説明

ランプ点灯装置

【課題】バランサトランスを用いてランプに流れる電流を均一化するようなランプ点灯装置において精度良く異常放電を検出する。
【解決手段】本ランプ点灯装置は、メイントランスと、メイントランスの一次巻線側に接続される制御回路と、メイントランスの二次巻線に接続され、複数のランプに流れる電流を均一化するためのバランサと、複数のランプのいずれかの端子に発生し得る異常放電によって生ずる高周波信号を検出し、制御回路に動作停止を指示する異常放電検出回路とを有する。そして、上記バランサは、複数のトランスを有し、各トランスの一次巻線は、1の担当ランプとメイントランスの二次巻線とに直列に接続され、当該トランスの二次巻線は、他のトランスの二次巻線とで閉ループを構成するように接続されている。さらに、異常放電検出回路は、上記トランスの三次巻線に生ずる信号を用いて上記高周波信号を検出するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプ点灯装置に関し、より詳しくは、ランプの異常放電を検出する機能を有するランプ点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶テレビ用バックライトにおいて、ランプ(例えばCCFL)がコネクタとルーズコンタクトになるとアーク放電が発生し、コネクタ等が破損する恐れがある。従来のアーク放電検出回路は、アーク放電が発生した際にメイントランス(インバータトランスとも呼ぶ)の電流に高周波成分が発生するメカニズムを利用して異常を検出する手法が用いられている(例えば、特開2007−80797号公報)。
【特許文献1】特開2007−80797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、大きなメイントランスで複数のランプを並列駆動し、バランサトランスで各ランプに流れる電流を均一化する方式のメイントランスでは、1本のランプがコネクタとルーズコンタクトになってアーク放電が発生しても、メイントランス電流に発生する高周波成分が薄まり、検出し辛いという問題があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、バランサトランスを用いてランプに流れる電流を均一化するようなランプ点灯装置において精度良く異常放電を検出するための技術を提供することである。
【0005】
また、本発明の他の目的は、バランサトランスを用いてランプに流れる電流を均一化するようなランプ点灯装置において、個別のランプにおいて発生し得る異常放電を精度良く検出するための技術を提供することである。
【0006】
さらに、本発明の他の目的は、バランサトランスを用いてランプに流れる電流を均一化するようなランプ点灯装置において発生し得る様々な異常放電を、少ないコストで検出するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るランプ点灯装置は、メイントランスと、メイントランスの一次巻線側に接続される制御回路と、メイントランスの二次巻線に接続され、複数のランプに流れる電流を均一化するためのバランサと、複数のランプのいずれかの端子に発生し得る異常放電によって生ずる高周波信号を検出し、制御回路に動作停止を指示する異常放電検出回路とを有する。そして、上記バランサは、複数のトランスを有し、各トランスの一次巻線は、1の担当ランプとメイントランスの二次巻線とに直列に接続され、当該トランスの二次巻線は、他のトランスの二次巻線とで閉ループを構成するように接続されている。さらに、異常放電検出回路は、上記トランスの三次巻線に生ずる信号を用いて上記高周波信号を検出するものである。
【0008】
上で述べたようなバランサを採用することによって精度良く複数のランプに流れる電流を均一化することができ、さらにバランサのトランスに三次巻線を導入すれば、個別のランプにおいて発生し得る異常放電(アーク放電)を精度良く検出することができる。
【0009】
なお、上で述べた異常放電検出回路は、上記高周波信号を通過させるためのハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタと、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタの出力を積分する積分回路と、積分回路の出力を所定の基準値と比較する比較回路とを有するようにしてもよい。異常放電によって生ずるランプ電流の不均衡を修正すべくバランサによって発生された高周波信号(具体的にはパルス)は、バランサのトランスの三次巻線からハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタに伝えられ、検出される。そして、積分回路及び比較回路によって当該高周波信号がある程度連続して発生していることが分かれば、制御回路の動作を停止させて、ランプの点灯を停止させるものである。
【0010】
