説明

ランプユニット

有利には自動車ヘッドランプのリフレクタ(2)内に挿入されている高圧放電ランプ(4)を備えたランプユニットが開示されている。ランプはベース(12)を有しており、該ベース(12)が基準リング(24)を備えており、該基準リング(24)が、バヨネットインタフェース(6)を介してリフレクタのフレームに結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式のランプユニット、すなわち、ランプがリフレクタ内に挿入されており、ランプがベースを有しており、該ベースが基準リングを備えており、該基準リングに少なくとも1つの参照面が形成されており、該参照面が、リフレクタのフレームに設けられた対応する参照エレメントと協働する形式のランプユニットに関する。
【0002】
背景技術
このような形式のランプユニットは、原則的には片側にベースを備えた多数のランプにおいて使用され得る。しかし、主使用領域は車両前照灯もしくは車両ヘッドランプのためのランプユニットにある。このような自動車ヘッドランプのためのランプユニットは、たとえば欧州特許出願公開第1605490号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第102005009902号明細書に記載されている。
【0003】
これらの公知の解決手段では、ランプユニットが、たとえば製品名「Xenarc(登録商標)」で市販されているような放電ランプを有している。この高圧放電ランプは1つまたは複数の部分から成るランプベースを有しており、このランプベースを介して高圧放電ランプは自動車ヘッドランプのリフレクタに設けられたフレーム内に挿入可能となる。リフレクタ内でランプを位置調整しかつ種々のランプタイプの誤組付けを阻止するためには、ベースに設けられた参照リングに1つまたは複数の参照・コード化切欠きが形成されている。この参照・コード化切欠きはリフレクタのフレームに設けられた対応する突出部と協働するので、ランプはフレームに対して予め規定された相対位置でしか挿入され得なくなる。さらに、このような参照装置により、車両ヘッドランプに、規定されていないタイプのランプが挿入されることが阻止される。
【0004】
慣用の解決手段では、高圧放電ランプのベースに付加的にさらに、ヘッドランプの構成要素である、半径方向に張り出した多数の付加エレメントが配置される。これらの付加エレメントには、リフレクタのフレーム内にベースを位置固定するために、機械的な構成部材、たとえばクリップ、ブラケット、ユニオンケージ(Ueberwurfkaefig)等が作用する。
【0005】
これらの解決手段において不都合となるのは、このようなランプユニットが第1に手間のかかる構造を有していることである。なぜならば、位置固定のための付加的な構成エレメントが設けられなければならないからである。第2には、これらの付加的な構成エレメントの取付けにより組立て手間が高められている。
【0006】
発明の開示
これに対して本発明の根底を成す課題は、僅かな手間をかけるだけで組み立てることのできる、単純な構造を備えたランプユニットを提供することである。
【0007】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。本発明の特に有利な構成は請求項2以下に記載されている。
【0008】
本発明の構成では、ランプユニットが、リフレクタ内に挿入されているランプと、基準リングを備えたベースとを備えており、基準リングには少なくとも1つの参照面が形成されている。この参照面は、リフレクタのフレームに設けられた対応する参照エレメントと協働する。ランプとリフレクタとの結合は、解離可能なバヨネット締結機構によって行われる。
【0009】
バヨネット締結機構の使用により、ランプを直接にリフレクタに結合することができるので、付加構成部材、たとえば冒頭で説明したクリップ、ブラケット、ユニオンケージの手間のかかる組付けが不要となり、ひいては装置技術的な手間も、組立て手間も減じられている。
【0010】
本発明の有利な実施態様では、バヨネット締結機構が、基準リングに形成されかつ周面側に開口した複数の切抜き部を有しており、該切抜き部には、前記フレームの内周面から半径方向に張り出したバヨネット突起が対応している。これらのバヨネット突起はリフレクタ内へのランプの挿入時に前記切抜き部と合致して、係止された状態で基準リングに背後から係合する。
【0011】
前記フレームの内周面には、バヨネット突起に対してずらされた、基準リングのための複数の載着ピンを形成することができる。
【0012】
