説明

リチウム二次電池

【課題】安全性に優れていて、なおかつサイクル寿命特性に優れている電池を提供するリチウム二次電池用電解液及び前記電解液を含むリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】正極と、リチウム金属又はリチウムを吸蔵放出可能な物質を主材とする負極と、これら両電極を離隔するセパレータと、非水系電解液とを備えてなる非水系電解液電池において、前記非水系電解液が、たとえばフタル酸化合物や、ピロメリット酸化合物等の、波長域230ナノメートルから350ナノメートルの紫外線を吸収する化合物を含有し、さらに想定されるあらゆる使用範囲において化学的、電気化学的に不活性であることを特徴とするリチウム二次電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全性に優れていて、さらにサイクル寿命特性にも優れているリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、先端電子産業の発達によって電子機器の小型化及び軽量化が可能になり、携帯用電子機器の使用が増加している。このような携帯用電子機器の電源として、高いエネルギー密度を有する電池の必要性が増加して、リチウム二次電池の研究が活発に行われている。このようなリチウム二次電池は、一般に非水電解液を使用している。
前記非水電解液としては、有機溶媒にリチウム塩を溶解したものを使用しており、この電解液に、ピロール、チオフェン、ビニレンカーボネート(特許文献1、特許文献2)などの物質を添加して負極活物質の表面に重合させて高分子薄膜層を形成して、サイクル寿命特性などを向上させる方法が研究された。また、電解液に電気化学的に活性な芳香族化合物を添加して安全性や保存性等を向上させる方法も研究された(特許文献3、特許文献4)。さらに、添加する物質の電池内に存在する物質との化学的反応や相互作用を利用することも提案されている(特許文献5)。
しかし、前記の活物質表面に重合させて薄膜層を形成する方法は、重合薄膜層を制御するのが難しく、サイクル中にも重合が進行するなど時間的な問題も含めて電池使用全般にわたる最適化が難しかった。よって、二重結合を有する化合物や、化学的、電気化学的に高分子化する可能性がある物質は基本的に使用することが難しい。
また、芳香族化合物などで電気化学的に活性のある物質を添加する方法では、添加剤自身の活性のため、電池に対する目的とする効果があっても、酸化や還元に伴う不均化などの副反応によって、サイクル寿命特性や他の電池特性が低下するリスクを無くすことは難しく、たとえば、完全なレドックスシャトル等は実際的にありえない、という問題点がある。
さらに、脂肪族や芳香族のアミンまたはアジリジンなどの還元性を持つ化合物(特許文献6、特許文献7)に関して、充電された正極活物質が非化学量論的に過酸化物としての特性を持つことから、これらとレドックス反応し、活物質が分解して結果的に多くの酸素を放出して安全性を損なう危険性も考えられる。ハロゲン化物では負極での還元分解や加水分解が不定期に起こり、結果的に生成したハロゲン原子が制御不可能な挙動をとる危険性があった。特記すべきは、アミンやハロゲン化合物等の物質に関して、衛生面や環境面で懸念される危険性から、今後は、ますます使用が難しくなることである。
前記のように電解液に化学的、電気化学的に活性を持つ化合物を添加することには多くの問題点があった。
これらの問題点を解決するために、電極にフタルイミドおよびその金属塩を添加する提案がされている(特許文献8)。 しかし、やはり前記の加水分解や電気化学的酸化還元などの問題は依然として残っている。
【0003】
【特許文献1】特開昭62-160671号
【特許文献2】特開平08-45545号
【特許文献3】特開平09-050822号
【特許文献4】特開2005−26231号
【特許文献5】特開2002−050398号
【特許文献6】特開平06−084523号
【特許文献7】特開2003−077540号
【特許文献8】特開2002−270181号
【特許文献9】特開2002-050398号
【特許文献10】特開平09-194458号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、安全性に優れていて、サイクル寿命特性に優れている電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、正極と、リチウム金属又はリチウムを吸蔵放出可能な物質を主材とする負極と、これら両電極を離隔するセパレータと、非水系電解液とを備えてなる非水系電解液電池において、前記非水系電解液が、波長域230ナノメートルから350ナノメートルの間の紫外線吸収をする化合物を含有し、さらに想定されるあらゆる使用範囲において化学的、電気化学的に不活性であることを特徴とするリチウム二次電池を提供する。
例として、前記波長域230ナノメートルから350ナノメートルの間の紫外線吸収をする化合物が、化1や化2の式で代表されるフタール酸化合物やピロメリット酸化合物が考えられる。しかし、本特許は、この種の化合物を使用することにはとどまらず、他の、電池で使用する範囲で電気化学的に安定な芳香族化合物や、非重合性の二重結合を含む物質など、前記特性を満足するすべての化合物について該当する。
【0006】
【化1】

