説明

リチウム二次電池の製造方法

【課題】集電体からの活物質層の剥離を抑制できるリチウム二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】Liと合金化しない第一金属を含む集電体110上に、Liと合金化しない第二金属および活物質を含む活物質層130を形成するリチウム二次電池の製造方法である。この活物質と第一金属の拡散係数αと、前記第一金属と第二金属の拡散係数βとがα>βの関係にある。集電体110と活物質層130との間には、集電体側に位置する第一中間層121と、活物質層側に位置する第二中間層122とが形成される。第一中間層121は第一金属と活物質とからなり、第二中間層122は活物質からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム二次電池の製造方法に関するものである。特に、電極を構成する集電体と活物質層との剥離が抑制可能なリチウム二次電池を得られる製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は、正負両極にリチウムイオンを吸蔵・放出する活物質層を用いた電池である。通常、正負各電極は、集電体と、集電体上に形成した活物質層とで構成されている。この活物質層には、例えば純Siが用いられる。ところが、純Siは合金化によりLiを吸蔵するため、充放電反応に伴う体積の膨張収縮が大きい。このため、純Siを活物質層として用いたリチウム二次電池用電極では、充放電により活物質層が繰り返し膨脹収縮されることにより、電極の構造破壊が起こって可逆電極として機能しなくなる場合がある。より具体的には、活物質層の微粉化や集電体からの剥離が生じる。
【0003】
一方、この膨張収縮を抑制するために、活物質層としてLiと合金化する材料に加えてLiと合金化しない金属を含ませることが提案されている(例えば特許文献1)。
【0004】
その他、活物質層に集電体成分が拡散した混合層を形成する技術も提案されている(例えば特許文献2)。この技術は、気相から原料を供給して薄膜を形成する方法を用いて、リチウムと合金化する活物質からなる活物質薄膜をリチウムと合金化しない金属からなる集電体の上に形成するリチウム二次電池用電極の製造方法である。この方法では、集電体との界面近傍の活物質薄膜内に集電体成分が拡散してなる混合層が形成される温度で活物質薄膜を形成する。これにより、活物質層と集電体との密着性を高めている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−373647号公報
【特許文献2】再表01/029914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の従来技術であっても十分に活物質層の集電体からの剥離を抑制することが難しい。
【0007】
例えば、Liと合金化するSiと、Liと合金化しないNiとからなるSi−Ni合金薄膜を活物質層として集電体上に形成する場合、特許文献1に記載のように、合金薄膜の集電体からの剥離を抑制できるのは、成膜速度が1nm/sec程度と遅いスパッタ法で形成した膜に限られる。真空蒸着法により50nm/sec以上の成膜速度で形成したSi−Ni合金薄膜では、密着性良く集電体上に形成することができないため、合金薄膜の集電体からの剥離を抑制することが難しい。
【0008】
また、SiにNiを添加したSi−Ni合金薄膜をCuからなる集電体上に形成した電極においては、Si−Cuの拡散係数に比べてNi−Cuの拡散係数が小さい。そのため、合金薄膜の成膜時における基板(集電体)温度上昇あるいは成膜後の熱処理により、合金薄膜と集電体の界面にはSi−Cu拡散層だけでなく、SiのCu(集電体)側への拡散に伴い相対的にNi濃度が高くなった層も形成される。Ni濃度が高くなった層では、充放電時、Liの吸蔵量が少ないために体積膨張も少なくなり、隣接する領域との間に生じた体積膨張差によりNi濃度が高くなった層を起点として活物質層が剥離しやすくなる。その結果、合金薄膜の集電体への密着性を向上させることができない。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、集電体に対して高い密着力を持つ活物質層を形成できるリチウム二次電池の製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、高い成膜速度で電極を得ることができるリチウム二次電池の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、集電体と活物質層との間に組成の異なる2層の中間層を設けることで上記の目的を達成する。
【0012】
本発明リチウム二次電池の製造方法は、Liと合金化しない第一金属を含む集電体上に、Liと合金化しない第二金属および活物質を含む活物質層を形成する。この活物質と第一金属との拡散係数αと、前記第一金属と第二金属との拡散係数βとがα>βの関係にある。また、前記集電体と活物質層との間に、集電体側に位置する第一中間層と、活物質層側に位置する第二中間層を形成する。そして、この第一中間層は第一金属と活物質とからなり、前記第二中間層は活物質からなることを特徴とする。
【0013】
