説明

リチウムイオン二次電池用シート状負極及びその製造方法

【課題】低コストで高性能なリチウムイオン二次電池用シート状負極を提供する。
【解決手段】リチウムイオンを吸蔵脱離する炭素質粒子と、前記炭素質粒子を結着する結着剤と、を有し、気孔径(直径)0.05〜100μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.07〜1.0cc/gであるリチウムイオン二次電池用シート状負極。好ましくは、リチウムイオン二次電池用シート状負極に導電剤として繊維状炭素質物を含ませ、結着剤として熱可塑性樹脂を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用シート状負極に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境影響への配慮から、風力発電や潮流発電、太陽光発電のような自然力を利用した発電方式への関心が高まっている。このような自然力を利用した発電方式は、発電量が一定しない。例えば、風力発電では電力消費量が少ない夜間に発電量が大きくなる傾向があり、太陽光発電では夜間には全く発電されない。
【0003】
このため、自然力を利用した発電方式の活用には、電力消費の少ない時間帯に発電した電気を蓄電し、電力消費の大きい時間帯に蓄電した電気エネルギーを放出する技術が不可欠である。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く高容量であるので、自然力を利用した発電方式の上記欠点を補うための蓄電池として最適である。
【0004】
このようなリチウムイオン二次電池には、炭素負極が用いられており、炭素負極は、活物質である炭素質粒子と、結着剤と、溶剤と、を混合してスラリーとなし、銅箔に塗布し、乾燥、プレスする方法により製造されているが、近年、銅価格が高騰し負極製造コストが上昇している。このため、銅箔を用いない負極が望まれている。また、大規模蓄電には大量のリチウムイオン二次電池が必要であるため、大規模蓄電向きの安価なリチウムイオン二次電池に対する要望が高まっている。
【0005】
銅箔を用いない負極に関する技術としては、下記特許文献1がある。
【0006】
【特許文献1】特開2000-173618号公報
【0007】
特許文献1は、膨張黒鉛シートを負極に用いる技術である。しかし、膨張黒鉛シートの価格が高いため、電池の低コスト化を図れないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記に鑑みなされたものであって、高性能な炭素負極を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための第1の本発明は、次のように構成されている。
リチウムイオンを吸蔵脱離する炭素質粒子と、前記炭素質粒子を結着する結着剤と、を有し、気孔径(直径)0.05〜100μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.07〜1.0cc/gであるリチウムイオン二次電池用シート状負極。
【0010】
この構成では、負極が炭素質物と結着剤とから構成され、シート状であるため、銅などの集電体を用いなくともよい。よって、コストの低減を図れる。
【0011】
また、マクロ孔と呼ばれる気孔径(直径)0.05〜100μmの範囲の気孔は、電解液を浸透させやすく、且つリチウムイオンの伝導性がよい。上記構成では、このマクロ孔が質量当たり0.07〜1.0cc/gである。このため、負極活物質である炭素質物の周囲に十分な量の電解液が供給され、リチウムイオンの吸蔵・脱離がスムースに進行するので、充放電反応がスムースに進行し、十分な充放電効率が得られる。なお、マクロ孔が1.0cc/gを超えると、実質的に気孔量が多くなりすぎて体積当たりの容量の低下を招くことになるので好ましくない。
【0012】
上記第1の発明において、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極において、前記リチウムイオン二次電池用シート状負極が、さらに繊維状炭素質物を有する、とする構成とすることができる。
【0013】
炭素質粒子を結着する結着剤は、通常、導電性が低い。このため、シート状負極の導電性を高めるために繊維状炭素質物を加えることが好ましい。
【0014】
ここで、繊維状炭素質物とは、炭素繊維、カーボンナノファイバー、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ等の、繊維形態をとる炭素質物全てを含む概念である。
【0015】
なお、異なる粒径の炭素質粒子を混合して用い、粒径の小さい炭素質粒子を導電剤としてもよい。
【0016】
上記第1の発明において、前記結着剤が、熱可塑性樹脂である、とする構成とすることができる。
【0017】
良好な結着性能を得るためには、結着剤として熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
上記課題を解決するための第2の本発明は、次のように構成されている。
リチウムイオンを吸蔵脱離する炭素質粒子と、不溶性結着剤と、可溶性気孔形成剤と、を含む負極合剤を加圧し、シート状負極前駆体を作製するシート状負極前駆体作製工程と、溶剤を用いて、前記シート状負極前駆体溶剤から前記可溶性気孔形成剤を除去する除去工程と、前記除去工程の後、前記溶剤を乾燥除去する乾燥工程と、を備えるリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【0019】
