説明

リザーバ制御付減圧治療システム

一例において医療目的のために減圧を所望の部位に送達し、流体を受ける減圧システムは流体を入れられる内部空間を有するリザーバを含む。減圧送達管は減圧を所望の部位に送達するために内部空間に流体連通して配置されている。ソース導管および圧力センサ管は内部空間と流体連通して配置されている。圧力センサは圧力センサ管と流体連通して配置されている。減圧源はソース導管と流体連通して配置されている。減圧制御ユニットは圧力センサおよび減圧源と関連付けられており、圧力センサからの圧力データと減圧源からの供給データとを受け取り、リザーバが満杯/閉塞状態であるときを判定するよう動作可能である。別のシステムおよび方法もある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、2008年8月8日に出願された米国特許仮出願番号第61/087,377号「A Reduced−Pressure Treatment System with Reservoir Control」なる名称の出願の利益を主張するものであり、すべての目的により本書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に医療システムおよび装置に関し、より具体的には、リザーバ制御付減圧治療システムに関する。
【0003】
創傷の治療は問題となることが多い。感染のおそれを最小限にし、望ましくは、創傷の安定化を助けるために、適切なケアが必要となる。一般に適切なケアは創傷を清潔かつ乾燥した状態に保つことを必要とする。創傷からの浸出液は、場合によっては取り除かれ、創傷から離れて保たれる。
【0004】
近年では、減圧は創傷治療を補助し、浸出液を含む流体を取り除くよう用いられてきた。多くの場合、創傷上または創傷内に配置され、減圧源と流体接続される発泡パッドを含む負圧装置を用いて減圧がかけられる。一般に減圧源は、減圧の発泡パッドへの送達が始まると、流体を発泡パッドを介して取り除き、管を介してキャニスタのような流体リザーバへと送る真空ポンプを含む。リザーバは治療システムの動作から取り除かれた流体を集めて保持する。リザーバが取り除かれた流体で満杯になると、リザーバを空にしてシステムに再び接続するか、あるいは交換する。リザーバが満杯であることを患者に知らせる必要性があった。
【発明の概要】
【0005】
減圧治療システムおよび患者にリザーバが満杯であることを知らせるシステムの態様についての欠点が、様々な例示的な実施形態に示され、本発明の記載により克服される。例示的な実施形態によると、患者の組織部位を治療する減圧治療システムは、組織部位の近傍に配置するマニホルド部材と、マニホルド部材と患者の上に流体シールを提供するオーバドレープと、オーバドレープに減圧を送達する減圧サブシステムとを含む。減圧サブシステムは、流体を含むよう動作可能な内部空間を有するリザーバと、オーバドレープに減圧を送達するために内部空間と流体連通する減圧送達管と、内部空間と流体連通するソース導管と、内部空間と流体連通する圧力センサ管と、圧力センサ管と流体連通する圧力センサとを有する。減圧サブシステムはさらに、ソース導管と流体連通し、減圧をソース導管に送達するよう動作可能な減圧源と、圧力センサと減圧源とに付随する減圧制御ユニットとを含む。減圧制御ユニットは圧力センサから圧力データと減圧源から供給データとを受け取り、リザーバが満杯/閉塞状態があるときを判定する。
【0006】
別の例示的な実施形態によると、減圧を提供し、かつ流体を受ける減圧システムは、流体を含むよう動作可能な内部空間と、減圧を送達する内部空間と流体連通する減圧送達管と、内部空間と流体連通するソース導管と、内部空間と流体連通する圧力センサ管とを含む。減圧システムはさらに、圧力センサ管と流体連通する圧力センサと、ソース導管と流体連通し、かつこのソース導管に減圧を送達するよう動作可能な減圧源とを含む。減圧システムはまた、圧力センサからの圧力データと減圧源からの供給データとを受け取り、リザーバが満杯/閉塞状態であるときを判定するよう動作可能な圧力センサと減圧源とに関する減圧制御ユニットを含む。
【0007】
別の例示的な実施形態によると、減圧システムは、内部空間と、減圧を送達する減圧源とを形成するリザーバハウジングとを含む。減圧源はリザーバの内部空間と流体接続し、減圧を内部空間に送達するよう動作可能である。減圧源は制御信号に応答する。減圧システムはさらに、減圧の供給率を測定し、供給率を示す信号Iを発生させるよう動作可能な供給センサと、内部空間と流体接続する圧力センサ管と、圧力センサ管と流体連通する圧力センサとを含む。圧力センサは圧力センサ近傍の圧力センサ管で圧力レベルを示す信号Pを発生させるよう動作可能である。減圧システムはさらに、圧力センサに接続する減圧制御ユニットと、圧力センサと、減圧源とを含む。減圧制御ユニットは、供給センサから信号Iと圧力センサからの信号Pとを受け取り、制御信号を減圧源に適合させ、リザーバが満杯のとき所望の圧力をリザーバに提供し、閉鎖するよう動作可能である。
【0008】
別の例示的な実施形態によると、減圧治療システムで患者を治療する際に用いられる、リザーバが満杯の状態を検出する方法は、減圧治療システムと流体連通する減圧を生成するステップと、減圧を組織部位にかけるステップと、組織部位からの流体をリザーバに集めるステップと、リザーバ内の減圧を監視するステップとを含む。方法はさらに、リザーバ内の圧力が所定期間、選択された絶対値より低下すると、減圧をかけることを終了させるステップを含む。リザーバは、リザーバと流体接続する圧力センサ管と、リザーバと流体接続する供給管とを有する。リザーバ内の圧力を監視するステップは圧力センサ管内の圧力を監視するステップを含む。
【0009】
別の例示的な実施形態によると、減圧システムを製造する方法は、流体を含むよう動作可能な内部空間を有するリザーバを形成し、減圧送達管を内部空間と流体接続するリザーバを形成するステップを含む。減圧送達管は、減圧を送達部位に送達するためのものである。製造方法はさらに、ソース導管を内部空間に流体接続させるステップと、圧力センサ管を内部空間に流体接続させるステップと、圧力センサを圧力センサ管に流体接続させるステップとを含む。方法はまた、制御信号に応答する減圧源を提供するステップと、減圧源を減圧管に接続するステップと、減圧制御ユニットを提供するステップとを含む。減圧制御ユニットは圧力センサから圧力データと減圧源から供給データとを受け取り、リザーバが満杯/閉塞状態があるときを判定するよう動作可能である。
