説明

リフレクタアレイ光学装置及びその作製方法

【課題】
一方の主面側にある被観察物の実像を他方の主面側の空間に結像させ空中像の明るさを向上させる大型のリフレクタアレイ光学装置を提供する。
【解決手段】
リフレクタアレイ光学装置は、同一平面上に並置された複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を有する。複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々は、基盤と、各々が基盤の主面に垂直で且つ互いに直交する少なくとも2つの直交側面を有し且つ直交側面の内角の向きが揃うように基盤に一体的に形成された複数の2面コーナーリフレクタと、からなる。複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子は、複数の2面コーナーリフレクタの直交側面の交線が基盤の法線に平行となるように、基盤の端面同士にて貼り合わされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被観察物の実像(実鏡映像)を観察者側の空間に結像させる光学装置及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空中に被観察物の実像(実鏡映像)を結像させて、それを観察者が見ることができるようにした表示装置が提案されている(特許文献1、参照)。
【0003】
かかる表示装置は、被観察物の実像(実鏡映像)を観察者側の空間に結像させる実鏡映像結像光学系と、当該実鏡映像結像光学系の該観察者側とは反対側の空間に配置される該実像(実鏡映像)を形成するための被観察物とを備えている。かかる実鏡映像結像光学系は、被観察物の実像(実鏡映像)を当該実鏡映像結像光学系の対称面に対して対称位置に結像させることができる。
【0004】
特許文献1は、実鏡映像結像光学系又は光学素子として、各々が互いに直交する2つの微小な鏡面(反射面)からなる複数の単位光学素子(各々を2面コーナーリフレクタと称する)の平面的集合体を提案している。特許文献1は、複数の2面コーナーリフレクタを1つの平面上にアレイ状にすなわち碁盤目状に整列配置した2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を開示している。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子には、2面コーナーリフレクタとして、素子面を貫通する方向に想定される光学的な貫通穴の内壁を鏡面として利用するものや、透明基盤の表面から突出した透明な筒状体の内壁を鏡面として利用するものがある。なお、透明な筒状体は光学的な穴を筒状に突出させてその内部を透光材料で充填した角柱すなわちプリズムであるので、以下、透明な筒状体を単に突出部と称することとする。
【0005】
2面コーナーリフレクタアレイ光学素子においては、複数の整列された2面コーナーリフレクタの各鏡面が素子面にほぼ垂直に直立配置されているので、該素子面の一方側に配置した被観察物からの光線は、該素子面を通過する際に2面コーナーリフレクタにて2回反射されて、光線が屈曲して素子面を通過して被観察物のない該素子面の他方の主面側の空間に実像として結像する。すなわち、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子は、被観察物が2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の素子面(対称面とも称する)に対して対称位置に存在するように、その実像を結像させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2007−116639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された光学的な貫通穴の内壁を鏡面とした2面コーナーリフレクタ光学素子は電鋳工法を用いて作製される。また、突出部の内壁を鏡面として利用する2面コーナーリフレクタ光学素子は金型を作製して樹脂成型法を用いて作製される。何れの作製方法においても、金型に精密加工が必要であり、大きな面積の2面コーナーリフレクタ光学素子を作製することは非常に困難であり、せいぜい10cm□の大きさの板状の光学素子を作製することが限度である。
【0008】
そこで、本発明は、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を用いた大型の実鏡映像結像光学系であるリフレクタアレイ光学装置及びその作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による一方の主面側にある被観察物の実像を他方の主面側の空間に結像させるリフレクタアレイ光学装置は、同一平面上に並置された複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を有する。前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々は、基盤と、各々が前記基盤の主面に垂直で且つ互いに直交する少なくとも2つの直交側面を有し且つ前記直交側面の内角の向きが揃うように前記基盤に一体的に形成された複数の2面コーナーリフレクタと、からなる。リフレクタアレイ光学装置において、前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子は、前記複数の2面コーナーリフレクタの前記直交側面の交線が前記基盤の法線に平行となるように、前記基盤の端面同士にて貼り合わされていることを特徴とする。すなわち、本発明のリフレクタアレイ光学装置は、タイリング(平面充填)された複数の2面コーナーリフレクタ光学素子からなる大面積の2面コーナーリフレクタ光学素子集合体である。
【0010】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の隣り合うもの同士は、前記複数の2面コーナーリフレクタの前記直交側面の内角の向きが揃うように配置されていてもよい。
【0011】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記複数の2面コーナーリフレクタが同一ピッチでマトリクス状に整列されており、前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の隣り合うもの同士は、前記複数の2面コーナーリフレクタの前記直交側面同士が平行に揃うように配置されていてもよい。
【0012】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々は透明材料からなり、前記複数の2面コーナーリフレクタの各々は、前記基盤から突出する角柱形状を有する突出部であってもよい。
【0013】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記角柱形状は、前記直交側面の交線に対向する側に前記基盤の法線から傾斜する側面を有し、前記基盤と一体となる底面と前記底面の面積より小なる面積の上面を有する角錐台形状を含むこととすることができる。すなわち、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々は、透明材料から一体成形された基盤の表面から突出した角錐台を複数有し、それぞれの該角錐台の4つある側面のうちの直交する2面が基盤と垂直な平面(2面コーナーリフレクタ)として形成され、且つ、前記2面以外の面が、角錐台の基盤面側の平面(底面)より、基盤側とは反対側の平面(上面)の方が小さくなるような傾斜をつけた平面として形成された構造を有する。このリフレクタアレイ光学装置においては、前記基盤の法線から傾斜する側面の傾斜角度が5度以上25度以下であることが好ましい。この傾斜角度は5度以上であれば、いわゆる「抜きテーパー」として働くため、金型からの2面コーナーリフレクタ光学素子成形品の取り外しを容易にすることができる。スタンパからの2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の取り外しを考えると、この傾斜角度は大きい方が良いが、大き過ぎると2面コーナーリフレクタで反射した光の出射面である上記角錐台の上面の面積が小さくなることにより被観察物の実像(実鏡映像)が暗くなってしまう。また、上記上面面積を確保した場合には上記角錐台の底面の面積が大きくなり単位面積当りの2面コーナーリフレクタの数が減少してしまうため、やはり被観察物の実像(実鏡映像)が暗くなってしまう。これら相反する現象に対して様々な傾斜角度のスタンパを用いて成型実験を行った結果、上記傾斜角度は5度以上25度以下にすることが好適である。上記角錐台において、2面コーナーリフレクタを形成する2面以外の側面(上面と底面除く)は2面存在することになり、その両面に上記傾斜を付けることになるが、それら両面の傾斜角度は等しくても良いし、等しくなくても良い。前記2面コーナーリフレクタアレイ光学素子は樹脂成型法により作製されていることが好ましい。
