説明

ランプの製造方法、ランプ及び蛍光ランプ

【課題】 長尺なガラス管であっても、厚みむらの小さい、蛍光体膜を形成することができるランプの製造方法を提供する。
【解決手段】 ガラス管22の内面への蛍光体膜の形成は、蛍光体を含んだ懸濁液36をガラス管22の内面に塗布する塗布工程と、ガラス管22内に乾燥用エア38を吹き込んで塗布された懸濁液36を乾燥する乾燥工程とを経て行われる。前記塗布工程は、ガラス管22の他端を下に向けた状態で、ガラス管22の内部に充填された懸濁液36を排出することで行い、乾燥工程における乾燥用エア38は、懸濁液36の排出を開始してから少なくとも30秒経過後に吹き込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス管の内面に塗布された懸濁液を乾燥させることにより形成された塗布膜をガラス管の内面に有するランプの製造方法、ランプ及び蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス管の内面に懸濁液を塗布する塗布工程と、塗布された懸濁液を乾燥する乾燥工程とを経て、ガラス管の内面に塗布膜を有するランプとして、例えば、冷陰極蛍光ランプがある。この場合における懸濁液は、蛍光体膜用であり、例えば、塗布工程では、直管状のガラス管内に懸濁液を充填した後、ガラス管の下端を下に向けた状態、つまり、立設状態でガラス管の下端から懸濁液を排出し、乾燥工程では、懸濁液が塗布されたガラス管内にエアを吹き込むことにより行われている(例えば、特許文献1〜2)。なお、上記のエアは、温度管理された空気を使用することが多い。
【特許文献1】特開平4−280031号公報
【特許文献2】特開2001−23518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の冷陰極蛍光ランプは、例えば、液晶表示装置のバックライトの分野において光源として利用されるものもあり、この分野においては、表示画面の大型化に伴い、冷陰極蛍光ランプの長尺化の要望が強い。
発明者らは、長尺化の要望に対して、上記方法を用いて蛍光体膜を形成したところ、ランプの上端側と下端側とで蛍光体膜の厚みの差が非常に大きい、つまり、蛍光体膜の厚みむらが大きいという問題が生じた。なお、この問題は、懸濁液を塗布するガラス管が長尺(ガラス管の全長とガラス管の内径との比が大きい)の場合に同様に発生する惧れがある。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、長尺なガラス管であっても、塗布膜の厚みむらを小さくすることができるランプの製造方法及びランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係るランプの製造方法は、ガラス管の内面に塗布された懸濁液を、当該ガラス管の一端からエアを吹き込むことによって乾燥させてなる塗布膜を有する製造方法であって、前記ガラス管の内面への懸濁液の塗布は、前記ガラス管の他端を下に向けた状態で、当該ガラス管の内部に充填された懸濁液を排出することで行い、前記エアは、前記ガラス管内に充填された懸濁液の排出開始から、少なくとも30秒を経過した後に、前記ガラス管の一端から吹き込まれることを特徴としている。
【0006】
ここでいう「ランプ」は、ガラス管の内面に懸濁液を塗布した後に乾燥して得られる塗布膜を有するランプをいい、このようなランプとして、例えば、蛍光ランプがある。またこの蛍光ランプは、冷陰極蛍光ランプ、熱陰極蛍光ランプ、外部電極型蛍光ランプ等がある。また、懸濁液には、例えば、蛍光体膜用、保護膜用等がある。
一方、前記エアは、前記ガラス管内に充填された懸濁液の排出開始から、前記ガラス管内に充填された懸濁液を自然落下させたときに排出開始から懸濁液の液面がガラス管の下端に達するのに要する時間を経過した後に、前記一端から吹き込まれることを特徴としている。
【0007】
さらに、前記ガラス管は、少なくとも懸濁液の排出した後にガラス管の軸心を回転中心として自転していることを特徴としている。ここでのガラス管の回転は、懸濁液の排出前から継続hして行う場合、懸濁液を排出し始めてから懸濁液を排出した後も継続している場合、また、懸濁液を排出した後のみ行う場合等を含む。
また、前記懸濁液の排出中は、ガラス管内の懸濁液の排出を推進し、かつ、ガラス管内を下降中の懸濁液の液面が下降途中で一端停止する範囲内の風量のエアが吹き込まれていることを特徴としている。
【0008】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係るランプは、上記製造方法により製造され、前記塗布膜は蛍光体膜であり、当該蛍光体膜の膜厚は、設計値をS(μm)としたときに、所定位置での膜厚(μm)が、前記設計値Sに対して、±3(μm)の範囲内にあることを特徴としている。
