説明

リバーシブルポーチ

【課題】防水性と吸水性といった相互に相反する素材で表地と裏地とを構成し、さらに、リバーシブルに構成することにより、種々の使い勝手に対応するようにしたリバーシブルポーチを提供する
【解決手段】表裏反転可能なリバーシブルポーチ1において、内側の収納部Sに物を出し入れするための開口部Kを有する袋状のポーチ本体10と、開口部Kを開閉するファスナー20とを備え、ポーチ本体10は、相互に相反する特性(防水性と吸水性)のシート状の表地11と裏地12とを有するとともに、表地11と裏地12とが、ファスナー20を開けて開口部Kを介して表裏反転される、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表地と裏地とを表裏反転して使用することができるリバーシブルポーチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の防水ポーチが提案され、また、実用化されている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
特許文献1のものは、柔軟性のある材料で形成された外側入れ物の内側に、防水性で柔軟性のある材料で形成された内側ライナーを挿入して、二重構造とし、外側入れ物の上縁部の開口部を開閉する封止手段を設け、また、内側ライナーの上縁部の開口部に嵌合封止手段を設けたものである。これにより、内側ライナーの内部に防水領域を形成し、例えば、雨が降った場合でも、この防水領域に収納したもの(収納物)が濡れないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−265115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1のものは、内側ライナーが防水性を有しているため、内側ライナーの内部に収納した収納物が、例えば、雨滴が付着していたり、濡れていたりした場合には、内側ライナーの内部に水がたまったり、収納物が湿ったままになったりするという問題があった。すなわち、収納物は、雨滴等が吸収されることが好ましいにもかかわらず、防水性能のために、却って濡れたままになるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、例えば、防水性と吸水性といった相互に相反する特性の素材で表地と裏地とを構成し、さらに、表裏反転可能なリバーシブルに構成することにより、種々の使い勝手に対応できるようにしたリバーシブルポーチを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、表裏反転可能なリバーシブルポーチにおいて、内側の収納部に物を出し入れするための開口部を有する袋状のポーチ本体と、前記開口部を開閉するファスナーと、を備え、前記ポーチ本体は、相互に相反する特性のシート状の表地と裏地とを有するとともに、前記表地と前記裏地とが、前記ファスナーを開けて前記開口部を介して表裏反転される、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係るリバーシブルポーチにおいて、前記表地と前記裏地とのうちの一方が防水性を有する素材で形成され、他方が吸水性を有する素材で形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係るリバーシブルポーチにおいて、前記防水性を有する素材が合成樹脂地であり、前記吸水性を有する素材がタオル地である、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に係るリバーシブルポーチにおいて、前記合成樹脂地が耐熱性を有する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に係るリバーシブルポーチにおいて、前記ポーチ本体は長方形状に形成され、前記ファスナーは、前記ポーチ本体の一方の短辺又は一方の長辺に対応して設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に係るリバーシブルポーチにおいて、前記ポーチ本体は長方形状に形成され、前記ファスナーは、前記ポーチ本体の一方の短辺と一方の長辺とに対応して連続して設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に係るリバーシブルポーチにおいて、前記ポーチ本体は長方形状に形成され、前記ファスナーは、前記ポーチ本体の一方の短辺と一方の長辺と他方の短辺とに対応して連続して設けられている、ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に係るリバーシブルポーチにおいて、前記ポーチ本体は、直線部分と外側に凸状の曲線部分とを合成した形状に形成され、前記ファスナーは、前記ポーチ本体の前記曲線部分に対応して設けられている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項5ないし8のいずれか1項に係るリバーシブルポーチにおいて、前記ポーチ本体は、前記ファスナーのエレメントの上止近傍に、閉ループ状の指掛け部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、ポーチ本体の表地と裏地とを相互に相反する特性のシート状の部材で構成し、さらに、ファスナーを開けた開口部を介して、表裏反転することができるので、相反する特性のシート状の部材を、その状況に応じて表裏反転することにより、種々の使い勝手に対応することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、リバーシブルポーチは、表地と裏地とのうちの一方が防水性を有する素材で、また、他方が吸水性を有する素材で形成されているので、使用状況に応じて、防水性の素材を表面側に出して表地として使用し、吸水性の素材を裏面側にして裏地として使用することができ、また、この逆に、表裏反転させて、吸水性の素材を表面側に出して表地として使用し、防水性の素材を裏面側にして裏地として使用することもできる。
【0018】
請求項3の発明によれば、例えば、防水性を有する素材としては、合成樹脂地を採用し、また、吸水性を有する素材としてタオル地を採用することができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、合成樹脂地として、耐熱性を有する素材を使用すれば、例えば、リバーシブルポーチをコースターと使用した場合に、耐熱性の素材の上に、熱い飲み物が入った容器等を置くことができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、ファスナーによって開閉される開口部は、長方形状のポーチ本体の一方の短辺又は一方の長辺に設けられているので、ポーチ本体の2辺や3辺に設けられる場合と比較して、開口部が小さく、その分、ファスナーの全長を短くすることができるとともに、収納部に収納されているものが、ファスナーの開放時に不用意に飛び出したり、落下したりしにくい。
【0021】
請求項6の発明によれば、ファスナーによって開閉される開口部は、長方形状のポーチ本体の一方の短辺と一方の長辺とに設けられているので、ポーチ本体の1辺に設けられる場合と比較して、ファスナーの開放時には、開口部を大きく開口させて、収納部に対する物の出し入れが容易となり、また、ポーチ本体の3辺に設けられる場合と比較して、開口部が小さく、収納部に収納されているものが、ファスナーの開放時に不用意に飛び出したり、落下したりしにくい。
【0022】
請求項7の発明によれば、ファスナーによって開閉される開口部は、長方形状のポーチの3辺、すなわちポーチ本体の一方の短辺と一方の長辺と他方の短辺に設けられているので、ポーチ本体の1辺や2辺に設けられる場合と比較して、ファスナーの開放時には、開口部を大きく開口させて、収納部に対する物の出し入れが容易となり、また、ファスナーの全開時には、ポーチ本体をシート状に展開することができるので、例えば、コースターやタオルとしての使用が容易となる。
【0023】
請求項8の発明によれば、外側に凸状の曲線部分に設けられたファスナーを全開にすることにより、ポーチ本体をその直線部分を中心として展開することができる。例えば、ポーチ本体を、半円形状に形成すると、直線部分が直径に相当し、曲線部分が半円弧に相当し、展開時のポーチ本体を円形とすることができる。
【0024】
請求項9の発明によれば、閉ループ状の指掛け部は、ファスナーのエレメントの上止め近傍に設けられているので、表裏反転した場合も、また、表裏反転しない場合も、ファスナーを閉じた状態で支障なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態1のリバーシブルポーチ1の、ファスナー20を開放した状態を示す正面図である。
【図2】実施形態1のリバーシブルポーチ1の、ファスナー20を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】実施形態1のリバーシブルポーチ1の、ファスナー20を開放した状態を示す展開斜視図である。
