説明

ランプユニットの製造方法及びランプユニット

【課題】室内照明用ランプモジュールとこの室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作が行われるスイッチモジュールとの配置自由度を安価に持たせることができるランプユニットを提供する。
【解決手段】照明用LEDモジュール11、スイッチモジュール12、第1、第2オスタブモジュール14a、14b、制御モジュール13、表示発光用LEDモジュール15と、それぞれ複数づつ、モジュール毎に標準化された同形状のものを用意し、複数種類のランプユニットのハウジングにそれぞれそ合わせて少なくとも照明用LEDモジュール11と、スイッチモジュール12と、第1オスタブモジュール14aと、を組み付けると共にハウジング16に合わせて制御モジュール13、表示発光用ランプモジュール15、及び、第2オスタブモジュール14bを選択的に組み付け、ハウジング16に搭載したモジュール間を電線Lにより電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプユニットの製造方法及びランプユニットに係り、特に、車室内を照明するランプユニットの製造方法及び車室内を照明するランプユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上述したランプユニットとして、例えば図8に示す車両用室内照明灯が提案されている(特許文献1)。同図に示すように、車両用室内照明灯100は、車体パネル(不図示)を覆う天井板101の開口部102から一部が露出した状態で天井板101に取り付けられるランプ機能部Aと、このランプ機能部Aを覆うように天井板101に取り付けられた意匠部Bと、を備えている。
【0003】
上記ランプ機能部Aは、室内照明用ランプモジュールであるバルブ103やバルブ103への電力を入断するスイッチモジュールとしてのスイッチユニット104などから構成されている。上記スイッチユニット104は、スイッチレバー105と、スイッチレバー105のスライドに応じてオンオフするスイッチ接点(図示せず)が設けられたスイッチ端子(図示せず)と、から構成されている。
【0004】
上記スイッチレバー105は、意匠部Bに設けたスイッチノブ106に係止されていて、スイッチノブ106がスライド操作されると、スライドする。上記図示しないスイッチ端子は、バルブ103に直接、接続されている。また、電源に接続されたFFC(フレキシブルフラットケーブル)107がスイッチ端子に直接、接続されている。これにより、スイッチ接点のオンオフによりバルブ103に対する電源供給が入断される。
【0005】
上述したように特許文献1に記載された従来は、バルブ103とスイッチユニット104の図示しないスイッチ端子とが直接、接続されている。このため、バルブ103とスイッチユニット104との配置位置が変わる毎に、即ち車両用室内照明灯100の意匠が変わる毎に、スイッチユニット104のスイッチ端子の端子形状を変える必要があり、コスト的に問題となる。
【0006】
また、上述したランプユニットとして、例えば図9に示すルーフコンソールの照明構造が提案されている(特許文献2)。同図に示すように、このルーフコンソールの照明構造にも車両用室内照明灯100と同様に、ランプ機能部Aが設けられている。ランプ機能部Aは、複数のLED部108〜110と、マイクやルーフ開閉用のスイッチなどから構成される電装部111と、を独立してユニット化し、これらが電線112やコネクタ113を介して相互に連結されている。
【0007】
しかしながら、上述した特許文献2には、LED部108〜110と、このLED部108〜110の点灯・消灯操作を行われるスイッチモジュールと、が電線112で接続されている、という記載はない。このため、特許文献1と同様に、LED部108〜110と、スイッチモジュールと、の配置自由度を安価に持たせるのが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−21670号公報
【特許文献2】特開2010−143357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、室内照明用ランプモジュールとこの室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作が行われるスイッチモジュールとの配置位置が互いに異なる複数種のランプユニットを安価に製造できるランプユニットの製造方法、及び、室内照明用ランプモジュールとこの室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作が行われるスイッチモジュールとの配置自由度を安価に持たせることができるランプユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、複数のモジュールから構成され、当該モジュールの配置位置が互いに異なる複数種のランプユニットを製造するランプユニットの製造方法であって、前記モジュールとして、車室内の照明をする室内照明用ランプモジュールと、前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作に応じてオンオフするスイッチモジュールと、前記室内照明用ランプモジュールに電源を供給するための第1電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第1端子金具モジュールと、前記スイッチモジュールのオンオフに基づいて