リレーノードを使用した通信システムにおける伝送方法
本願発明は、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける伝送方法に関する。本方法は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出するステップ、リレーノードと基地局との間の伝送のため、ユーザデータストリームを、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つに分類するステップを含み、ユーザデータストリームは、受信時に、データストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して、グループにおいて識別される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信の分野に関し、特にリレーノードと基地局との間で使用される伝送技術に関する。
本発明は、WiMAXで使用されるOFDMAシステム、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、CDMA(Code Division Multiple Access)プロトコル、GERAN(GSM(登録商標) EDGE Radio Access Network)、又は他の電気通信プロトコルに従って動作する通信システムで使用される。
【0002】
特に、本発明は、リレーステーションが基地局とユーザ装置との間で(制御データとは対照的に)ユーザデータをアップリンク及び/又はダウンリンクに中継する電気通信プロトコルで使用される場合がある。
本発明は、移動又は固定の通信システムに適用することができ、特にリレーノード(RNs)を使用してデータを送信及び受信する方法に適用され、この場合RNは、従来の基地局と同じ機能を本質的に提供するが、ネットワークへのリンクは、基地局にダイレクトに接続する移動装置により使用されるのと同じ無線インタフェース又は他の伝送リソースを使用して提供される。
【背景技術】
【0003】
特定の応用は、3Gとしても知られるUMTSにおいてである。UMTS無線通信システムは、世界規模で開発されている。将来のUMTSシステムの開発は、いわゆるevolvedUTRAN又はeUTRAN(evolved UMTS terrestrial radio access network)に集中しており、より一般的にプロジェクト名LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる。
【0004】
LTEは、ユーザにとって増加されたデータレートをもつ高速データサービスの伝送技術である。UMTS及びこれまでの世代の移動通信規格と比較して、LTEは、低減された遅延、増加されたセルエッジのカバレッジ、低減されたビット当たりのコスト、フレキシブルなスペクトル使用及びマルチラジオアクセス技術の利用を提供する。
【0005】
LTEは、基地局(BS)からユーザ装置(UE)に向かうダウンリンク(DL)方向において、100Mbpsを超えるピークデータレートを与え、ユーザ装置からBSに向かうアップリンク(UL)方向において、50Mbpsを超えるピークデータレートを与えるように設計されている。
【0006】
LTE−Advanced(LTE-A)は、現在標準化されている開発であり、ダウンリンクにおいて1GBpsまで、アップリンクにおいて500Mbpsを可能にするために、LTEシステムを更に改善する。LTE−Aは、特により高いデータレートの伝送とセルエッジのカバレッジに対する改善について、既存のLTEシステムに対するパフォーマンスを改善する新たな技術を使用する。
【0007】
LTE−Advanced及びLTEは、共通の基本アーキテクチャ及びネットワークプロトコルアーキテクチャを共有する。現在のUMTSシステムにおけるように、LTEについて提案される基本アーキテクチャは、ユーザ(より詳細にはユーザ装置)を基地局としての役割を果たすアクセスノードに接続する無線アクセスネットワーク(eUTRAN)から構成され、これらのアクセスノードは、コアネットワークにリンクされる。eUTRANの用語において、アクセスノードは、エンハンスされたノード基地局(eNB:enhanced Node Basestation)と呼ばれる。前に提案されたシステムで使用された別個の無線ネットワークコントローラ(RNC)は、もはや必要とされず、その機能の幾つかはeNBに組み込まれ、幾つかはMME(Mobility Management Entity)に組み込まれ、幾つかはSAE GW(System Architecture Evolution Gateway)に組み込まれる。eNBは、コアネットワークに接続し、LTEにおいて、このコアネットワークは、EPC(evolved packet core)と呼ばれる。
【0008】
TR 36.912“Feasibility Study for Further Enhancements for E-UTRA (LTE-Advanced)”は、LTE−Aにおけるリレーの使用について現在の合意したアーキテクチャを以下のように要約している。
LTE−Advancedは、例えば高いデータレートのカバレッジ、グループモビリティ、一時的なネットワークのデプロイメント、セルエッジのスループットを改善し、及び/又は新たなエリアにおけるカバレッジを提供するツールとしてリレーのサポートをLTE Rel−8に提供する。
リレーノードは、ドナーセルを介して無線アクセスネットワークに無線で接続される。接続は、ネットワーク‐リレー間のリンクがドナーセル内でのダイレクトネットワーク−UEリンクと同じ帯域を共有するインバンド(inband)のケース、ネットワーク−リレー間のリンクがドナーセル内でのダイレクトネットワーク−UEリンクと同じ帯域で動作しないアウトバンド(outband)のケース、である。
【0009】
少なくとも「タイプ1」リレーノードは、LTE−Advancedによりサポートされる。「タイプ1」リレーノードは、以下により特徴付けされるインバンド・リレーノードである。
「タイプ1」リレーノードは、セルを制御し、それぞれのセルは、ドナーセルとは異なる個別のセルとしてUEには見える。
セルは、それら自身の物理セルIDを有し、それら自身の同期チャネル、参照シンボルを送信する。
単一のセルの動作の環境において、UEは、リレーノードからダイレクトにスケジューリング情報及びHARQフィードバックをダイレクトに受信し、その制御チャネル(SR/CQ/ACK)をリレーノードに送出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、主に、上述されたLTE−Advanced「タイプ1」(インバンド)リレーノードに関する。本発明は、タイプ1のリレーのシナリオにおいて、及び、例えばWiMAX IEEE規格802.16jの下で動作するシステムのような、(特に、ネットワーク−リレー間のリンクがダイレクトのネットワーク−UEリンクと同じ帯域を共有する場合)非LTEシステムについて等価の状況において、トラフィックの多重化の問題に関する。本発明は、特に、RNとその基地局との間のインタフェースを通して伝達される(RNにより給仕されるUEの)データパケットをどのように識別するかに対処する。この基地局は、その無線リソース(周波数帯域幅/時間)の幾つかを、それが給仕する任意のリレーノードに差し出すので、LTE−AにおけるドナーeNBとして知られる。
【0011】
[LTEの概要]
LTE−Aでは、リレーノードと基地局との間のインタフェースは、Unインタフェースとして知られており、UEとその給仕しているリレーノード/基地局との間のインタフェースは、Uuインタフェースとして知られる。
【0012】
図1は、ユーザ装置10、2つのenhancedノード基地局20及び給仕しているゲートウェイ30(SGW又はS−GW)の間のネットワークトポロジーを例示する。
【0013】
Uu無線インタフェースは、図1において“Uu”でマークされたラインに対応して図1でマークされており、S1−Uインタフェースは、図1において“S1−U”でマークされたラインに対応して図1でマークされている。ユーザ装置10及び第一のeNB20は、Uu無線インタフェースを通して通信する。2つのeNB20は、有線X2インタフェース又は非有線の論理接続を介して互いに通信する。
【0014】
2つの無線インタフェース(Uu及びUn)を通して、ユーザデータトラフィックは、ユーザプレーンを使用して転送される。LTEでは、ユーザネットワークプロトコルアーキテクチャは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)及びPHY(PHYsical)プロトコルレイヤから構成される。
【0015】
図2は、LTEユーザプレーンについてプロトコルレイヤ間の関係を示す。eNB及びUEにおけるPDCP,RLC及びMACである3つのサブレイヤの組み合わせは、プロトコルスタックにおける物理レイヤの上(及びLTEにおけるIPレイヤの下)にあるレイヤである、レイヤ2(又はL2)として知られる。
【0016】
PDCP(Packet Data Convergence Protocol)は、RLC(Radio Link Control)レイヤの上にある、LTEユーザプレーンのレイヤ2のプロトコルスタックの上のサブレイヤである。PDCPレイヤは、ユーザプレーンにおいて、インターネットプロトコル(IP)パケットのようなユーザプレーンパケットを処理する。無線ベアラに依存して、PDCPレイヤの主要な機能は、ヘッダ圧縮、セキュリティ(完全性保護及び暗号化)であり、ハンドオーバの間に並べ替え及び再送信をサポートする。
【0017】
RLCレイヤは、幾つかのモードを使用して無線リンクを制御する。トランスペアレントモード(TM)は、RLCオーバヘッドを有さず、例えばSIメッセージのブロードキャストのために使用されない。非確認応答モード(UM)は、RLC SDU(Service Data Unit)のセグメント化及び連結、RLC PDU(Protocol Data Units)の並べ替え、RLC PDUの複製の検出、及びRLC SDUの再組み立て、及び確認応答モード(AM)は、RLC Data PDUの再送信、再送信されたRLC Data PDUの再セグメント化、ポーリング、ステータス報告及びステータス禁止の更なる機能により、非確認応答モードの機能を与える。
【0018】
MACレイヤは、多重化、HARQ(Hybrid Automatic Repeat-reQuest)、ランダムアクセス、スケジューリング及び不連続の受信を提供する。
【0019】
ダウンリンク及びアップリンク構造のサブレイヤ構造は、図3及び図4に示される。
【0020】
両方の図は、サブレイヤ間のインタフェースで円でマークされるサービスアクセスポイント(SAP)を示す。SAP50は、サブレイヤ間の通信の定義されたやり方としてみることができる。物理レイヤとMACサブレイヤとの間のSAPは、(PHYレイヤと関連されるUEとeNBとの間のデータ及びシステムコンフィギュレーションを含む)トランスポートチャネルを提供する。MACサブレイヤとRLCサブレイヤとの間のSAPは、(MACレイヤに関連するUEとeNBとの間のシステムコンフィギュレーションを更に含む)論理チャネルを提供する。
【0021】
アップリンク及びダウンリンクの両方において、唯一のトランスポートブロックは、非MIMOの場合においてTTI(ダウンリンク又はアップリンクのサブフレーム又はフレーム)毎に生成される。従って、全ての論理チャネルは、そのトランスポートブロックで送出される必要がある。
【0022】
同じトランスポートチャネル(すなわちトランスポートブロック)での(データストリーム又は(無線)ベアラ(RB)として見ることができる)幾つかの論理チャネルの多重化は、MACサブレイヤにより実行される。ベアラ又は無線ベアラは、2つのエンドポイント間のIPデータの管としての役割を果たす予め定義されたデータストリームとして定義され、データストリーム自身は、サービス品質(QoS)、優先度、許容可能な遅延等のようなパラメータを定義する集合を有する。
【0023】
図5は、従来のLTE/SAE(System Architecture Evolution)システムにおけるベアラの使用を例示する。この例では、リレーノードが存在しない。異なるネットワークコンポーネント又はノードの間のインタフェースは、破線により示される。EPS(Evolved Packet System)ベアラ60は、複数のインタフェース、即ちP−GW(Packet Gateway)からS−GWへのS5/S8インタフェース、S−GWからeNodeBへのS1インタフェース、及びeNodeBからUEへの無線インタフェース(Uuインタフェースとしても知られる)、を横断する必要がある。それぞれのインタフェースを横断して、EPSベアラは、下位レイヤのベアラにマッピングされ、それぞれはそれ自身のベアラのインデンティティをもつ。それぞれのノードは、その異なるインタフェースにわたるベアラID間の結合の経過を追う必要がある。例えば、S5/S8ベアラは、P−GWとS−GWとの間でEPSベアラのパケットを伝送する。S−GWは、S1ベアラとS5/S8ベアラとの間で1対1のマッピングを記憶する。ベアラは、両方のインタフェースにわたるGTPトンネルIDにより識別される。
【0024】
エンドツーエンドサービスは、P−GWにより外部ベアラに結合するEPSベアラにより提供される。EPSベアラは、S−GWによりE−RAB(E-UTRAN Radio Access Bearer 70)に結合するS5/S8ベアラにより提供される。つぎに、E−RABは、eNodeBにより無線ベアラ90に結合するS1ベアラにより提供される。LTEアーキテクチャは、この例ではベアラを例示するために使用されるが、他の通信規格又はプロトコルにおいて類似のアーキテクチャが存在することが理解される。
【0025】
[PDCPサブレイヤ]
図6は、PDCPサブレイヤ(又は代替的なプロトコルにおいて等価なもの)について1つの可能性のある構造を表す。それぞれのRB100は、1つのPDCPエンティティ110(又はオペレーショナルユニット)に関連される。PDCPエンティティは、RB特性(すなわち一方向性又は双方向性)及びRLCモードに依存して、1又は2(それぞれの方向について1つ)のRLCエンティティ120に関連する。PDCPエンティティは、PDCPサブレイヤに配置される。