さらに、上で述べた異常放電検出回路が、メイントランスの二次巻線に接続され、メイントランスに発生し得る異常放電によって生ずる第2の高周波信号をも検出するようにしてもよい。このようにすれば、異常放電検出回路を、例えばランプのルーズコンタクトだけではなく、メイントランスに発生し得る異常放電検出にも用いることができるようになる。
【0011】
また、メイントランスの二次巻線に接続され、メイントランスに発生し得る異常放電によって生ずる第2の高周波信号を、積分回路に入力するための回路をさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、積分回路及び比較回路の部品点数を削減してコストダウンを図ることができるようになる。
【0012】
さらに、上で述べた放電検出回路が、高周波信号であるパルスが所定の間隔で発生しているか判断するパルス間隔検出回路と、パルス間隔検出回路によって上記パルスが所定の間隔で発生していると判断された場合には、上記パルスの発生回数をカウントし、当該発生回数が所定の閾値に達した場合には、制御回路に動作停止信号を出力するカウント回路とを有するようにしてもよい。
【0013】
以上のような構成を実現するための回路は複数存在しており、以下に具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、バランサトランスを用いてランプに流れる電流を均一化するようなランプ点灯装置において精度良く異常放電を検出することができるようになる。
【0015】
また、本発明の他の側面によれば、バランサトランスを用いてランプに流れる電流を均一化するようなランプ点灯装置において、個別のランプにおいて発生し得る異常放電を精度良く検出することができるようになる。
【0016】
さらに、本発明の他の側面によれば、バランサトランスを用いてランプに流れる電流を均一化するようなランプ点灯装置において発生し得る様々な異常放電を、少ないコストで検出することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に、本発明の一実施の形態に係るランプ点灯装置の概要を示す。図1に示すランプ点灯装置においては、ランプLP1乃至LP3の3本のランプを点灯させる例を示すが、ランプの本数は任意であって、3本に限定するものではない。図1に示すランプ点灯装置は、電源自身の制御を行う制御回路11を含む電源回路1と、メイントランスT1(インバータトランスとも呼ぶ)と、バランサトランスTB1乃至TB3と、ダイオードD1乃至D3と、メイントランスT1に対する異常放電を検出するためのインピーダンス5と、本実施の形態において主要な回路を含むアーク放電検出回路3とを有する。
【0018】
メイントランスT1の一次巻線は、電源回路1に接続されており、メイントランスT1の二次巻線の一端は、バランサトランスTB1乃至TB3の一次巻線の一端に接続されている。バランサトランスTB1乃至TB3の一次巻線の他端は、それぞれランプ用のコネクタCN1乃至CN3のいずれか1つに接続されている。そして、コネクタCN1にはランプLP1の一端が接続され、コネクタCN2にはランプLP2の一端が接続され、コネクタCN3にはランプLP3の一端が接続され、本実施の形態では、ランプLP1乃至LP3の他端は接地されている。なお、ランプLP1乃至LP3の他端は、他の回路が接続されることがあるが、本実施の形態における主要部ではないので説明を省略する。
【0019】
一方、バランサトランスTB1乃至TB3の二次巻線は、それらで閉ループを構成するように接続されている。この閉ループは接地されている。このようにバランサトランスTB1乃至TB3の二次巻線を閉ループを構成するように接続することによって、ランプLP1乃至LP3に流れる電流を精度良く均一化させることができる。すなわち、ランプの輝度が均一化される。
【0020】
さらに、バランサトランスTB1乃至TB3は、それぞれ三次巻線を有しており、それぞれ当該三次巻線の一端は接地されている。バランサトランスTB1乃至TB3の三次巻線の他端は、それぞれダイオードD1乃至D3のアノードのいずれか1つに接続されており、ダイオードD1乃至D3のカソードは1点に接続されており、さらにアーク放電検出回路3に接続されている。すなわち、ダイオードORによって、バランサトランスTB1乃至TB3の三次巻線の信号が重ね合わされて、アーク放電検出回路3に出力される。アーク放電検出回路3は、メイントランスT1の二次巻線の一端とインピーダンス5との接続点と接続されており、メイントランスT1の二次巻線に流れる信号をインピーダンス5で取り出して、アーク放電検出回路3に入力するようになっている。なお、バランサトランスTB1乃至TB3の三次巻線には、他にも回路が接続される場合があるが、本実施の形態においては主要部ではないので、説明を省略する。
【0021】
アーク放電検出回路3の出力は、電源回路1に接続されており、制御回路11に、電源回路1の出力を停止するように指示する信号が入力される。
【0022】
