説明

ランプ用のベース

本発明は、ランプ特に車両用ランプのためのベースであって、ベースハウジングと、該ベースハウジング内に固定された、ランプを受容し、かつ電気的に接触させるための少なくとも2つのコンタクトエレメントとを有している形式のものに関する。本発明によれば、ベースハウジングの前記コンタクトエレメントが、該ベースハウジング内に固定可能なベーススライダによって形状結合式及び/又は摩擦結合式に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースハウジングと、該ベースハウジング内に固定された、ランプを受容し、かつ電気的に接触させるための少なくとも2つのコンタクトエレメントとを有している形式の、請求項1の上位概念部に記載されたランプ特に車両用ランプのためのベース、並びにこのような形式のベースを備えた、請求項17の上位概念部に記載したランプ、及びこのような形式のランプを製造するための、請求項18の上位概念部に記載した方法に関する。
【0002】
従来技術
本発明によるベースは、原則的に、一端部にベースを備えたランプにおいて用いられる。しかしながら、このようなベースの主な使用分野は、一端部でピンチ封止部を介してベース内に嵌め込まれた、車両前照灯のためのランプである。このような形式のベースを備えたランプは、例えば本特許出願人により後で公開されたDE102004007150(ドイツ連邦共和国特許出願第102004007150号明細書)に記載されている。この従来形式のランプにおいては、ランプを収容するための金属製のベース部分を備えたベースが用いられている。この金属製のベース部分は、ほぼ鉢状に構成された第2のプラスチックベース部分内に嵌め込まれており、この第2のプラスチックベース部分は2つのコンタクトスプリングを備えている。これらのコンタクトスプリングは、ランプを電気的に接触させるために用いられ、射出成形法によって第2のプラスチックベース部分内に組み込まれている。コンタクトスプリングのランプ側の終端区分に、ランプの電流供給部を受容するための溝状の切欠がそれぞれ1つ形成されている。この解決策においては、電流供給部は、コンタクトスプリングの切欠内に嵌め込まれていて、溶接によって固定されている。このような形式のランプにおいては、一方では、ランプを受容するために付加的なベース部分を必要とし、他方ではランプとコンタクトスプリングとの間における溶接に基づく接合技術が高い製造技術的な費用を必要とする、という欠点がある。
【0003】
製造を簡単にするために、従来技術によれば一般的に、コンタクトスプリングがランプ側で、ランプを受容し、かつ電気的な接触のためのクランプ状の保持部を設けることが公知である。このために、ランプはベース側のピンチ封止部を介してコンタクトスプリングの保持部内に嵌め込まれる。この解決策は、前記DE102004007150による従来技術に対して、溶接を必要とすることがなく、またランプを受容するための付加的なベース部も必要としないので、ランプの簡単な製造を可能にするものではあるが、保持部の領域内、つまりランプのピンチ封止部が受容され、かつ電気的に接触せしめられる領域内におけるコンタクトスプリングの形状に基づいて、射出成形技術によってベース内に組み付けるためには適していない。何故ならば、コンタクトスプリングの射出成形は、保持部に基づいて限定的にしか可能ではないからである。
【0004】
発明の開示
本発明の課題は、従来技術の解決策に対して最少の装置技術的な費用で、ランプをベースに最適に保持することができるような、ランプ特に車両用ランプのためのベース、このような形式のベースを備えたランプ、並びにこのようなランプを製造するための方法を提供することである。
【0005】
この課題は、請求項に記載した特徴の組み合わせによって、また請求項17の特徴部によって、またランプの製造の方法に関して請求項18の特徴部によって解決される。本発明の特に有利な実施態様は、従属請求項に記載されている。
【0006】
ランプ特に車両用ランプのための、本発明によるベースは、ベースハウジングと、該ベースハウジング内に固定された、ランプを受容し、かつ電気的に接触させるための少なくとも2つのコンタクトエレメントとを有している。本発明によれば、ベースハウジングの前記コンタクトエレメントが、該ベースハウジング内に固定可能なベーススライダによって形状結合(formschluessig;形状による束縛)式及び/又は摩擦結合(kraftschluessig;摩擦による束縛)式に固定されている。これによって、コンタクトスプリングは、ランプを受容し、かつ電気的に接触するための保持部を備えて構成されているので、前記DE102004007150による従来技術のものに対して、ベース内におけるランプの保持が著しく改善されている。この解決策によれば、ランプがベース内に簡単に組み付けられ、冒頭に述べた形式の方法と比較して、同様に製造が著しく簡略化される。何故ならば溶接を形成するために特別な作業ステップを省くことができるからである。