この構成によると、シート状負極前駆体作製工程により炭素質粒子と、不溶性結着剤と、可溶性気孔形成剤が強固に結合されたシート状負極前駆体が得られる。この後、溶剤を用いて可溶性気孔形成剤を除去することにより、シート状負極に電解液の浸透できる気孔(気孔)が形成される。よって、円滑に電気化学的反応が進行する高性能なリチウムイオン二次電池用シート状負極を得ることができる。
【0020】
上記第2の発明において、前記負極合剤は、さらに繊維状炭素質物を含む構成とすることができる。
【0021】
不溶性結着剤は、通常、導電性が低いため、不溶性結着剤によりシート状負極全体としての導電性が低下する。このため、負極導電性を高めることのできる繊維状炭素質物を加えることが好ましい。
【0022】
上記第2の発明において、前記可溶性気孔形成剤は、水溶性であり、前記溶剤が水である構成とすることができる。
【0023】
コスト、環境への影響の観点から、水溶性の気孔形成剤を用いると共に、溶剤として水を用いることが好ましい。
【0024】
水溶性気孔形成剤としては、水溶性セルロース類、砂糖、食塩が例示できる。
【0025】
上記第2の発明において、前記負極合剤全質量に占める前記可溶性気孔形成剤の質量割合が、1〜10質量%である構成とすることができる。
【0026】
負極合剤全質量に占める気孔形成剤の質量割合が低すぎると、十分な量の気孔が形成できないおそれがある。他方、気孔形成剤の質量割合が高すぎると、放電容量の低下を招くおそれがある。よって、上記範囲内に規制することが好ましい。
【0027】
上記第2の発明において、前記不溶性結着剤が、熱可塑性樹脂である構成とすることができる。
【0028】
気孔形成剤を除去する除去工程などにより結着力が低下しないようにするために、結着剤として熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。この場合においては、炭素材料粉末を結着させるために、シート状負極前駆体作製工程において、負極合剤を熱可塑性樹脂の融点以上に加熱しつつ加圧する。
【0029】
上記第2の発明において、前記負極合剤全質量に占める前記結着剤の質量割合が、3〜15質量%である構成とすることができる。
【0030】
負極合剤全質量に占める結着剤の質量割合が低すぎると、強度が低くなり、除去工程においてシート状負極がばらけてしまうおそれがある。他方、結着剤の質量割合が高すぎると、シート状負極の導電性が低くなり、放電容量の低下を招くおそれがある。よって、上記範囲内に規制することが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
上記で説明したように、本発明によると、電気化学的反応が円滑になされる高性能なリチウムイオン二次電池用シート状負極を低コストで提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明を実施するための最良の形態を、図面を通じて、詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
【0033】
(実施の形態)
図4は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を示す図であり、図5は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を有する電池の基本構造を示す図であり、図6は、従来技術にかかる負極を示す図である。
【0034】
図6に示すように、従来技術にかかる負極は、銅箔からなる集電体10に炭素を主体と刷る負極活物質層11が設けられ、集電体10の負極活物質層11が設けられていない部分に、例えば銅からなる集電タブ12が取り付けられている。これに対し、本発明にかかる負極活物質を用いた負極は、図4に示すように、集電体を有さず、炭素を主体とする負極活物質1に直接、例えば銅からなる集電タブ2が取り付けられている。充放電に関与しない銅からなる集電体を有さないため、本発明にかかる負極は、従来技術に比べ、コスト安であり、且つエネルギー密度が高い。
【0035】
図5に、本発明にかかる負極活物質を用いた電池の基本構造を示す。炭素を主体とする負極100と、アルミニウム箔からなる集電体にコバルト酸リチウムを主体とする正極活物質層が設けられた正極300とが、オレフィン樹脂製等のセパレータ200を介して対向配置されており、負極100には負極タブ110が取り付けられ、正極300には正極タブ310が取り付けられている。なお、この図は電池の基本構造を示す図であって、負極−セパレータ−正極−セパレータからなる電池基本単位を複数積層した構造を備えていてもよい。
【0036】
また、この電池の基本構造は外装体内に非水電解質とともに収容され、外装体の開口が封止されることにより、リチウムイオン二次電池が完成する。
【0037】
正極活物質としては、公知の材料を用いることができ、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCo1-x2、LiMnO2、LiMn24、LiFeO2が挙げられる。
【0038】
電解液に用いる有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等の一種または二種以上の混合物を用いることができる。また、電解質塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3等の一種または二種以上の混合物を用いることができる。電解質塩の濃度は、0.5〜2.0M(モル/リットル)とすることが好ましい。