ここでいう「設計値」とは、例えば、発光物質(例えば、水銀)から発せられた紫外線を所定の波長に変換する変換効率が高くなる膜厚である。
【0009】
さらに、ここでいう「所定位置」とは、任意の位置1点を指すのではなく、ガラス管の両側の端領域(端から15mm)と中央領域の計3領域内の位置を少なくとも含む。そして、さらには、2つの端領域と中央領域との間の中間領域を含む計5領域内の位置を含む方が好ましい。
なお、各領域内での膜厚は、単に1点を測定結果で示すのではなく、周方向に等間隔をおいて複数点、例えば、4点を測定してその平均値で示している。
【0010】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係るランプは、ガラス管の内面に蛍光体膜を備え、前記ガラス管は、長さが500mm以上、内径が2mm以上3mm以下であり、
前記蛍光体膜の膜厚は、設計値をS(μm)としたときに、所定位置での膜厚(μm)が、前記設計値Sに対して、±3(μm)の範囲内にあることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るランプの製造方法を用いると、乾燥する前の段階で、ガラス管に塗布された懸濁液の厚みを略均一にすることができるので、得られる塗布膜の厚みムラは小さくなる。
本発明に係るランプは、その塗布膜の厚みを均一にできる。また、塗布膜として蛍光体膜を用いると、蛍光体膜の膜厚を均一にできるので、ランプとしての全体の輝度むらを小さくできる。また、塗布膜に保護膜を適用すると、蛍光体層で変換された光の透過率を一定にできるので、ランプとしての全体の輝度むらを小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る製造方法を用いて製造された冷陰極蛍光ランプ及び当該冷陰極蛍光ランプを用いたバックライトユニットを実施の形態として図面を参照しながら説明する。
<バックライトユニットの構成>
先ずバックライトユニットの構成について説明する。
図1は、バックライトユニットの構成を示す概略斜視図である。なお、図1は、バックライトユニット1の内部の構造を示すために前面パネル16の一部を切り欠いている。
【0013】
バックライトユニット1は、液晶表示装置用であって、図1に示すように、直管状の冷陰極蛍光ランプ(以下、「ランプ」とする。)20と、開口部を有し前記ランプ20を収納する筐体10と、この筐体10の開口部を覆う透光性の前面パネル16とを備える。
このバックライトユニット1は、所謂、直下式であって、複数本のランプ20、ここでは、14本のランプ20を用いている。なお、これらのランプ20は、電気的に並列に接続されており、ランプ20の構成については後述する。
【0014】
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であり、その内面11には、例えば、銀などの金属が蒸着されてなる反射面が形成されている。前面パネル16は、拡散板13、拡散シート14及びレンズシート15を積膜して構成される。
拡散板13及び拡散シート14は、各ランプ20から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、前記散乱・拡散された光を当該シート15の法線方向へそろえるものである。これらのシート13,14,15により各ランプ20から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)全体から均一に前方を照射するようになる。
【0015】
<ランプの構成>
ランプ20の構造について図2を参照しながら説明する。図2は、ランプ20の概略構成を示す一部切欠斜視図である。
ランプ20は、例えば、横断面形状が略円形なガラス管22を用いており、当該ガラス管22の両端部22a,22bに電極24,26が封着されていると共に、内部に、例えば、水銀及び希ガス(例えば、アルゴン、ネオン)等が所定量封入されている。なお、ガラス管22に電極24,26が封着され且つ内部に水銀等が封入されると、当該ガラス管は放電容器となる。
【0016】
電極24,26は、有底円筒状の電極本体24a,26aと、電極本体24a,26aの底に取着された電極棒24b,26bとを備え、ビーズガラス28によりガラス管22の両端部に22a,22bに封着される。なお、図2では、電極26側のビーズガラスの図示は、図面の構成上省略している。