【0007】
ベーススライダは、有利な形式で、ベースハウジング内に嵌め込まれた後で電気的なコンタクトエレメントを固定するために用いられる、ベースハウジング内に差し込み可能なベース部である。
【0008】
本発明の有利な実施例によれば、ベーススライダが、ベースハウジングの受容区分内に導半径方向で入可能である。
【0009】
有利な形式で、ベーススライダが前記ベースハウジングと共に、少なくとも部分的に1つの共通のベース面及び/又は側面を形成している。ベーススライダを介して閉鎖されたベースに基づいて、湿気及び汚れがベースハウジング内に侵入することは効果的に阻止され、ランプの耐用年数が著しく高められる。
【0010】
本発明の特に有利な実施例によれば、ベーススライダが複数の突起を有しており、これらの突起はベースハウジングの複数の切欠内に挿入可能である。これらの突起は、ベーススライダをベースハウジング内に挿入する作業を軽減する。
【0011】
特に有利な構成によれば、ベースハウジングの前記切欠が、ベースハウジングの長手方向軸線に対して直角に延在する長手方向溝である。
【0012】
ベーススライダをベースハウジング内の正しい位置に組み付けるために、少なくとも2つの長手方向溝が、別の2つの長手方向溝よりも大きい横断面を有している。
【0013】
ベーススライダは、有利な形式で、ロックエレメントを介してベースハウジングに固定される。ベーススライダは、ベースハウジング内にコンタクトエレメントを組み付けるために、このベースハウジング内に半径方向で挿入するだけでよいようになっているので、ベースの製造は著しく簡略化される(いわゆるワンタッチ解除)。
【0014】
ベースハウジングは、有利な形式で、コンタクトエレメントを受容するための少なくとも2つの切欠を有しており、これらの切欠は、前記コンタクトエレメントが互いにほぼ平行に位置するように配置されている。これらの切欠は、コンタクトスプリングがベーススライダとベースハウジングとの間に固定されるように、ベースハウジング内に配置されている。これによってベース内でのランプの組み付けは軽減される。
【0015】
本発明の実施例によれば、前記コンタクトエレメントとしてコンタクトスプリングが使用されており、このコンタクトスプリングのばね脚は有利な形式で互いに向き合う方向に折り曲げられている。
【0016】
ベーススライダは、第1のコンタクトスプリングのばね脚を受容するためのほぼスリット状の切欠と、第2のコンタクトスプリングのばね脚のための当接面とを有している。これによって、コンタクトスプリングは、ベーススライダを組み付けた後で、このベーススライダを介してベースハウジング内で保持され、ランプの差し込み中におけるコンタクトスプリングの変位を阻止する。
【0017】
コンタクトスプリングは、有利な形式で少なくとも1つのばね脚を有しており、このばね脚は、ランプに摩擦結合式に、及び/又は形状結合式に係合せしめられる。
【0018】
本発明の有利な実施例によれば、ベースハウジングが、ほぼ環状のフランジを介して前照灯殊に車両前照灯に間接的に又は直接的に当接せしめられるようになっている。湿気及び汚れが前照灯のリフレクタハウジング内に侵入するのを避けるために、シールエレメント例えばシールディスクが、フランジと前照灯ケーシングとの間に配置される。シールエレメントの代わりに、例えば金属より成るスプリングエレメント又は、前照灯の公差を克服するための保持リングを設けてもよい。
【0019】
有利には、ベースハウジングは、前照灯に対して相対的に回転可能、及びバヨネット式接続部によって解除可能にこの前照灯に固定可能である。これによって、車両前照灯においてランプをより簡単に組み付けることができる。
【0020】
有利な形式で、前記ベースハウジング及び/又はベーススライダは、電気的に絶縁された材料有利にはプラスチックより成っている。この場合、管球の近傍に配置された、ベースの領域は、高温プラスチックより成っていて、熱的な負荷が小さいベーススライダが、安価なプラスチックより製造されている。
【0021】
本発明によるランプは、ベースとコンタクトエレメントとを有しており、このベースとコンタクトエレメントとは、ベースハウジング内で形状結合式に、及び/又は摩擦結合式に固定されている。
【0022】
