ランダムアクセス可能な記録媒体を使用したデジタル機器
【課題】 CameraStorageサブユニットのFILEINFOコマンドを受信したときに、特定のパス名の場合にファイル情報ではなく、機器の情報を送信することによって、コントローラに機器情報を提供する。
【解決手段】 FILEINFOコマンドで、ファイル情報を問い合わせる際あらかじめ定められた、パスをセットする。この時、volume_numberに実際には存在し得ない番号をセットすることによって、CameraStorage上に指定したパスが存在しないことを保証する。上記コマンドを受信したサブユニットは、パスをチェックして、あらかじめ定められたデータであった場合、vendordependentの、機器固有情報を送信する。
【解決手段】 FILEINFOコマンドで、ファイル情報を問い合わせる際あらかじめ定められた、パスをセットする。この時、volume_numberに実際には存在し得ない番号をセットすることによって、CameraStorage上に指定したパスが存在しないことを保証する。上記コマンドを受信したサブユニットは、パスをチェックして、あらかじめ定められたデータであった場合、vendordependentの、機器固有情報を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御信号とデータを混在させて通信することが可能なデータ通信バスを用いて電子機器(以下、機器)間を接続して、機器間でデータ通信を行うシステムを所有する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラが普及してきている。このデジタルカメラは着脱可能な記録媒体を使用してデジタル静止画データ、動画を記録、再生するシステムで、パソコン等へのデータ転送は、直接記録媒体をパソコンに挿入する方法と、デジタルカメラが備えるデジタルインターフェースとパソコンが備えるデジタルインターフェースを接続して行う方法の二通りの方法がある。
【0003】
前記デジタルインターフェースとしてIEEE1394シリアルバス(以下、1394と称する)が普及している。以下に1394のAsynchronous転送方式を使用してデジタルカメラを制御する手法について説明する。
【0004】
1394を用いて制御を行うための規格として標準化団体である1394Trade AssociationではAV/Cユニット及びAV/Cサブユニットを定義している (TA Document 1998003, AV/C Digital Interface Command Set General Specification)。ユニットはビデオカメラやビデオデッキのようなデバイス全体を示し、サブユニットはデバイス内のTape recorder / player、Video Camera、Tuner等の機能別に分かれた論理的な制御単位を示す。このユニットまたはサブユニットとPC等のコントローラは1394を介してトランザクションを行い、コントローラがサブユニットを制御したり、サブユニットの保持する情報を取得したりすることができる。
このトランザクションはIEC-61883-1, Consumer audio/video equipment - Digital interface - Part 1: Generalの中でFCP(Function Control Protocol)として規定されており、コントローラがターゲットデバイスの特定アドレスに対してwriteトランザクションを用いてコマンドデータを書き込み、前記writeトランザクションのデータを受信したターゲットがコントローラの特定アドレスに対してwriteトランザクションでレスポンスデータを書き込むことで実現される。AV/Cプロトコルでは各AV/Cサブユニットに対してCTS(Command Transaction Set)が規定されており、図3にCTSで用いるコマンドフレームのフォーマットを示す。ctypeフィールドはコマンドの種類を示す物であり、図8に示すコマンドタイプを指定する。subunit_type,subunit IDフィールドは、指定したノード内のどのユニットに対してのコマンドなのかを示すフィールドである。opcode,operandフィールドは実際のコマンドを内容を指定するフィールドである。図4にCTSで用いるレスポンスフレームのフォーマットを示す。responseフィールドはレスポンスの種類を示す物であり、図9に示すレスポンスタイプを指定する。subunit_type,subunit IDフィールドは、ノード内のどのサブユニットからのレスポンスなのかを示すフィールドである。opcode,operandフィールドはレスポンスデータを指定するフィールドである。
【0005】
ランダムアクセス可能な記録媒体を用いたサブユニットとして、Camera Storageサブユニットが定義されており(TA Document 1999036, AV/C Camera Storage Subunit 1.0)、前記Camera Storageサブユニットを用いて、記録媒体上のファイルのリストを取得したり、ファイルデータの送受信を行うことができる。図5に前記Camera Storageサブユニットの記録媒体上に記録されているファイルの固有情報を取得するためのコントロールコマンドフレーム及びレスポンスフレームの例を示す。
