説明

リセプタクルコネクタ

【課題】トランシーバ組立体内の信号コンタクト間のクロストークを低減するストラドルマウントコネクタを提供する。
【解決手段】リセプタクルコネクタ(34)は、内部に相手コネクタ(32)を受容するよう構成されたリセプタクル(50)を有する誘電性コネクタ本体(48)を具備する。信号コンタクト及び接地コンタクト(54,56)はコネクタ本体に保持される。信号コンタクト及び接地コンタクトは、リセプタクル内で列の軸(626)に沿って所定長さで延びる列(612,618)に配列された嵌合部(608,620)を具備する。嵌合部は、相手コネクタの対応する嵌合コンタクト(58,62)と嵌合するためにリセプタクル内に延びる嵌合インタフェース(614,624)を有する。接地シールド(650)は、リセプタクル内に延びると共に、嵌合部の列の長さに沿って信号コンタクト及び接地コンタクトの嵌合部と重なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグ脱着可能なモジュール用のリセプタクルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ホスト機器及び外部デバイス間の通信を可能にする様々なタイプの光ファイバ及び銅線ベースのトランシーバ組立体が公知である。これらのトランシーバ組立体は、ホスト機器内のリセプタクルコネクタにプラグ脱着可能に接続できるモジュール組立体を有するのが代表的である。モジュール組立体は寸法及び互換性のための種々の規格に従って構成され、そのうち一つの規格はクワッド・スモール・フォームファクタ・プラガブル(QSFP)モジュール規格である。従来のQSFPモジュール及びリセプタクル組立体は、毎秒10ギガビット(Gbps)までの速度でデータ信号を問題なく伝送する。別のプラグ脱着可能なモジュール規格、XFP規格は、10Gbpsまでの速度でデータ信号を伝送するトランシーバモジュールを提唱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6816376号明細書
【特許文献2】米国特許第7001217号明細書
【特許文献3】米国特許第7438596号明細書
【特許文献4】米国特許第7539018号明細書
【特許文献5】米国特許第7625223号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気デバイス及び光デバイスが小さくなるにつれて、その信号経路の密度が高くなる。また、信号経路に沿って伝播するデータ信号の速度は、より高速のデバイスの要求を満足するために絶えず増大する。従って、増大する信号速度を取り扱うことや高密度の信号経路を有することができるトランシーバ組立体に対する要求がある。しかし、増大した信号速度や高密度のため、トランシーバ組立体内の差動対の信号コンタクトは、通常「クロストーク」と称される相互干渉する。例えば、同一列の互いに隣接する差動対や対向する列の差動対は、クロストークを経験する。このようなクロストークは、トランシーバ組立体の信号経路の沿ったエラーに対する比較的大きな原因になり得る。同一の差動対の信号コンタクト間の結合も、トランシーバ組立体の信号経路に沿ったエラーに対する原因である。また、増大する信号速度や高密度は、トランシーバ組立体の所望のインピーダンス値を維持することを困難にし、その結果、トランシーバ組立体とホスト機器や外部デバイスの間のインピーダンスが不連続となる。
【0005】
従って、トランシーバ組立体内の信号コンタクト間のクロストークを低減することに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、請求項1に係るリセプタクルコネクタにより解決される。
【0007】
本発明によれば、リセプタクルコネクタは、内部に相手コネクタを受容するよう構成されたリセプタクルを有する誘電性コネクタ本体を具備する。信号コンタクト及び接地コンタクトがコネクタ本体により保持される。信号コンタクト及び接地コンタクトは、リセプタクル内で列の軸に沿って所定長さで延びる列に配列された嵌合部を具備する。信号コンタクト及び接地コンタクトの嵌合部は、相手コネクタの対応する相手コンタクトと嵌合するためにリセプタクル内に延びる嵌合インタフェースを有する。接地シールドは、リセプタクル内に延びると共に、嵌合部の列の長さに沿って信号コンタクト及び接地コンタクトの嵌合部と重なる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】トランシーバ組立体の典型的な一実施形態の分解斜視図である。
【図2】リセプタクル組立体の典型的な一実施形態と嵌合するプラグ脱着可能なモジュールの典型的な一実施形態を示す、図1に示されたトランシーバ組立体の断面図である。
【図3】回路基板の典型的な一実施形態と、回路基板に実装するストラドルマウントコネクタの典型的な一実施形態とを示す、図2に示されたプラグ脱着可能なモジュールの一部の分解図である。
【図4】図3とは異なる角度から見た、図3に示されたストラドルマウントコネクタの斜視図である。
【図5】図3及び図4に示されたストラドルマウントコネクタの断面図である。
【図6】図3ないし図5に示されたストラドルマウントコネクタの部分分解斜視図である。
【図7】図3ないし図6に示されたストラドルマウントコネクタの接地プレートの典型的な一実施形態及び1列の電気コンタクトを示す斜視図である。
【図8】ストラドルマウントコネクタの別の典型的な実施形態の斜視図である。
【図9】図8とは異なる角度から見た、図8に示されたストラドルマウントコネクタの別の斜視図である。
【図10】1列の電気コンタクトの典型的な一実施形態の一部と、接地プレートの典型的な一実施形態の一部とを示す斜視図である。
【図11】図10に示された接地プレートの一面を示す斜視図である。
【図12】ストラドルマウントコネクタの別の典型的な実施形態の斜視図である。
【図13】図12に示されたストラドルマウントコネクタの1列の電気コンタクトの典型的な一実施形態を示す斜視図である。
【図14】図1に示されたトランシーバ組立体のリセプタクルコネクタの典型的な一実施形態の斜視図である。
【図15】1列の電気コンタクトの典型的な一実施形態を示す、図14に示されたリセプタクルコネクタの一部の斜視図である。
【図16】図14及び図15に示されたリセプタクルコネクタの一部の部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明を例示により説明する。
【0010】
図1は、トランシーバ組立体10の典型的な一実施形態の一部の斜視図である。この典型的な実施形態において、トランシーバ組立体10は、とりわけ、SFP+規格で要求される少なくとも10Gbpsのデータ伝送速度等の高速でデータ信号を伝送することに対処するよう構成される。例えば、いくつかの実施形態では、トランシーバ組立体10は、少なくとも28Gbpsのデータ伝送速度でデータ信号を伝送するよう構成される。また、例えば、いくつかの実施形態では、トランシーバ組立体10は、約20〜30Gbpsのデータ伝送速度でデータ信号を伝送するよう構成される。しかし、本明細書で説明され図示された本発明の便益及び利点は、他のデータ伝送速度にも多様なシステム及び規格にわたって等しく生ずる。換言すると、本明細書で説明され図示された本発明は、10Gbps以上のデータ伝送速度、規格、本明細書に図示され説明された典型的なタイプのトランシーバ組立体に限定されない。
【0011】
トランシーバ組立体10は、ホスト回路基板16に実装されたリセプタクル組立体14内にプラグ脱着可能な挿入をするよう構成されたプラグ脱着可能なモジュール12を具備する。ホスト回路基板16は、例えばルータ、サーバ、コンピュータ等(但し、これらに限定されない)のホストシステム(図示せず)に実装される。ホストシステムは、ベゼル18を有する導電性筐体を具備するのが代表的である。ベゼル18は、リセプタクル組立体14とほぼ整合しベゼル18を貫通する開口20を有する。任意であるが、リセプタクル組立体14はベゼル18に電気接続される。
【0012】
プラグ脱着可能なモジュール12は、リセプタクル組立体14内に挿入されるよう構成される。具体的には、プラグ脱着可能なモジュール12は、プラグ脱着可能なモジュール12の前端22がリセプタクル組立体14から外方へ延びるように、ベゼル開口20を通ってリセプタクル組立体14内に挿入される。プラグ脱着可能なモジュール12はハウジング24を具備する。ハウジング24は、その内部に配置された回路基板26(図2及び図3参照)用の保護シェルを形成する。回路基板26は、公知の方法でトランシーバの機能を果たす回路、トレース、経路、デバイス等を有する。回路基板26の縁28(図2及び図3参照)は、ハウジング24の後端30で露出する。典型的な一実施形態において、コネクタ32(図2ないし図6参照)が、回路基板26に実装されると共に、以下に説明するように、リセプタクル組立体14のリセプタクルコネクタ34にプラグ接続するためにハウジング24の後端30を通って露出する。コネクタ32は図1には図示されていない。コネクタ32の代替として、プラグ脱着可能なモジュール12の回路基板26は、リセプタクルコネクタ34に直接嵌合してもよい。換言すると、いくつかの代替実施形態において、プラグ脱着可能なモジュール12の回路基板26の縁28は、リセプタクルコネクタ34のリセプタクル50内に受容され、プラグ脱着可能なモジュール12をリセプタクルコネクタ34に電気接続する。プラグ脱着可能なモジュール12、回路基板26やコネクタ32は、本明細書では「嵌合コネクタ」と称されることがある。