ベース内にコンタクトエレメントを介して挿入され、かつ電気的に接触せしめられるランプを製造するための、本発明による方法は、次のステップ、つまり、
イ)コンタクトエレメントを前記ベースハウジング内にもたらし、
ロ)ベーススライダを、コンタクトエレメントを固定するための前記ベースハウジング内に挿入し、
ハ)ランプをコンタクトエレメントの保持部内に嵌め込む、
ステップを有している。
【0023】
以下に本発明の有利な実施例を用いて具体的に説明する。
【0024】
図1は、挿入されたランプを備えた、本発明によるベースの有利な実施例の概略図、
図2は、図1に示したベースの三次元的な詳細を示す図(斜視図)、
図3は、図2に示したベースハウジングの三次元的な詳細を示す図、
図4は、コンタクトスプリングが装填されている、図2に示したベースケーシングの三次元的な詳細を示す図、
図5は、ベーススライダの挿入中におけるベースの三次元的な詳細を示す図、
図6は、部分的に挿入されたベーススライダを有するベースハウジングの三次元的な詳細を示す図、
図7は、コンタクトスプリングの互いに相対的な空間配置、並びにベーススライダの三次元的な図、
発明の有利な実施例
以下に本発明を、車両前照灯のための、片側にベースを備えた放電ランプを用いて説明する。しかしながら、冒頭で述べたように本発明によるベースは、このような型式のランプにだけ限定されるものではない。
【0025】
図1は、型式W16W(例えば車両前照灯において表示ランプ又はブレーキランプとして使用される)のランプ2が挿入されている、本発明によるベース1の三次元的な図を示す。このようなランプ2は、電源リード線に接続された発光媒体(図示せず)を有しており、この発光媒体は石英ガラスより成る管球4内に挿入されている。管球4は、一端部にピンチ封止部6を有しており、このピンチ封止部6はほぼ方形の横断面を有していて、シールされてベース1内に挿入されている。ベース1はベースハウジング8を有していて、このベースハウジング8はランプ側に、ランプ2をベースハウジング8内に受容するための組み付け用切欠10を有している。ベースハウジング8内には、コンタクトスプリング12,13として構成された2つのコンタクトエレメントが配置されている。これらのコンタクトエレメントは、ランプ2の組み付け用切欠10の領域内で、ランプ2のピンチ封止部6を受容するための保持部16を形成していて、それぞれ発光媒体の2つの電源リード線のうちの一方と電気的に接触している(図示せず)。ベースハウジング8はランプ側で、ほぼ円筒形の固定部18を有しており、この固定部18の外周面20に、半径方向に突き出すほぼウエブ状の3つの接続エレメント22(図1では、これらの接続エレメント22のうちの1つが固定部18によって覆われている)が形成されており、これらの接続エレメント22は、前照灯の相応の保持エレメント内に係合し、ここで固定さている(図示されていない)。固定部18は、管球4とは反対側で、少なくとも部分的に環状のフランジ24に移行している。この環状のフランジ24は当接面26を有していて、この当接面26は、ベース1を前照灯内に組み付けるために、固定部18に配置されたシーリングディスク28を介して前照灯に当て付けることができる。シーリングディスク28は、ベース1を組み付けた状態でフランジ24と前照灯との間に配置され、湿気及び汚れが前照灯内に入り込むのを阻止する。ベースハウジング8は、管球4とは反対側においてフランジ24の後ろで、ほぼボックス状のグリップ部30に移行している。前照灯にベース1を組み付けるために、ベース1は固定部18を介して前照灯内に挿入され、接続エレメント22を用いて前照灯に対して相対的に回転させることによって前照灯に固定される。換言すれば、接続エレメント22は、前照灯の保持部材と共にバヨネット式接続部(差し込み接続部)を形成しており、このバヨネット式接続部を介して、ベース1は解除可能に前照灯に固定可能である。ベース1を前照灯に導入することは、端面側で固定部18に形成された面取部32によって軽減される。
【0026】