【0039】
また、他の構成要素(例えば、セパレータ、外装体、封口体等)は、公知の材料を用いればよく、負極の製造方法以外については、公知の製造方法を採用できる。
【0040】
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0041】
(実施例1)
〈シート状負極の作製〉
(材料の混合)
人造黒鉛(製鋼用電極を粉砕したもの、平均粒径17μm)74質量部と、気相成長炭素繊維(昭和電工株式会社製)10質量部と、気孔形成剤(メチルセルロース、キシダ化学株式会社製 350〜550mP・s)6質量%と、熱可塑性樹脂バインダとしてのポリプロピレン樹脂粉末平均粒径5μm)10質量部とを、高速流動型混合機を用いてせん断混合し、負極合剤を得た。
【0042】
(シート状負極前駆体作製工程)
内径φ55mmの金型に上記負極合剤を入れ、190℃に設定した油圧式の熱圧プレスにセットし、500kg/cm2の圧力をかけて2分間保持した。その後、冷却し、シート状負極前駆体を得た。金型に入れる混合粉体の量は、シート状負極前駆体の厚みがおよそ0.4mmになるようにした。この加熱により、ポリプロピレンが溶融して、負極合剤が結着される。
【0043】
(除去工程)
上記シート状負極前駆体を水に4時間浸漬し、その後乾燥して、負極シートを得た。この浸漬により、メチルセルロースが水中に溶解して気孔が形成される。
【0044】
上記負極シートを、φ16mmに打ち抜いて、実施例1にかかるシート状負極を作製した。このシート状負極のかさ密度は、1.31g/cm3であった。
【0045】
(比較例1)
浸漬工程を行っていないシート状負極前駆体を負極シートとして用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1にかかるシート状負極を作製した。このシート状負極のかさ密度は、1.57g/cm3であった。
【0046】
(比較例2)
(材料の混合)
人造黒鉛(製鋼用電極を粉砕したもの、平均粒径17μm)69質量部と、気相成長炭素繊維(昭和電工株式会社製)8質量部と、気孔形成剤(メチルセルロース、キシダ化学株式会社製 350〜550mP・s)3質量%と、熱可塑性樹脂バインダとしてのポリプロピレン樹脂粉末平均粒径5μm)20質量部とを、高速流動型混合機を用いてせん断混合し、負極合剤を得た。
【0047】
(シート状負極前駆体作製工程)
内径φ55mmの金型に上記負極合剤を入れ、190℃に設定した油圧式の熱圧プレスにセットし、500kg/cm2の圧力をかけて2分間保持した。その後、冷却し、シート状負極前駆体を得た。金型に入れる混合粉体の量は、シート状負極前駆体の厚みがおよそ0.4mmになるようにした。この加熱により、ポリプロピレンが溶融して、負極合剤が結着された負極シートを得た。
【0048】
上記負極シートを、φ16mmに打ち抜いて、実施例1にかかるシート状負極を作製した。このシート状負極のかさ密度は、1.54g/cm3であった。
【0049】
(電極セルの組み立て)
アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、電極セルの組み立てを行った。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2(25℃)で混合した混合溶媒に、LiPF6を1M(モル/リットル)に溶解した非水電解液を用意した。
【0050】
上記非水電解液に、上記シート状負極、リチウム対極、リファレンス極を浸漬し、電極セルを完成させた。
【0051】
(電池特性の測定)
上記電極セルをグローブボックスから25℃の恒温槽内に移し、リチウム対極、シート状負極、及びリファレンス極端子に充放電装置接続コードを繋いで、充放電容量及び抵抗率を測定した。
充電条件:電流密度0.5mA/cm2の定電流で電圧が10mVとなるまで充電し、その後定電圧10mVで40時間充電。
放電条件:0.5mA/cm2の定電流で電圧が1.2Vとなるまで放電した。
また、三菱化学製 Loresta−GP MCP-T600を用いて、抵抗率を測定した。
この結果を下記表1に示す。
【0052】
(気孔分布の測定)
Thermo Electron Corporation製 Pascal 440を用い、水銀圧入法により、気孔分布及び気孔率を測定した。この結果を図1〜3及び下記表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
上記表1から、気孔形成剤を含む負極合剤を用いたシート状負極前駆体を水に浸漬して作製した実施例1にかかるシート状負極は、充電容量が211mAh/g、放電容量が84mAh/gと、浸漬を行っていない比較例1、比較例2の充電容量100mAh/g,53mAh/g、放電容量62mAh/g,0.2mAh/gよりも優れていることがわかる。
【0055】
このことは、次のように考えられる。気孔形成剤を含む負極合剤を用いたシート状負極前駆体を水に浸漬すると、気孔形成剤が溶解除去され、空隙が生じる。このため、表1に示すように、実施例1にかかるシート状負極は、比較例1、2よりも気孔率が大きい。また、この除去による空隙は、マクロ孔と呼ばれる気孔径(直径)0.05〜100μmの範囲に現れ(実施例1:0.498cc/g、比較例1:0.050cc/g、比較例2:0.021cc/g、図1〜3参照)、このマクロ孔は電解液の浸透性が極めて大きい。このため、負極活物質周囲に十分な量の電解液が供給され、充放電反応がスムースに進行する。このため、充電容量及び放電容量が大きくなる。このため、0.05〜100μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.05cc/gより大きいことが好ましく、0.07cc/g以上であることがより好ましく、0.40cc/g以上であることがさらに好ましい。