【0026】
図6では、右手のPDCPエンティティは、確認応答モードをもつ一方向性ベアラを有し、単一のRLCエンティティと接続する。左手のPDCPエンティティは、双方向性のベアラを有し、それぞれの方向は、非確認応答モードにあり、一つはダウンリンク用であり、一つはアップリンク用である。これは、2つのRLCエンティティと関連される。
【0027】
[ベアラサービス]
所定のサービス品質(QoS)を実現するため、明確に定義された特性及び機能をもつベアラサービス(データストリームのサービス)サービスの送信元から送信先にセットアップされる。EPS(Enhanced Packet System)ベアラ/E−RABは、EPC/E−UTRANにおけるベアラのQoS制御の制御の最も詳細なレベルである。
【0028】
典型的に、複数のアプリケーションは、同時にUEにおいて実行している場合があり、それぞれのアプリケーションは、異なるQoS要件を有する。例えば、ユーザは、VoIP(Voice over IP)コールに従事しており、同時に、ウェブページを閲覧しているか又はFTP(ファイル転送プロトコル)アプリケーションを使用してファイルをダウンロードすている。VoIPは、ウェブブラウジング及びFTPよりも、遅延及び遅延のジッタの観点でQoSについて厳しい要件を有する。複数のQoS要件をサポートするため、異なるベアラは、ネットワークアーキテクチャにおいてセットアップされ、それぞれのベアラは、QCI(QoS Class Identifier)のようなQoSパラメータのセット、及びARP(Allocation and Retention Priority)と関連される。それぞれのQCIは、優先度、パケット遅延の割り当て及び許容可能なパケット損失率により特徴付けられる。ベアラについてQCIラベルは、eNodeBにおいてどのように扱われるかを決定する。
【0029】
ベアラのARPは、呼受付制御のために使用され、すなわち要求されたベアラが無線の混雑状態の場合に確立されるべきか否かを決定する。また、ベアラのARPは、新たなベアラの確立要求に関して、プリエンプションのためにベアラの優先度を支配する。ひとたび上手く確立されると、ベアラのARPは、(例えばスケジューリング及びレート制御について)ベアラレベルのパケット送出処理に影響を有さない。係るパケット送出処理は、QCIのような他のベアラレベルのQoSパラメータによってのみ決定される。
【0030】
QCIラベルからの優先度及びパケット遅延割り当て(及びある程度、許容可能なパケット損失率)は、RLCモードコンフィギュレーションを決定し、(例えばスケジューリングポリシー、キューマネージメントポリシー及びレートシェーピングポリシーの観点で)MACにおけるスケジューラがベアラを通して送出されたパケットをどのように扱うかを決定する。例えば、高い優先度をもつパケットは、低い優先度をもつパケットの前にスケジュールされることが期待される。低い許容可能な損失率をもつベアラについて、確認応答モード(AM)は、パケットが無線インタフェースにわたり上手く伝送されたことを保証するため、RLCプロトコルレイヤにおいて使用される。
【0031】
[LTE/LTE−Aにおけるリレーノード]
更なるRNをもつ典型的なLTEネットワークは、図7に示される。この図では、UE10は、無線インタフェース(Uu)によりRN40に接続される。このUEのユーザプレーン(UP)データは、SGW30に送出される。典型的に、SGWは、X2インタフェースにより相互接続される、幾つかのeNBについて使用され、X2インタフェースは、eNB間の現実の物理インタフェースであるか、又は他のネットワークノードを介して論理接続として実現される。DeNB25は、Uu無線インタフェースとして同じ無線リソースを使用する無線インタフェース(Un)を使用して、RNに接続されるeNBである。
【0032】
図8は、対応するユーザプレーンアーキテクチャの2つの可能性のあるコンフィギュレーションを示す。上のコンフィギュレーションは、通信システムの残りに関して、UEに接続する同じプロトコルレイヤをもつリレーに関し、後者の接続は、排他的にeNBを介する。下のコンフィギュレーションにおいて、プロトコルレイヤが異なる。システムの残りの接続において、上のプロトコルレイヤは、S−GWにダイレクトに接続する。
【0033】
RNが使用されるとき、多くのUE(多分400〜500)は、RNに接続し、個々のユーザのアプリケーションをサポートするために構成される適切な無線ベアラを有する。
【0034】
従って、RNで、Unでのトラフィックは、RNにより給仕される異なるUEとは異なるQoSの要件をもつ多くのストリームから構成される。これらは、効率的なやり方で互いに多重化されることが期待される。
【0035】
Uuインタフェースにおいて、EPSベアラは、データ無線ベアラ(DRB)に一対一でマッピングされ、DRBは、DTCH(Dedicated Traffic Channel)論理チャネルに一対一でマッピングされ、論理チャネルは、DL−SCH又はUL−SCH(Downlink or Uplink Shared Transport Channel)に一対一でマッピングされる。UuインタフェースにおけるUE当たりのDTCH論理チャネルと同様にDRBの最大の数は、8に制限される。同様に、RN当たりのデータ無線ベアラの最大数は、Unインタフェースを通して制限され、これにより、Unインタフェースで給仕されるUEの全てのEPSベアラのパケットを転送するため、制限されたDRB又はDTCH論理チャネルを使用することをRNは強制される。
【0036】
例として、図9は、Unインタフェースにおけるマッピング問題を示す。Unを通してRN40当たりのDRBの最大数は8であることが想定される。単純な例として、それぞれのRNが2つのUEに給仕し、それぞれのUEが8つのEPSベアラを確立し、RNを通して流れるEPSベアラの総数は16であり、これは、RN当たりのDRBの最大数の2倍であることが仮定される。従って、UEからのEPSベアラは、Unインタフェースにわたる送信のためにグループ化される必要がある。異なるUEからデータストリームをグループ化することは、グループ内にそれぞれのデータストリームの識別を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明の第一の態様の実施の形態によれば、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける伝送方法が提供され、本方法は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネルの識別情報及びUEの識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出するステップ、リレーノードと基地局との間の送信のため、ユーザデータストリームを、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つに分類するステップを含み、ユーザデータストリームは、受信時に、データストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して識別される。
【0038】
従って、本発明の実施の形態は、データストリームが受信されたときに、データストリーム(又はベアラ)を識別するために予め送信された特性を使用することができ、ユーザデータの進行している送信のシグナリングオーバヘッドを低減することができる。
【0039】
データストリームは、アップリンクの伝送(ユーザ装置からRN、基地局へ)、ダウンリンク伝送(基地局からRN、ユーザ装置へ)、或いは双方向伝送される。これらのケースの何れかで、基地局は、異なるユーザ装置からデータストリームを多重化するため(ダウンリンク)又はこれらデータストリームを分離するため(アップリンク)或いは両者のため、データストリームの特性を使用することができる。データストリームの特性は、リレーの端で既に利用可能であり、リレーの端は、伝送経路の関連する部分の1つの端である。更なるパラメータは、例えばデータストリームのレイヤ2パラメータといった、既に規定されたものを超えて、データストリームの特性に含まれる。
【0040】
当業者であれば、ユーザ装置は、ハンドへルド装置(PDA、電話等)、ラップトップ又は固定電話又はコンピュータのような、固定又は移動型のユーザ装置であることが理解される。
【0041】
通信システムは、LTE−Advanced通信プロトコル又は何れか他の通信プロトコルに従って動作するために適している。LTE−Advancedプロトコルの場合、基地局は、ドナーeNBとして知られるeNBアクセスノードである。更なる代替として、通信システムは、LTE eNBS及びLTE−A eNBを含む混成されたネットワークで動作する。
【0042】
多重化情報は、予め伝送されたデータストリームの特性と組み合わせて使用されたとき、(通常は異なるユーザ装置からの)グループにおける異なるデータストリームを識別する何れかの情報である。1つの代替では、多重化情報は、グループにおけるそれぞれのユーザ装置のユーザ装置識別子である。
【0043】
ここで、ユーザ装置識別子は、しばしば使用される完全な識別子よりも短い場合がある。例えば、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)は、RNにより提供されるセルにおけるアクティブなユーザ装置を表すために必要とされるビットのみを反映するため、使用されるビット数を有理化することで圧縮される。また、同じ有理化されたC−RNTIの形式は、完全なC−RNTIの代わりに、データストリーム特性のうちの1つとして送出される。
【0044】
別の代替では、多重化情報は、多重化されたユーザデータストリームのグループ内のユーザデータストリームの位置を含む。これは、ビットマップアプローチであり、多くの状況では、グループにおけるユーザデータストリームの順序が、新たなデータストリームの特性と同じステージで基地局に送出されることを必要とし、すなわち新たなストリームがグループに参加するときは何時でも(及び以下に詳細に記載されるように、更新されるとき)、新たなデータストリームの特性と同じステージで基地局に送出されることを必要とする。
【0045】
有利なことに、多重化されたユーザデータストリームのそれぞれのグループは、1を超えるユーザ装置に関連するデータを含む。従って、グループは、ユーザ装置ではなくQoS特性に従って行われる。
【0046】
好ましくは、ユーザ装置識別子(多重化情報として個々のデータパケットと予め送信されるか送信される)及びチャネル識別子が識別のために使用され、ユーザデータストリームの分離が可能になる。この分離は、アップリンクの伝送のために基地局で行われるか、ダウンリンクの伝送のためにリレーノードで行われる。チャネルID(又はより詳細にはLTEにおける論理チャネルID)の使用は、同じユーザ装置からの異なるデータストリーム間の区別を可能にする。
【0047】
多くの構成では、異なるサービス品質の要件をもつ複数のユーザデータストリームは、ユーザ装置とリレーノードとの間で提供される。係るケースでは、特定のQCIのような特定レベルのQoSをもつデータストリームは、ベアラが同じユーザ装置に関連する場合でさえ、異なるレベルのQoSをもつベアラについて使用されるグループとは異なる基地局/RNでのグループに多重化される。
【0048】
好ましくは、データストリームは、データストリームにおけるそれぞれのパケットにラベル付けされる。従って、チャネル識別情報及び/又はユーザ装置識別情報は、個々のパケットを認識するために使用される。チャネル識別は、LTE−Aにおける論理チャネルのような適切な形式である。
【0049】
データストリームの特性は、ユーザ装置とリレーノードとの間の送信のために明確に決定されることが好ましく、リレーノードと基地局との間の伝送をセットアップするために使用される。また、データストリームの特性は、ユーザ装置とリレーノードとの間及び/又はリレーノードと基地局との間でスケジュールのために使用される。
【0050】
チャネル識別情報及びユーザ装置情報は、好ましくはLTEシステムにおけるPDCPサブレイヤにおいて、リレーノードにおける物理レイヤを超えるレイヤで提供される。
【0051】
データストリームの特性は、データストリームが初期化されるときに、基地局に送出される。しかし、データストリームの特性は、周期的に、更新され、基地局に再送出され、及び/又は、データストリームの要件における変更があったときは何時でも、更新され、基地局に再送出される。例えば、ユーザ装置の局所的な状態又は変更された移動性が異なるQCIを適切にする場合、アップデートは、少なくともアップデートされたQCIと共に基地局に送出される。
【0052】
本発明の更なる態様の実施の形態では、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムが提供され、リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出し、リレーノードは、リレーノードから基地局へのアップリンクの伝送について、及び/又は、基地局は、基地局からリレーノードへのダウンリンクの伝送について、ユーザデータストリームを、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される複数の多重化されたユーザデータストリームのグループのうちの1つに分類し、基地局は、アップリンクの伝送について、及び/又は、リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、予め送信されたデータストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して、そのグループにおいてユーザデータストリームを識別する。
【0053】
本発明の態様は、上述された方法を実行する通信システムに関する。通信システムは、システムコンフィギュレーションに依存して、ダウンリンク、アップリンク又は両者で本方法を実行する。
【0054】