【0014】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記複数の2面コーナーリフレクタの各々は、前記直交側面として内壁の一部が鏡面とされた前記基盤を貫通する角柱形状の穴としても形成できる。
【0015】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記基盤は前記直交側面の一方の側面に平行な端面を有することとすることができる。
【0016】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記基盤は前記直交側面の一方の側面に対して零度を超え45度未満の角度で交差する平坦な端面を有することとすることができる。
【0017】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記基盤は前記直交側面の一方の側面に対して45度の角度で交差する平坦な端面を有することとすることができる。
【0018】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記基盤の端面が鏡面状に磨かれている。
【0019】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記基盤の端面同士の間にのみ光学接着剤が充填されている。
【0020】
本発明のリフレクタアレイ光学装置においては、前記複数の2面コーナーリフレクタの反対側の前記基盤の主面に重ねられた透明平板を有することとすることができる。
【0021】
本発明の一方の主面側にある被観察物の実像を他方の主面側の空間に結像させるリフレクタアレイ光学装置の作製方法は、基盤と、各々が前記基盤の主面に垂直で且つ互いに直交する少なくとも2つの直交側面を有し且つ前記直交側面の内角の向きが揃うように前記基盤に一体的に形成された複数の2面コーナーリフレクタと、からなる2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を少なくとも2枚形成する工程と、前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々の接着すべき前記基盤の端面に隣接する前記基盤の主面部分の前記複数の2面コーナーリフレクタをマスキング材で被覆する工程と、前記接着すべき前記基盤の端面同士の間に光学接着剤を供給して、前記光学接着剤の一部分を前記基盤の端面同士の間から前記マスキング材の表面に押し出しながら前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる工程と、前記光学接着剤の一部分とともに前記マスキング材を前記基盤の主面の前記複数の2面コーナーリフレクタから除去する工程と、を含むことを特徴とする。前記マスキング材は、突出した複数の突出部(2面コーナーリフレクタ)を配置した部分に前記光学接着剤が入り込むことを防止する。前記光学接着剤が複数の突出部の間に残存すると、作製後の突出部内部を伝搬する光が突出部表面で反射する条件が変化してしまうことになるので、前記マスキング材と後にマスキング材を除去することは斯かる反射条件変化を防ぐ効果がある。
【0022】
本発明のリフレクタアレイ光学装置の作製方法において、前記貼り合わせる工程は、前記基盤の端面同士の間に光学接着剤を供給する前に前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の前記接着すべき前記基盤の端面同士を接触させ、前記接着した前記基盤の端面間を掛け渡す位置関係で粘着テープを前記基盤の主面部分に貼付して繋げる工程を含み、前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる前に前記粘着テープで繋げられた部分を支点(回転中心)として、隣り合う前記基盤の該端面同士を開いた状態となし、該端面同士の間に前記光学接着剤を供給した後、前記基盤の該端面同士を閉じて貼り合わせることとすることができる。前記2面コーナーリフレクタ光学素子の2面コーナーリフレクタ部分が当該素子の端面近傍まで形成されていることは、継ぎ目が目立たなくなるので好ましい。
【0023】
本発明のリフレクタアレイ光学装置の作製方法において、前記貼り合わせる工程は、前記基盤の端面同士の間に光学接着剤を供給する前に、平板の同一平面上に前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子をそれらの前記接着すべき前記基盤の端面同士が向かい合うように配置して、前記接着すべき前記基盤の端面同士の間に前記光学接着剤を供給した後、前記基盤の該端面同士を互いに向けて突き合わせて貼り合わせることとすることができる。
【0024】
本発明のリフレクタアレイ光学装置の作製方法において、前記貼り合わせる工程は、透明平板の同一平面上に光学接着剤を供給して、前記光学接着剤が供給された前記透明平板上に前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子をそれらの前記接着すべき前記基盤の端面同士が向かい合うように配置して、前記接着すべき前記基盤の端面同士の間に前記光学接着剤を供給して、前記基盤の該端面同士を互いに向けて突き合わせて、前記透明平板と前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせることとすることができる。
【0025】
前記粘着テープ又は前記平板若しくは前記透明平板を用いた前記貼り合わせ工程によれば、隣り合う2面コーナーリフレクタ光学素子の基盤の突出部側と反対側の主面がそれぞれ揃うような(段差が生じないような)位置関係で貼り合わせることができる。隣り合う基盤の主面に段差が生じる場合、貼り合わせ部分で実鏡映像に歪が生じるけれども、前記貼り合わせ工程によれば斯かる実鏡映像歪が防止できる。
【0026】
本発明のリフレクタアレイ光学装置の作製方法において、前記マスキング材が水溶性のマスキング材からなる。本発明のリフレクタアレイ光学装置の作製方法において、前記マスキング材を除去する工程において水中の超音波洗浄を施す。超音波洗浄はマスキング材の除去に優れ好適である。
【発明の効果】
【0027】
本発明のリフレクタアレイ光学装置によれば、被観察物の明るい実像(実鏡映像)を観察者側の空間に結像させる大型の実鏡映像結像光学系を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例のリフレクタアレイ光学装置の構成例を概念的に示す概略斜視図である。
【図2】図1のリフレクタアレイ光学装置の動作を説明する概略斜視図である。
【図3】本発明の実施例のリフレクタアレイ光学装置の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を模式的に示す概略部分平面図である。
【図4】図3の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の2面コーナーリフレクタを模式的に示す概略部分切欠斜視図である。
【図5】本発明の更なる実施例のリフレクタアレイ光学装置の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を模式的に示す概略部分平面図である。
【図6】図5の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の2面コーナーリフレクタを模式的に示す概略部分切欠斜視図である。