【図4】実施形態1のリバーシブルポーチ1の、ファスナー20を開放した状態を示す展開正面図ある。
【図5】実施形態1のリバーシブルポーチ1の、ファスナー20を開放した状態を示す展開背面図である。
【図6】実施形態2のリバーシブルポーチ2の、ファスナー20Aを閉鎖した状態を示す正面図である。
【図7】実施形態2のリバーシブルポーチ2の、ファスナー20Aを開放して、ポーチ本体10Cの一部をめくった状態を示す正面図である。
【図8】実施形態2のリバーシブルポーチ2の、表裏を反転してファスナー20Aを閉鎖した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
【0027】
図1〜図5を参照して、本発明を適用した実施形態1に係るリバーシブルポーチ1について説明する。ここで、図1〜図5は、いずれも、開閉自在なファスナー20を開放(全開)した状態のリバーシブルポーチ1を示すものであり、図1は正面図、図2は斜視図、図3は展開斜視図、図4は展開正面図、図5は展開背面図である。
【0028】
リバーシブルポーチ1は、図1,図2に示すように、長方形状に形成されたポーチ本体10と、ポーチ本体10の開口部Kを開閉するファスナー20とによって構成されている。
ポーチ本体10は、図3〜図5に示すように、角の丸い長方形状又は正方形状の2枚のシート状の部材、つまり第1シート状部材11と第2シート状部材12とを重ね合わせて構成されている。なお、以下の説明では、第1シート状部材11が表地として、また、第2シート状部材12が裏地として使用される場合を主に説明する。なお、第1シート状部材11と第2シート状部材12との間に、シート状の適宜な芯材を設けてもよい。
【0029】
第1シート状部材11と第2シート状部材12とは、相互に相反する特性を有するシート状の部材によって形成されている。なお、ここで、第1シート状部材11,第2シート状部材12は、薄くて柔軟性のある部材であって、フィルム状の部材や布状の部材も含むものとする。上述の第1シート状部材11,第2シート状部材12については、例えば、第1シート状部材11は、ナイロン,塩化ビニル,ポリエステル等の、防水性を有する合成樹脂素材(合成樹脂地)によって形成され、一方、第2シート状部材12は、タオル,手ぬぐい等の、吸水性を有する繊維素材(タオル地)によって形成されている。
【0030】
さらに、図4に示すように、展開状態のポーチ本体10は、相互に対向する2辺のそれぞれの中点を通る中心線Cで2つに折り返すことにより、正面側に配置される正面側部分10Aと背面側に配置される背面側部分10Bとを構成する。正面側部分10Aは、長方形状に形成されていて、一対の長辺a1,a2と一対の短辺a3,a4とを有している。一方、背面側部分10Bは、同様に長方形状に形成されていて、一対の長辺b1,b2と一対の短辺b3,b4とを有している。正面側部分10Aの長辺a1と背面側部分10Bの長辺b1とは、上述の中心線Cに沿って連結されて連結部Rを構成し、また、図1に示すように、正面側部分10Aの長辺a2、短辺a3,a4と、背面側部分10Bの長辺b2、短辺b3,b4との間には、それぞれ開口部k2,k3,k4が形成されている。つまり、開口部k2は、正面側部分10A及び背面側部分10Bの一方の長辺a2,b2に対応して形成され、開口部k3は、一方の短辺a3,b3に対応して形成され、開口部k4は、他方の短辺a4,b4に対応して形成されている。これら開口部k2,k3,k4によって構成される開口部K全体としては、正面側部分10A及び背面側部分10Bの3辺に対応して、開口部k3,k2,k4の順に連続するように形成されている。開口部Kは、ファスナー20によって開閉される。すなわち、正面側部分10Aと背面側部分10Bとの間には、物品を収納する収納部Sが形成され、ファスナー20によって開口部Kを開放することで、収納部Sに対する物品の出し入れが可能となる。
【0031】
図1に示すように、ファスナー20としては、テープ21と、エレメント22と、スライダー23とを有する一般的なものを使用することができる。ファスナー20は、上述の開口部Kの全長にわたって設けられている。すなわち、エレメント22の下止22aが、短辺a3,b3における、長辺a1,b1側の端部近傍に配置され、エレメント22の上止22bが、短辺a4,b4における、長辺a1,b1側の端部近傍に配置されている。スライダー23は、後述するように、ポーチ本体10を表裏反転した際にも、ファスナー20の開閉を可能にするために、テープ21の表裏双方にそれぞれ引手23aを有するいわゆるダブル引手のものが使用されている。なお、これに代えて、テープ21の表裏に移動可能な1つの引手を有する、いわゆるリバーシブルスライダーを使用してもよい。ファスナー20は、図1,図2に示す全開状態から、スライダー23をエレメント22の下止22aからエレメント22に沿って上止22bまで移動させることにより、つまりポーチ本体10の短辺a3,b3、長辺a2,b2、短辺a4,b4sに沿って移動させることにより、全閉状態とすることができる。
