リオトロピッククロモニック液晶組成物、リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜
リオトロピッククロモニック液晶組成物、リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜に関する。本発明のリオトロピッククロモニック液晶組成物は、酸性/塩基性性質を有するクロモニック液晶化合物及びモノマを含む。リオトロピッククロモニック液晶組成物を光学フィルムの製造に用いることで、機械的強度や絶縁性、屈折率などの電子及び光学的性質が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リオトロピッククロモニック液晶組成物、リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜に関するものであり、更に詳しくは、液晶表示装置(LCD)、有機電界発光装置(OLED)などの画像表示装置に適用される偏光板、カラーフィルタ及び位相差フィルムなどの光学フィルム、又はその他のミクロ電子、光学、通信、コンピュータ技術、バイオセンサなどに適用されるフィルムを製造するに当たって、クロモニック液晶組成物を利用し、高硬度で、液晶間の凝集安定力が向上されたリオトロピッククロモニック液晶組成物と、これを利用して、高硬度で、液晶間の凝集安定力が向上されたリオトロピック液晶コーティング膜を製造するための製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置においては、偏光板(polarizing film)と位相差フィルム(retardation film)を組み合わせた光学フィルムを利用し、多様な偏光特性を誘発するのに使用している。
【0003】
このうち、偏光板は、ヨードを染料として使用したポリビニルアルコール(PVA)を偏光子として使用して延伸したものが一般的に利用されている。これらの膜の内の光学活性は、使用されるPVA−染料で形成される原料の二色性(dichroism)によって決定される。しかし、ヨードは昇華性が高いため、耐熱性又は耐光性などの耐久性が不十分であるという問題点が提起された。
【0004】
これを解決するため、ヨードの代わりにアゾ染料(例えば、ダイレクトブルー又はダイレクトレッド)を二色性染料として適用しているが、このようなアゾ染料は、耐久性を確保することはできるが、ヨード染料に比べ実質的に劣等な二色性を示すことで、光学特性が良好に発現されるには限界があった。
【0005】
同じく、位相差フィルムなどの光学補償フィルムにおいても、特許文献1などでは、変性セルロース系フィルムや、変性ポリカルボネート系フィルムを延伸して形成されるλ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルムなどを組み合わせ、光学補償フィルム或いは位相差フィルムを偏光板に積層して使用する例が提示されているが、前記のように延伸フィルムで形成される位相差フィルム光学軸は、延伸方向によって変更される。
【0006】
即ち、各フィルムを各光学軸の方向によって切り離して積層し、吸収軸と遅延軸が好ましい角度になるようにフィルムを積層しなければならない。更に詳しくは、偏光板の吸収軸が一般的にその延伸方向に対して平行し、位相差フィルムの遅延軸もその延伸方向に対して平行する。従って、偏光板と位相差フィルムを、例えば、吸収軸と遅延軸との間の角度45°で積層するためには、フィルムのうち一つをフィルムの延伸方向に対して45°の方向に切り離さなければならない。このようにフィルムを切り離して接着する場合、例えば、光学軸の間の角度が切り離した全てのフィルムに対して変更されて、全ての製品に対する品質が変更され、製品を製造するのにたくさんのコストと時間が費やされるという問題点が発生する。
【0007】
従って、最近では水溶解性有機染料としての液晶化合物が平面分子構造を有する光学膜物質としてコーティングされた光学フィルムが提示された。
【0008】
代表的に、特許文献2及び特許文献3では、二色性物質で形成された溶液を基材フィルムに塗布し、塗布された表面から溶媒を蒸発させて前記二色性物質をネマチック状に変形させると共に、前記物質の分子を一定方向に配向させて固体化する方法が提示されている。前記二色性ネマチック物質は、水又はアルコール溶解性有機染料で、基材フィルムの表面でネマチック状に変換される。
【0009】
液晶(Liquid Crystal)とは、分子が長い範囲(long−range)で方向的に秩序(orientational order)を有する反面、位置的には秩序度(positional order)が減少されるか(スメチック状での一元的な位置的秩序度)、或いは不在な(ネマチック状)特性を表す物質の常態を示す。
【0010】
このような中間的な秩序度の故、液晶は、位置的、方向的秩序を全て揃った固体結晶(crystalline solid)と、秩序度を有しない等方性流体(isotropic fluid)との間に位置する物質として定義される。固体結晶や等方性流体は、温度を変化させるか、適切な溶媒を添加してその濃度を変化させることで液晶状に変形され得る。前者のように温度変化によって形成される液晶をサーモトロピック液晶(thermotropic liquid crystal)と言い、後者のように濃度によって形成される液晶をリオトリピック液晶(lyotropic liquid crystal)という。
【0011】
サーモトロピック液晶の配向方法は、基材フィルムの特定な方向への処理による液晶化合物の固定に基づいて行われる。このような処理方法は、特許文献4に開示されている。前記特許によると、基材フィルムがポリイミドなどのポリマ層に塗布された後、機械的にラビング(rubbing)する方法によって基材フィルムを処理する。ラビング方向は、サーモトロピック液晶の配向方向を決定する。前記非等方性基材フィルムと液晶配列との間の配向現象を「アンカリング(anchoring)」といい、表面アンカリングによる配向方法は、サーモトロピック液晶を使用したディスプレイ装置に通常的に使用されている。表面は、好ましい配向特性を得るため、ポリマ又は界面活性剤で処理される。
【0012】
リオトロピック液晶の配向は、前記サーモトロピック液晶の配向より難しいところがある。大部分のリオトロピック液晶は、親水性及び疎水性を全て揃えた両親媒性(amphiphilic)の物質で形成されるためである。両親媒性分子は、極性(親水性)の頭と、非極性(疎水性)脂肪族鎖尾を有する。このような両親媒性分子が基材フィルムと接する場合、前記液晶の両親媒性特性によって、一般的に基材フィルムの平面に対して直交方向に配列される。このような直交配向は、結局光軸が基材フィルムと直交するということを意味する。ここで、特定分子の濃度と構造は、液晶の配列秩序を決定するに当たって大きな影響を及ぼす。一般的なリオトロピック液晶は、主に棒(rod)状を有するか、皿(discotic)又は板状(plank−shaped)の分子が積層されて作られた長いカラム(column)の形を有する。
【0013】
リオトロピック液晶の種類のうち有用な物質として多くの関心を浴びているものとして、リオトロピッククロモニック液晶(Lyotropic Chromonic Liquid Crystal、以下「LCLC」と称する)が挙げられる。LCLCは、柔軟で、棒状の脂肪族鎖分子の一端にイオン性作用基を有し、両親媒性物質で形成される一般的なリオトロピック液晶と異なって、硬くて、板状で形成された芳香族分離の周りに親水性又はイオン性作用基を有する構造を有する。
【0014】
前記LCLCは、染料、医薬品、核酸、抗生物質、抗がん剤などに広く使用されている。LCLCの分子構造とマクロ構造は、図1及び図2に示した通りである。即ち、図1に示したように、水溶液上で、親水性基1で形成された頭部分が外部を向かい、疎水性基2で形成された尾部分が互いに固まって(aggregated)ミセル(micellar)構造を有するか、図2に示したように、平面状の芳香族疎水性コア4の周りに親水性基3が付着されて形成される分子が積層された構造を有する。これを自己組立(self−assembly)といい、このような自己組立特性によって安定的な配向特性を有するようになり、各種光学素子に使用される材料として注目を浴びるようになった。
【0015】
ここで、前記芳香族コア4の間におけるπ‐π相互作用によって分子の間の積層構造が形成される。[非特許文献1および2]また、前記分子の周りの親水性イオン作用基によって水溶性を帯びるようになる。
これらのLCLC物質は、液晶表示装置の内部偏光板として使用され得ることが証明されたことで、最近集中的な研究の対象となっている。[非特許文献3]
【0016】
例えば、特許文献5又は特許文献6では、一つ以上のトリアジン基を含有するネマチック特性のクロモニック液晶物質を使用して配向された構造物が開示されており、特許文献7では、クロモリン(C23H14O11Na2)を含むクロモニック物質をガラス基板の上に塗布し、これをラビングして配向させ、乾燥させて溶媒を除去して光学フィルムを得る方法が開示されている。
【0017】
このような方法によって製造された光学フィルムの配向構造は、図3に示した通りである。図3に示したように、配向された光学フィルムは、基材フィルム11上にLCLC13の分子平面がYZ平面上に整列され、LCLC13分子の長軸はY軸方向に整列される構造を有する。しかし、前記配向構造においても、いくつかの分子の分子平面がYZ平面上に完璧に整列されなかったり、LCLC13分子の長軸がY軸方向から外れて整列される恐れを排除することは難しい。
【0018】
このような問題点を解決するために、いくつかの文献では、静電気的積層処理及びせん断力配向技術を組み合わせた配向方法を提示している。[非特許文献4および5;特許文献8]
【0019】
前記方法によって製造された光学フィルムの配向構造は、図4に示した通りである。ガラスまたは雲母(mica)で形成された基材フィルム11の上にポリ正イオン(poly cation)12が塗布され、負イオン性LCLCの一種であるviolet20 13の水溶液がX軸方向の機械的なせん断力(shearing)によって塗布・配向された後、不必要な剰余物質を洗浄・除去して乾燥すると、前記乾燥されたフィルムの上に静電気的に積層されたクロモニック液晶の積層構造が完全に維持される。前記方法を繰り返し、図5に示したように、基材フィルム11にポリ正イオン12及び負イオン性LCLC13が何回も反復されて積層された構造を得ることができる。
【0020】
しかし、前記方法によっても、水溶液又は有機溶媒を含む溶液状に組成されたLCLC組成物を塗布した後、これを乾燥して形成された光学フィルムの場合、液晶分子の自己組立の過程で平面、高さ方向への分離(segregation)現象が発生し、これを乾燥する過程で多量の溶媒が除去されて発生する容積の現象により、残存する液晶組成物に欠陥(crack)が発生しやすく、フィルム自体の硬度と基材フィルムとの結合力が弱いため剥離されやすいという問題点があり、また、液晶染料の分子凝集体間の凝集力が弱く形成され、薄膜の安定性が低く、水溶液環境による湿度によって難しい工程条件を克服しなければらないという問題点が発生する。また、製造された光学フィルムは、水と接触すると配向された状態を失って光学的等方性状態に戻る恐れがある。
従って、液晶染料の分子凝集体間の低い結合強度及び凝集体と基材フィルム間の低い結合強度を考慮し、基材フィルムと液晶染料との間における相互作用の強度を増大させるための手段が必要となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】日本特許第3174367号明細書
【特許文献2】米国特許第2,400,877号明細書
【特許文献3】米国特許第2,544,659号明細書
【特許文献4】米国特許第5,596,434号明細書
【特許文献5】米国特許第5,948,487号明細書
【特許文献6】国際出願PCT/US2000/031181号
【特許文献7】米国特許第6,570,632号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2002/0168511号明細書
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】J.Lydon,Chromonics:Handbook of Liquid Crystals(Wiley−VCH,Weinheim,1998)v.2B,p.981
【非特許文献2】Current Opin.Col.Inter.Sci.3,458(1998)
【非特許文献3】T,Serganなど:Liquid Crystals v.5,pp.567−572(2000)
【非特許文献4】T.Schneider and O.D.Lavrentovich:Langmuir,2000,16,5227
【非特許文献5】T.Schneider,K.Artyushkovaなど:Langmuir,2005,21,2300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は前記問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、クロモニック液晶組成物に使用される水溶液の代わりにモノマを使用し、これを配向させた後、乾燥段階なしにモノマと共に硬化させることで、液晶染料の分子凝集体の間、及び凝集体と基材フィルムとの間における結合強度を高め、表面硬度が高く、乾燥後も亀裂が発生しない光学フィルムが得られるリオトロピッククロモニック液晶組成物、リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニックコーティング膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
1.リオトロピッククロモニック液晶組成物
本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、互いに反対の性質である酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とモノマを含む。即ち、塩基性作用基を有する塩基性クロモニック液晶化合物と酸性作用基を有する酸性モノマと、又は酸性作用基を有する酸性クロモニック液晶化合物と塩基性作用基を有する塩基性モノマと、を含んで形成される。
言い換えると、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、クロモニック液晶化合物の芳香族疎水性コアを囲む塩基性作用基(又は酸性作用基)の正イオン(又は負イオン)と、これに対する相対イオン(counter−ion)としての酸性モノマ(又は塩基性モノマ)の負イオン(又は正イオン)が相互作用し、新たな作用基を有するリオトロピッククロモニック液晶を生成し、前記組成物を硬化させる場合に当たって、前記新たな作用基による重合反応によって、液晶染料における積層構造を形成するそれぞれの分子凝集体の間の結合及び前記分子凝集体と基材フィルムとの間における結合を固くし、これによって形成されたフィルムの優れた機械的、光学的、電気的特性を図ることができる。