この場合、基準リングの載着ピン側の環状面に複数のいぼ状の基準突起が形成されていて、該いぼ状の基準突起が、前記載着ピンに、規定された通りに当て付けられるようになっている。
【0013】
係止位置を一義的に規定するために、本発明の変化形では、ベースの外周面にストッパ突起が形成されており、該ストッパ突起にバヨネット突起が結合時に当接するようになっている。
【0014】
さらに別の有利な実施形態では、前記フレームの内周面に、前記載着ピンとほぼ同じ軸方向高さ(深さ)でストッパ突起が形成されており、該ストッパ突起が、ほぼリフレクタの長手方向でバヨネット突起に向かって延びかつ前記内周面に対して間隔を置いて配置されたストッパ区分を有している。
【0015】
ランプの挿入時では、前記ストッパ区分が、基準リングに設けられた係止溝内に進入し、係止時に前記ストッパ突起に係止溝の溝縁区分が当接するようになっている。
【0016】
前記係止溝は、装置技術的に僅かな手間をかけるだけで、切抜き部の各側壁に切欠きとして形成されていてよい。
【0017】
ランプベースを周方向でロックするためには、前記ストッパ区分が、ランプの係止位置において、前記切抜き部の底面に形成された係止突出部により背後から係合されていてよい。
【0018】
ランプベースをリフレクタ内に、ほぼ遊びなしに係止することを可能にするために、前記係止溝は、係止位置において基準リングが、前記ストッパ突起を介して、前記内周面に、前記ストッパ突起にほぼ向かい合って位置するように形成されたプリロード隆起部に対して緊締されるように構成されていてよい。
【0019】
本発明のさらに別の有利な実施形態では、ほぼバヨネット突起と前記載着ピンとの間で前記内周面に半径方向の切欠きが加工成形されている。この切欠き内には、ほぼ前記内周面の内径に沿って延びる細長いばねフックが配置されている。1つのバヨネット突起の範囲では、このばねフックのフック区分が、半径方向内側へ向かって突入しており、このフック区分には基準リングに設けられた切抜き部の1区分が係止時に当接するようになっている。
【0020】
前記ばねフックがばねシャンクを有しており、該ばねシャンクは、係止位置において該ばねシャンクが基準リングを、前記内周面に、ほぼ前記ばねフックに向かい合って位置するように形成されたプリロード隆起部に対して緊締するように構成されていると有利である。
【0021】
既に述べたように、本発明によるランプユニットでは、リフレクタ内にランプを位置固定するための付加構成部材が不要となるが、しかし本発明によるランプを慣用のリフレクタ内に挿入したい場合には、ランプに慣用の形式で、付加構成部材を支持するための付加的な半径方向ピンを備えることができる。その場合、この変化形は選択的に慣用のフレームにおいても、本発明におけるフレームにおいても使用可能となる。
【0022】
リフレクタ内でのランプの最適な位置固定を行う、単純に構成された実施態様では、リフレクタのフレームに3つのバヨネット突起が形成されており、ランプの基準リングに3つの切抜き部が形成されている。原理的には、運動学的な反転の形で、もしくは反転原理に基づいて、リフレクタのフレームに切抜き部を形成し、ベースにバヨネット突起を形成することもできる。
【0023】
単純に構成された実施態様では、ベーススリーブが設けられており、前記切抜き部が、半径方向でほぼベーススリーブの外周にまで延びており、該ベーススリーブから基準リングが半径方向に突出している。
【0024】
本発明の1変化形では、前記切抜き部が、軸方向で見てほぼ方形の形に形成されている。
【0025】
リフレクタ内でのランプの端面側の位置決めを保証するために、3つのいぼ状の基準突起および相応して3つの載着ピンが設けられると有利である。
【0026】
ランプユニットは、自動車ヘッドランプに用いられる高圧放電ランプを装備して構成されると有利である。
【0027】
以下に、本発明の有利な実施形態を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態によるランプユニットの三次元の原理図である。
【図2】図1に示した第1実施形態によるランプユニットのランプを示す三次元の原理図である。
【図3】図2に示した第1実施形態によるランプの正面図である。
【図4】図2に示した第1実施形態によるランプの背面図である。
【図5】図1に示した第1実施形態によるランプユニットのリフレクタを示す三次元の原理図である。
【図6】図1に示した第1実施形態によるランプユニットの背面図である。
【図7】本発明の第2実施形態によるランプユニットのリフレクタの三次元の原理図である。
【図8】第2実施形態によるランプユニットの基準リングを単独で示す三次元の原理図である。