通常であれば、図2(b)及び(c)に示すように、ランプ駆動周波数の正弦波のみの電圧が各ランプLP1乃至LP3に印加される。しかし、例えばランプLP1の一端が、コネクタCN1とルーズコンタクトになっていると、アーク放電が発生する可能性がある。アーク放電は、微少放電で周期的に発生する。バランサトランスTB1乃至TB3は、この周期的なアーク放電による電流を補正すべく、ランプLP1には、例えば図2(a)に示すような電圧を印加するようになる。すなわち、ランプLP1乃至LP3を駆動する周波数の正弦波に、周期的にパルスが載るような電圧信号が発生する。なお、ランプL2及びL3に対しては、補正は必要ないので、図2(b)及び(c)に示すような電圧が印加される。
【0023】
ランプLP1には、例えば図2(a)に示すような電圧が印加されるので、バランサトランスTB1の三次巻線には、図2(d)に示すように、周期的なパルスを含む、ランプ駆動周波数の正弦波の電圧が発生する。従来技術の欄でも述べたが、インピーダンス5でランプLP1がコネクタCN1とルーズコンタクトの場合に発生するアーク放電を検出しようとすると、他のランプに流れる電流の分もありパルスの振幅が小さくなるので、静電気などで発生するパルスやノイズとの区別がしにくくなる。一方、本実施の形態のように、バランサトランスTB1の三次巻線で検出する場合には、バランサトランスTB1の一次巻線側の信号は、バランサトランスTB1の一次巻線と三次巻線との巻線比で、バランサトランスTB1の三次巻線側にそのまま伝えられるため、検出しやすい。
【0024】
次に、図3にアーク放電検出回路3の機能ブロック図を示す。アーク放電検出回路3は、ハイパスフィルタHPF又はバンドパスフィルタBPF31と、積分回路32と、レベル比較部33とを有する。HPF又はBPF31と、積分回路32と、レベル比較部33とは直列で接続される。また、インピーダンス5の一端は積分回路32に接続されている。
【0025】
図4に、HPF又はBPF31にHPFを用いた場合におけるアーク放電検出回路3の第1の具体例を示す。本例におけるアーク放電検出回路3は、キャパシタC1乃至C3と、抵抗R1乃至R5と、ダイオードD4と、ツェナーダイオードD5と、コンパレータComp1とを有する。
【0026】
キャパシタC1の一端は、ダイオードD1乃至D3のカソードに接続されており、キャパシタC1の他端は、抵抗R1の一端とダイオードD4のアノードとに接続されている。抵抗R1の他端は接地されている。このキャパシタC1と抵抗R1とはHPFを構成している。そして、ダイオードD4のカソードは、抵抗R4の一端に接続されており、抵抗R4の他端は、抵抗R2の一端と、抵抗R6の一端と、キャパシタC2の一端と、ツェナーダイオードD5のカソードと、コンパレータComp1の負極側端子とに接続されている。抵抗R2の他端と、キャパシタC2の他端と、ツェナーダイオードD5のアノードとは、接地されている。キャパシタC2は、積分回路32を構成している。コンパレータComp1の正極側端子は、抵抗R5の一端と、抵抗R3の一端と、キャパシタC3の一端と接続されている。抵抗R3の他端とキャパシタC3の他端とは接地されている。また、抵抗R5の他端は、電源Vccに接続されている。このように、抵抗R5と抵抗R3とで抵抗分割されたVccが、コンパレータComp1の正極側端子に基準電圧として入力されている。このように、コンパレータComp1と抵抗R3及びR5並びにキャパシタC3とが、レベル比較部33を構成している。コンパレータComp1の出力端子は、以下で述べる補助回路を介して電源回路1に接続される。
【0027】
なお、キャパシタC4の一端と、抵抗R6の他端とは、メイントランスの二次巻線に接続されているインピーダンス5の一端に接続されており、キャパシタC4の他端は接地されている。このように、積分回路32及びレベル比較器33を共用して、メイントランスに対する異常放電についても検出するようになっている。すなわち、部品点数、そしてコストを削減している。
【0028】
このような回路において、HPFでコネクタにおけるアーク放電によって発生したパルス成分(高周波成分)のみを通過させて、積分回路32でHPFの出力を積分し、その積分結果が所定のレベルに達したか否かをレベル比較部33で判断することによって、ある程度アーク放電が連続して発生していることを確認する。すなわち、静電気などによってパルスが一時的にバランサトランスの三次巻線に発生した場合であれば、積分回路32の出力は、所定のレベルに達しないため、レベル比較部33から出力はなされない。一方、コネクタとの、ランプのルーズコンタクトが生じている場合には、パルスが連続して発生するために、積分回路32の出力は所定のレベルに達するまで増加するので、レベル比較部33から電源回路1(制御回路11)に対して出力を停止させるための信号が出力されるようになる。
【0029】
なお、メイントランスに発生した異常放電を検出する場合にも、キャパシタC4及び抵抗R6で、異常放電特有の信号のみを積分回路32に入力して積分を行って、積分結果が所定のレベル以上になるほど異常放電が連続するかを判断し、異常放電が連続していると判断されると、電源回路1(制御回路11)に対して出力を停止させるための信号を出力する。
【0030】