【0007】
(前記化学式1において、前記R1、R2は、H、CH、CH、CH=CH、CH=CHCH、及びN、P、またはSを含む作用基、あるいはフタル酸イミド基と軌道電子が共役できる炭化水素基からなる群より選択される。)
【0008】
【化2】

【0009】
(前記化学式1において、前記R1、R2は、H、CH、CH、CH=CH、CH=CHCH、及びN、P、またはSを含む作用基、あるいはピロメリット酸イミド基と軌道電子が共役できる炭化水素基からなる群より選択される。)
【発明の効果】
【0010】
本発明の添加剤を使用したリチウム二次電池は、サイクル寿命特性は維持しながら安全性は向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は電池に使用される電解液に添加剤を添加したものである。本発明で使用した添加剤の紫外領域における吸収域は、たとえばフタール酸アニリドの紫外吸収スペクトルである図1で示されるように広範囲にわたっているが、波長230ナノメートルから350ナノメートルの紫外領域に特徴的な吸収域を持っており、この電磁波吸収作用が物理化学的に電池の安全性や保存性等の特性を向上させているものと考えられる。前記特性を向上させる確たる理由は不明であるが、事実の集合から以下の合理的な推論が成立する。正極において一般的に使用される遷移金属酸化物が、特に充電時等には化学種としてラジカル活性を持ち、電解液に含有される炭酸塩等の有機物の分解および酸化に対する触媒作用を持つことに対して、これを阻害する作用があると推測される。前記ラジカル反応は、炭酸塩の分解に際しては緩慢に進行して二酸化炭素を発生させ、電池の膨れや形状変化などを惹起する。また、自動酸化等では急激な連鎖反応を行って電池の安全性を低下させ、発火や爆発等の不都合な事態を惹起する。ここで、前記添加剤はラジカル種やその反応中間体の結合、解離エネルギーに相当するエネルギー吸収、つまり不安定で活性な励起エネルギーを安定な電子共鳴として捕獲する作用があるものと推測されるので、作用機構的にも目的とする物質に最も近接する可能性の高い電解液に添加することが理想的である。尚、ラジカル基自体と直接、化学的に反応する物質についても同様にラジカル基を安定化させる作用が存在すると考えられるが、本特許とはその作用機構が基本的に異なり、さらに前記のように化学的な不安定性の解決と言う両立性を満足できない。
前記添加剤は、使用時に想定しうるあらゆる電位において、酸化ないし還元反応を起こしてはならない。ここで、最も取り去りやすい占有電子の軌道エネルギーレベル(HOMOエネルギー(最高占有軌道エネルギー))と、分子軌道のLUMOエネルギー(最低空軌道エネルギー)を半経験的分子軌道計算法でハミルトニアンPM3法を用いて計算した値によって限定し、酸化還元反応生起の目安とする提案(特許文献9)があるが、実際の電池内において、この方法を用いて酸化還元の目安とすることは難しい。これは、溶媒効果や分極、分子量効果によって多大な過電圧を生じる場合がほとんどであり、例えば本特許で提案するフタール酸イミド化合物の場合は、提案と同様の計算法で計算した場合、HOMOやLUMOが非常に浅い値(HOMOが−8.232eV、LUMOが−1.147eV)となるが、一般的な充放電の電位内では酸化反応も還元反応も生起しないことによってもわかる。よって、前記添加剤は芳香族イミド化合物などの軌道電子の共鳴が広範囲にわたったものなどの候補から、さらに実電池使用において酸化還元反応が生起しないことを確認した上で使用すべきである。上記に例示した化合物の場合を含め、使用する添加剤は一般的に提案された方法(特許文献10)等で作製したものを用いることができる。
【0012】
また、前記添加剤を添加する形態として特に限定はしないが、電解液に均一に溶解することが理想的である。使用する電解液によっては均一に溶解せずにゲル状となったり、コロイド状に微分散したりすることがあっても、電池性能を損なわない限り有効である。ここで、前記添加剤が、目的とする紫外線吸収特性を現出する源となる軌道電子の共鳴安定化が多原子間に亘ったほうが、分子の化学種としての安定性の面で有利であり、また、電気化学的酸化も受けにくいとの理由により、分子量も大きくした方が良いが、あまり分子量が大きいと添加自体が可能でなくなるため、混合溶解エンタルピーが正の値をとる限りは200程度の分子量に抑えることが望ましい。
本発明で使用される電解液は、前記過充電制御添加剤と共に、従来のリチウムイオン電池で電解液として使用されるリチウム塩及び非水性有機溶媒の混合物を含む。この時、前記過充電制御添加剤の使用量は、前記電解液に対して0.1乃至5重量%であり、0.3乃至3重量%がさらに好ましい。前記過充電制御添加剤の使用量が前記電解液に対して0.1重量%未満である場合には過充電制御効果が微弱であり、5重量%を超える場合にはOCVの低下及びサイクル寿命特性の低下が起こるので好ましくない。
前記リチウム塩は、有機溶媒に溶解されて電池内でリチウムイオンの供給源として作用して基本的なリチウム二次電池の作動を可能にし、正極と負極との間のリチウムイオンの移動を促進する。このようなリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO)、Li(CFSO)N、LiCFSO、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiN(CxF2x+1SO)(CyF2y+1SO)(ここで、x及びyは自然数である)、LiCl、及びLiIからなる群より選択される一種または二種以上を支持電解塩として含む。リチウム塩の濃度は、0.6乃至2.0Mの範囲内で使用するのが好ましい。リチウム塩の濃度が0.6M未満である場合には電解質の電導度が低下して電解質の性能が低下し、2.0Mを超える場合には電解質の粘度が増加してリチウムイオンの移動性が低下する問題点がある。