【0025】
以下では、本発明の技術的構成を中心に説明する。
(1)塩基性及び酸性クロモニック液晶化合物
クロモニック液晶化合物は、上述したように、硬く(rigid)、板状で形成された芳香族分子(疎水性コア)の周りを親水性作用基が囲む形を有する。
【0026】
ここで、本発明に使用されるそれぞれの「塩基性クロモニック液晶化合物」又は「酸性クロモニック液晶化合物」としては、疎水性コアにそれぞれ塩基性(basic)又は酸性(acidic)を有する親水性作用基が結合されたものを使用するが、前記塩基性を有する親水性作用基(以下、「塩基性作用基」と称する)又は酸性を有する親水性作用基(以下、「酸性作用基」と称する)は、それぞれ後述する酸性モノマ及び塩基性モノマと混合されて反応する場合、前記塩基性作用基は正イオンを帯び、前記酸性作用基は負イオンを帯びるようになり、それぞれ酸性モノマの負イオン又は塩基性モノマの正イオンと結合し、結合されたモノマが組成物の中に存在する追加のモノマと互いに重合反応を起こして、リオトロピック液晶として積層された分子凝集体の間における固い結合を形成するようになる。
【0027】
前記クロモニック液晶化合物は、上述した文献[非特許文献1および2]、[非特許文献3]に開示されたもののうち、塩基性(又は酸性)作用基が芳香族環(疎水性コア)を囲む形を有するものである。
【0028】
ここで、「塩基性作用基」というものは、芳香族環に直接的に接している作用基を指し、塩基性を有する作用基であれば特に限られないが、主にアミン基、イミン基、イミド基、アジド基、硝酸塩基又はアンモニウム基など、酸性モノマとの反応の際、窒素カチオン(N+)が発現される作用基で形成される。
【0029】
前記塩基性作用基は、一般的には上述したようにアミン基、イミン基のような形で存在するか、前記窒素カチオン(N+)と他の負イオンが結合されて塩の形で存在しており、後述する酸性モノマとの反応の際、前記窒素カチオン(N+)が露出され、前記酸性モノマの酸性作用基の負イオンと結合するようになる。
【0030】
このような塩基性クロモニック液晶化合物の具体的な例は、下記化学式I−1乃至化学式I−11に示した通りである。但し、前記塩基性クロモニック液晶化合物は、下記化学式に限られることはない。
<化I−1>
【化1】
<化I−2>
【化2】
<化I−3>
【化3】
<化I−4>
【化4】
<化I−5>
【化5】
<化I−6>
【化6】
<化I−7>
【化7】
<化I−8>
【化8】
<化I−9>
【化9】
<化I−10>
【化10】
<化I−11>
【化11】
【0031】
前記化学式I−1乃至I−11において、Rはアルキル基又は水素原子であり、AはCl、
【化12】
(Meはメチル基を含むアルキル基)又はHCOOのうちいずれか一つであり、Xは水素又はハロゲン原子(Cl、Brなど)である。
【0032】
また、ここで「酸性作用基」というものは、芳香族環に直接的に接している作用基をいい、酸性を有する作用基であれば特に限られないが、主に後述する塩基性モノマと反応の際、カルボキシレートイオン(COO−)が発現されるカルボン酸塩、エステル基、カルボキシ基と、反応の際リン酸イオン(PO3−)が発現されるリン酸塩、ホスフィン基、リン酸基、ホスホン酸基と、反応の際スルフォン酸イオン(SO3−)が発現されるスルフォン酸塩、スルフォン酸基などが挙げられる。
【0033】
前記酸性作用基は、一般的に、上述したようにエステル基、ホスフィン基、スルフォン酸基などの形で存在するか、前記カルボキシレートイオン(COO−)などとH+、NH4+、Li+、Na+、K+、Cs+など、異なる正イオンと結合されて塩の形で存在しており、後述する塩基性モノマとの反応の際、前記負イオンが露出され、前記モノマの酸性作用基の正イオンと結合するようになる。
【0034】
このような酸性クロモニック液晶化合物の具体的な例は、下記化学式II−1乃至化学式II−23に示した通りである。但し、前記酸性クロモニック液晶化合物は、下記化学式に限られることはない。
<化II−1>
【化13】
<化II−2>
【化14】
<化II−3>
【化15】
<化II−4>
【化16】
<化II−5>
【化17】
<化II−6>
【化18】
<化II−7>
【化19】
<化II−8>
【化20】
<化II−9>
【化21】
<化II−10>
【化22】
<化II−11>
【化23】
<化II−12>
【化24】
<化II−13>
【化25】
<化II−14>
【化26】
<化II−15>
【化27】
<化II−16>
【化28】
<化II−17>
【化29】
<化II−18>
【化30】
<化II−19>
【化31】
<化II−20>
【化32】
<化II−21>
【化33】
<化II−22>
【化34】
<化II−23>
【化35】
【0035】
前記化学式II−1乃至化学式II−23において、Rはアルキル基又は水素原子、n=1〜3、Xは水素又はハロゲン原子1〜3個、Meはメチル基を含むアルキル基であり、化学式II−12乃至化学式II−23において、CはH+、NH4+、Li+、Na+、K+などの正イオンである。
【0036】
前記塩基性又は酸性クロモニック液晶化合物は、全体組成物に対して3乃至40重量%、好ましくは5乃至30重量%で含まれる。前記塩基性又は酸性クロモニック液晶化合物の含量範囲は、液晶組成物が固体結晶と等方性流体のと間で液晶の特性を備えて存在するための好ましい範囲である。
【0037】
(2)酸性及び塩基性モノマ
上述したように、クロモニック液晶化合物と水溶液を混合し、前記混合溶液を配向させ、これを乾燥して得られる従来の光学フィルムの場合、水溶液を乾燥させる過程で亀裂か発生しやすく、液晶分子の間における凝集力が弱くなるという問題点があった。
【0038】
従って、本発明では、水溶液の代わりに酸性又は塩基性モノマを使用して、それぞれ酸性モノマの場合には前記塩基性クロモニック液晶化合物の塩基性作用基と、塩基性モノマの場合には前記酸性クロモニック液晶化合物の酸性作用基と強いイオン結合を生成し、前記結合されて生成された液晶分子が積層配向された状態で重合を行うことで、分子の間における強い結合を誘導し、液晶分子間の強い凝集力と高い表面硬度が得られるようにした。
【0039】
但し、本発明において、前記酸性クロモニック液晶化合物及び塩基性モノマを含む組み合わせで組成物を混合する場合、酸性クロモニック液晶化合物のスルフォン基の影響で、水を更に含み、水を媒介に前記液晶化合物とモノマを分散させ、次に水を除去する工程を行うことが更に好ましい。
【0040】
本発明で使用される「酸性モノマ」とは、前記塩基性クロモニック液晶化合物の塩基性作用基に対応する酸性作用基を有するモノマであれば特に限られず、前記塩基性クロモニック液晶化合物との反応の際、カルボキシレートイオン(COO−)が発現されるカルボン酸塩、エステル基、カルボキシル基などを含むアクリレート系のモノマと、反応の際、リン酸イオン(PO3−)が発現されるリン酸塩、ホスフィン基、リン酸基、ホスホン酸基などを含むモノマと、反応の際、スルフォン酸イオン(SO3−)が発現されるスルフォン酸塩、スルフォン酸基などを含むモノマと、が挙げられ、代表的に、(メト)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸又はイタコン酸の金属塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォネート、スルフォプロピルアクリレート又はメタクリレート又はこれらの他の水溶性形態又は他の重合可能なカルボキシル酸又はスルフォン酸、スルフォメチル化されたアクリルアミド、アリルスルフォネート、ナトリウムビニルスルフォネートなどを含み、独自に又はこれらから選択された一つ以上の組み合わせで構成されてもよい。その他、本発明に使用される酸性モノマは、下記化学式III−1乃至化学式III−19のようである。
<化III−1>
【化36】
<化III−2>
【化37】
<化III−3>
【化38】
<化III−4>
【化39】
前記化学式において、n=0〜3である。
<化III−5>
【化40】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級乃至4級のアンモニウム正イオンであり、n=0〜3である。
<化III−6>
【化41】
<化III−7>
【化42】
<化III−8>
【化43】
<化III−9>
【化44】
<化III−10>
【化45】
<化III−11>
【化46】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンであり、n=0〜3である。
<化III−12>
【化47】
<化III−13>
【化48】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンである。
<化III−14>
【化49】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンである。
<化III−15>
【化50】
<化III−16>
【化51】
<化III−17>
【化52】
<化III−18>
【化53】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンである。
<化III−19>
【化54】
【0041】
また、本発明で使用される「塩基性モノマ」とは、前記酸性クロモニック液晶化合物の酸性作用基に対応する塩基性作用基を有するモノマであれば特に限られず、前記塩基性作用基は、酸性クロモニック液晶化合物との反応の際、正イオン、主にアミン基、イミン機、アミド基、アジド基、硝酸塩基又はアンモニウム基などの窒素カチオン(N+)を発現する作用基をいう。代表的な塩基性モノマとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート及びメタクリレートとこれの4級又は酸塩(例えば、DMAEA、MAQ)、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド及びメタクリルアミドとこれの4級又は酸塩、N,N−ジアリルアミンとこれのアンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)、マンニッヒ生成物(Mannich products)などが挙げられるが、これらに限られない。アルキルグループは、一般的にCl−4アルキルである。
【0042】
その他、本発明に使用される塩基性モノマは、下記化学式IV−1乃至化学式IV−18のようである。
<化IV−1>
【化55】
<化IV−2>
【化56】
<化IV−3>
【化57】
<化IV−4>
【化58】
<化IV−5>
【化59】
<化IV−6>
【化60】
<化IV−7>
【化61】
<化IV−8>
【化62】
<化IV−9>
【化63】
<化IV−10>
【化64】
<化IV−11>
【化65】
<化IV−12>
【化66】
<化IV−13>
【化67】
<化IV−14>
【化68】
<化IV−15>
【化69】
<化IV−16>
【化70】
<化IV−17>
【化71】
<化IV−18>
【化72】
【0043】
(3)重合開始剤
本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、前記クロモニック液晶化合物及びモノマと共に、配向後に重合を容易にするための光開始剤、熱開始剤などの重合開始剤を更に含んでもよい。
【0044】
本発明で使用する光開始剤は、紫外線などによって組成物を光重合させる場合に使用され、詳しくは、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルヒネ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンなどのアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエテールなどのベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル亜硫酸、4−ベンゾイル−N、N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロフェニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロライドなどのベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルベンゾイルオキシドなどを独自又は混合して使用してもよい。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどのアミン系化合物を独自又は混合して使用してもよい。
【0045】
また、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物を熱重合する場合、熱開始剤を使用する。熱開始剤としては、ジアシルパーオキシド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキシド類、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、パーオキシエステル類及びパーオキシジカルボネート類などの有機過酸化物ガラスラジカル開始剤を使用してもよい。詳しくは、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロへキサン及びt−ブチルヒドロパーオキシドなどが挙げられる。他に、パーサルフェイト/非パーサルフェイトの組み合わせを使用してもよい。
【0046】
前記重合開始剤の含量は、組成物100重量%において、0.01重量%乃至10重量%が好ましく、更に好ましくは、0.5重量%乃至5重量%である。重合開始剤の含量が0.1重量%より小さければ重合効果を得難く、重合開始剤の含量が10重量%より大きければ重合開始効果に比べ多すぎる重合開始剤が投入されることになり、経済性が落ちる。
【0047】
(4)添加剤及び溶媒
また、本発明に使用されるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、場合によっては添加剤を更に含んでもよく、粘土調節を容易にするために有機溶媒、水などの溶媒を添加してもよい。前記添加剤の例としては、製造された薄膜の物性を調節するため、前記モノマとの共重合を可能にするために添加される非イオン性ビニルモノマ、組成物の平滑性を増大させるためのレべリング剤(leveling agent)、組成物の表面張力を減少させて基材フィルムに対する湿潤性を向上させる湿潤剤(wetting agent)、紫外線安定剤、熱安定剤、導電性海面活性剤、架橋用モノマ、老化防止剤、変性剤又は他の物質が含まれてもよい。前記導電性界面活性剤としては、4級アンモニウムが好ましい。
【0048】
前記非イオン性ビニルモノマは、当分野で広く知られている共重合が可能な非イオン性エチレン系不飽和モノマである。好ましい非イオン性ビニルモノマは、下記化学式V又は化学式VIで示される化合物である。
<化V>
CH2=C(X)Z
<化VI>
CH2=CH−OC(O)R