【図7】本発明の更なる実施例のリフレクタアレイ光学装置の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を模式的に示す概略部分平面図である。
【図8】図7の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の2面コーナーリフレクタを模式的に示す概略部分切欠斜視図である。
【図9】図8のA−A断面における断面図(a)及びB−B断面における断面図(b)である。
【図10】本発明の実施例にかかる2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の角錐台を模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例のリフレクタアレイ光学装置の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子のための2面コーナーリフレクタアレイ光学素子成形品を概念的に示す平面図である。
【図12】図11の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子成形品から切り出された2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を概念的に示す概略平面図である。
【図13】本発明の実施例のリフレクタアレイ光学装置の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子のための2面コーナーリフレクタアレイ光学素子成形品を概念的に示す平面図である。
【図14】図13の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子成形品から切り出された2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を概念的に示す概略平面図である。
【図15】本発明の他の実施例の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を概念的に示す概略平面図である。
【図16】本発明の第1のリフレクタアレイ光学装置作製方法における2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる工程の手順を説明するための2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を模式的に示す斜視図である。
【図17】本発明の実施例にかかる4枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせたリフレクタアレイ光学装置の概念的に示す概略斜視図である。
【図18】本発明の第2のリフレクタアレイ光学装置作製方法における2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる工程の手順を説明するための2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を模式的に示す斜視図である。
【図19】本発明の第3のリフレクタアレイ光学装置作製方法における2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる工程の手順を説明するための2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を模式的に示す斜視図である。
【図20】本発明の他の実施例にかかる4枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせたリフレクタアレイ光学装置を概念的に示す概略斜視図である。
【図21】本発明の他の実施例にかかる4枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせたリフレクタアレイ光学装置を概念的に示す概略斜視図である。
【図22】本発明の実施例のリフレクタアレイ光学装置の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明の実施例のリフレクタアレイ光学装置について、図面を用いて説明する。
【0030】
図1は、実施例のリフレクタアレイ光学装置3の構成を模式的に示す斜視図である。このリフレクタアレイ光学装置3は、同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9(4枚の小型パネル)が一平面上に互いに接して並行配置されそれらの端面同士が接合されて、全体で1枚の大型パネルとして構成されている。また、4枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9の各々には、複数の2面コーナーリフレクタ61が同一平面上に存在するように並設されている。2面コーナーリフレクタ61の各々は2つの相互に直交する鏡面61a,61bから構成されている。多数の2面コーナーリフレクタ61はアレイ状にすなわち碁盤目状に整列配置されている。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9は複数の2面コーナーリフレクタ61の集合アレイ領域を形成するように貼り合わされている。図1に示すように、4枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9は、すべての2面コーナーリフレクタ61の鏡面61a,61bの交線CLがすべての2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の主面の法線に平行となるように、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9の基盤の端面60a同士にて貼り合わされている。
【0031】
図2に示すように、リフレクタアレイ光学装置3は、その一方の主面側に被観察物4が配置された場合、被観察物の実像5(実鏡映像)を装置の他方側の空間に結像させる。すなわち、リフレクタアレイ光学装置3は、その素子面6Sを対称面とする面対称位置に被観察物4の実鏡映像5を結像させることができる。リフレクタアレイ光学装置3の素子面6Sは2面コーナーリフレクタ61を構成するそれぞれ2つの鏡面61a,61bに対してほぼ垂直な仮想的な平面である。なお、2面コーナーリフレクタ61はリフレクタアレイ光学装置3の全体の大きさ(数十cm〜数mオーダ)と比べて非常に微小(μmオーダ)であるので、図1及び図2では2面コーナーリフレクタ61の集合全体をグレーで表し、その内角の向きをV字形状で概念的に表してある。
【0032】
図3は4枚の小型パネルの1つの例の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の一部を具体的に示す部分平面図である。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6は、碁盤目状に配置された複数の直方体の突出部40とこれら突出部を保持する基盤60とからなり、突出部40と基盤60とは透明材料から一体的に成型されて構成されている。この2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の表面には、それぞれが同一な角柱形状の複数の直方体の突出部40が整列されて設けられている。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の裏面は平坦面である。
【0033】
図4は図3の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の一部(4×4の直方体の突出部40)の斜視図を示す。突出した突出部40の4つの側面が基盤60の主面に対して垂直面となっている。直方体の突出部40各々の隣接する2つの直交側面の内壁面61a,61bが2面コーナーリフレクタ61である。基盤60の側から入射し直方体の突出部40の内壁面61a,61bへ向かう光線は内壁面61a,61b(鏡面)で2回反射され、直方体の突出部40の上面から射出される。
【0034】
2面コーナーリフレクタ光学素子の作製方法としては、金型を用いたアクリル等の樹脂の射出成型法及び熱プレス成型法がある。スタンパなどの金型はナノ加工により金属製マスター板に突出部(直方体、立方体)に対応した形状を作製してから電鋳反転工法により作製できる。他の2面コーナーリフレクタ光学素子の作製方法として、例えば、直接X線リソグラフィ法などを用いることにより、透明樹脂基盤に直接、4面垂直側壁を持った直方体や立方体の複数を作製することができる。