本発明のなお更なる態様の実施の形態では、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおけるリレーノードが提供され、リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出し、リレーノードは、リレーノードから基地局へのアップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される複数の多重化されたユーザデータストリームのグループのうちの1つに分類し、及び/又は、リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、基地局からの多重化されたデータストリームのグループを受信し、リレーノードは、アップリンクの伝送について、グループ内で多重化情報を提供し、データストリームの特性と共に、ユーザデータストリームがグループにおいて識別されるのを可能にし、及び/又は、リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、データストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して、そのグループにおいてユーザデータストリームを識別する。
【0055】
本発明のこの態様は、ダウンリンク、アップリンク又はその両者でリレーノードにより実行される役割を示す。また、この態様は、リレーノードにより実行される対応する方法、実行されたときに当該方法を実行するコンピュータプログラム、又は、リレーノードのコンピューティングデバイスにダウンロードされたときに、該コンピューティングデバイスを特許請求されるリレーノードにするコンピュータプログラムに拡張する。
【0056】
本発明の更なる態様の実施の形態は、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける基地局が提供され、基地局は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置識別情報を含むデータストリームの特性をリレーノードから受信し、基地局は、基地局からリレーノードへのダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、複数の多重化されたユーザデータストリームのグループのうちの1つにユーザデータストリームを分類し、及び/又は、基地局は、アップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、リレーノードからの多重化されたデータストリームのグループを受信し、基地局は、ダウンリンクの伝送について、データストリームの特性と共に、ユーザデータストリームがグループにおいて識別されるのを可能にするため、グループ内に多重化情報を提供し、及び/又は、基地局は、アップリングの伝送について、データストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して、そのグループにおいてユーザデータストリームを識別する。
【0057】
本発明のこの態様は、ダウンリンク、アップリンク又は両者に関して、基地局により実行される役割を示す。また、この態様は、基地局により実行される対応する方法、実行されたときに、当該方法を実行するコンピュータプログラム、又は、基地局のコンピューティング装置にダウンロードされたときに、コンピューティング装置を特許請求された基地局にするコンピュータプログラムに拡張する。
【0058】
本発明の更に他の態様の実施の形態は、基地局のコンピューティング装置で実行されたとき、及びリレーノードのコンピューティング装置で実行されたとき、第一の態様の実施の形態の方法を実行するソフトウェアを提供するか、又は、リレーノード及び基地局にダウンロードされたときに、コンピューティング装置を上述された通信システムのリレーノード及び基地局にするソフトウェアを提供する。
【0059】
ソフトウェアは、例えばコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されるコンピュータプログラムであるコンピュータプログラムの形式、インターネット又はその他からダウンロードされた信号の形式である。また、ソフトウェアは、コンピュータプログラムモジュールのパッケージの形式である場合もあり、全体の結合された機能は、リレー及び基地局での個別のソフトウェアモジュールにより提供される。
【0060】
詳細に説明された第一の態様の特徴及びサブの特徴は、特に互換性がない場合を除いて、更なる態様のそれぞれに適用され、一部及び全部の態様の特徴が自由に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の従来技術の特徴及び好適な特徴は、添付図面を参照しながら、例を通して記載される。
【図1】LTEの簡単なネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図2】LTEについてプロトコルレイヤ間の関係を示す図である。
【図3】ダウンリンクのレイヤ2の構造を示す図である。
【図4】アップリングのレイヤ2の構造を示す図である。
【図5】LTEシステムにおける無線ベアラの概念図である。
【図6】PDCPレイヤ構造の図である。
【図7】リレーによるLTE/LTE−Aのアーキテクチャを示す図である。
【図8】リレーを使用したLTEのプロトコルレイヤ間の関係についての2つの可能性を示す図である。
【図9】UnインタフェースとUnインタフェースとの間のベアラのマッピングの問題を示す概念図である。
【図10】従来技術におけるデータパケットの識別のために可能なレイヤ2プロセスを示す図である。
【図11】本発明の一般的な実施の形態を示すフローチャートである。
【図12】Unインタフェースを通したアップリンクのトラフィックの多重化及びラベリングを示す図である。
【図13】データストリームにおけるパケットを識別する2つの方法を概念的な形式で示す図である。
【図14】Unインタフェースを通してのアップリンクのトラフィックの多重化の例を示す図である。
【図15】Unインタフェースを通してのダウンリンクのトラフィックの多重化の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
RNとBSとの間の多重化されたデータストリームを識別する特定の問題に対する以前のソリューションが得られる。
従来技術の文献R2-094343(TSG-RAN WG2#67,LA,US June-3 July 200)では、タイプ1のリレーで動作するシナリオについてのトラフィック(データストリーム)の多重化問題が開示される。この文書は、異なるユーザ装置のトラフィックについてL2で多重化を実行することを提案している。RN側のそれぞれのユーザ装置についてこの多重化されたトラフィックを分離するための2つの可能な選択が行われる。
選択1:それぞれのデータストリームが論理チャネルの識別情報により識別される暗黙的なソリューション。
【0063】
選択2:異なるユーザ装置についてトラフィックを分離するためにMAC PDUにおいて余分なフィールドが定義される明示的なソリューション。
【0064】
選択1について、それぞれのデータストリームは、1つの論理チャネルにマッピングされる。LC IDは、同じMAC PDUで多重化された全てのこれらのパケットを識別するために使用される。この選択の利益は、現在のLTEで定義されたL2構造を再使用することである。しかし、4ビットがLTEにおけるLC IDについて使用されるので、最大で16データストリームが識別される。この選択は、サポートされるユーザ装置のトラフィックがわずか16であるRNアプリケーションのシナリオを厳しく制限する。
【0065】
選択2について、現在のLTEで定義されたLC IDの長さに変更はないが、1つの余分なヘッダがMAC PDUに加えられ、この余分なヘッダは、それぞれのデータストリームを識別するためにUE IDを含み、可能性のあるL2構造は、図10に示される。
【0066】
R2-094343において、MAC PDUヘッダのオーバヘッドを最適化するため、UE_IDの定義について3つのオプションが存在する。
【0067】
それぞれのユーザ装置について16ビットが付加されることを意味するC−RNTIが使用される。
固定された長さUE_IDは、同じRNにより給仕される最大の許容されるUE番号に従って採用される。
可変長UE_IDは、同じRNにより給仕されるUE番号に従う。
【0068】
同様に、R2-094811(3GPP TSG-RAN Meeting#67, Shenzen, China, August 24-August 28, 2009)は、UE RB IDをPDCPヘッダに加えることで、Unインタフェースの同じDRBにマッピングされるユーザ装置のベアラを識別するため、PDCPプロトコルが使用されることを提案する。
【0069】
図11は、本発明の一般的な実施の形態を示す。はじめに、ステップS1では、UEとRNとの間の新たなデータストリームのユーザデータストリームの特性は、(RNにより)BSに送出される。次いで、ステップS2において、データストリームは、多重化情報を含めて、RNとBSとの間の伝送の多重化されたデータストリームのグループに分類される。グルーピングは、サービス品質の要件による。データストリームが到達したとき、予め送出したデータストリームの特性及び多重化情報を使用して、同じグループにおける他のデータストリームから区別される。
【0070】
多重化情報は、例えばレイヤ2のヘッダの一部として、データストリームのそれぞれのパケットについて有利にも提供される。本発明の幾つかのLTEの実施の形態は、圧縮されたUE Un ID及び論理チャネルIDの組み合わせは、PDCPレイヤでデータパケットを識別(認識又は区別)するために使用され、このデータパケットは、Unインタフェースを通してアップリンク及びダウンリンクの両方で伝達される。圧縮されたUE Un IDが使用され、RNによる接続及び給仕されるUEのC−RNTIから導出される。
【0071】
交換された情報は、RNスケジューラにより制御されるUuインタフェースとDeNBによるUnインタフェースの両者についての協調的なリソースの割り当てを可能にする。圧縮されたUE Un IDの情報(いわゆるこの情報はUnで使用され、RNセルにおけるアクティブなUEのみを反映するため)、及び関連される論理チャネルIDは、RNからDeNBに伝達される。この情報は、RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立したときにはじめにDeNBに送出され、情報のアップデートは、DeNBに送出される必要があり、UnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するため、従って最小のオーバヘッドのみが必要とされることが保証される。
【0072】
幾つかの本発明の実施の形態について、以下のような幾つかの重要な実用的な実現ポイントが存在する。
1.圧縮されたUE Un ID及び論理チャネルIDの組み合わせは、PDCPレイヤでデータパケットを識別するために使用される。この情報は、RNからDeNBに伝達される。
【0073】
2.RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立するとき、(例えばUEの割り当てられたC−RNTI、割り当てられたデータ無線ベアラのQCIパラメータ及びレイヤ2パラメータといった)関連する情報は、DeNBに信号伝達される。次いで、情報のアップデートのみがDeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでのPDCPデータパケットを識別するため、最小のオーバヘッドが必要とされることが保証される。
3.DeNBは、この情報を使用して、スケジュール情報を調節するのと同様に、UL及びDLの両者について適切なUnベアラをセットアップ又はアップデートする。従って、UuインタフェースのスケジューラとUnインタフェースのスケジューラとの間の協調的なスケジュールが可能となり、RNに接続されるUEのQoSの保証が達成される。
4.パケットを識別するために使用される2つの方法(以下に詳細に述べられる)は、PDCP PDUヘッダに多重化情報を追加するために提案される。
【0074】
図12は、3つのUEについてのパケットを示し、このパケットは、Uuインタフェースを通して送信され、次いでUnインタフェースを通して送信される。図の左手側には、異なるレイヤにおけるビューを示すために、パケットが2行で示されている。ここで、“M”は、下の行でのMACヘッダを示し、“R”及び“P”は、RLCヘッダ及びPDCPヘッダにおけるヘッダを示す。A,B及びCとして表される3つの異なるQoSレベルが存在する。Uuインタフェースを見て、UE1は、2つの異なるストリームを生成し、1つのQoSレベルAをもち、1つはQoSレベルBをもつ。UE2は、QoSレベルA及びQoSレベルBの1つからなるストリームを有し、UE3は、QOSレベルAからなるストリーム、QoSレベルBからなるストリーム、及びQoSレベルCのストリームを有する。
【0075】
Unインタフェースについて、同じQoSレベルを持つストリームは、アップリンクでRNにより互いに多重化される。はじめに、異なるUEからのパケットが識別され(ID1,ID2,ID3)、次いで、それぞれのQoSレベルについて、PDCP/RLCエンティティは、単一の多重化されたグループを与えるためにストリームを処理する。それぞれのグループA,B及びCの全体のヘッダは、UE IDと、そのUEのビット数を示す“I”フィールドとにより示される。MACの多重化は、送信のためにグループをまとめる。
【0076】
図12に示されるように、Uuインタフェースを通しての複数のデータ無線ベアラは、RNに接続される複数のUEに割り当てられ、それぞれのDRB(データ無線ベアラ)は、所定のQCIパラメータ及びレイヤ2パラメータ(例えばRLCモード等)と関連される。特定のパラメータと関連されるUu DRBは、ULデータデリバリについてのRNとDLデータデリバリについてのDeNBにより、同じ特定のパラメータをもつUn DRBと関連される。1つのUn DRBにおいて、圧縮されたUE Un IDは、異なるUEに属するパケットを識別するため、PDCP PDUヘッダに追加される。
【0077】
