説明

リラックス装置

【課題】使用者を安定して支持してリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供する。
【解決手段】身体支持部材13は、使用者が着座可能な座部30と、その座部30の後部に傾動可能に固定された背もたれ部31と、座部30の前部に傾動可能に固定されたオットマン32とで構成される。そして、身体支持部材13を構成する座部30、背もたれ部31及びオットマン32には、その幅方向外側より幅方向内側が低く滑らかな曲面形状となる凹み部40が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者にリラックス効果を付与するリラックス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リラックス装置が使用者にリラックス効果を付与するリラックス装置は、例えば特許文献1に開示されており、使用者の身体を着座状態若しくは寝た状態で支持する身体支持部材を駆動装置にて緩やかに揺動させて、使用者にリラックス効果を付与するものである。
【特許文献1】特開2001−299487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなリラックス装置では、使用者が睡眠状態となることも予想されるため、使用者の身体の一部や使用者自身が身体支持部材から落下しないように、その身体支持部材に使用者を安定して支持する構成とすることが望まれている。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、使用者を安定して支持してリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者の身体を支持する身体支持手段と、該身体支持手段を少なくとも一方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、前記身体支持手段は、その幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部が形成されたことをその要旨とする。
【0006】
この発明では、リラックス揺動する身体支持手段には、その幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部が形成される。つまり、使用者は、身体支持手段の凹み部に位置して安定して支持されるため、リラックス状態(特に睡眠状態)となった使用者の身体支持手段からの落下を未然に防止することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリラックス装置において、前記身体支持手段は、前記使用者の頭部側を支持する頭部支持部と、前記使用者の腰部側を支持する腰部支持部とを備えるとともに、前記腰部支持部の幅は前記頭部支持部の幅よりも広くなるように形成されたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、身体支持手段は、頭部支持部と腰部支持部とを備え、腰部支持部の幅が頭部支持部の幅よりも広くなるように形成される。つまり、使用者の腕が位置しやすい腰部支持部を幅広に形成することで、リラックス状態において腕を腰部支持部にて安定して支持でき、腕の身体支持手段からの落下を未然に防止することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリラックス装置において、前記身体支持手段の前記凹み部は、幅方向外側から内側にかけて次第に低く滑らかな曲面形状となるように形成されたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、身体支持手段の凹み部は、幅方向外側から内側にかけて次第に低く滑らかな曲面形状となるように形成される。つまり、身体支持手段の凹み部を曲面に形成することで、使用者との接触がソフトとなり、使用環境の向上に寄与することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記身体支持手段は、前記使用者が着座可能な座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部と、前記座部の前部に設けられるオットマンとで構成され、前記凹み部は、前記背もたれ部から前記オットマンにかけて形成されたことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、身体支持手段は、座部と背もたれ部とオットマンとで構成され、凹み部が背もたれ部からオットマンにかけて形成される。これにより、使用者の身体の略全体を凹み部にて支持することができるため、使用者の身体をより安定して支持することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、使用者の身体を支持する身体支持手段と、該身体支持手段を少なくとも一方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、前記身体支持手段は、前記使用者の頭部側を支持する頭部支持部と、前記使用者の腰部側を支持する腰部支持部とを備えるとともに、前記腰部支持部の幅は前記頭部支持部の幅よりも広くなるように形成されたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、身体支持手段は、頭部支持部と腰部支持部とを備え、腰部支持部の幅が頭部支持部の幅よりも広くなるように形成される。つまり、使用者の腕が位置しやすい腰部支持部を幅広に形成することで、リラックス状態において腕を腰部支持部にて安定して支持でき、腕の身体支持手段からの落下を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用者を安定して支持してリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のリラックス装置の概略構成図を示す。図1に示すように、リラックス装置10は、その基台11の底部11aが図示しない床面に載置されるとともに、基台11に設けられた揺動駆動手段としての揺動駆動装置12と該揺動駆動装置12により揺動される身体支持手段としての身体支持部材13とを備えている。
