説明

リアルタイムアクセス情報表示方法及び装置及びプログラム

【課題】 アクセス数の高いコンテンツに関連した有用なコンテンツを強調でき、ユーザのコンテンツ探索の視野を広げる。
【解決手段】 本発明は、記憶手段に蓄積されているコンテンツに対するアクセス情報に、アクセスランキング情報を生成するための統合アクセスランキング情報生成ルールを適用することにより、アクセスランキング情報を生成してアクセスランキング記憶手段に格納し、アクセスランキング情報に、入力されたコンテンツ情報の詳細度を適用して表示する、

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイムアクセス情報表示方法及び装置及びプログラムに係り、特に、コンテンツと人の存在を可視化して重ね合わせたコンテンツ空間を用いて、実ユーザのコンテンツアクセス状況を表示し、ユーザに表示しているコンテンツ空間の詳細度に応じてアクセス状況の詳細度を変化させてユーザをコンテンツへ導くナビゲーションを行なうためのリアルタイムアクセス情報表示方法及び装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツのアクセス情報の可視化に関して数多くの手法が実現されている。例えば、単一のホームページを対象としたアクセス情報の可視化については、ホームページにアクセスカウンタを用意しておき、ユーザのホームページへのアクセスに応じてカウンタをインクリメントする手法が広く知られている。
【0003】
また、数多くのホームページを対象としたランキング表示として、ホームページへのアクセス数に応じてランキング度を計算し、ランキング順にリスト型で表示している。
【0004】
また、リスト型以外のランキング表示方法として、2次元のコンテンツ空間上にランキング情報を重畳して表示する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】日本電信電話株式会社「World Wide Navi」(http://agnv-qvsv1.nta.co-jp/WWW_TOP.htm)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のアクセス情報可視化手法では、アクセスの高いコンテンツのみが強調されるため、その後もアクセス数の低いコンテンツとの格差が大きくなってしまい、ユーザにとっては有用なコンテンツの数が少ないことを示す可視化方法となる問題がある。これらのアクセス数の多いコンテンツは、他のコンテンツを経由してたくさんのユーザが到達しており、その経由したコンテンツもアクセス数の高いコンテンツと同様に有用であると考えられる。しかし、アクセス数だけの表現は、アクセス数の高いコンテンツへ到着するのに有用となったコンテンツの強調ができないという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、アクセス数の高いコンテンツに関連した有用なコンテンツを強調でき、ユーザのコンテンツ探索の視野を広げることが可能なリアルタイムアクセス情報表示方法及び装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1は、本発明の原理を説明するための図である。
【0008】
本発明(請求項1)は、複数のコンテンツ情報を同時に表示する機能と、さらに、表示しているコンテンツ情報の詳細度に応じて、同時表示できるコンテンツ数の異なるランキング情報を表示する機能を有する装置における、アクセス状況を表示するリアルタイムアクセス情報表示方法において、
記憶手段に蓄積されているコンテンツに対するアクセス情報を読み出して(ステップ1)、アクセスランキング情報を生成するための統合アクセスランキング情報生成ルールを適用することにより(ステップ2)、アクセスランキング情報を生成して(ステップ3)、アクセスランキング記憶手段に格納し(ステップ4)、
アクセスランキング情報に、入力されたコンテンツ情報の詳細度を適用して(ステップ5)表示手段に表示する(ステップ6)。
【0009】
また、本発明(請求項2)は、統合アクセスランキング情報生成ルールをアクセス情報に適用することにより、コンテンツ毎のアクセス数の多い順にソートした1次アクセスランキング情報を生成して、1次アクセスランキング記憶手段に格納し、
