説明

リポペプチドを精製する方法

本発明はリポペプチドを精製する方法に関する。より詳細には、本発明はダプトマイシンを精製するための改善された方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−デカノイル−L−トリプトフィル−D−アスパラギニル−L−アスパルチル−L−トレオニルグリシル−L−オルニチル−L−アスパルチル−D−アラニル−L−アスパルチルグリシル−D−セリル−トレオ−3−メチル−L−グルタミル−3−アントラニロイル−L−アラニンε1−ラクトンという化学名で表されるダプトマイシンの精製のための改善された精製方法に関する。ダプトマイシンは下記の式Iによって表される。
【0002】
【化1】

【背景技術】
【0003】
ダプトマイシンはグラム陽性菌に対する活性を有するリポペプチド抗生物質である。ダプトマイシンはストレプトマイセス・ロゼオスポラス(Strepromyces roseosporus)の発酵、続いて発酵ブロスの精製により製造される。ダプトマイシンの作用のメカニズムは、細菌の膜に結合することにより、膜電位の急速な脱分極を引き起こすことである。この膜電位の消失は、タンパク質、DNAおよびRNAの合成の抑制を引き起こし、細菌の細胞死をもたらす。ダプトマイシンは複雑性皮膚・皮膚組織感染症(cSSSI)およびスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)血流感染症(菌血症)に対して認可されている。ダプトマイシンはキュービスト ファーマシューティカルズ社(Cubist Pharmaceuticals)から、キュービシン(Cubicin:登録商標)の商標で販売されている。
【0004】
ダプトマイシンは1980年代半ばに、複数の特許文献および雑誌に初めて記載された(特許文献1および非特許文献1)。それ以来、改善された発酵方法および精製方法に関する複数の文献が出版されている。
【0005】
特許文献2には、ダプトマイシンを製造するための改善された発酵方法が記載されている。この方法は、デカン脂肪酸あるいはそのエステルまたは塩を、ストレプトマイセス・ロゼオスポラス(Strepromyces roseosporus)の発酵ブロスに供給する工程を記載している。発酵中、デカン脂肪酸は恐らく分子中に挿入されてダプトマイシンのデカン側鎖を形成する。
【0006】
従来技術において、ダプトマイシンを精製するためのいくつかの精製方法が説明されてきた。特許文献3は、ダプトマイシンの精製方法において、発酵ブロスがろ過され、HP−20樹脂を含有するクロマトグラフィーカラムに添加される精製方法を記載している。溶出の後、半精製されたダプトマイシンをHP−20ss樹脂含有カラムに通し、続いて別のHP20樹脂含有カラムに添加する。これらの工程に加え、複数のクロマトグラフィー工程を追加することにより純度を上げる試みがなされたものの、成功については記載されていない。特許文献3はさらに、非機能性樹脂および水溶液の使用、ならびに、水を物理的に除去してから樹脂を極性有機溶媒で再度湿らせる工程を含めることにより、生成物の純度は80%から93%に上昇することを教示している。この方法は時間を要し、工業生産法としてあまり適切ではない。
【0007】
特許文献4は、ダプトマイシンの製造において見られる2つの主要な不純物である無水ダプトマシンおよびダプトマイシンのβ異性体について記載している。特許文献4はさらに、実施例1〜3に記載の方法を使用することにより、上述の2つの不純物を6%未満含むダプトマイシン生成物が得られると述べている。実施例3は、4つのクロマトグラフィー工程および追加の脱塩、濃縮および凍結乾燥工程を含む方法において、ダプトマイシンの中間品質がさらに精製される方法を記載している。クロマトグラフィー工程では洗浄および溶出にアセトニトリルが使用され、その上、その方法は冷却した溶液を用いて低温室内で実施されなければならない。
【0008】
特許文献5は、溶出に変性バッファーを使用する陰イオン交換クロマトグラフィー工程を利用し、かつダプトマイシンがミセルを形成する精密ろ過を利用することによりダプトマイシンを精製する方法を開示している。この特許文献には、上述の2つの工程の組合せを当業者に知られている他の精製工程と組み合わせたいくつかの方法が記載されている。この特許文献では、高度に精製されたダプトマイシン生成物は、ダプトマイシンが95〜97%の純度レベルになると規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,537,717号明細書