図1のベース1を三次元的な詳細図で示した図2によれば、コンタクトスプリング12,14は、これらのコンタクトスプリング12,14の2つの終端区分34,36が半径方向でベースハウジング8から突き出して、図示していないコンタクトプラグを介して電気的に接触可能であるように、ベースハウジング8内に配置されている。本発明によれば、コンタクトスプリング12,14はベースハウジング8内で、ベースハウジング8内に固定可能なベーススライダ38によって形状結合(formschluessig;形状による束縛)式に、かつ摩擦接続(kraftschluessig;摩擦による束縛)式に固定されている。これによってコンタクトスプリング12,14は、ランプ2を受容し、かつ電気的に接触させるための保持部16(図1参照)を備えて構成されているので、ベース1内におけるランプ2の保持は、従来技術に対して著しく改善される。また本発明によれば、ランプの製造は、冒頭に述べた方法と比較して同様に著しく簡略化される。何故ならば溶接を行うための特別な作業ステップは省くことができるからである。図2によれば、ベーススライダ38の輪郭形状は、ベーススライダ38がベースハウジング8と共に1つの共通のベース面40及び側面42を形成するように、ベースハウジング8の輪郭形状に合わせられている。これによって、湿気及び汚れがベースハウジング8内に侵入することは阻止され、ランプの耐用年数は高められる。図示の実施例では、ベースハウジング8とベーススライダ38とが、電気的に絶縁されたプラスチックより構成されている。
【0027】
図2のベースハウジング8の三次元的な詳細を示した図3により分かるように、ベースハウジング8は、ベーススライダ38(図2参照)を受容するための、底部側及び端面側が開放した受容区分44を有している。受容区分44内には、コンタクトスプリング12,14を受容するためのほぼ溝状の2つの切欠46,48が形成されており、これらの切欠46,48は、前記コンタクトスプリング12,14が切欠46,48の支持面52,54に当接せしめられ、ベーススライダ38とベースハウジング8との間に固定されるように、ベースハウジング8内に配置されている。第1の切欠46は、ベースハウジング8のプラグ側の終端区分54内に配置され、コンタクトスプリング14の第1のばね脚56(図4参照)に対応配置されている。第2の切欠48は、ベースハウジング8の長手方向軸線58の方向でベースハウジング8の側壁60,62間に延在する接続ウエブ64に形成されていて、コンタクトスプリング12のばね脚66(図4参照)に対応配置されている。切欠48は、コンタクトスプリング12の挿入を軽減するために、縁部側でそれぞれ面取部68を備えている。
【0028】
コンタクトスプリング12,14が挿入されているベースハウジング8を三次元的に示した、図4から特に分かるように、切欠46,48の深さは、コンタクトスプリング12,14のばね脚56,66の厚さにほぼ相当しているので、ばね脚56,66はそれぞれ切欠46,48の上側と同一平面を成している。コンタクトスプリング12,14は、ばね脚56,66が互いにほぼ平行に延在し、ベースハウジング8から半径方向に突き出すように、切欠46,48内に押し込まれている。
【0029】
ベーススライダ38の挿入中における、装填されたコンタクトスプリング12,14を備えたベースハウジング8を三次元的に示した図5によれば、このベーススライダ38は、矢印で示されているように半径方向で、つまりベースハウジング8の長手方向軸線58に対して90°の角度で、ベースハウジング8の受容区分44内に挿入される。このために、ほぼL字状のベーススライダ38はウエブ状の4つのガイド突起70,72,74,76を有しており、これらのガイド突起70,72,74,76は、ベースハウジング8のガイド切欠78,80,82,84内に導入可能である。図示の実施例では、ベースハウジング8のガイド切欠78,80,82,84は、ベースハウジング8の長手方向軸線58に対して直角に、受容区分4の半径方向に広がった領域86内まで延在している長手方向溝として構成されている。図5の上側に示された、ベースハウジング8の長手方向溝78,80は、それぞれ半径方向に広がった領域44を越えてベースハウジング8の側壁60,62内に延在している(図3参照)。これらのガイド突起70,72,74,76は、ベースハウジング8内へのベーススライダ38の挿入を軽減し、ベーススライダ38を、ベースハウジング8の受容区分44内の長手方向軸線58の方向に固定する。ベースハウジング8内にベーススライダ38を組み付ける作業を軽減するために、図5の下側に示した、ベースハウジング8の2つの長手方向溝82,84は、上側の長手方向未字78,80よりも大きい横断面を有して構成されている。ベーススライダ38は、ガイド突起70,74若しくは72,76間に配置された、係止突起88を備えた2つのロックエレメント90,92(ロックエレメント92は、図5ではベーススライダ38によって覆われている)を介してベースハウジング8に固定される。このために、ロックエレメント90,92は弾性的に構成されていて、ベーススライダ38の完全な挿入後に係止突起88を介して、ベースハウジング8の長手方向溝78,82若しくは80,84間の領域内でベースハウジング8の縁部94(図3参照)に、挿入側とは逆側にスナップ式に係合するようになっている。