統合アクセスランキング情報生成ルールを1次アクセスランキング情報に適用することにより、各コンテンツに対し、該コンテンツの中心として複数の領域で空間を区切り、ユーザが該コンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置の領域毎にコンテンツ数をカウントして第2のアクセスランキング情報を生成し、2次アクセスランキング記憶手段に格納する。
【0010】
また、本発明(請求項3)は、表示手段に表示するコンテンツ情報の詳細度が最大の時に表示するランキング情報量と、詳細度が最小の時に表示するランキング情報量に基づいて、該コンテンツ情報の詳細度の変化に応じて表示するランキング情報を決定する。
【0011】
また、本発明(請求項4)は、第2のアクセスランキング情報に基づいて、前記ユーザがコンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置領域から、アクセス数の高いコンテンツへの当該ユーザの移動軌跡を、矢印イメージを用いて表示する。
【0012】
図2は、本発明の原理構成図である。
【0013】
本発明(請求項5)は、複数のコンテンツ情報を同時に表示する機能と、さらに、表示しているコンテンツ情報の詳細度に応じて、同時表示できるコンテンツ数の異なるランキング情報を表示する機能を有し、アクセス状況を表示するリアルタイムアクセス情報表示装置であって、
コンテンツに対するアクセス情報を蓄積するコンテンツアクセス記憶手段10と、
コンテンツアクセス記憶手段10に蓄積されているコンテンツに対するアクセス情報を読み出して、アクセスランキング情報を生成するための統合アクセスランキング情報生成ルールを適用することにより、アクセスランキング情報を生成してアクセスランキング記憶手段に格納するランキング情報生成手段3と、
アクセスランキング情報に、入力されたコンテンツ情報の詳細度を適用して表示手段20に表示するランキング情報表示手段1と、を有する。
【0014】
また、本発明(請求項6)のランキング情報生成手段3は、
統合アクセスランキング情報生成ルールをアクセス情報に適用することにより、コンテンツ毎のアクセス数の多い順にソートした1次アクセスランキング情報を生成して、ランキング記憶手段12の1次アクセスランキング記憶手段に格納する手段と、
統合アクセスランキング情報生成ルールを1次アクセスランキング情報に適用することにより、各コンテンツに対し、該コンテンツの中心として複数の領域で空間を区切り、ユーザがそのコンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置の領域毎にコンテンツ数をカウントして第2のアクセスランキング情報を生成してアクセスランキング記憶手段12の2次アクセスランキング記憶手段に格納する手段と、を含む。
【0015】
また、本発明(請求項7)のランキング情報表示手段1は、
表示手段20に表示するコンテンツ情報の詳細度が最大の時に表示するランキング情報量と、詳細度が最小の時に表示するランキング情報量に基づいて、該コンテンツ情報の詳細度の変化に応じて表示するランキング情報を決定する手段を含む。
【0016】
また、本発明(請求項8)は、ランキング情報表示手段において、
第2のアクセスランキング情報に基づいて、ユーザがコンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置領域から、アクセス数の高いコンテンツへの当該ユーザの移動軌跡を矢印イメージを用いて表示する手段を含む。
【0017】
本発明(請求項9)は、複数のコンテンツ情報を同時に表示する機能と、さらに、表示しているコンテンツ情報の詳細度に応じて、同時表示できるコンテンツ数の異なるランキング情報を表示する機能を有する装置における、アクセス状況を表示するリアルタイムアクセス情報表示プログラムであって、
請求項1乃至3記載のリアルタイムアクセス情報表示方法の実現に用いられる処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
