機構などを介して間接的にラベルLや保持プレート25に作用するように構成してもよい。
【0027】
上記のようにしてラベルLの保持位置がトレイサイズに応じて調整されると、つぎにラベル保持手段21からラベル搬送手段22へのラベルLの受け渡しが行われる。ここでは、まず図4に示すソレノイド28のプランジャ29の後退が行われる。ソレノイド28のプランジャ29が後退すると、保持プレート25は鎖線で示すように傾き、ラベル搬送手段22に対接する。このとき保持プレート25に吸着されていたラベルLが自己の糊面によってラベル搬送手段22の搬送用細ベルト34…34に付着する。このとき中継コンベア15の幅方向に関するラベルLの付着位置は、ラベル保持手段21が保持していた保持位置と同じになる。そのため、トレイサイズに応じてラベルLの保持位置が調整された場合には、その調整された保持位置を保ちつつ、ラベル保持手段21からラベル搬送手段22へのラベルLの受け渡しが行われる。
【0028】
ラベル搬送手段22は、上下一対の回転体32,33の間に複数の搬送用細ベルト34…34を巻き掛けた構成である。図3に示すように、本実施形態においては、上側の回転体32はシャフトにプーリを組みつけたものであり、下側の回転体33はローラに案内溝を切ったものである。
【0029】
図4に示すように、上側回転体32は中継コンベア15の物品搬送面Tの間隙S内に位置し、下側回転体33は上側回転体32より下方であって上流側に位置している。その結果、搬送ベルト34…34は、物品搬送面Tに近い上端部が下流側に、ラベル発行部18に近い下端部が上流側に位置するように全体が傾斜している。搬送ベルト34…34の上端部は物品搬送面Tより上方に突出していない。
【0030】
尚、図3に示すように、上下の回転体32,33はフレーム35,35に支持されてユニット化されている。そしてこのラベル搬送手段22に支持ローラ36及び剥離ローラ37が併せて具備されている。支持ローラ36は物品搬送面Tの間隙S内に位置して物品Xを下から支持するものである。これによりサイズの小さい物品Xでも間隙Sに落ち込まずに安定して搬送される。剥離ローラ37は搬送ベルト34…34に付着したラベルLが搬送コンベア22の上端部で該ベルト34…34からうまく剥離されるように補助するものである。これによりラベル搬送手段22の上端部に至ったラベルLが搬送ベルト34…34の反対側の走行面に回り込まず、確実に物品搬送面Tの間隙Sからやや下流側に傾斜した姿勢で上方に突き出される。
【0031】
中継コンベア15とラベル貼付機構部3のラベル搬送手段22とは共通の駆動源で同速度に駆動される。そのため、中継コンベア15で物品搬送面T上を搬送される物品Xの搬送速度V(図3、図4参照)と、ラベル搬送手段22で物品搬送面Tに向けて上方へ搬送されるラベルLの搬送速度W(同)とが一致し、物品XとラベルLとが物品搬送面T上で合流したときに、ラベルLが物品Xの下面に引っ張られたり縮んだりせず円滑に貼付されるようになっている。このときラベル搬送手段22は、中継コンベア15の幅方向に関してラベル保持手段21から受け取ったラベルの位置を保ちつつ、ラベルLを物品搬送面Tに搬送する。
【0032】
つぎに、包装機1の具体的動作の一例を説明する。包装機1の正面にいる作業者Aが包装前の物品Xを搬入コンベア11内の計量機12上に載置する。載置された物品Xの計量が終了すれば該物品Xは搬入コンベア11で包装部に搬入されて自動包装される。このとき、物品Xのトレイサイズに応じた計量動作および包装動作を行う必要があるため、トレイサイズは予め設定される。トレイサイズは包装機1に設けたセンサが自動検出して設定するようにしてもよいし、作業者Aが手動操作で入力するようにしてもよい。いずれの場合であっても、このとき設定されるトレイサイズの情報が、ラベル貼付装置2に伝達される。そして自動包装された物品Xは排出プッシャ13によって排出部に排出される。
【0033】
搬送コンベア14は常時駆動しており、排出された包装済みの物品Xを直ちに中継コンベア15に受け渡す。両コンベア14,15間に物品センサ(例えば光感知式のもの)が備えられ、該センサの出力信号から物品Xの中継コンベア15への受け渡しが判定される。そして、この受け渡し時刻からのタイマに基づいて、ラベル貼付装置2が動作するタイミングが設定される。