【特許文献2】米国特許第4,885,243号明細書
【特許文献3】米国特許第4,874,843号明細書
【特許文献4】米国再発行特許第39071号明細書
【特許文献5】米国特許第6,696,412号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Debono M.et al,Journal of Antibiotics,1986,Vol.XL,No 6,761−777
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ダプトマイシンを精製するための改善された精製方法であって、少なくとも95%の純度の生成物をもたらす方法を提供する。説明する方法は、従来技術において記載された方法よりも簡素であり、また後述するように、変性バッファーの使用を不要とし、さらにアセトニトリルの使用を回避するため環境に有益である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による方法は陰イオン交換クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーの工程を利用する。加えて、通常のろ過工程および最終生成物の凍結乾燥工程を実施してもよい。
【0013】
一実施形態によれば、陰イオン交換クロマトグラフィー工程で溶出バッファーとして使用される一価の塩溶液は塩化ナトリウムの水溶液である。
本発明の逆相クロマトグラフィー工程b)の溶出バッファーは水溶性アルコールである。好ましくは、水溶性アルコールは含水エタノールである。本発明の一実施形態によれば、ダプトマイシンは、40〜70%エタノール水溶液からなる溶出バッファーを使用する逆相クロマトグラフィー工程から溶出される。
【0014】
本発明は反応スキーム1に示される工程によって例示される。
【0015】
【表1】

本発明は総純度95%以上のダプトマイシン生成物をもたらす。無水ダプトマイシンの量は0.5〜1.5%間で変動し、β異性体の量は0.5%未満である。
【0016】
本発明による方法は、当該技術分野において周知の方法よりも、使用するバッファーおよび工程の点で簡素な精製方法を提供し、環境に対して有毒な溶媒の使用を回避する。さらに、それは前記2つの最重要不純物、すなわち無水ダプトマイシンおよびダプトマイシンのβ異性体の非常に良好な分離および量の低下をもたらす。本発明による方法は簡素な精製方法を与えると同時に、従来技術において記載される生成物と少なくとも同程度の純度を有する生成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による方法の出発物質は特許文献2に記載の方法によって製造することができ、その方法では、供給される脂肪酸はデカン酸である。
本発明によれば、ダプトマイシンは、第1の陰イオンクロマトグラフィー工程、さらにそれに続く第2の逆相クロマトグラフィー工程の使用により精製される。
【0018】
本発明の出発物質として使用される発酵ブロスは、前記2つのクロマトグラフィー工程の前に、大きい粒子や生物塊を除去するために前処理されてもよい。前処理の方法として、本発明の出発物質として使用される発酵ブロスを1つ以上の浄化工程に供してもよい。種々の有効な浄化工程が当業者に知られている。本発明による発酵ブロスを前処理するのに有効な浄化工程の非限定的な例は、逆浸透、遠心分離、限外ろ過、精密ろ過、ナノろ過、および透析ろ過である。高多孔性樹脂を用いた陰イオン交換工程も浄化に利用することが可能である。
【0019】
陰イオン交換クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーによるダプトマイシンのさらなる精製の前に、当業者によく知られている浄化方法の様々な組合せが、本発明にしたがって、発酵ブロスを前処理するために使用され得ることが理解されるべきである。
【0020】
浄化された発酵ブロスは陰イオン交換カラムに添加される。Capto Q、Q Sepharose XL、Q Sepharose FF、Source 30 QまたはMacroprep High Q、またはそれらの同等物などの強陰イオン交換樹脂、ならびに市販の樹脂であるDEAE Sepharose FF、ANX Sepharose FF、Source 15 Qなどの弱陰イオン交換樹脂の両方を本発明にしたがって使用することができる。好ましい樹脂は、市販の樹脂であるCapto Qのようなデキストラン表面拡張剤(dextran surface extender)を有する高度に架橋されたアガロース樹脂である。浄化溶液の注入後、カラムは水で洗浄される。
