説明

リザーバタンク

【課題】振動等に伴う作動油の外部への漏れをより確実に抑制することができるリザーバタンクを提供する。
【解決手段】タンク本体の注油口を閉止するキャップ20は、上下方向に延在する内部空間Sを有する筒体28と、筒体28の下部においてタンク本体の内部及び内部空間Sを連通するエア抜き孔29と、筒体28の上部において内部空間S及び外気を連通する通気手段と、内部空間Sに上下方向に摺動可能に収容され筒体28との間の隙間C1を介してエア抜き孔29及び通気手段を連通可能な可動体41と、可動体41に載置されて内部空間Sに収容され自由状態では隙間C1を開放してエア抜き孔29及び通気手段を連通し、可動体41の上動時に圧縮されて隙間C1を閉鎖するように弾性変形するシール部材46とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧式のパワーステアリング装置に適用されるリザーバタンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リザーバタンクとしては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このリザーバタンクは、作動油を溜めるタンク本体の上部に形成された注油口に、キャップが取着されてなる。そして、キャップを、樹脂製のキャップボディと、ゴム製のシールキャップとで構成することで、これらキャップボディ及びシールキャップ間にタンク本体内部に連通する空気室を形成するとともに、同空気室を外気に連通する迷路構造(ラビリンス)を形成している。すなわち、この迷路構造は、シールキャップのフランジ部の上面に同心円的に突設した断面山形の複数の突起を、キャップボディの対向面に圧接することでなる。そして、各突起の所定角度位置に形成した切り欠きを通じて空気室と外気とを連通している。この迷路構造によれば、タンク本体内部を空気室を介して外気に連通することで同タンク本体内部の気圧が一定に保たれるともに、例えば車両の走行中の振動等で揺れ動いて跳ね返ったタンク本体内部の作動油が外部に漏れることが抑制される。特に、シールキャップの突起間に凹部を設けてフランジ部を撓みやすくすることで、シール性能を低下させることなく、キャップの開閉を容易に行えるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平2−49177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のリザーバタンクのように、迷路構造による作動油漏れの抑制では、車両等の振動が大きいときには十分な効果を得られないことが確認されている。
本発明の目的は、振動等に伴う作動油の外部への漏れをより確実に抑制することができるリザーバタンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、上部に注油口が形成され作動油を溜めるタンク本体と、前記注油口に取着されて該注油口を閉止するキャップとを備えたリザーバタンクにおいて、前記キャップは、上下方向に延在する内部空間を有する筒体と、前記筒体の下部において、前記タンク本体の内部及び前記内部空間を連通する通気孔と、前記筒体の上部において、前記内部空間及び外気を連通する通気手段と、前記内部空間に上下方向に摺動可能に収容され、前記筒体との間の隙間を介して前記通気孔及び前記通気手段を連通可能な可動体と、前記可動体に載置されて前記内部空間に収容され、自由状態では前記筒体及び前記可動体の隙間を開放して前記通気孔及び前記通気手段を連通し、前記可動体の上動時に該可動体により圧縮されて前記筒体及び前記可動体の隙間を閉鎖するように弾性変形するシール部材とを備えたことを要旨とする。
【0006】
同構成によれば、前記シール部材の自由状態では、該シール部材により前記筒体及び前記可動体の隙間が開放されて前記通気孔及び前記通気手段が連通される。従って、例えば振動が小さいときなど、前記シール部材の弾性変形が僅少又は皆無の場合には、該シール部材により前記筒体及び前記可動体の隙間が開放されて前記通気孔及び前記通気手段が連通される。これにより、前記タンク本体の内部を外気に連通することで、同タンク本体の内部の気圧を一定に保つことができる。一方、例えば振動が大きいときなど、前記可動体が著しく上動した際には、該可動体により圧縮・弾性変形される前記シール部材により前記筒体及び前記可動体の隙間が閉鎖される。