説明

リポ酸を含むコンパニオンアニマル用組成物およびその使用の方法

本発明はコンパニオンアニマルにおいて障害を処置または予防するための組成物および方法を含み、ここでその組成物および方法はそのコンパニオンアニマルにリポ酸またはその塩を含む組成物を与えることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[001] この出願は、2005年6月16日に出願された係属中の出願一連番号11/154,210の一部継続出願であり、それは2001年10月16日に出願された出願一連番号09/978,132の継続出願であり、それは米国特許第6,914,071号として発行されており、それは2001年8月6日に出願された出願一連番号09/922,660の一部継続出願であり、それは2000年11月28日に出願された仮出願一連番号60/253,448および2000年10月31日に出願された仮出願一連番号60/244,504の利益を主張し、そのそれぞれを本明細書にそのまま援用する。
【0002】
[002] 本発明はコンパニオンアニマルにおいて障害を処置または予防するための組成物および方法を含み、ここでその組成物および方法はそのコンパニオンアニマルにリポ酸またはその塩を含む組成物を与えることを含む。
【背景技術】
【0003】
[003] コンパニオンアニマル、例えばイヌおよびネコは、老化の問題に苦しむようである。これらの一部はありふれた諺において表されている。これらの1つは“老犬に新しい芸は教えられない”である。この諺は、イヌが年を取るにつれてそれらの精神能力は身体能力と同様に減少するようであるという観察から生じている。思考、学習および記憶と関係する精神活動は減少するようである(Cummings B J, Head E, Ruehl W, Milgram N W, Cotman C W 1996: 老化および痴呆の動物モデルとしてのイヌ科の動物; Neurobiology of aging 17:259-268)。加えて、変化する精神能力と関連してその老化している動物において行動の変化が示される可能性がある。多くの原因がこの能力の減少に帰せられてきた。
【0004】
[004] これらの能力の低下は一般に老齢のイヌ科の動物およびネコ科の動物において観察される。7歳以上のイヌおよび7歳以上のネコ科の動物は老齢であると考えられ、それらはこの問題を経験し得る。
【0005】
[005] 動物の健康の重要な指標は、動物の体組成である。不健康な食事および/または不健康な生活習慣は、結果として特に体内の赤身の筋肉(lean muscle)に関して不健康な体脂肪の比率を有する動物をもたらし得る。30重量%を超える体脂肪の量は、特に体脂肪の量が35重量%を超えている場合、その動物が不健康であることを示していると考えられる。
【0006】
[006] 本発明は、現在市場に出されているコンパニオン用フード製品を超える増大した療法的および予防的効能を有するコンパニオンアニマルのためのペットフード組成物を含む。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Cummings B J, Head E, Ruehl W, Milgram N W, Cotman C W 1996: 老化および痴呆の動物モデルとしてのイヌ科の動物; Neurobiology of aging 17:259-268
【発明の概要】
【0008】
[007] 発明者は、動物において障害を処置または予防するためのフード組成物およびその組成物を用いる方法を開発した。
[008] 本発明に従って、成体のペットの通常の栄養必要量を満たし、さらに前記のコンパニオンペットのその老年期における精神能力の劣化の開始を抑制するために十分な量の抗酸化剤またはその混合物を含むコンパニオンペット用飼料が存在する。
【0009】
[009] 別の態様は、リポ酸またはその塩を含むコンパニオンアニマルのためのフード組成物を含む。
[0010] 本発明の別の態様は、老齢のコンパニオンペットの精神能力の劣化を抑制するための方法であり、それは前記のペットにその成年期において抗酸化剤またはその混合物をこの抑制を達成するのに十分なレベルで与えることを含む。
【0010】
[0011] さらに本発明に従うのは、成体のコンパニオンペットの通常の栄養必要量を満たし、さらにビタミンE、ビタミンC,アルファ−リポ酸、l−カルニチンおよびそれらのあらゆる混合物からなるグループから選択される抗酸化剤を、前記のペットのその老年期における精神能力の劣化を抑制するのに十分な量で含むコンパニオンペット用飼料である。
【0011】
[0012] 本発明のさらに別の態様は老齢のコンパニオンペットの精神能力を増大させるための方法であり、それはそのペットにその成年期においてその精神能力を増大させるのに十分な量の抗酸化剤またはその混合物を与えることを含む。
【0012】
[0013] 本発明の別の態様は成体のコンパニオンペットの精神能力を増大させるための方法であり、それはそのペットに前記のペットの精神能力を増大させるのに十分な量の抗酸化剤またはその混合物を与えることを含む。
【0013】
[0014] これらの方法の全てにおいて、抗酸化剤またはその混合物をその動物の飼料中に投与するのが望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
全般的な記述
[0015] 本発明はある量のリポ酸またはその塩を含むフード組成物を含む。
[0016] 特定の態様において、その有効量は少なくとも約25ppmである。
【0015】
[0017] 特定の態様において、その有効量は少なくとも約50ppmである。
[0018] 特定の態様において、その有効量は少なくとも約100ppmである。
[0019] 特定の態様において、その有効量は約100ppm〜約600ppmである。
【0016】
[0020] 特定の態様において、その有効量は約100ppm〜約200ppmである。
[0021] 特定の態様において、そのコンパニオンアニマルはイヌである。
[0022] 特定の態様において、そのコンパニオンアニマルはネコである。
【0017】
[0023] 特定の態様において、その有効量はコンパニオンアニマルにおいて変性関節病を予防または処置するのに有効である。
[0024] 特定の態様において、その変性関節病は骨関節炎である。
【0018】
[0025] 特定の態様において、その変性関節病は軟骨損傷である。
[0026] 特定の態様において、その有効量はコンパニオンアニマルにおいて腎臓に関連する障害を予防または処置するのに有効である。
【0019】
[0027] 特定の態様において、その有効量はコンパニオンアニマルに対する美味性を増進するのに有効である。
[0028] 特定の態様において、その有効量はコンパニオンアニマルにおいて健康な体組成を維持または促進するのに有効である。
【0020】
[0029] 特定の態様において、その有効量はコンパニオンアニマルにおいて体重の減少を誘導するのに有効である。
[0030] 特定の態様において、その有効量はコンパニオンアニマルにおいて体脂肪の減少を誘導するのに有効である。
【0021】
[0031] 特定の態様において、その有効量はコンパニオンアニマルにおいて赤身の筋肉(lean muscle)量の百分率を増大させるのに有効である。
[0032] 特定の態様において、その組成物はさらにタンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、およびそれらの組み合わせを含む。
【0022】
[0033] 特定の態様において、その組成物はドッグフードである。
[0034] 特定の態様において、その組成物はキャットフードである。
[0035] 特定の態様において、その組成物はフード、栄養食、サプリメント、動物用トリーツ、または玩具である。
【0023】
[0036] 特定の態様において、その組成物は含水フードの形である。
[0037] 特定の態様において、その組成物は乾燥フードの形である。
[0038] 本発明において用いられる用語“コンパニオンアニマル”は、イヌ、ネコ、およびげっ歯類を含む、ヒトによりペットとして維持されるのに適したあらゆる非ヒト動物を含む。本発明の組成物は、特定の態様において、ネコおよび/またはイヌの処置のためのものである。
【0024】
[0039] 用語“イヌ”には、コンパニオンアニマル、例えばカニスファミリアス(Canis familiaris)、作業犬(working dogs)、および同様のものであるイヌが含まれる。イヌという用語はイヌ科の動物という用語と同意語である。
【0025】
[0040] 用語“ネコ”には、飼い猫または家猫として知られるコンパニオンアニマルであるネコが含まれる。
[0041] 用語“げっ歯類”には、ハムスター、マウス、ラット、モルモット、アレチネズミ、ウサギ、ハリネズミ、フェレット、チンチラ等が含まれるが、それらに限定されない。
【0026】
[0042] 本明細書で示される全ての百分率は、別途明記しない限り、乾燥物質に基づく、組成物の重量によるものである。
本発明の組成物
[0043] 本発明の1態様は、コンパニオンアニマルにおいて変性関節病を予防または処置するのに有効な量のリポ酸を含む、コンパニオンアニマルのための組成物を含む。
【0027】
[0044] 本明細書において用いられる用語“リポ酸またはその塩”には、例えばアルファ−リポ酸、リポ酸類のラセミ混合物、リポ酸塩、エステル、アミドまたはそれらの誘導体、例えば米国特許第5,621,117号において記述されているようなものが含まれるが、それらに限定されない。様々な態様において、そのリポ酸は湿潤または乾燥フード組成物を含む組成物において投与することができ、それは含水フード、乾燥フード、サプリメントまたはトリーツの形であってよい。