【0013】
一般に、プラグ脱着可能なモジュール12及びリセプタクル組立体14は、ホストシステムと電気信号や光信号と間のインタフェースを要求する用途で使用できる。プラグ脱着可能なモジュール12は、リセプタクル組立体14のリセプタクルコネクタ34を介し、リセプタクル組立体14を通ってホストシステムに接続される。リセプタクルコネクタ34は、ケージとも称されるリセプタクル案内フレーム36内に配置される。図1に示されるように、案内フレーム36は前端38を有し、前端38は、案内フレーム36の内部空間42に開放する前開口40を有する。リセプタクルコネクタ34は、案内フレーム36の後部44で内部空間42内に位置する。案内フレーム36の内部空間42は、プラグ脱着可能なモジュール12を内部に受容しリセプタクルコネクタ34と電気接続するよう構成される。
【0014】
プラグ脱着可能なモジュール12は、前端22のコネクタインタフェース46を通って1本以上の光ケーブル(図示せず)や1本以上の電気ケーブル(図示せず)に接続する。任意であるが、コネクタインタフェース46は、ファイバ組立体又はケーブル組立体(図示せず)と協働してファイバ組立体又はケーブル組立体をプラグ脱着可能なモジュール12に固定する機構を具備する。適当なコネクタインタフェース46は公知であり、LC型ファイバコネクタ用及び本出願人が提供するMTP/MPO型ファイバコネクタ用のアダプタが含まれる。
【0015】
図2は、リセプタクル組立体14と嵌合するプラグ脱着可能なモジュール12を示す、トランシーバ組立体10の断面図である。リセプタクルコネクタ34はホスト回路基板16上に実装される。リセプタクルコネクタ34は、リセプタクル50を有する誘電性コネクタ本体48を有する。ストラドルマウントコネクタ32は回路基板26の縁28に実装され、以下に詳細に説明されるように、回路基板26に電気接続される。
【0016】
リセプタクルコネクタ34のリセプタクル50は、その内部にストラドルマウントコネクタ32のプラグ52を受容する。リセプタクルコネクタ34は、電気コンタクト54及び電気コンタクト56を具備する。電気コンタクト54は、リセプタクル50内に延びると共にストラドルマウントコネクタ32のプラグ52の一面60上の対応する電気コンタクト58(図3及び図5参照)と係合する。電気コンタクト56もリセプタクル50内に延びるが、電気コンタクト56は、一面60とは反対側のプラグ52の他面64上の対応する電気コンタクト62(図3ないし図7参照)と係合する。ストラドルマウントコネクタ32の電気コンタクト58,62は、回路基板26の互いに逆の面70,72上の対応する導電コンタクトパッド66,68(図3参照)にそれぞれ電気接続され、回路基板26及びホスト回路基板16を電気接続する。電気コンタクト54は、本明細書では「補助コンタクト」と称されることがある。コンタクトパッド66やコンタクトパッド68は、本明細書では「嵌合コンタクト」や「コンタクト」と称されることがある。プラグ52の各面60,64は、本明細書では「第1面」、「第2面」と称されることがある。
【0017】
図3は、回路基板26及びストラドルマウントコネクタ32を示す、プラグ脱着可能なモジュール12の一部の分解図である。回路基板26は、互いに逆の面70,72及び縁68を有する。縁28は、縁面74と、縁面74近傍に延びる面70,72の部分とを有する。コンタクトパッド66は、縁28に沿って回路基板26の面70上に配列される。コンタクトパッド68は、縁28に沿って回路基板26の面72上に配列される。
【0018】
ストラドルマウントコネクタ32は、回路基板26の縁28に実装されるよう構成される。例えば、ストラドルマウントコネクタ32は、装填方向Aに沿って縁28上に装填される。ストラドルマウントコネクタ32の電気コンタクト58は実装部76を具備する。実装部76は、回路基板26の面70上の対応する1個のコンタクトパッド66に係合する実装インタフェース77を有する。ストラドルマウントコネクタ32の電気コンタクト62は実装部78を具備する。実装部78は、回路基板26の面72上の対応する1個のコンタクトパッド68に係合する実装インタフェース79を有する。電気コンタクト58,62の実装部76,78は、回路基板26の縁28に跨る。
【0019】
ストラドルマウントコネクタ32は誘電性コネクタ本体80を具備する。誘電性コネクタ本体80は、基部82と、基部82から外方へ延びるプラグ52とを有する。基部82は、回路基板26の縁28に結合されるよう構成される。典型的な一実施形態において、基部82は、回路基板26を基部82にしっかりと結合させるために、回路基板26の縁28の一部を基部82のスロット84内に圧入で受容する。しかし、基部82は、例えば、スナップ嵌合接続、ラッチ、ねじ又は他の固定具、接着剤(但し、これらに限定されない)等の手段を用いて、他の構造、手段、接続タイプ等を用いて、回路基板26の縁28に結合してもよい。任意であるが、プラグ脱着可能なモジュール12(図1及び図2参照)のハウジング24(図1参照)と干渉するために、基部82の一面88や一面90からリブ86が延びていてもよい。例えば、リブ86は、プラグ脱着可能なモジュール12が組み立てられてその後端30(図1参照)でハウジング24にストラドルマウントコネクタ32を固定する際に、プラグ脱着可能なモジュール12のハウジング24内に捕捉されてもよい。
【0020】
上述したように、プラグ52は、リセプタクルコネクタ34(図1、図2、図14ないし図16参照)のリセプタクル50(図2及び図14参照)内に受容されるよう構成される。プラグ52は互いに逆向きの両面60,64を有する。プラグ52は、基部82からプラグ52の端面92まで外方へ長さLだけ延びる。後述するように、プラグ52は、内部に接地プレート96(図5ないし図7参照)を受容するプレートキャビティ94を有する。
【0021】
ストラドルマウントコネクタ32の電気コンタクト58,62はコネクタ本体80に保持される。電気コンタクト62は、信号コンタクト62a及び接地コンタクト62bを有する。信号コンタクト62aは電気データ信号を伝送するよう構成されるのに対し、接地コンタクト62bは接地に電気接続されるよう構成される。任意であるが、電気コンタクト62は、電力を伝送するよう構成された1本以上の電力コンタクトを有してもよい。典型的な一実施形態において、ストラドルマウントコネクタ32の電気コンタクト58は信号コンタクト58aを有するが、接地コンタクトを有していない。しかし、別の実施形態では、電気コンタクト58は接地コンタクトを有する。任意であるが、電気コンタクト58は、電力を伝送するよう構成された1個以上の電力コンタクトを有してもよい。各信号コンタクト58a,62aは、本明細書では「第1信号コンタクト」及び「第2信号コンタクト」と称されることがある。
【0022】
ストラドルマウントコネクタ32の電気コンタクト58は、電気コンタクト58がリセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト54(図2及び図14参照)と係合する嵌合インタフェース100を有する嵌合部98を具備する。電気コンタクト58の嵌合インタフェース100及び対応する電気コンタクト54の係合は、コネクタ32,34を電気接続する。電気コンタクト58の嵌合部98は、プラグ52の面60に沿って長さL1だけ延びる1列102で配列される。列102は、列の軸104に沿って長さL1だけ延びる。電気コンタクト58は、本明細書では「第1組」や「第2組」と称されることがある。列102は、本明細書では「第1列」や「第2列」と称されることがある。各嵌合部98は、本明細書では「接地嵌合部」と称されることがある。
【0023】
図4は、図3とは異なる角度から見たストラドルマウントコネクタ32の斜視図である。より具体的には、図3はプラグ52及び基部82の面60,88をそれぞれ示すのに対し、図4はプラグ52及び基部82の面64,90をそれぞれ示す。ストラドルマウントコネクタ32の電気コンタクト62は、電気コンタクト62がリセプタクルコネクタ34(図1、図2、図14ないし図16参照)の対応する電気コンタクト56(図2、図15及び図16参照)と係合する嵌合インタフェース108を有する嵌合部106を具備する。電気コンタクト62の嵌合インタフェース108及び対応する電気コンタクト56の係合は、コネクタ32,34を電気接続する。電気コンタクト62の嵌合部106は、プラグ52の面64に沿って長さL2だけ延びる1列110で配列される。列110は、列の軸112に沿って長さL2だけ延びる。電気コンタクト62は、本明細書では「第1組」や「第2組」と称されることがある。列110は、本明細書では「第1列」や「第2列」と称されることがある。
【0024】