【0006】
opcodeフィールドは、前記Camera Storageサブユニットのコマンドの種類を示すものである。
【0007】
subfunctionフィールドは、コマンド実行のモードを指定するフィールドである。前記subfunctionフィールドにセットされる値を図10に示す。通常はexecuteを指定することによって、コマンドの実行を行う。
【0008】
Camera Storageサブユニットでは物理ボリューム及び論理ボリュームが定義されており、物理ボリュームは物理的な記録媒体そのものを示し、論理ボリュームは物理ボリューム中に存在する論理的に区切られた領域を示す。複数の記録媒体をセットできるCamera Storage サブユニットは複数の物理ボリュームを持ち、また各物理ボリュームは複数の論理ボリュームを持つことができる。physical_volume_number, logical_volume_numberは、それぞれ物理ボリューム及び論理ボリュームの番号を示し、再生を行うファイルが保存されているボリュームを指定する。
【0009】
Camera Storageサブユニットは記録媒体が挿入されたときにカウントアップするカウンタであるgeneration countを持ち、着脱可能な記録媒体が機器に挿入された場合にこのカウンタは更新される。media_generation_countには前記カウンタの値をセットする。この値がCamera Storageサブユニットが保持している値と異なる場合は、コマンドフレームで指定した物理ボリュームが交換されている可能性があるためコマンドは拒否される。その場合、レスポンスフレームのmedia_generation_countに現在の値がセットされる。
【0010】
file_path_length, file_pathは、再生するファイルのパス名を指定する。
【0011】
前記各フィールドにセットされた値に応じて、Camera Storageサブユニットは指定されたファイルの固有情報をレスポンスフレームにセットして、コントローラに前記レスポンスフレームを送信する。
【0012】
レスポンスフレームのresultフィールドは、前記Controlコマンドに対する実行結果をセットするフィールドである。前記resultフィールドにセットされる値を図11に示す。
【0013】
file_info_typeフィールドは、後述のfile_specific_informationフィールドにセットされた固有情報の種類を示すものである。前記file_info_typeフィールドにセットされる値を図12に示す。前記コマンドフレームのfile_pathで指定されたファイルが、デジタルカメラで一般的に使用されているExif 2.1形式の静止画ファイルである場合、0x0000が前記file_info_typeフィールドにセットされる。それ以外のファイルである場合は、file_info_typeフィールドに0xFFFFが、resultフィールドに"invalid file type"が、図4に示すresponseフィールドにREJECTEDがセットされたレスポンスフレームがコントローラに送信される。
【0014】
file_specific_information_lengthフィールドは、後述のfile_specific_informationフィールドにセットされたデータのサイズを示す。
【0015】
file_specific_informationフィールドはコマンドフレームのfile_pathで指定されたファイルに固有の情報を示すフィールドである。前記Exif 2.1形式のファイルに対する固有情報のフォーマットを図6に示す。
【0016】
ImageWidth,ImageLengthフィールドは、それぞれ静止画像データの幅と高さを画素数で示したものである。
【0017】
Compressionフィールドは、静止画像データの圧縮形式を示す。前記Compressionフィールドにセットされるデータの値を図13に示す。
【0018】
ColorSpaceは静止画像データの色空間情報を示す。前記ColorSpaceフィールドにセットされるデータの値を図14に示す。
【0019】
DataTimeフィールドは、ファイルが更新された日時を示す。このフィールドにはASCII文字列で、"YYYY:MM:DD HH:MM:SS"の形式でデータがセットされる。"YYYYMM:DD"には西暦で年月日が"HH:MM:SS"には24時間制で時分秒がセットされる。
【0020】
また、現在前述のCamera Storageサブユニットの拡張として、FILE INFOコマンドのfile_info_typeにvendor_dependentを追加する提案が行われている。これは、各メーカーの独自フォーマットのファイルに対する固有情報を取得するために用いられる。前記vendor_dependentを追加したfile_info_typeフィールドにセットされるデータを図15に示す。前記file_pathで指定されたファイルを独自フォーマットとして認識した場合、Camera Storageサブユニットは、前記file_info_typeフィールドにvendor_dependentをセットして、前記ファイルに固有の情報をfile_specific_informationフィールドにセットする。