【0010】
例示的な実施形態のその他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより明らかなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のシステム、方法、および装置より完全な理解は、添付図面と併用して、以下の詳細な説明を参照することにより得ることができる。
【図1】図1は、リザーバ制御付減圧治療システムの例示的な実施形態の概略斜視図であり、一部が断面で示されている。
【図2】図2Aは、リザーバ制御付減圧治療システムの一例示的な実施形態の一部断面を有する概略図である。図2Bおよび図2Cは、図2Aの減圧システムの一部の概略正面断面図である。
【図3】図3は、一例示的な実施形態による減圧治療システムの例示的な動作パラメータを示す代表的なグラフである。
【図4】図4は、減圧制御ユニットの例示的な実施形態の概略図である。
【図5】図5は、一例示的な実施形態における減圧制御ユニットに論理的に組み込まれる、一潜在的なアプローチの例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明においては、その一部を構成する添付図面に対して参照がなされ、この図面においては、本発明が実施される具体的な実施形態が例示を目的に示されている。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、また、その他の実施形態が利用可能であるとともに、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。本発明を当業者が実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるために、当業者に既知の一部の情報を説明から省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0013】
図1を参照すると、例えば、創傷104のような組織部位106を治療する減圧治療システム100の例示的な実施形態が示されている。組織部位106は骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、維管束組織、結合組織、軟骨組織、腱組織、靭帯組織、または他の組織を含む任意の人、動物、または他の生物体の身体組織であってもよい。他に記載がない限り、本明細書に使用されるように、「or(または)」は相互排他性を要求するものではない。創傷104は多くの潜在的な形状や大きさでありうるが、この例示的な例においては、表皮108、真皮110を通り、皮下組織112の一部に達する、外科処置から生じるような線形創傷として示される。この例において、減圧治療システム100は表皮108の上面および創傷104の上に適用して示されるが、減圧治療システム100が開放創に使用され、創床においては主に表皮下に配置されうることを理解されたい。減圧治療システム100は、マニホルド部材114と、シーリングサブシステム116と、減圧サブシステム126とを含んでもよい。減圧治療システム100は、従来のシステムより比較的低コストで製作し、より大きな機械的信頼度を達成し、間違い警報なしで複数の配向に操作することができる。
【0014】
一例示的な実施形態において、マニホルド部材114は、多孔性および透過性の発泡体状材料から形成され、より具体的には、減圧がかけられる間、創傷流体を良好に透過させる網状の連続気泡ポリウレタンまたはポリエーテル発泡体から形成される。使用されるこのような発泡体材料は、San Antonio,TexasのKinetic Concepts Inc.(KCI)から入手できるVAC(登録商標)Granufoam(登録商標)Dressingである。任意の材料または材料の組み合わせをマニホルド材に用いることができ、マニホルド材が減圧を分配するよう動作可能であることを規定する。用語「manifold(マニホルド)」は本明細書で使用されているように、一般に組織部位に減圧をかけ、組織部位に流体を送達し、あるいは組織部位から流体を取り除くのを補助するために設けられる物質または構造のことをいう。マニホルドは一般に、その周囲の組織領域に提供される流体およびその組織から取り除かれる流体を分配する複数の流路または経路を含む。複数の流路は相互接続されてもよい。マニホルドの例としては、流路を含むまたは流路を含むように保持する、例えば、多孔性発泡体、連続気泡発泡体、多孔質組織収集体、液体、ゲルおよび発泡体のような、流路を形成するように配列された構造要素を有する装置が含まれるが、それらに限定されるものではない。マニホルド材は材料の組み合わせまたは層であってもよい。例えば、親水性発泡体の第1のマニホルド層は、マニホルド部材114を形成する疎水性発泡体の第2のマニホルド層に隣接して配置されてもよい。
【0015】
Granufoam(登録商標)材料の網状の孔は、約400ミクロンから600ミクロンまでの範囲にあって、マニホルド機能を達成するのに有用であるが、その他の材料を使用することも可能である。Granufoam(登録商標)材より高い、または低い密度(より小さな孔径)を有する材料が望ましい場合もある。マニホルド部材114は、後でフェルト状とされて、元の厚さの約1/3の厚さになる網状の発泡体であってもよい。多くの可能性のある材料の中で、Granufoam(登録商標)材またはFoamex(登録商標)技術発泡体(www.foamex.com)を使用することができる。場合によっては、マイクロボンディングのプロセスにおいて発泡体にイオン性銀を加えるか、あるいは抗菌物質のようなその他の物質をマニホルド部材に加えることが望ましい場合もある。マニホルド部材114は生体吸収性材料であってもよいし、生体不活性材料であってもよいし、異方性材料であってもよい。
【0016】