【0049】
前記化学式V及び化学式VIにおいて、XはH又はメチルであり、Zは−C(O)OR1、−C(O)NH2、−C(O)NHR1、−C(O)N(R1)2、−C6H4R1、−C6H4OR1、−C6H4Cl、−CN、−NHC(O)CH3、−NHC(O)H、N−(2−ピロリドニル)、N−カプロラクタミル、−C(O)NHC(CH3)3、−C(O)NHCH2CH2、−N−エチルウレア、−SiR3、−C(O)O(CH2)xSiR3、−C(O)NH(CH2)xSiR3又は−(CH2)xSiR3であり、Xは1乃至6の整数であり、Rはそれぞれ独立的にC1−C18アルキルであり、R1はそれぞれ独立的にC1−C30アルキル、ヒドロキシ置換されたC2−C30アルキル又はハロゲン置換されたC1−C30アルキルである。
【0050】
適合した水不溶性非イオン性ビニルモノマとしては、C1−C30アルキル(メト)アクリレートと、C1−C30アルキル(メト)アクリルアミドと、スチレンと、置換されたスチレン、例えば、ビニルトルエン(即ち、2−メチルスチレン)、ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、p−クロロスチレンなどと、ビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルカプロレート、ビニルピバレート、ビニルネオデカノエートなどと、不飽和二トリル、例えば、メタクリロ二トリル、アクリロニトリルなどと、及び不飽和シラン、例えば、トリメチルビニルシラン、ジメチルエチルビニルシラン、アリルジメチルフェニルシラン、アリルトリメチルシラン、3−アクリルアミドプロピルトリメチルシラン、3−トリメチルシリルプロピルメタクリレートなどと、が挙げられるが、これらに限られない。
【0051】
適合した水溶性非イオン性ビニルモノマの例としては、C2−C6ヒドロキシアルキル(メト)アクリレートと、グリセロルモノ(メト)アクリレートと、トリス(ヒドロキシメチル)エタンモノ(メト)アクリレートと、ペンタエリスリトールモノ(メト)アクリルアミドと、N−ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミドと、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリルアミドと、3−ヒドロキシプロピル(メト)アクリルアミドと、(メト)アクリルアミドと、N−ビニルカプロラクタムと、N−ビニルピロリドンと、メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア(即ち、CH2=C(CH3)C(O)NHCH2CH2−N−エチレンウレア)、C1−C4アルコキシ置換された(メト)アクリレート及び(メト)アクリルアミド、例えば、メトキシエチル(メト)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メト)アクリレートなどと、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限られない。
【0052】
特に好ましい非イオン性ビニルモノマとしては、アクリル酸とメタクリル酸のC1−C18アルキルエステル、メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
前記架橋用モノマの詳しい例としては、ジアミン系単量体、アクリル系多官能性単量体、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤、シラン系架橋剤、アルデヒド、N−メチロル化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化させることで作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソキサゾール及びジアルデヒドスターチなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上の組み合わせで利用されてもよい。
【0054】
好ましくは、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロルエタントリアクリレート、トリメチロルプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAジエトキシジアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、ジ(メタ)アクリルアミドのような二つ以上のビニル作用基を有する非イオン性ビニルモノマ又は塩基性クロモニック液晶化合物を使用する場合には負イオン性ビニルモノマ、酸性クロモニック液晶化合物を使用する場合には正イオン性ビニルモノマを単独又は混合して使用してもよい。
【0055】
前記老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。前記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコン類やアルコール類が挙げられる。前記界面活性剤は、例えば、光学フィルムの表面を平滑にするために利用され、具体例としては、シリコン系、アクリル系、フッ素系などの界面活性剤が挙げられる。
【0056】
その他、分散剤、終結剤、硬化剤、オゾン化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、粘土改質剤、例えば増粘剤及び充填剤、基板上に沈着された後粒子間の接触の親密度を改善する機能をする凝集剤、及び紫外線、赤外線又は可視光線を吸収する染料及び顔料として機能する特定化合物を追加に含有してもよい。例えば、光学透明性を改善させる添加材として、ジメチルアミノピリジン(DMAP)が挙げられる。また、前記液晶組成物には、通常のフォトレジストの製造の際使用される各種添加剤と架橋用モノマなどが含まれてもよい。
【0057】
溶媒としては、水を使用してもよく、有機溶媒として、アルコール系、アセテート系、エーテル系、グリコール系、ケトン系、及びカルボネート系などの有機溶媒や、ジメチルフォルムアルデヒド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DAMc)などの非陽子性極性有機溶媒のうちいずれか一つを単独に、又は二つ以上混合して使用されてもよく、好ましくはジメチルフォルムアルデヒド又はメタノールを単独又は混合して使用する。
【0058】
このような添加剤及び溶媒の添加量は、塩基性を有するクロモニック液晶組成物の場合、組成物100重量%に対して0.01乃至40重量%添加することが好ましく、更に好ましくは、0.1乃至35重量%を添加する。酸性を有するクロモニック液晶組成物の場合、0.1乃至80重量%を添加することが好ましく、更に好ましくは、40乃至80重量%を添加する。前記範囲で添加剤及び溶媒を添加し、前記クロモニック化合物及びモノマとの組み合わせを介して最も好ましい特性を発現させることができる。
【0059】
2.リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法
次に、前記本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物を利用した、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法について説明する。
【0060】
本発明によるリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法は、上述したリオトロピッククロモニック液晶組成物、即ち、互いに反対の性質である酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とモノマを含み、ここに光開始剤及び熱開始剤のうち少なくとも一つで形成された重合開始剤を更に含んで形成されるリオトロピッククロモニック液晶組成物を基材フィルムの上にコーティングする塗布段階と、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物で形成されたコーティング膜を配向する配向段階と、前記コーティング膜を熱重合又は光重合によって硬化させる硬化段階と、を含んで形成される。
【0061】
非等方性特性を有する薄状の液晶フィルムを製造することは、クロモニック液晶の重要な活用領域としても重要に扱われている分野である。本発明で使用されるクロモニック液晶組成物は、基材フィルムに塗布された後、硬化されて固体状のフィルムで形成されることで、偏光板、光学補償フィルム、位相差フィルム、配向膜、カラーフィルタなどとして有用な特性を有することになる。
本発明によると、好ましくは水溶液に含まれた水を除去するための乾燥段階なしに、組成物に含まれたモノマに対する光重合又は熱重合などの「重合による硬化」として分子単位で強力な凝集安定性を有するため、優れた機械的、光学的、電気的特性を備えた光学素子を得ることができる。以下、本発明の技術的構成を中心に説明する。
【0062】
(1)塗布段階
塗布段階は、互いに反対の性質である酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とイオン性モノマを主原料とし、ここに重合開始剤として、光開始剤及び/又は熱開始剤を更に含む組成物を混合し、これを基材フィルム上に塗布する段階である。
【0063】
ここで、クロモニック液晶化合物の芳香族疎水性コアを囲む塩基性(又は酸性)作用基の正イオン(又は負イオン)と、これに対する相対イオンとしての酸性(又は塩基性)モノマの負イオン(又は正イオン)が相互作用して新たな作用基を有するリオトロピッククロモニック液晶を生成し、前記組成物を硬化させた場合に当たって、前記新たな作用基による重合反応によって液晶染料で積層構造を成すそれぞれの分子凝集体の間における結合及び前記分子凝集体と基材フィルムとの間の結合を固くし、これによって形成されたフィルムの優れた機械的、光学的、電気的特性を図ることができる。
【0064】
また、前記組成物を紫外線などを利用した光重合を利用して硬化させる場合には光開始剤を、熱重合によって硬化させる場合には熱開始剤を添加して組成物を形成してもよい。また、光開始剤と熱開始剤を混合して使用してもよい。
【0065】
前記塗布段階におけるコーティング方式は、スピンコーティング(Spin Coating)、ディップコーティング(Dip Coating)、フローコーティング(Flow Coating)、スプレーコーティング(Spray Coating)、ロールコーティング(Roll Coating)、グラビアコーティング(Gravure Coating)、ミクログラビアコーティング(Micro−Gravure Coating)のうち適合したものを使用してもよい。
【0066】
また、前記基材フィルムとしては、ガラス又は雲母や、トリアセチルセルロース(TAC)のような非等方性フィルムを使用してもよく、疎水性透明樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系重合体、ポリスチレン及びアクリロニトリル−スチレン共重合体などのスチレン系重合体、ポリカルボネート系重合体など、一般的な透光性樹脂を制限なく使用してもよい。
【0067】
(2)配向段階
本発明における前記配向段階は、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物で形成されるコーティング膜を一定の方向に配向又は整列させる段階である。
【0068】
ここで、配向方法としては、強い磁場を利用するか、配向膜を利用するか、せん断力(shear)を利用するなど、公知の多様な方法を使用してもよい。
【0069】
最も基礎的な配向方法として、基材フィルムの表面をラビング処理するか、アゾベンゼンのような光活性基を有するポリマを光配向して配向膜を設ける方法が挙げられる。
【0070】
また、平板N状や、捩れたキラルネマチック(twisted chiral nematic,N*)状で、クロモニック液晶を利用した液晶セルが負の複屈折を有する位相差フィルムとして活用されてもよい。[M.Lavrentovich,T.Sergan and J.Kelly, Liq.Cryst.,2003,30,851]これは、ラビングされたポリイミドを配向膜としてコーティングした二枚のガラス基板を利用して平板状のN状液晶セルを設け、前記組成物を詰める方法に従う。
【0071】
線形偏光でアゾベンゼン作用基を有する非イオン性ポリマコーテリング膜を処理して配向膜を形成した後、その上にクロモニック液晶組成物をコーティングする方法に従ってもよい。
【0072】
せん断力配向方法は、リオトロピック液晶状を帯びる状態で組成物を基材フィルム上にコーティングした後、組成物のコーティング膜の上にせん断力を加えて行われ、クロモニック液晶分子の軸がせん断力を加える方向に垂直に配向されるようにする。
【0073】
(3)硬化段階
液晶分子の配向を行った後、これを光重合及び熱重合方法によって硬化させる。光重合をさせる場合には、前記光開始剤を含有した組成物を塗布及び配光させた後、紫外線照射下で室温又は冷却硬化させてもよく、熱重合による場合には、前記熱開始剤を含有した組成物を塗布及び配光させた後、100℃を超過する高温で10分乃至10時間露出させて組成物を硬化させる方法に従う。前記光重合及び熱重合は、一般的にモノマを重合させて硬化させ得る方法であれば、上述した方法に限らず使用されてもよい。
【0074】
ここで、上述したように、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物が酸性クロモニック液晶化合物と、塩基性モノマ、及び重合開始剤の組み合わせを含む場合には、前記組み合わせに加えて水を含んで形成される組成物を使用することが更に好ましい。例えば、このような場合には、塗布段階で水を媒介にして水溶性を有する前記塩基性モノマに酸性クロモニック液晶化合物を分散させて、前記塗布段階の後、前記水を除去する乾燥段階を更に含むことが好ましい。
【0075】
図6は、本発明の一実施例であり、塩基性を有する下記化学式VII−1のクロモニック液晶化合物(フェリレンジカルボキシイミド、以下図面符号10で表記する)と、酸性モノマとして化学式VII−2のアクリル基(以下、図面符号20で表記する)を有する任意のアクリル酸が混合されて反応し、化学式VII−3の形で結合された分子を含む組成物を使用して重合が行われた後に形成された単位分子凝集体の構造を示した図である。
<化VII−1>
【化73】
<化VII−2>
【化74】
<化VII−3>
【化75】
【0076】
前記塩基性を有するクロモニック液晶化合物10と酸性モノマであるアクリル酸20が混合されて反応すると、酸−塩基反応によって化学式VII−3のように、ディスク形態のクロモニック液晶分子10とアクリル酸20のが、塩の形で結合された状態で過量のアクリル酸20に溶けてリオトロピック液晶状を帯びると共に、クロモニック液晶分子の自己組立(seif−organization)によって積層された状態で形成され、これを熱重合又は光重合すると、図6に示した形で疎水性コア10に結合されたアクリル酸20と疎水性コア10と結合しない外部のアクリル酸20が共に重合され、分子凝集体層の間に強い結合構造20’を形成するようになる。