【0017】
揺動駆動装置12は、モータ20と、減速機21と、クランク機構22と、リンク部材23とから構成されている。
モータ20は、基台11の底部11a上面に設けられるとともに、前記底部11a上面に設けられる制御手段としてのコントローラ24によりその駆動が制御されている。減速機21は、基台11の底部11a上面に設けられるとともに、前記モータ20と駆動連結され、モータ20の駆動力を減速出力するものである。
【0018】
クランク機構22は、2つの接続部材22a,22bから構成されるとともに、減速機21の回転駆動を半径の極めて大きな円弧運動に変換するものである。接続部材22aは、その基端が減速機21の出力軸と一体回転可能に接続されるとともに、その先端が接続部材22bの基端と回転可能に接続されている。接続部材22bの先端は、身体支持部材13が固定される四角枠状のベース部25の下部と接続されている。
【0019】
前記基台11には、その底部11aから上方向に突設される支持枠11bが備えられており、2つのリンク部材23はそれらの基端が各支持枠11b上部に所定間隔を有して回転可能に連結されるとともに、各先端がベース部25の下部と回転可能に連結されている。つまり、この2本のリンク部材23は、基端を中心として回動するようになっており、クランク機構22からの駆動力を基に、ベース部25に固定される身体支持部材13をロッキングチェア等のように前後方向に揺動させている。
【0020】
ベース部25の上部には、椅子型の身体支持部材13を構成する座部30がベース部25と一体移動可能に固定されており、この身体支持部材13は、座部30の後側に背もたれ部31が、座部30の前側にオットマン32がそれぞれ一体的な構成をなしている。身体支持部材13は、平面視で背もたれ部31の後部側(使用者の頭部側)で使用者の頭部を支持する頭部支持部31aから使用者の腕を含む腰部側を支持する腰部支持部31bにかけて次第に幅広となり、腰部支持部31bの側の前部側及び座部30の後部側からオットマン32の先端側にかけて次第に幅狭となって、全体的に曲線状に形成されている。ここで、腰部支持部31bの幅Xは頭部支持部31aの幅Yよりも広くなるように形成されている。
【0021】
図2(a)(b)に示すように、身体支持部材13を構成する座部30、背もたれ部31及びオットマン32には、幅方向外側よりも幅方向内側(中央側)が凹形状となる凹み部40が形成されている。この凹み部40は、幅方向外側から幅方向内側にかけて次第に低く滑らかな曲面形状で形成されるとともに、背もたれ部31からオットマン32の全体に亘って凹み部40が形成されている。
【0022】
図1及び図2(a)に示すように、身体支持部材13(背もたれ部31)の側面には、前記コントローラ24(図1参照)と電気的に接続されるとともに、使用者による操作が可能な操作部41が設けられている。この操作部41には、複数の揺動パターンが設定されたコース選択部スイッチ等、各種スイッチが設けられている。そして、使用者にて操作部41の各スイッチが選択されることでコントローラ24に適宜信号が出力され、コントローラ24による各部の制御が行われるようになっている。
【0023】
上記のように構成されたリラックス装置10は、コントローラ24によりモータ20制御がなされ、身体支持部材13を前後方向に揺動させて使用者に対して効果的にリラックス効果を付与するリラックス揺動を行うようになっている。尚、リラックス揺動において、例えば揺動動作の周波数を時間の経過に伴って低くしていき、使用者の呼吸を誘導する構成が望ましい。
【0024】
この時、使用者が睡眠状態となった場合であっても、身体支持部材13の曲面形状の凹み部40にて支持されるため、例えば睡眠状態の使用者が寝返り等を行って身体支持部材13から落下することを抑制できる。また、凹み部40が滑らかな曲面形状であるため、使用者にソフトな感触を提供でき、使用環境の向上に寄与することができる。また、凹み部40が身体支持部材13の全体にわたって形成されているため、より安定して使用者の身体を支持することができる。また、背もたれ部31の腰部支持部31bの幅Xが頭部支持部31aの幅Yよりも広くなる様に形成されているため、使用者の腕を腰部支持部31bにて支持することが可能となり、身体支持部材13からの身体の一部である腕の落下を未然に防止することができる。これらのことから、使用者に対してリラックス揺動によるリラックス効果を安定して付与することが可能となる。
【0025】
上記のリラックス揺動後、コントローラ24は、モータ20制御を行って、リラックス揺動時よりも例えば揺動動作の振幅を大きくしたり揺動動作の周波数を高くしたりし、リラックス(睡眠)状態となった使用者を覚醒させるリフレッシュ揺動を行うようになっている。
【0026】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)身体支持手段としての身体支持部材13は、使用者が着座可能な座部30と、その座部30の後部に傾動可能に固定された背もたれ部31と、座部30の前部に傾動可能に固定されたオットマン32とで構成される。そして、身体支持部材13は、その幅方向外側より幅方向内側が凹形状をなす凹み部40が形成される。つまり、使用者は、身体支持部材13の凹み部40に位置して安定して支持されるため、リラックス状態(特に睡眠状態)となった使用者の身体支持部材13からの落下を未然に防止することができる。
【0027】
(2)身体支持部材13を構成する背もたれ部31は、使用者の頭部側を支持する頭部支持部31aと、使用者の腰部側を支持する腰部支持部31bとを備えるとともに、腰部支持部31bの幅Xは頭部支持部31aの幅Yよりも広くなるように形成される。つまり、使用者の腕が位置しやすい腰部支持部31bを幅広に形成することで、リラックス状態において腕を腰部支持部31bにて安定して支持でき、使用者の腕の身体支持部材13からの落下を未然に防止することができる。
【0028】