ガラス管22の内面には、保護膜32が形成されており、当該保護膜32上にさらに蛍光体膜34が形成されている。なお、保護膜32は、ガラス管22と、ガラス管22の内部に封入されている水銀とが反応するのを防止するためのものである。また、蛍光体膜34は、蛍光体を含んでおり、この蛍光体は、水銀から発せられた紫外線を可視光に変換する。
【0017】
<蛍光体膜の形成方法>
つぎに、ガラス管22の内面に蛍光体膜34を形成する方法について説明する。なお、保護膜32は、蛍光体膜34の形成方法と同じ方法でも形成できるため、ここでの説明は省略する。また、ランプ20の製造は、蛍光体膜34(保護膜32)の形成工程の他、ガラス管22に電極24,26を封着する工程、水銀等をガラス管22の内部に封入する工程、必要があれば、ガラス管を所定形状に変形させる工程等があるが、これらの工程については、従来と同じであり、その説明は省略する。
【0018】
蛍光体膜の形成は、蛍光体を含んだ懸濁液をガラス管の内面に塗布する塗布工程と、塗布された懸濁液の厚みを均一にする膜面均一化工程と、膜面が均一化された懸濁液を乾燥する乾燥工程とを経て行われる。
ここで、塗布工程は、蛍光体膜用の懸濁液をガラス管内に充填する充填工程と、充填した懸濁液を排出する排出工程とを経て行われ、膜面均一化工程は、本実施の形態では、ガラス管内に充填された懸濁液を排出し始めた直後から開始する。
【0019】
図3は、蛍光体膜の形成方法を説明する図である。
まず、ガラス管22、蛍光体を含んだ懸濁液36を用意する。懸濁液36としては、例えば、蛍光体の他、バインダ、結着剤及び有機溶剤が混合されたものが用いられる。それでは、各工程について説明する。
(1)充填工程
この充填工程では、図3の(a)に示すように、まず、ガラス管22をその軸心が鉛直と成るように立設させた後、ガラス管22の下端開口を懸濁液36に浸漬させて、懸濁液36をガラス管22の内部へと吸引する。この懸濁液36の吸引は、例えば、ガラス管22の上端開口からガラス管22の内部の空気を吸引して、ガラス管22の内部を負圧にすることで行う。
【0020】
(2)排出工程
この排出工程では、懸濁液36がガラス管22の内部の所定位置まで吸引される、つまり、懸濁液の液面が所定位置まで達すると、その吸引を止めて、ガラス管22の下端開口を懸濁液36から引き上げ、図3の(b)に示すように、懸濁液36をガラス管22の下端開口から排出する。懸濁液36に排出は、例えば、ガラス管22の上端開口を開放し、懸濁液36の自重を利用して(自然落下にて)行う。これにより、ガラス管22の内面に懸濁液36が塗布される。なお、好ましくは、懸濁液の吸引を止めた以降は、ガラス管22は回転している方が良い。
【0021】
(3)膜面均一化工程
この膜面均一化工程では、図3の(c)に示すように、懸濁液36の排出を完了してから、ガラス管22をその軸心を回転中心として自転させると共に、ガラス管22の外面を加熱する。ここでは、ガラス管22の加熱には、コイルヒータ37を用いている。ガラス管22を加熱する理由は、塗布膜が厚く形成される箇所には、熱をかけてその部分の懸濁液の粘度をさげて、膜面均一化を促進させるためである。
【0022】
また、この膜面均一化工程の時間は、ガラス管から懸濁液の排出を開始してから、数十秒を経過するまでであり、ここでは、懸濁液を排出を終了した後となる。なお、ガラス管から懸濁液の排出が完了する時点は、ガラス管内の懸濁液の液面がガラス管の下端に達した時点としている。
(4)乾燥工程
この乾燥工程では、図3の(d)に示すように、ガラス管22を膜面均一化工程と同様に自転させながら、ガラス管22の上端開口から、所定温度の管理された乾燥用エア38を流入させて、ガラス管22の内面塗布されている懸濁液36を乾燥させる。
【0023】
(5)まとめ
乾燥工程が完了すると、ガラス管22の内面に蛍光体膜が形成される。なお、正確に言うと、乾燥工程が完了した後、例えば、660(℃)で焼付ける工程を経て、本来の蛍光体膜の形成が完了する(焼き付け前後で、塗布膜の膜厚に変化は生じない)。
そして、ガラス管22の端部に電極24,26を設けたり、ガラス管22の内部に希ガス等を封入したり、必要があればガラス管を所定の形状に変形させたりする工程が行われ、冷陰極蛍光ランプ20が完成する。
【0024】
<実施例>
上記説明した蛍光体膜の形成方法の具体的な実施例について説明する。なお、ここで説明する具体例、数値等は発明の実施例として説明するものであり、本具体例、数値等に本発明が限定されるものではない。
上記説明に用いたガラス管22はホウケイ酸ガラスからなる。このガラス管22の寸法は、内径Diが2.0(mm)、外径Doが3.0(mm)であり(図2参照)、長さが1075(mm)で、蛍光体膜を形成するべき領域(ガラス管の長さ)は1000(mm)である。言うまでもなく、ガラス管22の肉厚は0.50(mm)である。