【0056】
また、実施例1の抵抗率は16.5mΩ・cmと、十分に低いことがわかる。
【0057】
好ましくは、黒鉛粉末(炭素質粒子)を70〜88質量%、不溶性結着剤を7〜10質量%、導電剤を3〜15質量%、可溶性気孔形成剤を2〜10質量%とする。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上に説明したように、本発明によれば、銅からなる集電体を用いずに高性能なシート状負極を得ることが可能であり、負極の製造コストを飛躍的に低下させることができる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、実施例1にかかる負極の気孔分布を示すグラフである。
【図2】図2は、比較例1にかかる負極の気孔分布を示すグラフである。
【図3】図3は、比較例2にかかる負極の気孔分布を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を有する電池の基本構造を示す図である。
【図6】図6は、従来技術にかかる負極活物質を用いた負極を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオンを吸蔵脱離する炭素質粒子と、
前記炭素質粒子を結着する結着剤と、を有し、
0.05〜100μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.07〜1.0cc/gであるリチウムイオン二次電池用シート状負極。
【請求項2】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極において、
前記リチウムイオン二次電池用シート状負極が、さらに繊維状炭素質物を有する、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極において、
前記結着剤が、熱可塑性樹脂である、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極。
【請求項4】
リチウムイオンを吸蔵脱離する炭素質粒子と、不溶性結着剤と、可溶性気孔形成剤と、を含む負極合剤を加圧し、シート状負極前駆体を作製するシート状負極前駆体作製工程と、
溶剤を用いて、前記シート状負極前駆体溶剤から前記可溶性気孔形成剤を除去する除去工程と、
前記除去工程の後、前記溶剤を乾燥除去する乾燥工程と、を備える、
リチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法において、
前記負極合剤は、さらに繊維状炭素質物を含む、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法において、
前記可溶性気孔形成剤は、水溶性であり、
前記溶剤が水である、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法において、
前記水溶性気孔形成剤が、水溶性セルロース類、砂糖、食塩よりからなる群より選択された1以上の物質である、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【請求項8】
請求項4ないし7のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法において、
前記負極合剤全質量に占める前記可溶性気孔形成剤の質量割合が、1〜10質量%である、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【請求項9】
請求項4ないし8のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法において、
前記不溶性結着剤が、熱可塑性樹脂であり、
前記シート状負極前駆体作製工程は、前記負極合剤を前記熱可塑性樹脂の融点以上に加熱しつつ加圧する工程である、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法において、
前記負極合剤全質量に占める前記結着剤の質量割合が、3〜15質量%である、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用シート状負極の製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用シート状負極を用いてなるリチウムイオン二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−146581(P2009−146581A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319484(P2007−319484)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成19年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「系統連系円滑化蓄電システム技術開発/次世代技術/リチウムイオン二次電池低コスト新規負極材の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(591147694)大阪ガスケミカル株式会社 (85)
【Fターム(参考)】