【0035】
また、2面コーナーリフレクタ61として、透明基盤の表面から突出した透明直方体の突出部の内壁を鏡面として利用するものの他に、基盤を貫通する立方体形状の貫通穴50の内壁を利用することができる。
【0036】
図5は他の実施例のリフレクタアレイ光学装置を構成できる小型パネルの1つの2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の一部の平面図を示す。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の表面には、それぞれが同一な複数の立方体形状の貫通穴50が整列されて設けられている。図6は図5の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の一部(4×4の立方体形状の貫通穴50)の斜視図を示す。立方体形状の貫通穴50の4つの内側面が基盤60の主面に対して垂直面となっている。立方体形状の貫通穴50の隣接する2つの直交側面の内壁面61a,61bが2面コーナーリフレクタ61である。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6は、透明材料からなる基盤60とこれに穿孔され碁盤目状に配置された複数の立方体形状の貫通穴50とからなる。図6に示すように、基盤60の一方側から入射し立方体形状の貫通穴50の内壁面61a,61bへ向かう光線は内壁面61a,61bで2回反射され、立方体形状の貫通穴50の他方側から射出される。
【0037】
複数の貫通穴を有する2面コーナーリフレクタ光学素子は、ナノ加工により金属製マスター板に光学的な穴の反転形状を作製し電鋳工法によりアルミニウムやニッケル等の金属の反転転写を行い、最後に金属マスター板を除去して作製できる。
【0038】
さらにまた、図7は更なる他の実施例の4枚の小型パネルの1つの2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の一部の平面図を示す。図8は図7の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の一部(4×4の角錐台の突出部51)の斜視図を示す。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6は、透明材料からなる基盤60とその上に一体的に碁盤目状に成型された複数の角錐台の突出部51とからなる。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の表面には、それぞれが同一な角柱形状の複数の角錐台の突出部51が整列されて設けられている。角錐台の突出部51の4つの内側面の内の2つが基盤60の主面に対して垂直面となり、他の2面が基盤60の法線に対して傾斜したテーパー面となっている。角錐台の突出部51のうち隣接して直交する2つの内壁面61a,61bが2面コーナーリフレクタ61である。成形品表面に作製する凸形状突出部にテーパー面いわゆる「抜きテーパー」を付けることにより、スタンパなどの金型から成形品である2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を取り外し易くすることができる。
【0039】
図8に示すように、基盤60の側から入射し角錐台の突出部51の内壁面61a,61bへ向かう光線は内壁面61a,61bで2回反射され、角錐台の突出部51の上面から射出される。
【0040】
角錐台形状の突出部51を有する一方の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6について詳述する。図9に図8のA−A断面及びB−B断面における拡大部分断面図を示す。図10は2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の1つの角錐台の突出部51を模式的に示す斜視図を示す。
【0041】
図8に示す角錐台の突出部51の各々には2面コーナーリフレクタ61として2つの直交する側面(鏡面61a,61b)が形成され、2面コーナーリフレクタを形成する上面と底面を除く2鏡面以外の側面62a,62bが基盤60の主面の法線から一定の角度(傾斜面)を持っている。図8において側面62aは角錐台の突出部51の奥側で見えていない。図9に記載した角錐台の突出部51の寸法H、L、D及び角度θの値は、高さH=170μm、正方形上面一辺L=150μm、間隔D=10μm、テーパー角度θ=108°である。角錐台の突出部51は樹脂成型時の抜きテーパーを考慮した傾斜面(基盤に垂直な面からの角度18度)を持つが、これは代表値であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
図10に示すように、角錐台の突出部51は基盤60と一体となる底面52とその面積より小なる面積の上面53を有する。角錐台の突出部51は2面コーナーリフレクタの直交側面61a,61bを含む立方体形状部Cと、立方体形状部Cと一体となった2面コーナーリフレクタ以外の側面62a,62bを平面として含むテーパー部Tと、からなる。角錐台突出部51は、その4つある側面61a,61b,62a,62bのうちの直交する2面61a,61bが基盤60と垂直な平面(2面コーナーリフレクタ61)として形成され、且つ、当該2面以外の側面62a,62bが、角錐台突出部51の基盤60の側の平面(底面)から基盤側とは反対側の平面(上面)の方が小さくなるような傾斜をつけた平面として形成された構造を有する。樹脂成型法又は熱プレス成型によれば、薄い平板状の基盤60の上に、平面視でほぼ角錐台(例えば正方形底面)の突出部51(一辺が例えば50〜200μm)の多数を離型性よく形成できる。基盤60の法線から傾斜する側面62a,62bの傾斜角度が5度以上25度以下であることが好ましい。この傾斜角度は5度以上であれば、樹脂成型法のいわゆる「抜きテーパー」として働くため、金型からの2面コーナーリフレクタ光学素子6の成形品の取り外しを容易にすることができる。スタンパからの2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の取り外しを考えると、この傾斜角度は大きい方が良いが、大き過ぎると2面コーナーリフレクタ61で反射した光の出射面である角錐台突出部51の上面の面積が小さくなることにより被観察物の実像(実鏡映像)が暗くなってしまう。また、上記上面面積を確保した場合には角錐台突出部51の底面の面積が大きくなり単位面積当りの2面コーナーリフレクタ61の数が減少してしまうため、やはり被観察物の実像(実鏡映像)が暗くなってしまう。これら相反する現象に対して様々な傾斜角度のスタンパを用いて成型実験を行った結果、上記傾斜角度は5度以上25度以下にすることが好適である。角錐台突出部51において、2面コーナーリフレクタ61を形成する2面以外の側面(上面と底面除く)は2面存在することになり、その両面に上記傾斜を付けることになるが、それら両面の傾斜角度は等しくても良いし、等しくなくても良い。
【0043】
図4、図6及び図8に示すように、2面コーナーリフレクタ光学素子6のいずれにおいても、各2面コーナーリフレクタ61の2つの直交側面61a,61bの交線CLは基盤60の主面に直交する。各2面コーナーリフレクタ61は、基盤60の上において直交側面61a,61bがなす内角が全て同じ向きとなるように、規則的な格子点上に整列させて形成されている。すなわち、2面コーナーリフレクタ61のすべては、基盤60の主面に垂直で且つ直交側面61a,61bの内角の向きが一定方向に揃うように、同一ピッチでマトリクス状に整列されて基盤60に一体的に形成されている。例えば、矩形の基盤60に同一の複数の矩形の2面コーナーリフレクタ61が矩形となるように配列されている。2面コーナーリフレクタ61は光学的には必ずしも規則的に整列させる必要はないが、2面コーナーリフレクタ光学素子を作製する上では規則的に配列させた方が好ましい。
【0044】