【0025】
形成すべき蛍光体膜34は、色温度10,000(K)の3波長域用であり、例えば、赤色にユーロピウム付活酸化イットリウム(Y:Eu3+)を、緑色にセリウム・テルビウム付活りん酸ランタン(LaPO:Ce3+、Tb3+)を、また青色にユーロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート(BaMgAl1626:Eu2+)の3種類の希土類の蛍光体を含んでいる。
【0026】
また、有機溶媒として、例えば、酢酸ブチルのベースを、バインダとして、例えば、ニトロセルロースを、結着剤として、例えば、ホウ素・リン酸カルシウム・バリウム等を用い、懸濁液36の比重は1.46であり、このときの粘度が、内径2.6(mm)のフォードカップ粘度計において、25(℃)のとき130(sec)であった。
上記構成の懸濁液を上記のガラス管に充填した後、ガラス管の上端を開放して、懸濁液の排出を行う。上端を開放後、懸濁液の自然落下を利用して懸濁液を排出し始め、懸濁液の液面がガラス管の下端に達するまでの時間は約45(秒)であり、本実施の形態においては、膜面均一化時間は、当該45秒より長い。具体的には、上記の懸濁液の排出を開始してから、約100秒を経過するまでである。この時間は、懸濁液を排出してからその液面が下端に達するまでの時間(45秒)の約2倍に相当する。
【0027】
つまり、ガラス管内に懸濁液を充填した後、懸濁液の排出を開始してから100秒経過後に乾燥用エアの吹き込んでいる。また、膜面均一化工程でのガラス管22の回転速度は、60(回転/分)であり、ガラス管を外側からの加熱は、ガラス管22の外周温度が42(℃)となるように設定されている。
乾燥用エア38は、その温度が25(℃)〜45(℃)の範囲内の温度、さらには、30(℃)〜40(℃)に管理されており、流量は、ガラス管22の内径Diの単位面積あたり、7(ml/(分・mm))〜162(ml/(分・mm))の範囲内、例えば、40(ml/(分・mm))に設定されている。ここで、乾燥用エア38の温度を上記30(℃)〜40(℃)としている理由は、塗布されている懸濁液を高温でより早く乾燥させるためである。
【0028】
また、乾燥用エアの風量を、ガラス管22の内径Diの単位面積あたり、7(ml/(分・mm))〜162(ml/(分・mm))の範囲内、例えば、40(ml/(分・mm))に設定されている理由は、より膜厚のむらを抑え(膜厚の均一化を図り)、なるべく、乾燥時間を短くするためである。
<蛍光体膜の厚さと膜面均一化時間ついて>
図4は、ガラスの所定位置における蛍光体膜の膜厚を示す図であり、図5は膜面均一化時間と蛍光体膜の膜厚差との関係を示す。図4に示す膜厚は、ガラス管の上端を基準として、15、240、470、693、806、919(mm)の計6箇所の位置において、ガラス管の周方向の4箇で所測定した平均値であり、図5に示す膜厚差は、ガラス管の各点で測定した膜厚の平均値の、最小と最大との差である。
【0029】
図4及び図5で示す膜面均一化時間24秒は、懸濁液の液面が、ガラス管の下端まで達する前に乾燥用エアを吹き込んで蛍光体膜を乾燥させており、この時間は、長さが、例えば、750(mm)以下のガラス管について従来採用されてきた時間である。
蛍光体の膜厚差は、図4及び図5から、膜面均一化時間を長くした方が小さくなっているのが分かる。つまり、膜面均一化時間が、従来の方法での時間の約2倍に相当する60(sec)、そして、従来の方法の時間の約4倍に相当する96(sec)の順で膜厚差が小さくなっている。
【0030】
上記のように、膜面均一化時間を長くすると蛍光体膜の膜厚差が小さくなるのは、懸濁液の塗布終了時には、懸濁液の表面張力により、ガラス管の上部に蛍光体膜が塗布(付着)されているが、膜面均一化により、前記表面張力のため付着していた懸濁液の流出がおこり、より均一な膜厚となるためである。
ここで、ガラス管内の懸濁液の排出時の状態について簡単に説明すると、ガラス管内を下降する懸濁液の液面がガラス管の下端に達する前に、一旦停止する。これは、表面張力と塗布液の自重とのつりあいによって生じると考えられる。
【0031】
そして、懸濁液の排出の開始から液面の下降が一旦止まるまで時間(この時間を、「つりあい時間」ともいう。)は、約45(sec)であり、この時間を基準すると、上記の膜面均一化時間は、60(sec)が、つりあい時間から15(sec)後に、また、96(sec)が、つりあい時間から約50(sec)後となる。
<考察>
(1)排出スピードについて