【図9】第2実施形態によるランプユニットのリフレクタと基準リングとを示す背面図である。
【図10】第2実施形態によるランプユニットのリフレクタと基準リングとを示す背面図である。
【図11】本発明の第3実施形態によるランプユニットのリフレクタの三次元の原理図である。
【図12】第3実施形態によるリフレクタの三次元の原理図である。
【図13】第3実施形態によるリフレクタおよび基準リングの背面図である。
【図14】第3実施形態によるリフレクタおよび基準リングの背面図である。
【0029】
発明の有利な実施形態
図1には、自動車ヘッドランプのリフレクタ2内に挿入された高圧放電ランプ4を備えた本発明によるランプユニット1の三次元の斜視図が示されている。この高圧放電ランプ4は、たとえば約25Wの電気的な消費電力を有するハロゲン・金属蒸気高圧放電ランプまたはD1〜D4ランプであってよい。このような高圧放電ランプは公知先行技術、たとえば欧州特許出願公開第1605490号明細書または欧州特許第0786791号明細書に基づき十分に知られているので、本実施形態の説明にあたっては、本発明を理解する上で重要となる構成要素についてのみ説明し、その他の点については、上記公知先行技術を参照するものとする。
【0030】
図1に示したランプユニット1の特別な点は、リフレクタ2と高圧放電ランプ4とが、バヨネットクロージャもしくはバヨネット締結機構6によって互いに結合されており、そして慣用の解決手段とは異なり、クリップ、ブラケットまたはユニオンケージのような付加的な構成部材が不要にされることにある。
【0031】
図2には、水銀フリーの、つまり無水銀式の高圧放電ランプ4が単独で図示されている。この高圧放電ランプ4は、図面には見えていない放電容器(ガラス球)を有している。この放電容器の内室には、対設配置された2つの電極が突入している。両電極は、放電容器内に封着された金属箔を介してそれぞれ電流供給部10もしくは別の電流供給部(図示しない)に接続されている。図1および図2には見えていない、符号8で示した放電容器は、アウタバルブ9内に収容されている。このアウタバルブ9は石英ガラスから成っていて、場合によっては紫外線吸収性の被覆体を備えている。
【0032】
図1および図2に見えている外側の電流供給部10は、ベース12に周面側で配置されたコンタクトリング14に接続されている。軸方向の電流供給部(図示されていない)は、ベース12に設けられた中心のコンタクトピン16(図2参照)とコンタクトされている。放電容器8の内室には、イオン化可能な充填物が収容されており、この充填物は、たとえば高純度のキセノンガスと、数種の金属ハロゲン化物とから成っている。
【0033】
通常では複数部分から形成されているベース12内には、アウタバルブ9に向かって突出したばね舌片18を備えて形成された金属リングが埋め込まれている。溶接ラグとして形成されたばね舌片18は、アウタバルブ9に装着された環状の支持バンド20に向かって湾曲させられていて、この支持バンド20に、たとえば溶接により結合されている。4つのばね舌片/溶接ラグ18と、相応して形成された支持バンド20とにより、高圧放電ランプ4は軸方向で信頼性良く位置センタリングされている。ベース12の構造の別の詳細については、上で挙げた公知先行技術を参照するものとする。
【0034】
図3には、図2に示した高圧放電ランプ4の正面図が、図4には背面図がそれぞれ図示されている。図面から判るように、ベース12はベーススリーブ22を有しており、このベーススリーブ22からは、半径方向で基準リング24が環状に張り出している。ベーススリーブ22の、基準リング24から遠い方の端区分は、半径方向段部を介してコンタクトつば26に移行している。このコンタクトつば26の外周面には、環状のコンタクトリング14が形成されている。コンタクトつば26は中心のコンタクトピン16を、間隔を置いて取り囲んでいる。
【0035】
コンタクトつば26に対する半径方向段部の範囲では、ベーススリーブ22の外周面に、直径方向で互いに相対して配置された2つの半径方向ピン28(図4参照)が設けられている。両半径方向ピン28は電気的なコネクタをバヨネット結合するために働く。図示の実施形態では、前記両半径方向ピン28は機能していない。
【0036】
ベーススリーブ22に形成された基準リング24は少なくとも1つのコード化溝30を有している。このコード化溝30は図示の実施形態では、半円形の切欠きとして形成されている。このコード化溝30により、高圧放電ランプ4の特定のタイプだけが、予め規定された相対位置において自動車ヘッドランプに挿入され得ることが確保されている。
【0037】