上記のように、本発明によれば、コンテンツサムネイルを配置した多次元の空間内で、アクセス数の高いコンテンツへ到着したユーザの移動軌跡を、アクセスランキング情報を用いて表現できる。これにより、アクセス数の高いコンテンツに関連した有用なコンテンツを強調でき、ユーザのコンテンツ探索の視野が広がる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図3は、本発明の一実施の形態におけるリアルタイムアクセス情報表示装置の構成を示す。
【0021】
同図に示す装置は、ランキング情報表示部1、コンテンツ情報配信部2、ランキング情報生成部3、ランキング情報記憶部4、前コンテンツアクセス記憶部5、コンテンツ可視化情報記憶部6、コンテンツ情報記憶部7、1次アクセスランキング記憶部8、2次アクセスランキング記憶部9及びコンテンツアクセス記憶部10から構成される。
【0022】
ランキング情報表示部1は、ユーザの表示装置(図示せず)及び入力装置(図示せず)とのインタフェース手段及び、コンテンツ情報配信部2、リアルタイムアクセス情報記憶部4、前コンテンツアクセス記憶部5、コンテンツ可視化情報記憶部6との情報のやり取りを行なう。また、外部(例えば、オペレータ)から入力された多次元空間の詳細度及びランキング上位件数Nを保持する。
【0023】
コンテンツ情報配信部2は、コンテンツ情報記憶部7内に記憶されている全てのコンテンツ情報をランキング情報表示部1及びランキング情報生成部3へ送信する。また、コンテンツ情報記憶部7から取得したコンテンツ情報を保持する。
【0024】
ランキング情報生成部3は、コンテンツアクセス記憶部10から取得したコンテンツアクセス情報から、アクセス日時を参照し、コンテンツID毎のアクセス数を集計し、コンテンツID毎の1次ランキング情報を作成し、1次アクセスランキング記憶部8に格納する。また、ランキング情報生成部3は、1次アクセスランキング記憶部8の1次アクセスランキング情報のコンテンツ全てに対して、コンテンツアクセス記憶部10のコンテンツアクセス情報から所定のアクセス日時までのアクセスコンテンツID、アクセス前コンテンツIDを抽出し、抽出した全てのアクセス前コンテンツがコンテンツIDの位置関係(領域)を計算し、領域に属するコンテンツ数をカウントし、2次アクセスランキングを生成し、2次アクセスランキング記憶部9に格納する。
【0025】
ランキング情報記憶部4は、ランキング情報表示部1から転送されたユーザが選択した(アクセスした)コンテンツID、選択日時及び過去に遡り、最も最近選択したコンテンツのコンテンツID(アクセス前コンテンツID)を取得し、コンテンツアクセス記憶部10に格納する。
【0026】
前コンテンツアクセス記憶部5は、初期状態において“NULL”であり、ランキング情報表示部1から取得した、アクセス前コンテンツIDを格納する。
【0027】
コンテンツ可視化情報記憶部6は、表示手段に表示するサムネイル及びサムネイルのURLが記憶される。
【0028】
コンテンツ情報記憶部7は、コンテンツ情報が格納されており、コンテンツ情報としては、各コンテンツを識別するのに必要なコンテンツID、コンテンツのタイトル名であるコンテンツタイトル、サムネイルの実体へ場所を示すサムネイルURL、コンテンツサムネイルを2次元上に配置する座標である空間X座標、空間Y座標の5項目がある。
【0029】
1次アクセスランキング記憶部8は、ランキング情報生成部3で生成されたランキング順位とアクセスコンテンツIDからなる1次アクセスランキングを格納する。
【0030】
2次アクセスランキング記憶部9は、ランキング情報生成部3で生成されたらランキング順位、コンテンツID,複数の領域からなる2次アクセスランキングを格納する。
【0031】
コンテンツアクセス記憶部10は、過去のアクセス情報を格納しており、過去にユーザにより選択されたコンテンツのコンテンツIDを追加格納する。
【0032】
次に、上記の構成における動作を説明する。
【0033】
図4は、本発明の一実施の形態における動作のフローチャートである。
【0034】
ステップ101) 予め、ランキング情報の集計対象とする過去への時間T、ランキング情報を詳細に表示する多次元空間の詳細度X,表示するランキング上位件数Nをランキング情報表示部1及びランキング情報生成部3に設定しておく。
【0035】
また、予めコンテンツに対するアクセス情報がコンテンツアクセス記憶部10に用意されており、そのアクセス情報は、アクセス日時、アクセスしたコンテンツのコンテンツID、一つ前にアクセスしたコンテンツのコンテンツIDから構成される。