【0028】
[0045] そのリポ酸はその中に、もしくはあらゆるフード組成物の表面上において、例えばその上への吹付けもしくは沈殿により組み込まれてよく、またはその飼料にスナック、サプリメント、トリーツとして、もしくはその飼料の液体部分、例えば水もしくは別の液体中で添加されてよい。そのリポ酸は、粉末、固体として、またはゲルを含む液体として投与されてよい。重要な観点は、その動物がプラスの効果をもたらすのに有効な量のリポ酸を与えられることである。典型的には、リポ酸の源はその組成物中に、その動物にとって非毒性であるままである量までの量で存在する。
【0029】
[0046] アルファ−リポ酸の量は、少なくとも約25ppmから、約50ppm、約100ppm、約200ppm、約300ppm、約500ppm、約700ppm、約900ppm、約1100ppm、約1200ppm、約1400ppm、約1600ppm、約1800ppm、約2000ppm、約2200ppm、約2400ppm、約2600ppm、約2800ppm、約3000ppm、または約3500ppmと様々であることができる。様々な態様において、イヌに投与することができるリポ酸の範囲は、約150ppm〜約4500ppmである。様々な態様において、ネコに投与することができるリポ酸の範囲は、約65ppm〜約2600ppmである。特定の説明的な態様において、量は約100ppmからそのペットにとって非毒性であるままである量まで様々であることができる。他の態様において、範囲は約100ppmから約200ppmまでである。
【0030】
[0047] 様々な態様において、リポ酸を含むフード組成物は、意図される受容動物に実質的に栄養上完全な飼料を提供する。“栄養上完全な飼料”は、その飼料において健康な動物の正常な健康の維持に十分な栄養を含む飼料である。
【0031】
[0048] 本発明の組成物は、変性関節病を処置または予防するのに有効な量のリポ酸またはその塩を含む。
[0049] そのリポ酸またはその塩は、意図される動物の健康に有害ではない濃度で存在する。従って、例えば、そのリポ酸またはその塩は、望ましくない、または毒性の作用を引き起こさない濃度で存在する。
【0032】
[0050] 本発明は、リポ酸またはその塩をコンパニオンアニマルによる消費のための組成物に添加することはその組成物の美味性を増進させ、動物がその組成物を消費するであろう可能性を増大させるという新規の発見に基づいている。リポ酸またはその塩を消費のための組成物に添加することは、その組成物の摂取頻度および摂取速度も増大させる。
【0033】
[0051] その組成物は液体または固体のフードであることができる。その組成物が液体である場合、そのリポ酸またはその塩は他の構成要素と混合されることができる。その組成物が固体である場合、そのリポ酸はその組成物上にコートされていて、その組成物の中に組み込まれていて、または両方であってよい。
【0034】
[0052] 様々な態様において、そのリポ酸またはその塩は動物のフードに添加されてよい。様々な態様において、そのリポ酸またはその塩は動物のフードに、配合業者または製造業者により現場で、または動物の介護者(caregiver)によりその動物に餌を与える前に添加されてよい。様々な態様において、そのリポ酸またはその塩は動物のフードの加工の間、例えばその組成物の他の構成要素の混合の間および/または後に添加されてよく、次いでそれが包装され、消費者に入手可能になる。その加工には、押し出し、缶詰め、ベーキング、および同様のこと、または当技術で既知であるペットフードを製造するあらゆる他の方法もしくはプロセスが含まれてよい。様々な態様において、そのリポ酸もしくはその塩は動物もしくは植物構成要素のような天然源により寄与されてよく、またはそのリポ酸もしくはその塩は合成に由来する源により寄与されてよく、またはそのリポ酸もしくはその塩は天然および合成的な源の混合物により寄与されてよい。
【0035】
[0053] その組成物は、リポ酸またはその塩に加えて、コンパニオンアニマルによる消費に適した少なくとも1種類の構成要素を含み、それには脂肪、炭水化物、タンパク質、繊維、栄養調整剤(nutritional balancing agents)、例えばビタミン類、鉱質、および微量元素、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。当業者は、典型的なフードに関するフード成分の量およびタイプを、その動物の食事要求量に基づいて、例えばその動物の種、年齢、大きさ、体重、健康、および機能に基づいて選択することができる。
【0036】
[0054] そのフード組成物のフード成分部分は、約100%までのあらゆる個々のフード成分を含むことができ、またはフード成分の様々な比率での混合物を含むことができる。特定の態様において、そのフード組成物は次の量でのフード成分の組み合わせを含む:約0重量%〜約50重量%の脂肪、約0重量%〜約75重量%の炭水化物、約0重量%〜約95重量%のタンパク質、約0重量%〜約40重量%の食物繊維、および約0重量%〜約15重量%の1種類以上の栄養調整剤。
【0037】
[0055] 特定の態様において、その脂肪および炭水化物フード成分は様々な源、例えば動物脂肪、魚油、植物油、肉、肉の副産物、穀物、他の動物または植物源、およびそれらの混合物から得られる。穀物には小麦、トウモロコシ、大麦、および米が含まれる。
【0038】
[0056] 特定の態様において、そのタンパク質フード成分は様々な源、例えば植物、動物、または両方から得られる。動物性タンパク質には、肉、肉の副産物、牛乳系のもの(dairy)、および卵が含まれる。肉には家禽、魚、および動物、例えばウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、および同様のものからの肉が含まれ、肉の副産物には肺、腎臓、脳、肝臓、胃、および腸が含まれる。そのタンパク質フード成分は、遊離のアミノ酸および/またはペプチドであってもよい。好ましくは、そのタンパク質フード成分には肉、肉の副産物、乳製品、または卵が含まれる。
【0039】
[0057] 特定の態様において、その繊維フード成分は様々な源、例えば植物繊維源、例えばセルロース、テンサイパルプ、落花生殻および大豆繊維から得られる。
[0058] 特定の態様において、その栄養調整剤は、当業者に既知の様々な源、例えばビタミンおよび鉱質サプリメントならびにフード成分から得られる。ビタミン類および鉱質は、欠乏を避け健康を維持するのに必要な量で含まれることができる。これらの量は当技術においてすぐに入手可能である。国家研究会議(NRC)は、家畜に関するそのような栄養素の推奨量を提供している。例えば、Nutrient Requirements of Swine (第10改訂版、Nat’l Academy Press、ワシントンD.C.、1998)、Nutrient Requirements of Poultry (第9改訂版、Nat’l Academy Press、ワシントンD.C.、1994)、Nutrient Requirements of Horses (第5改訂版、Nat’l Academy Press、ワシントンD.C.、1989)を参照。米国飼料検査官協会(AAFCO)は、イヌおよびネコに関するそのような栄養素の推奨量を提供している。米国飼料検査官協会公式刊行物pp. 129-137 (2004)を参照。一般に食品添加物として有用であるビタミン類には、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビオチン、ビタミンK、葉酸、イノシトール、ナイアシン、およびパントテン酸が含まれる。食品添加物として有用である鉱質および微量元素には、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、塩素、鉄、セレン、ヨウ素、および鉄が含まれる。
【0040】
[0059] 特定の態様において、そのフード組成物は当業者に既知の追加の成分、例えばビタミン類、鉱質、充填剤、美味性増進剤、結合剤、香味、安定剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、緩衝剤、塩類、コーティング、および同様のものを含んでいてよい。安定剤には、その組成物の貯蔵寿命を増大させる傾向がある物質、例えば保存剤、相乗剤および隔離剤、包装用ガス(packaging gases)、安定剤、乳化剤、シックナー、ゲル化剤、および湿潤剤が含まれる。乳化剤および/または増粘剤の例には、ゼラチン、セルロースエーテル類、デンプン、デンプンエステル類、デンプンエーテル類、および修飾されたデンプン類が含まれる。それぞれの組成物の構成要素、フード成分、および他の成分に関する具体的な量は、様々な要素、例えばその組成物に含まれる個々の構成要素および成分;その動物の種;その動物の年齢、体重、全身の健康状態、性別、および食事;その動物の摂食速度;処置される疾患または病気のタイプ;および同様のことに依存するであろう。従って、その構成要素および成分の量は広く異なっていてよく、本明細書で記述される好ましい比率から逸脱してよい。
【0041】
[0060] 1つの説明的な態様において、その組成物は、例えばリポ酸またはその塩に加えて次のものの少なくとも1つを含んでいてもよい:
(a)約0%〜約75%の炭水化物、
(b)約2%〜約50%の脂肪、
(c)約0%〜約40%の食物繊維、および
(d)約0%〜約15%の1種類以上の栄養調整剤。
【0042】
[0061] 成体のコンパニオンペット、例えばイヌ科の動物およびネコ科の動物に与えられる飼料は、その年齢の動物に与えられる標準的な通常の飼料である。下表は1〜6歳のイヌ科の動物に関する典型的な飼料である。
【0043】
表1:実例となるコンパニオンアニマル用ペットフード組成物
【0044】
【表1】