図5は、ストラドルマウントコネクタ32の断面図である。図5は、電気コンタクト62の列110内の信号コンタクト62a及び電気コンタクト58の列102内の信号コンタクト58aを示す。信号コンタクト58a,62aは、コネクタ本体内80の基部82にしっかりと結合されたコンタクト基部114a,116aを有する。典型的な一実施形態において、コンタクト基部114a,116aは1個以上の保持ボス118a,120aをそれぞれ有する。保持ボス118a,120aは、基部82の一部と係合して基部の82の一部と圧入を形成し、コネクタ本体80に対して所定位置にコンタクト58a,62aを保持する。加えて又は代わりに、コンタクト58aやコンタクト62aは、例えば、スナップ嵌合接続、ラッチ、ねじ又は他の固定具、接着剤等(但し、これらに限定されない)等の手段を用いて、他の構造、手段、接続タイプ等を用いて、コネクタ本体80にしっかりと結合されてもよい。
【0025】
信号コンタクト58a,62aの嵌合部98a,106aは、プラグ52の面60,64に沿ってコンタクト基部114a,116aから外方へそれぞれ長さL3,L4だけ延びる。嵌合部98a,106aの嵌合インタフェース100a,108aは、リセプタクルコネクタ34(図1、図2、図14ないし図16参照)の電気コンタクト54(図2及び図14参照)及び電気コンタクト56(図2、図15及び図16参照)と嵌合するためにそれぞれ設けられる。各嵌合部98a,106aは、本明細書では「信号嵌合部」と称されることがある。
【0026】
信号コンタクト58a,62aの実装部76a,78aは、嵌合部98a,106aとは逆向きにコンタクト基部114a,116aから外方へそれぞれ延びる。実装部76a,78aは、回路基板26(図2及び図3参照)の面70,72上の各コンタクトパッド66,68(図3参照)と係合する実装インタフェース77a,79aを有する。回路基板26の縁28(図2及び図3参照)を受容するために、実装部76a,78aの間には空間122が設けられる。換言すると、信号コンタクト58a,62aの実装部76a,78aは、その間に回路基板26の縁28を跨ぐ。任意であるが、実装インタフェース77aや実装インタフェース79aは、各コンタクトパッド66,68に半田付けされる。他の実施形態では他の実装手段も可能である。任意であるが、図5に見られるように、信号コンタクト58a,62aは、プラグ52の逆向きの面60,64上で信号コンタクト58aが信号コンタクト62aと整列するように配列される。
【0027】
簡潔に上述したように、プラグ52は、接地プレート96を受容するプレートキャビティ94を有する。プレートキャビティ94は、面60,64間のプラグ52内に延びる。プレートキャビティ94は、プラグ52の端面92に向かってプラグ52に沿って延びる。任意であるが、プレートキャビティ94は端面92を貫通してもよい。図5は、プレートキャビティ94内に受容された接地プレート96を示す。接地プレート96は、プレートキャビティ94内に取り付けられると、各列102,110の長さL1(図3参照),L2(図4参照)に沿って電気コンタクト58,62の列102,110の間を延びる。接地プレート96は、信号コンタクト58a,62aの嵌合部98a,106aの長さL3,L4に沿って列102,110の間を延びる。任意であるが、図5に見られるように、接地プレート96は、信号コンタクト58a,62aの嵌合部98a,106aの長さL3,L4の全長に沿って列102,110の間を延びる。接地プレート96がプレートキャビティ94内に取り付けられると、プラグ52は、誘電性材料製の下層101、接地プレート96により区画される中間層105、及び誘電性材料製の上層103からなる層構造を有する。下層101はプラグ52の面60を含むのに対し、上層103はプラグ52の面64を含む。
【0028】
図6は、電気コンタクト62の接地コンタクト62b及び接地プレート96を示す、ストラドルマウントコネクタの部分分解斜視図である。図6は、プラグ52の面64に沿って配列された電気コンタクト62の列110内の信号コンタクト62aを示す。しかし、電気コンタクト62の列110内の接地コンタクト62bは、明瞭にするためにプラグ52の面64から分離した状態で図示されている。また、接地プレート96は、明瞭にするためにプラグ52から分離した状態で図示されている。
【0029】
接地コンタクト62bは、コネクタ本体80の基部82に任意でしっかりと結合されたコンタクト基部116bを有する。典型的な一実施形態において、コンタクト基部116bは1個以上の保持ボス120bをそれぞれ有する。保持ボス120bは、基部82の一部と係合して基部の82の一部と圧入を形成し、コネクタ本体80に対して所定位置に接地コンタクト62bを保持する。加えて又は代わりに、接地コンタクト62bは、例えば、スナップ嵌合接続、ラッチ、ねじ又は他の固定具、接着剤(但し、これらに限定されない)等の手段を用いて、他の構造、手段、接続タイプ等を用いて、コネクタ本体80にしっかりと結合されてもよい。
【0030】
接地コンタクト62bの嵌合部106bは、コンタクト基部116bから外方へ長さL5だけ延びる。図4に示されるように、嵌合部106bはプラグ52の面64に沿って延びる。嵌合部106bの嵌合インタフェース108bは、リセプタクルコネクタ34(図1、図2、図14ないし図16参照)の対応する電気コンタクト56(図2、図15及び図16参照)と嵌合するために設けられる。各嵌合部106bは、本明細書では「接地嵌合部」と称されることがある。
【0031】
接地コンタクト62bは、接地プレート96及び接地コンタクト62bが電気的に共通となるように、接地プレート96と任意で係合すると共に接地プレート96に電気接続される。例えば、接地コンタクト62bの嵌合部106bは、プラグ52の面64を貫通すると共にプレートキャビティ94(図4及び図5参照)と繋がる開口124を任意に貫通する。開口124は、嵌合部106bを接地プレート96に係合させることにより接地プレート96に電気接続させる。任意であるが、コンタクト基部116bは、接地コンタクト62bを接地プレート96に実装するための保持タブ126を有する。
【0032】
接地コンタクト62bの実装部78bは、嵌合部106bとは逆向きにコンタクト基部116bから外方へ延びる。実装部78bは、回路基板26の面72(図2及び図3参照)上の対応するコンタクトパッド68(図3参照)と係合する実装インタフェース79bを有する。任意であるが、実装インタフェース79bは、対応するコンタクトパッド68に半田付けされる。他の実施形態では他の実装手段も可能である。
【0033】
接地プレート96は、一端128から反対側の端130まで長さL6だけ延びる。接地プレート96は、一端132から反対側の端134まで幅Wだけ延びる。典型的な一実施形態において、図6に見られるように、接地プレート96はほぼ平坦である。より具体的には、接地プレート96は、端128,130間、及び端132,134間に区画されるほぼ平坦形状を有する。任意であるが、接地プレート96は、接地コンタクト62bを接地プレート96に実装するために接地コンタクト62bの保持タブ126を圧入で受容する複数のスロット136を有する。加えて又は代わりに、例えば、スナップ嵌合接続、ラッチ、ねじ又は他の固定具、接着剤(但し、これらに限定されない)等の手段を用いて、接地コンタクト62bを接地プレート96に実装するのに他の構造、手段、接続タイプ等を用いてもよい。
【0034】
図4を再度参照すると、接地プレート96は破線で指示される。接地プレート96は、プレートキャビティ94内に取り付けられると、各列102,110の長さL1(図3参照)及び長さL2に沿って電気コンタクト58,62の列102,110間を延びる。より具体的には、接地プレート96の長さL6(図6参照)は、各列102,110の長さL1及び長さL2に沿って電気コンタクト58,62の列102,110間を延びる。任意であるが、接地プレート96の長さL6は、各列102,110の長さL1及び長さL2の全長に沿って列102,110間を延びてもよい。
【0035】
接地プレート96はまた、各嵌合部98,106の長さに沿って電気コンタクト58(図3及び図5参照)及び電気コンタクト62の列102,110の間を延びる。より具体的には、接地プレート96の幅Wは、列110の信号コンタクト62a及び接地コンタクト62bの各嵌合部106a,106bの長さL4及び長さL5に沿って電気コンタクト58,62の列102,110間を延びる。任意であるが、接地プレート96の幅Wは、各嵌合部106a,106bの長さL4及び長さL5の全長に沿って列102,110間を延びてもよい。接地プレート96の幅Wはまた、列110の信号コンタクト58の嵌合部98の長さL3に沿って電気コンタクト58,62の列102,110間を延びる。任意であるが、接地プレート96の幅Wは、嵌合部98の長さL3の全長に沿って列102,110間を延びてもよい。
【0036】
図7は、電気コンタクト62の列110及び接地プレート96を示す斜視図である。図7に見られるように、電気コンタクト62の接地コンタクト62bは、接地コンタクト62が接地プレート96と係合し電気接続するように、接地プレート96に実装される。或いは、1個以上の接地コンタクト62bは、接地プレート96に実装されず、または接地プレート96に係合していなくてもよい。
【0037】
典型的な一実施形態において、列110の信号コンタクト62aは、差動対62Aで配列される。或いは、列110の1個以上の信号コンタクト62aは、列110の他の信号コンタクト62aと差動対で配列されていない。また、列110の1個以上の信号コンタクト62aは、列102(図4及び図5参照)の信号コンタクト58a(図3及び図5参照)内に差動対で配列されてもよい。