【0032】
図1〜図5に示すリバーシブルポーチ1においては、ファスナー20のエレメント22の上止22b近傍に、閉ループ状の指掛け部13が設けられている。リバーシブルポーチ1の使用者は、例えば、この指掛け部13に指を通すことにより、リバーシブルポーチ1を持ち運びが容易となる。指掛け部13は、この位置に配置することにより、ポーチ本体10の第1シート状部材11と第2シート状部材12とを表裏反転した場合の、ファスナー20の全閉状態においても、反転しない場合と同様に支障なく使用することが可能となる。
【0033】
以上構成のリバーシブルポーチ1は、第1シート状部材11と第2シート状部材12とが、相互に相反する特性のシート状の部材、具体的には、第1シート状部材11が防水性のシート状部材、第2シート状部材12が吸水性のシート状部材によって構成されており、さらに、第1シート状部材11と第2シート状部材12とを表裏反転させることが可能であるので、使用状況に応じて、種々の使い勝手が可能となる。
【0034】
まず、図4,図5に示すように、ファスナー20を全開とし、さらに、ポーチ本体10を展開状態とした場合には、ポーチ本体全体が1枚のシート状となる。例えば、図4に示すように、防水性を有する第1シート状部材11を上向きにして、全体を、テーブルや机に置けば、コースターとして使用することができる。この場合、例えば、冷えた飲み物が入った缶やペットボトルの表面に付着した水滴が、テーブルや机に付着することを防止することができる。さらに、第1シート状部材11を耐熱性の合成樹脂によって形成した場合には、コーヒーや紅茶等の熱い飲み物を置くコースターとしても使用することが可能である。一方、図5に示すように、吸水性を有する第2シート状部材12を使用して、小さなタオルとして、ハンカチ等の代用として使用することができる。
【0035】
つづいて、図1,図2に示すように、防水性を有する第1シート状部材11を表地(表側)にして、リバーシブルポーチ1を構成する場合には、この第1シート状部材11により、内側の収納部Sに収納したものが雨等によって濡れることを防止できる。また、一旦、雨等によって濡れてしまった物を収納部Sに収納すれば、収納部Sは、吸水性の第2シート状部材12で囲まれていて、水分が第2シート状部材12によって吸収されるため、次に物を収納部Sから取り出した際には、水滴等がなくなった状態で物を取り出すことができる。
【0036】
これらにより、例えば、冷蔵庫から取り出した直後のペットボトルを収納するのに便利である。冷蔵庫から取り出した冷えたペットボトルの周囲には、直ちに水滴が付着するが、これをリバーシブルポーチ1の収納部Sに収納すれば、水滴は第2シート状部材12に吸収されるので、ペットボトルは、収納部Sから取り出した際には、表面に水滴が付着しておらず、このため、ペットボトルを握った手に水滴等が付着するおそれがない。
【0037】
次に、リバーシブルポーチ1は、開口部Kの少なくとも一部を開放することにより、表裏反転することが可能である。これにより、これまで、表地として表側を構成していた防水性の第1シート状部材11が裏側に配置されて裏地となり、逆に、これまで、裏地として裏側を構成していた吸水性の第2シート状部材12が表側に配置されて表地を構成する。この場合、リバーシブルポーチ1の表面側を簡単なタオルとして代用することができるので、例えば、すでに濡れてしまった物を、収納部Sに収納する際に、この物を吸水性の第2シート状部材12で構成された表地で拭いて水滴等を除去し、その後、収納部Sに収納する。これにより、裏地としての防水性の第1シート状部材11で囲まれた収納部S内に、水気が不要に溜まったりすることを有効に防止することができる。
【0038】
以上の説明では、開口部Kを開閉する開閉具が、一般的なファスナー20である場合を例に説明したが、開閉具として、これに代えて、面ファスナーや、さらには、ボタンを使用することも可能である。開口部Kを有効に開閉するとともに、第1シート状部材11と第2シート状部材12との表裏反転に支障をきたさない限り、任意の開閉具を使用することが可能である。