【0077】
図7は、前記組成物によって形成された偏光フィルムを示した図である。即ち、基材フィルム100の上にクロモニック液晶分子10と重合されたアクリル酸結合構造20’が自己組立されて配向された形を有する。
このように製造された液晶フィルムは、光学フィルムなどとして使用されてもよく、そのうち、最近研究されているミクロパターン偏光素子の製造方法の一実施例に対して簡単に説明する。
【0078】
非等方性芳香族物質のミクロパターンは、クロモニック液晶の自己組立特性を利用して研究されており、これから製造されたミクロパターン偏光素子は、視野角によって画像が変化する光学物質を利用したホログラフィックフィルム、ミクロ電子分野及び立体映像分野に適用される。
【0079】
図8は、前記ミクロパターン変更素子の製造方法の実施例を順次的に示した図である。図8に示したように、ミクロパターン偏光素子の製造方法は、基材フィルム100の上に本発明による光硬化開始剤が含まれた組成物200を、上述したせん断力配光方法によって一定の方向に配光されるようにコーティングし(a)、パターンのあるフォトマスク300を液晶組成物200の上に位置させ(b)、紫外線を照射して液晶組成物200を選択的に硬化させた後(c)、フォトマスク300を除去(d)して行われる。
【0080】
ここで、選択的硬化工程が終わると、露光されて硬化された部分を除いた非露光された部分を選択的に等方性状態に転換させて除去することで、ミクロパターン偏光素子を製造する追加の工程(現像段階)を行ってもよい。即ち、非露光部の選択的等方性状態への転換は、次の方法によって達成できる。非露光部は硬化されていない状態であるため、溶解度のある現像液を利用して選択的に除去するか、熱又は酸性モノマの蒸発による濃度の変化によって再び等方性状態に転換させた後、残膜全体に紫外線照射を行うと、露光部は配向された液晶状に、非露光部は等方性状態になる。
【発明の効果】
【0081】
本発明によると、互いに反対される酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とモノマを含んで形成されるリオトロピッククロモニック液晶組成物を利用し、これを乾燥する方式ではなく熱重合又は光重合による硬化方式に従うことで、機械的強度、絶縁特性及び屈折率などの電気・光学的特性の優れた光学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】LCLCの分子構造とマクロ構造を示した図である。
【図2】LCLCの分子構造とマクロ構造を示した図である。
【図3】従来使用されていたLCLCを利用した光学素子の製造方法によって形成された分子構造及び液晶膜の積層構造を示す図である。
【図4】従来使用されていたLCLCを利用した光学素子の製造方法によって形成された分子構造及び液晶膜の積層構造を示す図である。
【図5】従来使用されていたLCLCを利用した光学素子の製造方法によって形成された分子構造及び液晶膜の積層構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施例によるクロモニック液晶組成物を使用して重合が行われた後に形成された端子分子凝集体の構造を示す図である。
【図7】図6による組成物によって形成された偏光フィルムを示す図である。
【図8】ミクロパターン偏光素子の製造方法の一実施例を順次的に示す図である。
【図9】実験例1によって形成された液晶コーティング膜を光学顕微鏡によって観察した写真である。
【図10】実験例2によって形成された液晶コーティング膜を光学顕微鏡によって観察した写真である。
【図11】実験例によって形成された液晶コーティング層の表面を撮影した写真である。
【図12】比較例によって形成された液晶コーティング層の表面を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
以下では、前記本発明によるリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法に対する実験例を介して、本発明を実験的観点から説明する。
【0084】
<実験例1>
ガラス基板の上に、塩基性クロモニック液晶化合物として前記科学式I−10で表現されるRed2304(Optiva社製造)0.05gと、酸性モノマとして化学式III−3の2−カルボキシエチルアクリレート0.01ml、及び光開始剤(Irgacure907,Ciba社製造)0.0025gを混合し、スピンコーティングによってコーティングした後、前記コーティング膜をゴム板を利用して長さ方向でラビンし、金属ハロゲンランプを利用して20mJ/cm2の光で照射して塗布された液晶コーティング膜を硬化させ、厚さ2μmの液晶コーティング膜を得た。
【0085】
<比較例1>
酸性モノマの代わりに水を混合して水溶液状に組成物を形成したことを除いては、前記実験例1と同じ方法で液晶コーティング膜を形成した。そして、前記実験例と比較例によって形成された液晶コーティング膜をボールペンでこそげてみた。
【0086】
<実験例2>
ガラス基板の上に、酸性クロモニック液晶化合物として前記化学式II−12で表現されるViolet20(Optiva社製造)0.05gと、塩基性モノマとして化学式IV−6のDMAEA0.1ml、水0.5mlを添加して均一混合溶液を製造した後、常温真空下で水分を除去してから、光開始剤(Igracure907,Ciba社製造)0.0025gを混合してスピンコーティングによってコーティングした後、前記コーティング層をロッドを利用して長さ方向にラビングし、金属ハロゲンランプを利用して20mJ/cm2の光で照射して塗布された液晶層を硬化させ、厚さ2μmの液晶層を得た。
【0087】
<比較例2>
塩基性モノマの代わりに水のみを混合して水溶液状に組成物を形成したことを除いては、前記実験例と同じ方法で液晶コーティング層を形成した。
図9及び図10は、それぞれ前記実験例1及び実験例2によって形成された液晶コーティング膜を、それぞれ直交偏光に対して偏光軸をそれぞれ0°、45°、90°に回転させ、前記液晶コーティング膜に直交変更を透過させ、偏光特性をみせるか否かを光学顕微鏡によって観察した写真である。図9及び図10それぞれの左側の写真から、それぞれ偏光軸を0°、45°、90°に回転させた液晶コーティング膜を示した。図9及び図10のように、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物によって形成された液晶コーティング膜は、45°に回転させたとき最も透過率が大きく、0°及び90°では光が殆ど透過されないことが確認できる。これは、コーティング膜の光軸が0°である円偏光フィルムの特性を示し、これで本発明による液晶組成物によるコーティング膜が優秀な偏光特性をみせるということが確認できる。
【0088】
前記実験例1、実験例2及び比較例1、比較例2によって形成された液晶コーティング層に対する評価実験を以下のように行った。
【0089】
(1)塗膜の概観
前記実験例1、2と比較例1、2によって形成された液晶コーティング層を偏光顕微鏡で撮影した。
【0090】
図11及び図12は、それぞれ前記実験例1と比較例1によって形成された液晶コーティング層の表面を撮影した写真である。
【0091】
図11及び図12に示したように、実験例1によって形成された液晶コーティング層は、配光の後表面の亀裂が殆ど発見されていないが、比較例1によって形成された液晶コーティング層は、一部で表面亀裂(黒く割れている部分)が発生していることが確認できる。
【0092】
(2)鉛筆硬度
ASTM D3502の試験方法によって、互いに異なる硬度を有する鉛筆でそれぞれ実験例1、2及び比較例1、2によって形成された液晶コーティング層の硬度を評価し、偏光軸を45°に回転させたそれぞれ実験例1、2及び比較例1、2による液晶コーティング層の表面を偏光顕微鏡で観察した。その結果は、下記表1及び表2に示した通りである。
【表1】
【表2】
【0093】
表1及び表2の表面写真において、鉛筆の跡が黒く表れるのは、鉛筆によって異方性状態が破壊されて等方性状態に展開されたことを意味するので、前記鉛筆の跡が黒く表れる時点の鉛筆強度が偏光板が異方性を失うようになる限界点であると判断できる。
【0094】
前記表1及び表2で示したように、実験例1及び実験例2による液晶コーティング層の表面は、鉛筆芯の硬度がそれぞれ3H及びHB以上で黒く変化し、比較例1及び比較例2による液晶コーティング層の表面は、それぞれ3B及び2B以上で黒く変化することが確認できる。これで、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物によって形成された液晶コーティング層は、その表面硬度が著しく優秀であるということが確認できる。
【0095】
以上、本発明の好ましい実験例及び比較例を参照して詳しく説明した。しかし、本発明の権利の範囲は前記実験例に限られず、添付された特許請求の範囲内で多様な形の実験例として具現されることができる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、該当発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも可能な多様な変形可能範囲もまた、本発明の特許請求の範囲の権利範囲の内にあると考えられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、リオトロピッククロモニック液晶組成物、リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜に関するものであり、更に詳しくは、液晶表示装置(LCD)、有機電界発光装置(OLED)などの画像表示装置に適用される偏光板、カラーフィルタ及び位相差フィルムなどの光学フィルム、又はその他のミクロ電子、光学、通信、コンピュータ技術、バイオセンサなどに適用されるフィルムを製造するに当たって、クロモニック液晶組成物を利用し、高硬度で、液晶間の凝集安定力が向上されたリオトロピッククロモニック液晶組成物と、これを利用して、高硬度で、液晶間の凝集安定力が向上されたリオトロピック液晶コーティング膜を製造するための製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置においては、偏光板(polarizing film)と位相差フィルム(retardation film)を組み合わせた光学フィルムを利用し、多様な偏光特性を誘発するのに使用している。
【0003】
このうち、偏光板は、ヨードを染料として使用したポリビニルアルコール(PVA)を偏光子として使用して延伸したものが一般的に利用されている。これらの膜の内の光学活性は、使用されるPVA−染料で形成される原料の二色性(dichroism)によって決定される。しかし、ヨードは昇華性が高いため、耐熱性又は耐光性などの耐久性が不十分であるという問題点が提起された。
【0004】
これを解決するため、ヨードの代わりにアゾ染料(例えば、ダイレクトブルー又はダイレクトレッド)を二色性染料として適用しているが、このようなアゾ染料は、耐久性を確保することはできるが、ヨード染料に比べ実質的に劣等な二色性を示すことで、光学特性が良好に発現されるには限界があった。
【0005】
同じく、位相差フィルムなどの光学補償フィルムにおいても、特許文献1などでは、変性セルロース系フィルムや、変性ポリカルボネート系フィルムを延伸して形成されるλ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルムなどを組み合わせ、光学補償フィルム或いは位相差フィルムを偏光板に積層して使用する例が提示されているが、前記のように延伸フィルムで形成される位相差フィルム光学軸は、延伸方向によって変更される。
【0006】
即ち、各フィルムを各光学軸の方向によって切り離して積層し、吸収軸と遅延軸が好ましい角度になるようにフィルムを積層しなければならない。更に詳しくは、偏光板の吸収軸が一般的にその延伸方向に対して平行し、位相差フィルムの遅延軸もその延伸方向に対して平行する。従って、偏光板と位相差フィルムを、例えば、吸収軸と遅延軸との間の角度45°で積層するためには、フィルムのうち一つをフィルムの延伸方向に対して45°の方向に切り離さなければならない。このようにフィルムを切り離して接着する場合、例えば、光学軸の間の角度が切り離した全てのフィルムに対して変更されて、全ての製品に対する品質が変更され、製品を製造するのにたくさんのコストと時間が費やされるという問題点が発生する。
【0007】
従って、最近では水溶解性有機染料としての液晶化合物が平面分子構造を有する光学膜物質としてコーティングされた光学フィルムが提示された。
【0008】
代表的に、特許文献2及び特許文献3では、二色性物質で形成された溶液を基材フィルムに塗布し、塗布された表面から溶媒を蒸発させて前記二色性物質をネマチック状に変形させると共に、前記物質の分子を一定方向に配向させて固体化する方法が提示されている。前記二色性ネマチック物質は、水又はアルコール溶解性有機染料で、基材フィルムの表面でネマチック状に変換される。
【0009】
液晶(Liquid Crystal)とは、分子が長い範囲(long−range)で方向的に秩序(orientational order)を有する反面、位置的には秩序度(positional order)が減少されるか(スメチック状での一元的な位置的秩序度)、或いは不在な(ネマチック状)特性を表す物質の常態を示す。
【0010】
このような中間的な秩序度の故、液晶は、位置的、方向的秩序を全て揃った固体結晶(crystalline solid)と、秩序度を有しない等方性流体(isotropic fluid)との間に位置する物質として定義される。固体結晶や等方性流体は、温度を変化させるか、適切な溶媒を添加してその濃度を変化させることで液晶状に変形され得る。前者のように温度変化によって形成される液晶をサーモトロピック液晶(thermotropic liquid crystal)と言い、後者のように濃度によって形成される液晶をリオトリピック液晶(lyotropic liquid crystal)という。
【0011】
サーモトロピック液晶の配向方法は、基材フィルムの特定な方向への処理による液晶化合物の固定に基づいて行われる。このような処理方法は、特許文献4に開示されている。前記特許によると、基材フィルムがポリイミドなどのポリマ層に塗布された後、機械的にラビング(rubbing)する方法によって基材フィルムを処理する。ラビング方向は、サーモトロピック液晶の配向方向を決定する。前記非等方性基材フィルムと液晶配列との間の配向現象を「アンカリング(anchoring)」といい、表面アンカリングによる配向方法は、サーモトロピック液晶を使用したディスプレイ装置に通常的に使用されている。表面は、好ましい配向特性を得るため、ポリマ又は界面活性剤で処理される。
【0012】
