説明

リモートコントロール装置

【課題】使用者の好みを反映させることができて使い勝手の良いリモートコントロール装置を提供する。
【解決手段】単一の操作スイッチ5と、オーディオ装置50から発信されたリモートコントロール信号を受信する受信部6と、受信部6で受信されたリモートコントロール信号を学習する学習部7と、操作スイッチ5の操作に応じて学習部7で学習したリモートコントロール信号を出力する送信部8とを有するリモートコントロール子機2A,2Bを備え、この2つのリモートコントロール子機2A,2Bをマグネットなどの連結手段により連結して1つのリモートコントロール装置1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リモートコントロール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の異なる家電製品のリモートコントロール装置の信号を、1台の汎用リモートコントロール装置に記憶させ、この1台の汎用リモートコントロール装置で前記複数の家電製品をリモートコントロール操作することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平5−5440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の前記汎用リモートコントロール装置は予め所定数の操作スイッチが所定の配列に設けられており、それぞれの操作スイッチにリモートコントロール操作機能を振り分けて記憶するようにしているので、使用者によっては全ての操作スイッチを使わない場合もあり、操作スイッチが無駄になるだけでなく、使わない操作スイッチが使用者には煩わしく感じられることもある。
また、その逆に使用者によっては操作スイッチが不足する場合もあり、使い勝手が悪かった。
また、操作スイッチの配列が予め決まっているため、記憶させたいリモートコントロール操作機能を使用者の使い易い配列に並べることが困難な場合もあった。
【0004】
そこで、この発明は、使用者の好みを反映させることができて使い勝手の良いリモートコントロール装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係るリモートコントロール装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、単一の操作スイッチ(例えば、後述する実施例における操作スイッチ5)と、リモートコントロール信号を学習する学習手段(例えば、後述する実施例における学習部7)と、前記操作スイッチの操作に応じて前記学習手段で学習したリモートコントロール信号を出力する送信手段(例えば、後述する実施例における送信部8)とを有するリモートコントロール子機(例えば、後述する実施例におけるリモートコントロール子機2A〜2D)を複数備え、前記複数のリモートコントロール子機を連結手段(例えば、後述する実施例におけるマグネット、嵌合凹部11、嵌合ピン12、ベース13)により連結して構成されたことを特徴とするリモートコントロール装置(例えば、後述する実施例におけるリモートコントロール装置1)である。
このように構成することにより、使用者が行いたいリモートコントロール操作だけを行うことができるリモートコントロール装置を提供することができる。また、使用者が必要とする数のリモートコントロール子機を使用者の好みの配列に連結してリモートコントロール装置を構成することが可能となる。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記連結手段は前記リモートコントロール子機に設けられたマグネットからなり、前記マグネットにより一方のコントロール子機は他方のコントロール子機と連結されることを特徴とする。
このように構成することにより、複数のリモートコントロール子機を簡単に連結することが可能となる。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記連結手段は前記リモートコントロール子機の外面に設けられた嵌合部(例えば、後述する実施例における嵌合凹部11、嵌合ピン12)からなり、前記嵌合部により一方のコントロール子機は他方のコントロール子機と連結されることを特徴とする。
このように構成することにより、複数のリモートコントロール子機を簡単に連結することが可能となる。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記連結手段は、複数の前記リモートコントロール子機を取り付け可能な板状またはシート状の連結部材(例えば、後述する実施例におけるベース13)からなり、前記連結部材を介して一方のコントロール子機と他方のコントロール子機とが連結されることを特徴とする。