【0036】
ステップ102) ランキング情報生成部3において、現在時刻からステップ101で設定した時間Tの間のコンテンツ間のアクセス情報をコンテンツアクセス記憶部10から取得し、各コンテンツに対するアクセス数をカウントし、そのカウント数に基づいてコンテンツを昇順にソートした1次アクセスランキングリスト(ランキング順位、コンテンツID)を生成し、1次アクセスランキング記憶部8に格納する。
【0037】
ステップ103) ランキング情報生成部3において、1次アクセスランキング記憶部8に格納されている1次アクセスランキングリスト内のコンテンツで上位N件の各コンテンツに対し、コンテンツアクセス記憶部10のアクセス情報内の当該コンテンツに対するアクセス前のコンテンツと、アクセスしているコンテンツとの位置関係を以下の手順で算出する。
【0038】
手順1)対象とするランキング上位のコンテンツ(空間X座標x1、空間Y座標y1)から、アクセス前コンテンツ(空間X座標x2、空間Y座標y2)へのベクトルV(vx,vy)を算出する。
【0039】
V(vx,vy)=(x2−x1,y2−y1)
手順2)以下の(i)〜(iv)を評価する。
【0040】
(i) y≦xかつy≧−xであれば領域A
(ii) y≧かつy≧−xであれば領域B
(iii) y≧かつy≦−xであれば領域C
(iv) y≦xかつy≦−xであれば領域D
上記の手順により得られた領域を、各コンテンツの各領域(領域A〜D)へカウントし、ランキング上位N件の各コンテンツのコンテンツIDと各領域へのカウント数を対にした2次アクセスランキング情報リストを作成し、2次アクセスランキング記憶部9に格納する。
【0041】
なお、本発明では、ステップ102〜ステップ103の処理を統合アクセスランキング情報生成ルールと呼ぶ。なお、この統合アクセスランキング情報生成ルール(プログラム)をルール記憶手段として、記憶媒体に格納しておくことも可能である。
【0042】
ステップ104) 多次元空間に表示する際は、ユーザの画面内に表示されているコンテンツに前述のランキング上位に含まれるコンテンツに対し、表示している多次元空間の詳細度に応じて、以下の方法でランキング上位を示すイメージを表示する。空間の詳細度がX以下の場合はステップ105に移行し、詳細度がXより大きい場合にはステップ106へ移行する。
【0043】
ステップ105) 表示しているコンテンツ空間の詳細度が予め設定されたコンテンツの空間の詳細度X以下であれば、表示している画面内に含まれるランキング上位のコンテンツ全てに対し、次の処理を行なう。
【0044】
ランキング情報生成部3が2次アクセスランキング記憶部9から対象とするコンテンツの2次アクセスランキング情報を検索し、コンテンツ情報配信部2を介してランキング情報表示部1に渡す。ランキング情報表示部1は、最もアクセス前コンテンツ数が多い領域を選択し、表1に示すようなルールを用いてイメージ画像を配置する。
【0045】
【表1】

ステップ106) 表示しているコンテンツ空間の詳細度が、予め設定されたコンテンツ空間の詳細度Xより大きい場合には、表示している画面内に含まれるランキング上位のコンテンツ全てに対し、次の処理を行なう。
【0046】
ランキング情報生成部3が2次アクセスランキング記憶部9から対象とするコンテンツの2次アクセスランキング情報を検索し、コンテンツ情報配信部2を介してランキング情報表示部1に渡す。ランキング情報表示部1は、表1のようなルールでサムネイルの四方にイメージ画像を配置する。
【実施例】
【0047】
以下、図面と共に本発明の実施例を説明する。
【0048】
以下の実施例では、前述の図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
ステップ101)ランキング情報を生成する場合に、現在時刻から過去10分前に遡ったアクセス情報を利用するものとする。
【0050】
また、本実施例では、コンテンツサムネイルを配置する空間の次元数を2次元とし、2次元空間に対する詳細度を、2次元空間に対するズームイン・ズームアウトで決定する。詳細度の単位は、コンテンツサムネイルを配置した空間すべてが1画面に見える状態をズームレベル1、ズームインしていくと2次元の空間を拡大するものとし、その拡大率を詳細度としてズームレベルとする。
【0051】