従って、振動等で揺れ動いて跳ね返った前記タンク本体の内部の作動油が前記筒体及び前記可動体の隙間を通じて外部に漏れることを抑制することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリザーバタンクにおいて、前記キャップは、前記注油口に油密的に装着されて該注油口を閉止するキャップ本体と、前記キャップ本体の上側を覆うキャップカバーとを備え、前記通気手段は、前記筒体の外周側で前記キャップ本体及び前記キャップカバー間に形成されるラビリンスであることを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、前記通気手段は、前記キャップ本体及び前記キャップカバー間に形成されるラビリンスであることで、その通気流路が複雑化される分、前記タンク本体の内部の作動油が前記通気手段を通じて外部に漏れることを抑制することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリザーバタンクにおいて、前記シール部材に載置されて該シール部材と共に前記内部空間に上下方向に摺動可能に収容され、前記可動体と協働して前記シール部材が前記筒体及び前記可動体の隙間を閉鎖するように弾性変形させる錘体を備えたことを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、前記可動体及び前記錘体の協働で、前記シール部材を前記筒体及び前記可動体の隙間を閉鎖するように弾性変形させることで、例えばこれら可動体及び錘体の高さや質量等の調整によって前記隙間を閉鎖する振動等の程度の設定自由度を増大することができる。また、前記内部空間を、前記可動体及び前記錘体で上下方向に2分することで、例えば前記筒体が段付形状であっても、基本的に段差を挟んでその上下にこれら可動体及び錘体を配置することで、各々の位置で前記筒体との隙間を好適に設定することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、振動等に伴う作動油の外部への漏れをより確実に抑制することができるリザーバタンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)(b)は、本発明の一実施形態を示す平面図及び断面図。
【図2】同実施形態の動作説明図。
【図3】同実施形態の動作説明図。
【図4】(a)(b)(c)は、可動体、シール部材及び錘体を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)は、油圧式のパワーステアリング装置に適用されるリザーバタンク1を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿った断面図である。同図に示すように、このリザーバタンク1は、作動油を溜めるための金属製又は樹脂製のタンク本体10を備える。このタンク本体10は、その底部に図示しない流入口及び流出口を有しており、アクチュエータから排出された作動油が流入口を通じて内部に流入するとともに、内部の作動油が流出口を通じて油圧源に流出するように構成されている。
【0014】
また、タンク本体10の上端部は、内部に作動油を注入するための注油口11を形成する。この注油口11は、上下方向に開口する略円筒状に成形されており、その外周面には、互いに対向する角度位置で径方向外側に突設された対の円弧状の係止フランジ12が形成されている。そして、注油口11には、タンク本体10の内部の気圧を一定に保つための通気構造を備えたキャップ20が脱着可能に取り付けられている。これにより、注油口11は、所要の外気(大気)連通状態を保って閉止される。そして、タンク本体10内の作動油量の変化による体積変化が調整される。
【0015】
すなわち、キャップ20は、樹脂製のキャップ本体21及び同キャップ本体21の上側を覆うキャップカバー22を備えて構成される。キャップ本体21は、注油口11の内径と同等の外径を有して上方に開口する有底略円筒状の閉止部23を有するとともに、同閉止部23の底壁中央部から下方に延出する段付き略円柱状の突出部24を有する。そして、閉止部23の外周面には、内周側に凹設された周溝23aが形成されるとともに、同周溝23aには、Oリング25が装着されている。閉止部23は、Oリング25が注油口11の内周面に液密的に接触することでその開口部を閉塞する。
【0016】