【0030】
特に、部分的に挿入されたベーススライダ38を備えたベースハウジング8を三次元的に示した図6により分かるように、このベーススライダ38は、上側のつば96に形成されたガイド面98を介して、ベースハウジング8の側面42に対して軸方向に引っ込んだ、ベースハウジング8の支持面100上に載り、この支持面100を介して、ベースハウジング8内への挿入中にガイドされる。つば96のプラグ側の区分102は、ベーススライダ38の挿入後に露出し、丸味部104を備えている。図6によれば、ベースハウジング8の組み付け用切欠10は、ほぼ円形に構成されていて、直径方向で互いに向き合う2つの方形の溝106,108を介して半径方向に広がっている。これらの方形の溝106,108は、組み付け用切欠10内でコンタクトスプリング12,14を支持するために用いられる。このために、コンタクトスリング12,14の90°曲げられた突起126が、方形の溝106,108の狭幅側(幅の狭い側)112に当て付けられるようになっている。
【0031】
ベーススライダ38の三次元的な図、及びコンタクトスプリング12,14の互いに相対的な空間的配置を示す図7によれば、ベーススライダ38は、ガイド突起70,72間の領域内で、第1のコンタクトスプリング12のばね脚66を受容するためのほぼスリット状の切欠114と、第2のコンタクトスプリング14(図4参照)のばね脚56のための当接面116とを有している。これによって、コンタクトスプリング12,14は、ベーススライダ38を組み付けた後で、このベーススライダ38を介してベースハウジング8内で保持され、ランプ2を保持部16内に差し込む間、コンタクトスプリング12,14が逸れるのを阻止する。コンタクトスプリング12,14は、ばね脚56,66に対して90゜折り曲げられたばね脚118,120を有しており、これらのばね脚118,120は、ランプ側でほぼクランプ状の保持部16を形成しており、この保持部16は、摩擦結合(摩擦による束縛)式及び形状結合(形状による束縛)式にランプ2のピンチ封止部6と係合せしめられ、このピンチ封止部6と電気的に接触する(図1参照)。ばね脚118,120のランプ側の終端区分122,124にはそれぞれ2つの突起126が形成されており、これらの突起126は、ばね脚118,120を越えて突き出していて、90゜折り曲げられて保持部16内に侵入しており、それによってこれらの突起126は、ランプ2(図1)のピンチ封止部6の側面130をガイドするためのほぼ平行な側面128を保持部16内で形成している。さらに、ばね脚118,120には、互いに向き合う方向に折り曲げられた、それぞれ2つのクランプ状のばね突起132が形成されており、これらのばね突起132は、ベースハウジング8の長手方向軸線58に対して軸平行に延在する、ほぼC字形の保持領域136を備えた固定部134に移行している。ばね突起132は、保持領域136を介して、ピンチ封止部6の側面130に当接せしめられ、それによってランプ2を保持部16(図1参照)内で固定する。ベースハウジング8から突き出すばね脚118,120の終端区分34,36は、両側で円周方向の面取部138を備えており、これらの面取部138は、コンタクトプラグ(図示せず)の挿入を容易にする。
【0032】
図1〜図5を用いて以下に、ランプ2の主な製造ステップを説明する。第1の作業ステップで、コンタクトスプリング14が、ベースハウジング8の長手方向軸線58の方向で受容区分44内に挿入され、支持面54に当接せしめられる。次いで第2のコンタクトスプリング2が受容区分44内に挿入され、接続ウエブ64の支持面52に当接せしめられる。次の作業ステップで、ベーススライダ38は、図5に矢印で示されているように、半径方向でベースハウジング8の受容区分44内に挿入される。ベーススライダ38をベースハウジング8の受容区分44内に挿入する際に、コンタクトスプリング12のばね脚66は、ベーススライダ38の切欠114内に侵入し、別のコンタクトスプリング14のばね脚56は、ベーススライダ38の当接面116に沿ってガイドされる(図7参照)。ベーススライダ38のガイド突起70,72,74,76は、ベースハウジング8の長手方向溝78,80,82,84内に挿入する間、ガイドされている。ベーススライダ38を完全に挿入した後で、ベーススライダ38は、係止突起88を備えたロックエレメント90,92を介してベースハウジング8に固定される。次いで、ランプ2がピンチ封止部6を介してコンタクトスプリング12,14の保持部16内に挿入され、固定部134のばね作用に基づいてベース1内に固定される。