リオトロピック液晶の配向は、前記サーモトロピック液晶の配向より難しいところがある。大部分のリオトロピック液晶は、親水性及び疎水性を全て揃えた両親媒性(amphiphilic)の物質で形成されるためである。両親媒性分子は、極性(親水性)の頭と、非極性(疎水性)脂肪族鎖尾を有する。このような両親媒性分子が基材フィルムと接する場合、前記液晶の両親媒性特性によって、一般的に基材フィルムの平面に対して直交方向に配列される。このような直交配向は、結局光軸が基材フィルムと直交するということを意味する。ここで、特定分子の濃度と構造は、液晶の配列秩序を決定するに当たって大きな影響を及ぼす。一般的なリオトロピック液晶は、主に棒(rod)状を有するか、皿(discotic)又は板状(plank−shaped)の分子が積層されて作られた長いカラム(column)の形を有する。
【0013】
リオトロピック液晶の種類のうち有用な物質として多くの関心を浴びているものとして、リオトロピッククロモニック液晶(Lyotropic Chromonic Liquid Crystal、以下「LCLC」と称する)が挙げられる。LCLCは、柔軟で、棒状の脂肪族鎖分子の一端にイオン性作用基を有し、両親媒性物質で形成される一般的なリオトロピック液晶と異なって、硬くて、板状で形成された芳香族分離の周りに親水性又はイオン性作用基を有する構造を有する。
【0014】
前記LCLCは、染料、医薬品、核酸、抗生物質、抗がん剤などに広く使用されている。LCLCの分子構造とマクロ構造は、図1及び図2に示した通りである。即ち、図1に示したように、水溶液上で、親水性基1で形成された頭部分が外部を向かい、疎水性基2で形成された尾部分が互いに固まって(aggregated)ミセル(micellar)構造を有するか、図2に示したように、平面状の芳香族疎水性コア4の周りに親水性基3が付着されて形成される分子が積層された構造を有する。これを自己組立(self−assembly)といい、このような自己組立特性によって安定的な配向特性を有するようになり、各種光学素子に使用される材料として注目を浴びるようになった。
【0015】
ここで、前記芳香族コア4の間におけるπ‐π相互作用によって分子の間の積層構造が形成される。[非特許文献1および2]また、前記分子の周りの親水性イオン作用基によって水溶性を帯びるようになる。
これらのLCLC物質は、液晶表示装置の内部偏光板として使用され得ることが証明されたことで、最近集中的な研究の対象となっている。[非特許文献3]
【0016】
例えば、特許文献5又は特許文献6では、一つ以上のトリアジン基を含有するネマチック特性のクロモニック液晶物質を使用して配向された構造物が開示されており、特許文献7では、クロモリン(C23H14O11Na2)を含むクロモニック物質をガラス基板の上に塗布し、これをラビングして配向させ、乾燥させて溶媒を除去して光学フィルムを得る方法が開示されている。
【0017】
このような方法によって製造された光学フィルムの配向構造は、図3に示した通りである。図3に示したように、配向された光学フィルムは、基材フィルム11上にLCLC13の分子平面がYZ平面上に整列され、LCLC13分子の長軸はY軸方向に整列される構造を有する。しかし、前記配向構造においても、いくつかの分子の分子平面がYZ平面上に完璧に整列されなかったり、LCLC13分子の長軸がY軸方向から外れて整列される恐れを排除することは難しい。
【0018】
このような問題点を解決するために、いくつかの文献では、静電気的積層処理及びせん断力配向技術を組み合わせた配向方法を提示している。[非特許文献4および5;特許文献8]
【0019】
前記方法によって製造された光学フィルムの配向構造は、図4に示した通りである。ガラスまたは雲母(mica)で形成された基材フィルム11の上にポリ正イオン(poly cation)12が塗布され、負イオン性LCLCの一種であるviolet20 13の水溶液がX軸方向の機械的なせん断力(shearing)によって塗布・配向された後、不必要な剰余物質を洗浄・除去して乾燥すると、前記乾燥されたフィルムの上に静電気的に積層されたクロモニック液晶の積層構造が完全に維持される。前記方法を繰り返し、図5に示したように、基材フィルム11にポリ正イオン12及び負イオン性LCLC13が何回も反復されて積層された構造を得ることができる。
【0020】
しかし、前記方法によっても、水溶液又は有機溶媒を含む溶液状に組成されたLCLC組成物を塗布した後、これを乾燥して形成された光学フィルムの場合、液晶分子の自己組立の過程で平面、高さ方向への分離(segregation)現象が発生し、これを乾燥する過程で多量の溶媒が除去されて発生する容積の現象により、残存する液晶組成物に欠陥(crack)が発生しやすく、フィルム自体の硬度と基材フィルムとの結合力が弱いため剥離されやすいという問題点があり、また、液晶染料の分子凝集体間の凝集力が弱く形成され、薄膜の安定性が低く、水溶液環境による湿度によって難しい工程条件を克服しなければらないという問題点が発生する。また、製造された光学フィルムは、水と接触すると配向された状態を失って光学的等方性状態に戻る恐れがある。
従って、液晶染料の分子凝集体間の低い結合強度及び凝集体と基材フィルム間の低い結合強度を考慮し、基材フィルムと液晶染料との間における相互作用の強度を増大させるための手段が必要となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】日本特許第3174367号明細書
【特許文献2】米国特許第2,400,877号明細書
【特許文献3】米国特許第2,544,659号明細書
【特許文献4】米国特許第5,596,434号明細書
【特許文献5】米国特許第5,948,487号明細書
【特許文献6】国際出願PCT/US2000/031181号
【特許文献7】米国特許第6,570,632号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2002/0168511号明細書
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】J.Lydon,Chromonics:Handbook of Liquid Crystals(Wiley−VCH,Weinheim,1998)v.2B,p.981
【非特許文献2】Current Opin.Col.Inter.Sci.3,458(1998)
【非特許文献3】T,Serganなど:Liquid Crystals v.5,pp.567−572(2000)
【非特許文献4】T.Schneider and O.D.Lavrentovich:Langmuir,2000,16,5227
【非特許文献5】T.Schneider,K.Artyushkovaなど:Langmuir,2005,21,2300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は前記問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、クロモニック液晶組成物に使用される水溶液の代わりにモノマを使用し、これを配向させた後、乾燥段階なしにモノマと共に硬化させることで、液晶染料の分子凝集体の間、及び凝集体と基材フィルムとの間における結合強度を高め、表面硬度が高く、乾燥後も亀裂が発生しない光学フィルムが得られるリオトロピッククロモニック液晶組成物、リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法及びそれによって製造されたリオトロピッククロモニックコーティング膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
1.リオトロピッククロモニック液晶組成物
本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、互いに反対の性質である酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とモノマを含む。即ち、塩基性作用基を有する塩基性クロモニック液晶化合物と酸性作用基を有する酸性モノマと、又は酸性作用基を有する酸性クロモニック液晶化合物と塩基性作用基を有する塩基性モノマと、を含んで形成される。
言い換えると、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、クロモニック液晶化合物の芳香族疎水性コアを囲む塩基性作用基(又は酸性作用基)の正イオン(又は負イオン)と、これに対する相対イオン(counter−ion)としての酸性モノマ(又は塩基性モノマ)の負イオン(又は正イオン)が相互作用し、新たな作用基を有するリオトロピッククロモニック液晶を生成し、前記組成物を硬化させる場合に当たって、前記新たな作用基による重合反応によって、液晶染料における積層構造を形成するそれぞれの分子凝集体の間の結合及び前記分子凝集体と基材フィルムとの間における結合を固くし、これによって形成されたフィルムの優れた機械的、光学的、電気的特性を図ることができる。
【0025】
以下では、本発明の技術的構成を中心に説明する。
(1)塩基性及び酸性クロモニック液晶化合物
クロモニック液晶化合物は、上述したように、硬く(rigid)、板状で形成された芳香族分子(疎水性コア)の周りを親水性作用基が囲む形を有する。
【0026】
ここで、本発明に使用されるそれぞれの「塩基性クロモニック液晶化合物」又は「酸性クロモニック液晶化合物」としては、疎水性コアにそれぞれ塩基性(basic)又は酸性(acidic)を有する親水性作用基が結合されたものを使用するが、前記塩基性を有する親水性作用基(以下、「塩基性作用基」と称する)又は酸性を有する親水性作用基(以下、「酸性作用基」と称する)は、それぞれ後述する酸性モノマ及び塩基性モノマと混合されて反応する場合、前記塩基性作用基は正イオンを帯び、前記酸性作用基は負イオンを帯びるようになり、それぞれ酸性モノマの負イオン又は塩基性モノマの正イオンと結合し、結合されたモノマが組成物の中に存在する追加のモノマと互いに重合反応を起こして、リオトロピック液晶として積層された分子凝集体の間における固い結合を形成するようになる。
【0027】
前記クロモニック液晶化合物は、上述した文献[非特許文献1および2]、[非特許文献3]に開示されたもののうち、塩基性(又は酸性)作用基が芳香族環(疎水性コア)を囲む形を有するものである。
【0028】
ここで、「塩基性作用基」というものは、芳香族環に直接的に接している作用基を指し、塩基性を有する作用基であれば特に限られないが、主にアミン基、イミン基、イミド基、アジド基、硝酸塩基又はアンモニウム基など、酸性モノマとの反応の際、窒素カチオン(N+)が発現される作用基で形成される。
【0029】
前記塩基性作用基は、一般的には上述したようにアミン基、イミン基のような形で存在するか、前記窒素カチオン(N+)と他の負イオンが結合されて塩の形で存在しており、後述する酸性モノマとの反応の際、前記窒素カチオン(N+)が露出され、前記酸性モノマの酸性作用基の負イオンと結合するようになる。
【0030】
このような塩基性クロモニック液晶化合物の具体的な例は、下記化学式I−1乃至化学式I−11に示した通りである。但し、前記塩基性クロモニック液晶化合物は、下記化学式に限られることはない。
<化I−1>
【化1】
<化I−2>
【化2】
<化I−3>
【化3】
<化I−4>
【化4】
<化I−5>
【化5】
<化I−6>
【化6】
<化I−7>
【化7】
<化I−8>
【化8】
<化I−9>
【化9】
<化I−10>
【化10】
<化I−11>
【化11】
【0031】
前記化学式I−1乃至I−11において、Rはアルキル基又は水素原子であり、AはCl、
【化12】
(Meはメチル基を含むアルキル基)又はHCOOのうちいずれか一つであり、Xは水素又はハロゲン原子(Cl、Brなど)である。
【0032】
また、ここで「酸性作用基」というものは、芳香族環に直接的に接している作用基をいい、酸性を有する作用基であれば特に限られないが、主に後述する塩基性モノマと反応の際、カルボキシレートイオン(COO−)が発現されるカルボン酸塩、エステル基、カルボキシ基と、反応の際リン酸イオン(PO3−)が発現されるリン酸塩、ホスフィン基、リン酸基、ホスホン酸基と、反応の際スルフォン酸イオン(SO3−)が発現されるスルフォン酸塩、スルフォン酸基などが挙げられる。
【0033】
前記酸性作用基は、一般的に、上述したようにエステル基、ホスフィン基、スルフォン酸基などの形で存在するか、前記カルボキシレートイオン(COO−)などとH+、NH4+、Li+、Na+、K+、Cs+など、異なる正イオンと結合されて塩の形で存在しており、後述する塩基性モノマとの反応の際、前記負イオンが露出され、前記モノマの酸性作用基の正イオンと結合するようになる。
【0034】
このような酸性クロモニック液晶化合物の具体的な例は、下記化学式II−1乃至化学式II−23に示した通りである。但し、前記酸性クロモニック液晶化合物は、下記化学式に限られることはない。
<化II−1>
【化13】
<化II−2>
【化14】
<化II−3>
【化15】
<化II−4>
【化16】
<化II−5>
【化17】
<化II−6>
【化18】
<化II−7>
【化19】
<化II−8>
【化20】
<化II−9>
【化21】
<化II−10>
【化22】
<化II−11>
【化23】
<化II−12>
【化24】
<化II−13>
【化25】
<化II−14>
【化26】
<化II−15>
【化27】
<化II−16>
【化28】
<化II−17>
【化29】
<化II−18>
【化30】
<化II−19>
【化31】
<化II−20>
【化32】
<化II−21>
【化33】
<化II−22>
【化34】
<化II−23>
【化35】
【0035】
前記化学式II−1乃至化学式II−23において、Rはアルキル基又は水素原子、n=1〜3、Xは水素又はハロゲン原子1〜3個、Meはメチル基を含むアルキル基であり、化学式II−12乃至化学式II−23において、CはH+、NH4+、Li+、Na+、K+などの正イオンである。
【0036】
前記塩基性又は酸性クロモニック液晶化合物は、全体組成物に対して3乃至40重量%、好ましくは5乃至30重量%で含まれる。前記塩基性又は酸性クロモニック液晶化合物の含量範囲は、液晶組成物が固体結晶と等方性流体のと間で液晶の特性を備えて存在するための好ましい範囲である。
【0037】
(2)酸性及び塩基性モノマ
上述したように、クロモニック液晶化合物と水溶液を混合し、前記混合溶液を配向させ、これを乾燥して得られる従来の光学フィルムの場合、水溶液を乾燥させる過程で亀裂か発生しやすく、液晶分子の間における凝集力が弱くなるという問題点があった。
【0038】
従って、本発明では、水溶液の代わりに酸性又は塩基性モノマを使用して、それぞれ酸性モノマの場合には前記塩基性クロモニック液晶化合物の塩基性作用基と、塩基性モノマの場合には前記酸性クロモニック液晶化合物の酸性作用基と強いイオン結合を生成し、前記結合されて生成された液晶分子が積層配向された状態で重合を行うことで、分子の間における強い結合を誘導し、液晶分子間の強い凝集力と高い表面硬度が得られるようにした。
【0039】