コード化溝30に対して付加的に、基準リング24にはさらに、全周にわたって均一に分配された3つの切抜き部32a,32b,32cが形成されている。これらの切抜き部32a,32b,32cは図3および図4に図示された実施形態では、ほぼ方形の横断面を有していて、基準リング24の外周面からベーススリーブ22にまで延びている。
【0038】
図3に示したように、基準リング24のアウタバルブ側の端面34には、切抜き部32a,32b,32cとコード化溝30とに対してずらされて、同じく全周にわたって均一に分配された3つのいぼ状の基準突起36a,36b,36cが設けられている。これらの基準突起36a,36b,36cは、端面34から少しだけ軸方向に突出していて、リフレクタ内での高圧放電ランプの軸方向位置を固定するために、リフレクタに設けられたエレメント(あとで説明する)と当て付けられる。
【0039】
図3に示したように、外側の電流供給部10はコンタクト金属薄板38に接続されている。このコンタクト金属薄板38は図4に示した下面図においても見えている。コンタクト金属薄板38はコンタクトリング14とコンタクトされている。図4から判るように、基準リング24の後側の端面40には、それぞれ各1つの切抜き部32に隣接して配置された3つのストッパ突起42a,42b,42cが形成されている。これらのストッパ突起42a,42b,42cは図4に示したように、後側の端面40から図面で見て手前側に向かって、つまり図面を見ている者の側に向かって延びている。以下に詳しく説明するように、これらのストッパ突起42a,42b,42cは高圧放電ランプ4とリフレクタ2との間の相対回動を制限する。
【0040】
これらのストッパ突起のうちの2つのストッパ突起42a,42bは図2においても見えている。図2から判るように、ストッパ突起42はベーススリーブ22の外周面から離れる方向で基準リング24の外周面にまで延びていて、軸方向では後側の端面40(図2参照)にまで延びている。
【0041】
図5には、図1に示したランプユニット1のリフレクタ2が三次元の斜視図で図示されている。このリフレクタ2は、図1に見えている。最適のビーム向きに合わせて設計された反射面44と、フレーム46とを有している。フレーム46は、たとえば円筒状区分として形成されている。フレーム46の内周面48には、全周にわたって均一に分配された3つのバヨネット突起50a,50b,50cが形成されており、これらのバヨネット突起50a,50b,50cは前記切抜き部32と同じピッチ円に沿って位置している。これらのバヨネット突起50a,50b,50cは内側に向かって、フレーム46により取り囲まれた開口内へ突入している。バヨネット突起50a,50b,50cの幾何学的形状はほぼ切抜き部32の幾何学的形状に相当している。これらのバヨネット突起50に対してずらされて、内周面48には3つの載着ピン52a,52b,52cが設けられており、これらの載着ピン52a,52b,52cは、いぼ状の基準突起36と同じピッチ円上に位置している。内周面48の直径は、ほぼ基準リング24の外周の直径に相当している。
【0042】
高圧放電ランプ4をリフレクタ2内に挿入するためには、まず切抜き部32a,32b,32cが、それぞれ対応する1つのバヨネット突起50a,50b,50cと合致させられる。次いで高圧放電ランプ4は背後から(図5で見て)フレーム46内に挿入される。このときに、バヨネット突起50a,50b,50cは切抜き部32a,32b,32cをくぐり抜け、基準リング24の前側の端面34(図3)は載着ピン52に設けられた対応する当付け面にまで進出する。
【0043】
後続の組立てステップにおいて、高圧放電ランプ4はリフレクタ2に対して、図6で見て時計回り方向で右側へ向かって回転させられるので、バヨネット突起50a,50b,50cは基準リング24に背後から係合して、予め規定された回転角度を進んだ後に、隣接したストッパ突起42a,42b,42cに当接する。この回転角度位置では、基準リング24の前側の端面34に設けられた3つの基準突起36が、軸方向位置の位置調整のために3つの載着ピン52a,52b,52cの隣接した端面に接触している。この組立て位置において、高圧放電ランプ4は軸方向では載着ピン52とバヨネット突起50との間に緊締されていて、周方向では基準リング24を取り囲むフレーム46によって位置固定されているので、極めて単純な構造を用いるだけで、リフレクタ2と高圧放電ランプ4との間の信頼性の良い相対位置決めが保証されている。
【0044】
図示の実施形態では、単一部分または複数部分から成るベース12が、適当なプラスチックから製造される。この場合、ベース12を射出成形により製造する際に、前記コンタクトエレメントの所定の区分がプラスチックにより取り囲まれる。リフレクタ2は適当な被覆体(コーティング)を備えていて、同じくプラスチックから製造されている。