【0045】
[0062] その組成物は、その動物の健康を維持する、または向上させることを意図した追加の成分、例えばサプリメント、薬剤、ハーブ、全身用の薬物および組成物、ならびに同様のものを含むことができる。
【0046】
[0063] 本発明の組成物は、1種類以上の疾患または病気を予防または処置するための1種類以上の追加の成分を含んでいてよい。
[0064] これを成し遂げる飼料中の構成要素は、抗酸化剤またはその混合物である。抗酸化剤はフリーラジカルを抑える(quenches)物質である。そのような物質の例には、イチョウ、柑橘類の果肉、ブドウの絞りかす、トマトの絞りかす、ニンジンおよびホウレンソウのようなフード(全て好ましくは乾燥させたものである)、ならびに様々な他の物質、例えばベータ−カロテン、セレン、補酵素Q10(ユビキノン)、ルテイン、トコトリエノール類、大豆イソフラボン類、S−アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N−アセチルシステイン、ビタミンE、ビタミンC、アルファ−リポ酸、l−カルニチンおよび同様のものが含まれる。ビタミンEはトコフェロールまたはトコフェロール類の混合物およびその様々な誘導体、例えばビタミンEアセテート、スクシネート、パルミテートのようなエステル類および同様のものとして投与することができる。そのアルファ型が好ましいが、ベータ、ガンマ、およびデルタ型が含まれ得る。そのd型が好ましいが、ラセミ混合物が許容可能である。その型および誘導体は、ペットによる消化の後にビタミンE様の活性で機能するであろう。ビタミンCは、この飼料において、アスコルビン酸ならびにペットによる消化の後にビタミンC様の活性で機能するであろうその様々な誘導体、例えばリン酸カルシウム塩類、コレステロール塩、2−モノホスフェート、および同様のものとして投与することができる。それらは液体、半固体、固体および熱安定性の形のようなあらゆる形であることができる。アルファ−リポ酸は飼料中にアルファリポ酸として、または米国特許第5,621,117号におけるようなリポエート誘導体、ラセミ混合物、それらの塩類、エステル類もしくはアミド類として投与することができる。L−カルニチンは飼料中に投与することができ、カルニチンの様々な誘導体、例えばその塩類、例えば塩酸塩、フマル酸塩およびコハク酸塩類、ならびにアセチル化カルニチン、ならびに同様のものを用いることができる。
【0047】
[0065] 飼料中で投与される量は、全てその飼料の重量%(乾燥物質基準)として、有効物質として計算され、それ自体は、それは遊離の物質として測定される。用いられる最大量は、毒性を引き起こすべきでない。少なくとも約100ppmまたは少なくとも約150ppmのビタミンEを用いることができる。約500〜約1,000ppmの好ましい範囲を用いることができる。必ずしもそうとは限らないが、約2000ppmまたは約1500ppmの最大値は一般には超過されない。ビタミンCに関しては、少なくとも約50ppm、望ましくは少なくとも約75ppmおよびより望ましくは少なくとも約100ppmが用いられる。非毒性の最大値を用いることができる。アルファ−リポ酸の量は、少なくとも約25、望ましくは少なくとも約50ppm、より望ましくは約100ppmから様々であることができる。最大量は、約100ppmからそのペットにとって非毒性であるままである量まで様々であることができる。好ましい範囲は、約100ppmから約200ppmまでである。l−カルニチンに関しては、イヌ科の動物に関して約50ppm、望ましくは約200ppm、より望ましくは約300ppmが有用な最小値である。ネコ科の動物に関しては、l−カルニチンのわずかに高い最小値、例えば約100ppm、約200ppm、および約500ppmを用いることができる。非毒性の最大量を用いることができ、それは例えば約5,000ppm未満である。イヌ科の動物に関して、より低い量を用いることができ、それは例えば約5,000ppm未満である。イヌ科の動物に関して、好ましい範囲は約200ppm〜約400ppmである。ネコ科の動物に関して、好ましい範囲は約400ppm〜約600ppmである。約1〜15ppmにおけるベータ−カロテンを用いることができる。約0.1〜約5ppmまでにおけるセレンを用いることができる。少なくとも5ppmのルテインを用いることができる。少なくとも約25ppmのトコトリエノール類を用いることができる。少なくとも約25ppmの補酵素Q10を用いることができる。少なくとも約50ppmのS−アデノシルメチオニンを用いることができる。少なくとも約1000ppmのタウリンを用いることができる。少なくとも約25ppmの大豆イソフラボン類を用いることができる。少なくとも約50ppmのN−アセチルシステインを用いることができる。少なくとも約50ppmのグルタチオンを用いることができる。少なくとも50ppmのイチョウの抽出物を用いることができる。
【0048】
[0066] 次のものは、ORAC(酸素ラジカル吸収能力)含有量が高い生の成分である:ホウレンソウの搾りかす、トマトの搾りかす、柑橘類の果肉、ブドウの絞りかす、ニンジン顆粒、ブロッコリー、緑茶、イチョウおよびコーングルテンミール。
【0049】
[0067] 1%含有としてその飼料に添加された場合(トウモロコシのような低ORAC成分との合計5%の置き換えのため)、それらはその飼料全体のORAC含有量を増大させ、これらの構成要素を含む飼料を食べた動物の血漿のORAC含有量を増大させた。好ましくは、その飼料への合計5%の添加のために4種類の他の1%の成分との組み合わせで1%で添加される場合、乾燥物質のグラム当たり25μモルのトロロックス当量を超えるORAC含有量を有するあらゆる成分を用いることができるであろう。特定の態様において、その組成物はさらに有効量の、グルコサミン、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、メチルスルホニルメタン(“MSM”)、クレアチン、抗酸化剤、ペルナカナリキュラタ(Perna canaliculata)、オメガ−3脂肪酸類、オメガ−6脂肪酸類およびそれらの混合物からなるグループから選択される、少なくとも1種類の物質を含む。
【0050】
[0068] 様々な態様において、有効量のリポ酸またはその塩を含むサプリメントは、さらに有効量の、アスピリン、抗炎症剤、例えばイブプロフェン、COX−2阻害剤、ならびに他の薬用および医薬組成物ならびにそれらの組み合わせを含む、少なくとも1種類の物質を含む。サプリメントには全体の栄養バランスまたは性能を向上させるために別の飼料と共に用いられる飼料が含まれるが、それに限定されない。サプリメントには、他の飼料に対してサプリメントとして希釈されずに供給される、別々に入手可能である動物のレーションの他の部分と共に自由選択で提供される、または動物の標準の飼料で希釈され、それと混合されて完全な試料を生成する組成物が含まれる。AAFCOは例えば米国飼料検査官協会公式刊行物p. 220 (2003)においてサプリメントに関する論考を提供している。サプリメントは、例えば粉末、液体、シロップ、丸剤、および封入された組成物を含む様々な形であってよい。
【0051】