圧縮されたUE Un IDは、RNにより接続され、給仕されるC−RNTIから導出される。圧縮されたUE Un ID及び関連される論理チャネルIDの情報は、RNからDeNBにはじめに伝達される。すなわち、RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立したとき、関連する情報(例えばUEの割り当てられたC−RNTI、割り当てられたデータの無線ベアラのQCIパラメータ及びレイヤ2のパラメータ)は、DeNBに信号伝達される。次いで、情報のアップデートは、DeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するために最小のオーバヘッドのみが必要とされることが保証される。DeNBは、この情報を使用して、スケジューリング情報を調節するのと同様に、UL及びDLの両者について適切なUnベアラをセットアップ又はアップデートする。従って、UuインタフェースのスケジューラとUnインタフェースのスケジューラとの間の協調的なスケジューリングが可能となり、RNに接続されるUEについてQoSの保証が達成される。
【0078】
図13は、多重化情報をPDCP PDUヘッダに付加することで、パケットを識別する2つの方法を示す。1つの代替では、それぞれのパケットのPDCPパケットヘッダにおいてUE識別子が使用される。この代替は、図12に示される1つである。実際の実現では、UE識別子及びLフィールドは、システム設計の選択に依存して、何れかの順序である。
【0079】
第二の代替として、それぞれのUEのLフィールドは、アクティブなUEに従って予め決定された順序に常に従い、グループにおいてUE当たり1つのデータストリームが存在する場合、UEの数はLフィールドの数に等しく、又は、1を超えるデータストリームが少なくとも1つのUEに/少なくとも1つのUEから提供される場合に、UEよりも多くのLフィールドが存在する。これはビットマップアプローチであり、Lフィールドは、UE識別子を使用した識別を必要としない。この第二のアプローチでは、Lフィールドは、UEについてのデータが存在しない場合に0の値をとる。
【0080】
UuとUnの両者について無線リソースの割り当ての1つの手順は、以下の通りである。
1.RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立したとき、圧縮されたUE,Un IDを含む、関連する情報(例えばUEの割り当てられたC−RNTI、割り当てられたデータの無線ベアラのQCIパラメータ及びレイヤ2のパラメータ)は、DeNBに伝達される。
2.この情報に基づいて、DeNBは、ULとDLの両者について類似のパラメータによりUnベアラをセットアップ又はアップデートする。
3.情報のアップデートのみがDeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するため、最小のオーバヘッドが必要とされることが保証される。
4.Unインタフェースを通してPDCPレイヤでデータパケットを識別するため、圧縮されたUE Un ID及び論理チャネルIDの組み合わせが使用される。
【0081】
図14は、PDCPレイヤにおけるアップリンクでの提案されるトラフィック多重化及びパケット識別メカニズムの例を示す図である。この例は、RNに接続される3つのUEがアクティブモードであること、これらのUEがデータの無線ベアラが割り当てられていることを想定している。UEのそれぞれのDRB1は、QCIパラメータ及びレイヤ2のパラメータ(例えばRLCモード)のような同じ特徴をもつDRBである。DRB1のみが示されているが、当業者であれば、1以上のUEが、図示されない更なるDRB,DRB2を有する場合があることを理解されるであろう。
【0082】
本発明の実施の形態のメカニズムに基づいて、DeNBは、図14に示されるように(UnにおけるULのDRB1)、同じ特徴又は類似の特徴をもつUnインタフェースを通してUL及びDLについてデータの無線ベアラを割り当てる。
【0083】
Uuインタフェースを通してUEからのデータパケットは、受信され、DRB1に関連するRNの受信PDCPエンティティにおいて個別に処理される。パケットは、DRB1について送信PDCPエンティティに通過する前に、適切なUE_Un_IDに関連付けされることで更に識別される。次いで、パケットは、送信PDCPエンティティにおいて処理され、上述された多重化ヘッダを含むPDCPヘッダは、それぞれのPDCP PDUについて構築される。
【0084】
図15は、ダウンリンク伝送を多重化する等価な図である。従って、この図は、DeNBのPDCPレイヤにおける処理を示す。S−GWへのS1−Uは、左に示され、RNへのUnインタフェースは、右に示される。S−GWからのデータは、1つのUEについて3つの別個の規格/エンティティにおけるGTP(GPRSトンネリングプロトコル)を受け、到来するデータストリームから適切なヘッダを除く。パケットは、UEヘッダで識別されるか、ビットマップアプローチを使用して識別され、次いで、PDCP送信エンティティにおいて互いに多重化される。
【0085】
[幾つかの好適な特徴の要約]
本発明のLTEの実施の形態は、PDCPレイヤでデータパケットを識別するため、圧縮されたUE Un IDと論理チャネルIDとの組み合わせが使用され、このデータパケットは、Unインタフェースを通してアップリンク及びダウンリンクの両者で伝達される。圧縮されたUE Un IDは、RNにより接続されて給仕されるUEのC−RNTIから導出される。階層的なパケットのラベリング/送信スキームは、RNスケジューラにより制御されるUnインタフェース及びDeNBによるUnインタフェースの両者のリソースの割り当てを可能にするために提案される。圧縮されたUE Un ID及び関連される論理チャネルIDは、RNからDeNBに伝達される。情報は、RNがUEのUuのデータの無線ベアラを確立したときにDeNBにはじめに送出され、次いで情報のアップデートのみがDeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するため、最小のオーバヘッドのみが必要とされることが保証される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信の分野に関し、特にリレーノードと基地局との間で使用される伝送技術に関する。
本発明は、WiMAXで使用されるOFDMAシステム、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、CDMA(Code Division Multiple Access)プロトコル、GERAN(GSM(登録商標) EDGE Radio Access Network)、又は他の電気通信プロトコルに従って動作する通信システムで使用される。
【0002】
特に、本発明は、リレーステーションが基地局とユーザ装置との間で(制御データとは対照的に)ユーザデータをアップリンク及び/又はダウンリンクに中継する電気通信プロトコルで使用される場合がある。
本発明は、移動又は固定の通信システムに適用することができ、特にリレーノード(RNs)を使用してデータを送信及び受信する方法に適用され、この場合RNは、従来の基地局と同じ機能を本質的に提供するが、ネットワークへのリンクは、基地局にダイレクトに接続する移動装置により使用されるのと同じ無線インタフェース又は他の伝送リソースを使用して提供される。
【背景技術】
【0003】
特定の応用は、3Gとしても知られるUMTSにおいてである。UMTS無線通信システムは、世界規模で開発されている。将来のUMTSシステムの開発は、いわゆるevolvedUTRAN又はeUTRAN(evolved UMTS terrestrial radio access network)に集中しており、より一般的にプロジェクト名LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる。
【0004】
LTEは、ユーザにとって増加されたデータレートをもつ高速データサービスの伝送技術である。UMTS及びこれまでの世代の移動通信規格と比較して、LTEは、低減された遅延、増加されたセルエッジのカバレッジ、低減されたビット当たりのコスト、フレキシブルなスペクトル使用及びマルチラジオアクセス技術の利用を提供する。
【0005】
LTEは、基地局(BS)からユーザ装置(UE)に向かうダウンリンク(DL)方向において、100Mbpsを超えるピークデータレートを与え、ユーザ装置からBSに向かうアップリンク(UL)方向において、50Mbpsを超えるピークデータレートを与えるように設計されている。
【0006】
LTE−Advanced(LTE-A)は、現在標準化されている開発であり、ダウンリンクにおいて1GBpsまで、アップリンクにおいて500Mbpsを可能にするために、LTEシステムを更に改善する。LTE−Aは、特により高いデータレートの伝送とセルエッジのカバレッジに対する改善について、既存のLTEシステムに対するパフォーマンスを改善する新たな技術を使用する。
【0007】
LTE−Advanced及びLTEは、共通の基本アーキテクチャ及びネットワークプロトコルアーキテクチャを共有する。現在のUMTSシステムにおけるように、LTEについて提案される基本アーキテクチャは、ユーザ(より詳細にはユーザ装置)を基地局としての役割を果たすアクセスノードに接続する無線アクセスネットワーク(eUTRAN)から構成され、これらのアクセスノードは、コアネットワークにリンクされる。eUTRANの用語において、アクセスノードは、エンハンスされたノード基地局(eNB:enhanced Node Basestation)と呼ばれる。前に提案されたシステムで使用された別個の無線ネットワークコントローラ(RNC)は、もはや必要とされず、その機能の幾つかはeNBに組み込まれ、幾つかはMME(Mobility Management Entity)に組み込まれ、幾つかはSAE GW(System Architecture Evolution Gateway)に組み込まれる。eNBは、コアネットワークに接続し、LTEにおいて、このコアネットワークは、EPC(evolved packet core)と呼ばれる。
【0008】
TR 36.912“Feasibility Study for Further Enhancements for E-UTRA (LTE-Advanced)”は、LTE−Aにおけるリレーの使用について現在の合意したアーキテクチャを以下のように要約している。
LTE−Advancedは、例えば高いデータレートのカバレッジ、グループモビリティ、一時的なネットワークのデプロイメント、セルエッジのスループットを改善し、及び/又は新たなエリアにおけるカバレッジを提供するツールとしてリレーのサポートをLTE Rel−8に提供する。
リレーノードは、ドナーセルを介して無線アクセスネットワークに無線で接続される。接続は、ネットワーク‐リレー間のリンクがドナーセル内でのダイレクトネットワーク−UEリンクと同じ帯域を共有するインバンド(inband)のケース、ネットワーク−リレー間のリンクがドナーセル内でのダイレクトネットワーク−UEリンクと同じ帯域で動作しないアウトバンド(outband)のケース、である。
【0009】
少なくとも「タイプ1」リレーノードは、LTE−Advancedによりサポートされる。「タイプ1」リレーノードは、以下により特徴付けされるインバンド・リレーノードである。
「タイプ1」リレーノードは、セルを制御し、それぞれのセルは、ドナーセルとは異なる個別のセルとしてUEには見える。
セルは、それら自身の物理セルIDを有し、それら自身の同期チャネル、参照シンボルを送信する。
単一のセルの動作の環境において、UEは、リレーノードからダイレクトにスケジューリング情報及びHARQフィードバックをダイレクトに受信し、その制御チャネル(SR/CQ/ACK)をリレーノードに送出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、主に、上述されたLTE−Advanced「タイプ1」(インバンド)リレーノードに関する。本発明は、タイプ1のリレーのシナリオにおいて、及び、例えばWiMAX IEEE規格802.16jの下で動作するシステムのような、(特に、ネットワーク−リレー間のリンクがダイレクトのネットワーク−UEリンクと同じ帯域を共有する場合)非LTEシステムについて等価の状況において、トラフィックの多重化の問題に関する。本発明は、特に、RNとその基地局との間のインタフェースを通して伝達される(RNにより給仕されるUEの)データパケットをどのように識別するかに対処する。この基地局は、その無線リソース(周波数帯域幅/時間)の幾つかを、それが給仕する任意のリレーノードに差し出すので、LTE−AにおけるドナーeNBとして知られる。
【0011】
[LTEの概要]
LTE−Aでは、リレーノードと基地局との間のインタフェースは、Unインタフェースとして知られており、UEとその給仕しているリレーノード/基地局との間のインタフェースは、Uuインタフェースとして知られる。
【0012】
図1は、ユーザ装置10、2つのenhancedノード基地局20及び給仕しているゲートウェイ30(SGW又はS−GW)の間のネットワークトポロジーを例示する。
【0013】
Uu無線インタフェースは、図1において“Uu”でマークされたラインに対応して図1でマークされており、S1−Uインタフェースは、図1において“S1−U”でマークされたラインに対応して図1でマークされている。ユーザ装置10及び第一のeNB20は、Uu無線インタフェースを通して通信する。2つのeNB20は、有線X2インタフェース又は非有線の論理接続を介して互いに通信する。
【0014】
2つの無線インタフェース(Uu及びUn)を通して、ユーザデータトラフィックは、ユーザプレーンを使用して転送される。LTEでは、ユーザネットワークプロトコルアーキテクチャは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)及びPHY(PHYsical)プロトコルレイヤから構成される。
【0015】
図2は、LTEユーザプレーンについてプロトコルレイヤ間の関係を示す。eNB及びUEにおけるPDCP,RLC及びMACである3つのサブレイヤの組み合わせは、プロトコルスタックにおける物理レイヤの上(及びLTEにおけるIPレイヤの下)にあるレイヤである、レイヤ2(又はL2)として知られる。
【0016】