【0021】
前記vendor_dependentに対するfile_specific_infoemationフィールドのフォーマットを図7に示す。
【0022】
company_IDは独自フォーマットファイルのメーカーのコードを示すデータであり、IEEE Registration Authority Committee (RAC)が定めた24ビットの識別コードである。
【0023】
vendor_dependent_dataフィールドは、指定された独自フォーマットファイルに固有の情報がセットされる。
【0024】
又、従来例としては、例えば特許文献1と特許文献2と特許文献3をあげることが出来る。
【特許文献1】WO2002/056548号公報
【特許文献2】特開2000−287119号公報
【特許文献3】特開2001−025707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
前記Camera Storageサブユニットは記録媒体上のファイルデータを操作するためのコマンドセットしか定義されておらず、デジタルカメラ本体の設定情報等を取得するコマンドセットが定義されていないため、コントローラがカメラ固有の情報を取得することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前記課題を解決するため、本発明ではコントローラがあらかじめ定められたパス名を指定してFILE INFOコマンドを送信し、前記パス名を認識したCamera Storageサブユニットが機器固有の情報をvendor dependentフォーマットの情報としてコントローラに送信する。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、特定のファイルパスを指定されたFILE INFOコマンドを受信した場合にvendor dependentフォーマットの情報を送信することによって、新たにコマンドを定義することなくコントローラは機器固有の情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施例1)
以下に、本発明でのFILE INFOコマンドによるデジタルカメラ機器固有の情報の取得動作について説明する。
【0029】
コントローラは、Camera Storageサブユニットに対してあらかじめ定められたパス名をセットしたFILE INFOコマンドを送信する。図1に前記コマンドの例を示す。この例では、phycical_volume_number、logical_volume_numberフィールドのそれぞれに0xFFが、パス名として"\device.inf"がセットされている。Phisical_volume_number、logical_volume_numberはそれぞれ0x00から0xFEが使用可能な番号であり、共に0xFFとすることによって、パス名で指定されたファイルはCamera Storageサブユニット上に存在しないことが保証される。
【0030】
前記FILE INFOコマンドを受信したCamera Storageサブユニットは、physical_volume_number、logical_volume_number、file_pathフィールドを検査して、あらかじめ定められてあるデータであることを確認した後に、図1にしめすレスポンスデータをセットしてコントローラに対して機器の固有情報を送信する。
【0031】
図2に前記file_specific_informationフィールドにセットされる機器固有の情報の例を示す。
【0032】
file_info_typeフィールドはvendor dependentのfile_specific_informationにセットされている情報の種類を示す。この例では、file_specific_informationフィールド内には機器固有の情報であることを示す"device info"の値がセットされている。
【0033】
ImageWidth、ImageLength、Compression、ColorSpace, DateTimeフィールドは図6に示すExif 2.1ファイルに対する情報と同一の意味を持つフィールドであり、コマンドを受信した時点でのデジタルカメラが記録する画像フォーマットの情報がセットされる。
【0034】
ShutterSpeedValue、ApertureValueフィールドはそれぞれその時点で設定されている撮影時のシャッタースピード、絞り値を示すデータである。
【0035】
Make、Modelフィールドは、前記デジタルカメラのメーカー名及びモデル名を示すデータがASCII文字列でセットされる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のCamera Storageサブユニットの機器固有情報を取得するためのFILE INFOコマンドフレームとレスポンスフレームの例を示す図。
【図2】本発明のvendor dependentフォーマットのfile_specific_informationフィールドにセットされる機器固有の情報の例を示す図。
【図3】CTSで用いるコマンドフレームフォーマットを示す図。
【図4】CTSで用いるレスポンスフレームフォーマットを示す図。