また、キャップ本体21は、閉止部23の底壁中央部から立設された略円筒状の隔壁26を有する。これにより、キャップ本体21は、閉止部23において、中央部に配置された第1空間S1と、同第1空間S1の外周側を包囲する環状の第2空間S2とを形成する。さらに、キャップ本体21は、突出部24の上端面から下方に凹設された円形の第3空間S3を形成する。つまり、キャップ本体21は、突出部24の上部に第3空間S3を区画する略円筒状の隔壁27を有する。この隔壁27は、隔壁26とともに筒体28を構成する。尚、隔壁27の内径は、隔壁26の内径よりも小さく設定されており、これら隔壁26,27は、全体として上側の拡開された段付き略円筒形状を呈する。
【0017】
隔壁27には、所定角度位置で径方向に連通する複数(例えば2つ)の通気孔としてのエア抜き孔29が形成されている。従って、第3空間S3(第1空間S1)は、筒体28の下部(隔壁27)において、タンク本体10の内部と連通する。
【0018】
尚、キャップ本体21は、閉止部23の上端から径方向外側に延出して注油口11の上端面に全周に亘って当接するリング状のフランジ部31を有するとともに、同フランジ部31の上端面に突設された複数の断面山形のリブ32を有する。これらリブ32は、閉止部23の外周側を包囲するように同心円上に配置されており、各々の上端の高さ位置は隔壁26の上端の高さ位置と同等に設定されている。そして、これらリブ32には、互い違いとなる所定角度位置で径方向に開口する切り欠き(図示略)が形成されている。また、キャップ本体21は、互いに対向する角度位置でフランジ部31の外周端から延出する対のフック状の係合突起34を有する。キャップ本体21は、係合突起34が前記係止フランジ12の下面に係止されることで注油口11に抜け止め・固定される。
【0019】
前記キャップカバー22は、フランジ部31の外径と同等の内径を有する有蓋略円筒状に成形されており、その下面において各リブ32の上端面に当接する。従って、キャップカバー22の蓋壁及びフランジ部31間に、各リブ32によって区画された複数の環状空間を形成するとともに、同リブ32に形成された切り欠きによってこれら複数の環状空間を相互に連通する。各リブ32に形成された切り欠きを順次、内周側から外周側へと経ることで第2空間S2を所謂迷路構造で外気に連通するこれら複数の環状空間は、ラビリンス33を構成する。尚、隔壁26の上端面は、キャップカバー22の蓋壁下面に近接して間隙C(図2参照)を形成する。従って、第1空間S1(第3空間S3)は、筒体28(隔壁26)の上部において、第2空間S2と連通する。間隙C及びラビリンス33は、通気手段を構成する。また、相互に連通する第1及び第3空間S1,S3は、キャップカバー22の蓋壁によって上方が閉塞されることで、上下方向に延在する内部空間Sを形成する。
【0020】
図2に拡大して示すように、内部空間Sには、金属製又は樹脂製の可動体41が上下方向に摺動可能に収容されている。図4(a)に併せ示すように、この可動体41は、隔壁27の内径と同等の外径を有して同隔壁27に嵌合する略円柱状の柱部42を有するとともに、同柱部42の外周面から径方向内側に凹設された複数(2つ)の断面略U字の連通溝43を有する。これら連通溝43は、上下方向に延在するスリット形状を呈しており、筒体28との間に隙間C1を形成する。そして、可動体41は、両連通溝43が径方向で両エア抜き孔29にそれぞれ対向するように内部空間Sに収容されている。これにより、エア抜き孔29は、隙間C1を介して内部空間Sの上部及び間隙C等(通気手段)と連通可能となっている。
【0021】
また、内部空間Sには、第1空間S1内に突出する可動体41に載置されたゴム製のシール部材46が上下方向に摺動可能に収容されている。図4(b)に併せ示すように、このシール部材46は、円盤状に成形されており、周縁部に沿って上下方向に凹凸する環状の撓み部46aを有する。このシール部材46は、自由状態(弾性復帰した状態)では隔壁26の内径よりも小さい外径を有して隙間C1を開放する。また、シール部材46は、撓み部46aが押し潰されて横方向に広がるように弾性変形することで、その外径が隔壁26の内径よりも大きくなって隙間C1を閉鎖する。
【0022】
さらに、内部空間Sには、シール部材46に載置された金属製又は樹脂製の錘体47が上下方向に摺動可能に収容されている。図4(c)に併せ示すように、この錘体47は、隔壁26の内径よりも小さい外径を有して同隔壁26に遊嵌する略円柱形状を呈する。尚、錘体47の自重では、隙間C1を閉鎖するまでシール部材46が弾性変形することがないように設定されている。