前記非水性有機溶媒は、電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動する媒質の役割を果たす。前記非水性有機溶媒としては、カーボネート、エステル、エーテル、及びケトンからなる群より選択される1種以上を使用することができる。前記カーボネートとしては、環状カーボネートまたは鎖状カーボネートを使用することができる。前記有機溶媒を一種以上混合して使用する場合の混合比率は、目的とする電池の性能によって適切に調節することができ、これは当該分野に従事する者に広く知られている。前記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びこれらの混合物からなる群より選択される環状カーボネートを使用することができ、前記鎖状カーボネートは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びメチルプロピルカーボネートからなる群より選択される一種以上の鎖状カーボネートを使用することができる。また、前記エステルとしては、ガンマ−ブチロラクトン、ヴァレロラクトン、デカノライド、メバロラクトンなどを使用することができる。前記ケトンとしては、ポリメチルビニルケトンなどを使用することができる。
本発明の電解液を含むリチウム二次電池は、正極及び負極を含む。
前記正極は、リチウムイオンを可逆的に挿入及び脱離することができる正極活物質を含み、このような正極活物質の代表的な例としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMnO、またはLiNi1-x-yCoxMyO(MはAl、Sr、Mg、Laなどの金属)のようなリチウム遷移金属酸化物を使用する。また、この他にもリチウム二次電池の正極活物質として使用可能な化合物を全て使用することができる。
前記負極は、リチウムイオンを挿入及び脱離することができる負極活物質を含み、このような負極活物質としては、結晶質または非晶質の炭素、または炭素複合体の炭素系負極活物質を使用する。
前記正極及び負極活物質を薄板の集電体に各々適当な厚さ及び長さで塗布して、絶縁体であるセパレータと共に巻いたり積層して電極群を製造した後、缶またはこれと類似した容器に入れて、本発明の電解液を注入して、リチウム二次電池を製造する。前記セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂を使用することができる。
このような構成を有する本発明のリチウム二次電池の代表的な例が図2に示した電池である。図2において、正極3及び負極2を含み、前記正極3及び前記負極2の間に位置するセパレータ4、負極2、正極3、及びセパレータ4に含浸された電解質、円筒状の電池容器5、電池容器5を封入する封入部材6を含む。図2の構造は円筒形タイプの電池であるが、本発明のリチウム二次電池がこの形状に限定されるわけではなく、角形、パウチ形などいかなる形状でも可能である。
以下、本発明の好ましい実施例及び比較例を記載する。しかし、下記実施例は本発明の好ましい一実施例に過ぎず、本発明が下記実施例に限定されるわけではない。
【実施例1】
【0013】
LiCoO正極活物質91重量%、グラファイト導電剤6重量%及びポリフッ化ビニリデンバインダー3重量%を、N-メチル-2-ピロリドンで分散させて正極活物質スラリーを製造した。前記スラリーを正極集電体であるアルミニウム箔に塗布して乾燥した後、ローラプレス機で圧縮成形して正極を製造した。
グラファイト負極活物質90重量%及びポリフッ化ビニリデンバインダー10重量%を、N-メチル-2-ピロリドンで分散させて負極活物質スラリーを製造した。前記スラリーを負極集電体である銅箔の断面に塗布した後、ローラプレス機で圧縮成形して負極を製造した。LiPFを1Mの濃度でエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートの混合溶媒(2:8体積比)に溶解して、電解液を製造し、これをEL0とした。
前記EL0にフタル酸アニリドを全電解液に対して1重量%添加し、これと前記正極、負極を使用して、通常の方法でリチウムイオン電池を製造した。
【実施例2】
【0014】
電解液として前記EL0にフタル酸アニリドを全電解液に対して0.2重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
【実施例3】
【0015】
電解液として前記EL0にフタル酸アニリドを全電解液に対して5重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
【実施例4】
【0016】
電解液として前記EL0にピロメリット酸ジアニリドを全電解液に対して1重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
【実施例5】
【0017】
電解液として前記EL0にピロメリット酸ジアニリドを全電解液に対して0.2重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
【実施例6】
【0018】
電解液として前記EL0にピロメリット酸ジアニリドを全電解液に対して5重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
(比較例1)
電解液として前記EL0用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
(比較例2)
電解液として前記EL0にフタール酸アミドを全電解液に対して1重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
(比較例3)
電解液として前記EL0にピロメリット酸ジアミドを全電解液に対して1重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
(比較例4)
電解液として前記EL0にN−メチルマレイミドを全電解液に対して1重量%添加したものを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の条件で実施した。
前記比較例1乃至3及び実施例1のリチウムイオン電池の標準容量、400回目のサイクル容量、及び2Cでの過充電に対する実験を実施して、その結果を下記表1に示した。前記標準放電測定は0.5Cで4.2Vまで0.02カット−オフ条件で充電し、0.5Cで3.0Vカット−オフ条件で放電し、前記容量維持率測定は0.5Cで4.2Vまで0.02カット−オフ条件で充電し、1C、2.75Vカット−オフ条件で放電した。
【0019】
【表1】