前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯制御を行う制御モジュールと、前記スイッチモジュールを照明するスイッチ照明用ランプモジュールと、前記スイッチ照明用ランプモジュールに電源を供給するための第2電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第2端子金具モジュールと、それぞれ複数づつ、前記モジュール毎に標準化された同形状のものを用意し、前記複数種類のランプユニットのハウジングにそれぞれそ合わせて少なくとも前記室内ランプモジュールと、前記スイッチモジュールと、前記第1端子金具モジュールと、を組み付けると共に前記ハウジングに合わせて前記制御モジュール、前記スイッチ照明用ランプモジュール、及び、前記第2端子金具モジュールを選択的に組み付け、前記ハウジングに搭載した前記モジュール間を電線により電気的に接続したことを特徴とするランプユニットの製造方法に存する。
【0011】
請求項2記載の発明は、車室内を照明する室内照明用ランプモジュールと、前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作に応じてオンオフするスイッチモジュールと、前記室内照明用ランプモジュールに電源を供給するための第1電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第1端子金具モジュールと、をさらに備え、前記室内照明用ランプモジュール及び前記スイッチモジュールの間と、前記第1端子金具モジュール及び前記室内照明用ランプモジュールの間と、前記第1端子金具モジュール及び前記スイッチモジュールの間と、が各々電線で接続されていることを特徴とするランプユニットに存する。
【0012】
請求項3記載の発明は、車室内を照明する室内照明用ランプモジュールと、前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作に応じてオンオフするスイッチモジュールと、前記スイッチモジュールのオンオフに基づいて前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯制御を行う制御モジュールと、前記室内照明用ランプモジュールに電源を供給するための第1電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第1端子金具モジュールと、をさらに備え、前記室内照明用ランプモジュール及び前記制御モジュールの間と、前記第1端子金具モジュール及び前記制御モジュールの間と、が各々電線で接続されていることを特徴とするランプユニットに存する。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記スイッチモジュールを照明するスイッチ照明用ランプモジュールと、前記スイッチ照明用ランプモジュールに電源を供給するための第2電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第2端子金具モジュールと、をさらに備え、前記第2端子金具モジュール及び前記スイッチ照明用モジュールの間が、電線で接続されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のランプユニットに存する。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、複数のモジュールの配置位置が互いに異なる複数種のランプユニットに対して、同一のモジュールを使用できるので、開発工数削減、量産効果により、コスト削減することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、室内照明用ランプモジュールとスイッチモジュールと第1端子金具モジュールとが意匠に合わせて配置され、室内照明用ランプモジュール及びスイッチモジュールの間と、第1端子金具モジュール及び室内照明用ランプモジュールの間と、第1端子金具モジュール及びスイッチモジュールの間と、が各々電線で接続されている。従って、室内照明用ランプモジュールとスイッチモジュールと第1端子金具モジュールとの配置位置が変わってもスイッチモジュールを配置位置に応じて作り変える必要がなく、同一のスイッチモジュールを用いることができ、室内照明用ランプモジュールとスイッチモジュールと第1端子金具モジュールとの配置自由度を安価に持たせることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、室内照明用ランプモジュールと制御モジュールとスイッチモジュールと第1端子金具モジュールとが意匠に合わせて配置され、室内照明用ランプモジュール及び制御モジュールの間と、第1端子金具モジュール及び制御モジュールの間と、が各々電線で接続されている。従って、室内照明用ランプモジュールとスイッチモジュールと第1端子金具モジュールとの配置位置が変わってもスイッチモジュールを配置位置に応じて作り変える必要がなく、同一のスイッチモジュールを用いることができ、室内照明用ランプモジュールとスイッチモジュールと第1端子金具モジュールとの配置自由度を安価に持たせることができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、スイッチ照明用ランプモジュールと第2端子金具モジュールとが意匠に合わせて配置され、スイッチ照明用ランプモジュール及び第2端子金具モジュール間を電線で接続する。従って、スイッチ照明用ランプモジュール及び第2端子金具モジュールの配置自由度を安価に持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態におけるランプユニットを車室側から見た斜視図である。