集電体に含まれてLiと合金化しない第一金属と活物質とからなる第一中間層を形成することで、この第一中間層を、活物質層に含まれる活物質が集電体側に拡散した疑似拡散層として機能させることができる。それに伴い、活物質からなる第二中間層と集電体との密着性を向上することができる。さらに、第一中間層と活物質層との間に、活物質からなる第二中間層を形成することで、活物質層の成膜時における集電体の温度上昇などにより、活物質層から集電体側への活物質の拡散を抑制して、第二金属の濃度が高い層の形成を抑制することができる。そして、第二中間層は活物質から構成されるため、活物質層とは高い密着力で形成することができる。その結果、集電体に対して活物質層を高い密着力にて形成でき、充放電特性に優れたリチウム二次電池を構成することができる。
【0014】
また、本発明電池の製造方法において、前記活物質層、第一中間層、第二中間層は真空蒸着法により形成されることが好ましい。
【0015】
これら各層を真空蒸着法で形成することで、高い成膜速度で各層を形成でき、効率的な電極の形成を行なうことができる。
【0016】
とりわけ、この真空蒸着による成膜は、50nm/sec以上の速度で行うことが好ましい。
【0017】
このような速度で活物質層、第一中間層、第二中間層の成膜を行えば、より効率的な電極の製造が可能になる。
【0018】
本発明電池の製造方法において、前記活物質がSiで、前記第一金属がCuで、前記第二金属がNi、CoまたはFeであることが好ましい。
【0019】
これらの材質の組合せにより得られる電池は、高容量で、活物質層の集電体からの剥離が十分に抑制されて、優れた充放電サイクル特性を有する電池とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明電池の製造方法によれば、集電体からの活物質層の剥離を抑制できるリチウム二次電池を得ることができ、充放電特性に優れた電池を構成することができる。また、高い成膜速度で電極を形成することができ、効率的な電池の製造を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
本発明製造方法を用いて得られる電極の構成を図1に示す。この電極100は、集電体110と、活物質層130と、これらの間に形成される中間層120とを具備する。この中間層120は、集電体側の第一中間層121と、活物質層側の第二中間層122とから構成される。
【0023】
ここで、集電体110はLiと合金化しない第一金属を含む。第一金属には、Cu、Ni、Ti、Fe、Mo、Co、Cr、W、Ta、Ag、Mnなどが利用できる。これらの金属は、Liと合金化しないため、充放電による膨張収縮が生じず、電極100が構造破壊を起こして集電性が低下したり、活物質層130の密着性が低下して活物質層130が集電体110から剥離し易くなるといった不具合を抑制できる。
【0024】
活物質層130は、充放電に伴いLiを吸蔵・放出できる物質(活物質)を含む。充放電に伴いLiを吸蔵・放出できる物質としては、例えばLiと合金化する金属が好適であり、より具体的には、Si、Sn、Ge、Al、In、Mgなどが挙げられる。また、活物質層130は、Liと合金化しない第二金属を含む。この第二金属としては、第一金属と異なる金属で、Ni、Cu、Ti、Fe、Mo、Co、Cr、W、Ta、Ag、Mn、Zn、Zrなどが挙げられる。これらのLiと合金化しない金属を活物質層130に含むことで、充放電に伴う活物質層130の膨張収縮程度を緩和して、活物質層130が集電体110から剥離することを抑制する。この活物質層における第二金属の濃度は、1〜40at%であることが好ましい。この濃度が下限値未満ではLiと合金化しない金属が含まれることで充放電時の活物質層の体積膨張及び収縮が緩和されて充放電サイクル特性が向上するという効果が十分に現れない。逆に、上限値を超えるとLiと合金化する金属の量の減少に伴う充放電容量の低下が顕著となり好ましくない。
【0025】
さらに、以上の活物質と第一金属との拡散係数をαとし、前記第一金属と第二金属との拡散係数をβとしたとき、これらの拡散係数がα>βの関係にある材質で集電体110および活物質層130を構成する。リチウム二次電池の電極では、拡散係数がこのような関係にある集電体110と活物質層130とを選択する場合がある。その場合、活物質が活物質層130から集電体側に拡散しやすいため、活物質層130を真空蒸着法などのように集電体110が加熱される方法で成膜したり、活物質層成膜後に熱処理したりすると、活物質が活物質層130から集電体側に拡散し、活物質層130には相対的に第二金属の濃度が高い層(高濃度層)が形成される。この高濃度層は活物質層130と集電体110との密着性を阻害するため、後述する第一・第二中間層121,122を形成することで、活物質が活物質層130から集電体側に拡散して高濃度層が形成されることを抑制する。代表的な具体的材質の組み合わせとしては、第一金属:Cu、第二金属:Ni、活物質:Siが挙げられる。その他の組み合わせとしては、第一金属:Cu、第二金属:Co、活物質:Si、または第一金属:Cu、第二金属:Fe、活物質:Siなどが挙げられる。
【0026】