【図5】Camera StorageサブユニットのFILE INFOcontrolコマンドとレスポンスの例を示す図。
【図6】FILE INFOコマンドのExif 2.1ファイルに対するfile_specific_informationフィールドのフォーマットを示す図。
【図7】FILE INFOコマンドのVendor dependentに対するfile_specific_informationフィールドのフォーマットを示す図。
【図8】CTSのコマンドフレームに設定するctypeフィールドの値を示す表。
【図9】CTSのレスポンスフレームに設定するresponseフィールドの値を示す表。
【図10】Camera Storageサブユニットコマンドのsubfunctionフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図11】Camera Storageサブユニットコマンドに対するレスポンスフレームのresultフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図12】FILE INFO Controlコマンドに対するレスポンスフレームのfile_info_typeフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図13】Exif 2.1ファイルに対するfile_specific_informationのCompressionフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図14】Exif 2.1ファイルに対するfile_specific_informationのColorSpaceフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図15】"Vendor dependent"を含むFILE INFO Controlコマンドに対するレスポンスフレームのfile_info_typeフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御信号とデータを混在させて通信することが可能なデータ通信バスを用いて電子機器(以下、機器)間を接続して、機器間でデータ通信を行うシステムを所有する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラが普及してきている。このデジタルカメラは着脱可能な記録媒体を使用してデジタル静止画データ、動画を記録、再生するシステムで、パソコン等へのデータ転送は、直接記録媒体をパソコンに挿入する方法と、デジタルカメラが備えるデジタルインターフェースとパソコンが備えるデジタルインターフェースを接続して行う方法の二通りの方法がある。
【0003】
前記デジタルインターフェースとしてIEEE1394シリアルバス(以下、1394と称する)が普及している。以下に1394のAsynchronous転送方式を使用してデジタルカメラを制御する手法について説明する。
【0004】
1394を用いて制御を行うための規格として標準化団体である1394Trade AssociationではAV/Cユニット及びAV/Cサブユニットを定義している (TA Document 1998003, AV/C Digital Interface Command Set General Specification)。ユニットはビデオカメラやビデオデッキのようなデバイス全体を示し、サブユニットはデバイス内のTape recorder / player、Video Camera、Tuner等の機能別に分かれた論理的な制御単位を示す。このユニットまたはサブユニットとPC等のコントローラは1394を介してトランザクションを行い、コントローラがサブユニットを制御したり、サブユニットの保持する情報を取得したりすることができる。
このトランザクションはIEC-61883-1, Consumer audio/video equipment - Digital interface - Part 1: Generalの中でFCP(Function Control Protocol)として規定されており、コントローラがターゲットデバイスの特定アドレスに対してwriteトランザクションを用いてコマンドデータを書き込み、前記writeトランザクションのデータを受信したターゲットがコントローラの特定アドレスに対してwriteトランザクションでレスポンスデータを書き込むことで実現される。AV/Cプロトコルでは各AV/Cサブユニットに対してCTS(Command Transaction Set)が規定されており、図3にCTSで用いるコマンドフレームのフォーマットを示す。ctypeフィールドはコマンドの種類を示す物であり、図8に示すコマンドタイプを指定する。subunit_type,subunit IDフィールドは、指定したノード内のどのユニットに対してのコマンドなのかを示すフィールドである。opcode,operandフィールドは実際のコマンドを内容を指定するフィールドである。図4にCTSで用いるレスポンスフレームのフォーマットを示す。responseフィールドはレスポンスの種類を示す物であり、図9に示すレスポンスタイプを指定する。subunit_type,subunit IDフィールドは、ノード内のどのサブユニットからのレスポンスなのかを示すフィールドである。opcode,operandフィールドはレスポンスデータを指定するフィールドである。