【0020】
前記表1に示したように、実施例の電池は、2Cでの過充電に対する実験において比較例に比べて安全性が向上していることが分かる。また、実施例において、提案する提案する添加剤の添加量が1%以下であれば、添加剤を添加しないものと比較して、電池容量および容量維持率が同等であるか、それ以上であることがわかる。
このように、フタル酸アニリドやピロメリット酸ジアニリドを適量使用した場合には、本提案の主目的である紫外線吸収能による、ラジカル反応抑制効果のみが発現する。しかし、その構造が前記の物質と類似していても、活性水素やアミノ基等が部分的に電気化学的酸化還元や、活物質とのレドックス反応を起こしたり、二重結合部分が重合等の副反応を起こしたりする物質に関しては、実電池への採用が甚だ困難であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1で使用したフタル酸アニリドの紫外域の吸収スペクトルを示したグラフである。
【図2】本発明のリチウム二次電池の構造の一例を概略的に示した図面である。
【符号の説明】
【0022】
1 ・・・負極
2 ・・・正極
3 ・・・セパレータ
20・・・樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と、リチウム金属又はリチウムを吸蔵放出可能な物質を主材とする負極と、これら両電極を離隔するセパレータと、非水系電解液とを備えてなる非水系電解液電池において、前記非水系電解液が、波長域230ナノメートルから350ナノメートルの間の紫外線を吸収する化合物を含有し、さらに想定されるあらゆる使用範囲において化学的、電気化学的に不活性であることを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項2】
前記波長域230ナノメートルから350ナノメートルの間の紫外線を吸収する化合物が化1の式で代表されるフタル酸化合物あることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
【化1】

(前記化学式1において、前記R1、R2は、H、CH、CH、CH=CH、CH=CHCH、及びN、P、またはSを含む作用基、あるいはフタル酸アニリル基と軌道電子が共役できる炭化水素基からなる群より選択される。)
【請求項3】
前記フタル酸化合物が、フタル酸アニリドであることを特徴とする請求項2に記載したリチウム二次電池。
【請求項4】
前記波長域230ナノメートルから350ナノメートルの間の紫外線を吸収する化合物が化2の式で代表されるピロメリット酸化合物であることを特徴とする請求項1に記載したリチウム二次電池。
【化2】

(前記化学式1において、前記R1、R2は、H、CH、CH、CH=CH、CH=CHCH、及びN、P、またはSを含む作用基、あるいはピロメリット酸イミド基と軌道電子が共役できる炭化水素基からなる群より選択される。)
【請求項5】
前記ピロメリット酸化合物がピロメリット酸ジアニリドであることを特徴とする請求項4に記載したリチウム二次電池。
【請求項6】
請求項1で記載した非水系電解液が非水有機溶剤およびリチウム塩からなることを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項7】
前記非水有機溶剤が、カーボネート、エステル、エーテル、及びケトンからなる群より選択される1種以上のものであることを特徴とする請求項1に記載したリチウム二次電池。
【請求項8】
前記リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO)、Li(CFSO)N、LiCFSO、LiClO、CFSOLi 、LiN(SOCF)、LiSbf、LiAlO、LiAlCl、LiN(CxF2x+1SO)(CyF2y+1SO)(ここで、x及びyは自然数である)、LiCl、及びLiIからなる群より選択される一種または二種以上のものであることを特徴とする、請求項1に記載したリチウム二次電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−310011(P2006−310011A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129350(P2005−129350)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(305013116)モリポリマー有限会社 (2)
【Fターム(参考)】