[0069] 特定の態様において、その組成物はトリーツであることができる。トリーツには、動物を食事時間ではない間に食べるように誘うために動物に与えられる組成物、例えばイヌ科の動物のためのドッグボーンが含まれる。トリーツはその組成が1種類以上の栄養素を含む栄養性のものであってよく、フード様の組成を有していてよい。非栄養性のトリーツには、非毒性であるあらゆる他のトリーツが含まれる。その組成物または構成要素はそのトリーツの上にコートされていて、そのトリーツの中に組み込まれていて、または両方であってよい。本発明のトリーツは、乾燥フードに関して用いられるプロセスに類似した押し出しまたはベーキングプロセスにより調製することができる。組成物を既存のトリーツの形の外側の上にコートする、または組成物を既存のトリーツの形の中に注入するために、他のプロセスを用いてもよい。
【0052】
特定の態様において、その組成物は玩具であることができる。玩具には、人工の骨のような噛むことができる玩具が含まれる。リポ酸またはその塩は、その玩具の表面上、もしくはその玩具の構成要素の表面上のコーティングを形成している、その玩具全体にわたって部分的にもしくは完全に組み込まれている、または両方であることができる。1態様において、そのリポ酸またはその塩は意図される使用者により口に入れられることが可能である。現在市場に出されている広い範囲の適切な玩具が存在し、それは例えば米国特許第5,339,771号、米国特許第5,419,283号、およびそれらにおいて開示されている参考文献である。この発明は、部分的に消費可能である玩具、例えばプラスチックの構成要素を含む玩具、ならびに完全に消費可能である玩具、例えば生皮および様々な人工の骨の両方を提供する。本発明は好ましくはイヌまたはネコによる使用のための玩具を提供する。
【0053】
本発明の組成物の調製
[0070] 本発明の組成物は、当業者に既知の一般に用いられるフード調製プロセスを用いて、缶詰めされた、または湿潤した形で調製されてよい。典型的には、挽いた動物のタンパク質性組織を、他の成分、例えば魚油、穀物粒、釣り合いを取る成分、特別な目的での添加物(例えば、ビタミンおよび鉱質の混合物、無機塩類、セルロースおよびテンサイパルプ、充填剤、ならびに同様のもの)および水と、加工に十分な量で混合する。これらの成分は、構成要素の混合の間に加熱するのに適した容器中で混合される。その混合物の加熱はあらゆる適切な方法、例えば直接蒸気噴射を用いて、または熱交換器を備えた容器を用いて達成される。最後の成分の添加の後、その混合物を約50°F〜約212°Fの温度に加熱する。この範囲外の温度は許容できるが、他の加工助剤の使用無しでは商業的に実用的で無い可能性がある。適切な温度まで加熱した際、その物質は典型的には濃厚な液体の形であろう。その濃厚な液体を缶の中に充填する。蓋を取り付け、容器を密閉して密封する。次いでその密封された缶を、一般に用いられる、内容物を滅菌するように設計された設備の中に置く。滅菌は通常約230°Fより高い温度に、用いられる温度、組成、および同様の要素に依存する適切な時間加熱することにより達成される。本発明の組成物は、調製の前、間、または後にフード組成物に添加することができる。
【0054】
[0071] フード組成物は、当業者に既知の一般に用いられるプロセスを用いて乾燥した形で調製されてよい。典型的には、乾燥した成分、例えば動物性タンパク質、植物性タンパク質、穀物、および同様のものを挽いて一緒に混合する。次いで脂肪、油、動物性タンパク質、水、および同様のものを含む湿潤した、または液体の成分を、その乾燥混合物に添加してそれと混合する。次いでその混合物をキブル(kibbles)または同様の乾燥した断片に加工する。キブルはしばしば、乾燥および湿潤成分の混合物に高い圧力および温度での機械的仕事を施し、小さな開口部を押し通し、回転するナイフにより切り落としてキブルにする、押し出しプロセスを用いて形成される。次いでその湿潤したキブルを乾燥させ、場合により1種類以上の局所的コーティング、例えば香味、脂肪、油、粉末、および同様のものでコートする。キブルは押し出しではなくベーキングプロセスを用いて練った生地(dough)から作ることもでき、ここでその練った生地を型の中に置いた後乾燥−加熱加工を行う。そのフード組成物は、米国特許第5,339,771号および第5,419,283号において開示されているプロセスのような、乾燥フードまたは玩具に関して上記で記述したプロセスに類似した押し出しまたはベーキングプロセスを用いたトリーツの形であることもできる。本発明の組成物は、調製の前、間、または後にフード組成物に添加することができる。
【0055】
本発明の組成物を用いて障害を処置または予防する方法
[0072] 本発明は、療法的または予防的に有効な量のリポ酸またはその塩を含む組成物をそれを必要とするコンパニオンアニマルに投与することにより特定の障害を処置または予防する方法も含む。
【0056】
[0073] 著しい量の抗酸化剤またはその混合物をコンパニオン成体ペットの飼料に添加することは、老齢のペットにおいて、行動における実証的な変化、特に問題解決能力により明確に示される精神能力の劣化の開始の遅延をもたらすことができる。成体という用語は一般に、少なくも1〜6歳のイヌ科の動物および少なくも1〜6歳のネコ科の動物を意味することを意図する。老齢のイヌまたはネコは7歳以上である。
【0057】
[0074] イヌ科の動物およびネコ科の動物に関する精神能力の低下は何年もの間観察されてきた。この精神能力の低下は非常に多くの様式で示される。例えばイヌ科の動物に関して、それは見当識障害、屋内での粗相(house soiling)、変化した睡眠−覚醒パターン、ヒトおよび他のペットとの低下または変化した相互関係、ならびに学習および集中ができないこととして示される可能性がある。これらの状態はネコ科の動物でも同様に示される可能性がある。ヒトにおいて示されるようなアルツハイマー病は、イヌ科の動物およびネコ科の動物では見られない。
【0058】
[0075] この精神能力の低下に関して多くの理論が提唱されてきた。現在まで、本発明者は、イヌおよびネコにおいてこの精神能力の低下を抑制する、または客観的パラメーターにより測定される精神能力のプラスの変化を実際にもたらすことができる食事の作用経路を知らない。
【0059】
[0076] 本発明者は、この劣化の開始を遅延することを達成することに成功した。本発明者の発明の飼料を成体のコンパニオンペットにおいて用いることにより、高齢のペットの精神能力がより長期間維持され得ることを示すことができる。本質的に、精神能力の劣化は停止または遅延させることができる。記憶および学習能力は改善することができる。全体的に、精神的敏捷性を高めることができる。年齢に関連する認知衰弱は遅らせることができる。認知機能不全症候群に関しては、その進行を高齢のイヌにおいて遅らせることができ、この症候群と関係する臨床徴候を制御することができる。適切な場合の予防およびこれらの構成要素を必要とするペットが標的グループである。
【0060】
[0077] 本発明は、本明細書で記述されている特定の方法論、プロトコル、および試薬に、それらは様々であってよいため、限定されない。さらに、本明細書で用いられる用語法は特定の態様のみを記述するためのものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものでは無い。本明細書において、および添付された特許請求の範囲において用いられる単数形“a,”“an,”および“the”は、文脈が明確にそうではないと指示しない限り複数への言及を含む。同様に、“含む(include)”、“含む(includes)”、および“含んでいる”という語は、排他的にではなく包括的に解釈されるべきである。別途定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的な用語ならびにあらゆる頭字語は、本発明の分野における当業者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書で記述されている組成物、方法、製造物、または他の手段もしくは材料に類似した、または均等なあらゆる組成物、方法、製造物、または他の手段もしくは材料を本発明の実施において用いることができるが、好ましい組成物、方法、製造物、または他の手段もしくは材料は本明細書で記述されている。