但し、本発明において、前記酸性クロモニック液晶化合物及び塩基性モノマを含む組み合わせで組成物を混合する場合、酸性クロモニック液晶化合物のスルフォン基の影響で、水を更に含み、水を媒介に前記液晶化合物とモノマを分散させ、次に水を除去する工程を行うことが更に好ましい。
【0040】
本発明で使用される「酸性モノマ」とは、前記塩基性クロモニック液晶化合物の塩基性作用基に対応する酸性作用基を有するモノマであれば特に限られず、前記塩基性クロモニック液晶化合物との反応の際、カルボキシレートイオン(COO−)が発現されるカルボン酸塩、エステル基、カルボキシル基などを含むアクリレート系のモノマと、反応の際、リン酸イオン(PO3−)が発現されるリン酸塩、ホスフィン基、リン酸基、ホスホン酸基などを含むモノマと、反応の際、スルフォン酸イオン(SO3−)が発現されるスルフォン酸塩、スルフォン酸基などを含むモノマと、が挙げられ、代表的に、(メト)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸又はイタコン酸の金属塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォネート、スルフォプロピルアクリレート又はメタクリレート又はこれらの他の水溶性形態又は他の重合可能なカルボキシル酸又はスルフォン酸、スルフォメチル化されたアクリルアミド、アリルスルフォネート、ナトリウムビニルスルフォネートなどを含み、独自に又はこれらから選択された一つ以上の組み合わせで構成されてもよい。その他、本発明に使用される酸性モノマは、下記化学式III−1乃至化学式III−19のようである。
<化III−1>
【化36】
<化III−2>
【化37】
<化III−3>
【化38】
<化III−4>
【化39】
前記化学式において、n=0〜3である。
<化III−5>
【化40】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級乃至4級のアンモニウム正イオンであり、n=0〜3である。
<化III−6>
【化41】
<化III−7>
【化42】
<化III−8>
【化43】
<化III−9>
【化44】
<化III−10>
【化45】
<化III−11>
【化46】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンであり、n=0〜3である。
<化III−12>
【化47】
<化III−13>
【化48】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンである。
<化III−14>
【化49】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンである。
<化III−15>
【化50】
<化III−16>
【化51】
<化III−17>
【化52】
<化III−18>
【化53】
前記化学式において、Aは水素、アルカリ金属の正イオン又は1級ないし4級のアンモニウム正イオンである。
<化III−19>
【化54】
【0041】
また、本発明で使用される「塩基性モノマ」とは、前記酸性クロモニック液晶化合物の酸性作用基に対応する塩基性作用基を有するモノマであれば特に限られず、前記塩基性作用基は、酸性クロモニック液晶化合物との反応の際、正イオン、主にアミン基、イミン機、アミド基、アジド基、硝酸塩基又はアンモニウム基などの窒素カチオン(N+)を発現する作用基をいう。代表的な塩基性モノマとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート及びメタクリレートとこれの4級又は酸塩(例えば、DMAEA、MAQ)、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド及びメタクリルアミドとこれの4級又は酸塩、N,N−ジアリルアミンとこれのアンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)、マンニッヒ生成物(Mannich products)などが挙げられるが、これらに限られない。アルキルグループは、一般的にCl−4アルキルである。
【0042】
その他、本発明に使用される塩基性モノマは、下記化学式IV−1乃至化学式IV−18のようである。
<化IV−1>
【化55】
<化IV−2>
【化56】
<化IV−3>
【化57】
<化IV−4>
【化58】
<化IV−5>
【化59】
<化IV−6>
【化60】
<化IV−7>
【化61】
<化IV−8>
【化62】
<化IV−9>
【化63】
<化IV−10>
【化64】
<化IV−11>
【化65】
<化IV−12>
【化66】
<化IV−13>
【化67】
<化IV−14>
【化68】
<化IV−15>
【化69】
<化IV−16>
【化70】
<化IV−17>
【化71】
<化IV−18>
【化72】
【0043】
(3)重合開始剤
本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、前記クロモニック液晶化合物及びモノマと共に、配向後に重合を容易にするための光開始剤、熱開始剤などの重合開始剤を更に含んでもよい。
【0044】
本発明で使用する光開始剤は、紫外線などによって組成物を光重合させる場合に使用され、詳しくは、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルヒネ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンなどのアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエテールなどのベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル亜硫酸、4−ベンゾイル−N、N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロフェニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロライドなどのベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルベンゾイルオキシドなどを独自又は混合して使用してもよい。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどのアミン系化合物を独自又は混合して使用してもよい。
【0045】
また、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物を熱重合する場合、熱開始剤を使用する。熱開始剤としては、ジアシルパーオキシド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキシド類、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、パーオキシエステル類及びパーオキシジカルボネート類などの有機過酸化物ガラスラジカル開始剤を使用してもよい。詳しくは、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロへキサン及びt−ブチルヒドロパーオキシドなどが挙げられる。他に、パーサルフェイト/非パーサルフェイトの組み合わせを使用してもよい。
【0046】
前記重合開始剤の含量は、組成物100重量%において、0.01重量%乃至10重量%が好ましく、更に好ましくは、0.5重量%乃至5重量%である。重合開始剤の含量が0.1重量%より小さければ重合効果を得難く、重合開始剤の含量が10重量%より大きければ重合開始効果に比べ多すぎる重合開始剤が投入されることになり、経済性が落ちる。
【0047】
(4)添加剤及び溶媒
また、本発明に使用されるリオトロピッククロモニック液晶組成物は、場合によっては添加剤を更に含んでもよく、粘土調節を容易にするために有機溶媒、水などの溶媒を添加してもよい。前記添加剤の例としては、製造された薄膜の物性を調節するため、前記モノマとの共重合を可能にするために添加される非イオン性ビニルモノマ、組成物の平滑性を増大させるためのレべリング剤(leveling agent)、組成物の表面張力を減少させて基材フィルムに対する湿潤性を向上させる湿潤剤(wetting agent)、紫外線安定剤、熱安定剤、導電性海面活性剤、架橋用モノマ、老化防止剤、変性剤又は他の物質が含まれてもよい。前記導電性界面活性剤としては、4級アンモニウムが好ましい。
【0048】
前記非イオン性ビニルモノマは、当分野で広く知られている共重合が可能な非イオン性エチレン系不飽和モノマである。好ましい非イオン性ビニルモノマは、下記化学式V又は化学式VIで示される化合物である。
<化V>
CH2=C(X)Z
<化VI>
CH2=CH−OC(O)R
【0049】
前記化学式V及び化学式VIにおいて、XはH又はメチルであり、Zは−C(O)OR1、−C(O)NH2、−C(O)NHR1、−C(O)N(R1)2、−C6H4R1、−C6H4OR1、−C6H4Cl、−CN、−NHC(O)CH3、−NHC(O)H、N−(2−ピロリドニル)、N−カプロラクタミル、−C(O)NHC(CH3)3、−C(O)NHCH2CH2、−N−エチルウレア、−SiR3、−C(O)O(CH2)xSiR3、−C(O)NH(CH2)xSiR3又は−(CH2)xSiR3であり、Xは1乃至6の整数であり、Rはそれぞれ独立的にC1−C18アルキルであり、R1はそれぞれ独立的にC1−C30アルキル、ヒドロキシ置換されたC2−C30アルキル又はハロゲン置換されたC1−C30アルキルである。
【0050】
適合した水不溶性非イオン性ビニルモノマとしては、C1−C30アルキル(メト)アクリレートと、C1−C30アルキル(メト)アクリルアミドと、スチレンと、置換されたスチレン、例えば、ビニルトルエン(即ち、2−メチルスチレン)、ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、p−クロロスチレンなどと、ビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルカプロレート、ビニルピバレート、ビニルネオデカノエートなどと、不飽和二トリル、例えば、メタクリロ二トリル、アクリロニトリルなどと、及び不飽和シラン、例えば、トリメチルビニルシラン、ジメチルエチルビニルシラン、アリルジメチルフェニルシラン、アリルトリメチルシラン、3−アクリルアミドプロピルトリメチルシラン、3−トリメチルシリルプロピルメタクリレートなどと、が挙げられるが、これらに限られない。
【0051】
適合した水溶性非イオン性ビニルモノマの例としては、C2−C6ヒドロキシアルキル(メト)アクリレートと、グリセロルモノ(メト)アクリレートと、トリス(ヒドロキシメチル)エタンモノ(メト)アクリレートと、ペンタエリスリトールモノ(メト)アクリルアミドと、N−ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミドと、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリルアミドと、3−ヒドロキシプロピル(メト)アクリルアミドと、(メト)アクリルアミドと、N−ビニルカプロラクタムと、N−ビニルピロリドンと、メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア(即ち、CH2=C(CH3)C(O)NHCH2CH2−N−エチレンウレア)、C1−C4アルコキシ置換された(メト)アクリレート及び(メト)アクリルアミド、例えば、メトキシエチル(メト)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メト)アクリレートなどと、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限られない。
【0052】
特に好ましい非イオン性ビニルモノマとしては、アクリル酸とメタクリル酸のC1−C18アルキルエステル、メタクリルアミドエチル−N−エチレンウレア及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
前記架橋用モノマの詳しい例としては、ジアミン系単量体、アクリル系多官能性単量体、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤、シラン系架橋剤、アルデヒド、N−メチロル化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化させることで作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソキサゾール及びジアルデヒドスターチなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上の組み合わせで利用されてもよい。
【0054】
好ましくは、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロルエタントリアクリレート、トリメチロルプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAジエトキシジアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、ジ(メタ)アクリルアミドのような二つ以上のビニル作用基を有する非イオン性ビニルモノマ又は塩基性クロモニック液晶化合物を使用する場合には負イオン性ビニルモノマ、酸性クロモニック液晶化合物を使用する場合には正イオン性ビニルモノマを単独又は混合して使用してもよい。
【0055】
前記老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。前記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコン類やアルコール類が挙げられる。前記界面活性剤は、例えば、光学フィルムの表面を平滑にするために利用され、具体例としては、シリコン系、アクリル系、フッ素系などの界面活性剤が挙げられる。
【0056】
その他、分散剤、終結剤、硬化剤、オゾン化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、粘土改質剤、例えば増粘剤及び充填剤、基板上に沈着された後粒子間の接触の親密度を改善する機能をする凝集剤、及び紫外線、赤外線又は可視光線を吸収する染料及び顔料として機能する特定化合物を追加に含有してもよい。例えば、光学透明性を改善させる添加材として、ジメチルアミノピリジン(DMAP)が挙げられる。また、前記液晶組成物には、通常のフォトレジストの製造の際使用される各種添加剤と架橋用モノマなどが含まれてもよい。
【0057】
溶媒としては、水を使用してもよく、有機溶媒として、アルコール系、アセテート系、エーテル系、グリコール系、ケトン系、及びカルボネート系などの有機溶媒や、ジメチルフォルムアルデヒド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DAMc)などの非陽子性極性有機溶媒のうちいずれか一つを単独に、又は二つ以上混合して使用されてもよく、好ましくはジメチルフォルムアルデヒド又はメタノールを単独又は混合して使用する。