また、ユーザがコンテンツサムネイルを選択した行為を、アクセスした行為と見做す。
【0052】
本実施例では、事前に多次元空間に対する詳細度をズームレベル「18」、表示するランキング上位件数Nを「5」と設定する。
【0053】
前コンテンツアクセス記憶部5の初期状態は、“NULL”が格納されているものとする。
【0054】
ステップ102) まず、始めに、ユーザがコンテンツを選択した時の処理について説明する。
【0055】
コンテンツ情報記憶部7内には、表2に示すようなコンテンツ情報のように、各コンテンツを識別するのに必要なコンテンツID,コンテンツのタイトル名であるコンテンツタイトル、サムネイルの実体への場所を示すサムネイルURL、コンテンツサムネイルを2次元上に配置する座標である空間X座標、空間Y座標の5項目から構成される情報が複数記憶されている。
【0056】
【表2】

(1)コンテンツ情報配信部2は、コンテンツ情報記憶部7内に記憶されている全てのコンテンツ情報をランキング情報表示部1に送信する。
【0057】
(2)ランキング情報表示部1は、コンテンツ情報配信部2から受信したコンテンツ情報を各コンテンツの空間X座標、空間Y座標に従ってサムネイルを画面に配置する。ランキング情報表示部1は、コンテンツ情報内のサムネイルURL先にあるサムネイルをコンテンツ可視化情報記憶部6から取得して配置する。図5にランキング情報表示部1が表示手段に表示するコンテンツ配置画面を示す。同図には、表2のコンテンツIDが「FFFF553」のコンテンツを配置した様子を示している。
【0058】
(3)ユーザが表示手段に表示されたサムネイルを選択すると、ランキング情報表示部1は、選択日時、選択したコンテンツのコンテンツIDと前コンテンツアクセス記憶部5内に記憶されている表3に示すようなコンテンツIDをランキング情報記憶部4へ送信する。ここでは、ユーザが「2004年1月3日20時41分2秒」に、画面内に表示されている「FFFF553」のコンテンツを選択したものとし、ランキング情報記憶部4へ、選択日時として「2004/01/03 20:41:02」、選択したコンテンツIDとして「FFFF553」、過去に遡り最も最近選択したコンテンツIDとして「FFFF463」を送信するものとする。
【0059】
【表3】

(4)次に、ランキング情報表示部1は、前コンテンツアクセス記憶部5に選択したコンテンツIDである「FFFF553」を格納する。
【0060】
(5)ランキング情報記憶部4は、ユーザの選択したコンテンツの選択日時、コンテンツIDと過去に選択したコンテンツのコンテンツIDとをランキング情報表示部1から受信すると、受信したコンテンツIDをコンテンツアクセス記憶部10に追加格納する。本実施例では、ランキング情報記憶部4がランキング情報表示部1より受信した、選択日時の「2004/01/03 20:41:02」、選択したコンテンツIDの「FFFF553」、過去に遡り最も最近選択したコンテンツIDの「FFFF463」を追加格納するものとする。
【0061】
(6)ランキング情報生成部3では、コンテンツアクセス記憶部10内にある表4のようなコンテンツアクセス情報から、アクセス日時を参照し、現在時刻から10分前までの全てのコンテンツアクセス情報に対して、コンテンツID毎にアクセス数を集計し、コンテンツID毎の1次ランキング情報を作成する。本実施例では、表5のような1次ランキング情報を作成したものとし、このランキング情報を1次アクセスランキング記憶部8に格納する。
【0062】
【表4】

【0063】
【表5】

ステップ103) 次に、ランキング情報生成部3は、1次アクセスランキング情報に基づき、ランキング内のそれぞれのコンテンツに対し、そのコンテンツと前アクセスのコンテンツの位置関係における分布情報を生成する。
【0064】
本実施例では、表5内のランキング1位である「FFFF215」の分布情報を作成する例について示す。コンテンツアクセス記憶部10にある表4のようなコンテンツアクセス情報から、アクセスに日時が10分前までのアクセスコンテンツID「FFFF215」の、アクセス前コンテンツIDを全て抽出する。抽出した全てのアクセス前コンテンツがコンテンツID「FFFF215」の上下左右のどこに位置するかを計算する。
【0065】