図5に、図4に示したアーク放電検出回路3の出力に接続される補助回路について説明する。補助回路は、誤反応防止回路と保護状態維持回路とを含む。
【0031】
誤反応防止回路は、抵抗R11及びR13乃至R15と、キャパシタC11及びC12と、コンパレータComp2とを有する。
【0032】
抵抗R11の一端は、アーク放電検出回路3の出力と接続されており、抵抗R11の他端は、キャパシタC11の一端と、抵抗R13の一端と、コンパレータComp2の正極側端子と接続されている。キャパシタC11の他端と、抵抗R13の他端とは、電源Vccに接続されている。この電源Vccは、また抵抗R14の一端に接続されており、抵抗R14の他端は、抵抗R15の一端と、キャパシタC12の一端と、コンパレータComp2の負極側端子とに接続されている。抵抗R15の他端と、キャパシタC12の他端とは、接地されている。
【0033】
なお、キャパシタC12には比較的大きな容量のキャパシタが用いられ、アーク放電検出回路3の出力の変動が、所定の時間後に、コンパレータComp2の出力に反映されるようにしている。
【0034】
また、保護状態維持回路は、抵抗R21乃至R23と、キャパシタC21と、npnトランジスタTr1及びpnpトランジスタTr2とを有する。
【0035】
誤反応防止回路の出力は、抵抗R21の一端に接続されており、抵抗R21の他端は、トランジスタTr1のコレクタと、トランジスタTr2のベースとに接続されている。トランジスタTr1のエミッタは、接地されており、トランジスタTr1のベースは、抵抗R22の一端と、キャパシタC21の一端と、抵抗R23の一端と接続されている。抵抗R22の他端と、キャパシタC21の他端は接地されている。抵抗R23の他端は、トランジスタTr2のコレクタに接続されており、トランジスタTr2のエミッタは電源Vccに接続されている。このような回路にてトランジスタTr1のコレクタ及びトランジスタTr2のベースが、電源回路1に接続されている。
【0036】
このような回路にて、一度誤反応防止回路から異常を表す出力が出されると、その出力を維持するものである。すなわち、次にスイッチをオンにしても、安全のために電源回路1が動作しないようにする。
【0037】
次に、図6を用いてアーク放電検出回路3の第2の回路例を示す。本例におけるアーク放電検出回路3は、キャパシタC31及びC32と、抵抗R31乃至R33と、ダイオードD6と、ツェナーダイオードD7と、npnトランジスタTr3とを有する。
【0038】
ダイオードD1乃至D3のカソードは、キャパシタC31の一端に接続されており、キャパシタC31の他端は、抵抗R31の一端と、ダイオードD6のアノードに接続されている。抵抗R31の他端は接地されている。ダイオードD6のカソードは、ツェナーダイオードD7のカソードに接続されており、ツェナーダイオードD7のアノードは、キャパシタC32の一端と、抵抗R32の一端と接続されている。キャパシタC32の他端は接地されており、抵抗R32の他端は、抵抗R33の一端と、トランジスタTr3のベースに接続されている。抵抗R33の他端は接地されている。トランジスタTr3のエミッタも接地されており、コレクタは、図5に示した補助回路に接続されている。
【0039】
このアーク放電検出回路3では、キャパシタC31と抵抗R31でHPFが構成されており、キャパシタC32とツェナーダイオードD7とで、積分回路32及びレベル比較回路33とを構成している。
【0040】
さらに、図7を用いてアーク放電検出回路3の第3の回路例を示す。本例におけるアーク放電検出回路3は、キャパシタC41乃至C43と、抵抗R41乃至R47と、ダイオードD8及びD9と、ツェナーダイオードD10及びD11と、nチャネルFET1と、コイルL1と、コンパレータComp3とを有する。
【0041】
ダイオードD1乃至D3のカソードには、ダイオードD8のアノードが接続されており、ダイオードD8のカソードには、抵抗R41の一端が接続されている。抵抗R41の他端は、コイルL1の一端と、ダイオードD9のアノードとが接続されている。コイルL1の他端は、接地されている。この抵抗R41及びコイルL1とで、バンドパスフィルタが構成されている。ダイオードD9のカソードは、抵抗R42の一端と、キャパシタC41の一端と、ツェナーダイオードD10のカソードと、FET1のドレインと、抵抗R46の一端とが接続されている。抵抗R42の他端と、キャパシタC41の他端と、ツェナーダイオードD10のアノードとは、接地されている。抵抗R46の他端は、コンパレータComp3の正極側端子に接続されている。キャパシタC41は、積分回路32を構成している。また、FET1のソースは接地されており、ゲートは、抵抗R47の一端と、キャパシタC43の一端と接続されている。抵抗R47の他端は接地されている。キャパシタ43の他端は、電源Vccに接続されている。コンパレータComp3の負極側端子は、抵抗R45の一端に接続されており、抵抗R45の他端は、抵抗R43の一端と、キャパシタC42の一端と、抵抗R44の一端と、ツェナーダイオードD11のカソードとに接続されている。抵抗R43の他端は、電源Vccに接続されており、キャパシタC42の他端と、抵抗R44の他端と、ツェナーダイオードD11のアノードとは接地されている。抵抗R43及びR44とキャパシタC42とツェナーダイオードD11とコンパレータComp3とが、レベル比較回路33を構成している。その他の回路要素は補助的なものである。