発明者らは、膜面均一化時間を長く取ることにより、蛍光体膜の膜厚差を小さくできる、つまり、膜厚を均一に塗布できることを見出した。次に、発明者らは、膜厚差が小さくなった原因が、懸濁液を排出し始めてから所定の時間が経過したためか、懸濁液の排出が終了して(懸濁液の液面が下端に達して)から所定の時間経過したためかを試験により確認した。つまり、懸濁液の排出開始時が基準なのか、懸濁液の排出終了時が基準であるかを試験により確認した。
【0032】
この試験について以下説明する。
試験は、上記で説明した自由落下させた時に相当する約50秒で懸濁液を排出した直後に乾燥用エアを吹き込んだ場合と、自由落下に対して約2倍の速さで懸濁液を排出した直後に乾燥用エアを吹き込んだ場合と、自由落下に対して約1/2倍の速さで懸濁液を排出した直後に乾燥用エアを吹き込んだ場合との3種類の塗布条件での蛍光体膜の膜厚差を測定した。
【0033】
つまり、上記3種類の塗布条件における膜面均一化時間は、懸濁液の排出が終了する時間であり、懸濁液排出後の経過時間は「0」である。なお、懸濁液の排出スピードの調整は、ガラス管内を負圧に制御することで行っている。
図6は、懸濁液排出(開始)から終了時間までの経過時間と蛍光体膜の膜厚差を示す図である。また、図7〜図9までは、図6の各経過時間におけるガラス管の所定位置での膜厚測定結果を示す図である。
【0034】
図6から分かるように、排出時間が長くなる、つまり、経過時間が25(sec)、50(sec)、100(sec)の順で、蛍光体膜の膜厚差が小さくなっている。これは、図5に示す結果と同じ傾向にある。
特に、図6での経過時間及び図5での経過時間が略同じ値、具体的には、図5での経過時間が24(sec)と図6での経過時間25(sec)、図5での経過時間が60(sec)と図6での経過時間50(sec)、図5での経過時間が96(sec)と図6での経過時間100(sec)では、蛍光体膜の膜厚差が同じまたは近いとなっている。なお、図5と図6での試験は、塗布工程乾燥工程を行う装置が異なっており、このため、膜厚差にある程度のバラツキが生じたと考えられる。
【0035】
従って、ガラス管内での蛍光体膜の膜厚差は、懸濁液の排出の終了時からの時間経過に関係なく、また、懸濁液の排出スピードにもあまり関係なく(現時点では推測である。)、懸濁液の排出開始からの時間が所定時間経過すれば、小さくなると考えられる。つまり、基準となるのは懸濁液の排出開始からの時間である。
(2)確認試験
発明者らは、上記の懸濁液の排出時間の調整を行う実験により、懸濁液を排出し始めてから所定時間が経過すれば、蛍光体膜の膜厚差を小さくできることを見出した。このことをさらに確認するために、図6における排出時間が25(sec)の条件で、懸濁液の排出が終了した後、約75(sec)経過した時に乾燥用エアを吹き込んだ場合、つまり、排出を開始してから100(sec)経過した場合について、ガラス管の蛍光体膜の膜厚分布を測定した。
【0036】
図10は、懸濁液の排出スピードを変えて懸濁液の排出開始後、100(sec)経過したときに乾燥用エアを吹き込んだ場合における蛍光体膜の膜厚の分布を示す図である。
図10での、スピード2は、懸濁液の排出スピードが懸濁液の自然落下による排出スピードの2倍(排出時間が自然落下による排出時間の半分)の場合の測定結果であり、排出後に約75(sec)の経過時間がある。
【0037】
一方、スピード1/2は、懸濁液の排出スピードが懸濁液の自然落下による排出スピードの1/2倍(排出時間が自然落下による排出時間の2倍)の場合の測定結果であり、排出後に経過時間は無く、直ちに乾燥用エアが吹き込まれている。
図10に示すように、懸濁液の排出開始からの経過時間が同じであれば、例えば、排出スピードが異なっていても、その蛍光体膜の膜厚差が略同じになり、しかも、蛍光体膜の膜厚の分布と似たような分布となる。
【0038】
このことから、蛍光体膜の膜厚を均一にするには、懸濁液の排出後の経過時間でなく、懸濁液の排出を開始してからの経過時間を所定時間以上にすれば良いと考えられる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例をさらに実施することができる。
【0039】
1.懸濁液について
上記実施の形態における懸濁液は、蛍光体膜34用であったがが、他の懸濁液を使用しても良い。他の懸濁液としては、例えば、保護膜32用がある。この保護膜32は、例えば、イットリア(Y)の微粒子からなる。イットリアの代わりに、チタニア(TiO)、セリア(CeO)、マグネシア(MgO)、ランタニア(La)、又はアルミナ(Al)のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物が用いられている。