【0038】
接地コンタクト62bは、信号コンタクト62aの差動対62A間に配列される。より具体的には、接地コンタクト62bの嵌合部106bは、信号コンタクト62aの隣接する差動対62Aの嵌合部106a間の列110内に配列される。接地コンタクト62bの嵌合部106bは、隣接する信号コンタクト62aの嵌合部106a間を電気シールドする。典型的な一実施形態において、図7に示されるように、接地コンタクト62bは、信号コンタクト62aの隣接する差動対62A間を電気シールドする。任意であるが、電気コンタクト62の列110は、列110の一端138や反対側の端141に接地コンタクト62bを有する。単一の信号コンタクト62bのみが、隣接する差動対62A間を延びるものとして示されているが、隣接する差動対62A間には任意の数の接地コンタクト62bが延びてもよい。
【0039】
各電気コンタクト62の嵌合部106は、対向する基板側面140と、基板側面140間を延びる対向する縁側面142とを有する。より具体的には、信号コンタクト62aの嵌合部106aは基板側面140a及び縁側面142aを有するのに対し、接地コンタクト62bの嵌合部106bは基板側面140b及び縁側面142bを有する。図7に見られるように、基板側面140aは、縁側面142aより大きな表面積を有する。同様に、基板側面140bは、縁側面142bより大きな表面積を有する。接地コンタクト62bの基板側面140bは、信号コンタクト62aの縁側面142aより大きな表面積を有する。差動対62A内では、1個の信号コンタクト62aの縁側面142aは、任意に他の信号コンタクト62aの縁側面142aと対面する。例えば、差動対62A内の信号コンタクト62aの縁側面142aは、任意に互いにほぼ平行に延びる。差動対62A内の信号コンタクト62aの嵌合部106aは、信号コンタクトの少なくともいくつかの公知の差動対の嵌合部より接近して位置してもよい。
【0040】
各接地コンタクト62bについては、嵌合部106bの基板側面140bは、隣接する信号コンタクト62aの嵌合部106aの対応する縁側面142aと対面する。例えば、接地コンタクト62baの嵌合部106bの1個の基板側面140baは隣接する信号コンタクト62aaの嵌合部106aの縁側面142aaと対面するのに対し、接地コンタクト62baの嵌合部106bの別の基板側面140bbは別の隣接する信号コンタクト62abの嵌合部106aの縁側面142abと対面する。任意であるが、接地コンタクト62bの縁側面142bは、図7に示される平面148で指示されるように、信号コンタクト62aの基板側面140aと共平面に延びる。
【0041】
接地コンタクト62bの嵌合部106bは、少なくともいくつかの公知の接地コンタクトより多くのシールド量を提供できる。また、接地コンタクト62bの嵌合部106bは、少なくともいくつかの公知の接地コンタクトと比較して同じシールド量を提供しながら、隣接する信号コンタクト62a(例えば、信号コンタクト62aの隣接する差動対62A)をより接近させることができる。
【0042】
典型的な一実施形態において、図7に見られるように、接地コンタクト62bの嵌合部106bの基板側面140bは、隣接する信号コンタクト62aの嵌合部106aの基板側面140aにほぼ直交して延びる。例えば、接地コンタクト62bの基板側面140bは平面146内に位置し、信号コンタクト62aの基板側面140aは平面148内に位置する。平面146は、平面148にほぼ直交する向きを向く。しかし、接地コンタクト62bの嵌合部106bの基板側面140bは、隣接する信号コンタクト62aの嵌合部106aの基板側面140aに対して非平行な角度で延びていてもよい。
【0043】
図3を再度参照すると、典型的な一実施形態において、電気コンタクト58の列102は接地コンタクトを有していない。或いは、電気コンタクト58の列102は、1個以上の接地コンタクトを有する。例えば、電気コンタクト58の列102は、信号コンタクト58a(図3及び図5参照)の嵌合部98aの形状や方向性を有する嵌合部を有する1個以上の接地コンタクトを有する。別の例は、接地コンタクト62b(図3、図4、図6及び図7参照)の嵌合部106b(図4、図6及び図7参照)の形状や方向性を有する嵌合部を有する1個以上の接地コンタクトを有する電気コンタクト58の列102を設けることである。
【0044】
電気コンタクト58の列102が少なくとも1個の接地コンタクトを有する実施形態において、列102内の1個以上の接地コンタクトは、列110内の1個以上の接地コンタクト62bに電気接続され、電気接続された接地コンタクトを電気的に共通にしてもよい。例えば、列102内の接地コンタクトは、列110内の接地コンタクト62bと係合してもよい。また、例えば、列102内の接地コンタクトは、接地プレート96を介して列110内の接地コンタクト62bに電気接続(例えば、両接地コンタクトが接地プレート96と係合)されてもよい。
【0045】
図8は、別の典型的な実施形態のストラドルマウントコネクタ232の斜視図である。ストラドルマウントコネクタ232は、異なる列302(図9参照)に配列された対応する接地コンタクト258b(図9参照)と係合する、1列310に配列された接地コンタクト262bを具備する。ストラドルマウントコネクタ232は、ストラドルマウントコネクタ32(図2ないし図6参照)とほぼ同様に、回路基板26(図2及び図3参照)の縁28(図2及び図3)に実装されるよう構成される。
【0046】
ストラドルマウントコネクタ232は、誘電性コネクタ本体280を具備する。誘電性コネクタ本体280は、基部282と、基部282から外方へ延びるプラグ252とを有する。プラグ252は、リセプタクルコネクタ34(図1、図2、図14ないし図16参照)のリセプタクル50(図2及び図14参照)内に受容されるよう構成される。プラグ252は、互いに対向する面260,264を有する。図8は、プラグ252の面264を図示する。任意であるが、プラグ252は、内部に任意の接地プレート296(図10及び図11参照)を受容するプレートキャビティ(図示せず)を有する。プラグ252の各面260,264は、本明細書では「第1面」、「第2面」と称されることがある。
【0047】
コネクタ本体280は、複数の電気コンタクト258(図9参照)及び複数の電気コンタクト262を保持する。電気コンタクト262は、信号コンタクト262a及び接地コンタクト262bを具備する。信号コンタクト262aは電気データ信号を伝送するよう構成されるのに対し、接地コンタクト262bは接地に電気接続されるよう構成される。任意であるが、電気コンタクト262は、電力を伝送するよう構成された1個以上の電力コンタクトを有してもよい。信号コンタクト262a及び接地コンタクト262bは、電気コンタクト262がリセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト56(図2、図15及び図16参照)と係合する嵌合インタフェース308a,308bを有する嵌合部306a,306bを具備する。信号コンタクト262a及び接地コンタクト262bの嵌合部306a,306bは、プラグ252の面264に沿って所定長さだけ延びる列310に配列される。電気コンタクト262は、本明細書では「第1組」や「第2組」と称されることがある。列310は、本明細書では「第1列」や「第2列」と称されることがある。各電気コンタクト262aは、本明細書では「第1信号コンタクト」や「第2信号コンタクト」と称されることがある。各嵌合部306aは、本明細書では「信号嵌合部」と称されることがある。各嵌合部306bは、本明細書では「接地嵌合部」と称されることがある。
【0048】
図9は、図8とは異なる角度から見たストラドルマウントコネクタ232の別の斜視図である。図9は、プラグ252の面260を図示する。電気コンタクト258は、信号コンタクト258a及び接地コンタクト258bを具備する。信号コンタクト258bは電気信号を伝送するよう構成されるのに対し、接地コンタクト258bは接地に電気接続されるよう構成される。任意であるが、電気コンタクト258は、電力を伝送するよう構成された1個以上の電力コンタクトを具備する。各信号コンタクト258aは、本明細書では「第1信号コンタクト」や「第2信号コンタクト」と称されることがある。
【0049】
信号コンタクト258a及び接地コンタクト258bは、電気コンタクト262がリセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト54(図2及び図14参照)と係合する嵌合インタフェース300a,300bを有する嵌合部298a,298bを具備する。信号コンタクト258a及び接地コンタクト258bの嵌合部298a,298bは、プラグ252の面260に沿って所定長さだけ延びる列302に配列される。電気コンタクト258は、本明細書では「第1組」や「第2組」と称されることがある。列302は、本明細書では「第1列」や「第2列」と称されることがある。各嵌合部298aは、本明細書では「信号嵌合部」と称されることがある。各嵌合部298bは、本明細書では「接地嵌合部」と称されることがある。
【0050】