図1に示すように、4枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9は、すべての2面コーナーリフレクタ61の直交側面61a,61bの交線CL(図4、図6及び図8)が基盤60の法線に平行となるように、基盤60の端面60a同士にて貼り合わされている。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の隣り合うもの同士は、複数の2面コーナーリフレクタ61の直交側面61a同士と直交側面61b同士がそれぞれ平行に揃うように配置され、貼り合わされている。複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の隣り合うもの同士は、複数の2面コーナーリフレクタ61の直交側面61a,61bの内角の向きが揃うように配置されているので、明るい被観察物の実像を映す大型のリフレクタアレイ光学装置3が得られる。
【0045】
[第1のリフレクタアレイ光学装置作製方法]
まず、貼り合わせる前の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の予備処理について説明する。
【0046】
図11に2面コーナーリフレクタアレイ光学素子用の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子成型品を示す。樹脂成型法の製造過程で金型から抜き取る目的で、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子成形品Mは、基盤60の主面に複数の2面コーナーリフレクタ61が一体成型された2面コーナーリフレクタ61のアレイ領域Maの周辺に縁部PRが設けられてある。縁部PRは貼り合わせに不要なのでアクリルカッターなどの切断手段を用いて周囲の縁部PRをアレイ領域Ma境界近傍を境に切断(破線が切断線を示す)してアレイ領域Maから矩形形状の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を得る(図12)。この2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6は、図12に示すように、2面コーナーリフレクタ61の直交側面61a,61bに平行な端面60aを有する。
【0047】
また、図13に示すように、所望の形状の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を得るために周囲の縁部PRとアレイ領域Maの一部を切断する(破線が切断線を示す)こともできる。例えば、2面コーナーリフレクタ61内角の二等分線(45°)と二等分線に垂直な線で切断してアレイ領域Maから矩形形状の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を得る((図14))。得られた矩形の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の基盤60は、図14に示すように、直交側面61a,61bに対して45度の角度で交差する平坦な端面60aを有する。
【0048】
またさらに、一体成型された2面コーナーリフレクタアレイ光学素子成形品からは、図15に示すように、基盤60において直交側面61a,61bの一方の側面に対して零度を超え45度未満の角度φで交差する平坦な端面60aを有する矩形形状の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を切り出すこともできる。なお、図11乃至図15では2面コーナーリフレクタ61の集合全体をグレーで表し、2面コーナーリフレクタ61の内角の向きをV字形状で概念的に表してある。
【0049】
ここで、縁部PR等を切断したままでは2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の周縁の切断面が粗面として残る。この粗面の切断面を研磨剤で磨き、鏡面としておく必要がある。また、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の周縁の切断面が波打った曲面にならないように平面となるように研磨剤で研磨することが好ましい。研磨剤としては市販のプラスチッククリーナー(例えば、株式会社ソフト99コーポーレーション製)を用いることができる。研磨剤を布又はベンコットに含ませてしばらく研磨し、最後に2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の断面を水洗する。さらに2面コーナーリフレクタ61のアレイ領域Maに研磨剤が入り込んでしまった場合には超音波洗浄器により2面コーナーリフレクタ61のアレイ領域Maに付着した研磨剤を除去する。
【0050】
次に、図16を参照して、図12に示す2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を貼り合わせてリフレクタアレイ光学装置を作製する手順を説明する。なお、図16において2面コーナーリフレクタの方向を示唆するために2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の4×4の角錐台の突出部51を強調して概念的に描いているもので、その数や大きさを正確に示すものではない。
【0051】
次に、図16(a)に示すように、2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の各々の接着すべき基盤60の端面60aに隣接する基盤60の主面部分の複数の角錐台状突出部51(2面コーナーリフレクタ61)を水溶性のマスキング材63で被覆する。
【0052】
マスキング材63により角錐台状突出部51の配置部分全体に渡って覆って設けてもよいし、端面60a近傍の一部(例えば基盤断面付近から2cm程度)のみを覆って設けてもよい。角錐台状突出部51同士の間隙部分に光学接着剤が入り込んで残存した場合、作製されたリフレクタアレイ光学装置の角錐台状突出部51内部を伝搬する光が角錐台状突出部51表面で反射する際に、反射条件が変化してしまう。これをマスキング材63は防ぐ効果がある。
【0053】
マスキング材63として酢酸ビニル樹脂を水に乳化させた接着剤を使うと密着性が強すぎて、角錐台状突出部51同士の間に浸透したマスキング材自体が除去できなくなる恐れがある。逆に密着力が弱すぎるゴム系マスキング材では被覆が上手くいかず端面60a同士の接着に入る前にゴム系マスキング材が基盤の端から剥がれる恐れがある。また、アクリル樹脂は耐薬品性が弱いのでエタノールなどで洗浄した場合、アクリル樹脂製の基盤と角錐台状突出部にクラックが入ることがある。そこで、本実施例ではマスキング材63として基盤への密着性がある水溶性薬剤、GSIクレオス製マスキングゾル(登録商標)を使用している。これにより、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の端面60a同士を接着後、水につけて超音波洗浄すればマスキング材を容易に剥すことができる。マスキング材63は、光学接着剤に対しての耐溶剤性と2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6に対しての非溶解性とを有する成膜型剥離性塗料である。
【0054】
次に、図16(b)に示すように、2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の接着すべき基盤の端面60a同士を接触させ、接着した基盤の端面60a間を掛け渡す位置関係で粘着テープ64を基盤60の主面部分に貼付して繋げる。ここで、2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の2面コーナーリフレクタ61のすべては、基盤60の主面に垂直で且つ直交側面61a,61bの内角の向きが一定方向に揃う。
【0055】
粘着テープ64(例えばセロテープ(登録商標))を角錐台状突出部51のない基盤平面側に貼る。この粘着テープ64で2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6(基盤)の厚み方向の段差を無くすことが継ぎ目を目立たなくする上で非常に重要である。粘着テープ64は、しわになったり、粘着テープ64中に気泡が入らないように貼る。この粘着テープ64は基盤平面側に液状の光学接着剤が浸透していくことを防ぐ効果がある。
【0056】