【0040】
有機溶媒として、実施の形態における蛍光体膜用の懸濁液と同様に、例えば、酢酸ブチルのベースを、バインダとして、例えば、ニトロセルロースを用いても良い
また、実施の形態で説明した懸濁液は、所定の蛍光体膜についてのものであったが、他の蛍光体膜を形成する場合に、他の懸濁液を使用しても良い。この場合、懸濁液の粘度、懸濁液の構成比率等も変わるので、懸濁液の排出開始から、エアの吹き込みまでの時間は、若干変わることも考えられるが、懸濁液の排出開始から、所定の時間を放置することで、ガラス管の内面に塗布されている懸濁液の膜面が均一化が図られる効果は得られる。
【0041】
2.塗布工程について
上記の実施の形態では、排出工程及び塗布工程におけるガラス管は立設状態であったが、少なくともガラス管内の懸濁液を排出する際にガラス管が立設しておれば良く、例えば、懸濁液をガラス管内に充填する際の姿勢は、ガラス管の軸心が垂直方向に対して傾斜していても良い。
【0042】
3.排出工程について
実施に形態の排出工程では、懸濁液の排出中、つまり、懸濁液の液面がガラス管内を下がっているときに、ガラス管の上端から、懸濁液の排出を促進するために、エアを吹き込んでも良い。このとき、エアの吹き込み量としては、13(ml/(分・mm))以下が好ましい。
【0043】
これは、吹き込み量が13(ml/(分・mm))より多いと、乾燥が促進されて膜厚の均一化が難しくなる。
4.乾燥用エアについて
(1)エアの向きについて
実施の形態では、乾燥用エア38は、ガラス管22の上端開口から下向きに流入させていたが、例えば、ガラス管の下端開口から上向きに流入させても良い。つまり、懸濁液が流下する向きと反対向きの乾燥用エアを流入させても良い。
【0044】
乾燥用エアを吹き込むまでの時間については、懸濁液の排出開始から60(sec)後以降が良い。これは、この条件で蛍光体膜(塗布膜)を形成するとその膜厚差を6(μm)以内に制御することができるからである。
さらに、乾燥用エアを吹き込むまでの時間については、懸濁液の排出開始から100(sec)後以降がより好ましい。これは、この条件で蛍光体膜を形成するとその膜厚差を4(μm)以内に制御することができるからである。
【0045】
さらに、懸濁液の粘度・ガラス管の径・乾燥エアを吹き込むまでのヒータ加熱設定・乾燥時のエアの吹き込み条件(いわゆる、エアプロファイル)等を調整すれば、懸濁液の排出開始から30(sec)後以降経過すれば、膜厚差6(μm)以内に制御できる。
(2)風量について
実施の形態では、乾燥工程での乾燥用エアは、乾燥開始から終了まで、エアの流量を一定にしていたが、エアの流量を乾燥工程中で変更させても良い。
【0046】
例えば、乾燥用エアを、段階的に増加させても良いし、或いは、段階的に減少させても良い。但し、ガラス管の全長が長くなると、コンダクタンスが変わるので、ガラス管の端部での流量の測定値を基に流量設定する必要がある。なお、乾燥用エアの調整により、乾燥速度のコントロール、すなわち、膜厚のコントロールができる。
また、乾燥時の熱により、懸濁液の注入時よりもその懸濁液の粘度が低下していることが考えられるので、流量は、徐々に(直線的、曲線的、段階的)に増加させていくのが望ましい。
【0047】
図11は、風量を段階的に増加させたときの膜厚分布を示す。
なお、この図11は、図9で示した塗布条件と同じであり、乾燥工程での乾燥用エアの風量だけを変えたものであり、風量を段階的に増加させた場合(図11)と、風量を変化させない場合(図9)とで、風量を変化させた場合の効果がわかる。
風量の段階的な増加は、80(ml/分)、100(ml/分)、120(ml/分)の順で行い、各風量での吹き込み時間は、おのおの約7分である。
【0048】
図11では、形成後の蛍光体膜の膜厚差が4(μm)であるのに対し、図9では、膜厚差が5(μm)と成っている。この図9と図11とを比較すると、図11の方が、膜厚差が小さいことが分かる。つまり、段階的に風量を増加させたほうが、均一な蛍光体膜が得られることが分かる。従って、蛍光体膜の膜厚は、乾燥用エアの風量を徐々に増加させる等の乾燥用エアの最適化を行えば、風量が一定のときよりも均一にできると考えられる。
【0049】
5.放電容器の形状について
実施の形態では、放電容器の形状は、懸濁液を塗布するガラス管の形状と略同じであったが、例えば、懸濁液を乾燥させて塗布膜を形成した後に、直管状以外の形状、例えば、「U」、「W」等の形状に加工して(変形させて)も良い。さらには、円環状に加工して(変形させて)も良い。
【0050】
6.ランプについて