【図2】図1に示すランプユニットを天井側から見た概略図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態におけるランプユニットを車室側から見た概略図である。
【図5】図1に示すランプユニットを天井側から見た概略図である。
【図6】図4及び図5とは意匠が異なるランプユニットを車室側から見た概略図である。
【図7】図6に示すランプユニットを天井側から見た概略図である。
【図8】従来のランプユニットの一例を示す分解斜視図である。
【図9】従来のランプユニットの一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1実施形態
次に、本発明の第1実施形態におけるランプユニットについて図1〜図3を参照して以下説明する。図1は、第1実施形態におけるランプユニットを車室側から見た斜視図である。図2は、図1に示すランプユニットを天井側から見た概略図である。図3は、図2の分解斜視図である。
【0020】
図1〜図3に示すランプユニット10は、車体パネル(不図示)を覆う天井板(不図示)に設けられた開口部に取り付けられている。ランプユニット10は、図3などに示すように、車室照明用ランプモジュールとしての照明用LEDモジュール11と、2つのスイッチモジュール12と、制御モジュール13と、オスタブモジュール14と、スイッチ照明用ランプモジュールとしての表示発光用LEDモジュール15と、これらモジュール11〜15を収容するハウジング16と、を備えている。
【0021】
照明用LEDモジュール11は、互いに並列接続された複数のLED(図示せず)と、これら複数のLEDを収容するハウジング11aと、これら複数のLEDの両端に接続された接続端子11bなどから構成されている。接続端子11bは、タブ状に形成され、ハウジング11aから突出している。2つのスイッチモジュール12は各々、プッシュスイッチから構成され、照明用LEDモジュール11の点灯操作、消灯操作が行われると上下に動く作動部(不図示)と、作動部の動きに応じてオンオフするスイッチ接点(不図示)が設けられたスイッチ端子12aと、これらを収容する収容ケース12bなどから構成されている。
【0022】
上記スイッチ端子12aの先端は、図3に示すように、収容ケース12bの側面から突出して設けられている。スイッチ端子12aは、先端に近づくに従って側面から離れるように斜めに突出するように設けられ、その先端が収容ケース12bの側面に接離する方向に可撓となっている。
【0023】
上記制御モジュール13は、スイッチモジュール12のオンオフに基づいて照明用LEDモジュール11の点灯・消灯制御を行う制御回路が搭載された基板13aと、基板13aに設けられた2対の端子13bと、を備えている。端子13bの一端は、基板13aの天井側の面に配置され、制御回路に電気的に接続されている。また、端子13bの他端は、基板13aの側面に沿って90度折り曲げられて車室側に突出している。
【0024】
オスタブモジュール14は、第1端子金具モジュールとしての第1オスタブモジュール14aと、第2端子金具モジュールとしての第2オスタブモジュール14bと、から構成されている。表示発光用LEDモジュール15は、図3に示すように、2つのLED15aと、この2つのLED15aを互いに並列接続すると共に2つのLED15aの両端に後述する電線Lを接続するためのバスバ15bと、を備えている。バスバ15bには、後述する電線L(図2参照)が圧接される圧接端子が設けられている。
【0025】
上記ハウジング16は、図1などに示すように、ハウジング本体16aと、レンズ部16bと、2つのスイッチ部16cと、ハウジング本体16aの天井側に取り付けられるカバー16d(図3)と、から構成されている。ハウジング本体16aは、図3に示すように、合成樹脂などから構成されていて、平面視長方形状の平板部16a−1と、この平板部16a−1の周縁よりも内側に周縁に沿って突出した立壁部16a−2と、から構成されている。
【0026】
上記平板部16a−1には、レンズ部16b用の開口が設けられ、この開口を覆うように光を透過するレンズ部16bが取り付けられている。また、平板部16a−1には、スイッチ部16c用の開口が設けられ、スイッチ部16cがこの開口に上下方向に可動に取り付けられている。上記ハウジング16の立壁部16a−2には、天井板に取り付けるための係止部16a−3と、カバー16dを取り付けるための係止突起16a−4と、がそれぞれ複数設けられている。
【0027】
上記カバー16dのレンズ部16b側には、開口が設けられ、この開口の内縁からレンズ部16bを係止する係止アーム16d−1が下垂されている。また、照明用LEDモジュール11は、この開口からレンズ部16bの天井側に収容される。これにより、照明用LEDモジュール11が発光すると、その光がレンズ部16bを透過して車室内を照明する。
【0028】
上記カバー16dのスイッチ部16c側には、モジュール12〜15を収容する収容ブロック16d−2が形成されている。この収容ブロック16d−2は、ハウジング本体16aの立壁部16a−2に囲まれた空間内に収容される。この収容ブロック16d−2には、制御モジュール13や表示発光用LEDモジュール15などが収容される凹状の収容室16d−3と、スイッチモジュール12が嵌め込まれて収容されるスイッチ収容室16d−4と、が設けられている。