シーリングサブシステム116はオーバドレープ118またはドレープを含む。オーバドレープ118はマニホルド部材114を覆い、かつマニホルド部材114の周縁部121を過ぎて延在しドレープ伸長部120を形成する。ドレープ伸長部120は感圧性接着剤124のようなシーリング装置122によって患者の表皮108を密閉してもよい。シーリング装置122は接着性シーリングテープ、ドレープテープ、あるいはストリップ;両面ドレープテープ、接着剤124、糊、親水コロイド、ヒドロゲル、または他のシーリング装置といった多くの形態をとることができる。テープが用いられる場合、予め感圧性接着剤が塗られたオーバドレープ118と同じ材料から形成されてもよい。感圧性接着剤124は第2の患者に面する側のドレープ伸長部120に適用されてもよい。感圧接着剤124はオーバドレープ118と患者の表皮108との間に実質的に流体シールを設ける。「流体シール」または「シール」とは関連する特定の減圧サブシステムが与えられる所望の部位で減圧を保持するのに必要なシールを意味するものである。オーバドレープ118が患者に固定される前に感圧接着剤124は接着剤124を覆う除去可能なストリップを備えるようにしてもよい。
【0017】
オーバドレープ118は流体シールを提供するエラストマ材であってもよい。シーリング部材は、例えば、不透過性または半透過性の弾性材料であってもよい。「Elastomeric(エラストマの)」は、エラストマの性質を有することを意味し、一般に、ゴムのような性質を有するポリマ材のことをいう。より具体的には、ほとんどのエラストマは100%より高い伸び率および非常に高い弾性を有する。材料の弾性とは弾性変形から回復する材料の能力のことをいう。エラストマの例には、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステルおよびシリコーンが含まれるがそれらに限定される訳ではない。シーリング部材の材料の具体的な例はシリコーンドレープ、3M社のTegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennisonから入手できるアクリルドレープ、または切創ドレープ材料を含む。
【0018】
減圧サブシステム126は減圧源128を含むが、様々な形態を取ることができる。減圧源128は減圧治療システム100の一部として減圧を提供する。減圧源128は真空ポンプ、壁面吸い込みまたはその他の供給源のような、減圧を供給するための任意の装置とすることができる。組織部位にかけられる減圧の量と性質は、一般に用途に応じて変わるものとなるが、通常減圧は−5mmHg乃至−500mmHg、より一般的には−100mmHg乃至−300mmHgであろう。
【0019】
本明細書で使用されているように「reduced pressure(減圧)」は、一般に治療を受ける組織部位106の周囲圧力未満の圧力のことをいう。多くの場合、この減圧は患者がいる位置の大気圧未満となるであろう。若しくは、減圧は組織部位における静水圧未満であってもよい。減圧はまず、マニホルド部材114、減圧管148、および組織部位106に近接して流体の流れを生じさせることができる。組織部位106周辺の静水圧が所望の減圧に近づくと、流体は沈静し減圧が維持される。特に記載がなければ、本明細書で述べる圧力の値はゲージ圧である。送達される減圧は一定であっても、あるいは(パターン化されたまたはランダムな)変化を生じるものであってもよく、また、連続的または間欠的にかけられるものであってもよい。「真空」および「負圧」といった用語が組織部位にかけられる圧力を説明するのに使用されるかもしれないが、組織部位にかけられる実際の圧力は完全真空に通常付随する圧力よりも大きくなることがある。本明細書における使用と一致するように、減圧または真空圧の増大は一般に絶対圧の相対的な低下のことをいう。
【0020】
図1の例示的な実施形態において、減圧源128はリザーバ部分131またはキャニスタ部分を有して示され、キャニスタ部分はリザーバ150内の流体のレベルの視覚的な表示を与える窓138を有する。疎水性または疎油性フィルタのような挿入ろ過膜が減圧送達管または管148および減圧源128間に挿入されてもよい。
【0021】
減圧減128はディスプレイ130を有し、アラームライトまたは情報インジケータ132、バッテリライトまたはインジケータ134、リザーバ満杯/閉鎖ライトまたはインジケータ136を含んでもよい。減圧源128はまた電源スイッチ140および警報アラームを提供するスピーカ142を含んでもよい。いくつかの実施形態において、所望の圧力または他の情報を入力するためのキーパッドが提供されてもよい。さらに以下に記載されるように、減圧サブシステム126は図2Aの減圧制御ユニット260と同じような減圧制御ユニットを含む。
【0022】
減圧源128によって生じた減圧は、減圧送達管148を通り、ひじ継手ポート146でもよい減圧接続器144に送達される。一例示的な実施形態において、このポート146はテキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.(KCI)から入手できるTRAC(登録商標)技術ポート146である。減圧接続器144は減圧がシーリングサブシステム116に送達され、シーリングサブシステム116内での達成が可能となる。この例示的な実施形態において、ひじ継手ポート146はオーバドレープ118を通りマニホルド部材114内に延在する。
【0023】
運転中、減圧治療システム100はマニホルド部材114を創傷104に近接して配置することにより、シーリングサブシステム116を用いてマニホルド部材114および表皮108の一部の上に流体シールを提供することにより、減圧サブシステム126を取り付けて減圧サブシステム126を動作させることにより、例えば、創傷104などの組織部位106を治療するのに適用される。閉じる医療用クッションが用いられる際、いくつかの応用において閉じる力のような他の有利な効果を潜在的に提供するだけでなく、減圧サブシステム126は減圧をマニホルド部材114に送達し、マニホルド部材は減圧を創傷部位106に分配する。減圧サブシステム126は、図示するような創傷アプリケーションとともに用いられてもよいし、減圧サブシステム126はまた、減圧を骨、組織、または他の創傷部位に適用するような経皮的なアプリケーションとともにも用いられてもよい。減圧治療システム100の利用において、減圧治療システム100は減圧源128のリザーバまたはキャニスタ150が満杯になるまで減圧をかけ続ける。治療における任意の中断を最小限にし、リザーバ150の状態が窓138を通して視覚的に監視され、リザーバ150が満杯か、あるいは減圧がもはや送達されないような閉塞が起こると、減圧サブシステム126は自動的に患者に知らせる。リザーバ150が満杯または閉塞されると、減圧源128を停止することが望まれる。