【0039】
また、以上の説明では、相反する特性の第1シート状部材11と第2シート状部材12の例として、防水性のシート状部材と吸水性のシート状部材とを例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1シート状部材11と第2シート状部材12との一方を柔らかい肌触りの良い布で形成し、他方をこれよりも硬い丈夫な布で形成することができる。この場合には、例えば、収納部Sに傷がつきやすい物を収納する際には、柔らかい肌触りの良い布を裏地として使用し、一方、使用者がポーチ本体10を直接、手で持って使用するような場合には、表裏反転して、この柔らかい肌触りの良い布を表地として使用するとよい。
【0040】
さらに、相反する特性の第1シート状部材11と第2シート状部材12との組み合わせとしては、性状だけでなく、デザイン的に相反する特性とすることもできる。例えば、第1シート状部材11と第2シート状部材12のうちの、一方を縦縞とし、他方と横縞としたり、一方を白色とし、他方を黒色としたりしてもよい。
<実施形態2>
【0041】
図6〜図8を参照して、本発明を適用した実施形態2に係るリバーシブルポーチ2について説明する。ここで、図6は、ファスナー20Aを閉鎖した状態のリバーシブルポーチ2の正面図である。図7は、ファスナー20Aを開放し、ポーチ本体10Cの一部をめくった状態のリバーシブルポーチ2を示す正面図である。図3は、ポーチ本体10Cを表裏反転して、ファスナー20Aを閉鎖した状態のリバーシブルポーチ2の正面図である。
【0042】
なお、図6〜図8に示すリバーシブルポーチ2において、上述の図1〜図5を参照して説明した実施形態1のリバーシブルポーチ1と同様の構成の部分については、同様の符号を付して適宜、説明を省略し、以下では、主に、実施形態1のリバーシブルポーチ2とは異なる部分について説明する。
【0043】
本実施形態2のリバーシブルポーチ2は、上述の実施形態1のリバーシブルポーチ1が、長方形状の3辺に対応してファスナー20が設けられていたのとは異なり、2辺に対応してファスナー20Aが設けられている。以下、詳述する。
【0044】
リバーシブルポーチ2は、図6〜図8に示すように、ポーチ本体10Cと、ファスナー20Aとを備えた構成されている。
【0045】
ポーチ本体10Cは、上述のリバーシブルポーチ10のポーチ本体10と同様、表地、裏地として、第1シート状部材11と第2シート状部材12と重ね合わせて構成されており、長方形状の、正面側に位置する正面側部分10Aと裏面側に位置する裏面側部分10Bとを有している。正面側部分10Aは、長辺a1,a2、短辺a3,a4を有しており、裏面側部分10Bは、これらに順に対応する長辺b1,b2、短辺b3,b4を有している。長辺a1と長辺b1とは、連結して連続部Rを形成し、さらに、短辺a3と短辺b3とは、例えば、縫合されることで連結されている。これにより、長辺a2と長辺b2との間に開口部k2が形成され、また、短辺a4と短辺b4との間に開口部k4が形成されており、これら開口部k2,k4によって開口部K全体を構成している。このように、開口部Kは、長方形状のポーチ本体10Cの2辺、すなわち、一方の長辺a2,b2と一方の短辺a4,b4との間に形成されている。そして、この2辺に対応する開口部Kに、ファスナー20Aが設けられている。ただし、図6〜図8に示すように、ファスナー20Aは、下止20a側の一部が、他方の短辺a3,b3の位置に入り込むように設けられている。これは、図7に示すように、ファスナー20Aの開放時にスライダー23が短辺a3,b3に位置するようにして、開口部k4,k2が大きく完全に開口するようにするためである。
【0046】
本実施形態のリバーシブルポーチ2は、ファスナー20Aによって開閉される開口部Kは、長方形状のポーチ本体10Cの一方の短辺a4,b4と一方の長辺a2,b2とに設けられているので、上述の実施形態1の、開口部Kが3辺に設けられているリバーシブルポーチ1と比較して、開口部Kが小さく、収納部Sに収納されているものが、ファスナー20Aの開閉時に不用意に飛び出したり、落下したりしにくく、また、後に実施形態3で説明するリバーシブルポーチ(ポーチ本体の1辺にファスナーが設けられる場合)と比較して、ファスナー20Aの開放時には、開口部Kを大きく開口させて、収納部Sに対する物の出し入れを容易とすることができる。
<実施形態3>
【0047】