図9に見られるように、列310の少なくとも1個の接地コンタクト262bは、プラグ252の面260に沿って延びる共通部(commoning segment)350を具備する。共通部350は、列302の対応する1個の接地コンタクト258bと係合し、列310の接地コンタクト262bを列302の対応する接地コンタクト258bに電気接続する。図8を再度参照すると、共通部350は、プラグ252の面264に沿って対応する接地コンタクト262bの嵌合部306bから外方へ延びる。図8及び図9を一緒に考慮すると明白であるように、共通部350は、プラグ252の面264からプラグ252の面260まで延びる。図9を再度参照すると、共通部350は、プラグ252の面260に沿って延び、列302の対応する接地コンタクト258bの嵌合部298bの接触先端352と係合状態となる。
【0051】
典型的な一実施形態において、共通部350はプラグ252を貫通する。より具体的には、共通部350は、プラグ252の面264からプラグ252を通ってプラグ252の面260まで延びる。或いは、共通部350は、プラグ252の面264からプラグ252の端面292を越えて面260まで延びる。いくつかの接地コンタクト262bのみが共通部を有するように図示されているが、列310の全接地コンタクト262bが共通部350を有してもよい。
【0052】
ストラドルマウントコネクタ232は、接地プレート296が電気コンタクト258,262の列302,310間を延びるように、プラグ252内に保持された接地プレート296(図10及び図11参照)を任意で有する。図10は、電気コンタクト262の列310の一部と、接地プレート296の一部とを示す斜視図である。列310の信号コンタクト262aは、明瞭にするために除去されている。接地プレート296は、対向する面354,356と、面354から面356まで延びる縁358とを有する。接地プレート296がプラグ252内に保持されると、接地プレート296の面354はプラグ252の面264と対面するのに対し、面356はプラグ252の面260と対面する。
【0053】
列310の接地コンタクト262bは、嵌合部106bが接地プレート296の面354に沿って延びるように、接地プレート296に実装される。共通部350は、接地プレート296の面354に沿って対応する嵌合部106bから外方へ延びる。共通部350は、接地プレート296の一縁358aを越えて接地プレート296の面356まで延びる。図11は、接地プレート296の面356を示す別の斜視図である。共通部350は、接地プレート296の面354から縁358aを越えて面356まで延びる。図11に見られるように、共通部350は、列302(図9参照)の対応する接地コンタクト258b(図9参照)の接触先端352(図9参照)と係合するために、接地プレート296の面356に沿って接地プレート296の一縁358bの方へ延びる。
【0054】
図12は、別の典型的な実施形態のストラドルマウントコネクタ432の斜視図である。ストラドルマウントコネクタ432は、嵌合シーケンスを有する1列510の電気コンタクト462を具備する。換言すると、列510のいくつかの電気コンタクト462は、列510の他の電気コンタクト462の前に、リセプタクルコネクタ34(図1、図2、図14ないし図16参照)の対応する電気コンタクト56(図2、図15及び図16参照)と嵌合する。ストラドルマウントコネクタ432は、ストラドルマウントコネクタ32(図2ないし図6参照)及びストラドルマウントコネクタ232(図8及び図9参照)とほぼ同様に、回路基板26(図2及び図3参照)の縁28(図2及び図3参照)に実装されるよう構成される。電気コンタクト462は、本明細書では「第1組」や「第2組」と称されることがある。
【0055】
ストラドルマウントコネクタ432は、誘電性コネクタ本体480を具備する。誘電性コネクタ本体480は、基部482と、基部482から外方へ延びるプラグ452とを有する。プラグ452は、リセプタクルコネクタ34のリセプタクル50(図2及び図14参照)内に受容されるよう構成される。プラグ452は、互いに対向する面460,464を有すると共に、基部482からプラグ452の端面492まで外方に所定長さだけ延びる。任意であるが、プラグ452は、内部に任意の接地プレート(図示せず)を受容するプレートキャビティ(図示せず)を有する。プラグ452の各面460,464は、本明細書では「第1面」、「第2面」と称されることがある。
【0056】
コネクタ本体480は、複数の電気コンタクト462を保持する。電気コンタクト462は、電気コンタクト462がリセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト56と係合する嵌合インタフェース508を有する嵌合部506を具備する。電気コンタクト462の嵌合部506は、プラグ452の面464に沿って所定長さだけ延びる列510に配列される。列510は、本明細書では「第1列」や「第2列」と称されることがある。各嵌合部506は、本明細書では「信号嵌合部」や「接地嵌合部」と称されることがある。
【0057】
コネクタ本体480は、プラグ452の面460上に1列に配列された嵌合部(図示せず)を有する複数の電気コンタクト(図示せず)を任意で保持する。プラグ452の面460上に配列された嵌合部を有するこのような列の電気コンタクトは、電気コンタクトがリセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト54(図2及び図14参照)と係合する嵌合インタフェース(図示せず)を具備する。プラグ452の面460上の各電気コンタクトは、本明細書では「第1信号コンタクト」や「第2信号コンタクト」と称されることがある。
【0058】
電気コンタクト462は、信号コンタクト462a及び接地コンタクト462aを有する。電気コンタクト462は、電力コンタクト462c、寄せ集め信号コンタクト462dや1個以上の検知コンタクト462eを任意に有する。信号コンタクト462aは、電気データ信号を伝送するよう構成されると共に、差動対462Aに配列される。接地コンタクト462bは、接地に電気接続されるよう構成される。電力コンタクト462cは、電力を伝送するよう構成される。寄せ集め信号コンタクト462dは、電気データ信号を伝送するよう構成されるが、差動対に配列されていない。検知コンタクト462eは、列510の他の電気コンタクト462全てがリセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト56と嵌合完了した等の(ただし、これに限定されない)所定の事象を検知するよう構成される。ストラドルマウントコネクタ432は、任意の数の電気コンタクト462a,462b,462c,462d,462eを有してもよい。各信号コンタクト462aは、本明細書では「第1信号コンタクト」や「第2信号コンタクト」と称されることがある。
【0059】
電気コンタクト462の嵌合部506は、基部482から嵌合部506の接触先端552までプラグ452の面464に沿って所定長さだけ延びる。少なくとも1個の電気コンタクト462は、少なくとも1個の他の電気コンタクト462の接触先端552よりもプラグ452の端面492に接近して位置する接触先端552を有する。従って、プラグ452がリセプタクルコネクタ34のリセプタクル50(図2及び図14参照)に挿入されると、端面492より接近した接触先端552を有する電気コンタクト462の嵌合部506は、端面492からより遠い接触先端552を有する電気コンタクト462の嵌合部506が対応する電気コンタクト56と嵌合する前に、リセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト56と嵌合する。
【0060】
典型的な一実施形態において、検知コンタクト462eの嵌合部506は、基部482から検知コンタクト462eの接触先端552eまで面464に沿って長さL7だけ延びる。このため、検知コンタクト462eの接触先端552eは、プラグ452の端面492から距離Dに位置する。信号コンタクト462aの嵌合部506は、基部482から信号コンタクト462aの接触先端552まで面464に沿って長さL8だけ延びる。寄せ集め信号コンタクト462dの嵌合部506もまた、基部482から寄せ集めコンタクト462dの接触先端552まで面464に沿って長さL8だけ延びる。従って、信号コンタクト462a及び寄せ集め信号コンタクト462dの接触先端552はそれぞれ、プラグ452の端面492から距離D1に位置する。電力コンタクト462cの嵌合部506は、基部482から電力コンタクト462cの接触先端552まで面464に沿って長さL9だけ延びる。このため、電力コンタクト462cの接触先端552は、プラグ452の端面492から距離D2に位置する。接地コンタクト462bの嵌合部506は、基部482から接地コンタクト462bの接触先端552まで面464に沿って長さL10だけ延びる。従って、接地コンタクト462bの接触先端552は、プラグ452の端面492から距離D3に位置する。
【0061】