【0061】
[0078] 本明細書において引用されている、または参照されている全ての特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献を、法により許される程度まで本明細書に援用する。それらの参考文献の論考は、単にその中でなされた主張を要約することだけを意図している。あらゆるそのような特許、特許出願、刊行物または参考文献、またはそれらのあらゆる部分が本発明に関連する先行技術であることを自認せず、そのような特許、特許出願、刊行物および他の参考文献の正確さおよび妥当性に挑戦する権利は明確に残されている。
【実施例】
【0062】
[0079] この発明は下記のその好ましい態様の実施例によりさらに説明することができるが、これらの実施例は単に説明のためだけに含まれているのであり、別途明確に示さない限り本発明の範囲を限定することを意図するものでは無いことは理解されるであろう。
【0063】
実施例1
[0080] 2〜4歳の成体のビーグル犬17匹(対照n=8、抗酸化剤強化n=9)を、無作為に対照グループまたは強化飼料グループの中に入れた。対照飼料は59ppmのビタミンEおよび32ppm未満のビタミンCを含んでいた。試験試料は、900ppmのビタミンEおよび121ppmのビタミンC、260ppmのl−カルニチンおよび135ppmのアルファリポ酸を有していた。その飼料を開始しておおよそ1ヶ月後、イヌに与えた最初の問題解決課題はランドマーク識別学習課題(landmark discrimination learning task)であり、それは空間的注意の試験である(Milgram et al., 1999 Milgram, N. W., Adams, B., Callahan, H., Head, E., Mackay, B., Thirlwell, C., & Cotman (1999), C. W. Landmark Discrimination Learning in the Dog. Learning & Memory, 6:54-61)。
【0064】
[0081] ランドマーク識別学習は、対象がある目的物への接近度に基づいて特定の目的物を選択することを必要とする。しかし、初期学習は、イヌの目的物識別課題を学習する能力に基づいている。我々は以前に、識別学習に対する年齢の影響は課題の難しさに依存することを見出している。
【0065】
[0082] ランドマーク0試験を学習する際に、強化飼料を食べた成体のイヌは、対照フードを食べた成体のイヌよりも誤りが少なかった(対照の平均=31.1、強化の平均=15.1)。その成体のイヌを、ランドマークを十分に陽性(positive well)からさらに遠くへ移動させたランドマーク1および2の試験に進ませた。強化飼料を食べた成体のイヌは、対照を食べた成体のイヌよりも少ない誤りでランドマーク0〜2を学習した(対照でのランドマーク0+1+2の平均誤り数=132.9;強化飼料を食べたイヌのランドマーク0+1+2の平均誤り数=87.1)。
【0066】
実施例2
[0083] 30(30)匹の成体の無作為な出所のイヌをこの試験のために利用した。イヌは試験の開始前に少なくとも10月齢であり、妊娠しておらず、授乳しておらず、適当な体重であった。動物を食事処置のために、5個のグループにそれぞれのグループあたり3匹のオスおよび3匹のメスで無作為抽出した。
【0067】
[0084] 2週間の前給餌期間(prefeeding period)の間、全てのイヌに、米国飼料検査官協会により提案された栄養素に関する全ての推奨(AAFCO 2000)を満たす、または超える対照フード(0ppmのdl−アルファ−リポ酸を添加した)を与えた(表2)。その前給餌期間の後、イヌを次のdl−アルファ−リポ酸目標含有量(乾燥物質基準)の1つを有する5個の処置グループに無作為抽出した:0ppm、150ppm、1500ppm、3000ppm、4500ppm。全ての飼料(対照およびアルファリポ酸)において、ビタミンEを添加し、それは600〜1000国際単位のレベルで存在し、ビタミンCを100〜200ppmのレベルで添加した。
【0068】
[0085] 試験フードは、水以外で唯一の栄養源であった。新鮮な水を適宜供給した。イヌを選択し、最初の体重を得た後、フードの用量をそれぞれのイヌに関してそのフードの予想されるMEに基づいて計算した。最初のフード用量の計算は、通常の活動を説明するための因子により修正された、そのイヌに関する維持エネルギー必要量(MER)に基づいており、次の式により計算された:
MER(kcal/day)=1.6×RER(安静時エネルギー必要量)
ここで:RER(kcal/day)=70×体重(kg)0.75。
【0069】
[0086] イヌの体重を毎週量り、それらの最適体重を維持するのに十分なフードを与えるため、必要に応じてフードの用量を調節した。最適体重は、5点スケール上の3であるように決定された。フードの用量の調節の後にイヌが最初の体重の−10%の範囲内の体重を維持しなかった場合、それは試験から外された。全ての体重およびフード摂取量の測定値を記録した。
【0070】
[0087] 試料をすり潰し、0.100+/−0.001gの試料を5.0mLのリン酸緩衝液(10mM NaHPO、2mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、0.9% NaCl、pH 7.4)の中に2回抽出した。250μLの抽出物を、Teflonで裏打ちされたキャップを有する5mLガラス遠心チューブの中に入れた。15μLのEDTA溶液(約1M NaOHでpH 7.8に調節した100mM EDTA)および50μLの新しく調製した5mMジチオエリトリトール(DTE)を添加した。その溶液をボルテックスし、室温で5分間保温した。次いで10μLの1M HPOおよび2.0mLのジエチルエーテルを添加した。チューブにキャップを付け、ボルテックスし、1500×gで3分間室温で遠心分離した。エーテル層を別の5mLのガラス遠心チューブに移し、一方で水層を1.5mLのエーテルでさらに2回抽出した。同じ試料からの全ての抽出物を合わせた。次いでその抽出物を室温において水浴中で窒素エバポレーター中で乾燥させる。この時点で、試料にキャップを付け、一夜凍結させた。
【0071】
[0088] 次いで乾燥させた抽出物を解かし、70μLのSDS/EDTA溶液(0.11%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、15mM EDTA、0.9%NaCl)および5μLの新しく調製した1mM DTEで再構成した。次いで50μLの新しく調製したNaBHをそれぞれのチューブに添加した。そのチューブをボルテックスし、室温で10分間保温した。10分後、その試料を−70℃で凍結した。その溶液を解かす前に、20μLの2M HClを添加した。その溶液を解かした後に、800μLの100mM NHCOを添加した。その溶液をボルテックスし、5μLのアセトニトリル中100mMモノブロモジアマン(monobromodiamane)溶液(mBBr)を添加した。次いでその溶液を室温において暗所で90分間保温した。