【0024】
ここで図2Aを参照すると、図1の減圧治療システム100の減圧サブシステム126として用いることができる減圧システム200の例示的な実施形態が示される。減圧システム200により減圧が提供され、例えば、図1の減圧接続器144や組織部位106等の送達部位への医療目的のために減圧送達管222により最終的に送達される。減圧システム200は内部空間230を規定するリザーバハウジング226で形成されるリザーバ224を含む。リザーバ224はキャニスタ、バッグ、不浸透性の外包などの流体を保持するための任意の装置であってもよい。(例えば重力の場に平行に配置している装置を用いて示される配向用の)上部228に近接して、いくつかのポートがリザーバハウジング226を通して形成されてもよい。例えば、送達管ポート232、ソースポート234、およびセンサポート240はリザーバハウジング226を通して形成されてもよい。減圧送達管222は、減圧送達管222が内部空間230と流体連通して、または流体接続して配置されるよう減圧送達管ポート232と接続している。ソース導管236はソースポート234と接続し、ソース導管236が内部空間230と流体連通または流体接続できるようにする。同様に、圧力センサ管242はセンサポート240と接続し、圧力センサ管242が内部空間230と流体連通または流体接続できるようにする。センサポート240が以下のソースポート234にわずかに示されているが、これらのポート234、240は他の実施形態と同じ垂直面にあってもよいことに注目されたい。
【0025】
減圧送達管222は医療目的のために減圧を送達し、内部空間230内に入る滲出液のような流体を受ける。例えば、疎水性フィルタまたは臭気フィルタのようないくつかのフィルタは、導管222、236、および242に望まれる場合がある。例えば、ソース導管236には第1のフィルタユニット238が示され、圧力センサ管242には第2のフィルタユニット244が示される。フィルタユニット238および244が単一のユニットとして示されているが、複数のフィルタが各フィルタユニットを形成してもよいことを理解されたい。
【0026】
圧力センサ管242により内部空間230から圧力センサ246への流体連通を設ける。圧力センサ246は圧力センサ管242内の圧力を読み取り、アナログまたはデジタルの応答信号を生成させ、伝達管247により減圧制御ユニット260に信号を送信できる任意の装置であってもよい。代替的な実施例において圧力センサ246は、例えば、真空ポンプ248、調整された壁面吸込み、機械的装置、または他の減圧装置などの減圧源に接続される空気調整器を含んでもよい。
【0027】
ソース導管236は内部空間230と流体連通しており、かつ例えば、真空ポンプ248などの減圧源と流体連通している。真空ポンプ248はソース導管236に導入される減圧を生じさせるよう機能する。例示的な実施形態において、真空ポンプ248は第1の電力線252によって示されるように電気的に駆動される。第1の動力線252はポンプ電源250に電気的に接続される。ポンプ電源250はバッテリ供給であってもよいし、別の源からの条件電力であってもよい。第1の電力線252の一部は電力センサ254および電流制御ユニット256であってもよい。電力センサ254は真空ポンプ248に供給される電力量を判定するのに用いられる。例えば、電力センサ254は電流信号を生成しデータ信号Iを供給するのに動作可能である。さらに一般的には供給データ信号は送達率に関する情報を提供し減圧を送達するよう試みる。一例示的な実施形態において、供給データ信号は真空ポンプに供給される電流であってもよい。別の例示的な実施形態において、供給データ信号は調整された壁吸込みユニットに弁開口を示す信号であってもよい。供給レートに関する信号を測定するパワーセンサ254または他のセンサにより生成された電流信号、他の電源データ、または供給データであれ、結果の信号Iが伝達導管255により減圧制御ユニット260に送信される。
【0028】
減圧制御ユニット260は回路または減圧システム200内で機能を制御するマイクロプロセッサを含む。減圧制御ユニット260は伝達管247から圧力信号Pと、例えば、パワーセンサ254などのセンサに接続される伝達管255から、例えば、信号Iなどの供給データとを受け取る。減圧制御ユニット260はリザーバ224の内部空間230が実質的に満杯か、あるいは導管222、236、242が閉鎖されているかどうかを判定する。減圧制御ユニット260が、内部空間230が満杯か、あるいは導管が閉鎖されているかを判定すると、減圧制御ユニット260は警報信号を表示ユニット204に提供するのみならず、警報をスピーカ216にも送ることもできる。減圧制御ユニット260はまた、伝達管261によって電流制御ユニット256に送信されるポンプ制御信号PCを生じさせたり、真空ポンプ248への電力を増大させたり減少させたり、あるいは真空ポンプ248を停止させたりすることができる。同様に、異なる減圧源が用いられる場合、制御信号は減圧源を調整するよう用いられてもよい。代替的な実施形態において、内部空間230内に捕捉される流体の粘度を予測し、かつ用いられる時間間隔のような、リザーバが満杯であるときを判定するためのパラメータを調整するのに用いられる温度入力のような、減圧制御ユニット260への他の入力またはデータを提供することが望ましいかもしれない。
【0029】