【0029】
上記収容部16d−3の底面上には制御モジュール13が配置される。このとき、制御モジュール13の端子13b先端はスイッチ収容室16d−4内に挿入される。上記スイッチ収容室16d−4は、収容室16d−3の底面を凹にして設けられている。このスイッチ収容室16d−4にスイッチモジュール12を嵌め込んで収容すると、スイッチモジュール12がスイッチ部16cの天井側に配置される。
【0030】
これにより、スイッチ部16cが押圧操作されると、スイッチモジュール12の図示しない作動部が動いて、スイッチ接点がオンオフする。また、スイッチ収容室16d−4内に挿入された制御モジュール13の端子13bと、スイッチモジュール12のスイッチ端子12aと、が接続される。このとき、スイッチ端子12aが収容ケース12bの側面に向かって撓んで、端子13bに向かって付勢されるため、制御モジュール13の端子13bとスイッチモジュール12のスイッチ端子12aとが確実に接続される。
【0031】
また、表示発光用LEDモジュール15のLED15aをスイッチモジュール12上に配置する。これにより、表示発光用LEDモジュール15が発光すると、スイッチ部16cが発光する。
【0032】
また、カバー16dには、立壁部16a−2よりも外側に突出して設けられたオスタブモジュール14を収容するための筒状のコネクタハウジング16d−5と、係止突起16a−4と係止する係止受け部16d−6と、が設けられている。上記コネクタハウジング16d−5内には、オスタブモジュール14が収容される。このオスタブモジュール14とコネクタハウジング16d−5とでコネクタ17(図2)を構成している。
【0033】
一方、照明用LEDモジュール11に対する電源を供給する図示しない第1電源線、表示発光用LEDモジュール15に対する電源を供給する図示しない第2電源線の端部にも図示しないコネクタが取り付けられている。第1電源線には、例えば車載バッテリが接続されている。また、第2電源線には、例えばライトスイッチを介して車載バッテリが接続されていて、ライトスイッチをオンすると表示発光用LEDモジュール15に対する電源が供給される。第1電源線及び第2電源線の端部に設けたコネクタをランプユニット10のコネクタ17にコネクタ接続すると、第1電源線及び第2電源線の端部に取り付けたコネクタの端子金具と第1、第2オスタブモジュール金具14a、14bが嵌合して電気的に接続される。
【0034】
そして、図2に示すように、上記第1オスタブモジュール14aと制御モジュール13との間、制御モジュール13と照明用LEDモジュール11との間、第2オスタブモジュール金具14bと表示発光用LEDモジュール15との間が、各々電線Lで接続されている。電線Lの接続は、半田付けでも良いし、圧接でもよい。
【0035】
上述した第1実施形態によれば、照明用LEDモジュール11と制御モジュール13とスイッチモジュール12と第1オスタブモジュール14aとが意匠に合わせて配置され、照明用LEDモジュール11及び制御モジュール13の間と、第1オスタブモジュール14a及び制御モジュール13の間と、が各々電線Lで接続されている。従って、照明用LEDモジュール11とスイッチモジュール12と第1オスタブモジュール14aとの配置位置が変わってもスイッチモジュール12を配置位置に応じて作り変える必要がなく、同一のスイッチモジュール12を用いることができ、照明用LEDモジュール11とスイッチモジュール12と第1オスタブモジュール14aの配置自由度を安価に持たせることができる。
【0036】
また、第1実施形態によれば、表示発光用LEDモジュール15と第2オスタブモジュール14bとが意匠に合わせて配置され、表示発光用LEDモジュール15及び第2オスタブモジュール14bを電線Lで接続する。従って、表示発光用LEDモジュール15及び第2オスタブモジュール14bの配置自由度を安価に持たせることができる。
【0037】
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態におけるランプユニットについて図4〜図7を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施形態におけるランプユニットを車室側から見た概略図である。図5は、図4に示すランプユニットを天井側から見た概略図である。図6は、図4及び図5とは意匠が異なるランプユニットを車室側から見た該略図である。図5は、図6に示すランプユニットを天井側から見た概略図である。
【0038】
図1及び図2に示すランプユニット1は、車体パネル(不図示)を覆う天井板(不図示)に設けられた開口部に取り付けられている。同図に示すように、ランプユニット1は、車室照明用ランプとしての照明用LEDモジュール11と、スイッチモジュール12と、第1オスタブモジュール14aと、これらを収容するハウジング5と、を備えている。
【0039】
照明用LEDモジュール11、スイッチモジュール12、第1オスタブモジュールは、図1〜図3において上述した第1実施形態で既に説明したものと同一のものである。
【0040】
ハウジング5は、第1実施形態と意匠が異なり、図1に示すように、照明用LEDモジュール11からの光を透過するレンズから構成された光源部5aと、照明用LEDモジュール11の点灯・消灯操作が行われるスイッチ部5bと、を備えている。上記照明用LEDモジュール11は、上記ハウジング5において光源部5aの天井側に収容される。これにより、照明用LEDモジュール11が発光すると、その光が光源部5aを透過して車室内を照明する。