【0045】
図7には、図1に示したランプユニット1のリフレクタ2の第2実施形態が三次元の斜視図で示されている。リフレクタ2の内周面48には、リング54が、載着ピン52とほぼ同じ軸方向高さもしくは深さに形成されている。リング54の内径は、ほぼ内周面48の直径と載着ピン52の内径との間に位置している。リング54には、ほぼ2つの載着ピン52a,52bの間でバヨネット突起50aの範囲の周囲に、細長いストッパ突起56が形成されており、このストッパ突起56は、ほぼリフレクタ2の長手方向に延びている。この場合、長手方向でバヨネット突起50aに向かって、ストッパ突起56のストッパ区分58が張り出している。
【0046】
ストッパ突起56は、図1に示した高圧放電ランプ4とリフレクタ2との間の相対回動を制限するために働く。このためには、図2に示したベース12の、図8に示した基準リング24が、第2実施形態では切抜き部60を有している。この切抜き部60は係止溝62を備えており、基準リング24がリフレクタ2内に挿入されると、この係止溝62内には、図7に示したストッパ区分58を備えたストッパ突起56が進入する。係止溝62を形成するためには、切抜き部60の各側壁64,66にそれぞれ切欠き68;70が加工成形されている。両切欠き68,70の間の真ん中では、切抜き部60の基面に係止突出部72が形成されている。この係止突出部72は、基準リング24の係止位置において、図7に示したストッパ突起56のストッパ区分58に背後から係合する。以下に、これについて詳しく説明する。
【0047】
図9には、第2実施形態によるリフレクタ2と、このリフレクタ2内に挿入された基準リング24とが示されている。図面を見易くするために、図8と同様に、図2に示したベース12なしに基準リング24だけが図示されている。基準リング24の、図9に示した位置では、この基準リング24が軸方向でフレーム46内に挿入されている。この場合、切抜き部32b,32c,60はバヨネット突起50a,50b,50cと合致させられており、コード化溝30はリフレクタ2に設けられた対応する参照エレメントと合致させられている。図7に示したストッパ突起56のストッパ区分58はこの場合、係止溝62の、図8で見て右側の切欠き70内に嵌め込まれている。次いで、基準リング24を備えた図2に示したベース12が、係止のためにリフレクタ2に対して相対的に時計回り方向に回転させられると、ストッパ区分58は係止突出部72を乗り越えて係止溝62の、図8で見て左側の切欠き68内へ滑り込む。リフレクタ2に対する基準リング24のこの位置は図10に図示されている。図面から判るように、係止突出部72は図7に示したストッパ突起56のストッパ区分58に背後から係合しており、これによって基準リング24は周方向でストッパ突起56によってロックされている。
【0048】
係止溝62の、図8で見て左側の切欠き68は、右側の切欠き70に比べて半径方向で少しだけ外側へ向かってずらされている。このずれは、基準リング24を緊締するために役立つ。以下に、これについて詳しく説明する。
【0049】
基準リング24の、図9に示した挿入位置では、この基準リング24が、ほとんど緊締力を受けることなくフレーム46内に配置されている。上で説明したように、基準リング24が、図10に示した係止位置へ回転させられると、図7に示したストッパ突起56において内側へ向けられた側面74が、図8で見て左側の切欠き68の底面76を介して、基準リング24を、図10に示したリフレクタ2の内周面48に緊締する。図10において基準リング24が所定の緊締力で負荷される特定の範囲を規定するために、内周面48には、ストッパ突起56に対してほぼ正対するように配置された2つのプリロード隆起部78,80が形成されている。これらのプリロード隆起部78,80は軸方向でほぼリング54とバヨネット突起50との間に形成されている。図10から判るように、基準リング24は両プリロード隆起部78,80と、ストッパ突起56のストッパ区分58との間に規定されて緊締されている。
【0050】
図11には、第3実施形態によるリフレクタ2の斜視図が示されている。フレーム46は図11で見て上側に配置された両載着ピン52a,52bの間で後側の端面82から軸方向に円セグメント状に後退させられて段付けされて、切欠き84を形成している。この切欠き84は軸方向においてほぼ、参照エレメント86もしくは図11で見て左上側の載着ピン52aに隣接したリング54にまで延びている。
【0051】