図2A、2B、2Cを参照すると、運転中に減圧システム200が作動し、閉塞していない導管222、236、242と空の内部空間230とが示されている。減圧が内部空間230に送達され、減圧送達管222および所望の部位に伝達される。図2Aは最初の状態を空のリザーバ224で示す。例えば、患者の組織部位の治療のために減圧が送達されると、通常様々な流体が減圧送達管222を通して受けられ、流体を集める内部空間230に送達される。図2Bは内部空間230の底部に集まる流体258を示す。減圧制御ユニット260は真空ポンプ248を作動し続け、圧力センサ246は一般に内部空間230内の圧力に対応する圧力センサ管242内を経た圧力を監視し続ける。減圧が所望の範囲内または少なくとも閾値より大きいことを判定するよう監視される。しかしながら、センサポート240が流体258に覆われるといった、流体258が内部空間230を満たすか、あるいは実質的に満たす場合、流体258の圧縮不能な性質は、内部空間230と流体連通する圧力センサ246が減圧(絶対圧力の上昇)を経験する。残りの空隙空間259が示される。
【0030】
一例示的な実施形態において、減圧制御ユニット260が増大した電力または待機時間の経過にもかかわらず、内部空間230内の所望の減圧が所望の減圧レベルより下まわると、減圧制御ユニット260は真空ポンプ248を停止させるためにアラーム信号またはポンプ制御信号を電流制御ユニット256に送信する。減圧制御ユニット260は導管222、236、242のうちの1つが閉塞しているため、内部空間230内の減圧(より低い絶対圧力)を増大させることができると、減圧制御ユニット260は停止したり、警報を送ったりすることができる。減圧制御ユニット260をどのように動作させたらよいかのさらなる例を図3および4に示す。
【0031】
図3を参照すると、圧力および電力に関して、図2A−図2Cの減圧治療システム200の減圧制御ユニット260に用いられる演算パラメータを示す。この例示的な実施形態において電力は電流によって表される。図は横座標軸302と縦座標軸304とを有する。横座標軸302は減圧治療システム200における真空ポンプ248に提供される電力の相対測定を示す。縦座標軸304は圧力センサ246によって測定される圧力を示し、これはリザーバ224の内部空間230に送達される減圧に相当する。
【0032】
図2Aおよび図3を参照すると、減圧システム200が作動する前に、減圧システム200は図3において減圧(ゲージ圧)や電力の存在しない第1の点306で示されてもよい。真空ポンプ248は一旦作動すると、減圧が選択されたレベルAを越えるまで運転し、その後電源が切れる。選択されたレベルAは予め設定されてもよいし、ユーザまたはヘルスケア提供者によって入力されてもよい。このように真空ポンプ248が一時的に停止する前に、減圧が第2の点308で示されてもよい。第2の点308は減圧が選択された閾値レベルAを越え、真空ポンプ248が横座標軸の正電流測定のため作動していることを示す。この時、減圧制御ユニット260はポンプ制御信号PCを電流制御ユニット256に送るような方法で真空ポンプ248に停止を知らせることができる。真空ポンプ248は圧力センサ246が、減圧が閾値レベルAまたは他の設定レベルより低くなったと判定するまで停止したままである。この時、真空ポンプ248は圧力センサ244により測定される圧力を再び蓄えるようもう一度作動させるが、これは再びレベルAを越える一般に内部空間230内の圧力によるものである。
【0033】
一例示的な実施形態において、ソース導管236は部分的に閉塞し始め、真空ポンプ248によって供給される減圧の前の使用レベルは(圧力センサ244によって圧力センサ管242内で測定されるような)、内部空間230の減圧が閾値レベルAを越えることができないかもしれない。リザーバ、またはキャニスタ224が満杯かつ閉鎖されることを判定する前に、真空ポンプ248の電力レベルは、一時減圧制御ユニット260によって増大するかもしれない。真空ポンプの電力レベルは、フルパワーレベルまたはグラフの参照ラインBによって示されるような選択されたレベルまで進む。一例において、このように減圧制御ユニット260は圧力センサ246での圧力が圧力レベルAより下であり、減圧が増大していないと判定できる。次いで、フルパワーまたは最大電力設定Bが、減圧システム200が第3の点310によりグラフに示される真空ポンプ248に適用されてもよい。主問題が部分的な閉鎖が十分に反応しないようにするということだとすると、増大したフルパワーレベルでの真空ポンプ248は第4の点312に動き、これは閾値圧力レベルAより下であり、真空ポンプ248は圧力が再びレベルAより低下するまで閉鎖される。ソース導管236の閉塞が、圧力が所定時間後にレベルAより低下しない場合、アラームが表示されて真空ポンプ248が停止する。図2Cに示されるように、圧縮できない流体258はセンサポート240を覆い、真空ポンプ248に増大した電力はリザーバ224の空隙空間259に残っている圧力を低下させる結果となるが、減圧は増大せず圧力センサ246によって測定された圧力はレベルAを越えない。従って、システム200および具体的には真空ポンプ248は停止し、フルリザーバ/閉塞表示を示す。
【0034】
ここで図4を参照すると、減圧制御ユニット460の例示的な実施形態が示される。この減圧治療ユニット460はハウジングユニット462を含み、図2A−図2Cのシステム200のような減圧システムを制御するための様々な構成部材を含む。減圧制御ユニット460は入力装置からのいくつかの異なる入力信号を受ける。減圧制御ユニット460は第1の入力464で示され、この例示においては、圧力センサ管における圧力センサによって測定されるようなリザーバの内部空間内の圧力を示す圧力信号Pである。第1の入力464に供給される圧力信号がまだデジタル化されていない場合、第1のアナログからデジタルへの変換器466は、圧力信号を受け、デジタル信号に変換することを含んでもよい。第2の入力468が含まれてもよい。この例において、第2の入力468は、例えば、電力データを示す信号、具体的には信号Iを表す供給信号である。前述のとおり、供給信号Iがまだデジタル化された形態ではない場合、第2のアナログからデジタルへの変換器470は信号をデジタル形式に変換することを含む。
【0035】
同様に、第3の入力信号472が示され、他の信号が減圧制御ユニット460に提供されてもよいことを表す。例えば、第3の入力信号472はリザーバ内の流体内で温度を表す温度信号であってもよい。流体の温度は流体の粘度に影響を及ぼすかもしれず、次いで減圧システム内の反応の待機期間のようなパラメータに影響を及ぼすかもしれない。代表的な第3の入力信号472がまだデジタル形式でないなら、別のアナログからデジタルへの変換器474を含んでもよい。