次に、図16(c)に示すように、2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を貼り合わせる前に粘着テープ64で繋げられた部分を支点(回転中心)として、隣り合う基盤の端面60a同士を開いた状態となし、該端面60a同士の間に液体状態の光学接着剤70を供給する。ここでは、粘着テープ64を貼った方と反対側の角錐台状突出部51が形成された側をVの字のように開き、その間に、先細ノズル等で何点かに分け液状の光学接着剤70を供給する。光学接着剤70は基盤60を構成するアクリルなどの樹脂の屈折率に略等しい屈折率を有する紫外線硬化樹脂などを使用する。これにより、貼り合わせ後の接着層を通過する光の量を確保でき、さらに接着層の境界面での光の反射を防止できて、継ぎ目を目立たなくする効果が得られる。
【0057】
図16(d)に示すように、光学接着剤70の一部分を、基盤の端面60aとスキング材63同士の間隙からマスキング材63の表面に押し出しながら2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を貼り合わせる。ここで、粘着テープ64で予め保持されているので、貼り合わせる2面コーナーリフレクタ光学素子6の基盤60の突出部側と反対側の主面が揃い、段差が生じないような位置関係で貼り合わせることが出来る。2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の両側から互いに向けて強く押し込み、そのままの状態で紫外線を照射し光学接着剤70を硬化させる。不要な光学接着剤70は基盤60の角錐台状突出部51側にはみ出してくるがマスキング材63で角錐台状突出部51を保護してあるため問題にはならない。
【0058】
次に、貼り合わされた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6から粘着テープ64を剥がし、光学接着剤70の一部分とともにマスキング材63を基盤60の主面から除去する(図16(e))。これにより、直交側面61a,61bの内角の向きが一定方向に揃った複数の角錐台突出部51を有する同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の2枚が一平面上に互いに接して並行配置され接合したリフレクタアレイ光学装置3が得られる。
【0059】
図16(d)に示すように、光学接着剤70を接着に必要な量よりやや多めに塗ることにより、2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6をそれらの両側から押し込んだときにマスキング材63の上に光学接着剤70が盛り上がる。これにより、超音波洗浄の際にマスキング材63が溶けて硬化した光学接着剤70がやや浮き上がるので、余分な硬化した光学接着剤70を剥がすことが容易になり、基盤の端面同士の間にのみ光学接着剤が充填される。このようにマスキング材の上に光学接着剤70の接着部を盛り上げておいた方が不要な接着剤を剥がす上で有利である。また、余分な硬化接着剤樹脂が除去されるので、当該余分な硬化接着剤樹脂のレンズ効果による実鏡映像の精鋭度低下を防止できて好ましい。また、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の接着面は出来る限り平坦な鏡面状に磨いた方が良いということが判った。端面60aに凹凸があるままだと屈折率マッチングする紫外線接着剤を用いても接着断面に白い濁りが見えて奇麗にはならない。
【0060】
図16に示す工程を繰り返し、貼り合わせた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の組を複数作製して、貼り合わせた組の2つ同士を図16に示す工程を繰り返すことで、図17(a)に示すように、複数の角錐台突出部51を有する同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9(4枚の小型パネル)が一平面上に隙間なく互いに接して並行配置され接合したリフレクタアレイ光学装置3が得られる。同様に、図3に示すような2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を用いて、図16に示す工程を繰り返し、貼り合わせた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の組を複数作製して、貼り合わせた組の2つ同士を図16に示す工程を繰り返すことで、図17(b)に示すように、複数の直方体突出部40を有する同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9(4枚の小型パネル)が一平面上に互いに接して並行配置され接合したリフレクタアレイ光学装置3が得られる。同様に、図5に示すような2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を用いて、図16に示す工程を繰り返し、貼り合わせた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の組を複数作製して、貼り合わせた組の2つ同士を図16に示す工程を繰り返すことで、図17(c)に示すように、複数の直方体突出部40を有する同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9(4枚の小型パネル)が一平面上に互いに接して並行配置され接合したリフレクタアレイ光学装置3が得られる。
【0061】
[第2のリフレクタアレイ光学装置作製方法]
まず、上記の第1の作製方法と同様な基盤60の端面60aが鏡面状に磨かれた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を用意する。そして、図18(a)に示すように、上記第1の作製方法と同様に2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の各々の接着すべき基盤60の端面60aに隣接する基盤60の主面部分の複数の2面コーナーリフレクタ61をマスキング材63で被覆する。さらに、基盤60の反対側の平面裏面をマスキング材63aで被覆する。
【0062】
次に、定盤となる平坦な平板65と、平板65に対して滑り易く同一の厚さを有する平行平板からなるスライダ板Sと、を用意する。そして、図18(b)に示すように、平板65の同一平面上に、それぞれスライダ板Sを介して2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6がそれらの接着すべき基盤の端面60a同士が向かい合い、スライダ板Sの端面からの端面60a同士が突き出るように、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を配置する。かかる配置の前又は後において、接着すべき基盤の端面60aに光学接着剤70を供給し付着させて置く。
【0063】
次に、図18(c)に示すように、基盤の端面60a同士を互いに向けて突き合わせて貼り合わせる。スライダ板Sの端面同士は接触させず、間隙を保つようにする。ここで、貼り合わせる2面コーナーリフレクタ光学素子6の基盤60の突出部側と反対側の主面が揃うような(段差が生じないような)位置関係で貼り合わせ、2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の両側から互いに向けて強く押し込み、そのままの状態で紫外線を照射し光学接着剤70を硬化させる。不要な光学接着剤70は基盤60の両面側にはみ出してくるがマスキング材63で角錐台状突出部51を保護して基盤60の反対側の平面裏面をもマスキング材63aで被覆してあるため問題にはならない。
【0064】
次に、平板65上のスライダ板Sから貼り合わされた2面コーナーリフレクタ光学素子6を取り上げ、上記第1の作製方法と同様に、貼り合わせた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を水につけて超音波洗浄して、光学接着剤70の一部分とともにマスキング材63,63aを基盤60の主面の複数の2面コーナーリフレクタ61から除去する(図18(d))。これにより複数の角錐台突出部51を有する同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の2枚が一平面上に互いに接して並行配置され接合したリフレクタアレイ光学装置3が得られる。