【0005】
ランダムアクセス可能な記録媒体を用いたサブユニットとして、Camera Storageサブユニットが定義されており(TA Document 1999036, AV/C Camera Storage Subunit 1.0)、前記Camera Storageサブユニットを用いて、記録媒体上のファイルのリストを取得したり、ファイルデータの送受信を行うことができる。図5に前記Camera Storageサブユニットの記録媒体上に記録されているファイルの固有情報を取得するためのコントロールコマンドフレーム及びレスポンスフレームの例を示す。
【0006】
opcodeフィールドは、前記Camera Storageサブユニットのコマンドの種類を示すものである。
【0007】
subfunctionフィールドは、コマンド実行のモードを指定するフィールドである。前記subfunctionフィールドにセットされる値を図10に示す。通常はexecuteを指定することによって、コマンドの実行を行う。
【0008】
Camera Storageサブユニットでは物理ボリューム及び論理ボリュームが定義されており、物理ボリュームは物理的な記録媒体そのものを示し、論理ボリュームは物理ボリューム中に存在する論理的に区切られた領域を示す。複数の記録媒体をセットできるCamera Storage サブユニットは複数の物理ボリュームを持ち、また各物理ボリュームは複数の論理ボリュームを持つことができる。physical_volume_number, logical_volume_numberは、それぞれ物理ボリューム及び論理ボリュームの番号を示し、再生を行うファイルが保存されているボリュームを指定する。
【0009】
Camera Storageサブユニットは記録媒体が挿入されたときにカウントアップするカウンタであるgeneration countを持ち、着脱可能な記録媒体が機器に挿入された場合にこのカウンタは更新される。media_generation_countには前記カウンタの値をセットする。この値がCamera Storageサブユニットが保持している値と異なる場合は、コマンドフレームで指定した物理ボリュームが交換されている可能性があるためコマンドは拒否される。その場合、レスポンスフレームのmedia_generation_countに現在の値がセットされる。
【0010】
file_path_length, file_pathは、再生するファイルのパス名を指定する。
【0011】
前記各フィールドにセットされた値に応じて、Camera Storageサブユニットは指定されたファイルの固有情報をレスポンスフレームにセットして、コントローラに前記レスポンスフレームを送信する。
【0012】
レスポンスフレームのresultフィールドは、前記Controlコマンドに対する実行結果をセットするフィールドである。前記resultフィールドにセットされる値を図11に示す。
【0013】
file_info_typeフィールドは、後述のfile_specific_informationフィールドにセットされた固有情報の種類を示すものである。前記file_info_typeフィールドにセットされる値を図12に示す。前記コマンドフレームのfile_pathで指定されたファイルが、デジタルカメラで一般的に使用されているExif 2.1形式の静止画ファイルである場合、0x0000が前記file_info_typeフィールドにセットされる。それ以外のファイルである場合は、file_info_typeフィールドに0xFFFFが、resultフィールドに"invalid file type"が、図4に示すresponseフィールドにREJECTEDがセットされたレスポンスフレームがコントローラに送信される。
【0014】
file_specific_information_lengthフィールドは、後述のfile_specific_informationフィールドにセットされたデータのサイズを示す。
【0015】
file_specific_informationフィールドはコマンドフレームのfile_pathで指定されたファイルに固有の情報を示すフィールドである。前記Exif 2.1形式のファイルに対する固有情報のフォーマットを図6に示す。
【0016】
ImageWidth,ImageLengthフィールドは、それぞれ静止画像データの幅と高さを画素数で示したものである。
【0017】
Compressionフィールドは、静止画像データの圧縮形式を示す。前記Compressionフィールドにセットされるデータの値を図13に示す。
【0018】
ColorSpaceは静止画像データの色空間情報を示す。前記ColorSpaceフィールドにセットされるデータの値を図14に示す。
【0019】
DataTimeフィールドは、ファイルが更新された日時を示す。このフィールドにはASCII文字列で、"YYYY:MM:DD HH:MM:SS"の形式でデータがセットされる。"YYYYMM:DD"には西暦で年月日が"HH:MM:SS"には24時間制で時分秒がセットされる。