【0021】
本発明の陰イオン交換クロマトグラフィー工程a)の溶出バッファーは一価の塩溶液である。前記一価の塩は、例えばNaClまたはKClなどの塩化物塩である。他の一価の塩、たとえば酢酸ナトリウムなどのアセタートの一価の塩も使用することができる。
【0022】
一実施形態によれば、ダプトマイシンは、0.1M NaCl〜1.5M NaCl、好ましくは0.2M NaCl〜1.0M NaClの水中NaCl勾配でカラムから溶出され得る。
【0023】
半精製されたダプトマイシンは、続いて逆相カラムに添加される。好ましい逆相樹脂はポリスチレンおよびジビニルベンゼンからなる単一サイズの多孔性樹脂であり、例えば市販の樹脂であるSource PRC 30、SP20ss、HP20ssまたは同種のポリスチレン系樹脂である。ダプトマイシン溶液がカラムに適用された後、カラムは15%エタノールのような15%のアルコールを含有する水で洗浄される。
【0024】
ダプトマイシンは、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールのようなC1〜C3アルキルアルコールなどの水溶性アルコールで溶出することができる。本発明の一実施形態によれば、ダプトマイシンは溶出溶媒としてエタノールを用いて逆相カラムから溶出される。
【0025】
ダプトマイシンは、一実施形態によれば、水中のエタノール勾配によって逆相カラムから溶出される。その勾配は5〜80%エタノールであり、好ましくは40%〜70%のエタノールである。
【0026】
本発明の1つの好ましい実施形態では、逆相クロマトグラフィーの追加工程がある。本発明の好ましい実施形態は、生成物の純度を高めるため、2つの逆相カラムを異なるpHで操作することである。1つの好ましい実施形態では、第1のカラムを中性pHで操作し、第2のカラムを酸性pHで操作する。pHに関してどの順序で上記2つの逆相クロマトグラフィー工程を実施するかは重要ではない。第1のカラムを酸性pHで、かつ第2のカラムを中性pHで操作してもよいし、その逆でもよい。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、第1の逆相クロマトグラフィーカラムはpH6.5〜8.5、好ましくはpH7.5〜8.0で溶出される。本発明の別の実施形態によれば、第2の逆相クロマトグラフィーカラムはpH2.5〜3.5、好ましくはpH3.0〜3.1で溶出される。
【0028】
本発明による方法における逆相クロマトグラフィー工程で使用されるカラムは、市販の樹脂であるSource 30PRCのようなスチレン系樹脂であってよい。他の同等な逆相クロマトグラフィー樹脂、例えばSP20ss、HP20ssまたは当業者に周知の同種のポリスチレン系樹脂を使用してもよい。
【0029】
精製されたダプトマイシンは、続いて標準条件下でろ過および凍結乾燥される。最終的な精製ダプトマイシンは少なくとも95%の純度を有する。
(実験の部)
(実施例1)
浄化して部分的に精製されたダプトマイシン溶液を陰イオン交換カラムに注入した。出発物質は透析ろ過により浄化した。
【0030】
イオン交換クロマトグラフィーでの精製
透析ろ過されたダプトマイシンを陰イオン交換カラム、Capto Q樹脂に注入した。別個のタンク内で、下記の組成の各種バッファーを調製した。
【0031】
バッファー1:脱イオン水
バッファー2:0.2M NaCl
バッファー3:0.4M NaCl
バッファー4:1.0M NaCl
出発溶液は、注入前に希釈NaOHでpH6〜8に調整した。ダプトマイシンを、20g/L樹脂の最大容量で樹脂に結合させた。樹脂に結合させた後、最初にバッファー1で、次にバッファー2で発酵関連不純物を洗い流した。
【0032】
ダプトマイシンの溶出および回収はバッファー3でアイソクラティックに行った。溶出の後、カラムをバッファー4で処理(stripped)して残留ダプトマイシンまたは高濃度の結合不純物を除去した。
【0033】
ダプトマイシンは5〜10BVの容量適用に基づいて回収された。
逆相クロマトグラフィーI(RPC I)
ダプトマイシンをスチレン系Source 30RPC樹脂を用いたHPLCにより精製した。
【0034】
この工程のためのバッファーは別個のタンク内で調製した。
バッファー1:脱イオン水
バッファー2:12〜16%エタノール
バッファー3:55〜65%エタノール
ダプトマイシンを中性pH(pH7.5〜8.0)で精製した。最初にカラムをバッファー1で平衡化した。ダプトマイシンをカラムに注入した後(最大注入量<30g/L樹脂)、バッファー2を用いて疎水性の低い不純物(主に分解生成物)を洗い流した。