【0041】
また、上記スイッチモジュール12は、上記ハウジング5においてスイッチ部5bの天井側に収容される。これにより、スイッチ部5bが操作されると、スイッチモジュール12の図示しない作動部が動いて、スイッチ端子12aに設けたスイッチ接点がオンオフする。上記第1オスタブモジュール14aは、ハウジング5に形成されたコネクタハウジング(不図示)内に収容される。この第1オスタブモジュール14aは、照明用LEDモジュール11に電源を供給するための図示しない第1電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される。
【0042】
図2に示すように、上記照明用LEDモジュール11を構成する接続端子11bとスイッチモジュール12を構成するスイッチ端子12aとの間、第1オスタブモジュール14aと照明用LEDモジュール11を構成する接続端子11bとの間、第1オスタブモジュール14aとスイッチモジュール12を構成するスイッチ端子12aとの間が、各々電線Lで接続されている。電線Lは、導電性の芯線と、この芯線を被覆する絶縁被覆と、から構成された所謂被覆電線である。電線Lの接続は、半田付けでも良いし、接続端子11b、第1オスタブモジュール14a、スイッチ端子12aに圧接端子を形成して、圧接してもよい。
【0043】
上述した第2実施形態によれば、照明用LEDモジュール11とスイッチモジュール12とをハウジング5の意匠に合わせて配置して、これら照明用LEDモジュール11とスイッチモジュール12とを電線Lで接続する。従って、照明用LEDモジュール11とスイッチモジュール12との配置位置が、図4及び図5に示す配置位置から図6及び図7に示す配置位置に変わってもスイッチモジュール12を配置位置に応じて作り変える必要がなく、互いに意匠の異なる図4及び図5に示すランプユニット1と図5及び図6に示すランプユニット1とで同一のスイッチモジュール12を用いることができ、照明用LEDモジュール11とスイッチモジュール12との配置自由度を安価に持たせることができる。
【0044】
また、上述した第2実施形態によれば、第1電源線に取り付けられた端子金具(図示せず)と第1オスタブモジュール14aの第1オスタブモジュール14aとを嵌合するだけで簡単に照明用LEDモジュール11に電源を供給できる。しかも、第1オスタブモジュール14aを意匠に合わせて配置して、第1オスタブモジュール14a及び照明用LEDモジュール11の間、第1オスタブモジュール14a及びスイッチモジュール12の間と、を各々電線Lで接続することができるので、第1オスタブモジュール14aの配置自由度を安価に持たせることができる。
【0045】
なお、上述した第2実施形態によれば、一対のタブ状端子14aを設け、タブ状端子14a及び照明用LEDモジュール11の間と、第1オスタブモジュール14a及びスイッチモジュール12の間と、を各々電線Lで接続していたが、本発明はこれに限ったものではない。第1オスタブモジュール14aを設けずに半田付けなどで直接、第1電源線を照明用LEDモジュール11とスイッチモジュール12とに接続するようにしてもよい。
【0046】
次に、上述した図1、図3及び図5のように互いに意匠が異なる即ちモジュールの配置位置が異なるランプユニットの製造方法について説明する。まず、予めモジュールとして上述した照明用LEDモジュール11と、スイッチモジュール12と、第1オスタブモジュール14aと、制御モジュール13と、表示発光用LEDモジュール15と、第2オスタブモジュール14bとをそれぞれ複数づつ、モジュール毎に標準化された同形状のものを用意しておく。
【0047】
次に、ランプユニットのハウジングにそれぞれ合わせて少なくとも照明用LEDモジュール11と、スイッチモジュール12と、第1オスタブモジュール14aとを組み付ける。また、ランプユニットのハウジングに合わせて制御モジュール13と、表示発光用LEDモジュール15と、第2オスタブモジュール14bとを選択的に組み付ける。即ち、図3及び図5に示すランプユニットのように制御モジュール13や表示発光用LEDモジュール15、第2オスタブモジュール14bが必要ないものは組み付けることなく、図1に示すランプユニットであればこれら制御モジュール13や表示発光用LEDモジュール15、第2オスタブモジュール14bを組み付ける。その後、ハウジングに搭載したモジュール間を上述したように電線Lにより電気的に接続する。
【0048】
このような製造方法によれば、複数のモジュールの配置位置が互いに異なる複数種のランプユニットに対して、同一のモジュールを使用できるので、開発工数削減、量産効果により、コスト削減することができる。
【0049】
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、スイッチモジュール12として、プッシュスイッチを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。スイッチモジュール12としては、従来のようにスライドスイッチを用いてもよい。
【0050】
また、上述した第2実施形態では、第1オスタブモジュール14aと第2オスタブモジュール14bとを一つのコネクタハウジング16d−5内に配置していたが、本発明はこれに限ったものではない。第1オスタブモジュール14aと第2オスタブモジュール14bとを別々のコネクタハウジング16d−5に収容するようにしてもよい。
【0051】