中間層120のうち、第一中間層121は第一金属と活物質とから構成される。この第一中間層121は、集電体110を構成する第一金属を含有するため、集電体110と高い密着力で形成できる。第一中間層121の厚さは、0.01〜2.0μm程度が好ましい。この下限値未満では集電体との密着性向上の効果が十分に現われず、上限値を超えると第一金属が含まれることで充放電時の第一中間層の体積膨張及び収縮が緩和されて充放電サイクル特性が向上するという効果が十分に得られない。さらに、第一中間層121における第一金属の濃度は、1〜70at%とすることが好ましい。この濃度が下限値未満では集電体の密着性向上の効果が十分に現われず、上限値を超えると第一金属と活物質からなる金属間化合物が生成しやすくなるために、金属間化合物が生成した領域とその周囲との間に充放電時の体積膨張及び収縮に差が生じて活物質が剥離しやすくなり好ましくない。
【0027】
一方、第二中間層122は活物質から構成される。この第二中間層122は、活物質から構成されるため、その直上に形成される活物質層130から活物質が集電体側に拡散することを抑制すると共に、活物質を含む第一中間層121と高い密着力を持って形成できる。第二中間層122の厚さは、0.01〜2.0μm程度が好ましい。この下限値未満では集電体との密着性向上の効果が十分に現れず、上限値を超えると充放電時の第二中間層の体積膨張量及び収縮量が大きく、充放電サイクル特性が向上するという効果が十分に現れず好ましくない。
【0028】
これら両中間層121,122の形成により、高濃度層の形成が抑制できると共に、活物質層130の集電体110からの剥離を抑制することができる。
【0029】
上記の活物質層130、第一中間層121、第二中間層122は、いずれも真空蒸着法により形成することができる。その際、これら各層を50nm/sec以上の成膜速度で形成しても、活物質層130の集電体110からの剥離が十分に抑制された電極を構成することができる。50nm/sec以上の成膜速度であれば、電極を効率的に生産することができる。その他、活物質層130、第一中間層121、第二中間層122の形成には、電解メッキや無電解メッキなどのメッキ法、CVD法、スパッタリング法、溶射法なども利用することができる。
【0030】
以上のような電極でリチウム電池を構成するには、例えば図2に示すように、上記電極100を負極とし、さらにセパレータ200と正極300とを組み合わせ、負極(電極100)、セパレータ200、正極300の順に積層された積層体を形成する。
【0031】
セパレータ200は、通常、有機溶媒にリチウム塩を溶解した電解液を多孔質材料に含浸させたものが用いられる。具体的なリチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiCF3CO2などが使用されている。有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(DEE)、アセトニトリル(AN)などの有機溶媒を単独、もしくは複数を混合して用いることができる。多孔質材料としては、ポリプロピレン、ポリ4フッ化エチレンなどの樹脂からなる多孔体を用いることができる。リチウム塩、有機溶媒として、上記以外の公知のものを使用できることは言うまでもない。
【0032】
正極300は正極集電体310と正極活物質層320とを具備する。正極集電体310には、正極電気化学反応に対する耐食性の優れた金属箔が利用できる。具体例としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、これらの合金やステンレスから選択される1種が挙げられる。正極活物質層320は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層で構成する。特に、酸化物、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)及びオリビン型鉄リン酸リチウム(LiFePO4)よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物を好適に使用することができる。より具体的には、LiCoO2を溶媒に分散した後、正極集電体310に塗布し、乾燥させることで正極活物質層320を形成できる。この溶媒には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリ4フッ化エチレン(PTFE)をNメチルピロリドン(NMP)に溶解したものが挙げられる。
【実施例】
【0033】
[電極の作製]
図1に示す構成の電極を作製した。この電極では、集電体がCu、活物質層がSi−Ni合金、第一中間層がSi−Cu合金、第二中間層がSiで構成される。
【0034】
まず、真空排気して雰囲気圧力を0.002Paとした真空蒸着装置の成膜室内において、電子ビームを用いてSi原料およびCu原料を溶融して蒸発させることにより、厚さ18μmの粗面化Cu箔からなる集電体上に膜厚0.3μmでCu濃度が約30at%のSi−Cu合金薄膜(第一中間層)を成膜速度50nm/secで形成した。
【0035】
次に、このSi−Cu合金薄膜上に、電子ビームを用いてSi原料を溶融して蒸発させることにより、膜厚0.3μmのSi薄膜(第二中間層)を成膜速度50nm/secで形成した。