位置関係を算出する場合には、「FFFF215」とそれぞれのアクセス前コンテンツに対するベクトルを算出する。表4のコンテンツアクセス記憶部9の情報を参照すると、「FFFF215」に関しては、アクセス前コンテンツとして「FFFF834」「FFFF721」「FFF243」の3つが存在する。この3つのコンテンツに対してランキング情報生成部3が、コンテンツ情報配信部2を介してコンテンツ情報記憶部7にアクセスし、「FFFF834」「FFFF721」「FFFF243」のコンテンツ情報を参照する。ここで、本発明では、図6のようにランキング上位のコンテンツを中心として斜め45度の境界線を引き、アクセス前コンテンツがどの領域に属するかを計算する。このコンテンツ情報が表6,7,8,9のような場合、コンテンツ情報の空間座標を参照して以下のような方法でアクセス前コンテンツが属する領域を計算する。
【0066】
【表6】

【0067】
【表7】

【0068】
【表8】

【0069】
【表9】

<アクセス前コンテンツが属する領域の計算>
手順1.対象とするランキング上位のコンテンツ(空間X座標x1、空間Y座標y1)から、アクセス前コンテンツ(空間X座標x2、空間Y座標y2)へのベクトルV(vx,vy)を算出する。
【0070】
V(vx,vy)=(x2−x1,y2−y1)
手順2.以下の(i)〜(iv)を評価する。
【0071】
(i)y≦xかつy≧−xであれば領域A
(ii) y≧かつy≧−xであれば領域B
(iii) y≧かつy≦−xであれば領域C
(iv) y≦xかつy≦−xであれば領域D
ここで、ランキング上位にあるコンテンツ「FFFF215」に対する「FFFF834」の位置関係を算出する例を示すと、上記手順1において、
V(vx,vy)=(3.1464-0.0432, 0.0189-0.0092)=(3.1032, 0.0097)
となり、このベクトル値を用いて、上記手順2を評価すると、(i)に該当するため、「FFFF834」は「FFFF215」に対して領域Aに位置することがわかる。同様の手順で「FFFF721」、「FFFF248」の位置関係を算出すると、それぞれ領域B,領域Dに位置していることがわかる。このアクセスランキング上位コンテンツに対するアクセス前コンテンツの位置を算出したら、表10の2次アクセスランキング記憶部9のアクセスランキングリストのようにそれぞれの領域に属するコンテンツ数をカウントする。
【0072】
【表10】

これらの処理を表4の1次アクセスランキングのコンテンツ全てに対して行い、表10のような2次アクセスランキングを作成する。
【0073】
ステップ104)次に、ユーザがランキング情報表示部1にアクセスした際の処理について説明する。
【0074】
コンテンツ情報配信部2から、ランキング情報表示部1へコンテンツアクセスのランキング情報として表10のようなランキング情報を送信する。
【0075】
ここで、与えられている空間の詳細度がX以下の場合には、ステップ105に移行し、Xより大きい場合にはステップ106に移行する。
【0076】
ステップ105) ランキング情報表示部1において、図7のように2次元空間内にズームインした時、ズーム率“12”の場合は、ランキング上位5件に入っているコンテンツIDが「FFFF215」「FFFF560」「FFFF934」「FFFF523」「FFFF871」のコンテンツサムネイルには、図7のような矢印イメージがサムネイルの傍らに表示される。ここで、この矢印イメージは、「FFFF215」「FFFF560」「FFFF934」「FFFF523」「FFFF871」のそれぞれについて、表10に示す2次アクセスランキングリスト内の各領域にアクセス前コンテンツの数が最も多い領域を選択し、選択した領域に対し、表1のような矢印イメージ配置ルールに従って、イメージを配置する。配置した例を図7に示している。
【0077】
ステップ106) さらにズームインしていき、図8のように2次元空間のズーム率が“19”になると、コンテンツIDが「FFFF215」「FFFF523」「FFFF934」のコンテンツは、より多くの矢印イメージが表示され、アクセス前コンテンツの数の多さに応じて矢印イメージの大きさを変える。図8では、コンテンツIDが「FFFF215」「FFFF523」「FFFF934」のコンテンツに、表10の2次アクセスランキング記憶部9のアクセスランキングリストに従って、それぞれ四方に矢印イメージを配置した例を示している。