(3)身体支持部材13の凹み部40は、幅方向外側から幅方向内側にかけて次第に低く滑らかな曲面形状となるように形成される。つまり、身体支持部材13の凹み部40を曲面に形成することで、使用者との接触がソフトとなり、使用環境の向上に寄与することができる。
【0029】
(4)身体支持部材13の凹み部40は、背もたれ部31からオットマン32にかけて形成、つまり身体支持部材13の略全体にわたって形成される。これにより、使用者の身体の略全体を凹み部40にて支持することができるため、使用者の身体をより安定して支持することができる。
【0030】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、身体支持部材13に凹み部40を形成し、腰部支持部31bの幅Xは頭部支持部31aの幅Yよりも広くなるように形成したが、これに限らない。例えば、身体支持部材13の凹み部40を省略し、腰部支持部31bの幅Xは頭部支持部31aの幅Yよりも広くなるような構成を採用してもよい。また、腰部支持部31bの幅Xは頭部支持部31aの幅Yよりも広くなるような構成を省略し、身体支持部材13に凹み部40のみを設ける構成を採用してもよい。
【0031】
・上記実施形態では、背もたれ部31からオットマン32、つまり身体支持部材13の全体にかけて、凹み部40を設ける構成としたが、これに限らず、例えば背もたれ部31、座部30及びオットマン32の内の少なくとも一つに凹み部40を設ける構成を採用してもよい。
【0032】
・上記実施形態では、凹み部40を幅方向外側から幅方向内側にかけて次第に低く曲面形状なるように形成したが、これに限らない。要は、身体支持部材13の幅方向内側をその幅方向外側よりも低く凹形状となるように凹み部40を構成すればよい。
【0033】
・上記実施形態では、身体支持部材13を前後方向に揺動させる構成としたが、これに限らず、例えば身体支持部材13を幅方向に揺動させる構成としてもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば、背もたれ部31及びオットマン32の少なくとも一方と座部30とがなす角度を変更可能、つまり、背もたれ部31及びオットマン32の少なくとも一方を座部30に対して傾動可能に構成してもよい。
【0034】
・上記実施形態では、操作部41を背もたれ部31の側面に設ける構成としたが、これに限らず、例えば座部30の側面やその他の場所に設ける構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、身体支持部材13の各部にエアバッグを設けて適宜膨縮動作を行ってマッサージ等のリラックス効果や、膨張動作の刺激によるリフレッシュ効果を付与する構成を採用してもよい。
【0035】
・上記実施形態では、リラックス揺動後にリフレッシュ揺動を行う構成としたが、リラックス揺動のみ行う構成としてもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、リラックス揺動やリフレッシュ揺動に対応した音楽や振動を付与する構成を追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態におけるリラックス装置の概略構成図である。
【図2】(a)(b)身体支持部材について説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10…リラックス装置、13…身体支持手段としての身体支持部材、30…身体支持手段を構成する座部、31…身体支持手段を構成する背もたれ部、31a…頭部支持部、31b…腰部支持部、32…身体支持手段を構成するオットマン、40…凹み部、X,Y…幅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体を支持する身体支持手段と、該身体支持手段を少なくとも一方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、
前記身体支持手段は、その幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部が形成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリラックス装置において、
前記身体支持手段は、前記使用者の頭部側を支持する頭部支持部と、前記使用者の腰部側を支持する腰部支持部とを備えるとともに、前記腰部支持部の幅は前記頭部支持部の幅よりも広くなるように形成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリラックス装置において、
前記身体支持手段の前記凹み部は、幅方向外側から内側にかけて次第に低く滑らかな曲面形状となるように形成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記身体支持手段は、前記使用者が着座可能な座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部と、前記座部の前部に設けられるオットマンとで構成され、
前記凹み部は、前記背もたれ部から前記オットマンにかけて形成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項5】
使用者の身体を支持する身体支持手段と、該身体支持手段を少なくとも一方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、
前記身体支持手段は、前記使用者の頭部側を支持する頭部支持部と、前記使用者の腰部側を支持する腰部支持部とを備えるとともに、前記腰部支持部の幅は前記頭部支持部の幅よりも広くなるように形成されたことを特徴とするリラックス装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−124858(P2010−124858A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299299(P2008−299299)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】