【0036】
(必要ならば変換された)入力信号464、468、472に受けられた信号は、バッファメモリ476に送信されてもよいし、メモリユニット478に供給されるか、マイクロプロセッサ482に直接送信されてもよい。入力データの記録を保持することが望ましく、圧力が増大したり減少したりするような異なる判定を可能にする。記憶装置478はまた、減圧源が停止している間、圧力変化が延長期間を越えて起こらなかったどうかを判定するのに用いられてもよい。この場合、減圧制御ユニット460が、例えば、図2Aの減圧送達管222のような減圧送達管を閉塞してもよい警告灯を提供することが望ましい。
【0037】
図5に関して説明されるように、マイクロプロセッサ482は真空ポンプが電力が増大するとき、停止するとき、あるいは警告信号や他の信号が生成されるとき、いくつかの異なる判定を実行するよう操作可能である。マイクロプロセッサ482はいくつかの出力を有する。第1の出力484は真空ポンプを制御するよう供給可能なポンプ制御信号である。例えば、ポンプ制御信号484は図2Aの電流制御ユニット256に供給され、電力を真空ポンプ248に調節したり、あるいは真空ポンプ248を停止させたりするよう供給できる。他の減圧源を有する実施形態において、制御信号は供給率を調整するよう用いられてもよい。マイクロプロセッサ482はまた、第2の出力486を提供してもよく、これは警報信号であってもよい。この警報信号は、例えば、図1のスピーカ142を作動させてもよい。第3の出力488は、例えば、図1のライト132またはインジケータ136のようなディスプレイ上の状態ライトを提供するような他の特徴を制御することができる代表的な出力信号である。電源490は電力を減圧制御ユニット460内の様々な構成要素に供給し、バッテリであってもよいし、他の源からの条件電力であってもよい。
【0038】
図4の減圧制御ユニット460のような、マイクロプロセッサを利用する制御ユニットのために、例えば、マイクロプロセッサ482のようなマイクロプロセッサが、例えば、バッファメモリ476またはメモリユニット478のような記憶装置に関して用いられるよう設計され、入力信号464、468を用いたり、例えば、信号484、486、488などの適切な出力信号を生じさせる際に、いくつかの異なる操作を実行する。
【0039】
ここで図5を参照すると、制御ユニットを用いてもよい潜在的な論理や操作の一例示的な実施形態が示される。操作はステップ502から始まり、判定ステップ504に進み、ここでは質問がなされる:圧力センサ管では、圧力センサからの減圧は閾値よりも大きいか?(圧力センサ管における減圧は一般に、圧力センサ管が流体接続されるリザーバにおいて同じである。)言い換えると、負のゲージ圧の絶対値は閾値よりも大きいか?図3を参照すると、質問は圧点が閾値ラインAよりも低いかどうかである。答えが肯定的ならば、圧力の増大は必要なくシステムを待機させることができる。従って、再び判定ステップ504に戻る前に、システムがある一定の期間、ステップ506にフローが戻る。この期間、その他が予めプログラムされていてもよいし、ヘルスケア提供者またはユーザによって入力されてもよい。
【0040】
判定ステップ504への応答が否定的であると、さらなる減圧が必要となり真空ポンプはステップ508で作動する。次いで真空ポンプまたは減圧源はシステムが判定ステップ512に進む前にステップ510である期間作動できる。このステップでは以下の質問がなされる:減圧は増大しているか?言い換えると、リザーバで減圧の絶対値は増大しているか−つまりより大きな数字となっているか?もしそうなら、システムは判定ステップ514に進み、ここではまた減圧は閾値よりも大きい。もし答えが肯定的ならば、システムはステップ516へと進み、ポンプまたは減圧が停止する。この場合、システムはステップ518で閉塞や満杯ではないことを示す信号を更新し、経路520に沿って判定ステップ504まで進む。
【0041】
判定ステップ514への応答が否定的ならば、システムは再び判定ステップ512に戻る前にステップ522で所定期間待機できる。これはループを形成し、このループは閾値に達し、減圧がこれ以上増大しないところまで続けることができる。減圧が増大しなくなると、判定ステップ512での答えは否定的であり、システムは判定ステップ524に進む。判定ステップ524はポンプがフルパワー(最大減圧での減圧源)であるかどうかを問う。もし答えが否定的ならば、ポンプへの電力はステップ526で増大し、もし答えが肯定的ならば、タイマーがステップ528で起動する。次いでステップ530に達し、判定ステップ530は質問をする:減圧は増大しているか?もし答えが肯定的ならば、分析は経路532に沿って判定ステップ514に続く。この答えが否定的ならばプロセスは判定ステップ534へと続く。判定ステップ534は、528でタイマが最大タイマ値に達したかを聞く。もしタイマが達していないと、さらなる時間がステップ536でとられる。タイマがタイムアウトとなると、リザーバ(キャニスタ)が満杯/閉塞を示す信号が送られるステップ538に進む。さらに、警報信号がステップ540に送られてもよい。真空ポンプまたは減圧源が、次いでステップ542で停止する。このプロセスはステップ544で終了する。リザーバが満杯と見なされるか、あるいは閉塞があるとき、リザーバ(キャニスタ)満杯/閉塞信号が与えられる。どちらかの場合、システムはリザーバに減圧を蓄えることができず、リザーバ満杯/閉塞状態となる。この論理は、制御ユニットがプログラムされうる多くの方法のうちの唯一ものである。
【0042】
本発明とその利点は、図に示す非限定的な実施例の文脈において開示されているが、様々な変更、交換、置換、及び代替を、特許請求の範囲に規定した発明の範囲から外れることなく行うことができると解するべきである。いずれかの実施例に関連して述べた特徴は、他の実施例にも適用できることは自明である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織部位を治療する減圧治療システムであって、当該システムが、
前記組織部位に近接して配置するマニホルド部材と、
流体シールを前記マニホルド部材と前記患者の上に提供するオーバドレープと、
減圧を前記オーバドレープに送達する減圧サブシステムとを含み、