【0033】
本発明によるベース1は、いわゆるワンタッチ(one-touch)解除を可能にする。何故ならば、ベーススライダ38はコンタクトスプリング12,14をベースハウジング8内に組み付けるために、半径方向でベースハウジング8内に挿入され、ここで自動的に係止するからである。
【0034】
ランプ2を受容し、かつ電気的に接触させるための、ベースハウジング内に固定された少なくとも2つのコンタクトエレメント(コンタクトスプリング)12,14と1つのベースハウジング8とを備えた、ランプ2特に車両用ランプのためのベース1が開示されている。本発明によれば、ベースハウジング8のコンタクトエレメント12,14が、このベースハウジング8内に固定可能なベーススライダ38によって形状結合式及び/又は摩擦結合式に固定されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】挿入されたランプを備えた、本発明によるベースの有利な実施例の概略図である。
【図2】図1に示したベースの三次元的な詳細を示す斜視図である。
【図3】図2に示したベースハウジングの三次元的な詳細を示す斜視図である。
【図4】コンタクトスプリングが装填されている、図2に示したベースケーシングの三次元的な詳細を示す斜視図である。
【図5】ベーススライダの挿入中におけるベースの三次元的な詳細を示す斜視図である。
【図6】部分的に挿入されたベーススライダを有するベースハウジングの三次元的な詳細を示す斜視図である。
【図7】コンタクトスプリングの互いに相対的な空間配置、並びにベーススライダの三次元的な斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ベース、 2 ランプ、 4 管球、 6 ピンチ封止部、 8 ベースハウジング、 10 組み付け用切欠、 12,14 コンタクトスプリング、 16 保持部、 18 固定部、 20 外周面、 22 接続エレメント、 24 環状のフランジ、 26 当接面、 28 シーリングディスク、 30 グリップ部、 34,36 終端区分、 38 ベーススライダ、 40 ベース面、 42 側面、 44 受容区分、 46,48 ほぼ溝状の切欠、 52,54 支持面、 56 ばね脚、 58 長手方向軸線、 60,62 側壁、 64 接続ウエブ、 66 ばね脚、 70−76 ガイド突起、 78−84 ガイド溝、 78,80、82,84 長手方向溝、 90,92 ロックエレメント、 94 ベースハウジング8の縁部、 96 上側のつば、 98 ガイド面、 100 軸方向で引っ込んだ支持面、 102 プラグ側の区分、 104 丸味部、 106,108 方形の溝、 112 狭幅側、 114 スリット状の切欠、 118,120 ばね脚、 122,124 ランプ側の終端区分、126 突起、 130 側面、 132 ばね突起、 134 固定部、 136 保持部、 138 円周方向の面取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ殊に車両用ランプのためのベースであって、ベースハウジング(8)と、該ベースハウジング(8)内に固定された、ランプ(2)を受容し、かつ電気的に接触させるための少なくとも2つのコンタクトエレメント(12,14)とを有している形式のものにおいて、
ベースハウジング(8)の前記コンタクトエレメント(12,14)が、該ベースハウジング(8)内に固定可能なベーススライダ(38)によって形状結合式及び/又は摩擦結合式に固定されていることを特徴とする、ランプ用のベース。
【請求項2】
前記ベーススライダ(38)が、ベースハウジング(8)の受容区分(44)内に半径方向で導入可能である、請求項1記載のベース。
【請求項3】
前記ベーススライダ(38)が前記ベースハウジング(8)と共に、少なくとも部分的に1つの共通のベース面及び/又は側面(40,42)を形成している、請求項1又は2記載のベース。
【請求項4】
ベーススライダ(38)が複数の突起(70,72,74,76)を有しており、これらの突起(70,72,74,76)がベースハウジング(8)の複数の切欠(78,80,82,84)内に挿入可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のベース。
【請求項5】
ベースハウジング(8)の前記切欠(78,80,82,84)が、ベースハウジング(8)の長手方向軸線(58)に対して直角に延在する長手方向溝である、請求項4記載のベース。
【請求項6】