【0072】
[0089] 1.5mLのジクロロメタンを用いた抽出により、保温後の試料から過剰なmBBrおよびDTE誘導体を除去した。その水層をHPLC上に置いた。約2M NHOHを用いてpH 3.95に調節した、30%アセトニトリル、1%酢酸で構成され、1.0mL/分の流速でポンプで流された(pumped)移動相を用いて、注入あたり15分間の均一溶媒での溶離でリポ酸を分離した。この調製は、押し出されたフードの密度が1g/mLに等しいと仮定した。
【0073】
[0090] 全血球計数および血液の生化学分析のために、試験の開始の2週間前に、ならびに0、28、56、84、112、140および168日目に再度、血液を無菌的に集めた。加えて、食事介入の0、28および84日目に、白血球の単離のために15mlの全血を集めた。
【0074】
[0091] ヘパリン処理した(Heparinzed)全血を、50ml Accuspinコニカル遠心チューブ(Sigma Chemical)上に層状に入れ(layered)、等体積のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を添加した。試料を700gで30分間、ブレーキ無しで遠心分離した。単球の層を回収し、15mlコニカル遠心チューブに移し、1〜3mlのPB中で再懸濁し、前回のように遠心分離した(第1洗浄)。第2洗浄を第1洗浄のように行った。最後に、細胞を回収し、過塩素酸(10% w/v)中で懸濁し、分析まで−70℃で冷凍した。
【0075】
[0092] 試料を−70℃の冷凍庫からその中にドライアイスを有する冷却器の中に移した。バイアルを冷却遠心機中で12,000rpmで5分間遠心分離した。グルタチオン(GSH)分析のため、上清の部分量(aliquot)をコニカル試験チューブに移した。
【0076】
[0093] 酸に可溶性の抽出物の誘導体化は、Jonesにより修正された(Jonesら)、Reedおよび共同研究者ら(Farissら)の方法によった。
[0094] 手短には、150μLの抽出物または外部標準を1.5mlエッペンドルフチューブの中に入れ、続いて20μγ−Glu−Glu内部標準を添加し、50μLのIAAを添加し、続いて混合した。その溶液を、KOH−KHCOの使用溶液を用いることによりpH約10(紫色)に調節した。溶液を暗所において室温下で1時間保温した。サンガー試薬を総体積と同じ体積で添加し、その溶液を暗所において室温で一夜(20時間)保温した。
【0077】
[0095] 保温の後、溶液を12000rpmで5分間遠心分離し、上清を別の1.5mlエッペンドルフチューブの中に移した。200μLの上清を300μLの注入口を有する琥珀色のオートバイアルの中に入れ、その上端にHPLC分析のためのクリンパを取り付けた。
【0078】
[0096] 溶媒および分離条件は記述されている通りであった(Fariss, Jones)。GSHおよびGSSGのレベルを、信頼できる標準物質と比較して定量した。ガンマ−グルタミル−グルタメートを内部標準として用いて誘導体化の効率を評価した。
【0079】
[0097] 臨床化学、血液学および体重に関する値のベースラインに対する比較を、ウィンドウズ版SAS上での対応t検定として、有意性をP<0.05で設定して分析した。それぞれの測定された時点における値の平均を、一元配置ANOVAにより、有意性をP<0.05で設定して分離した。GSH:GSSGにおける、84日目およびベースラインの間の差を、ウィンドウズ版SASにより、一元配置ANOVAで有意性をP<0.05で設定してグループ間で分析した。
【0080】
結果
[0098] 7回の連続するアッセイ(0、28、56、84、112、140、168日目)を経て決定されたフード中のリポ酸の濃度(ppm)は、予想されるアッセイ感度および我々の設備で典型的に生じる生成パラメーターの範囲内であった(表2)。
【0081】
[0099] そのフード摂取データに目立つ点は無かった。全てのグループ中のほとんどの動物は、6ヶ月目の時点で、平均して、試験開始の時点よりも多くのフードを摂取した。体重のデータは、4500ppm含有グループにおいて最初にいくらかの体重の減少が起きたが、その変化は6ヶ月目の時点までに反転したようであったことを除いて目立つ点は無かった。体調の点数は、この軽度の体重減少に影響を受けなかったようであった。
【0082】
[00100] 日常的な身体検査は、栄養に関連する異常またはdl−アルファ−リポ酸の毒性の証拠を何も示さなかった。試験母集団中のすべての動物は、試験の経過全体の間、正常なままであった。試験の経過の間で数匹の動物において時々嘔吐が観察された;しかし、その嘔吐をリポ酸に起因し得る可能性があるという結論が導かれるであろう傾向は観察されなかった。最も高い含有グループ中の1匹の動物を、体重減少および白血球増加症のため、21日目に試験から外した。この動物における白血球増加症は試験の終了までに解決せず、これはいくつかの他の疾患プロセスに起因し得ると思われる。
【0083】
[00101] 28、56、84、112、140および168日目に関する血清の生化学的値をイヌの同じグループに関する最初の値と比較した際に、いくつかの統計的な差が認められたが、これらの値は実験室での基準範囲(reference range)内であるかそれに非常に近く、数ヶ月にわたる一貫した傾向が認められたので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。それぞれの期間における対照および他の処置グループの間の比較もいくつかの統計的な差を示したが、これらの値は臨床検査室での基準範囲内であるかそれに非常に近く、傾向が存在しなかったので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。
【0084】
[00102] 28、56、84、112、140および168日目に関する血液学的値をイヌの同じグループに関する最初の値と比較した際に、いくつかの統計的な差が認められた;しかし、これらの値は実験室での基準範囲内であるかそれに非常に近く、傾向が存在しなかったので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。それぞれの期間における対照および他の処置グループの間の比較はいくつかの統計的な差を示した;しかし、これらの値は臨床検査室での基準範囲内であるかそれに非常に近く、傾向が存在しなかったので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。
【0085】
GSH:GSSG比
[00103] 84日間の給餌にわたるGSH:GSSG比の変化は試料の有意な全体的な効果を示し(P=0.024)、すべての補われたグループでその比が増大した(表3)。ANOVAは、最も低い、および最も高い含有に関して基礎フードと比較して有意な差を示したが、最も大きな数値の増加は最も低い含有レベルにおいてであった。すなわち、最も高い、および最も低い含有に関するGSH:GSSG比の変化は、この同じ期間にわたって基礎フードで観察された変化と有意に異なっていた。84日目における4点に関する比は、これらの試料の全て(1匹の対照、3匹の処置グループ)でGSSGが検出できなかったため、決定することができなかった。従って、補われたグループに関する値は、そのアッセイが84日目における低レベルのGSSGを検出するのに十分に高感度であったならば、さらに高いGSH:GSSGの比を示していた可能性がある。
【0086】
表2
【0087】
【表2】