【0065】
[第3のリフレクタアレイ光学装置作製方法]
まず、上記第1の作製方法と同様な基盤60の端面60aが鏡面状に磨かれた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を用意する。そして、図19(a)に示すように、上記の第1の作製方法と同様に2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の各々の接着すべき基盤60の端面60aに隣接する基盤60の主面部分の複数の2面コーナーリフレクタ61をマスキング材63で被覆する。
【0066】
次に、図19(b)に示すように、アクリルなど透明樹脂材料からなる透明な平行平板66を用意して、透明平板66の同一平面上に光学接着剤70を供給する。透明平板66上に光学接着剤70は、バーコーターなどを用いて薄く広げることができる。
【0067】
次に、図19(c)に示すように、光学接着剤70が供給された透明平板66上に2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6をそれらの接着すべき基盤の端面60a同士が向かい合うように配置して、接着すべき基盤の端面60a同士の間に光学接着剤70を供給する。2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6は光学接着剤70の中に気泡が入らないように透明平板66上に配置される。
【0068】
次に、図19(d)に示すように、透明平板66上の光学接着剤70上にて基盤の端面60a同士を互いに向けて突き合わせて、透明平板66と2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を貼り合わせる。ここで、貼り合わせる2面コーナーリフレクタ光学素子6の基盤60の突出部側と反対側の主面が揃うような(段差が生じないような)位置関係で貼り合わせ、2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の両側から互いに向けて強く押し込み、そのままの状態で紫外線を照射し光学接着剤70を硬化させる。
【0069】
次に、上記第1の作製方法と同様に、透明平板と貼り合わせた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を水につけて超音波洗浄して、光学接着剤70の一部分とともにマスキング材63を基盤60の主面の複数の2面コーナーリフレクタ61から除去する(図19(e))。
【0070】
次に、図示しないが、透明平板を貼り合わせた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の外縁に沿って切断(トリミング)すれば、2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の2枚が一平面上に互いに接して並行配置され接合したリフレクタアレイ光学装置が得られる。
【0071】
さらに、例えば、図20に示すような、複数の角錐台突出部51を有する4枚の同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9を合わせて、その2面コーナーリフレクタ61の反対側の基盤60の主面に接合して重ねられた透明平板66を有するリフレクタアレイ光学装置が、図19に示す作製方法と同様にして形成され得る。この場合、4枚の同一の矩形2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9を合わせた面積より大なる透明平板66を用意して、それらを各素子の基盤の角部同士と端面同士が向かい合うように配置して、角部同士と端面同士すべて突き合うように接着する。
【0072】
同様に、図3に示すような2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6を用いて、図20(b)に示すように、複数の直方体突出部40を有する同一の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9(4枚の小型パネル)が透明平板66上の一平面上に互いに接して並行配置され接合したリフレクタアレイ光学装置3が得られる。
【0073】
上記のような実施例においては2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6同士を接着させる端面60aは、2面コーナーリフレクタが設けられている主面に対し垂直な面として形成されていたが、当該端面はこれに限らず、傾斜して形成されていてもよい。図21(a)(b)は、2面コーナーリフレクタが設けられている主面に対し端面60aaが相補的に傾斜した状態で2面コーナーリフレクタアレイ光学素子同士を接着させた以外、図17(a)に示す実施例と同様なリフレクタアレイ光学装置3を示す。あらかじめ2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6,7,8,9には、接着した状態では2面コーナーリフレクタが設けられている主面が連続した面となるように、端面60aaが逆向きの同一角度の傾斜面としてそれぞれ設けられ、上記第1から第3のいずれの作製方法によって接着される。このように設けた2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6は接着させた基盤端面が垂直ではなく、傾斜角度がついているので継ぎ目が見難くなる。例えば基盤のみが厚さ3mm以上であるような厚い場合は特に効果的である。
【0074】
また、2面コーナーリフレクタが突出部によって設けられているタイプで基盤の厚みが3mm以上であるような厚い場合、接着端面を目立たせないようにするため基盤接合後に平面裏面を研磨して薄くすることも有効である。さらに、研磨することで接合時に接合断面よりはみ出た接着剤を除去できるために、はみ出た接着剤のレンズ効果による像の乱れを排除することができる。
【0075】
上記の第1〜第3のリフレクタアレイ光学装置の作製方法における粘着テープ64又は平板65若しくは透明平板66を用いた貼り合わせる工程によれば、隣り合う2面コーナーリフレクタ光学素子6の基盤60の突出部側と反対側の主面が揃うような(段差が生じないような)位置関係で貼り合わせることができる。隣り合う基盤60の主面に段差が生じる場合、貼り合わせ部分で実鏡映像に歪が生じるけれども、上記の貼り合わせ工程によれば斯かる実鏡映像歪が防止できる。
【0076】
図22は、実際に作製した本発明の実施例のリフレクタアレイ光学装置の顕微鏡写真である。これは、図14に示す直交側面61a,61bに対して45度の角度で交差する平坦な端面60aを有する矩形のアクリル製の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子6の2枚を、2面コーナーリフレクタの側面が揃うように、図16にて説明した第1の実施例の方法で接着して得られたリフレクタアレイ光学装置の正面の一部を撮影したものである。このリフレクタアレイ光学装置により、被観察物の明るい実像(実鏡映像)を観察者側の空間に結像させる大型の実鏡映像結像光学系が実現できた。
【符号の説明】
【0077】
6 2面コーナーリフレクタアレイ光学素子
6S 素子面
40 直方体突出部
50 貫通穴
51 角錐台
52 底面
53 上面
60 基盤
61 2面コーナーリフレクタ
61a,61b 直交側面(鏡面)
62a,62b 2面コーナーリフレクタ以外の側面(テーパー面)
63 マスキング材
64 粘着テープ
65 平板
66 透明平板
70 光学接着剤
CL 鏡面の交線
C 立方体形状部
T テーパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面側にある被観察物の実像を他方の主面側の空間に結像させるリフレクタアレイ光学装置であって、
同一平面上に並置された複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を有し、
前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々は、基盤と、各々が前記基盤の主面に垂直で且つ互いに直交する少なくとも2つの直交側面を有し且つ前記直交側面の内角の向きが揃うように前記基盤に一体的に形成された複数の2面コーナーリフレクタと、からなり、