【0078】
この矢印イメージは、ユーザがアクセスする前にいた場所(サムネイル)からアクセスしたサムネイルへの移動軌跡を表現している。
【0079】
上記の処理の後、ユーザが入力手段からランキング情報表示部1に対して、2次元空間内のコンテンツサムネイルをクリックするなどコンテンツ選択アクションを起こすと、アクセス情報として、コンテンツID、コンテンツアクセス時間、前アクセスコンテンツIDがランキング情報記憶部4に送信され、前コンテンツアクセス記憶部5に選択したコンテンツのコンテンツIDが格納される。
【0080】
その後、ランキング情報記憶部4がコンテンツアクセス記憶部10にアクセス情報として受信したコンテンツID,コンテンツアクセス時間、前アクセスコンテンツIDが記憶される。
【0081】
その後、ランキング情報生成部3がコンテンツアクセス記憶部10にアクセス情報を読み取りにいくことにより、ランキング情報が更新され、コンテンツ情報配信部2へ更新されたランキング情報が送信される。
【0082】
また、上記の一連の動作をプログラムとして構築し、リアルタイムアクセス情報表示装置として利用されるコンピュータにインストールして、CPU等の制御手段に実行させる、または、ネットワークを介して流通させることも可能である。
【0083】
なお、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において種々変更・応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、コンテンツ情報とコンテンツに関する話題の可視化を行なうための技術に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】本発明の原理構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるリアルタイムアクセス情報表示装置の構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態における動作のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例のコンテンツ配置画面の例である。
【図6】本発明の一実施例のランキング情報生成部における領域分割図である。
【図7】本発明の一実施例のズーム率“12”の場合の表示例である。
【図8】本発明の一実施例のズーム率“19”の場合の表示例である。
【符号の説明】
【0086】
1 ランキング情報表示手段、ランキング情報表示部
2 コンテンツ情報配信部
3 アクセスランキング情報生成手段、ランキング情報生成部
4 ランキング情報記憶部
5 前コンテンツアクセス記憶部
6 コンテンツ可視化情報記憶部
7 コンテンツ情報記憶部
8 1次アクセスランキング記憶部
9 2次アクセスランキング記憶部
10 コンテンツアクセス記憶手段、コンテンツアクセス記憶部
12 アクセスランキング記憶手段
20 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツ情報を同時に表示する機能と、さらに、表示しているコンテンツ情報の詳細度に応じて、同時表示できるコンテンツ数の異なるランキング情報を表示する機能を有する装置における、アクセス状況を表示するリアルタイムアクセス情報表示方法において、
記憶手段に蓄積されているコンテンツに対するアクセス情報を読み出して、アクセスランキング情報を生成するための統合アクセスランキング情報生成ルールを適用することにより、アクセスランキング情報を生成してアクセスランキング記憶手段に格納し、
前記アクセスランキング情報に、入力されたコンテンツ情報の詳細度を適用して表示手段に表示する、
ことを特徴とするリアルタイムアクセス情報表示方法。
【請求項2】
前記統合アクセスランキング情報生成ルールを前記アクセス情報に適用することにより、コンテンツ毎のアクセス数の多い順にソートした前記1次アクセスランキング情報を生成して、1次アクセスランキング記憶手段に格納し、
前記統合アクセスランキング情報生成ルールを前記1次アクセスランキング情報に適用することにより、各コンテンツに対し、該コンテンツの中心として複数の領域で空間を区切り、ユーザが該コンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置の領域毎にコンテンツ数をカウントして前記第2のアクセスランキング情報を生成し、2次アクセスランキング記憶手段に格納する請求項1記載のリアルタイムアクセス情報表示方法。