【0035】
次に、勾配溶出15〜60%エタノール(バッファー1から2への勾配混合物)により、12〜16BVにわたってダプトマイシンを回収した。UVシグナルに基づきダプトマイシンを回収した。
【0036】
逆相クロマトグラフィーII
純度に基づき、第1の逆相クロマトグラフィー工程(RPC I)から各画分を回収してプールし、タンク内でダプトマイシンが沈降するのを防止するため高速撹拌しながら、pHを酢酸でpH3.0〜3.1に調整した。
【0037】
この工程のためのバッファーを別個のタンク内で調製した。
バッファー1:脱イオン水、pH3.0〜3.1を酢酸で調整した
バッファー2:30〜35%エタノール、pH3.0〜3.1を酢酸で調整した
バッファー3:65〜75%エタノール、pH3.0〜3.1を酢酸で調整した
pH調整されたダプトマイシン溶液をカラムに注入し(最大注入量<30g/L樹脂)、疎水性の低い不純物をバッファー1で洗い流した。バッファー2および3を混合して35%〜70%のエタノール勾配を操作することにより、8〜12BVにわたってダプトマイシンの溶出および回収を行った。
【0038】
UVシグナルに基づきダプトマイシンを回収した。
(実施例2)
発酵ブロスを浄化するために、いくつかの浄化方法を使用した。最初に、大きい粒子および生物塊を除去するために発酵ブロスを遠心分離した。発酵ブロスのpHは6.4であり、乾燥物質(DM)は約6〜7%であった。遠心分離後の上清は3%のDMしか含有していなかった。続いて、25〜100μmよりも大きい粒子を除去するために、上清をさらに25〜100μmフィルタを通して前ろ過した。
【0039】
遠心分離および前ろ過された溶液を、続いてPellicon 2500kD(ミリポア社(Millipore))フィルタを通して限外ろ過し、大きい分子を除去した。限外ろ過の後、溶液をナノろ過により濃縮した。フィルタはDLシリーズの350D(GEオスモニクス社(GE Osmonics))を使用した。濃縮液は5g/lのダプトマイシンを含有し、pH6を有していた。
【0040】
本発明にしたがい、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって濃縮液をさらに精製した。樹脂はGEヘルスケア社(GE Healthcare)のCapto Q(90μm)を使用した。必要な場合、濃縮液のpHをNaOHでpH6に調整してからカラムに注入した。濃縮液をカラムに注入した後、カラムを水で洗浄し、NaCl段階勾配でダプトマイシンを溶出した。溶出溶液は、水中に0.2M、0.4Mおよび1.0MのNaClを含有していた。陰イオン交換カラムからプールされた画分は、約2.5g/lのダプトマイシンを含有していた。
【0041】
陰イオン交換カラムからプールされた画分を、次に第1の逆相クロマトグラフィー(RPC I)に注入した。樹脂は、GEヘルスケア社のSource 30RPC(30μm)を使用した。注入後、カラムを水で洗浄し、20〜50%勾配のpH7〜8のエタノールで溶出した。この工程からの画分プールは約6g/lのダプトマイシンを含有していた。この画分プールをさらに、同じ樹脂の第2の逆相カラムに注入した。前回の逆相カラムからのダプトマイシン溶液を注入した後、カラムを水で洗浄し、ダプトマイシンを20〜50%勾配のpH3.0のエタノールで溶出させた。この工程からの画分プールは約8g/lのダプトマイシンを含有していた。
【0042】
その後、GEオスモニクス社のDLシリーズ350Dメンブレンを用いたナノろ過工程によりダプトマイシン溶液を処理した。ナノろ過後のダプトマイシン溶液を、標準条件を用いて凍結乾燥させた。
【0043】
最終生成物の純度は95〜97%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダプトマイシンを精製する方法であって、
a)部分的に精製されたダプトマイシンを含む溶液を陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに注入する工程、
b)工程a)の溶液を逆相クロマトグラフィーカラムに注入する工程、
c)任意選択で工程b)の溶液をさらに逆相クロマトグラフィーカラムに少なくとも1回注入する工程
からなり、
a)における溶出バッファーは一価の塩の溶液であり、かつb)における溶出バッファーは水溶性アルコールである方法。
【請求項2】
陰イオン交換クロマトグラフィー工程a)の前に、1つまたは複数の浄化工程が実施される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