PDCP(Packet Data Convergence Protocol)は、RLC(Radio Link Control)レイヤの上にある、LTEユーザプレーンのレイヤ2のプロトコルスタックの上のサブレイヤである。PDCPレイヤは、ユーザプレーンにおいて、インターネットプロトコル(IP)パケットのようなユーザプレーンパケットを処理する。無線ベアラに依存して、PDCPレイヤの主要な機能は、ヘッダ圧縮、セキュリティ(完全性保護及び暗号化)であり、ハンドオーバの間に並べ替え及び再送信をサポートする。
【0017】
RLCレイヤは、幾つかのモードを使用して無線リンクを制御する。トランスペアレントモード(TM)は、RLCオーバヘッドを有さず、例えばSIメッセージのブロードキャストのために使用されない。非確認応答モード(UM)は、RLC SDU(Service Data Unit)のセグメント化及び連結、RLC PDU(Protocol Data Units)の並べ替え、RLC PDUの複製の検出、及びRLC SDUの再組み立て、及び確認応答モード(AM)は、RLC Data PDUの再送信、再送信されたRLC Data PDUの再セグメント化、ポーリング、ステータス報告及びステータス禁止の更なる機能により、非確認応答モードの機能を与える。
【0018】
MACレイヤは、多重化、HARQ(Hybrid Automatic Repeat-reQuest)、ランダムアクセス、スケジューリング及び不連続の受信を提供する。
【0019】
ダウンリンク及びアップリンク構造のサブレイヤ構造は、図3及び図4に示される。
【0020】
両方の図は、サブレイヤ間のインタフェースで円でマークされるサービスアクセスポイント(SAP)を示す。SAP50は、サブレイヤ間の通信の定義されたやり方としてみることができる。物理レイヤとMACサブレイヤとの間のSAPは、(PHYレイヤと関連されるUEとeNBとの間のデータ及びシステムコンフィギュレーションを含む)トランスポートチャネルを提供する。MACサブレイヤとRLCサブレイヤとの間のSAPは、(MACレイヤに関連するUEとeNBとの間のシステムコンフィギュレーションを更に含む)論理チャネルを提供する。
【0021】
アップリンク及びダウンリンクの両方において、唯一のトランスポートブロックは、非MIMOの場合においてTTI(ダウンリンク又はアップリンクのサブフレーム又はフレーム)毎に生成される。従って、全ての論理チャネルは、そのトランスポートブロックで送出される必要がある。
【0022】
同じトランスポートチャネル(すなわちトランスポートブロック)での(データストリーム又は(無線)ベアラ(RB)として見ることができる)幾つかの論理チャネルの多重化は、MACサブレイヤにより実行される。ベアラ又は無線ベアラは、2つのエンドポイント間のIPデータの管としての役割を果たす予め定義されたデータストリームとして定義され、データストリーム自身は、サービス品質(QoS)、優先度、許容可能な遅延等のようなパラメータを定義する集合を有する。
【0023】
図5は、従来のLTE/SAE(System Architecture Evolution)システムにおけるベアラの使用を例示する。この例では、リレーノードが存在しない。異なるネットワークコンポーネント又はノードの間のインタフェースは、破線により示される。EPS(Evolved Packet System)ベアラ60は、複数のインタフェース、即ちP−GW(Packet Gateway)からS−GWへのS5/S8インタフェース、S−GWからeNodeBへのS1インタフェース、及びeNodeBからUEへの無線インタフェース(Uuインタフェースとしても知られる)、を横断する必要がある。それぞれのインタフェースを横断して、EPSベアラは、下位レイヤのベアラにマッピングされ、それぞれはそれ自身のベアラのインデンティティをもつ。それぞれのノードは、その異なるインタフェースにわたるベアラID間の結合の経過を追う必要がある。例えば、S5/S8ベアラは、P−GWとS−GWとの間でEPSベアラのパケットを伝送する。S−GWは、S1ベアラとS5/S8ベアラとの間で1対1のマッピングを記憶する。ベアラは、両方のインタフェースにわたるGTPトンネルIDにより識別される。
【0024】
エンドツーエンドサービスは、P−GWにより外部ベアラに結合するEPSベアラにより提供される。EPSベアラは、S−GWによりE−RAB(E-UTRAN Radio Access Bearer 70)に結合するS5/S8ベアラにより提供される。つぎに、E−RABは、eNodeBにより無線ベアラ90に結合するS1ベアラにより提供される。LTEアーキテクチャは、この例ではベアラを例示するために使用されるが、他の通信規格又はプロトコルにおいて類似のアーキテクチャが存在することが理解される。
【0025】
[PDCPサブレイヤ]
図6は、PDCPサブレイヤ(又は代替的なプロトコルにおいて等価なもの)について1つの可能性のある構造を表す。それぞれのRB100は、1つのPDCPエンティティ110(又はオペレーショナルユニット)に関連される。PDCPエンティティは、RB特性(すなわち一方向性又は双方向性)及びRLCモードに依存して、1又は2(それぞれの方向について1つ)のRLCエンティティ120に関連する。PDCPエンティティは、PDCPサブレイヤに配置される。
【0026】
図6では、右手のPDCPエンティティは、確認応答モードをもつ一方向性ベアラを有し、単一のRLCエンティティと接続する。左手のPDCPエンティティは、双方向性のベアラを有し、それぞれの方向は、非確認応答モードにあり、一つはダウンリンク用であり、一つはアップリンク用である。これは、2つのRLCエンティティと関連される。
【0027】
[ベアラサービス]
所定のサービス品質(QoS)を実現するため、明確に定義された特性及び機能をもつベアラサービス(データストリームのサービス)サービスの送信元から送信先にセットアップされる。EPS(Enhanced Packet System)ベアラ/E−RABは、EPC/E−UTRANにおけるベアラのQoS制御の制御の最も詳細なレベルである。
【0028】
典型的に、複数のアプリケーションは、同時にUEにおいて実行している場合があり、それぞれのアプリケーションは、異なるQoS要件を有する。例えば、ユーザは、VoIP(Voice over IP)コールに従事しており、同時に、ウェブページを閲覧しているか又はFTP(ファイル転送プロトコル)アプリケーションを使用してファイルをダウンロードすている。VoIPは、ウェブブラウジング及びFTPよりも、遅延及び遅延のジッタの観点でQoSについて厳しい要件を有する。複数のQoS要件をサポートするため、異なるベアラは、ネットワークアーキテクチャにおいてセットアップされ、それぞれのベアラは、QCI(QoS Class Identifier)のようなQoSパラメータのセット、及びARP(Allocation and Retention Priority)と関連される。それぞれのQCIは、優先度、パケット遅延の割り当て及び許容可能なパケット損失率により特徴付けられる。ベアラについてQCIラベルは、eNodeBにおいてどのように扱われるかを決定する。
【0029】
ベアラのARPは、呼受付制御のために使用され、すなわち要求されたベアラが無線の混雑状態の場合に確立されるべきか否かを決定する。また、ベアラのARPは、新たなベアラの確立要求に関して、プリエンプションのためにベアラの優先度を支配する。ひとたび上手く確立されると、ベアラのARPは、(例えばスケジューリング及びレート制御について)ベアラレベルのパケット送出処理に影響を有さない。係るパケット送出処理は、QCIのような他のベアラレベルのQoSパラメータによってのみ決定される。
【0030】
QCIラベルからの優先度及びパケット遅延割り当て(及びある程度、許容可能なパケット損失率)は、RLCモードコンフィギュレーションを決定し、(例えばスケジューリングポリシー、キューマネージメントポリシー及びレートシェーピングポリシーの観点で)MACにおけるスケジューラがベアラを通して送出されたパケットをどのように扱うかを決定する。例えば、高い優先度をもつパケットは、低い優先度をもつパケットの前にスケジュールされることが期待される。低い許容可能な損失率をもつベアラについて、確認応答モード(AM)は、パケットが無線インタフェースにわたり上手く伝送されたことを保証するため、RLCプロトコルレイヤにおいて使用される。
【0031】
[LTE/LTE−Aにおけるリレーノード]
更なるRNをもつ典型的なLTEネットワークは、図7に示される。この図では、UE10は、無線インタフェース(Uu)によりRN40に接続される。このUEのユーザプレーン(UP)データは、SGW30に送出される。典型的に、SGWは、X2インタフェースにより相互接続される、幾つかのeNBについて使用され、X2インタフェースは、eNB間の現実の物理インタフェースであるか、又は他のネットワークノードを介して論理接続として実現される。DeNB25は、Uu無線インタフェースとして同じ無線リソースを使用する無線インタフェース(Un)を使用して、RNに接続されるeNBである。
【0032】
図8は、対応するユーザプレーンアーキテクチャの2つの可能性のあるコンフィギュレーションを示す。上のコンフィギュレーションは、通信システムの残りに関して、UEに接続する同じプロトコルレイヤをもつリレーに関し、後者の接続は、排他的にeNBを介する。下のコンフィギュレーションにおいて、プロトコルレイヤが異なる。システムの残りの接続において、上のプロトコルレイヤは、S−GWにダイレクトに接続する。
【0033】
RNが使用されるとき、多くのUE(多分400〜500)は、RNに接続し、個々のユーザのアプリケーションをサポートするために構成される適切な無線ベアラを有する。
【0034】
従って、RNで、Unでのトラフィックは、RNにより給仕される異なるUEとは異なるQoSの要件をもつ多くのストリームから構成される。これらは、効率的なやり方で互いに多重化されることが期待される。
【0035】
Uuインタフェースにおいて、EPSベアラは、データ無線ベアラ(DRB)に一対一でマッピングされ、DRBは、DTCH(Dedicated Traffic Channel)論理チャネルに一対一でマッピングされ、論理チャネルは、DL−SCH又はUL−SCH(Downlink or Uplink Shared Transport Channel)に一対一でマッピングされる。UuインタフェースにおけるUE当たりのDTCH論理チャネルと同様にDRBの最大の数は、8に制限される。同様に、RN当たりのデータ無線ベアラの最大数は、Unインタフェースを通して制限され、これにより、Unインタフェースで給仕されるUEの全てのEPSベアラのパケットを転送するため、制限されたDRB又はDTCH論理チャネルを使用することをRNは強制される。
【0036】
例として、図9は、Unインタフェースにおけるマッピング問題を示す。Unを通してRN40当たりのDRBの最大数は8であることが想定される。単純な例として、それぞれのRNが2つのUEに給仕し、それぞれのUEが8つのEPSベアラを確立し、RNを通して流れるEPSベアラの総数は16であり、これは、RN当たりのDRBの最大数の2倍であることが仮定される。従って、UEからのEPSベアラは、Unインタフェースにわたる送信のためにグループ化される必要がある。異なるUEからデータストリームをグループ化することは、グループ内にそれぞれのデータストリームの識別を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明の第一の態様の実施の形態によれば、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける伝送方法が提供され、本方法は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネルの識別情報及びUEの識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出するステップ、リレーノードと基地局との間の送信のため、ユーザデータストリームを、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つに分類するステップを含み、ユーザデータストリームは、受信時に、データストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して識別される。
【0038】
従って、本発明の実施の形態は、データストリームが受信されたときに、データストリーム(又はベアラ)を識別するために予め送信された特性を使用することができ、ユーザデータの進行している送信のシグナリングオーバヘッドを低減することができる。
【0039】
データストリームは、アップリンクの伝送(ユーザ装置からRN、基地局へ)、ダウンリンク伝送(基地局からRN、ユーザ装置へ)、或いは双方向伝送される。これらのケースの何れかで、基地局は、異なるユーザ装置からデータストリームを多重化するため(ダウンリンク)又はこれらデータストリームを分離するため(アップリンク)或いは両者のため、データストリームの特性を使用することができる。データストリームの特性は、リレーの端で既に利用可能であり、リレーの端は、伝送経路の関連する部分の1つの端である。更なるパラメータは、例えばデータストリームのレイヤ2パラメータといった、既に規定されたものを超えて、データストリームの特性に含まれる。
【0040】
当業者であれば、ユーザ装置は、ハンドへルド装置(PDA、電話等)、ラップトップ又は固定電話又はコンピュータのような、固定又は移動型のユーザ装置であることが理解される。
【0041】
通信システムは、LTE−Advanced通信プロトコル又は何れか他の通信プロトコルに従って動作するために適している。LTE−Advancedプロトコルの場合、基地局は、ドナーeNBとして知られるeNBアクセスノードである。更なる代替として、通信システムは、LTE eNBS及びLTE−A eNBを含む混成されたネットワークで動作する。
【0042】
多重化情報は、予め伝送されたデータストリームの特性と組み合わせて使用されたとき、(通常は異なるユーザ装置からの)グループにおける異なるデータストリームを識別する何れかの情報である。1つの代替では、多重化情報は、グループにおけるそれぞれのユーザ装置のユーザ装置識別子である。
【0043】