このように構成することにより、複数のリモートコントロール子機を簡単に連結することが可能となる。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記学習手段は、単一の操作スイッチの操作に対応した単一のリモートコントロール信号のみを学習し、前記複数のリモートコントロール子機を備えることにより複数のリモートコントロール信号の送信を可能とすることを特徴とする。
このように構成することにより、リモートコントロール子機の構成を簡単なものにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、使用者が行いたいリモートコントロール操作だけを行うことができるリモートコントロール装置を構成することができ、また、必要な数のリモートコントロール子機を使用者の好みの配列に連結してリモートコントロール装置を構成することが可能となるので、使用者にとって使い勝手の良いリモートコントロール装置を提供することができる。
【0011】
請求項2または請求項3または請求項4に係る発明によれば、複数のリモートコントロール子機を簡単に連結することが可能となる。
【0012】
請求項5に係る発明によれば、リモートコントロール子機の構成を簡単なものにすることができるので、リモートコントロール子機の生産性が向上し、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明に係るリモートコントロール装置の実施例を図1から図8の図面を参照して説明する。なお、この実施例では、車両に搭載されたオーディオ装置の音量を増減操作するためのリモートコントロール装置の態様として説明する。
図1に示すように、リモートコントロール装置1は2つのリモートコントロール子機2A,2Bを連結して構成されている。
リモートコントロール子機2A,2Bは全く同じ構成からなり、以下の説明では、特に2つを区別する必要のない場合は、リモートコントロール子機2と記載する。
【0014】
図2に示すように、リモートコントロール子機2は、直方体形状をなす子機本体3を備え、子機本体3の上面4に平面視三角形の押しボタン型の操作スイッチ5が1つだけ設けられている。操作スイッチ5は押し操作によってオンとなり、押されていない状態でオフとなる。
三角形をなす操作スイッチ5の一辺部分5aは子機本体3の一側面部分3aと平行に配置され、三角形をなす操作スイッチ5の前記一辺部分5aに対向する頂点5bは、子機本体3において前記一側面部分3aとは反対側の側面部分3bに指向するように配置されている。使用者は、この操作スイッチ5の頂点5bの向きを認識することにより、音量を増加する方向かあるいは減少する方向かの識別が可能となる。
【0015】
また、子機本体3の各側面にはマグネット(図示略)が取り付けられており、この実施例のリモートコントロール装置1では、リモートコントロール子機2Aにおける子機本体3の一側面部分3aとリモートコントロール子機2Bにおける子機本体3の一側面部分3aとがマグネットにより連結されて一体にされている。その結果、リモートコントロール子機2Aの操作スイッチ5の頂点の向きとリモートコントロール子機2Bの操作スイッチ5の頂点の向きが、互いに離間する方向を向くようになる。なお、この実施例においてマグネットは連結手段を構成する。
【0016】
図3のブロック図に示すように、リモートコントロール子機2は、操作スイッチ5のほかに、受信部(受信手段)6と、学習部(学習手段)7と、送信部(送信手段)8とを備えている。
受信部6は、リモートコントロール操作の対象となる機器すなわちこの実施例におけるオーデイオ装置50の送信部51から赤外線を用いて送信されたリモートコントロール信号を受信する。
学習部7はマイクロコンピュータおよび記憶手段からなり、操作スイッチ5が押された状態(換言するとオン状態)において、受信部6により受信したリモートコントロール信号を学習して記憶し、記憶後は、操作スイッチ5がオンされたときに、記憶した前記リモートコントロール信号を送信部8へ出力する。
送信部8は、操作スイッチ5がオンされたときに、学習部7から入力したリモートコントロール信号を赤外線を用いて外部へ送信する。
【0017】
例えば、オーデイオ装置50の音量を増加するリモートコントロール操作をリモートコントロール子機2Aに学習させる場合には、リモートコントロール子機2Aの操作スイッチ5を押しながら、オーデイオ装置50の音量アップスイッチ53を操作する。すると、このときにオーデイオ装置50の送信部51から赤外線を用いて送信された音量増加のリモートコントロール信号が、リモートコントロール子機2Aの受信部6で受信され、リモートコントロール子機2Aの学習部7が、受信部6で受信した音量増加のリモートコントロール信号を学習し、記憶する。
【0018】