上記の実施の形態では、冷陰極蛍光ランプ用のガラス管に蛍光体を塗布する場合について説明したが、他のランプ、例えば、蛍光ランプ、電球形蛍光ランプ、コンパクト型蛍光ランプ等の熱陰極蛍光ランプ、さらには、ガラス管の両端部の外周に配された外部電極型蛍光ランプにも本発明に係る製造方法を適用することができる。
【0051】
7.ガラス管の内径及び長さについて
上記実施の形態では、ガラス管の内径が2.0(mm)、外径3.0(mm)、長さ1075(mm)であったが、本寸法に限定するものではない。ただ、本発明の効果が、顕著に現れるのは、ガラス管の内径が10(mm)以下であり、長さが2500(mm)までである。
【0052】
ガラス管の内径について、さらに言うと、3.0(mm)以下になると、ガラス管の周辺温度の影響により、懸濁液の粘度等が変化して、従来の塗布方法では、設定値に対して±3(μm)以内に膜厚むら(膜厚差が6μm以下である)を抑えるのが難しいが、本発明では、膜厚むらを上記範囲内に抑えることができる。つまり、本発明では、ガラス管の内径が3.0(mm)以下の場合に特に有効となる。
【0053】
ガラス管の内径が2.0(mm)より細くなると、ガラス管内の懸濁液を効率良く排出するために、懸濁液の粘度を低くする必要があり、本発明に係る製造方法の適用が難しくなる。
なお、本発明に係る製造方法は、懸濁液の排出を開始してから所定時間経過した後に、ガラス管内にエアを吹き込んでいる。つまり、所定時間放置することにより、懸濁液の液面が均一化される。この均一化は、ガラス管の長さに関係なく、行われることであり、本発明は、ガラス管の長さに関係なく実施できることになる。
【0054】
一方、従来の製造方法では、ガラス管の長さが長くなるに従って、膜厚むらが大きくなる傾向にある。特に、ガラス管の長さが500(mm)以上になると、設定値に対して±3(μm)以内に膜厚むら(膜厚差が6μm以下である)を抑えるのが難しくなり、本発明では、ガラス管の長さが500(m)以上の場合に特に有効となる。
また、従来の方法では、ガラス管の長さが500(mm)以上になると、ガラス管の外周を加熱する際の温度・加熱方法、懸濁液の粘度等を調整して、塗布膜の膜厚を、設定値に対して±3(μm)以内に入るようにしている。なお、この方法では、ガラス管の長さが700(mm)以上になると特に種々の条件の管理がより困難となる。
【0055】
8.ガラス管の肉厚について
上記実施の形態では、ガラス管の肉厚が0.5(mm)であったが、本寸法に限定するものではない。ただ、ガラス管の外周を加熱する場合、ガラス管の肉厚が厚いときは加熱時間を長く、そして、ガラス管の肉厚が薄いときは加熱時間を短くして、膜面を均一化させる必要がある。
【0056】
9.ガラス管の回転について
上記実施の形態では、ガラス管は、その軸を回転中心として自転させていたが、自転させなくても良い。但し、ガラス管を自転させた方が、膜厚の差は小さくなる傾向にある。
自転させる速度は、ガラス管の内径によって決定されるが、1500(rpm)以下が好ましい。これは、この速度よりも大きくなると、蛍光体粒子の比重の違いによる色分離や、蛍光体と結着剤との分離等が発生してしまうためである。
【0057】
10.ガラス管の加熱について
上記実施の形態では、ガラス管内に塗布された懸濁液の排出するときにガラス管の外面をコイルヒータで加熱し、また、懸濁液を乾燥するときに、乾燥用エアをガラス管内に吹き込むとともに、ガラス管の外面をコイルヒータで加熱している。
まず、懸濁液の排出時の加熱は、懸濁液の粘度、つまり、懸濁液の排出のし易さ等を考慮して決定する必要があり、懸濁液の粘度によっては、ガラス管を加熱する必要がない場合もある。
【0058】
また、乾燥工程では、ガラス管内の懸濁液を乾燥できれば良く、例えば、乾燥用エアを吹き込むだけでも良く、逆に、外面から加熱して乾燥させても良い。但し、両方を用いて懸濁液を乾燥した方が効率の良いのは言うまでもない。
なお、実施の形態では、加熱手段として、コイルヒータを用いたが、例えば、所望の温度に設定された温風をガラス管の外面に当てるようなものでも良いし、乾燥炉内で乾燥工程を行っても良い。
【0059】
11.膜厚について
本実施の形態では、蛍光体として、赤色にユーロピウム付活酸化イットリウムを、緑色にセリウム・テルビウム付活りん酸ランタンを、また、青色にユーロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネートを用いた。この蛍光体膜は、膜厚が約16(μm)〜24(μm)の範囲内にあるときに、水銀からの紫外線を可視光へと変換する変換効率が高くなる。
【0060】
従って、本発明における塗布膜の設計値Sは、蛍光体膜の変換効率が最も高い値の近傍の値(ここでは、20(μm))となり、この値は、使用する蛍光体膜によって変わる。