ここで、ユーザ装置識別子は、しばしば使用される完全な識別子よりも短い場合がある。例えば、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)は、RNにより提供されるセルにおけるアクティブなユーザ装置を表すために必要とされるビットのみを反映するため、使用されるビット数を有理化することで圧縮される。また、同じ有理化されたC−RNTIの形式は、完全なC−RNTIの代わりに、データストリーム特性のうちの1つとして送出される。
【0044】
別の代替では、多重化情報は、多重化されたユーザデータストリームのグループ内のユーザデータストリームの位置を含む。これは、ビットマップアプローチであり、多くの状況では、グループにおけるユーザデータストリームの順序が、新たなデータストリームの特性と同じステージで基地局に送出されることを必要とし、すなわち新たなストリームがグループに参加するときは何時でも(及び以下に詳細に記載されるように、更新されるとき)、新たなデータストリームの特性と同じステージで基地局に送出されることを必要とする。
【0045】
有利なことに、多重化されたユーザデータストリームのそれぞれのグループは、1を超えるユーザ装置に関連するデータを含む。従って、グループは、ユーザ装置ではなくQoS特性に従って行われる。
【0046】
好ましくは、ユーザ装置識別子(多重化情報として個々のデータパケットと予め送信されるか送信される)及びチャネル識別子が識別のために使用され、ユーザデータストリームの分離が可能になる。この分離は、アップリンクの伝送のために基地局で行われるか、ダウンリンクの伝送のためにリレーノードで行われる。チャネルID(又はより詳細にはLTEにおける論理チャネルID)の使用は、同じユーザ装置からの異なるデータストリーム間の区別を可能にする。
【0047】
多くの構成では、異なるサービス品質の要件をもつ複数のユーザデータストリームは、ユーザ装置とリレーノードとの間で提供される。係るケースでは、特定のQCIのような特定レベルのQoSをもつデータストリームは、ベアラが同じユーザ装置に関連する場合でさえ、異なるレベルのQoSをもつベアラについて使用されるグループとは異なる基地局/RNでのグループに多重化される。
【0048】
好ましくは、データストリームは、データストリームにおけるそれぞれのパケットにラベル付けされる。従って、チャネル識別情報及び/又はユーザ装置識別情報は、個々のパケットを認識するために使用される。チャネル識別は、LTE−Aにおける論理チャネルのような適切な形式である。
【0049】
データストリームの特性は、ユーザ装置とリレーノードとの間の送信のために明確に決定されることが好ましく、リレーノードと基地局との間の伝送をセットアップするために使用される。また、データストリームの特性は、ユーザ装置とリレーノードとの間及び/又はリレーノードと基地局との間でスケジュールのために使用される。
【0050】
チャネル識別情報及びユーザ装置情報は、好ましくはLTEシステムにおけるPDCPサブレイヤにおいて、リレーノードにおける物理レイヤを超えるレイヤで提供される。
【0051】
データストリームの特性は、データストリームが初期化されるときに、基地局に送出される。しかし、データストリームの特性は、周期的に、更新され、基地局に再送出され、及び/又は、データストリームの要件における変更があったときは何時でも、更新され、基地局に再送出される。例えば、ユーザ装置の局所的な状態又は変更された移動性が異なるQCIを適切にする場合、アップデートは、少なくともアップデートされたQCIと共に基地局に送出される。
【0052】
本発明の更なる態様の実施の形態では、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムが提供され、リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出し、リレーノードは、リレーノードから基地局へのアップリンクの伝送について、及び/又は、基地局は、基地局からリレーノードへのダウンリンクの伝送について、ユーザデータストリームを、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される複数の多重化されたユーザデータストリームのグループのうちの1つに分類し、基地局は、アップリンクの伝送について、及び/又は、リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、予め送信されたデータストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して、そのグループにおいてユーザデータストリームを識別する。
【0053】
本発明の態様は、上述された方法を実行する通信システムに関する。通信システムは、システムコンフィギュレーションに依存して、ダウンリンク、アップリンク又は両者で本方法を実行する。
【0054】
本発明のなお更なる態様の実施の形態では、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおけるリレーノードが提供され、リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出し、リレーノードは、リレーノードから基地局へのアップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される複数の多重化されたユーザデータストリームのグループのうちの1つに分類し、及び/又は、リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、基地局からの多重化されたデータストリームのグループを受信し、リレーノードは、アップリンクの伝送について、グループ内で多重化情報を提供し、データストリームの特性と共に、ユーザデータストリームがグループにおいて識別されるのを可能にし、及び/又は、リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、データストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して、そのグループにおいてユーザデータストリームを識別する。
【0055】
本発明のこの態様は、ダウンリンク、アップリンク又はその両者でリレーノードにより実行される役割を示す。また、この態様は、リレーノードにより実行される対応する方法、実行されたときに当該方法を実行するコンピュータプログラム、又は、リレーノードのコンピューティングデバイスにダウンロードされたときに、該コンピューティングデバイスを特許請求されるリレーノードにするコンピュータプログラムに拡張する。
【0056】
本発明の更なる態様の実施の形態は、基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける基地局が提供され、基地局は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置識別情報を含むデータストリームの特性をリレーノードから受信し、基地局は、基地局からリレーノードへのダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、複数の多重化されたユーザデータストリームのグループのうちの1つにユーザデータストリームを分類し、及び/又は、基地局は、アップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、リレーノードからの多重化されたデータストリームのグループを受信し、基地局は、ダウンリンクの伝送について、データストリームの特性と共に、ユーザデータストリームがグループにおいて識別されるのを可能にするため、グループ内に多重化情報を提供し、及び/又は、基地局は、アップリングの伝送について、データストリームの特性と共に、グループにおいて保持される多重化情報を使用して、そのグループにおいてユーザデータストリームを識別する。
【0057】
本発明のこの態様は、ダウンリンク、アップリンク又は両者に関して、基地局により実行される役割を示す。また、この態様は、基地局により実行される対応する方法、実行されたときに、当該方法を実行するコンピュータプログラム、又は、基地局のコンピューティング装置にダウンロードされたときに、コンピューティング装置を特許請求された基地局にするコンピュータプログラムに拡張する。
【0058】
本発明の更に他の態様の実施の形態は、基地局のコンピューティング装置で実行されたとき、及びリレーノードのコンピューティング装置で実行されたとき、第一の態様の実施の形態の方法を実行するソフトウェアを提供するか、又は、リレーノード及び基地局にダウンロードされたときに、コンピューティング装置を上述された通信システムのリレーノード及び基地局にするソフトウェアを提供する。
【0059】
ソフトウェアは、例えばコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されるコンピュータプログラムであるコンピュータプログラムの形式、インターネット又はその他からダウンロードされた信号の形式である。また、ソフトウェアは、コンピュータプログラムモジュールのパッケージの形式である場合もあり、全体の結合された機能は、リレー及び基地局での個別のソフトウェアモジュールにより提供される。
【0060】
詳細に説明された第一の態様の特徴及びサブの特徴は、特に互換性がない場合を除いて、更なる態様のそれぞれに適用され、一部及び全部の態様の特徴が自由に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の従来技術の特徴及び好適な特徴は、添付図面を参照しながら、例を通して記載される。
【図1】LTEの簡単なネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図2】LTEについてプロトコルレイヤ間の関係を示す図である。
【図3】ダウンリンクのレイヤ2の構造を示す図である。
【図4】アップリングのレイヤ2の構造を示す図である。
【図5】LTEシステムにおける無線ベアラの概念図である。
【図6】PDCPレイヤ構造の図である。
【図7】リレーによるLTE/LTE−Aのアーキテクチャを示す図である。
【図8】リレーを使用したLTEのプロトコルレイヤ間の関係についての2つの可能性を示す図である。
【図9】UnインタフェースとUnインタフェースとの間のベアラのマッピングの問題を示す概念図である。
【図10】従来技術におけるデータパケットの識別のために可能なレイヤ2プロセスを示す図である。
【図11】本発明の一般的な実施の形態を示すフローチャートである。
【図12】Unインタフェースを通したアップリンクのトラフィックの多重化及びラベリングを示す図である。
【図13】データストリームにおけるパケットを識別する2つの方法を概念的な形式で示す図である。
【図14】Unインタフェースを通してのアップリンクのトラフィックの多重化の例を示す図である。
【図15】Unインタフェースを通してのダウンリンクのトラフィックの多重化の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
RNとBSとの間の多重化されたデータストリームを識別する特定の問題に対する以前のソリューションが得られる。
従来技術の文献R2-094343(TSG-RAN WG2#67,LA,US June-3 July 200)では、タイプ1のリレーで動作するシナリオについてのトラフィック(データストリーム)の多重化問題が開示される。この文書は、異なるユーザ装置のトラフィックについてL2で多重化を実行することを提案している。RN側のそれぞれのユーザ装置についてこの多重化されたトラフィックを分離するための2つの可能な選択が行われる。
選択1:それぞれのデータストリームが論理チャネルの識別情報により識別される暗黙的なソリューション。
【0063】
選択2:異なるユーザ装置についてトラフィックを分離するためにMAC PDUにおいて余分なフィールドが定義される明示的なソリューション。
【0064】
選択1について、それぞれのデータストリームは、1つの論理チャネルにマッピングされる。LC IDは、同じMAC PDUで多重化された全てのこれらのパケットを識別するために使用される。この選択の利益は、現在のLTEで定義されたL2構造を再使用することである。しかし、4ビットがLTEにおけるLC IDについて使用されるので、最大で16データストリームが識別される。この選択は、サポートされるユーザ装置のトラフィックがわずか16であるRNアプリケーションのシナリオを厳しく制限する。
【0065】
選択2について、現在のLTEで定義されたLC IDの長さに変更はないが、1つの余分なヘッダがMAC PDUに加えられ、この余分なヘッダは、それぞれのデータストリームを識別するためにUE IDを含み、可能性のあるL2構造は、図10に示される。
【0066】
R2-094343において、MAC PDUヘッダのオーバヘッドを最適化するため、UE_IDの定義について3つのオプションが存在する。
【0067】
それぞれのユーザ装置について16ビットが付加されることを意味するC−RNTIが使用される。
固定された長さUE_IDは、同じRNにより給仕される最大の許容されるUE番号に従って採用される。
可変長UE_IDは、同じRNにより給仕されるUE番号に従う。
【0068】
同様に、R2-094811(3GPP TSG-RAN Meeting#67, Shenzen, China, August 24-August 28, 2009)は、UE RB IDをPDCPヘッダに加えることで、Unインタフェースの同じDRBにマッピングされるユーザ装置のベアラを識別するため、PDCPプロトコルが使用されることを提案する。
【0069】
図11は、本発明の一般的な実施の形態を示す。はじめに、ステップS1では、UEとRNとの間の新たなデータストリームのユーザデータストリームの特性は、(RNにより)BSに送出される。次いで、ステップS2において、データストリームは、多重化情報を含めて、RNとBSとの間の伝送の多重化されたデータストリームのグループに分類される。グルーピングは、サービス品質の要件による。データストリームが到達したとき、予め送出したデータストリームの特性及び多重化情報を使用して、同じグループにおける他のデータストリームから区別される。