【0058】
このような添加剤及び溶媒の添加量は、塩基性を有するクロモニック液晶組成物の場合、組成物100重量%に対して0.01乃至40重量%添加することが好ましく、更に好ましくは、0.1乃至35重量%を添加する。酸性を有するクロモニック液晶組成物の場合、0.1乃至80重量%を添加することが好ましく、更に好ましくは、40乃至80重量%を添加する。前記範囲で添加剤及び溶媒を添加し、前記クロモニック化合物及びモノマとの組み合わせを介して最も好ましい特性を発現させることができる。
【0059】
2.リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法
次に、前記本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物を利用した、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法について説明する。
【0060】
本発明によるリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法は、上述したリオトロピッククロモニック液晶組成物、即ち、互いに反対の性質である酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とモノマを含み、ここに光開始剤及び熱開始剤のうち少なくとも一つで形成された重合開始剤を更に含んで形成されるリオトロピッククロモニック液晶組成物を基材フィルムの上にコーティングする塗布段階と、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物で形成されたコーティング膜を配向する配向段階と、前記コーティング膜を熱重合又は光重合によって硬化させる硬化段階と、を含んで形成される。
【0061】
非等方性特性を有する薄状の液晶フィルムを製造することは、クロモニック液晶の重要な活用領域としても重要に扱われている分野である。本発明で使用されるクロモニック液晶組成物は、基材フィルムに塗布された後、硬化されて固体状のフィルムで形成されることで、偏光板、光学補償フィルム、位相差フィルム、配向膜、カラーフィルタなどとして有用な特性を有することになる。
本発明によると、好ましくは水溶液に含まれた水を除去するための乾燥段階なしに、組成物に含まれたモノマに対する光重合又は熱重合などの「重合による硬化」として分子単位で強力な凝集安定性を有するため、優れた機械的、光学的、電気的特性を備えた光学素子を得ることができる。以下、本発明の技術的構成を中心に説明する。
【0062】
(1)塗布段階
塗布段階は、互いに反対の性質である酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とイオン性モノマを主原料とし、ここに重合開始剤として、光開始剤及び/又は熱開始剤を更に含む組成物を混合し、これを基材フィルム上に塗布する段階である。
【0063】
ここで、クロモニック液晶化合物の芳香族疎水性コアを囲む塩基性(又は酸性)作用基の正イオン(又は負イオン)と、これに対する相対イオンとしての酸性(又は塩基性)モノマの負イオン(又は正イオン)が相互作用して新たな作用基を有するリオトロピッククロモニック液晶を生成し、前記組成物を硬化させた場合に当たって、前記新たな作用基による重合反応によって液晶染料で積層構造を成すそれぞれの分子凝集体の間における結合及び前記分子凝集体と基材フィルムとの間の結合を固くし、これによって形成されたフィルムの優れた機械的、光学的、電気的特性を図ることができる。
【0064】
また、前記組成物を紫外線などを利用した光重合を利用して硬化させる場合には光開始剤を、熱重合によって硬化させる場合には熱開始剤を添加して組成物を形成してもよい。また、光開始剤と熱開始剤を混合して使用してもよい。
【0065】
前記塗布段階におけるコーティング方式は、スピンコーティング(Spin Coating)、ディップコーティング(Dip Coating)、フローコーティング(Flow Coating)、スプレーコーティング(Spray Coating)、ロールコーティング(Roll Coating)、グラビアコーティング(Gravure Coating)、ミクログラビアコーティング(Micro−Gravure Coating)のうち適合したものを使用してもよい。
【0066】
また、前記基材フィルムとしては、ガラス又は雲母や、トリアセチルセルロース(TAC)のような非等方性フィルムを使用してもよく、疎水性透明樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系重合体、ポリスチレン及びアクリロニトリル−スチレン共重合体などのスチレン系重合体、ポリカルボネート系重合体など、一般的な透光性樹脂を制限なく使用してもよい。
【0067】
(2)配向段階
本発明における前記配向段階は、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物で形成されるコーティング膜を一定の方向に配向又は整列させる段階である。
【0068】
ここで、配向方法としては、強い磁場を利用するか、配向膜を利用するか、せん断力(shear)を利用するなど、公知の多様な方法を使用してもよい。
【0069】
最も基礎的な配向方法として、基材フィルムの表面をラビング処理するか、アゾベンゼンのような光活性基を有するポリマを光配向して配向膜を設ける方法が挙げられる。
【0070】
また、平板N状や、捩れたキラルネマチック(twisted chiral nematic,N*)状で、クロモニック液晶を利用した液晶セルが負の複屈折を有する位相差フィルムとして活用されてもよい。[M.Lavrentovich,T.Sergan and J.Kelly, Liq.Cryst.,2003,30,851]これは、ラビングされたポリイミドを配向膜としてコーティングした二枚のガラス基板を利用して平板状のN状液晶セルを設け、前記組成物を詰める方法に従う。
【0071】
線形偏光でアゾベンゼン作用基を有する非イオン性ポリマコーテリング膜を処理して配向膜を形成した後、その上にクロモニック液晶組成物をコーティングする方法に従ってもよい。
【0072】
せん断力配向方法は、リオトロピック液晶状を帯びる状態で組成物を基材フィルム上にコーティングした後、組成物のコーティング膜の上にせん断力を加えて行われ、クロモニック液晶分子の軸がせん断力を加える方向に垂直に配向されるようにする。
【0073】
(3)硬化段階
液晶分子の配向を行った後、これを光重合及び熱重合方法によって硬化させる。光重合をさせる場合には、前記光開始剤を含有した組成物を塗布及び配光させた後、紫外線照射下で室温又は冷却硬化させてもよく、熱重合による場合には、前記熱開始剤を含有した組成物を塗布及び配光させた後、100℃を超過する高温で10分乃至10時間露出させて組成物を硬化させる方法に従う。前記光重合及び熱重合は、一般的にモノマを重合させて硬化させ得る方法であれば、上述した方法に限らず使用されてもよい。
【0074】
ここで、上述したように、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物が酸性クロモニック液晶化合物と、塩基性モノマ、及び重合開始剤の組み合わせを含む場合には、前記組み合わせに加えて水を含んで形成される組成物を使用することが更に好ましい。例えば、このような場合には、塗布段階で水を媒介にして水溶性を有する前記塩基性モノマに酸性クロモニック液晶化合物を分散させて、前記塗布段階の後、前記水を除去する乾燥段階を更に含むことが好ましい。
【0075】
図6は、本発明の一実施例であり、塩基性を有する下記化学式VII−1のクロモニック液晶化合物(フェリレンジカルボキシイミド、以下図面符号10で表記する)と、酸性モノマとして化学式VII−2のアクリル基(以下、図面符号20で表記する)を有する任意のアクリル酸が混合されて反応し、化学式VII−3の形で結合された分子を含む組成物を使用して重合が行われた後に形成された単位分子凝集体の構造を示した図である。
<化VII−1>
【化73】
<化VII−2>
【化74】
<化VII−3>
【化75】
【0076】
前記塩基性を有するクロモニック液晶化合物10と酸性モノマであるアクリル酸20が混合されて反応すると、酸−塩基反応によって化学式VII−3のように、ディスク形態のクロモニック液晶分子10とアクリル酸20のが、塩の形で結合された状態で過量のアクリル酸20に溶けてリオトロピック液晶状を帯びると共に、クロモニック液晶分子の自己組立(seif−organization)によって積層された状態で形成され、これを熱重合又は光重合すると、図6に示した形で疎水性コア10に結合されたアクリル酸20と疎水性コア10と結合しない外部のアクリル酸20が共に重合され、分子凝集体層の間に強い結合構造20’を形成するようになる。
【0077】
図7は、前記組成物によって形成された偏光フィルムを示した図である。即ち、基材フィルム100の上にクロモニック液晶分子10と重合されたアクリル酸結合構造20’が自己組立されて配向された形を有する。
このように製造された液晶フィルムは、光学フィルムなどとして使用されてもよく、そのうち、最近研究されているミクロパターン偏光素子の製造方法の一実施例に対して簡単に説明する。
【0078】
非等方性芳香族物質のミクロパターンは、クロモニック液晶の自己組立特性を利用して研究されており、これから製造されたミクロパターン偏光素子は、視野角によって画像が変化する光学物質を利用したホログラフィックフィルム、ミクロ電子分野及び立体映像分野に適用される。
【0079】
図8は、前記ミクロパターン変更素子の製造方法の実施例を順次的に示した図である。図8に示したように、ミクロパターン偏光素子の製造方法は、基材フィルム100の上に本発明による光硬化開始剤が含まれた組成物200を、上述したせん断力配光方法によって一定の方向に配光されるようにコーティングし(a)、パターンのあるフォトマスク300を液晶組成物200の上に位置させ(b)、紫外線を照射して液晶組成物200を選択的に硬化させた後(c)、フォトマスク300を除去(d)して行われる。
【0080】
ここで、選択的硬化工程が終わると、露光されて硬化された部分を除いた非露光された部分を選択的に等方性状態に転換させて除去することで、ミクロパターン偏光素子を製造する追加の工程(現像段階)を行ってもよい。即ち、非露光部の選択的等方性状態への転換は、次の方法によって達成できる。非露光部は硬化されていない状態であるため、溶解度のある現像液を利用して選択的に除去するか、熱又は酸性モノマの蒸発による濃度の変化によって再び等方性状態に転換させた後、残膜全体に紫外線照射を行うと、露光部は配向された液晶状に、非露光部は等方性状態になる。
【発明の効果】
【0081】
本発明によると、互いに反対される酸−塩基特性を有するそれぞれのクロモニック液晶化合物とモノマを含んで形成されるリオトロピッククロモニック液晶組成物を利用し、これを乾燥する方式ではなく熱重合又は光重合による硬化方式に従うことで、機械的強度、絶縁特性及び屈折率などの電気・光学的特性の優れた光学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】LCLCの分子構造とマクロ構造を示した図である。
【図2】LCLCの分子構造とマクロ構造を示した図である。
【図3】従来使用されていたLCLCを利用した光学素子の製造方法によって形成された分子構造及び液晶膜の積層構造を示す図である。
【図4】従来使用されていたLCLCを利用した光学素子の製造方法によって形成された分子構造及び液晶膜の積層構造を示す図である。
【図5】従来使用されていたLCLCを利用した光学素子の製造方法によって形成された分子構造及び液晶膜の積層構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施例によるクロモニック液晶組成物を使用して重合が行われた後に形成された端子分子凝集体の構造を示す図である。
【図7】図6による組成物によって形成された偏光フィルムを示す図である。
【図8】ミクロパターン偏光素子の製造方法の一実施例を順次的に示す図である。
【図9】実験例1によって形成された液晶コーティング膜を光学顕微鏡によって観察した写真である。
【図10】実験例2によって形成された液晶コーティング膜を光学顕微鏡によって観察した写真である。
【図11】実験例によって形成された液晶コーティング層の表面を撮影した写真である。
【図12】比較例によって形成された液晶コーティング層の表面を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
以下では、前記本発明によるリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法に対する実験例を介して、本発明を実験的観点から説明する。
【0084】
<実験例1>
ガラス基板の上に、塩基性クロモニック液晶化合物として前記科学式I−10で表現されるRed2304(Optiva社製造)0.05gと、酸性モノマとして化学式III−3の2−カルボキシエチルアクリレート0.01ml、及び光開始剤(Irgacure907,Ciba社製造)0.0025gを混合し、スピンコーティングによってコーティングした後、前記コーティング膜をゴム板を利用して長さ方向でラビンし、金属ハロゲンランプを利用して20mJ/cm2の光で照射して塗布された液晶コーティング膜を硬化させ、厚さ2μmの液晶コーティング膜を得た。
【0085】
<比較例1>
酸性モノマの代わりに水を混合して水溶液状に組成物を形成したことを除いては、前記実験例1と同じ方法で液晶コーティング膜を形成した。そして、前記実験例と比較例によって形成された液晶コーティング膜をボールペンでこそげてみた。
【0086】
<実験例2>
ガラス基板の上に、酸性クロモニック液晶化合物として前記化学式II−12で表現されるViolet20(Optiva社製造)0.05gと、塩基性モノマとして化学式IV−6のDMAEA0.1ml、水0.5mlを添加して均一混合溶液を製造した後、常温真空下で水分を除去してから、光開始剤(Igracure907,Ciba社製造)0.0025gを混合してスピンコーティングによってコーティングした後、前記コーティング層をロッドを利用して長さ方向にラビングし、金属ハロゲンランプを利用して20mJ/cm2の光で照射して塗布された液晶層を硬化させ、厚さ2μmの液晶層を得た。
【0087】
<比較例2>
塩基性モノマの代わりに水のみを混合して水溶液状に組成物を形成したことを除いては、前記実験例と同じ方法で液晶コーティング層を形成した。