【0020】
また、現在前述のCamera Storageサブユニットの拡張として、FILE INFOコマンドのfile_info_typeにvendor_dependentを追加する提案が行われている。これは、各メーカーの独自フォーマットのファイルに対する固有情報を取得するために用いられる。前記vendor_dependentを追加したfile_info_typeフィールドにセットされるデータを図15に示す。前記file_pathで指定されたファイルを独自フォーマットとして認識した場合、Camera Storageサブユニットは、前記file_info_typeフィールドにvendor_dependentをセットして、前記ファイルに固有の情報をfile_specific_informationフィールドにセットする。
【0021】
前記vendor_dependentに対するfile_specific_infoemationフィールドのフォーマットを図7に示す。
【0022】
company_IDは独自フォーマットファイルのメーカーのコードを示すデータであり、IEEE Registration Authority Committee (RAC)が定めた24ビットの識別コードである。
【0023】
vendor_dependent_dataフィールドは、指定された独自フォーマットファイルに固有の情報がセットされる。
【0024】
又、従来例としては、例えば特許文献1と特許文献2と特許文献3をあげることが出来る。
【特許文献1】WO2002/056548号公報
【特許文献2】特開2000−287119号公報
【特許文献3】特開2001−025707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
前記Camera Storageサブユニットは記録媒体上のファイルデータを操作するためのコマンドセットしか定義されておらず、デジタルカメラ本体の設定情報等を取得するコマンドセットが定義されていないため、コントローラがカメラ固有の情報を取得することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前記課題を解決するため、本発明ではコントローラがあらかじめ定められたパス名を指定してFILE INFOコマンドを送信し、前記パス名を認識したCamera Storageサブユニットが機器固有の情報をvendor dependentフォーマットの情報としてコントローラに送信する。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、特定のファイルパスを指定されたFILE INFOコマンドを受信した場合にvendor dependentフォーマットの情報を送信することによって、新たにコマンドを定義することなくコントローラは機器固有の情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施例1)
以下に、本発明でのFILE INFOコマンドによるデジタルカメラ機器固有の情報の取得動作について説明する。
【0029】
コントローラは、Camera Storageサブユニットに対してあらかじめ定められたパス名をセットしたFILE INFOコマンドを送信する。図1に前記コマンドの例を示す。この例では、phycical_volume_number、logical_volume_numberフィールドのそれぞれに0xFFが、パス名として"\device.inf"がセットされている。Phisical_volume_number、logical_volume_numberはそれぞれ0x00から0xFEが使用可能な番号であり、共に0xFFとすることによって、パス名で指定されたファイルはCamera Storageサブユニット上に存在しないことが保証される。
【0030】
前記FILE INFOコマンドを受信したCamera Storageサブユニットは、physical_volume_number、logical_volume_number、file_pathフィールドを検査して、あらかじめ定められてあるデータであることを確認した後に、図1にしめすレスポンスデータをセットしてコントローラに対して機器の固有情報を送信する。
【0031】
図2に前記file_specific_informationフィールドにセットされる機器固有の情報の例を示す。
【0032】
file_info_typeフィールドはvendor dependentのfile_specific_informationにセットされている情報の種類を示す。この例では、file_specific_informationフィールド内には機器固有の情報であることを示す"device info"の値がセットされている。
【0033】
ImageWidth、ImageLength、Compression、ColorSpace, DateTimeフィールドは図6に示すExif 2.1ファイルに対する情報と同一の意味を持つフィールドであり、コマンドを受信した時点でのデジタルカメラが記録する画像フォーマットの情報がセットされる。
【0034】
ShutterSpeedValue、ApertureValueフィールドはそれぞれその時点で設定されている撮影時のシャッタースピード、絞り値を示すデータである。