図12に見られるように、典型的な一実施形態において、長さL10は長さL9より大きく、長さL9は長さL8より大きく、長さL8は長さL7より大きい。従って、距離Dは距離D1より大きく、距離D1は距離D2より大きく、距離D2は距離D3より大きい。このため、接地コンタクト462bの接触先端552bは、電力コンタクト462cの接触先端552cよりプラグ452の端面492に近接して位置する。電力コンタクト462cの接触先端552cは、信号コンタクト462a及び寄せ集め信号コンタクト462dの接触先端552a,552dよりプラグ452の端面492に近接して位置する。信号コンタクト462a及び寄せ集め信号コンタクト462dの接触先端552a,552dはそれぞれ、検知コンタクト462eの接触先端552eよりプラグ452の端面492に近接して位置する。
【0062】
従って、プラグ452がリセプタクルコネクタ34のリセプタクル50内に挿入されると、接地コンタクト462bが、リセプタクルコネクタ34の対応するコンタクト56と最初に嵌合する。次に、電力コンタクト462cが、リセプタクルコネクタ34の対応するコンタクト56と嵌合する。その後、信号コンタクト462a及び寄せ集め信号コンタクト462dが、対応するコンタクト56と嵌合する。検知コンタクト462eは、リセプタクルコネクタ34の対応するコンタクト56と嵌合する最後の電気コンタクト462である。換言すると、電気コンタクト462のリセプタクルコネクタ34の対応する電気コンタクト56との嵌合シーケンスは、接地コンタクト462bで始まり、次に電力コンタクト462cであり、その後、信号コンタクト462a及び寄せ集め信号コンタクト462dであり、最後が検知コンタクト462eである。
【0063】
典型的な一実施形態において、電気コンタクト462の対応する電気コンタクト56との嵌合シーケンスは、4段階からなる。すなわち、嵌合シーケンスの第1段階は接地コンタクト462bであり、第2段階は電力コンタクト462cであり、第3段階は信号コンタクト462a及び寄せ集め信号コンタクト462dであり、第4段階は検知コンタクト462eである。しかし、電気コンタクト462の嵌合シーケンスは、任意の他の数の段階からなっていてもよい。さらに、嵌合シーケンスは、本明細書で説明し図示された電気コンタクト462a,462b,462c,462d,462eの順に限定されない。むしろ、嵌合シーケンスは、電気コンタクト462a,462b,462c,462d,462eの任意の嵌合の他の順からなっていてもよい。例えば、リセプタクルコネクタ34のコネクタ本体48は互いに対して異なる長さや位置でリセプタクルコネクタ34の電気コンタクトを提供するよう再構成される必要はないので、ストラドルマウントコネクタ432に嵌合シーケンスを設けることにより、リセプタクルコネクタ34をより容易に或いはより低コストで製造することができる。
【0064】
図13は、電気コンタクト462の列510を示す斜視図である。典型的な一実施形態において、図13に見られるように、異なる長さL7,L8,L9,L10(図12参照)は、電気コンタクト462を異なる全長にすることにより与えられる。例えば、各接地コンタクト462bの全長OLは、各電力コンタクト462cの全長OL1よりも長い。同様に、各電力コンタクト462cの全長OL1は、各信号コンタクト462a及び各寄せ集め信号コンタクト462dの全長OL2よりも長い。最後に、各コンタクト462a,462dの全長OL2は、検知コンタクト462eの全長OL3よりも長い。しかし、別の実施形態において、1個以上の電気コンタクト462の位置は、異なる長さL7,L8,L9,L10を提供するよう1個以上の他の電気コンタクト462に対してプラグ452(図12参照)の長さに沿ってずれている。
【0065】
図14は、リセプタクルコネクタ34の典型的な一実施形態の斜視図である。リセプタクルコネクタ34は、前端600から後端602まで延びると共に下面604を有するコネクタ本体48を有する。コネクタ本体48は、下面604でホスト回路基板16(図1及び図2参照)に実装されるよう構成される。コネクタ本体48の前端600はリセプタクル50を有する。特に、リセプタクル50は、前端600を貫通すると共に後端602に向かってコネクタ本体48内に延びる。
【0066】
リセプタクルコネクタ34の電気コンタクト54はコネクタ本体48に保持される。任意であるが、コネクタ本体48は、内部に対応する電気コンタクト54を受容する複数の溝606を有する。溝606は、互いに対して所定位置(例えば、横並び位置)に電気コンタクト54を保持することを容易にする。電気コンタクト54は、嵌合部608と、実装足610を含む実装部609とを有する。電気コンタクト54の実装部609は、コネクタ本体48の前端600に沿って延びる列611に配列される。電気コンタクト54の嵌合部608は、列612内に配列されると共にリセプタクル50内に延びる。嵌合部608は、リセプタクル50内に露出する嵌合インタフェース614を有する。電気コンタクト54の嵌合インタフェース614は、ストラドルマウントコネクタ32(図2ないし図6参照)の対応する1個の電気コンタクト58(図3及び図5参照)と係合するよう構成される。
【0067】
図14に見られるように、電気コンタクト54の実装足610は、コネクタ本体48の前端600に沿って延びる。典型的な一実施形態において、各電気コンタクト54の実装足610は、ホスト回路基板16に表面実装されるよう構成される。特に、実装足610は、電気接続や光接続におけるホスト回路基板16上の対応する接続部(図示せず)上に実装される。別の実施形態において、1個以上の電気コンタクト54は、ホスト回路基板16のバイア(図示せず)内に受容される(実装足610の代わりの)コンプライアントピン(但し、これに限定されない)等の、表面実装とは別のタイプの実装を用いてホスト回路基板16に実装される。
【0068】
リセプタクルコネクタ34は、任意の数の電気コンタクト54を有してもよい。各電気コンタクト54は、信号コンタクト、接地コンタクト、又は電力コンタクトである。任意であるが、信号コンタクトとして使用されるいくつか又は全ての電気コンタクト54は、差動信号を伝送する対内で各信号コンタクトと対に配列され、このため1対以上の差動対を形成する。電気コンタクト54の配列内では、信号コンタクトの互いに隣接する差動対間に、1個以上の接地コンタクトが設けられる。任意の他の配列に電気コンタクト54を設けてもよい。
【0069】
リセプタクルコネクタ34のコネクタ本体48はまた、ストラドルマウントコネクタ32の対応する電気コンタクト62(図3ないし図7参照)と嵌合する電気コンタクト56(図15及び図16参照)を保持する。コネクタ本体48は、内部に対応する電気コンタクト56を受容する複数の任意溝(図示せず)を有する。溝606と同様に、これらの溝は、互いに対して所定位置(例えば、横並び位置)に電気コンタクト56を保持することを容易にする。
【0070】
任意であるが、リセプタクルコネクタ34のいくつか又は全ての電気コンタクト56は、リセプタクルコネクタ34のいくつか又は全ての電気コンタクト54より高速でデータ信号を伝送する。例えば、いくつかの実施形態において、電気コンタクト56のうちの信号コンタクト56a(図15及び図16参照)は少なくとも10Gbpsのデータ速度でデータ信号を伝送するのに対し、電気コンタクト54は10Gbps未満の速度でデータ信号を伝送する。また、例えば、いくつかの実施形態において、信号コンタクト56aは少なくとも28Gbpsのデータ伝送速度でデータ信号を伝送するのに対し、電気コンタクト54は28Gbpsの速度でデータ信号を伝送する。また、例えば、いくつかの実施形態において、信号コンタクト56aは約20〜30Gbpsのデータ伝送速度でデータ信号を伝送するのに対し、電気コンタクト54は20Gbps未満の速度でデータ信号を伝送する。別の実施形態において、リセプタクルコネクタ34のいくつか又は全ての電気コンタクト56は、リセプタクルコネクタ34のいくつか又は全ての電気コンタクトと同じかより遅い速度でデータ信号を伝送する。いくつかの信号コンタクト56aのデータ速度と比較する目的のために、電力又は接地を伝送する電気コンタクト54は、約0Gbpsの速度で信号を伝送することが考慮される。信号コンタクト56aは、本明細書では「信号嵌合コンタクト」と称されることがある。
【0071】
図15は、1列618の電気コンタクト56を示す、リセプタクルコネクタ34の一部の斜視図である。リセプタクルコネクタ34のコネクタ本体48(図2及び図14参照)及び電気コンタクト54(図2及び図14参照)は、明確化のために除去されている。電気コンタクト56は、信号コンタクト56a及び接地コンタクト56bを有する。信号コンタクト56aは電気データ信号を伝送するよう構成されるのに対し、接地コンタクト56bは接地に電気接続するよう構成される。任意であるが、電気コンタクト56の列618は、電力を伝送するよう構成された1個以上の電力コンタクトを有する。接地コンタクト56bは、本明細書では「接地嵌合コンタクト」と称されることがある。
【0072】
典型的な一実施形態において、信号コンタクト56aは差動対56Aで配列される。或いは、いくつか又は全ての信号コンタクト56aは差動対で配列されていない。信号コンタクト56aは、嵌合部620a及び実装部621aを有する。実装部621aは実装足622aを有する。図14及び図15の比較から明白であるように、信号コンタクト56aの嵌合部620aは、リセプタクルコネクタ34のリセプタクル50(図2及び図14参照)内に延びる。信号コンタクト56aの嵌合部620aは、リセプタクル50内に露出すると共にストラドルマウントコネクタ32(図2ないし図6参照)の対応する1個の信号コンタクト62a(図3ないし図5及び図7参照)と係合する嵌合インタフェース624aを有する。