【請求項3】
前記表示手段に表示するコンテンツ情報の詳細度が最大の時に表示するランキング情報量と、詳細度が最小の時に表示するランキング情報量に基づいて、該コンテンツ情報の詳細度の変化に応じて表示するランキング情報を決定する請求項1記載のリアルタイムアクセス情報表示方法。
【請求項4】
前記第2のアクセスランキング情報に基づいて、前記ユーザがコンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置領域から、アクセス数の高いコンテンツへの当該ユーザの移動軌跡を矢印イメージを用いて表示する請求項2または、3記載のリアルタイムアクセス情報表示方法。
【請求項5】
複数のコンテンツ情報を同時に表示する機能と、さらに、表示しているコンテンツ情報の詳細度に応じて、同時表示できるコンテンツ数の異なるランキング情報を表示する機能を有し、アクセス状況を表示するリアルタイムアクセス情報表示装置であって、
コンテンツに対するアクセス情報を蓄積するコンテンツアクセス記憶手段と、
前記コンテンツアクセス記憶手段に蓄積されているコンテンツに対するアクセス情報を読み出して、アクセスランキング情報を生成するための統合アクセスランキング情報生成ルールを適用することにより、アクセスランキング情報を生成してアクセスランキング記憶手段に格納するランキング情報生成手段と、
前記アクセスランキング情報に、入力されたコンテンツ情報の詳細度を適用して表示手段に表示するランキング情報表示手段と、
を有することを特徴とするリアルタイムアクセス情報表示装置。
【請求項6】
前記ランキング情報生成手段は、
前記統合アクセスランキング情報生成ルールを前記アクセス情報に適用することにより、コンテンツ毎のアクセス数の多い順にソートした1次アクセスランキング情報を生成して、前記アクセスランキング記憶手段の1次アクセスランキング記憶手段に格納する手段と、
前記統合アクセスランキング情報生成ルールを前記1次アクセスランキング情報に適用することにより、各コンテンツに対し、該コンテンツの中心として複数の領域で空間を区切り、ユーザがそのコンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置の領域毎にコンテンツ数をカウントして前記第2のアクセスランキング情報を生成して、前記アクセスランキング記憶手段の2次アクセスランキング記憶手段に格納する手段と、を含む請求項5記載のリアルタイムアクセス情報表示方法。
【請求項7】
前記ランキング情報表示手段は、
前記表示手段に表示するコンテンツ情報の詳細度が最大の時に表示するランキング情報量と、詳細度が最小の時に表示するランキング情報量に基づいて、該コンテンツ情報の詳細度の変化に応じて表示するランキング情報を決定する手段を含む請求項5記載のリアルタイムアクセス情報表示装置。
【請求項8】
前記ランキング情報表示手段は、
前記第2のアクセスランキング情報に基づいて、前記ユーザがコンテンツにアクセスする前にアクセスしたコンテンツの位置領域から、アクセス数の高いコンテンツへの当該ユーザの移動軌跡を矢印イメージを用いて表示する手段を含む請求項6または、7記載のリアルタイムアクセス情報表示装置。
【請求項9】
複数のコンテンツ情報を同時に表示する機能と、さらに、表示しているコンテンツ情報の詳細度に応じて、同時表示できるコンテンツ数の異なるランキング情報を表示する機能を有する装置における、アクセス状況を表示するリアルタイムアクセス情報表示プログラムであって、
前記請求項1乃至4記載のリアルタイムアクセス情報表示方法の実現に用いられる処理をコンピュータに実行させることを特徴とするリアルタイムアクセス情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−4278(P2006−4278A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181392(P2004−181392)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】