【0070】
多重化情報は、例えばレイヤ2のヘッダの一部として、データストリームのそれぞれのパケットについて有利にも提供される。本発明の幾つかのLTEの実施の形態は、圧縮されたUE Un ID及び論理チャネルIDの組み合わせは、PDCPレイヤでデータパケットを識別(認識又は区別)するために使用され、このデータパケットは、Unインタフェースを通してアップリンク及びダウンリンクの両方で伝達される。圧縮されたUE Un IDが使用され、RNによる接続及び給仕されるUEのC−RNTIから導出される。
【0071】
交換された情報は、RNスケジューラにより制御されるUuインタフェースとDeNBによるUnインタフェースの両者についての協調的なリソースの割り当てを可能にする。圧縮されたUE Un IDの情報(いわゆるこの情報はUnで使用され、RNセルにおけるアクティブなUEのみを反映するため)、及び関連される論理チャネルIDは、RNからDeNBに伝達される。この情報は、RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立したときにはじめにDeNBに送出され、情報のアップデートは、DeNBに送出される必要があり、UnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するため、従って最小のオーバヘッドのみが必要とされることが保証される。
【0072】
幾つかの本発明の実施の形態について、以下のような幾つかの重要な実用的な実現ポイントが存在する。
1.圧縮されたUE Un ID及び論理チャネルIDの組み合わせは、PDCPレイヤでデータパケットを識別するために使用される。この情報は、RNからDeNBに伝達される。
【0073】
2.RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立するとき、(例えばUEの割り当てられたC−RNTI、割り当てられたデータ無線ベアラのQCIパラメータ及びレイヤ2パラメータといった)関連する情報は、DeNBに信号伝達される。次いで、情報のアップデートのみがDeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでのPDCPデータパケットを識別するため、最小のオーバヘッドが必要とされることが保証される。
3.DeNBは、この情報を使用して、スケジュール情報を調節するのと同様に、UL及びDLの両者について適切なUnベアラをセットアップ又はアップデートする。従って、UuインタフェースのスケジューラとUnインタフェースのスケジューラとの間の協調的なスケジュールが可能となり、RNに接続されるUEのQoSの保証が達成される。
4.パケットを識別するために使用される2つの方法(以下に詳細に述べられる)は、PDCP PDUヘッダに多重化情報を追加するために提案される。
【0074】
図12は、3つのUEについてのパケットを示し、このパケットは、Uuインタフェースを通して送信され、次いでUnインタフェースを通して送信される。図の左手側には、異なるレイヤにおけるビューを示すために、パケットが2行で示されている。ここで、“M”は、下の行でのMACヘッダを示し、“R”及び“P”は、RLCヘッダ及びPDCPヘッダにおけるヘッダを示す。A,B及びCとして表される3つの異なるQoSレベルが存在する。Uuインタフェースを見て、UE1は、2つの異なるストリームを生成し、1つのQoSレベルAをもち、1つはQoSレベルBをもつ。UE2は、QoSレベルA及びQoSレベルBの1つからなるストリームを有し、UE3は、QOSレベルAからなるストリーム、QoSレベルBからなるストリーム、及びQoSレベルCのストリームを有する。
【0075】
Unインタフェースについて、同じQoSレベルを持つストリームは、アップリンクでRNにより互いに多重化される。はじめに、異なるUEからのパケットが識別され(ID1,ID2,ID3)、次いで、それぞれのQoSレベルについて、PDCP/RLCエンティティは、単一の多重化されたグループを与えるためにストリームを処理する。それぞれのグループA,B及びCの全体のヘッダは、UE IDと、そのUEのビット数を示す“I”フィールドとにより示される。MACの多重化は、送信のためにグループをまとめる。
【0076】
図12に示されるように、Uuインタフェースを通しての複数のデータ無線ベアラは、RNに接続される複数のUEに割り当てられ、それぞれのDRB(データ無線ベアラ)は、所定のQCIパラメータ及びレイヤ2パラメータ(例えばRLCモード等)と関連される。特定のパラメータと関連されるUu DRBは、ULデータデリバリについてのRNとDLデータデリバリについてのDeNBにより、同じ特定のパラメータをもつUn DRBと関連される。1つのUn DRBにおいて、圧縮されたUE Un IDは、異なるUEに属するパケットを識別するため、PDCP PDUヘッダに追加される。
【0077】
圧縮されたUE Un IDは、RNにより接続され、給仕されるC−RNTIから導出される。圧縮されたUE Un ID及び関連される論理チャネルIDの情報は、RNからDeNBにはじめに伝達される。すなわち、RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立したとき、関連する情報(例えばUEの割り当てられたC−RNTI、割り当てられたデータの無線ベアラのQCIパラメータ及びレイヤ2のパラメータ)は、DeNBに信号伝達される。次いで、情報のアップデートは、DeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するために最小のオーバヘッドのみが必要とされることが保証される。DeNBは、この情報を使用して、スケジューリング情報を調節するのと同様に、UL及びDLの両者について適切なUnベアラをセットアップ又はアップデートする。従って、UuインタフェースのスケジューラとUnインタフェースのスケジューラとの間の協調的なスケジューリングが可能となり、RNに接続されるUEについてQoSの保証が達成される。
【0078】
図13は、多重化情報をPDCP PDUヘッダに付加することで、パケットを識別する2つの方法を示す。1つの代替では、それぞれのパケットのPDCPパケットヘッダにおいてUE識別子が使用される。この代替は、図12に示される1つである。実際の実現では、UE識別子及びLフィールドは、システム設計の選択に依存して、何れかの順序である。
【0079】
第二の代替として、それぞれのUEのLフィールドは、アクティブなUEに従って予め決定された順序に常に従い、グループにおいてUE当たり1つのデータストリームが存在する場合、UEの数はLフィールドの数に等しく、又は、1を超えるデータストリームが少なくとも1つのUEに/少なくとも1つのUEから提供される場合に、UEよりも多くのLフィールドが存在する。これはビットマップアプローチであり、Lフィールドは、UE識別子を使用した識別を必要としない。この第二のアプローチでは、Lフィールドは、UEについてのデータが存在しない場合に0の値をとる。
【0080】
UuとUnの両者について無線リソースの割り当ての1つの手順は、以下の通りである。
1.RNがUEについてUuのデータの無線ベアラを確立したとき、圧縮されたUE,Un IDを含む、関連する情報(例えばUEの割り当てられたC−RNTI、割り当てられたデータの無線ベアラのQCIパラメータ及びレイヤ2のパラメータ)は、DeNBに伝達される。
2.この情報に基づいて、DeNBは、ULとDLの両者について類似のパラメータによりUnベアラをセットアップ又はアップデートする。
3.情報のアップデートのみがDeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するため、最小のオーバヘッドが必要とされることが保証される。
4.Unインタフェースを通してPDCPレイヤでデータパケットを識別するため、圧縮されたUE Un ID及び論理チャネルIDの組み合わせが使用される。
【0081】
図14は、PDCPレイヤにおけるアップリンクでの提案されるトラフィック多重化及びパケット識別メカニズムの例を示す図である。この例は、RNに接続される3つのUEがアクティブモードであること、これらのUEがデータの無線ベアラが割り当てられていることを想定している。UEのそれぞれのDRB1は、QCIパラメータ及びレイヤ2のパラメータ(例えばRLCモード)のような同じ特徴をもつDRBである。DRB1のみが示されているが、当業者であれば、1以上のUEが、図示されない更なるDRB,DRB2を有する場合があることを理解されるであろう。
【0082】
本発明の実施の形態のメカニズムに基づいて、DeNBは、図14に示されるように(UnにおけるULのDRB1)、同じ特徴又は類似の特徴をもつUnインタフェースを通してUL及びDLについてデータの無線ベアラを割り当てる。
【0083】
Uuインタフェースを通してUEからのデータパケットは、受信され、DRB1に関連するRNの受信PDCPエンティティにおいて個別に処理される。パケットは、DRB1について送信PDCPエンティティに通過する前に、適切なUE_Un_IDに関連付けされることで更に識別される。次いで、パケットは、送信PDCPエンティティにおいて処理され、上述された多重化ヘッダを含むPDCPヘッダは、それぞれのPDCP PDUについて構築される。
【0084】
図15は、ダウンリンク伝送を多重化する等価な図である。従って、この図は、DeNBのPDCPレイヤにおける処理を示す。S−GWへのS1−Uは、左に示され、RNへのUnインタフェースは、右に示される。S−GWからのデータは、1つのUEについて3つの別個の規格/エンティティにおけるGTP(GPRSトンネリングプロトコル)を受け、到来するデータストリームから適切なヘッダを除く。パケットは、UEヘッダで識別されるか、ビットマップアプローチを使用して識別され、次いで、PDCP送信エンティティにおいて互いに多重化される。
【0085】
[幾つかの好適な特徴の要約]
本発明のLTEの実施の形態は、PDCPレイヤでデータパケットを識別するため、圧縮されたUE Un IDと論理チャネルIDとの組み合わせが使用され、このデータパケットは、Unインタフェースを通してアップリンク及びダウンリンクの両者で伝達される。圧縮されたUE Un IDは、RNにより接続されて給仕されるUEのC−RNTIから導出される。階層的なパケットのラベリング/送信スキームは、RNスケジューラにより制御されるUnインタフェース及びDeNBによるUnインタフェースの両者のリソースの割り当てを可能にするために提案される。圧縮されたUE Un ID及び関連される論理チャネルIDは、RNからDeNBに伝達される。情報は、RNがUEのUuのデータの無線ベアラを確立したときにDeNBにはじめに送出され、次いで情報のアップデートのみがDeNBに送出される必要があり、従ってUnインタフェースでPDCPデータパケットを識別するため、最小のオーバヘッドのみが必要とされることが保証される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける伝送方法であって、
当該方法は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、前記ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出するステップと、
前記リレーノードと前記基地局との間の伝送のため、前記ユーザデータストリームを、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つのグループに分類するステップとを含み、
前記ユーザデータストリームは、受信時に、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持される多重化情報を使用して、前記グループにおいて識別される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ユーザデータストリームは、アップリンク伝送、ダウンリンク伝送、又は双方向伝送向けのデータストリームである、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記多重化情報は、前記グループにおけるそれぞれのユーザ装置の識別子である、
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ装置の識別子は、多重化情報として使用されたときに、アクティブなユーザ装置を表すために必要とされるビットのみを反映するために、使用されるビット数を有理化することで圧縮される、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記多重化情報は、多重化されたユーザデータストリームのグループにおける前記ユーザデータストリームの位置を含む、
請求項1乃至4の何れか記載の方法。
【請求項6】
多重化されたユーザデータストリームのそれぞれのグループは、1を超えるユーザ装置に関連するデータを含む、
請求項1乃至5の何れか記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ装置の識別子及びチャネル識別情報は、アップリンクの伝送のために前記基地局で、前記ユーザデータストリームを識別して分離するか、ダウンリンクの伝送のために前記リレーノードで、前記ユーザデータストリームを識別して分離するために使用される、
請求項1乃至6の何れか記載の方法。
【請求項8】
異なるサービス品質の要件をもつ複数のユーザデータストリームは、前記ユーザ装置、前記リレーノード及び前記基地局との間で提供され、
前記チャネル識別情報及び前記ユーザ装置の識別情報は、パケットを認識するために使用される、
請求項1乃至7の何れか記載の方法。
【請求項9】
前記チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報は、前記リレーノードにおける物理レイヤよりも上のレイヤに提供され、好ましくはLTE(Long Term Evolution)システムにおけるPDCP(Packet Data Convergence Protocol)サブレイヤに提供される、
請求項1乃至8の何れか記載の方法。
【請求項10】