【0042】
本例におけるBPFは、アーク放電によって発生するパルスの高周波成分を通過させるように設定される。その他の動作は、他の例で述べたものと同様である。
【0043】
図8を用いて、他のアーク放電検出回路300の構成例を示す。本例におけるアーク放電検出回路300は、パルス間隔識別部310と、カウンタ部311とを有する。パルス間隔識別部310は、アーク放電によるパルスは周期的に発生するので、ほぼ等間隔にパルスが発生しているかを判断する。ほぼ等間隔にパルスが発生している場合にはアーク放電と判断して、カウンタ部311は、所定回数パルスが発生しているかカウントして、所定回数発生した場合には、電源回路1の動作を停止させるための出力を電源回路1に出力する。
【0044】
このような回路構成でも、上で述べたものと同様に、アーク放電を検出して、電源回路1の動作を停止させて、コネクタCN1乃至CN3の破損を防止する。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で述べた基本的な機能を実現するために実際の回路は様々に構成することができ、上で述べた例は一例に過ぎない。
【0046】
さらに、上で述べた回路に付加的な機能を追加することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係るランプ点灯装置を示す図である。
【図2】(a)乃至(d)は、ランプ点灯装置において検出される信号波形を示す図である。
【図3】アーク放電検出回路の第1の構成例を示す図である。
【図4】アーク放電検出回路の第1の構成例の具体的回路を示す図である。
【図5】補助回路の具体例を示す図である。
【図6】アーク放電検出回路の第1の構成例の第2の具体的回路を示す図である。
【図7】アーク放電検出回路の第1の構成例の第3の具体的回路を示す図である。
【図8】アーク放電検出回路の第2の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 電源回路
3 アーク放電検出回路
5 インピーダンス
T1 メイントランス
TB1,TB2,TB3 バランサトランス
CN1,CN2,CN3 コネクタ
LP1,LP2,LP3 ランプ
D1,D2,D3 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイントランスと、
前記メイントランスの一次巻線側に接続される制御回路と、
前記メイントランスの二次巻線に接続され、複数のランプに流れる電流を均一化するためのバランサと、
前記複数のランプのいずれかの端子に発生し得る異常放電によって生ずる高周波信号を検出し、前記制御回路に動作停止を指示する異常放電検出回路と、
を有し、
前記バランサは、複数のトランスを有し、
各前記トランスの一次巻線は、1の担当ランプと前記メイントランスの二次巻線とに直列に接続され、
当該トランスの二次巻線は、他のトランスの二次巻線とで閉ループを構成するように接続されており、
前記異常放電検出回路は、前記トランスの三次巻線に生ずる信号を用いて前記高周波信号を検出する
ランプ点灯装置。
【請求項2】
前記異常放電検出回路が、
前記高周波信号を通過させるためのハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタと、
前記ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタの出力を積分する積分回路と、
前記積分回路の出力を所定の基準値と比較する比較回路と、
を有する請求項1記載のランプ点灯装置。
【請求項3】
前記異常放電検出回路が、
前記メイントランスの二次巻線に接続され、
前記メイントランスに発生し得る異常放電によって生ずる第2の高周波信号をも検出する
請求項1記載のランプ点灯装置。
【請求項4】
前記メイントランスの二次巻線に接続され、前記メイントランスに発生し得る異常放電によって生ずる第2の高周波信号を、前記積分回路に入力するための回路
をさらに有する請求項3記載のランプ点灯装置。
【請求項5】
前記放電検出回路が、
前記高周波信号であるパルスが所定の間隔で発生しているか判断するパルス間隔検出回路と、
前記パルス間隔検出回路によって前記パルスが所定の間隔で発生していると判断された場合には、前記パルスの発生回数をカウントし、当該発生回数が所定の閾値に達した場合には、前記制御回路に動作停止信号を出力するカウント回路と、
を有する請求項1記載のランプ点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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