このように音量増加のリモートコントロール信号を学習したリモートコントロール子機2Aの操作スイッチ5がオンされると、学習した音量増加のリモートコントロール信号が送信部8から赤外線を用いて送信される。そして、リモートコントロール子機2Aから送信された音量増加のリモートコントロール信号がオーデイオ装置50の受信部52で受信されると、オーデイオ装置50は図示しない音量制御部に音量増加指令信号を出力する。これにより、リモートコントロール子機2Aを用いてオーデイオ装置50の音量増加操作が可能となる。
このように、リモートコントロール子機2Aの学習部6は、単一の操作スイッチ5の押し操作に対応した音量増加のリモートコントロール信号のみを学習する。
【0019】
オーデイオ装置50の音量を減少するリモートコントロール操作をリモートコントロール子機2Bに学習させる場合には、リモートコントロール子機2Bの操作スイッチ5を押しながら、オーデイオ装置50の音量ダウンスイッチ54を操作する。すると、このときにオーデイオ装置50の送信部51から赤外線を用いて送信された音量減少のリモートコントロール信号が、リモートコントロール子機2Bの受信部6で受信され、リモートコントロール子機2Bの学習部7が、受信部6で受信した音量減少のリモートコントロール信号を学習し、記憶する。
【0020】
このように音量減少のリモートコントロール信号を学習したリモートコントロール子機2Bの操作スイッチ5がオンされると、学習した音量減少のリモートコントロール信号が送信部8から赤外線を用いて送信される。そして、リモートコントロール子機2Bから送信された音量減少のリモートコントロール信号がオーデイオ装置50の受信部52で受信されると、オーデイオ装置50は図示しない音量制御部に音量減少指令信号を出力する。これにより、リモートコントロール子機2Bを用いてオーデイオ装置50の音量減少操作が可能となる。
このように、リモートコントロール子機2Bの学習部6は、単一の操作スイッチ5の押し操作に対応した音量減少のリモートコントロール信号のみを学習する。
【0021】
このように構成されたリモートコントロール装置1は、車室内において乗員が操作し易い好みの部位に、例えば両面粘着テープなどの適宜の固定手段によって固定される。例えば、図4に示すように、運転席側ドア60の肘掛け部61に固定したり、ステアリングホイール62のスポーク部63に固定することができる。なお、リモートコントロール装置1を車室内に固定する前記固定手段は、車室内の被固定部が金属で構成されている場合には、リモートコントロール子機2の子機本体3の底面にマグネットを接合し、リモートコントロール装置1を前記被固定部に磁着させることも可能である。
【0022】
前述した実施例では、オーディオ装置1の音量を増減操作するリモートコントロール装置1の態様を説明したが、これに限るものではない。
例えば、図5に示すように、オーディオ装置50の音量を増加操作するリモートコントロール子機2Aと、オーディオ装置50の音量を減少操作するリモートコントロール子機2Bと、車載のエアコン装置の設定温度を増加操作するリモートコントロール子機2Cと、エアコン装置の設定温度を減少操作するリモートコントロール子機2Dとを連結させて、1つのリモートコントロール装置1を構成することも可能である。
また、この4つのリモートコントロール子機2A〜2Dの配列も、乗員の使い勝手や好みに応じて、図6に示すように配列することも可能である。
【0023】
また、リモートコントロール子機2,2同士を連結する連結手段は、前述したマグネットに限るものではなく、嵌合部で構成することも可能である。例えば、リモートコントロール子機2A,2Bを連結する場合に、図7に示すように、リモートコントロール子機2A,2Bの各子機本体3の一側面部分3aに嵌合凹部(嵌合部)11を設け、一方のリモートコントロール子機2Aの嵌合凹部11に予め嵌合ピン(嵌合部)12を固定しておき、この嵌合ピン12を他方のリモートコントロール子機2Bの嵌合凹部11に嵌合させることにより、リモートコントロール子機2A,2Bを連結してもよい。なお、嵌合しない場合には嵌合凹部11に図示しない蓋部材を取り付けることにより、嵌合凹部11を隠す。
【0024】
あるいは、図8に示すように、板状またはシート状のベース(連結部材、連結手段)13を用意し、このベース13にリモートコントロール子機2A〜2Dを両面粘着テープやマグネットなどを用いて固定したり、あるいは各リモートコントロール子機2A〜2Dとベース13とを個々に連結する嵌合手段を用いて固定することで、リモートコントロール子機2A〜2Dを連結することも可能である。
【0025】
このように、この実施例のリモートコントロール装置1によれば、使用者が行いたいリモートコントロール操作だけを行うことができるリモートコントロール装置1を容易に構成することができる。また、必要な数のリモートコントロール子機2を使用者の好みの配列に連結してリモートコントロール装置1を構成し、これを使用者の操作し易い部位に自由に取り付けることが可能となるので、リモートコントロール装置1の使い勝手が極めて良くなる。