【0023】
従って、図2に示すように、車両振動が小さいときなど、シール部材46の弾性変形が僅少又は皆無の状態では、エア抜き孔29は、隙間C1、並びに隔壁26及び錘体47の間隙を介して間隙C等(通気手段)に連通する。これにより、タンク本体10の内部は、エア抜き孔29、隙間C1、隔壁26及び錘体47の間隙、間隙C、並びにラビリンス33を介して外気に連通し、例えば油温で膨張等した分の空気が外部に排出される。そして、タンク本体10の内部の気圧が一定に保たれる。
【0024】
一方、図3に示すように、車両振動が大きいときなど、可動体41、シール部材46及び錘体47(リザーバタンク1)が著しく上下動した際には、可動体41及び錘体47に加速度がついてシール部材46の下面及び上面に当たることで、撓み部46aが押し潰されてシール部材46が横方向に広がるように平板状に弾性変形する。そして、シール部材46は、外周端が隔壁27(筒体28)の内周面に略密着することで隙間C1を閉鎖する。これにより、エア抜き孔29と間隙C等(通気手段)との連通が一時的に遮断されて、作動油が外部に漏れることが抑制される。尚、隙間C1の閉鎖は一時的であり、タンク本体10内の空気の外部への排出等は常時する必要もないことから、当該排出等の機能への影響はない。
【0025】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、シール部材46の自由状態では、同シール部材46により筒体28(隔壁26)及び可動体41の隙間C1が開放されてエア抜き孔29及び間隙C等が連通される。従って、例えば車両振動が小さいときなど、シール部材46の弾性変形が僅少又は皆無の場合には、同シール部材46により隙間C1が開放されてエア抜き孔29及び間隙C等が連通される。これにより、タンク本体10の内部を外気に連通することで、同タンク本体10の内部の気圧を一定に保つことができる。一方、例えば車両振動が大きいときなど、可動体41等が著しく上下動した際には、同可動体41等により圧縮・弾性変形されるシール部材46により隙間C1が閉鎖される。従って、車両振動等で揺れ動いて跳ね返ったタンク本体10の内部の作動油が隙間C1を通じて外部に漏れることを抑制することができる。
【0026】
(2)本実施形態では、第2空間S2(内部空間S)と外気との連通を、キャップ本体21(フランジ部31)及びキャップカバー22間に形成されるラビリンス33で行うことで、通気流路が複雑化される分、タンク本体10の内部の作動油が外部に漏れることを抑制することができる。
【0027】
(3)本実施形態では、可動体41及び錘体47の協働で、シール部材46を隙間C1を閉鎖するように弾性変形させることで、例えばこれら可動体41及び錘体47の高さや質量等の調整によって隙間C1を閉鎖する振動等の程度の設定自由度を増大することができる。また、内部空間Sを、可動体41及び錘体47で上下方向に2分することで、筒体28が段付形状であっても、基本的に段差を挟んでその上下にこれら可動体41及び錘体47を配置することで、各々の位置で隙間C1を好適に設定することができる。
【0028】
(4)本実施形態では、シール部材46は、可動体41等の上下動時に同可動体41により撓み部46aが押し潰されて横方向に広がるように弾性変形するという極めて簡易な構造で、隙間C1を閉鎖することができる。特に、撓み部46aとして同心円的に波打つ形状としたことで、容易に弾性変形させることができる。
【0029】
(5)本実施形態では、可動体41は、柱部42が筒体28(隔壁27)に嵌合することで、内部空間S内での上下移動をより安定した姿勢で行うことができる。そして、隙間C1を、柱部42に凹設された連通溝43によって形成することができる。
【0030】
(6)本実施形態では、車両振動に伴うキャップ20(リザーバタンク1)の振動を利用して一時的に隙間C1を閉鎖することで、タンク本体10の内部の作動油が外部に漏れることを抑制することができる。
【0031】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、錘体47は、内部空間S内に固定されていてもよい。また、錘体47を割愛して、可動体41のみでシール部材46を圧縮してもよい。この場合であっても、車両振動が大きいときなど、可動体41等が著しく上動した際には、同可動体41及びキャップカバー22(蓋壁)がシール部材46の下面及び上面に当たることで、撓み部46aが押し潰されてシール部材46が横方向に広がるように平板状に弾性変形する。従って、このように変更しても、エア抜き孔29と間隙C等(通気手段)との連通を一時的に遮断して、作動油が外部に漏れることを抑制することができる。