少なくとも2つの長手方向溝(78,80)が、別の2つの長手方向溝(82,84)よりも大きい横断面を有している、請求項5記載のベース。
【請求項7】
前記ベーススライダ(38)が少なくとも1つのロックエレメント(90,92)を介してベースハウジング(8)に固定されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のベース。
【請求項8】
前記ロックエレメント(90,92)が少なくとも1つの係止突起(88)を有している、請求項7記載のベース。
【請求項9】
ベースハウジング(38)が、コンタクトエレメント(12,14)を受容するための少なくとも2つの切欠(46,48)を有しており、これらの切欠(46,48)は、前記コンタクトエレメント(12,14)が互いにほぼ平行に位置するように配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のベース。
【請求項10】
前記コンタクトエレメント(12,14)がコンタクトスプリングである、請求項1から9までのいずれか1項記載のベース。
【請求項11】
前記コンタクトエレメント(12,14)のばね脚(56,66,118,120)が互いに向き合う方向に折り曲げられている、請求項10記載のベース。
【請求項12】
前記ベーススライダ(38)が、第1のコンタクトスプリング(12)のばね脚(66)を受容するためのほぼスリット状の切欠(114)と、第2のコンタクトスプリング(14)のばね脚(56)のための当接面(116)とを有している、請求項10又は11記載のベース。
【請求項13】
前記コンタクトスプリング(12,14)が少なくとも1つのばね脚(118,120)を有しており、該ばね脚が、ランプ(2)に摩擦結合式及び/又は形状結合式に係合可能である、請求項10から12までのいずれか1項記載のベース。
【請求項14】
ベースハウジング(8)が、ほぼ環状のフランジ(24)を介して前照灯殊に車両前照灯に間接的に又は直接的に当接せしめられるようになっている、請求項1から13までのいずれか1項記載のベース。
【請求項15】
ベースハウジング(8)が、前照灯に対して相対的に回転可能、かつバヨネット式接続部によって解除可能に前照灯に固定可能である、請求項1から14までのいずれか1項記載のベース。
【請求項16】
前記ベースハウジング(8)及び/又はベーススライダ(38)が、電気的に絶縁された材料有利にはプラスチックより成っている、請求項1から15までのいずれか1項記載のベース。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項記載のベースを備えたランプであって、コンタクトエレメント(12,14)がベーススライダ(38)によってベースハウジング(8)内に形状結合式及び/又は摩擦結合式に固定されていることを特徴とする、ランプ。
【請求項18】
請求項1から16までのいずれか1項記載のベース(1)内にコンタクトエレメント(12,14)を介して挿入され、かつ電気的に接触せしめられるランプ殊に車両用ランプを製造するための方法において、
次のステップ、つまり、
イ)コンタクトエレメント(12,14)を前記ベースハウジング(8)内にもたらし、
ロ)ベーススライダ(38)を、コンタクトエレメント(12,14)を固定するための前記ベースハウジング(8)内に挿入し、
ハ)ランプ(2)をコンタクトエレメント(12,14)の保持部(16)内に嵌め込む、
ステップを有していることを特徴とする、

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−533672(P2008−533672A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501145(P2008−501145)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000224
【国際公開番号】WO2006/097059
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(390009472)パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング (152)
【氏名又は名称原語表記】Patent−Treuhand−Gesellschaft fuer elektrische Gluehlampen mbH
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】