【0035】
Make、Modelフィールドは、前記デジタルカメラのメーカー名及びモデル名を示すデータがASCII文字列でセットされる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のCamera Storageサブユニットの機器固有情報を取得するためのFILE INFOコマンドフレームとレスポンスフレームの例を示す図。
【図2】本発明のvendor dependentフォーマットのfile_specific_informationフィールドにセットされる機器固有の情報の例を示す図。
【図3】CTSで用いるコマンドフレームフォーマットを示す図。
【図4】CTSで用いるレスポンスフレームフォーマットを示す図。
【図5】Camera StorageサブユニットのFILE INFOcontrolコマンドとレスポンスの例を示す図。
【図6】FILE INFOコマンドのExif 2.1ファイルに対するfile_specific_informationフィールドのフォーマットを示す図。
【図7】FILE INFOコマンドのVendor dependentに対するfile_specific_informationフィールドのフォーマットを示す図。
【図8】CTSのコマンドフレームに設定するctypeフィールドの値を示す表。
【図9】CTSのレスポンスフレームに設定するresponseフィールドの値を示す表。
【図10】Camera Storageサブユニットコマンドのsubfunctionフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図11】Camera Storageサブユニットコマンドに対するレスポンスフレームのresultフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図12】FILE INFO Controlコマンドに対するレスポンスフレームのfile_info_typeフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図13】Exif 2.1ファイルに対するfile_specific_informationのCompressionフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図14】Exif 2.1ファイルに対するfile_specific_informationのColorSpaceフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【図15】"Vendor dependent"を含むFILE INFO Controlコマンドに対するレスポンスフレームのfile_info_typeフィールドにセットされるデータ値を示す表。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアルデータを送受信するためのデジタルインターフェースを備え、前記デジタルインターフェースを経由して制御信号及びデジタルデータの送受信を行い、ランダムアクセス可能な記録媒体を使用して前記記録媒体上のデジタルデータを取り扱うデジタル機器であって、前記記録媒体上のデータを指定するための情報を含む制御信号を制御機器から受信して、前記指定されたデータに固有の情報を前記制御機器に対して出力する機能を有し、前記データを指定するための情報があらかじめ定められた内容であった場合に、機器の有する固有情報を前記制御機器に対して出力することを特徴とするデジタル機器。
【請求項2】
前記データを指定するための情報が、前記機器の有する記録媒体以外の媒体を指定している場合に機器の有する固有情報を前記制御機器に対して出力することを特徴とする、請求項1記載のデジタル機器。
【請求項1】
シリアルデータを送受信するためのデジタルインターフェースを備え、前記デジタルインターフェースを経由して制御信号及びデジタルデータの送受信を行い、ランダムアクセス可能な記録媒体を使用して前記記録媒体上のデジタルデータを取り扱うデジタル機器であって、前記記録媒体上のデータを指定するための情報を含む制御信号を制御機器から受信して、前記指定されたデータに固有の情報を前記制御機器に対して出力する機能を有し、前記データを指定するための情報があらかじめ定められた内容であった場合に、機器の有する固有情報を前記制御機器に対して出力することを特徴とするデジタル機器。
【請求項2】
前記データを指定するための情報が、前記機器の有する記録媒体以外の媒体を指定している場合に機器の有する固有情報を前記制御機器に対して出力することを特徴とする、請求項1記載のデジタル機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−82118(P2007−82118A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270552(P2005−270552)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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