本実施形態に係るリバーシブルポーチ(不図示)では、長方形状のポーチ本体に対して、その一方の短辺a4,a5(図6参照)にのみ開口部k4を設けて、これにより開口部K全体を構成している。つまり、開口部k4がそのまま開口部K全体に相当する。本実施形態によれば、開口部Kの大きさを最小限にすることにより、ポーチ本体の3辺(実施形態1のリバーシブルポーチ1)や2辺(実施形態2のリバーシブルポーチ2)に設けられる場合と比較して、ファスナーの全長を短くすることができるとともに、収納部Sに収納されているものが、ファスナーの開閉時に不用意に飛び出したり、落下したりしにくくすることができる。なお、本実施形態においても、開口部Kの一部が、長辺a2,b2の一部に係るようにして、ファスナーを開放した際に、開口部Kが完全に開口されるようにするとよい。
<実施形態4>
【0048】
以上の実施形態1〜3では、ポーチ本体の形状が長方形状である場合を例に説明したが、その形状は、長方形状に限らず、他の任意の形状とすることもできる。例えば、半円状に形成して、その直径に対応する部分(直線部分)を正面側部分と裏面側部分と連結部とし、残りの、外側に凸状の円弧に対応する部分(曲線部分)を開口部として、ここにファスナーを取り付けるようにしてもよい。この場合には、ファスナーの全開状態で、かつポーチ本体の展開状態においては、全体を円形とすることができ、例えば、円形のコースターとして便宜に使用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1,2 リバーシブルポーチ
10,10C ポーチ本体
11 表地
12 裏地
20,20A ファスナー
a1,b1 他方の長辺
a2,b2 一方の長辺
a3,b3 一方の短辺
a4,b4 他方の短辺
S 収納部
K,k2,k3,k4 開口部

























【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏反転可能なリバーシブルポーチにおいて、
内側の収納部に物を出し入れするための開口部を有する袋状のポーチ本体と、
前記開口部を開閉するファスナーと、を備え、
前記ポーチ本体は、相互に相反する特性のシート状の表地と裏地とを有するとともに、前記表地と前記裏地とが、前記ファスナーを開けて前記開口部を介して表裏反転される、
ことを特徴とするリバーシブルポーチ。
【請求項2】
前記表地と前記裏地とのうちの一方が防水性を有する素材で形成され、他方が吸水性を有する素材で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のリバーシブルポーチ。
【請求項3】
前記防水性を有する素材が合成樹脂地であり、前記吸水性を有する素材がタオル地である、
ことを特徴とする請求項2に記載のリバーシブルポーチ。
【請求項4】
前記合成樹脂地が耐熱性を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載のリバーシブルポーチ。
【請求項5】
前記ポーチ本体は長方形状に形成され、
前記ファスナーは、前記ポーチ本体の一方の短辺又は一方の長辺に対応して設けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリバーシブルポーチ。
【請求項6】
前記ポーチ本体は長方形状に形成され、
前記ファスナーは、前記ポーチ本体の一方の短辺と一方の長辺とに対応して連続して設けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリバーシブルポーチ。
【請求項7】
前記ポーチ本体は長方形状に形成され、
前記ファスナーは、前記ポーチ本体の一方の短辺と一方の長辺と他方の短辺とに対応して連続して設けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリバーシブルポーチ。
【請求項8】
前記ポーチ本体は、直線部分と外側に凸状の曲線部分とを合成した形状に形成され、
前記ファスナーは、前記ポーチ本体の前記曲線部分に対応して設けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリバーシブルポーチ。
【請求項9】
前記ポーチ本体は、前記ファスナーのエレメントの上止近傍に、閉ループ状の指掛け部を有する、
ことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載のリバーシブルポーチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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