【0073】
接地コンタクト56bはまた、嵌合部620bと、実装足622bを含む実装部621bとを有する。接地コンタクト56bの嵌合部620bは、リセプタクル50内に延びると共に嵌合インタフェース624bを有する。嵌合インタフェース624bは、リセプタクル50内で露出すると共に、ストラドルマウントコネクタ32の対応する1個の接地コンタクト62b(図3ないし図7参照)と係合する。リセプタクルコネクタ34は、任意の数の信号コンタクト56a、任意の数の接地コンタクト56b、及び任意の数の差動対56Aを含む任意の数の電気コンタクト56を有してもよい。図2に見られるように、信号コンタクト56a及び接地コンタクト56bの実装足622は、リセプタクルコネクタ34のコネクタ本体48の後端602に沿ってそれぞれ延びる。
【0074】
典型的な一実施形態において、電気コンタクト56の実装足622は、ホスト回路基板16に表面実装されるようそれぞれ構成される。特に、実装足622は、電気接続や光接続された状態でホスト回路基板16上の対応する接続部(図示せず)上に実装される。別の実施形態において、1個以上の電気コンタクト56は、ホスト回路基板16のバイア(図示せず)内に受容される(実装足622の代わりの)コンプライアントピン(但し、これに限定されない)等の、表面実装とは別のタイプの実装を用いてホスト回路基板16に実装される。
【0075】
信号コンタクト56a及び接地コンタクト56bの嵌合部620a,620bはそれぞれ、列の軸626に沿って所定長さだけ延びる列618内で横並びに配列される。図14及び図15の比較から明白であるように、電気コンタクト56の嵌合部620a,620bの列618は、電気コンタクト54(図14参照)の嵌合部608(図14参照)の列612(図14参照)に対向する。電気コンタクト56の嵌合インタフェース624は、リセプタクル50内で電気コンタクト54の嵌合インタフェース614(図14参照)と対向する。実装部621a,621bは、コネクタ本体48の後端602に沿って延びる列623に配列される。
【0076】
図15に見られるように、嵌合部620の列618内には、信号コンタクト56aの隣接する差動対56A間に単一の接地コンタクト56bが設けられる。接地コンタクト56bの嵌合部620bは、2個の隣接する差動対56Aの信号コンタクト56aの嵌合部620a間の列618内に延びる。或いは、列618内の隣接する差動対56A間には2個以上の接地コンタクト56bが延びている。
【0077】
各電気コンタクト56の嵌合部620は、対向する基板側面628と、基板側面628間を延びる対向する縁側面630とを有する。より具体的には、信号コンタクト56aの嵌合部620aは基板側面628a及び縁側面630bを有するのに対し、接地コンタクト56bの嵌合部620bは基板側面628b及び縁側面630bを有する。図15に見られるように、基板側面628aは、縁側面630aより大きな表面積を有する。同様に、基板側面628bは、縁側面630bより大きな表面積を有する。接地コンタクト56bの基板側面628bは、信号コンタクト56aの縁側面630aより大きな表面積を有する。差動対56A内には、差動対56A内の1個の信号コンタクト56aの縁側面630aは、差動対56A内の他の信号コンタクト56aの縁側面630aと任意に対面する。例えば、差動対56A内の信号コンタクト56aの縁側面630aは、任意に互いにほぼ平行に延びる。差動対56A内の信号コンタクト56aの嵌合部620aは、信号コンタクトの少なくともいくつかの公知の差動対の嵌合部より接近して位置する。
【0078】
各接地コンタクト56bについては、嵌合部620bの基板側面628bは、隣接する信号コンタクト56aの嵌合部620aの対応する縁側面630aと対面する。例えば、接地コンタクト56baの嵌合部620bの1個の基板側面628baは隣接する信号コンタクト56aaの嵌合部620aの縁側面630aaと対面するのに対し、接地コンタクト56baの嵌合部620bの別の基板側面628baは別の隣接する信号コンタクト56abの嵌合部620aの縁側面630abと対面する。任意であるが、接地コンタクト56bの縁側面630bは、信号コンタクト56aの基板側面628aと共平面に延びる。
【0079】
接地コンタクト56bの嵌合面620bは、少なくともいくつかの公知の接地コンタクトより大きなシールド量を提供する。また、接地コンタクト56bの嵌合部620bは、少なくともいくつかの公知の接地コンタクトと比較して同じシールド量を提供しながら、隣接する信号コンタクト56a(例えば、信号コンタクト56aの隣接する差動対56A)をより近接させることができる。
【0080】
典型的な一実施形態において、接地コンタクト56bの嵌合部620bの基板側面628bは、隣接する信号コンタクト56aの嵌合部620aの基板側面628aとほぼ直交して延びる。例えば、接地コンタクト56bの基板側面628bは、信号コンタクト56aの基板側面628aが位置する平面(図示せず)にほぼ直交する方向を向く平面(図示せず)内に位置する。しかし、接地コンタクト56bの嵌合部620bの基板側面628bは、隣接する信号コンタクト56aの嵌合部620aの基板側面628aに対して非平行な角度で延びてもよい。
【0081】
図16は、リセプタクルコネクタ34の一部の部分分解斜視図である。リセプタクルコネクタ34の電気コンタクト54(図2及び図14参照)は、明瞭にするために図16には図示していない。電気コンタクト54に加えて、リセプタクルコネクタ34は、コネクタ本体48、電気コンタクト56及び接地シールド650を有する。任意であるが、リセプタクルコネクタ34の信号コンタクト56aは、コネクタ本体48により保持された1個以上の誘電性インサート652,654により保持される。インサート652,654は、信号コンタクト56aがそれぞれ貫通するコンタクトキャビティ656,658を有する。図16に見られるように、接地コンタクト56bの実装部621bは、嵌合部620bに対して傾斜する。典型的な一実施形態において、実装部621bは、嵌合部620bにほぼ直交しているが、嵌合部620bに対して非平行な所定角度で延びてもよい。
【0082】
接地シールド650は、リセプタクルプレート660と、リセプタクルプレート660から延びる本体プレート662とを有する。典型的な一実施形態において、本体プレート662は、接地シールド650がL形状となるように、リセプタクルプレート660にほぼ直交して延びる。しかし、本体プレート662は、リセプタクルプレート660に対して任意の角度で延びてもよい。
【0083】
接地シールド650は、少なくとも本体プレート662を貫通する複数のスロット664を有する。スロット664は、接地コンタクト56bの実装部621bのタブ666を受容するよう構成される。スロット664内にタブ666を受容することは、(例えば、接地シールド650、コネクタ本体48や信号コンタクト56aに対する)接地コンタクト56bの整列や、接地シールド650に対する接地コンタクト56bの電気接続(例えば、スロット664を区画する接地シールド650の壁とのバイア係合)を容易にする。図15及び図16から明白であるように、電気コンタクト56が図15に示されるように接地シールド650と組み合わせられると、接地コンタクト56bの嵌合部620bの長さの副区分668は、リセプタクルプレート660の部分と任意に係合する。また、嵌合部620bの長さの他の副区分670は、リセプタクルプレート660の他の部分から離間する。副区分668及びリセプタクルプレート660の係合は、接地コンタクト56b及び接地シールド650が電気的に共通になるように、接地コンタクト56bを接地シールド650に電気接続する。
【0084】
図14を再度参照すると、接地シールド650は破線で図示される。接地シールド650はリセプタクル50内に延びる。より具体的には、接地シールド650のリセプタクルプレート660は、電気コンタクト56(図2、図15及び図16参照)の嵌合部620の列618(図15参照)と、電気コンタクト54の嵌合部608の列612との間のリセプタクル50内に延びる。図14に見られるように、リセプタクル50は、一端672から反対側の端674まで長さL11だけ延びる。図14及び図15の比較から明白であるように、電気コンタクト56の列618の長さは、リセプタクル50の長さL11に沿って延びる。
【0085】
接地シールド650はまた、リセプタクルコネクタ34のコネクタ本体48内に延びる。接地シールド650は、電気コンタクト54,56に対して内部のコネクタ本体48内に位置する。接地シールド650の本体プレート662は、電気コンタクト56の実装部621(図15及び図16参照)の列623(図15参照)と電気コンタクト54の実装部609の列611の間のコネクタ本体48内を延びる。
【0086】