【0088】
表3
【0089】
【表3】

【0090】
*対照および4,500ppmグループでは1匹のイヌが84日目において検出可能なGSSGを有しておらず、一方で3,000ppmグループでは2匹のイヌが84日目において検出可能なGSSGを有していなかった。
【0091】
[00104] アルファ−リポ酸に関して、さらなる観察を適用可能である。飼料中のアルファ−リポ酸の長期にわたる給餌は、安全かつ有効である。それは還元型グルタチオン(GSH)対酸化型グルタチオン(GSSG)の比を向上させる。飼料中のアルファ−リポ酸の長期にわたる投与は、最低1、2、3、4、5または6カ月の期間から、1、2、3、4、5年の期間、またはその動物の一生涯を含むさらに長い期間を通してまでであることができる。そのアルファ−リポ酸は飼料中でカプセル封入のような特別な保護無しで機能し、医薬において用いられる単位剤形、例えば錠剤、丸剤、カプセルおよび同様のもののような単位剤形で飼料中に存在する必要がない。そのリポ酸は、飼料中で飼料の最低約25、50、75または100ppmで提供される。最高範囲はその毒性レベルのすぐ下であり、飼料の約400、300または200ppmに至るまでと幅広い。一般に、1日あたり約6または7mg/動物のkg体重を超えることはなく、より一般には約5mg/動物のkg体重より上ではない。アルファ−リポ酸は抗酸化防御能力を向上させ、さらにその動物の酸化的傷害に耐える能力を向上させる。この全ては、適量存在する他の抗酸化剤、例えばビタミンEおよびビタミンCと共になされる。これは、アルファ−リポ酸の作用がビタミンCおよび/またはビタミンEの作用を超えていることを実証している。
【0092】
実施例3
材料および方法:
[00105] 30(30)匹のイヌを用いて、AAFCO対照フードまたは魚油を含む試験フードと比較した際のリポ酸の効果を決定した。
【0093】
[00106] AAFCO対照フード、魚油を含むフード、およびリポ酸を含むフードの間で差次的遺伝子発現プロフィールを試験した。d30において、最小で1.3倍の変化で、AAFCO対照と比較して1212個の遺伝子のリストを生成し、魚油を含むフードと比較して1896個の遺伝子のリストを生成した。
【0094】
[00107] RNA抽出:全RNAを全血試料からPAXgene RNA単離キットを用いて単離した。全ての測定は、canine 2 Affymetrix genechipを用いて行った。統計分析のため、全ての測定値をRMAを用いて標準化した。全ての分析はPartekを用いて行った。対象および試験フードの間で差次的に発現している遺伝子に関してANOVA t−検定を行い、それはp−値カットオフ0.1、倍率変化>+/−1.3に基づいて選択された。
【0095】
[00108] 遺伝子発現:150ppmのリポ酸を含む試験フードを与えられたイヌにおいて、AAFCO対照フードを与えられたイヌと比較した際に1212個の遺伝子の発現が変化していることが分かった。加えて、リポ酸を含む試験フードを与えられたイヌにおいて、魚油を含む試験フードと比較して1896個の遺伝子の発現が変化していることが分かった。表9は、機能によりグループ分けした遺伝子および対照フードまたは魚油を含むフードのどちらかを与えられたそれらと比較した発現の方向を示す。
【0096】
[00109] メタボロミクス:血漿代謝産物を分析し、対象を与えられたイヌと比較した倍率変化として比較した。
[00110] バイオマーカーの測定:ELISAに基づくキットを用いて血清軟骨マーカーを測定し、軟骨マーカーの濃度を決定した。0日目を分析における共変数として用いて、ベースラインの値に関して調整した。
【0097】
[00111] 結果:リポ酸のフードへの添加は、結果として、II型コラーゲンC−プロペプチドおよびII型コラーゲンのカルボキシ末端に架橋されたテロペプチド断片における、リポ酸無しの類似のフードよりも大きな減少をもたらした。これらの2種類のマーカーは骨関節炎を有するイヌにおいて増加することが知られている。加えて、リポ酸を含むフードを与えられたイヌは脂肪を失い、これはエネルギーのための脂肪の利用(脂肪酸化)の増大およびより健康な体重維持のためのグルコースの産生の減少を示唆している。言い換えれば、リポ酸を与えられたイヌは利用可能なグルコースをより効率的に利用し、エネルギーの使用に関してそれらの代謝を脂肪の動員に移行させた。加えて、代謝産物であるヒドロキシプロリンが血漿中で減少しており、この代謝産物はほとんど排他的に軟骨から生じるため、これは低減した軟骨破壊を示唆している。さらに、血清白血球から決定された遺伝子発現の変化はその証拠を支持し、軟骨構成要素の合成の増大および軟骨を分解する酵素の発現の減少による軟骨の保護の増大を示唆している。最後に、遺伝子発現の変化は、グルコースからのピルベートの形成を阻害し、エネルギーに関して代謝をアセチル−CoAの往復(shuttling)に移行させるPDK4の増加およびグルコース輸送体の上方制御による向上した脂肪利用を示唆している。リポ酸を与えられたイヌは、対照のフードを与えられたイヌと比較してゲノム的により引き締まっている(leaner)ようにも見えた。
【0098】
[00112] 次の表は、リポ酸を用いた処置に関する、脂肪および体重ならびに軟骨マーカーにおける違いを示している。
[00113] 表4は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられたイヌの体組成の変化を図説している。表4において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日の処置期間にわたって最も大きい体重の変化を示した。
【0099】
【表4】

【0100】
[00114] 表5は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられたイヌにおけるピルベートの血中レベルの変化を図説している。表5において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは30日の処置期間にわたって最も大きいピルベートの血中レベルの変化を示した。
【0101】
【表5】

【0102】
[00115] 表6は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を30日間与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられた後にゲノム的に太っていると分類されたイヌの百分率を図説している。表6において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは、30日の処置期間の後に、身体的に太ったイヌとゲノム的に似ていなかった。
【0103】
【表6】

【0104】
[00116] 表7は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を30日間与えられ、90日目に再度測定されたイヌと比較した、対照の試料を与えられた後のイヌにおける関節マーカーの血中レベルの変化を図説する。表7において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは、リポ酸を加えた対照を与えられた30日間の処置期間の後に関節マーカー(すなわちCPIIおよびCTXII)の低減を、90日間の期間の後に関節マーカーのより大きな低減を示した。
【0105】
【表7】

【0106】
[00117] 表8は、対照試料を与えられた後のイヌにおける、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を90日間与えられたイヌと比較した、イヌ科の動物の骨細胞における軟骨の代謝に関連する遺伝子の方向性の変化(上方制御または下方制御)を図説する。表8において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは、軟骨のコラーゲン構成要素の分解に対応するMMP3遺伝子の下方制御、MMP類の阻害に対応するTIMP2の上方制御、およびII型コラーゲンの合成における律速段階に対応する(すなわち、コラーゲンエピトープ中への組み込みのためにヒドロキシプロリンを生成する)プロリル4−ヒドロキシラーゼの上方制御を示した。
【0107】
【表8】

【0108】
[00118] 表9は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を90日間与えられたイヌと比較した、対照試料を与えられた後のイヌにおける、軟骨の代謝およびエネルギー代謝に関連する遺伝子における変化を図説する。
【0109】
表9.対照または上質(upgrade)フード(上質は魚油を含む)と比較した、リポ酸により変化した軟骨およびエネルギー代謝に関連する遺伝子
【0110】
【表9−1】

【0111】
【表9−2】

【0112】
[00119] 表10は、本発明の説明的なペットフード組成物中の成分を図説する。
表10.組成物を作るために用いられる成分
【0113】
【表10】

【0114】
[00120] 表11は、リポ酸を加えた対照を90日間与えられたイヌと比較した、対照試料を与えられた後のイヌに関する血液試料中の免疫状態マーカーを図説する。表11において図説されているように、リポ酸を含むフードを与えられたイヌは90日後に増大した免疫状態マーカーを示した。
【0115】
【表11】

【0116】
*0日目の値を分析における共変数として用いた
−対照は標準的なAAFCOドッグフードを指す。
−上質は低脂肪、低カロリー、高繊維のペットフードを指す。
【0117】
[00121] 表12は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられた後のイヌに関して血液試料中で測定された関節のマーカーを図説する。表12において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日後に減少した免疫状態のマーカーを示した。
【0118】
【表12】