【0036】
続いて、このSi薄膜上に、電子ビームを用いてSi原料及びNi原料を溶融して蒸発させることにより、膜厚6μmでNi濃度が約10at%のSi−Ni合金薄膜(活物質層)を成膜速度50nm/secで形成し、リチウム二次電池用Si−Ni合金薄膜電極を作製した。
【0037】
その他、活物質層をSi−Co合金またはSi−Fe合金とした電極も同様に作製した。これらの電極は、上記集電体上に第一中間層、第二中間層を同様に形成し、その第二中間層上にSi−Co合金薄膜またはSi−Fe合金薄膜を形成することで得た。Si−Co合金薄膜またはSi−Fe合金薄膜は、Si−Ni合金からなる活物質層のNiをCoまたはFeに置換したもので、活物質層中のCo濃度およびFe濃度はいずれも約10at%、膜厚は6μmである。
【0038】
[電池の作製]
上記で作製した電極を負極とし、図2に示す構成の電池を作製した。正極には、LiCoO2粉末をAl箔(正極集電体)に塗布して作製した電極を用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンからなる多孔質材料を用いた。
【0039】
[充放電サイクル試験]
以上のように作製した電池を用いて充放電サイクル試験を行った。試験は、充電:4.2V迄、放電:2.75V迄、充放電電流密度:1mA/cm2の条件にて、上記電池に対して200サイクルの充放電サイクル試験を実施する。この試験後に電池を解体して負極を観察したところ、いずれの電池においても活物質層の集電体からの剥離は観測されなかった。
【比較例】
【0040】
[電極の作製]
比較のため、中間層を有しない電極を作製した。この電極は、実施例と同様の集電体上に直接活物質層を形成している。真空排気して雰囲気圧力を0.002Paとした真空蒸着装置の成膜室内において、電子ビームを用いてSi原料およびNi原料を溶融して蒸発させることにより、膜厚6μmのNi濃度が約10at%のSi−Ni合金薄膜(活物質層)を成膜速度50nm/secで集電体上に形成し、リチウム二次電池用Si−Ni合金薄膜電極を作製した。
【0041】
さらに、比較例でも、Si−Ni合金薄膜のNiをCoまたはFeに置換し、Si−Co合金またはSi−Fe合金を活物質層とした電極を同様に作製した。
【0042】
[電池の作製]
上記で作製した電極を負極として図2に示す構成の電池を作製した。正極には、LiCoO2粉末をAl箔(正極集電体)に塗布して作製した電極を用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンからなる多孔質材料を用いた。
【0043】
[充放電サイクル試験]
実施例と同様の条件にて、上記比較例電池について充放電サイクル試験を行った。この試験後に電池を解体したところ、いずれの電池の場合も負極において活物質層の集電体からの剥離が観測された。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上説明したように、本発明製造方法はリチウム二次電池の製造方法として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明方法で得た電池に用いる電極の断面模式構成図である。
【図2】本発明方法で得た電池の概略構成図である。
【符号の説明】
【0046】
100 電極
110 集電体 120 中間層 121 第一中間層 122 第二中間層
130 活物質層
200 セパレータ
300 正極電極
310 正極集電体
320 正極活物質層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Liと合金化しない第一金属を含む集電体上に、Liと合金化しない第二金属および活物質を含む活物質層を形成するリチウム二次電池の製造方法であって、
この活物質と第一金属との拡散係数αと、前記第一金属と第二金属との拡散係数βとがα>βの関係にあり、
前記集電体と活物質層との間に、集電体側に位置する第一中間層と、活物質層側に位置する第二中間層を形成し、
前記第一中間層は第一金属と活物質とからなり、前記第二中間層は活物質からなることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記活物質層、第一中間層および第二中間層を真空蒸着法にて成膜することを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記真空蒸着法による成膜速度が50nm/sec以上であることを特徴とする請求項2に記載のリチウム二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記活物質がSiで、前記第一金属がCuで、前記第二金属がNi、CoまたはFeであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−149557(P2007−149557A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344552(P2005−344552)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】