前記データストリームの特性は、前記ユーザ装置と前記リレーノードとの間の伝送のために決定される特性であり、前記リレーノードと前記基地局との間の伝送を設定するために前記基地局により使用される、
請求項1乃至9の何れか記載の方法。
【請求項11】
前記データストリームの特性は、前記ユーザ装置と前記リレーノードとの間の伝送のために決定される特性であり、前記ユーザ装置と前記リレーノードとの間、及び/又は前記リレーノードと前記基地局との間のスケジューリングのために前記基地局により使用される、
請求項1乃至10の何れか記載の方法。
【請求項12】
前記データストリームの特性は、周期的に更新され、前記基地局に再送出され、及び/又はデータストリームの要件に変化があるときは何時でも更新され、前記基地局に再送出される、
請求項1乃至11の何れか記載の方法。
【請求項13】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムであって、
前記リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたときに、前記ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を前記基地局に送出し、
前記リレーノードは、前記リレーノードから前記基地局へのアップリングの伝送について、及び/又は、前記基地局は、前記基地局から前記リレーノードへのダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つに、前記ユーザデータストリームを分類し、
前記基地局は、前記アップリンクの伝送について、及び/又は、前記リレーノードは、前記ダウンリンクの伝送について、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持される多重化情報を使用して、前記グループにおいて前記ユーザデータストリームを識別する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項14】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおけるリレーノードであって、
前記リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、前記ユーザデータストリームについてサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を前記基地局に送出し、
前記リレーノードは、前記リレーノードから前記基地局へのアップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義サービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つのグループに前記ユーザデータストリームを分類し、及び/又は、前記リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたデータストリームのグループを前記基地局から受信し、
前記リレーノードは、アップリンクの伝送について、前記グループにおいて多重化情報を提供して、前記データストリームの特性と共に、前記ユーザデータストリームが前記グループにおいて識別されるのを可能にし、及び/又は、前記リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持されている多重化情報を使用して前記グループにおいて前記ユーザデータストリームを識別する、
ことを特徴とするリレーノード。
【請求項15】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける基地局であって、
前記基地局は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたときに、前記ユーザデータストリームについてサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を前記リレーノードから受信し、
前記基地局は、前記基地局から前記リレーノードへのダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つのグループに前記ユーザデータストリームを分類し、及び/又は、前記基地局は、アップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたデータストリームのグループを前記リレーノードから受信し、
前記基地局は、ダウンリンクの伝送について、前記グループにおいて多重化情報を提供し、前記データストリームの特性と共に、前記ユーザデータストリームが前記グループにおいて識別されるのを可能にし、及び/又は、前記基地局は、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持される多重化情報を使用して前記グループにおいて前記ユーザデータストリームを識別する、
ことを特徴とする基地局。
【請求項1】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける伝送方法であって、
当該方法は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、前記ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を基地局に送出するステップと、
前記リレーノードと前記基地局との間の伝送のため、前記ユーザデータストリームを、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つのグループに分類するステップとを含み、
前記ユーザデータストリームは、受信時に、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持される多重化情報を使用して、前記グループにおいて識別される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ユーザデータストリームは、アップリンク伝送、ダウンリンク伝送、又は双方向伝送向けのデータストリームである、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記多重化情報は、前記グループにおけるそれぞれのユーザ装置の識別子である、
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ装置の識別子は、多重化情報として使用されたときに、アクティブなユーザ装置を表すために必要とされるビットのみを反映するために、使用されるビット数を有理化することで圧縮される、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記多重化情報は、多重化されたユーザデータストリームのグループにおける前記ユーザデータストリームの位置を含む、
請求項1乃至4の何れか記載の方法。
【請求項6】
多重化されたユーザデータストリームのそれぞれのグループは、1を超えるユーザ装置に関連するデータを含む、
請求項1乃至5の何れか記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ装置の識別子及びチャネル識別情報は、アップリンクの伝送のために前記基地局で、前記ユーザデータストリームを識別して分離するか、ダウンリンクの伝送のために前記リレーノードで、前記ユーザデータストリームを識別して分離するために使用される、
請求項1乃至6の何れか記載の方法。
【請求項8】
異なるサービス品質の要件をもつ複数のユーザデータストリームは、前記ユーザ装置、前記リレーノード及び前記基地局との間で提供され、
前記チャネル識別情報及び前記ユーザ装置の識別情報は、パケットを認識するために使用される、
請求項1乃至7の何れか記載の方法。
【請求項9】
前記チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報は、前記リレーノードにおける物理レイヤよりも上のレイヤに提供され、好ましくはLTE(Long Term Evolution)システムにおけるPDCP(Packet Data Convergence Protocol)サブレイヤに提供される、
請求項1乃至8の何れか記載の方法。
【請求項10】
前記データストリームの特性は、前記ユーザ装置と前記リレーノードとの間の伝送のために決定される特性であり、前記リレーノードと前記基地局との間の伝送を設定するために前記基地局により使用される、
請求項1乃至9の何れか記載の方法。
【請求項11】
前記データストリームの特性は、前記ユーザ装置と前記リレーノードとの間の伝送のために決定される特性であり、前記ユーザ装置と前記リレーノードとの間、及び/又は前記リレーノードと前記基地局との間のスケジューリングのために前記基地局により使用される、
請求項1乃至10の何れか記載の方法。
【請求項12】
前記データストリームの特性は、周期的に更新され、前記基地局に再送出され、及び/又はデータストリームの要件に変化があるときは何時でも更新され、前記基地局に再送出される、
請求項1乃至11の何れか記載の方法。
【請求項13】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムであって、
前記リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたときに、前記ユーザデータストリームについてのサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を前記基地局に送出し、
前記リレーノードは、前記リレーノードから前記基地局へのアップリングの伝送について、及び/又は、前記基地局は、前記基地局から前記リレーノードへのダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つに、前記ユーザデータストリームを分類し、
前記基地局は、前記アップリンクの伝送について、及び/又は、前記リレーノードは、前記ダウンリンクの伝送について、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持される多重化情報を使用して、前記グループにおいて前記ユーザデータストリームを識別する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項14】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおけるリレーノードであって、
前記リレーノードは、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたとき、前記ユーザデータストリームについてサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を前記基地局に送出し、
前記リレーノードは、前記リレーノードから前記基地局へのアップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義サービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つのグループに前記ユーザデータストリームを分類し、及び/又は、前記リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたデータストリームのグループを前記基地局から受信し、
前記リレーノードは、アップリンクの伝送について、前記グループにおいて多重化情報を提供して、前記データストリームの特性と共に、前記ユーザデータストリームが前記グループにおいて識別されるのを可能にし、及び/又は、前記リレーノードは、ダウンリンクの伝送について、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持されている多重化情報を使用して前記グループにおいて前記ユーザデータストリームを識別する、
ことを特徴とするリレーノード。
【請求項15】
基地局、リレーノード及び複数のユーザ装置を有する通信システムにおける基地局であって、
前記基地局は、新たなユーザデータストリームがユーザ装置とリレーノードとの間で確立されたときに、前記ユーザデータストリームについてサービス品質の要件、チャネル識別情報及びユーザ装置の識別情報を含むデータストリームの特性を前記リレーノードから受信し、
前記基地局は、前記基地局から前記リレーノードへのダウンリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたユーザデータストリームの複数のグループのうちの1つのグループに前記ユーザデータストリームを分類し、及び/又は、前記基地局は、アップリンクの伝送について、それぞれのグループがサービス品質の要件により定義される、多重化されたデータストリームのグループを前記リレーノードから受信し、
前記基地局は、ダウンリンクの伝送について、前記グループにおいて多重化情報を提供し、前記データストリームの特性と共に、前記ユーザデータストリームが前記グループにおいて識別されるのを可能にし、及び/又は、前記基地局は、前記データストリームの特性と共に、前記グループにおいて保持される多重化情報を使用して前記グループにおいて前記ユーザデータストリームを識別する、
ことを特徴とする基地局。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2013−515421(P2013−515421A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545422(P2012−545422)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002941
【国際公開番号】WO2011/077066
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002941
【国際公開番号】WO2011/077066
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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