【0119】
[00122] 表13は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられた後のイヌに関して血液試料中で測定された皮膚および外皮のマーカーを図説する。表13において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日後に増大した皮膚および外皮のマーカーを示した。
【0120】
【表13】

【0121】
[00123] 表14は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられた後のイヌに関して血液試料中で測定された腎臓のマーカーを図説する。表14において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日後に減少した腎臓のマーカーを示した。
【0122】
【表14】

【0123】
[00124] 表15は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられた後のイヌに関する二重エネルギーX線吸収測定(DEXA)による測定結果を図説する。DEXAを用いた体脂肪の測定は、健康の評価に関して体重よりも正確である。イヌは多くの筋肉を有する可能性があるが、多くの高さ/体重チャートにより“体重過多”とみなされる可能性がある。逆もまた真である可能性がある−イヌは多くの脂肪およびわずかな筋肉を有する可能性があり、“太り過ぎ”であるが体重過多ではない可能性がある。
【0124】
【表15】

【0125】
[00125] 表16は、5種類の異なるフードを180日間与えられた後のイヌに関する血液試料中で測定された免疫状態および抗酸化物質のマーカーを図説する。
【0126】
【表16】

【0127】
*0日目の値を共変数として用いた
−対照は標準的なAAFCOドッグフードを指す。
−上質は低脂肪、低カロリー、高繊維のペットフードを指す。
【0128】
[00126] 表17は、5種類の異なるフードを180日間与えられた後のイヌに関する血液試料中で測定された関節のマーカーを図説する。
【0129】
【表17】

【0130】
[00127] 表18は、5種類の異なるドッグフードを180日間与えられた後のイヌに関する血液試料中で測定された皮膚および外皮のマーカーを図説する。
【0131】
【表18】

【0132】
[00128] 表19は、5種類の異なるペットフードを180日間与えられた後のイヌに関する血液試料中で測定された腎臓のマーカーを図説する。
【0133】
【表19】

【0134】
[00129] 表20は180日目における体組成を図説し、5種類の異なるペットフードを180日間与えられたイヌに関して最初の共変数を用いて処置の効果を決定する。
【0135】
【表20】

【0136】
[00130] 表21は180日目における血中サイトカインレベルを図説し、5種類の異なるペットフードを180日間与えられたイヌに関して最初の共変数を用いて処置の効果を決定する。
【0137】
【表21】

【0138】
[00131] 表22は、リポ酸を含むペットフードを30日間与えられたイヌと比較した、対照飼料を与えられた後のイヌに関する血液試料中で測定された代謝産物の変化を図説する。表22において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは30日後に減少した腎臓のマーカーを示した。
【0139】
【表22】

【0140】
[00132] 本発明は、本発明の少数の観点の説明として意図されている実施例において開示されている特定の態様により範囲を限定されず、機能的に均等であるあらゆる態様はこの発明の範囲内である。実際、本明細書において示され、記述されているそれらに加えて、本発明の様々な修正が当業者に明らかになると考えられ、それは添付された特許請求の範囲の範囲内に入ることを意図する。
【0141】
[00133] 引用されているあらゆる参考文献に関して、それの開示全体を本明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とするコンパニオンアニマルにおいて変性関節病を予防または処置するために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記の変性関節病を予防または処置するために有効なリポ酸の量が少なくとも25ppmである組成物。
【請求項2】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
その変性関節病が骨関節炎を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
その変性関節病が軟骨損傷を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
それを必要とするコンパニオンアニマルにおいて関節軟骨の酵素的分解を調節するために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記の関節軟骨の酵素的分解を調節するために有効なリポ酸の量が少なくとも25ppmである組成物。
【請求項11】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項10に記載の組成物。
【請求項16】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項10に記載の組成物。
【請求項17】
コンパニオンアニマルにおいて骨密度を維持する、または増大させるために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記の骨密度を維持する、または増大させるために有効なリポ酸の量が少なくとも25ppmである組成物。
【請求項18】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項17に記載の組成物。
【請求項23】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項17に記載の組成物。
【請求項24】
コンパニオンアニマルにおいて腎臓に関連する障害を予防または処置するために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記の腎臓に関連する障害を予防または処置するために有効なリポ酸の量が少なくとも25ppmである組成物。
【請求項25】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項24に記載の組成物。
【請求項29】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項24に記載の組成物。
【請求項30】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項24に記載の組成物。
【請求項31】
コンパニオンアニマルに対する美味性を増進するために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記の美味性を増進するために有効なリポ酸の量が少なくとも25ppmである組成物。
【請求項32】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項31に記載の組成物。
【請求項35】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項31に記載の組成物。
【請求項36】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項31に記載の組成物。
【請求項37】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項31に記載の組成物。
【請求項38】
コンパニオンアニマルにおいて健康な体組成を維持または促進するために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記のコンパニオンアニマルにおいて健康な体組成を維持または促進するために有効なリポ酸の量が少なくとも約25ppmである組成物。
【請求項39】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項38に記載の組成物。
【請求項42】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項38に記載の組成物。
【請求項43】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項38に記載の組成物。
【請求項44】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項38に記載の組成物。
【請求項45】
コンパニオンアニマルにおいて体重の減少を誘導するために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記のコンパニオンアニマルにおいて体重の減少を誘導するために有効なリポ酸の量が少なくとも約25ppmである組成物。
【請求項46】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項45に記載の組成物。
【請求項48】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項45に記載の組成物。
【請求項49】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項45に記載の組成物。
【請求項50】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項45に記載の組成物。
【請求項51】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項45に記載の組成物。
【請求項52】
コンパニオンアニマルにおいて赤身の筋肉量の百分率を増大させるために有効な量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記のコンパニオンアニマルにおいて赤身の筋肉量の百分率を増大させるために有効なリポ酸の量が少なくとも約25ppmである組成物。
【請求項53】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項52に記載の組成物。
【請求項55】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項52に記載の組成物。
【請求項56】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項52に記載の組成物。
【請求項57】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項52に記載の組成物。
【請求項58】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項52に記載の組成物。
【請求項59】
有効量のリポ酸を含むペットフード組成物であって、前記のリポ酸の有効量が少なくとも25ppmである組成物。
【請求項60】
その量が少なくとも約50ppmである、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
その量が少なくとも約100ppmである、請求項59に記載の組成物。
【請求項62】
その量が約100ppm〜約600ppmである、請求項59に記載の組成物。
【請求項63】
その量が約100ppm〜約200ppmである、請求項59に記載の組成物。
【請求項64】
そのコンパニオンアニマルがイヌである、請求項59に記載の組成物。
【請求項65】
そのコンパニオンアニマルがネコである、請求項59に記載の組成物。
【請求項66】
その組成物がそれを必要とするコンパニオンアニマルにおける有害な病気の予防または処置に有用である、請求項59に記載の組成物。
【請求項67】
請求項66に記載の組成物であって、その有害な病気がそれを必要とするコンパニオンアニマルにおける変性関節病、関節軟骨の酵素的分解の調節、骨密度の維持または減少、腎臓に関連する障害、低減された美味性、不健康な体組成、肥満、赤身の筋肉量の減少した百分率を含む組成物。
【請求項68】
その変性関節病が骨関節炎を含む、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
その変性関節病が軟骨損傷を含む、請求項67に記載の組成物。
【請求項70】
そのコンパニオンアニマルにおいてその肥満が体重の減少を誘導することにより処置または予防される、請求項67に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−513767(P2012−513767A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544585(P2011−544585)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/069686
【国際公開番号】WO2010/078324
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
2.ウィンドウズ
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】