【0034】
一方、ラベル貼付装置2は、プリンタ部4から発行されたラベルLを保持プレート25に吸着して保持している。このラベルLには、例えば計量の結果に基づいて算定した正味重量や販売価格、バーコード等が印字されている。そして包装機1から受け取ったトレイサイズの情報に基づいて保持プレート25が保持しているラベルLの位置調整が必要であるか否かを判断し、必要である場合にはトレイサイズに応じてラベル位置調整手段50を駆動させることにより、ラベルLの保持位置をトレイのほぼ中央位置に対応させておく。そして、所定のタイミングでソレノイド28が作動し、保持プレート25がラベル搬送手段22に対接して、吸着保持していたラベルLをラベル搬送用ベルト34…34に受け渡す。ラベル搬送用ベルト34…34は常時駆動しており(したがって中継コンベア15も常時駆動している)、受け渡されたラベルLを直ちに上方の物品搬送面Tに向けて搬送する。
【0035】
ラベル搬送コンベア22の上端部まで搬送されたラベルLは、中継コンベア15で搬送中の物品Xがちょうど間隙Sの上方を通過するタイミングで、該間隙Sから上方に突き出される。物品XとラベルLとは同じ速度V,Wで合流し、その後、物品Xが引き続きローラ15a…15a上を通過することでラベルLが物品Xの下面にしっかりと押圧されて貼付される。
【0036】
上記のようにして貼付されるラベルLは、物品Xの下面のほぼ中央に位置するため、例えば、レジカウンタなどで下貼りラベルのバーコードをスキャンする操作を行う場合にバーコードの読み取り失敗が少なくなり、スキャン操作時の作業性が向上する。特に本実施形態のラベル貼付装置2は、ラベル位置調整手段50がラベルの位置を調整する際、ラベル保持手段がラベルを保持した状態で、その保持位置を移動させるというものであるため、ラベルを移動させるための機構は従来に比して極めて簡単であり、低コストで実現可能であると共に、位置調整が必要な場合には速やかに保持位置を移動させることができるので、位置調整に時間がかからず、装置全体のスループットを低下させない位置調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ラベル貼付装置が組み込まれた包装機を示す正面図である。
【図2】包装機の正面部分を示す平面図である。
【図3】中継コンベアの一部切欠きした拡大平面図である。
【図4】ラベル貼付装置のラベル貼付機構部を示す拡大側面図である。
【図5】ラベル貼付機構部のラベル保持手段をラベル搬送手段の側から見た正面図である。
【図6】ラベル貼付機構部のラベル保持手段をラベル搬送手段の側から見た正面図であり、図5とは異なる例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 包装機
2 ラベル貼付装置
3 ラベル貼付機構部
4 プリンタ部
5 印字手段
19 剥離手段
21 ラベル保持手段
22 ラベル搬送手段
50 ラベル位置調整手段
M 台紙
L ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される物品の下面にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、
台紙に仮着されたラベルに印字する印字手段と、
前記印字手段によって印字されたラベルを所定の剥離位置で前記台紙から剥離する剥離手段と、
前記剥離位置で剥離されたラベルの印字面を吸着して保持するラベル保持手段と、
前記ラベル保持手段がラベルを保持した状態で、該ラベルの保持位置を物品の搬送方向と垂直の方向に移動させるラベル位置調整手段と、
前記ラベル保持手段に対向して設けられ、前記ラベル保持手段によって押し当てられるラベルの糊面を保持し、搬送される物品の下面に合流させるようにラベルを搬送するラベル搬送手段と、
を備えることを特徴とするラベル貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−161224(P2009−161224A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260(P2008−260)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】