前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子は、前記複数の2面コーナーリフレクタの前記直交側面の交線が前記基盤の法線に平行となるように、前記基盤の端面同士にて貼り合わされていることを特徴とするリフレクタアレイ光学装置。
【請求項2】
前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の隣り合うもの同士は、前記複数の2面コーナーリフレクタの前記直交側面の内角の向きが揃うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項3】
前記複数の2面コーナーリフレクタが同一ピッチでマトリクス状に整列されており、前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の隣り合うもの同士は、前記複数の2面コーナーリフレクタの前記直交側面同士が平行に揃うように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項4】
前記複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々は透明材料からなり、前記複数の2面コーナーリフレクタの各々は、前記基盤から突出する角柱形状を有する突出部であることを特徴とする請求項1乃至請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項5】
前記角柱形状は、前記直交側面の交線に対向する側に前記基盤の法線から傾斜する側面を有し、前記基盤と一体となる底面と前記底面の面積より小なる面積の上面を有する角錐台形状であることを特徴とする請求項4に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項6】
前記基盤の法線から傾斜する側面の傾斜角度が5度以上25度以下であることを特徴とする請求項5に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項7】
前記複数の2面コーナーリフレクタの各々は、前記直交側面として内壁の一部が鏡面とされた前記基盤を貫通する角柱形状の穴であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項8】
前記基盤は前記直交側面の一方の側面に平行な端面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項9】
前記基盤は前記直交側面の一方の側面に対して零度を超え45度未満の角度で交差する平坦な端面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項10】
前記基盤は前記直交側面の一方の側面に対して45度の角度で交差する平坦な端面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項11】
前記基盤の端面が鏡面状に磨かれていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項12】
前記基盤の端面同士の間にのみ光学接着剤が充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項13】
前記基盤の主面に重ねられた透明平板を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1に記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項14】
前記基盤の張り合わされている前記端面は前記複数の2面コーナーリフレクタアレイが設けられている主面に対し傾斜した面であることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のリフレクタアレイ光学装置。
【請求項15】
一方の主面側にある被観察物の実像を他方の主面側の空間に結像させるリフレクタアレイ光学装置の作製方法であって、
基盤と、各々が前記基盤の主面に垂直で且つ互いに直交する少なくとも2つの直交側面を有し且つ前記直交側面の内角の向きが揃うように前記基盤に一体的に形成された複数の2面コーナーリフレクタと、からなる2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を少なくとも2枚形成する工程と、
前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の各々の接着すべき前記基盤の端面に隣接する前記基盤の主面部分の前記複数の2面コーナーリフレクタをマスキング材で被覆する工程と、
前記接着すべき前記基盤の端面同士の間に光学接着剤を供給して、前記光学接着剤の一部分を前記基盤の端面同士の間から前記マスキング材の表面に押し出しながら前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる工程と、
前記光学接着剤の一部分とともに前記マスキング材を前記基盤の主面の前記複数の2面コーナーリフレクタから除去する工程と、を含むことを特徴とする作製方法。
【請求項16】
前記貼り合わせる工程は、
前記基盤の端面同士の間に光学接着剤を供給する前に前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子の前記接着すべき前記基盤の端面同士を接触させ、前記接着した前記基盤の端面間を掛け渡す位置関係で粘着テープを前記基盤の主面部分に貼付して繋げる工程を含み、
前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる前に前記粘着テープで繋げられた部分を支点として、隣り合う前記基盤の該端面同士を開いた状態となし、該端面同士の間に前記光学接着剤を供給した後、前記基盤の該端面同士を閉じて貼り合わせることを特徴とする請求項15に記載の作製方法。
【請求項17】
前記貼り合わせる工程は、
前記基盤の端面同士の間に光学接着剤を供給する前に、平板の同一平面上に前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子をそれらの前記接着すべき前記基盤の端面同士が向かい合いかつ突き出るようにスライダ板に配置され、前記接着すべき前記基盤の端面同士の間に前記光学接着剤を供給した後、前記基盤の該端面同士を互いに向けて突き合わせて貼り合わせることを特徴とする請求項15に記載の作製方法。
【請求項18】
前記貼り合わせる工程は、
透明平板の同一平面上に光学接着剤を供給して、前記光学接着剤が供給された前記透明平板上に前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子をそれらの前記接着すべき前記基盤の端面同士が向かい合うように配置して、前記接着すべき前記基盤の端面同士の間に前記光学接着剤を供給して、前記基盤の該端面同士を互いに向けて突き合わせて、前記透明平板と前記2枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせることを特徴とする請求項15に記載の作製方法。
【請求項19】
前記マスキング材が水溶性のマスキング剤からなることを特徴とする請求項15乃至請求項18のいずれか1に記載の作製方法。
【請求項20】
前記マスキング材を除去する工程において水中の超音波洗浄を施すことを特徴とする請求項19に記載の作製方法。
【請求項21】
前記2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を貼り合わせる工程の後、さらに前記基盤の主面とは反対の裏面を研磨する工程をさらに含むことを特徴とする請求項15乃至請求項20に記載の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−88556(P2013−88556A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227768(P2011−227768)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】