逆相クロマトグラフィー工程b)の生成物は、1つまたは複数のろ過工程によりさらに精製される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
逆相の生成物はさらに凍結乾燥工程に供される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
a)における溶出溶液はNaClである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
溶出バッファーは0.1〜1.5M NaClである請求項2に記載の方法。
【請求項7】
b)における溶出バッファーは含水エタノールである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
溶出バッファーは5〜80%エタノールである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
陰イオン交換クロマトグラフィー工程は、デキストラン表面拡張剤を有する高度に架橋されたアガロース樹脂を用いて実施される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
逆相クロマトグラフィー工程は、スチレン系樹脂カラムを用いて実施される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
工程b)が1回繰り返される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の逆相クロマトグラフィーカラムはpH6.5〜8.5で溶出される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第2の逆相クロマトグラフィーカラムはpH2.5〜3.5で溶出される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ダプトマイシンを精製する方法であって、
a)ダプトマイシンを含む発酵ブロスを1つまたは複数の浄化工程に供する工程、
b)工程a)の溶液を陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに注入する工程、
c)工程b)の溶液を逆相クロマトグラフィーカラムに注入する工程、
d)任意選択で工程c)の溶液をさらに逆相クロマトグラフィーカラムに少なくとも1回注入する工程、
d)工程d)で得られた溶液を1つまたは複数のろ過工程に供する工程、および
e)d)のろ液を凍結乾燥させ、精製されたダプトマイシンの粉末を得る工程
を含む方法。
【請求項15】
a)における浄化工程は、逆浸透、遠心分離、ろ過、限外ろ過、ナノろ過、および陰イオン交換クロマトグラフィーのうちの1つまたはそれらの組合せである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
b)における溶出溶液はNaClである請求項14に記載の方法。
【請求項17】
溶出バッファーは0.1〜1.5M NaClである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
c)における溶出バッファーは含水エタノールである請求項14に記載の方法。
【請求項19】
溶出バッファーは5〜80%エタノールである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程c)が1回繰り返される請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2012−518034(P2012−518034A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551028(P2011−551028)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/NO2010/000066
【国際公開番号】WO2010/095953
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(505371232)クセリア ファーマシューティカルズ エーピーエス (13)
【氏名又は名称原語表記】Xellia Pharmaceuticals ApS
【住所又は居所原語表記】11 Dalslandsgade,DK−2300 Copenhagen S,DENMARK
【Fターム(参考)】