また、上述した第2実施形態では、制御モジュール13とスイッチモジュール12とを端子13b、スイッチ端子12aで接続していたが、本発明はこれに限ったものではない。制御モジュール13とスイッチモジュール12との間も電線Lで接続してもよい。
【0052】
また、上述した第2実施形態では、第2オスタブモジュール14bを設け、第2オスタブモジュール14bと表示発光用LEDモジュール15とを電線Lで接続していたが、本発明はこれに限ったものではない。第2オスタブモジュール14bを設けずに半田付けなどで直接、第2電源線を表示発光用LEDモジュール15に接続するようにしてもよい。
【0053】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ランプユニット
5 ハウジング
10 ランプユニット
11 照明用LEDモジュール(車室照明用ランプ)
12 スイッチモジュール(操作スイッチ)
13 制御モジュール(制御部)
14a 第1オスタブモジュール(第1端子金具)
14b 第2オスタブモジュール(第2端子金具)
15 表示発光用LEDモジュール(スイッチ照明用ランプ)
16 ハウジング
L 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモジュールから構成され、当該モジュールの配置位置が互いに異なる複数種のランプユニットを製造するランプユニットの製造方法であって、
前記モジュールとして、車室内の照明をする室内照明用ランプモジュールと、前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作に応じてオンオフするスイッチモジュールと、前記室内照明用ランプモジュールに電源を供給するための第1電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第1端子金具モジュールと、前記スイッチモジュールのオンオフに基づいて前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯制御を行う制御モジュールと、前記スイッチモジュールを照明するスイッチ照明用ランプモジュールと、前記スイッチ照明用ランプモジュールに電源を供給するための第2電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第2端子金具モジュールと、それぞれ複数づつ、前記モジュール毎に標準化された同形状のものを用意し、
前記複数種類のランプユニットのハウジングにそれぞれそ合わせて少なくとも前記室内ランプモジュールと、前記スイッチモジュールと、前記第1端子金具モジュールと、を組み付けると共に前記ハウジングに合わせて前記制御モジュール、前記スイッチ照明用ランプモジュール、及び、前記第2端子金具モジュールを選択的に組み付け、
前記ハウジングに搭載した前記モジュール間を電線により電気的に接続した
ことを特徴とするランプユニットの製造方法。
【請求項2】
車室内を照明する室内照明用ランプモジュールと、
前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作に応じてオンオフするスイッチモジュールと、
前記室内照明用ランプモジュールに電源を供給するための第1電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第1端子金具モジュールと、をさらに備え、
前記室内照明用ランプモジュール及び前記スイッチモジュールの間と、前記第1端子金具モジュール及び前記室内照明用ランプモジュールの間と、前記第1端子金具モジュール及び前記スイッチモジュールの間と、が各々電線で接続されている
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項3】
車室内を照明する室内照明用ランプモジュールと、
前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯操作に応じてオンオフするスイッチモジュールと、
前記スイッチモジュールのオンオフに基づいて前記室内照明用ランプモジュールの点灯・消灯制御を行う制御モジュールと、
前記室内照明用ランプモジュールに電源を供給するための第1電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第1端子金具モジュールと、をさらに備え、
前記室内照明用ランプモジュール及び前記制御モジュールの間と、前記第1端子金具モジュール及び前記制御モジュールの間と、が各々電線で接続されている
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項4】
前記スイッチモジュールを照明するスイッチ照明用ランプモジュールと、
前記スイッチ照明用ランプモジュールに電源を供給するための第2電源線に取り付けられた端子金具と嵌合して電気的に接続される第2端子金具モジュールと、をさらに備え、
前記第2端子金具モジュール及び前記スイッチ照明用モジュールの間が、電線で接続されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のランプユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−86566(P2013−86566A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226380(P2011−226380)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】