図15を再度参照すると、リセプタクルプレート660は、電気コンタクト56の嵌合部620の列618の長さとほぼ平行な平面に沿って延びる。接地シールド650のリセプタクルプレート660は、嵌合部620の列618の長さに沿って電気コンタクト56の嵌合部620と重なる。図14及び図15の比較から明白であるように、接地シールド650のリセプタクルプレート660は、リセプタクル50内で嵌合部620と重なる。任意であるが、接地シールド650のリセプタクルプレート660は、嵌合部620の列618の全長に沿って電気コンタクト56の嵌合部620と重なる。さらに、接地シールド650のリセプタクルプレート660は、リセプタクル50の全長に沿って嵌合部620と任意に重なる。
【0087】
本体プレート662は、電気コンタクト56の実装部621の列623の長さとほぼ平行は平面に沿って延びる。接地シールド650の本体プレート662は、実装部621の列623の長さに沿って電気コンタクト56の実装部621と重なる。任意であるが、本体プレート662は、列623の全長に沿って電気コンタクト56の実装部621と重なる。
【0088】
本明細書に記載され図示された実施形態は、リセプタクルコネクタ、プラグ脱着可能なモジュール、ストラドルマウントコネクタ、ホスト回路基板やトランシーバ組立体全体の(差動インピーダンス及びコモンモードインピーダンスの双方を制御することを含む)インピーダンスを制御(例えば、整合)することを容易にする。本明細書に記載され図示された実施形態は、リセプタクルコネクタ、プラグ脱着可能なモジュール、ストラドルマウントコネクタ、ホスト回路基板やトランシーバ組立体全体が経験するクロストーク量や信号減衰量等を低減することを容易にする。
【符号の説明】
【0089】
32 ストラドルマウントコネクタ(相手コネクタ)
34 リセプタクルコネクタ
48 コネクタ本体
50 リセプタクル
54 電気コンタクト(信号コンタクト)
56b 接地コンタクト
58 電気コンタクト
62 電気コンタクト
608 嵌合部
609 実装部
611 列(第3列)
612 列
614 嵌合インタフェース
618 列
620 嵌合部
621 実装部
623 列(第4列)
624 嵌合インタフェース
626 列の軸
650 接地シールド
660 リセプタクルプレート
662 本体プレート
668 副区分
670 副区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に相手コネクタ(32)を受容するよう構成されたリセプタクル(50)を有する誘電性コネクタ本体(48)と、該コネクタ本体により保持された信号コンタクト及び接地コンタクト(54,56)とを具備するリセプタクルコネクタ(34)であって、
前記信号コンタクト及び接地コンタクトは、前記リセプタクル内で列の軸(626)に沿って所定長さで延びる列(612,618)に配列された嵌合部(608,620)を具備し、
前記嵌合部は、前記相手コネクタの対応する嵌合コンタクト(58,62)と嵌合するために前記リセプタクル内に延びる嵌合インタフェース(614,624)を有するリセプタクルコネクタにおいて、
前記リセプタクル内に延びると共に、前記嵌合部の前記列の長さに沿って前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部と重なる接地シールド(650)を具備することを特徴とするリセプタクルコネクタ。
【請求項2】
前記信号コンタクト及び接地コンタクトは、1列(611,623)に配列された実装部(609,621)を有し、
前記接地シールドは、前記嵌合部の前記列の長さに沿って前記リセプタクル内で前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部と重なり、
前記接地シールドは、前記実装部の前記列の長さに沿って前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記実装部と重なる本体プレート(662)を具備することを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項3】
前記接地コンタクトは、前記接地シールド及び前記接地コンタクトが電気的に共通となるように、前記接地プレートと係合すると共に前記接地プレートに電気接続されることを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項4】
前記接地シールドは、前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部の前記列の全長に沿って前記リセプタクル内で前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部と重なることを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項5】
前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部の前記列は、前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部の第1列であり、
前記リセプタクルコネクタは、前記コネクタ本体により保持された補助コンタクト(54)をさらに具備し、
前記補助コンタクトは、前記リセプタクル内で第2列(612)に配列された補助嵌合部(608)を具備し、
前記接地シールドは、前記第1列及び前記第2列間の前記リセプタクル内に延びることを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項6】
前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部の前記列は、前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部の第1列であり、
前記リセプタクルコネクタは、前記コネクタ本体により保持された補助コンタクト(54)をさらに具備し、
前記補助コンタクトは、前記リセプタクル内で第2列(612)に配列された補助嵌合部(608)と、第3列(611)に配置された実装部(609)とを具備し、
前記信号コンタクト及び接地コンタクトは、第4列(623)に配列された信号コンタクト実装部及び接地コンタクト実装部を有し、
前記接地シールドは、前記第1列及び前記第2列間の前記リセプタクル内に延びるリセプタクルプレート(660)と、前記第3列及び前記第4列間の前記コネクタ本体内に延びる本体プレート(662)とを具備することを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項7】
前記接地シールドは、前記嵌合部の前記列の長さに沿って前記リセプタクル内で前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部と重なるリセプタクルプレート(660)を具備し、
前記リセプタクルプレートの第1部分は、前記接地コンタクトの前記嵌合部の長さの第1副区分(668)と係合し、
前記リセプタクルプレートの第2部分は、前記接地コンタクトの前記嵌合部の長さの第2副区分(670)から離間することを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項8】
前記リセプタクルコネクタは、前記コネクタ本体により保持された補助コンタクト(54)をさらに具備し、
前記接地シールドは、前記補助コンタクト並びに前記信号コンタクト及び接地コンタクトの間の前記コネクタ本体内を延びることを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項9】
前記信号コンタクト及び接地コンタクトは、1列(611,623)に配列された実装部(609,621)を有し、
前記接地シールドは、リセプタクルプレート(660)と該リセプタクルプレートとほぼ直交して延びる本体プレート(662)により区画されるL形状をなし、
前記リセプタクルプレートは、前記嵌合部の前記列とほぼ平行な平面に沿って延び、
前記本体プレートは、前記実装部の前記列とほぼ平行な平面に沿って延びることを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。
【請求項10】
前記信号コンタクト及び接地コンタクトは、1列(611,623)に配列された実装部(609,621)を有し、
前記実装部は、前記嵌合部に対してほぼ直交し、
前記接地シールドは、前記嵌合部の前記列の長さに沿って前記リセプタクル内で前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部と重なるリセプタクルプレート(660)と、前記嵌合部の前記列の長さに沿って前記信号コンタクト及び接地コンタクトの前記嵌合部と重なる本体プレート(662)とを具備し、
前記接地シールドの前記本体プレートは、前記リセプタクルプレートとほぼ直交して延びることを特徴とする請求項1記載のリセプタクルコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−38077(P2013−38077A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172668(P2012−172668)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】