【0026】
また、リモートコントロール子機2の学習部7は、単一の操作スイッチ5の操作に対応した単一のリモートコントロール信号(例えば、音量増加のリモートコントロール信号、音量減少のリモートコントロール信号、設定温度増加のリモートコントロール信号、設定温度減少のリモートコントロール信号など)のみを学習すればよいので、リモートコントロール子機2を極めて簡単な構成とすることができ、コントロール子機2の生産性が向上し、コストダウンを図ることができる。
【0027】
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、リモートコントロール子機の学習部が学習するリモートコントロール信号は、オーディオ装置の音量増減操作やエアコン装置の設定温度増減操作のリモートコントロール信号に限るものではなく、種々の装置における種々の操作を行うためのリモートコントロール信号を学習することが可能である。
また、リモートコントロール子機を5つ以上連結してリモートコントロール装置を構成することも可能である。
【0028】
また、前述した実施例では、リモートコントロール子機の学習部は、リモートコントロール操作の対象となる機器(すなわちオーディオ装置50やエアコン装置等)から発信されたリモートコントロール信号を受信して学習しているが、実際に車両に搭載されている機器から発信されたリモートコントロール信号ではなく、例えば設定専用のリモートコントロール信号を出力する制御器から出力されたリモートコントロール信号をリモートコントロール子機の学習部に入力し、学習させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明に係るリモートコントロール装置の実施例における外観斜視図である。
【図2】前記実施例のリモートコントロール装置を構成するリモートコントロール子機の外観斜視図である。
【図3】前記実施例のリモートコントロール装置のブロック図である。
【図4】車内に設置された前記実施例のリモートコントロール装置の配置図である。
【図5】他の実施例におけるリモートコントロール装置の外観斜視図である。
【図6】前記他の実施例におけるリモートコントロール装置の変形例を示す外観斜視図である。
【図7】リモートコントロール子機同士を連結する連結手段の他の実施例を示す外観斜視図である。
【図8】リモートコントロール子機同士を連結する連結手段の別の実施例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 リモートコントロール装置
2A〜2D リモートコントロール子機
5 操作スイッチ
7 学習部(学習手段)
8 送信部(送信手段)
11 嵌合凹部(嵌合部、連結手段)
12 嵌合ピン(嵌合部、連結手段)
13 ベース(連結部材、連結手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の操作スイッチと、リモートコントロール信号を学習する学習手段と、前記操作スイッチの操作に応じて前記学習手段で学習したリモートコントロール信号を出力する送信手段とを有するリモートコントロール子機を複数備え、
前記複数のリモートコントロール子機を連結手段により連結して構成されたことを特徴とするリモートコントロール装置。
【請求項2】
前記連結手段は前記リモートコントロール子機に設けられたマグネットからなり、前記マグネットにより一方のコントロール子機は他方のコントロール子機と連結されることを特徴とする請求項1に記載のリモートコントロール装置。
【請求項3】
前記連結手段は前記リモートコントロール子機の外面に設けられた嵌合部からなり、前記嵌合部により一方のコントロール子機は他方のコントロール子機と連結されることを特徴とする請求項1に記載のリモートコントロール装置。
【請求項4】
前記連結手段は、複数の前記リモートコントロール子機を取り付け可能な板状またはシート状の連結部材からなり、前記連結部材を介して一方のコントロール子機と他方のコントロール子機とが連結されることを特徴とする請求項1に記載のリモートコントロール装置。
【請求項5】
前記学習手段は、単一の操作スイッチの操作に対応した単一のリモートコントロール信号のみを学習し、
前記複数のリモートコントロール子機を備えることにより複数のリモートコントロール信号の送信を可能とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリモートコントロール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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