切欠き84の左側の側面88からは、ほぼ周方向にばねフック90が張り出している。このばねフック90は、細長いばねシャンク92と、切欠き84のほぼ真ん中で半径方向内側へ向かって屈曲したフック区分94とを有している。ばねフック90は、図7に示したストッパ突起56と同様に、ランプベース12を周方向で位置決めしかつ基準リング24を緊締するために働く。
【0052】
前で説明した第1および第2実施形態とは異なり、バヨネット突起50a,50b,50cは別個の保持リング96に形成されている。この保持リング96は、図12から判るように、バヨネット突起50が第1および第2実施形態に相応して位置決めされるようにリフレクタ2に位置固定される。
【0053】
図13には、リフレクタ2が、図4に示した第1実施形態の基準リング24と共に挿入位置で図示されている。図11に示したばねフック90のフック区分94は、基準リング24の上側の切抜き部32a内に嵌め込まれている。基準リング24が時計回り方向に回転させられると、フック区分94は上側の切抜き部32aの左側の側面98に当て付けられる。これにより、基準リング24は周方向で位置決めされている。ばねフック90を介して図11に示したプリロード隆起部78,80に対して基準リング24を緊締するためには、ばねフック90のばねシャンク92がフック区分94に対して隣接して、半径方向内側に向けられた湾曲部100を有している。この湾曲部100は図13に示した嵌入位置において、ばねフック90に並んで上側の切抜き部32a内に配置されている。基準リング24が回転させられると、湾曲部100は基準リング24の外側の周壁102に沿ってスライドして、この基準リング24を、図11に示したプリロード隆起部78,80に対して緊締する。プリロード力、つまり予荷重力は、ばねフック90の弾性率に関連している。ばねフック90は、たとえば金属材料から製作されているか、またはフレーム46の射出成形法において一体に製造されている。
【0054】
基準リング24をも軸方向で高いプリロード力によって緊締するためには、図12に示したバヨネット突起50a,50b,50cが、ほぼ図平面内に向かって曲げ込まれる。図14に示したバヨネット突起50a,50b,50cと基準リング24との間の高い面圧を達成するためには、バヨネット突起50に基準リング24に向かってV字形の隆起部104が形成されている。
【0055】
有利には自動車前照灯、つまり自動車ヘッドランプのリフレクタに挿入されている高圧放電ランプを備えたランプユニットが開示されている。このランプは基準リングを備えたベースを有しており、基準リングはバヨネットインタフェースを介してリフレクタのフレームに結合されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ(4)を備えたランプユニットであって、ランプ(4)がリフレクタ(2)内に挿入されており、ランプ(4)がベース(12)を有しており、該ベース(12)が基準リング(24)を備えており、該基準リング(24)に少なくとも1つの参照面(30)が形成されており、該参照面(30)が、リフレクタ(2)のフレーム(46)に設けられた対応する参照エレメントと協働する形式のランプユニットにおいて、バヨネット締結機構(6)が設けられており、該バヨネット締結機構(6)を介してランプ(4)が前記フレーム(46)に解離可能に結合されていることを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
バヨネット締結機構(6)が、基準リング(24)に形成されかつ周面側に開口した切抜き部(32)を有しており、該切抜き部(32)に、前記フレーム(46)の内周面に設けられた、半径方向に張り出したバヨネット突起(50)が対応しており、該バヨネット突起(50)はランプ(4)の挿入時に前記切抜き部(32)と合致して、結合時に基準リング(24)に背後から係合する、請求項1記載のランプユニット。
【請求項3】
前記フレーム(46)の内周面(48)にバヨネット突起(50)に対してずらされた、基準リング(24)のための複数の載着ピン(52)が形成されている、請求項2記載のランプユニット。
【請求項4】
基準リング(24)の前側の端面(34)にいぼ状の基準突起(36)が形成されており、該基準突起(36)が、前記載着ピン(52)に当て付けられるようになっている、請求項3記載のランプユニット。
【請求項5】
ベース(12)の外周面に少なくとも1つのストッパ突起(42)が形成されており、該ストッパ突起(42)にバヨネット突起(50)が係止時に当接する、請求項2から4までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項6】