当該減圧サブシステムが、
流体を入れられる内部空間を有するリザーバと、
減圧を前記オーバドレープへ送達するために、前記内部空間と流体連通する減圧送達管と、
前記内部空間と流体連通するソース導管と、
前記内部空間と流体連通する圧力センサ管と、
前記圧力センサ管と流体連通する圧力センサと、
前記ソース導管と流体連通し、前記ソース導管に減圧を送達するよう動作可能な減圧源と、
前記圧力センサと前記減圧源とに関連付けられた減圧制御ユニットとを含み、当該減圧制御ユニットが、前記減圧センサからの圧力データと前記減圧源からの供給データとを受け取り、リザーバが満杯/閉塞状態であるときを判定するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の患者の組織部位を治療するシステムにおいて、前記減圧制御ユニットがさらに、リザーバが満杯/閉塞状態であるとき、前記減圧源を停止させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の患者の組織部位を治療するシステムにおいて、前記減圧制御ユニットがさらに、リザーバが満杯/閉塞状態であるとき、前記減圧源を停止させ、警報信号を送るよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の患者の組織部位を治療するシステムにおいて、前記減圧制御ユニットがさらに、リザーバが満杯/閉塞状態であるとき、警報信号を送るよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の患者の組織部位を治療するシステムにおいて、前記圧力センサ管が、重力に平行する配向で、前記リザーバの上部近くに流体連通して配置されることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載の患者の組織部位を治療するシステムにおいて、前記減圧源が真空ポンプであることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の患者の組織部位を治療するシステムにおいて、前記減圧源が真空ポンプであり、前記減圧制御ユニットがさらに、リザーバが満杯/閉塞状態であるとき、前記真空ポンプを停止させ、警報信号を送るよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載の患者の組織部位を治療するシステムにおいて、前記減圧源が調節された壁面吸込みであることを特徴とするシステム。
【請求項9】
減圧を提供し、流体を受ける減圧システムであって、
前記流体を入れられる内部空間を有するリザーバと、
減圧を送達するために前記内部空間と流体連通する減圧送達管と、
前記内部空間と流体連通するソース導管と、
前記内部空間と流体連通し、前記ソース導管から離れている圧力センサ管と、
前記圧力センサ管と流体連通する圧力センサと、
前記ソース導管と流体連通し、前記ソース導管に減圧を送達するよう動作可能な減圧源と、
前記圧力センサと前記減圧源とに関連付けられた減圧制御ユニットとを含み、当該減圧制御ユニットが、前記圧力センサからの圧力データと前記減圧源からの供給データとを受け取り、リザーバが満杯/閉塞状態であるときを判定するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項10】
医療用途のための減圧を供給し、かつ流体を受ける減圧システムであって、
内部空間を形成するリザーバハウジングと、
減圧を送達する減圧源であって、前記リザーバの内部空間と流体接続し、前記内部空間に減圧を送達するよう動作可能であり、制御信号に応答する減圧源と、
前記内部空間と流体接続する供給管と、
前記減圧源により送達される減圧の供給レートを測定し、前記供給管に利用可能な減圧を示す信号Iを生成するよう動作可能な供給センサと、
前記内部空間と流体接続する圧力センサ管と、
前記圧力センサ管と流体連通する圧力センサであって、前記圧力センサと近い前記圧力センサ管における圧力レベルを示す信号Pを生成するよう動作可能な圧力センサと、
前記供給センサ、圧力センサ、および減圧源とに接続される減圧制御ユニットであって、前記供給センサからの信号Iと前記圧力センサからの信号Pとを受け取り、前記減圧源が、前記リザーバに所望の圧力を提供し、前記リザーバが満杯のときは停止するよう前記制御信号を調整する減圧制御ユニットとを含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10に記載の減圧システムにおいて、
マイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた記憶装置と、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた複数の入力装置であって、前記信号Pと前記信号Iとを受け取り、前記信号Pと前記信号Iとを利用可能な形式で前記マイクロプロセッサに供給する複数の入力装置と、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた出力装置であって、前記マイクロプロセッサからの前記制御信号を受け取り、前記制御信号を前記減圧源に供給可能にする出力装置とを含み、
前記マイクロプロセッサと前記記憶装置とは、信号Pによって示される圧力値の絶対値が選択された圧力値よりも大きいかどうかを判定し、そうでない場合に、前記減圧源を作動させ、さらに、前記減圧源が所定期間より長い間、前記信号Pによって示される前記圧力値の絶対値を増加させることができない場合、前記制御信号を用いて前記減圧源を停止させ、リザーバ満杯/閉塞信号を送るよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10に記載の減圧システムにおいて、前記圧力センサ管が、重力に平行する配向で、前記リザーバの上部近くに流体連通して配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項10に記載の減圧システムにおいて、前記圧力センサ管が、重力に平行する配向で、前記リザーバの上部近くに流体連通して配置されており、前記減圧源が、前記リザーバの上部近くに流体連通して配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項10に記載の減圧システムであって、
マイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた記憶装置と、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた複数の入力装置であって、前記信号Pと前記信号Iとを受け取り、前記信号Pと前記信号Iとを利用可能な形式で前記マイクロプロセッサに供給する複数の入力装置と、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた出力装置であって、前記マイクロプロセッサからの前記制御信号を受け取り、前記制御信号を前記真空ポンプを制御するのに利用可能とする出力装置とを含み、
前記マイクロプロセッサと前記記憶装置とは、信号Pによって示される圧力値の絶対値が選択された圧力値よりも大きいかを判定し、そうでない場合に、前記ポンプを作動させ、さらに、前記減圧源からの減圧の送達を設定値に増加させた後、前記減圧源が設定期間より長い間、前記圧力値の絶対値が増加させることができない場合、前記減圧源を停止させ、リザーバ満杯/閉塞の信号を送るよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
減圧治療システムで患者を治療する際に用いるリザーバの満杯状態を検出する方法であって、
前記減圧治療システムと流体連通して減圧を生成するステップと、
前記減圧を組織部位に適用するステップと、
前記組織部位からの流体を前記リザーバに集めるステップと、
前記リザーバ内の圧力を監視するステップにおいて、
前記リザーバが、前記リザーバと流体連通する圧力センサ管と、前記リザーバと流体連通する供給管とを有し、前記リザーバ内の圧力を監視するステップが、前記圧力センサ管内の圧力を監視するステップを含むステップと、
前記圧力センサ管内の圧力が、特定期間、選択された絶対値より低くなると、減圧の適用を終了させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記減圧源が真空ポンプ内にあることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記減圧源が真空ポンプ内にあり、前記減圧の適用を終了させるステップが、前記圧力センサ管内の監視された圧力が、特定期間、選択された絶対値より低くなり、かつ前記真空ポンプへの増大した電力が、前記監視された圧力の絶対値を上昇させない場合、前記治療を終了させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
減圧システムを製造する方法であって、
流体を入れられる内部空間を有するリザーバを形成するステップと、
減圧送達管を前記内部空間に流体接続するステップと、
減圧を前記内部空間に送達するためのソース導管を前記内部空間に流体接続するステップと、
圧力センサ管を前記内部空間に流体接続するステップと、
圧力センサを前記圧力センサ管に流体接続するステップと、
制御信号に応答する減圧源を提供するステップと、
前記減圧源を前記ソース導管に接続するステップと、
前記圧力センサからの圧力データと前記減圧源からの供給データとを受け取り、リザーバ満杯/閉塞状態があるときを判定するよう動作可能である減圧制御ユニットと、
当該減圧制御ユニットを前記圧力センサと減圧源とに関連づけるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の減圧システムを製造する方法において、減圧制御ユニットを提供するステップがさらに、制御ユニットを提供するステップを含み、当該制御ユニットが、
マイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた記憶装置と、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた複数の入力装置であって、前記信号Pと前記信号Iとを受け取り、前記信号Pと前記信号Iとを利用可能な形式で、前記マイクロプロセッサに送達する複数の入力装置と、
前記マイクロプロセッサに関連付けられた出力装置であって、前記マイクロプロセッサからの前記制御信号を受け取り、前記制御信号を前記減圧源を制御するのに利用可能とする出力装置とを具え、
前記マイクロプロセッサと前記記憶装置とは、(信号Pによって示される)圧力値の絶対値が選択された圧力値よりも大きいかどうかを判定し、そうでない場合に、前記減圧源を作動させ、さらに、前記減圧源が所定期間より長い間、前記信号Pによって示される前記圧力値の絶対値を増加させることができない場合、前記制御信号を用いて前記減圧源を停止させ、リザーバ満杯/閉塞の信号を送るよう動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の減圧システムを製造する方法において、圧力センサ管を接続するステップが、前記圧力センサ管が、重力に平行する配向で、前記リザーバの上部近くに接続するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19に記載の減圧システムを製造する方法において、減圧センサを前記圧力センサ管に接続するステップが、前記圧力センサ管を、重力に平行する配向で、前記リザーバの上部近くに接続するステップを含み、ソース導管を前記内部空間に接続するステップが、前記ソース導管を前記リザーバの頂部の近くで前記リザーバに接続するステップを含むことを特徴とする方法。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−530350(P2011−530350A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522279(P2011−522279)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/053165
【国際公開番号】WO2010/017484
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】