図9及び図10は、それぞれ前記実験例1及び実験例2によって形成された液晶コーティング膜を、それぞれ直交偏光に対して偏光軸をそれぞれ0°、45°、90°に回転させ、前記液晶コーティング膜に直交変更を透過させ、偏光特性をみせるか否かを光学顕微鏡によって観察した写真である。図9及び図10それぞれの左側の写真から、それぞれ偏光軸を0°、45°、90°に回転させた液晶コーティング膜を示した。図9及び図10のように、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物によって形成された液晶コーティング膜は、45°に回転させたとき最も透過率が大きく、0°及び90°では光が殆ど透過されないことが確認できる。これは、コーティング膜の光軸が0°である円偏光フィルムの特性を示し、これで本発明による液晶組成物によるコーティング膜が優秀な偏光特性をみせるということが確認できる。
【0088】
前記実験例1、実験例2及び比較例1、比較例2によって形成された液晶コーティング層に対する評価実験を以下のように行った。
【0089】
(1)塗膜の概観
前記実験例1、2と比較例1、2によって形成された液晶コーティング層を偏光顕微鏡で撮影した。
【0090】
図11及び図12は、それぞれ前記実験例1と比較例1によって形成された液晶コーティング層の表面を撮影した写真である。
【0091】
図11及び図12に示したように、実験例1によって形成された液晶コーティング層は、配光の後表面の亀裂が殆ど発見されていないが、比較例1によって形成された液晶コーティング層は、一部で表面亀裂(黒く割れている部分)が発生していることが確認できる。
【0092】
(2)鉛筆硬度
ASTM D3502の試験方法によって、互いに異なる硬度を有する鉛筆でそれぞれ実験例1、2及び比較例1、2によって形成された液晶コーティング層の硬度を評価し、偏光軸を45°に回転させたそれぞれ実験例1、2及び比較例1、2による液晶コーティング層の表面を偏光顕微鏡で観察した。その結果は、下記表1及び表2に示した通りである。
【表1】
【表2】
【0093】
表1及び表2の表面写真において、鉛筆の跡が黒く表れるのは、鉛筆によって異方性状態が破壊されて等方性状態に展開されたことを意味するので、前記鉛筆の跡が黒く表れる時点の鉛筆強度が偏光板が異方性を失うようになる限界点であると判断できる。
【0094】
前記表1及び表2で示したように、実験例1及び実験例2による液晶コーティング層の表面は、鉛筆芯の硬度がそれぞれ3H及びHB以上で黒く変化し、比較例1及び比較例2による液晶コーティング層の表面は、それぞれ3B及び2B以上で黒く変化することが確認できる。これで、本発明によるリオトロピッククロモニック液晶組成物によって形成された液晶コーティング層は、その表面硬度が著しく優秀であるということが確認できる。
【0095】
以上、本発明の好ましい実験例及び比較例を参照して詳しく説明した。しかし、本発明の権利の範囲は前記実験例に限られず、添付された特許請求の範囲内で多様な形の実験例として具現されることができる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、該当発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも可能な多様な変形可能範囲もまた、本発明の特許請求の範囲の権利範囲の内にあると考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基性作用基を有する塩基性クロモニック液晶化合物と酸性作用基を有する酸性モノマと、又は酸性作用基を有する酸性クロモニック液晶化合物と塩基性作用基を有する塩基性モノマと、を含んで形成されるリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項2】
前記塩基性クロモニック液晶化合物が、芳香族分子で形成された疎水性コアの周りを塩基性作用基が囲む形で形成され、前記酸性クロモニック液晶化合物が、芳香族分子で形成された疎水性コアの周りを酸性作用基が囲む形で形成されることを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項3】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物の100重量%において、前記塩基性クロモニック液晶化合物又は前記酸性クロモニック液晶化合物が、3乃至40重量%であることを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項4】
前記塩基性クロモニック液晶化合物及び前記塩基性モノマの塩基性作用基が、それぞれ前記酸性モノマ及び前記酸性クロモニック液晶化合物との反応の際、窒素カチオン(N+)を発現することを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項5】
前記酸性モノマ及び前記酸性クロモニック液晶化合物の酸性作用基が、それぞれ前記塩基性クロモニック液晶化合物及び前記塩基性モノマとの反応の際、カルボキシレートイオン(COO−)、リン酸イオン(PO3−)、スルフォン酸イオン(SO3−)のうち少なくとも一つを発現することを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項6】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物が、光開始剤、熱開始剤のうち少なくとも一つで形成された重合開始剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項7】
前記重合開始剤が、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物の100重量%において、0.01乃至10重量%であることを特徴とする請求項6に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項8】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物の100重量%に対し、非イオン性ビニルモノマ、水、有機溶媒、架橋用モノマ、レべリング剤、湿潤剤、紫外線安定剤、導電性界面活性剤のうち少なくとも一つを0.01乃至80重量%含むことを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうちいずれか一つの項によるリオトロピッククロモニック液晶組成物を基材フィルムの上にコーティングする塗布段階と、
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物で形成されたコーティング膜を配向する配向段階と、
前記コーティング膜を熱重合及び光重合によって硬化させる硬化段階と、
を含むリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項10】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物が、
酸性クロモニック液晶化合物と、塩基性モノマ、重合開始剤及び水を含んで形成され、
前記塗布段階の後、前記水を除去する乾燥段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項11】
前記硬化段階が、前記コーティング膜の上にフォトマスクを位置させ、紫外線照射によって前記コーティング膜を選択的に硬化させた後、前記フォトマスクを除去して行われ、
前記硬化段階の後、前記硬化段階で硬化されていない部分を除去するか、熱又は蒸発の方法で硬化されていない部分を光学異方性状態に処理した後、紫外線照射を介して硬化する第2硬化段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項12】
前記リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜を配向する配向方法が、強い磁場を利用する配向方法、配向膜を利用する配向方法、せん断力(shear)を利用する配向方法のうちいずれか一つの方法によって行われることを特徴とする請求項9に記載のリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のうちいずれか一つの項の製造方法によって形成されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜。
【請求項1】
塩基性作用基を有する塩基性クロモニック液晶化合物と酸性作用基を有する酸性モノマと、又は酸性作用基を有する酸性クロモニック液晶化合物と塩基性作用基を有する塩基性モノマと、を含んで形成されるリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項2】
前記塩基性クロモニック液晶化合物が、芳香族分子で形成された疎水性コアの周りを塩基性作用基が囲む形で形成され、前記酸性クロモニック液晶化合物が、芳香族分子で形成された疎水性コアの周りを酸性作用基が囲む形で形成されることを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項3】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物の100重量%において、前記塩基性クロモニック液晶化合物又は前記酸性クロモニック液晶化合物が、3乃至40重量%であることを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項4】
前記塩基性クロモニック液晶化合物及び前記塩基性モノマの塩基性作用基が、それぞれ前記酸性モノマ及び前記酸性クロモニック液晶化合物との反応の際、窒素カチオン(N+)を発現することを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項5】
前記酸性モノマ及び前記酸性クロモニック液晶化合物の酸性作用基が、それぞれ前記塩基性クロモニック液晶化合物及び前記塩基性モノマとの反応の際、カルボキシレートイオン(COO−)、リン酸イオン(PO3−)、スルフォン酸イオン(SO3−)のうち少なくとも一つを発現することを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項6】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物が、光開始剤、熱開始剤のうち少なくとも一つで形成された重合開始剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項7】
前記重合開始剤が、前記リオトロピッククロモニック液晶組成物の100重量%において、0.01乃至10重量%であることを特徴とする請求項6に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項8】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物の100重量%に対し、非イオン性ビニルモノマ、水、有機溶媒、架橋用モノマ、レべリング剤、湿潤剤、紫外線安定剤、導電性界面活性剤のうち少なくとも一つを0.01乃至80重量%含むことを特徴とする請求項1に記載のリオトロピッククロモニック液晶組成物。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうちいずれか一つの項によるリオトロピッククロモニック液晶組成物を基材フィルムの上にコーティングする塗布段階と、
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物で形成されたコーティング膜を配向する配向段階と、
前記コーティング膜を熱重合及び光重合によって硬化させる硬化段階と、
を含むリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項10】
前記リオトロピッククロモニック液晶組成物が、
酸性クロモニック液晶化合物と、塩基性モノマ、重合開始剤及び水を含んで形成され、
前記塗布段階の後、前記水を除去する乾燥段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項11】
前記硬化段階が、前記コーティング膜の上にフォトマスクを位置させ、紫外線照射によって前記コーティング膜を選択的に硬化させた後、前記フォトマスクを除去して行われ、
前記硬化段階の後、前記硬化段階で硬化されていない部分を除去するか、熱又は蒸発の方法で硬化されていない部分を光学異方性状態に処理した後、紫外線照射を介して硬化する第2硬化段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項12】
前記リオトロピッククロモニック液晶コーティング膜を配向する配向方法が、強い磁場を利用する配向方法、配向膜を利用する配向方法、せん断力(shear)を利用する配向方法のうちいずれか一つの方法によって行われることを特徴とする請求項9に記載のリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜の製造方法。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のうちいずれか一つの項の製造方法によって形成されたリオトロピッククロモニック液晶コーティング膜。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図8(d)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図8(d)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−507619(P2012−507619A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535508(P2011−535508)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/KR2009/006474
【国際公開番号】WO2010/053298
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(509272609)韓国生産技術研究院 (10)
【氏名又は名称原語表記】Korea Institute of Industrial Technology
【出願人】(511111194)インダストリアル コーオペレイション ファンデーション チョンブク ナショナル ユニバーシティ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/KR2009/006474
【国際公開番号】WO2010/053298
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(509272609)韓国生産技術研究院 (10)
【氏名又は名称原語表記】Korea Institute of Industrial Technology
【出願人】(511111194)インダストリアル コーオペレイション ファンデーション チョンブク ナショナル ユニバーシティ (1)
【Fターム(参考)】
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