前記フレーム(46)の内周面(48)に、前記載着ピン(52)とほぼ同じ軸方向高さでストッパ突起(56)が形成されており、該ストッパ突起(56)が、ほぼリフレクタ(2)の長手方向でバヨネット突起(50)に向かって延びかつ前記内周面(48)に対して間隔を置いて配置されたストッパ区分(58)を有しており、該ストッパ区分(58)が、ランプ(4)の挿入時に基準リング(24)に設けられた係止溝(62)内に進入し、係止時に前記ストッパ突起(56)に溝縁区分が当接する、請求項2から4までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項7】
前記係止溝(62)が、切抜き部(60)の各側壁に切欠き(68,70)として形成されている、請求項6記載のランプユニット。
【請求項8】
前記ストッパ区分(58)が、ランプ(4)の係止位置において、前記切抜き部(60)の底面に形成された係止突出部(72)により背後から係合されている、請求項7記載のランプユニット。
【請求項9】
前記係止溝(62)は、係止位置において基準リング(24)が、前記ストッパ突起(56)を介して、前記内周面(48)に前記ストッパ突起(56)にほぼ向かい合って位置するように形成されたプリロード隆起部(78,80)に対して緊締されるように構成されている、請求項6から8までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項10】
ほぼバヨネット突起(50)と前記載着ピン(52)との間で前記内周面(48)に半径方向の切欠き(84)が加工成形されており、該切欠き(84)内に、ほぼ前記内周面(48)の内径に沿って延びる細長いばねフック(90)が配置されており、該ばねフック(90)が、1つのバヨネット突起(50a)の範囲に、半径方向内側へ向いたフック区分(94)を有しており、該フック区分(94)に基準リング(24)に設けられた1つの切抜き部(32a)が係止時に当接する、請求項2から4までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項11】
前記ばねフック(90)がばねシャンク(92)を有しており、該ばねシャンク(92)は、係止位置において該ばねシャンク(92)が基準リング(24)を、前記内周面(48)に、ほぼばねフック(90)に向かい合って位置するように形成されたプリロード隆起部(78,80)に対して緊締するように構成されている、請求項10記載のランプユニット。
【請求項12】
電気的なコネクタのための付加的な半径方向ピン(28)が設けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項13】
3つのバヨネット突起(50)および相応して3つの切抜き部(32)が設けられている、請求項2から12までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項14】
ベーススリーブ(22)が設けられており、前記切抜き部(32)が、半径方向でほぼベーススリーブ(22)の外周にまで延びており、該ベーススリーブ(22)から基準リング(24)が半径方向に突出している、請求項2から13までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項15】
前記切抜き部(32)が、軸方向で見てほぼ方形の形に形成されている、請求項14記載のランプユニット。
【請求項16】
3つのいぼ状の基準突起(36)および相応して3つの載着ピン(52)が設けられている、請求項3から15までのいずれか1項記載のランプユニット。
【請求項17】
ランプが高圧放電ランプ(4)である、請求項1から16までのいずれか1項記載のランプユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−504174(P2013−504174A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528311(P2012−528311)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062640
【国際公開番号】WO2011/029741
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(508096703)オスラム アクチエンゲゼルシャフト (92)
【氏名又は名称原語表記】OSRAM AG
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Str. 1, 81543 Muenchen Germany
【Fターム(参考)】