【0032】
・前記実施形態において、筒体及び可動体の隙間は、例えば筒体に可動体を遊嵌することでそれらの間の遊びの範囲で形成してもよい。また、筒体及び可動体の隙間は、全周に亘って設定されていてもよいし、所定角度位置に部分的に設定されていてもよい。そして、シール部材は、弾性変形時に筒体及び可動体の隙間全体を閉鎖できるのであれば、自由状態で隙間全体を開放するものであってもよいし、部分的に開放するものであってもよい。
【0033】
・前記実施形態において、筒体28(隔壁26,27)は、全長に亘って内径の一定な円筒形状であってもよい。
・本発明は、パワーステアリング装置のリザーバタンク以外に適用してもよい。
【0034】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1〜3のいずれか一項に記載のリザーバタンクにおいて、
前記シール部材は、周縁部に沿って上下方向に凹凸する環状の撓み部を有し、前記可動体の上動時に該可動体により前記撓み部が押し潰されて横方向に広がるように弾性変形することを特徴とするリザーバタンク。同構成によれば、前記シール部材は、前記可動体の上動時に該可動体により前記撓み部が押し潰されて横方向に広がるように弾性変形するという極めて簡易な構造で、前記筒体及び前記可動体の隙間を閉鎖することができる。
【0035】
(ロ)請求項1〜3及び上記(イ)のいずれか一項に記載のリザーバタンクにおいて、
前記可動体は、前記筒体に嵌合する柱部と、該柱部に凹設され上下方向に延在する連通溝とを有することを特徴とするリザーバタンク。同構成によれば、前記可動体は、前記柱部が前記筒体に嵌合することで、前記内部空間内での上下移動をより安定した姿勢で行うことができる。そして、前記筒体及び前記可動体の隙間を、前記柱部に凹設された前記連通溝によって形成することができる。
【符号の説明】
【0036】
S…内部空間、C…間隙(通気手段)、C1…隙間、1…リザーバタンク、10…タンク本体、11…注油口、20…キャップ、21…キャップ本体、22…キャップカバー、28…筒体、29…エア抜き孔(通気孔)、33…ラビリンス(通気手段)、41…可動体、46…シール部材、47…錘体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に注油口が形成され作動油を溜めるタンク本体と、前記注油口に取着されて該注油口を閉止するキャップとを備えたリザーバタンクにおいて、
前記キャップは、
上下方向に延在する内部空間を有する筒体と、
前記筒体の下部において、前記タンク本体の内部及び前記内部空間を連通する通気孔と、
前記筒体の上部において、前記内部空間及び外気を連通する通気手段と、
前記内部空間に上下方向に摺動可能に収容され、前記筒体との間の隙間を介して前記通気孔及び前記通気手段を連通可能な可動体と、
前記可動体に載置されて前記内部空間に収容され、自由状態では前記筒体及び前記可動体の隙間を開放して前記通気孔及び前記通気手段を連通し、前記可動体の上動時に該可動体により圧縮されて前記筒体及び前記可動体の隙間を閉鎖するように弾性変形するシール部材とを備えたことを特徴とするリザーバタンク。
【請求項2】
請求項1に記載のリザーバタンクにおいて、
前記キャップは、
前記注油口に油密的に装着されて該注油口を閉止するキャップ本体と、
前記キャップ本体の上側を覆うキャップカバーとを備え、
前記通気手段は、前記筒体の外周側で前記キャップ本体及び前記キャップカバー間に形成されるラビリンスであることを特徴とするリザーバタンク。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリザーバタンクにおいて、
前記シール部材に載置されて該シール部材と共に前記内部空間に上下方向に摺動可能に収容され、前記可動体と協働して前記シール部材が前記筒体及び前記可動体の隙間を閉鎖するように弾性変形させる錘体を備えたことを特徴とするリザーバタンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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