蛍光体として、例えば、青色は上記の蛍光体で、緑色にユーロピウム、マンガン付活バリウムマグネシウムアルミネート、赤色にユーロピウム付活イットリウムバナジエイトを用いると、蛍光体膜の膜厚が18(μm)〜26(μm)付近で変換効率が最も高くなり、設定値Sとしては、22(μm)となる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る製造方法は、ガラス管内に塗布された懸濁液を乾燥して形成される塗布膜の厚さを均一にするのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】バックライトユニットの構成を示す一部概略斜視図である。
【図2】実施の形態に係るランプの概略構成を示す一部切欠斜視図である。
【図3】蛍光体膜の形成方法を説明する図である。
【図4】ガラス上端の所定位置における蛍光体の膜厚を示す図である。
【図5】膜面均一化時間と蛍光体の膜厚差との関係を示す。乾燥用工程における乾燥装置の概略図を示す図である。
【図6】液排出から終了時間までの経過時間と蛍光体膜の膜厚差を示す図である。
【図7】経過時間が25(sec)におけるガラス管の所定位置での膜厚測定結果を示す図である。
【図8】経過時間が50(sec)におけるガラス管の所定位置での膜厚測定結果を示す図である。
【図9】経過時間が100(sec)におけるガラス管の所定位置での膜厚測定結果を示す図である。
【図10】懸濁液の排出スピードを変えて懸濁液の排出開始後、100(sec)経過したときに乾燥用エアを吹き込んだ場合における蛍光体膜の膜厚の分布を示す図である。
【図11】風量を段階的に増加させたときの膜厚分布を示す。
【符号の説明】
【0063】
1 バックライトユニット
20 冷陰極蛍光ランプ
22 ガラス管
32 保護膜
34 蛍光体膜
36 懸濁液
38 乾燥用エア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管の内面に塗布された懸濁液を、当該ガラス管の一端からエアを吹き込むことによって乾燥させてなる塗布膜を有するランプの製造方法であって、
前記ガラス管の内面への懸濁液の塗布は、前記ガラス管の他端を下に向けた状態で、当該ガラス管の内部に充填された懸濁液を排出することで行い、
前記エアは、前記ガラス管内に充填された懸濁液の排出開始から、少なくとも30秒を経過した後に、前記ガラス管の一端から吹き込まれることを特徴とするランプの製造方法。
【請求項2】
前記エアは、前記ガラス管内に充填された懸濁液の排出開始から、前記ガラス管内に充填された懸濁液を自然落下させたときに排出開始から懸濁液の液面がガラス管の下端に達するのに要する時間を経過した後に、前記一端から吹き込まれることを特徴とする請求項1に記載のランプの製造方法。
【請求項3】
前記ガラス管は、少なくとも懸濁液の排出した後にガラス管の軸心を回転中心として自転していることを特徴とする請求項1又は2に記載のランプの製造方法。
【請求項4】
前記懸濁液の排出中は、ガラス管内の懸濁液の排出を推進し、かつ、ガラス管内を下降中の懸濁液の液面が下降途中で一端停止する範囲内の風量のエアが吹き込まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のランプの製造方法。
【請求項5】
ガラス管の内面に塗布膜を備えるランプであって、
当該ランプは、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されていることを特徴とするランプ。
【請求項6】
前記塗布膜は蛍光体膜であり、当該蛍光体膜の膜厚は、設計値をS(μm)としたときに、所定位置での膜厚(μm)が、前記設計値Sに対して、±3(μm)の範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載のランプ。
【請求項7】
ガラス管の内面に蛍光体膜を備える蛍光ランプであって、
前記ガラス管は、長さが500mm以上、内径が2mm以上3mm以下であり、
前記蛍光体膜の膜厚は、設計値をS(μm)としたときに、所定位置での膜厚(μm)が、前記設計値Sに対して、±3(μm)の範囲内にあることを特徴とする蛍光ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−5035(P2007−5035A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181155(P2005−181155)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】